大学中退率はどれくらいなのか知りたい人も多いのではないでしょうか?この記事では、大学中退率の全体データに加え、大学別・学年別・偏差値別でも分解して解説していきます。
また、大学中退からどのような進路があるのかや、大学中退から就職する時のコツなどについても解説しますので、これから大学を中退しようか悩んでいる人は特に参考にしてみてください。
この記事の目次
大学中退率は約2%
1年間における大学中退率は文部科学省の調査によれば約2%とされています。4年間大学に通う人にとっては、4年間に大学を中退する割合は約7.8%という計算になります。
9割以上の大学生は大学を中退することなく卒業するということですが、反面、7.8%の人が中退するのは意外と大きな数字じゃないでしょうか。ここでは大学中退率について以下の4つの観点で見ていきましょう。
- 大学中退率の推移
- 大学別の中退率
- 学年別の大学中退率
- 偏差値別の大学中退率
それぞれデータを用いながら詳しく解説していきます。
大学中退率の推移
大学中退率はならすとおおよそ2%となりますが、文部科学省が公開している大学中退率の推移を、令和に入ってからの3年分まとめると以下のようになっています。
大学(大学院生含む) | 令和3年度 | 令和2年度 | 令和元年度 |
---|---|---|---|
中退者数 | 57,875人 | 57,913人 | 74,129人 |
学生数に占める中退者の割合 | 1.95% | 1.95% | 2.5% |
このように、大学中退率はおおむね2%程度を推移していることが分かります。
大きな経済財動向の変化や、世界での動向があったとしても大学中退率はほぼ影響を受けず、毎年2%の大学生が中退しているということを覚えておくと良いでしょう。
参照:文部科学省「大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生
の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について」
大学別の中退率
続いて、大学の区分や大学院の修士課程・博士課程といった観点で中退率を見てみましょう。先ほどと同じく文部科学省が調査した中退率のデータをまとめると以下の通りです。
区分 | 国立 | 公立 | 私立 |
---|---|---|---|
学部(大学)中退率 | 1.2% | 1.23% | 2.88% |
修士課程中退率 | 3.09% | 4.38% | 6.02% |
博士課程中退率 | 7.33% | 8.75% | 9.46% |
短大中退率 | ※国立無し | 1.88% | 3.86% |
この調査結果からは、以下の2つの事実が分かります。
- 短大、大学、大学院における中退率は私立>公立>国立の順で下がっていく
- 大学以上の中退率は学部>修士>博士の順で下がっていく
逆に言えば、私立大学の学生の方が国立大学の学生よりも大学中退率が高いということです。
これは、国立大学の方が入学難易度が高い傾向にあり、私立大学よりも苦労して入学している人が多い傾向から来ているとも考えられます。
また、修士課程、博士課程とより上級の学問を学ぶにつれて中退率が上がっていってしまうのは、年齢が高まるにつれて学問ではなく就職する人が増えていくことに起因していると考えられます。
学年別の大学中退率
続いて、学年別に大学中退率を見ていきましょう。
大学中退時の学年 | 1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生 |
---|---|---|---|---|
男性 | 18.1% | 31.5% | 22.7% | 27.7% |
女性 | 38% | 39% | 12.2% | 10.7% |
合計 | 25.7% | 34.4% | 18.7% | 21.2% |
この調査結果から分かることとして以下が挙げられます。
- 大学2年生で最も大学中退率が高まる
- 大学4年生でもう一度中退の波が来る
大学に入学したての1年生時点では、大学に対する期待や夢を抱いていることもあり、比較的大学中退率は男性を中心に低めとなっています。しかし、2年生に進級すると大学に対するモチベーションが維持できない人が一気に中退します。
その波に耐えた人は3年生になっても大学に通い続けることができますが、最後4年生になって単位が足りなかったりなどの理由でもう一度中退の波が来る。というのが大まかな大学中退の外観と言えます。
もちろん大学を中退する理由というのは、学業不振やモチベーション低下といった項目以外もありますが、学年別に大学中退率が違うという事実は知っておいて損はないでしょう。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」
偏差値別の大学中退率
最後に、偏差値別の大学中退率についても解説します。独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」の結果をまとめると以下の通りです。
偏差値 | 国公立 | 私立 | 平均 |
---|---|---|---|
39以下 | ※該当無し | 17.2% | 17.2% |
40-44 | ※該当無し | 16.9% | 16.9% |
45-49 | 6.7% | 11.6% | 11.5% |
50-54 | 3.8% | 8% | 6.8% |
55-59 | 3.6% | 6% | 5% |
60-64 | 1.6% | 3.4% | 2.9% |
65-69 | 2.4% | 3.2% | 3% |
70以上 | 1.5% | 3% | 2.2% |
この調査結果から分かることは単純に大学の偏差値が上がるにつれて大学中退率は下がっていく傾向にあるということです。これは国公立でも私立でも同じ傾向となっています。
偏差値は50が平均値となりますが、それよりも低い49以下の偏差値の大学に関しては、中退率が10%を超えてくるのが特徴的です。
大学中退率に影響!大学を中退をする理由5選
ここまで大学中退率について数値を詳しく見てきましたが、そもそも苦労して進学した大学をなぜ中退してしまうのでしょうか?
文部科学省の調査結果によれば、大学中退理由としては以下の順で多いことが分かっています。
- 1.転学した
- 2.大学に馴染めなかった
- 3.中退して就職した
- 4.経済的に厳しくなった
- 5.学業不振
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
1.転学した
大学在学中に転学するケースとしては、次のようなものが考えられます。
- 専門的に学びたいことができ、専門学校に転学した
- 受験生時代に第一志望だった大学に仮面浪人して受験。合格できたため転学した
- 大学のカリキュラムが自分に合わずに転学した
- 何らかの理由で引っ越しをしなければならずに転学した
転学による大学中退は、ポジティブな理由とネガティブな理由に分けられます。いずれにせよ転学は自分の環境を大きく変えるだけでなく、周囲の人間関係も大きく変わることになりますので、慎重に検討する必要があるでしょう。
また、転学に当たっては転学先に入学するための受験が必要になることがほとんどですので、大学に通いながら受験勉強をしなければならないという点も知っておいてください。
2.大学に馴染めなかった
大学に入学し、自分の学びたい学部に通えるようになったのは良いものの、人間関係や大学そのものの雰囲気に馴染むことができずに中退する人は少なくありません。
特にサークルやゼミなど、少数で活動するような場面において、人間関係にトラブルを抱えてしまったような人は、フェードアウトするように大学を中退してしまう傾向にあります。
大学は高校までとは異なり、キャンパスの面積が広いだけでなく様々な学生が通っています。そのため、自分から働きかければいくらでも人間関係を築いていくことが可能です。
ただ、コミュニケーション能力に自信がなかったり、特定の学生や教授との相性が極端に悪かったりする場合、大学に馴染めず中退する選択を取る人がいるのも仕方ないことなのかもしれません。
3.中退して就職した
大学に進学する多くの人は、大学を卒業してそのまま新卒として会社に就職し、社会人になっていきます。しかし、中には大学在学中に就職する道を選び、就職するために中退する選択をする人がいます。その理由は2つ考えられます。
1つは大学に通い続けるモチベーションが低下してしまったという理由です。
単位不足や留年を何度もしてしまうと、次第に大学に通う意義が分からなくなり、「このまま大学に通い続けているよりも、就職した方が良いのではないか」と考えるようになります。
このような考え方の変化によって、大学中退から就職への道を選ぶ人が一定います。
2つ目は、大学在学中に起業してビジネスに専念するパターンです。
在学中での起業はそこまで珍しいものではありませんが、ビジネスが軌道に乗ってきたり、本格的にビジネスに集中したいといった思考になった人は、大学に通う時間が勿体無いと感じて中退します。
いずれの理由であっても、中退後のステップが明確となっているため、そこまで悪い中退理由とは言えないでしょう。
4経済的に厳しくなった
大学に通い続けるためには相応の学費が必要です。また、大学によっては留学を必須としていたり、実験費用で数十万円が学費とは別に必要になってきたりなど、学費に悩む学生は少なくありません。
大学に通い続けるのが難しくなるほど、経済的に厳しくなってしまった大学生は中退を選択することもあります。学費だけが懸念となっているのであれば、バイトのシフトを増やしたり、利用できる奨学金をもらったりなどで解決できるかもしれませんが、どんな手立てを使っても経済的に厳しい状態から抜け出せないという人は見られます。
なお、バイトや奨学金で学費の問題が解決できないのであれば、一度大学を休学してお金を貯めるというのも一つの手段ですので、合わせて覚えておいてください。
5.学業不振
大学の勉強についていくことができず、卒業に必要な単位取得の見込みが立たないことから大学を中退する人もいます。
大学に通うモチベーションそのものが下がってしまったり、サークルやバイトなど学業以外のことに熱中してしまう人は学業不振による中退を選びやすいです。
大学は文字通り自由な場所になるので、自分を上手く律することができないと卒業は難しいでしょう。どうしても自分で自分をコントロールできないのであれば、一度休学して自身の行動や人生を振り返る時間を取るのもおすすめです。
大学中退率から見る大学を辞める人の特徴
大学中退率のデータや、大学中退理由などから見えてくる大学を辞める人の特徴としては、以下の3つが挙げられます。
- 将来のことを考えて行動するのが苦手
- 情報を収集するのが苦手
- コミュニケーションが苦手
それぞれ詳しく解説していきます。
将来のことを考えて行動するのが苦手
大学を辞めることは、人生においても大きな決断であることは言うまでもありません。後ほど詳しく解説しますが、大学中退によって就職そのものが難しくなってしまったり、異性との出会いの場でも不利になってしまったりと多くのデメリットがあります。
中長期的に見た時に大学中退は避けるべきことではありますが、そもそも将来のことを考えて行動するのが苦手な人だとそのようなリスクを考えることが難しいため、「今、辞めた意図思っているから」という理由で大学を中退する傾向にあります。
もちろん経済的な問題や家庭の事情でやむなく中退せざるを得ない人もいますが、そうでない人が大学を中退したいと感じたら、今一度一歩踏みとどまり、本当に中退して良いのかを自問自答してみてください。
情報を収集するのが苦手
大学を中退する人の特徴としては、情報収集が苦手という観点も挙げられます。
例えば、経済的に厳しく学費が支払えない状況にある場合、情報収集が得意な人であれば学務課に話を聞きにいき、今の自分で利用できる奨学金があるという情報を取得し、学費の問題点もクリアにすることができるでしょう。
精神的な理由で中退したいと思っている場合は難しいですが、そうでない場合は情報収集をすることで大学を通い続けられる場合もあります。今大学を中退するか悩んでいるのであれば、自分の中退したいと思っている理由を言語化し、情報収集によって解決できないか検討してみるのもおすすめです。
コミュニケーションが苦手
コミュニケーション能力が低いことで、大学を中退してしまうというケースも考えられます。コミュニケーションが高いことで何故大学中退をしにくくなるのかの例としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 友達や先輩に話を聞き、単位が取りやすい講義を教えてもらう
- 試験についての情報共有を友達と行う
- 大学に通うモチベーションが下がった時、友達に話を聞いてもらう
- 人間関係でのトラブルが生じた時、自ら積極的にトラブルを解決できるようコミュニケーションを取る
先ほど触れたような「学業不振」や「大学に馴染めなかった」などの理由は、全てコミュニケーションで解決することができます。
もし現在大学を中退しようとしていて、かつ大学に友達が少ないと自覚しているのであれば、今からでもサークルに入って人間関係を構築してみるのも良いでしょう。
大学中退率から考える中退後の進路
大学中退率は2%と非常に少ないですが、大学を中退した人はどのような進路を歩むのでしょうか?
大学中退後の進路としては5つの選択肢が挙げられます。
- 民間企業に就職する
- フリーターとして働く
- 起業する
- 別の大学や専門学校に編入する
- 結婚や家業を手伝うケースも
それぞれの進路について詳しく解説します。
民間企業に就職する
大学を中退するということは学生ではなくなるため、そこから社会人へシフトしようとする人は多くいます。確かに大学中退により就職難易度は高くなってしまうものの、後ほど解説するコツを頭に入れてきちんと準備できれば、正社員として就職することは可能です。
民間企業に一度就職できてしまえば、そこからは学歴ではなく仕事での実績だけで評価を受けられるようになります。大学中退者であっても、スキルさえ身につけることができれば大卒以上の経験や収入を得ることもできます。
フリーターとして働く
大学中退後の進路に真剣に向き合うことができなかったり、就職活動に失敗し続けていたりすると、お金だけがどんどん減っていく状態になります。生活していくためにも、フリーターとして生活していくといった進路を選ぶ人も少なくありません。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によれば、大学中退直後にフリーターとして働きたいと思っていたような人は11.1%程度しかいませんでしたが、中退後に実際にフリーターになっていたという人は27.3%となっています。
つまり、フリーターになりたくてなったのではなく、「なってしまった」という人が大学中退者には多いということです。フリーターは将来的に見て非常に不安定な働き方ですので、特別な理由や思いがないのであれば、早々に民間企業へ就職できるようアクションするのがおすすめです。
起業する
大学中退理由のところでも触れましたが、中退後に起業をする人も少なくありません。今ではパソコン一台さえあれば誰でもビジネスができる時代となっていますので、ビジネスとしてやりたいことが明確にある場合は、中退後に起業するのも良いでしょう。
ただ、起業をすることが目的となってしまい、肝心の「起業をして何をするか」が固まっていない場合、結局具体的な行動に落とし込むことができずにフリーターになるというケースも考えられます。
大きな目標を掲げることは重要ですが、起業をするのであれば「具体的に何をいつまでにするのか」というプランニングをしっかり行うようにしてください。
別の大学や専門学校に編入する
大学中退後に別の大学や専門学校に編入するという進路も考えられます。特に専門学校であれば、随時入学受付をしているケースも多く、思い立ったらすぐに学び始められるのが特徴です。
ただ、この場合も大学や専門学校に目的意識を持って編入するのがポイントです。社会に出たくないからなどの理由で別の学校に逃げるように進学しても意味がありません。何を学び、どういう働き方をしていきたいのか、今一度言語化していきましょう。
結婚や家業を手伝うケースも
割合としては少ないですが、大学中退を機に結婚をする人もいます。ライフステージが大きく変わることになりますので、結婚をする場合はパートナーとしっかりと話し合い、仕事や家計をどうしていくかの目線合わせを行うのがおすすめです。
また、実家が自営業をしているのであれば、家業を手伝うという進路を選択するケースもあります。家業である程度経験を積み、そのままその世界で自分も自営業として働いていくこともあれば、民間企業への就職にシフトすることも考えられます。
いずれにせよ、自分の人生をどうしていきたいかから逆算し、後悔しない選択をするのがポイントとなります。
大学中退者の就職率から考える就職への影響
大学中退者の就職率は34%となっており、大卒の就職率が69%、高卒の就職率が68%であることから考えても、明らかに大学中退は就職率に悪影響をもたらすと言えます。
ここでは、具体的に大学中退が就職活動にどのような影響を与えるのかについて解説していきます。
大学中退者の就職率はなぜ低い?就職成功率を上げるやり方も解説
学歴が高卒になるため不利
大学を中退することにより、最終学歴は高卒になります。高卒だと、大卒を応募条件とする求人に応募できなくなってしまいますので、応募先が狭まるという観点で大きく不利になります。
また、募集条件に学歴の制限が無かったとしても、大卒と高卒から応募が同時にきた場合、多くの企業は大卒の人を採用したいと考える傾向にあります。これは、大学を卒業するだけの地頭と継続力があると思われやすいからです。
このように、大学中退は高卒になるというだけでも就職活動に大きく響いてくることが分かります。
面接官の心象的に不利
大学中退率は先ほど解説した通り2%です。大学生が100人いれば、そのうち2人しか中退者がいないということですので、それだけで以下のようなネガティブなイメージを面接官は感じることになります。
- 大学を卒業できない人が、会社で長く働けるだろうか?
- 採用しても、すぐに嫌になって退職してしまうのではないか?
- 人柄的に問題があるのではないか?
大学中退の事実は応募時点で基本的に面接官に伝わっていますので、面接がスタートする段階からネガティブなイメージを持たれるのは明確なデメリットと言えます。
面接対策が不十分だと、面接官が感じているネガティブイメージを払しょくできず、そのまま見送りになることが考えられます。事実として、大学中退者が大卒や高卒よりも就職率が非常に低いのは、この観点が大きいと考えられるでしょう。
空白期間があるとさらに不利
求人募集企業は、就職していない空白期間が長い人を採用することは避けがちです。その理由は、ひとえに「採用しても会社で上手くやっていけなさそう」と思われやすいことにあります。
なお、フリーターとして働いていた期間も、就職活動においては空白期間とみなされます。そのため、フリーターの期間が長くなればなるほど就職も難しくなりやすいため、合わせて認識しておくようにしてください。
大学中退から就職する時のコツ
大学中退者の就職率は低いという事実はあるものの、一方で正社員として就職できている人がいるのもまた事実です。
大学中退者が就職活動を成功させるコツとしては、以下の6つのポイントが挙げられます。
- 学歴不問・未経験歓迎求人を探す
- 倍率の低い仕事を選ぶ
- 資格を取得する
- 大学中退理由をポジティブに話す
- 応募する企業のことをしっかり調べる
- 就職エージェントを活用する
これらのコツをしっかり理解した上で就職活動に臨むことで、就職率を大きく引き上げられるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
学歴不問・未経験歓迎求人を探す
大学中退者が就職活動をするのであれば、学歴不問で募集している求人を中心に応募するのがコツです。
学歴不問の求人であれば、高卒となる大学中退者でも内定を獲得できる可能性があります。加えて、学歴不問の求人には中卒や大学に進学したことのない高卒も応募してきますが、一度でも大学に進学できた能力があるという点が評価され、選考で有利になることも期待できるでしょう。
また、学歴不問に合わせて未経験歓迎の求人に応募するのもポイントです。未経験歓迎の求人であれば、社会人経験がない人でも内定をもらいやすく、加えて入社後の研修制度が整っていることが多いため、社会人デビューを円滑に進められるでしょう。
特に求人サイトを使って就職活動を進めていきたいと思っている場合、これら2つの条件を必ずチェックした上で求人を検索するようにしてください。
倍率の低い仕事を選ぶ
やりたい仕事が特別無いのであれば、就職倍率が低い仕事から検索していくというのもコツになります。
求人サイトdodaの調べによれば、以下の仕事は比較的求人倍率も低いため、大学中退者であっても内定を獲得しやすいと考えられます。
- 建設系技術職
- 事務・管理系
- 営業職
- 機電系エンジニア
特に営業職については、業績さえ出せれば大学中退者でも大卒以上に稼ぐことができますし、求人数が非常に多いためおすすめです。
なお、事務職は求人数に対して就職希望者が非常に多い人気の仕事となりますので、大学中退者が就職を希望する場合は、厳しい選考が待ち受けている可能性があるため注意してください。
資格を取得する
ほとんどの仕事において、資格が必須となるケースはありません。ただ、資格を持っておくことで選考で有利になることは考えられるため、時間的余裕があるならば資格取得も検討してみると良いでしょう。
大学中退者でも勉強に取り組みやすく、幅広い業界・仕事でアピールできる資格としては、以下のようなものが挙げられます。
- TOEIC
- 日商簿記検定
- ファイナンシャルプランナー
- 秘書検定
- ビジネスマナー検定
- マイクロソフトオフィススペシャリスト
就職活動における資格の有用性については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
大学中退理由をポジティブに話す
大学を中退していると、高い確率で面接官に大学中退理由を聞かれます。この時、ネガティブに中退理由を伝えてしまうと、面接官に対してマイナスイメージを植え付けてしまうことになり、選考に通過しにくくなります。
上手く大学中退理由をポジティブに話すことができれば、面接官に魅力的な人材というアピールにも繋げられることができるため、大学中退理由については必ず言語化し、面接で語れるようにしてください。
大学中退理由の伝え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
応募する企業のことをしっかり調べる
応募する企業については、面接までに必ず徹底的に調べるようにしましょう。企業調査の上で確認すべきものとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 求人票
- 求人広告
- 企業ホームページ
- 就職口コミサイトでの口コミ
- 決算説明会資料(上場企業の場合)
企業のことを調べることは、そのまま面接での熱意をアピールすることに繋がりますし、入社後の悪いギャップを感じにくくなるという点でも有効です。
企業研究の詳しいやり方については、以下の記事を参考にしてみてください。
就職エージェントを活用する
何から就職活動を始めればいいのか分からないという大学中退者には、就職エージェントの利用がおすすめです。
就職エージェントを利用することで、就職活動に必要な知識を直接アドバイザーが教わることができるだけでなく、履歴書の添削や模擬面接の実施をしてもらえるため、就職成功率を引き上げることができます。
また、キャリアカウンセリングを経て、自分の希望する仕事の求人の紹介を受けられるようになるため、就職活動全般にかかる期間を大幅に短縮する期待も持てます。
就職エージェントの利用は無料となっていますので、気になるサービスを見つけたらまずは登録してみることから始めると良いでしょう。
大学中退率に関する注意点
最後に、大学中退率に関連する注意点を2つ解説します。
本当にキツいなら中退してもいい
大学中退率は2%と極めて低く、中退により自分が少数派になることは避けられません。しかし、真剣に検討してもなお「どうしても自分は大学に通い続けられない」と感じるのであれば、大学を中退してもいいでしょう。
精神的にキツい中で大学に通い続けていれば、精神病を患ってしまうリスクもあります。人生において、心身ともに健康な生活を送るのが最も大切と言っても過言ではありませんし、そのためであれば大学を中退するという選択肢は持っておいてもいいと考えられます。
明確な意思がないなら大学を卒業した方が有利
大学中退後に明確なビジョンや進路を持っておらず、ただなんとなく合わないという理由だけで大学を中退するのはおすすめできません。明確な意思がないのであれば、大学を卒業して就職活動をした方が後々あらゆる面において有利になります。
大学へのモチベーションがどうしても湧かないのであれば、中退ではなく休学という選択肢も検討してみてください。
まとめ
大学中退率は2%と極めて低いです。また、大学の区分や偏差値によっても大学中退率は大きく変わるというデータもありますので、この記事の内容を参考にしつつ、本当に大学を中退していいのかどうかの検討を進めてみてください。
なお、大学を中退するとどうしても就職成功率は下がりやすいため、もし正社員就職を目指して中退するのであれば、記事で解説した就職活動のコツを意識していきましょう。
こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
4年間の大学中退率の約7.8%の考え方を解説します。
1年ごとに2%が大学を中退する、つまり98%が大学を中退しないということになります。
もし100人が入学したとすると、4年間で
100人×98%×98%×98%×98%=92.2人 が辞めずに残ることになります。。
つまり、4年間で大学を中退する人は7.8人=7.8%となるのです。
参考の考え方:朝日新聞EduA『「卒業まで一学年の10%が大学中退」の現実 防止に取り組む努力必要 専門家の指摘②』