大学中退者の履歴書の書き方は?辞めた事実を書かないリスクも解説

大学中退者の履歴書の書き方は?辞めた事実を書かないリスクも解説

大学中退の経歴は、履歴書に事実をそのまま正しく記載するのが基本です。「大学卒業」と偽って記載すると学歴詐称にあたるため、注意が必要です。

なお、中退理由を必ず書かなければならないという決まりはありません。中退した理由が前向きなものであった場合や、やむを得ない事情がある場合のみ、簡潔に添えると好印象につながりやすくなります。

本記事では、具体的な履歴書の書き方から、書かない場合に生じるリスク、企業が中退者の履歴書で確認したいポイントまで詳しく解説します。就職活動への不安を減らすためにも、ぜひ最後までご覧ください。

記事のPoint
  • 「中退の経歴を履歴書に書かない」は不可!最終学歴は「高卒」扱いになる
  • 学歴欄に「○○大学 △△学部 中途退学」と記載する。中退した理由も書いた方が良い
  • 大学を中退して不安があるなら、中退者の就職実績が多いエージェントを活用しよう
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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。

中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
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大学中退者の履歴書の書き方は?

大学中退者の履歴書は、事実を正しく記載しつつ、中退をマイナスに見せない書き方が基本です。各項目で心がけたい書き方は、以下のとおりです。

項目大学中退者が心がけたい書き方
基本情報誤字脱字なく正式名称で記載する
学歴中途退学と記載し理由を添える
職歴アルバイト経験は内容次第で記載するか判断する
自己PR中退で得た強みを伝える
志望動機応募先とのつながりを示す
資格・免許正式名称で記載する
趣味・特技人柄が伝わる内容を簡潔にまとめる
通勤時間片道の所要時間を記載する
本人希望欄希望がなければ「貴社規定に従う」と記載する

上記の項目のうち、学歴や自己PR、志望動機は企業が注目して見ている可能性が高いと言えます。次の項目から詳しい書き方を見ていきましょう。

1. 基本情報

履歴書の「基本情報欄」には、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレスを記載します。また、証明写真の添付も必要です。

基本情報欄は、採用担当者が真っ先に確認する部分です。
“第一印象”が決まる箇所でもあるため、丁寧な文字で書く、誤字脱字に気をつける、埋め漏れがないか何度もチェックするなど、特に注意して記載しましょう。

それぞれの項目については、次のポイントを参考にしてみてください。

基本情報欄の項目ポイント
氏名・姓と名の間は1マスほど空ける
・フリガナの記入漏れに注意する
生年月日・和暦・西暦はどちらでもOK
・履歴書の他の項目(学歴・経歴欄など)と表記を統一する
住所・都道府県から記載・建物名
・部屋番号も省略せずに書く
電話番号日中に連絡がつきやすい番号を書く
メールアドレス打ち間違いが多い箇所のため、誤りがないか入念にチェックする
証明写真・3ヶ月以内に撮影した、規定サイズの写真を貼る
・剥(は)がれた場合に備えて、裏面に氏名を記載しておく
・スマホの「自撮り写真」はNG
・派手すぎない髪形・メイクで撮影する
・男性はスーツにネクタイ姿が基本。女性はジャケットを着用し、インナーは白や淡色がおすすめ
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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

履歴書の顔写真は第一印象を左右する

履歴書の写真は、スマホの自撮りなどではなく、写真館や証明写真機で撮影したものを使いましょう。

採用担当者が履歴書を手に取ったとき、真っ先に目に入るのが顔写真です。顔が大きく写りすぎていたり、逆に引きすぎて全身が写っていたりする写真も見かけますが、こうした写真は見栄えとしてもマナーとしても良くありません。

履歴書の写真は、頭のてっぺんから胸の上あたりまでに収めることが基本です。顔写真は第一印象を大きく左右する大事なポイントなので、お金と手間は多少かかっても、きちんとした写真を用意することをおすすめします。

2. 学歴

履歴書には「学歴・職歴欄」がありますが、まずは「学歴」から書き始めるのがマナーです。

具体的には、一行目に中央揃えで「学歴」と書き、次の行から具体的な学歴を書き始めましょう。

「~~高等学校」と正式名称で記載し、大学名だけでなく学部・学科(専攻)も明記します。

「年」の表記は、西暦(2025年など)でも和暦(令和7年など)でも構いません。
ただし、学歴欄を西暦で書いた場合、経歴欄や資格欄も西暦で書くなど、表記は統一させてください。

入学年や卒業年が曖昧な場合は、こちらの「学歴早見表」を使うと簡単に確認できます。

▼学歴欄(記載例)

年月学歴
20233◯◯県立◯◯高等学校 卒業
20234△△大学 心理学部 心理学科 入学
202511△△大学 心理学部 心理学科 中途退学(経済的な事情により退学)


大学中退者が学歴欄を書く際は、次のポイントを意識しましょう。

  • 「中途退学」と正しく記載する
  • 中退予定の場合は「△△大学 △△学部 中途退学予定」と記載する
  • 中退した年月を正確に書く

後ほど説明しますが、中退した事実をごまかすと「学歴詐称」や「懲戒処分」につながるリスクがあります。そのため“卒業”と偽らず、“中途退学”と正しく記載しましょう。

中退理由の書き方

中退理由を履歴書に書くときは、「中途退学」と記した横に、カッコ書きで簡潔に記します。

▼学歴欄(中退理由の記載例)

年月学歴
202511△△大学 心理学部 心理学科 中途退学(経済的な事情により退学)


なお、中退理由の記載は必須ではありません。

企業に知られたくない事情がある場合は、“一身上の都合により退学”と書いておくだけでもOKです。

▼学歴欄(中退理由を知られたくない場合の記載例)

年月学歴
202511△△大学 心理学部 心理学科 中途退学(一身上の都合により退学)


以下のような中退理由はマイナス評価につながる恐れがあるため、履歴書に無理に書く必要はないでしょう。

▼中退理由を履歴書に書かないほうが良いケース
  • 学業不振(単位が足りなかったなど)
  • 人間関係のトラブル(教授と言い争いになったなど)
  • 個人間の金銭トラブル

一方、「経済的な事情」や「語学留学」など、自分の責任ではない事情や前向きな理由がある場合は採用担当者の理解を得やすいため、カッコ書きで理由を添えることをおすすめします。

▼中退理由を履歴書に書いたほうが良いケース
  • 経済的な事情
  • 親族の介護
  • 健康状態の悪化
  • 前向きな中退(語学留学、就職など)

3. 職歴

学歴を書き終えたら、そこから一行空けて中央に「職歴」と記載し、具体的な職歴を書き始めます。

職歴欄を書くときは、次のポイントを意識しましょう。

  • 勤務先の正式名称を記載する
  • 担当した業務内容や役割を簡潔に書く(受賞歴・成果の記載も可)
  • 左寄せで「現在に至る」と記し、一行空けて右下に「以上」と書く

▼経歴欄(長期インターン経験がある場合の記載例)

年月職歴
202310株式会社◯◯ 入社(インターン)
美容メディアのWeb編集担当として、主にマーケティング業務に従事
担当メディアが月間◯万pvを達成し、社内表彰を受ける
20249株式会社◯◯ 退職(期間満了により)
現在に至る
以上

なお、次のような経験も職歴とみなされる場合があります。

  • アルバイト
  • 長期インターンシップ
  • 家業の手伝い
  • クラウドソーシングサイトなどでの案件受注
  • スモールビジネスの立ち上げ(YouTube運営など)

一般に、中途採用ではアルバイト経験などは職歴に含まれません。
ただし、大学中退者は社会人経験を示す材料が少ないため、上記のような経験も職歴として書いてOKです。

アルバイト経験の書き方や、アルバイト経験がない場合の記載例は次の章で紹介します。

アルバイト経験の書き方

履歴書の職歴にアルバイト経験を書くときは、勤務先の正式名称を明記し、主な業務内容を簡潔に書きましょう。

書き終えたら、左寄せで「現在に至る」と記し、一行空けて右下に「以上」と書くのがマナーです。

▼経歴欄(アルバイト経験がある場合の記載例)

年月職歴
20245株式会社◯◯ 入社(アルバイト)
携帯販売店(新宿店)の商品案内業務に従事
現在に至る
以上

アルバイト経験が複数ある場合は、応募先の仕事内容と関連性が高いアルバイトに絞って記載するのも効果的です。

たとえば、携帯販売店の接客、飲食店の調理補助、工場のライン作業のアルバイト経験があるとします。
このとき営業職を希望しているのであれば、「コミュニケーション力」を特にアピールできる携帯販売店の経験を書くと評価が高まるでしょう。

アルバイト経験がない場合は、左寄せで「なし」と記入し、右下に「以上」と記載するだけでOKです。

▼アルバイトをしていない場合の記載例

年月職歴
なし
以上

なお、アルバイト経験がないからといって評価が下がるわけではありません。

若手層(20~30代)の採用では「経験値・スキル」よりも「労働力」や「体力・健康」を重視する企業も多いため、過度に落ち込まないようにしましょう(※)。
※出典:株式会社マイナビ「企業人材ニーズ調査2024年版|若手世代(20~30代)期待する点」p.18

4. 自己PR

履歴書の自己PR欄を書くときは、「結論 → 根拠 → 活かし方」の順で書きましょう。

具体的には、次のようなイメージです。

結論:応募企業で活かせる強みを冒頭に書く
   例)「私の強みは〇〇です」

根拠:その強みを実際に発揮した具体的な経験 
   例)「大学のサークルでは~~~の役割を担い、~~といった行動を起こしました」

活かし方:その強みを応募企業でどう活かしていくか 
     例)「貴社の施工管理職では、特に〜〜の場面でこの強みを活かしたいと考えています」

企業が自己PRを通して知りたいのは、「自社で活躍できるポテンシャル(可能性)があるか」「仕事内容とマッチしているか」の2点です。

たとえば個人営業では「行動力」や「目標達成力」、事務や経理では「集中力」や「正確性」など、職種ごとに求められる強みは異なります。

そのため自己PRを書くときは、「自分の強みがこの仕事で本当に活かせるか?」「この会社で求められている強みは何か?」という視点を持つことが欠かせません。

「相手に分かりやすく伝える力があるか?」もチェックされているため、まずは結論から書き、具体例を示すといったように、「抽象 → 具体」の流れで書くことも意識してみてください。

自己PRの例文1. 協調性をアピールする場合

大学中退者が、履歴書で「協調性」をアピールする場合の自己PR例を紹介します。

私の強みは、チームワークを大切にしながら目標達成に向けて努力できる協調性です。
大学のサークルでは、文化祭の出店準備で20名のメンバーをまとめる役割を担いました。意見の対立があった際も、全員の話を聞いて妥協点を見つけることで、予定通りイベントを成功させることができました。
カフェのアルバイトでは、忙しい時間帯でも自ら周囲に声をかけ、手伝えることはないか聞いて回りつつ、売上目標の達成に向けて効率よく業務を進める工夫をしていました。
施工管理の仕事では、これまで磨いてきた協調性を活かし、現場の職人さんや協力会社の方々と信頼関係を築きながら、安全で質の高い工事を実現していきたいと考えています。

協調性という言葉は抽象的なため、「チームワークを大切にしながら目標達成に向けて努力できる」など、具体的な表現に置き換えるようにしましょう。

自己PRの例文2. 集中力をアピールする場合

大学中退者が、履歴書で「集中力」をアピールする場合の自己PR例を紹介します。

私の強みは、長時間にわたって集中して作業に取り組めることです。
大学のゼミでは、卒業論文の資料調査のために毎日図書館へ通い、3か月間で200冊以上の文献を読み込みました。途中で気持ちが途切れそうになったときも、「教授から高評価をもらう」という目標を明確にし、計画的に進めた結果、ゼミ内で上位10%未満の学生だけが得られる最高評価を頂くことができました。
営業事務の仕事では集中力を活かし、データ入力や書類作成などの細かい作業でも、ミスなく正確に仕事を進めていきたいと考えています。

サークルやアルバイトの経験がなくても、上記の例文のように「ゼミ活動」や「語学留学」など、学業に関わる取り組みを通じて自己PRを作成することも可能です。

まずは自己分析を行い、過去に自分の強みを発揮できた具体的なエピソードを思い出すことから始めてみましょう。

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5. 志望動機

履歴書の志望動機欄を書くときは、「結論 → その仕事に興味を持った理由 → その会社に興味を持った理由 → 入社意欲」の順で書きましょう。

具体的には、次のようなイメージです。

結論 
例)「利用者に喜んでもらえるエンジニアとして活躍したく、志望いたしました」
その仕事に興味を持った理由 例)「大学の授業でプログラミングに触れ、ITに関わる仕事への関心が高まりました」

その会社に興味を持った理由 
例)「◯◯というITサービスの開発に置いて、ユーザー視点を大切にしている姿勢に惹かれました」

入社意欲 
例)「より多くのユーザーにとって使いやすいサービスを提供していきたいです」

企業が志望動機から知りたいのは「就職意欲の高さ」です。なぜなら、入社意欲が高い人ほど「会社で長く活躍してくれそう」と判断できるからです。

志望動機を書くときは“一貫性”を意識しましょう。

「ホームページに書いてある内容をとりあえず並べただけだな…」と思われると評価が下がるので、自分の就活軸が応募企業とマッチしていることを明確に示すことが大切です。

<例>

就活軸:利用者に喜んでもらえるITサービスを作りたい
応募企業の特徴:ユーザー視点を重視してITサービスを開発している

志望動機の例文1. IT企業への就職を目指す場合

IT企業への就職を目指す大学中退者の「履歴書の志望動機例」を紹介します。

利用者に喜んでもらえるエンジニアとして活躍したいと考え、貴社を志望いたしました。学生時代にプログラミングを独学で学んだ際にWebサイトを作る楽しさを知り、IT業界への関心が高まりました。また、貴社のWebサイトを実際に使ってみて使いやすさに感動し、利用者を第一に考えたサービスを提供される姿勢に強く惹かれました。大学を中途退学した後はプログラミングスクールに通い、現在は卒業課題に向けてWebサイトを制作しております。将来的には、より多くの方にとって使いやすいサービスを提供できるエンジニアを目指し、利用者目線で課題を発見・解決できる人材になりたいと考えています。

上記の例文のように、応募先のサービスや商品を実際に体験できる場合はぜひ触れてみましょう。「その会社だからこそ興味を持っている」という点をアピールできるので、志望動機の説得力が増します。

志望動機の例文2. 建築会社への就職を目指す場合

建設会社への就職を目指す大学中退者の「履歴書の志望動機例」を紹介します。

お客様の要望を形にできる専門知識を身につけた人材として活躍したいと思い、貴社を志望いたしました。
貴社が建設したマンションに住んでいる友人を訪ねた際、細部まで丁寧な仕上がりと住み心地の良さを実感し、品質の高い建築を追求する貴社の姿勢に深く感銘を受けました。
大学を中途退学した後は、建設現場で作業員として働きながら現場の流れを学び、現在は2級建築施工管理技士の資格取得に向けて勉強しております。
将来的には、お客様の幸せな暮らしを実現できる施工管理として成長し、マンションや商業施設など、貴社の大規模プロジェクトを任される人材を目指して働いていきたいと考えています。

この例のように資格取得に向けて勉強中の状況でも、意欲は十分に伝わります。

就職に向けて特に何も取り組んでいない場合は、まずは資格の参考書を購入することから始めてみるのもおすすめです。

6. 資格・免許

「免許・資格欄」に関しては、取得順に記載していく形が一般的です。

取得年月と共に、免許や資格名は省略せずに正式名称で記載します。
たとえば簿記であれば「日本商工会議所簿記検定試験〇級」、運転免許は「普通自動車第一種運転免許」と正しく記入しましょう。

また、免許の場合は「取得」、資格や検定の場合は「合格」と記入します。

なお、「歴史能力検定」や「温泉ソムリエ検定」など、応募先で活かせないような検定は免許・資格欄ではなく、趣味・特技欄に書くことをおすすめします。

▼「免許・資格欄」の記載例

年月免許・資格欄
20237普通自動車第一種運転免許 取得
202312日本商工会議所簿記検定試験2級 合格
20251ITパスポート試験 合格
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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者

勉強中の資格も書いてアピールしよう!

資格や免許はすでに持っているものだけでなく、取得に向けて勉強中(通学中)でも記載しておくことをおすすめします。

たとえば仕事で車を使う企業の場合、「自動車免許の有無」が書類選考の合否を左右します。

このとき「教習所に通っている途中だから書かないでおこう」と判断してしまうのは非常にもったいない。「取得予定であれば採用を前向きに検討しよう」と考える企業は多いからです。

何も書かないと「取る予定がない」と思われ、損をしてしまうかもしれません。そのため取得する予定があれば、履歴書の「資格・免許欄」に記入しておきましょう。

<記載例>
普通自動車第一種運転免許(2026年3月 取得予定)
ITパスポート試験(2026年5月 受験予定)

7. 趣味・特技

履歴書の「趣味・特技欄」を書くときは、一言で終わらせず、簡単な説明をカッコ書きで添えるのがおすすめです。

▼趣味・特技(記載例)

趣味:映画鑑賞(週1本のペースで鑑賞し、感想をメモに残しています)
特技:サッカー(高校3年間レギュラーとして試合に出場していました)

企業は趣味・特技欄を確認することで、「自社の社風に合う人物かどうか」をチェックしています。

たとえば「編み物」が趣味であれば、「落ち着いたタイプかもしれないから、うちの体育会の雰囲気と合わないかもしれない」といったように判断材料の一つとしているのです。

趣味・特技の内容で評価が決まるわけではありませんが、何を書くか迷う場合は、応募企業の雰囲気と近しいものを記載すると良いでしょう。

8. 通勤時間

履歴書の「通勤時間」には、自宅から会社までの片道の所要時間を記載します。

電車やバスに乗っている時間だけでなく、駅まで歩く時間や、乗り換え時間、自転車に乗っている時間も含め、すべての移動時間を合計した時間を記載しましょう。

▼通勤時間(記載例)

(バス・電車)約 1 時間 30 分

その他、以下のポイントも意識してください。

  • 最短の所要時間を書く
  • 交通手段を記載する
  • 5分単位で記載する

企業が通勤時間を気にするのは、「応募者が無理なく通勤できるか確認したい」といった目的があるためです。

「通勤時間が長すぎてすぐに辞めてしまうかもしれない」と懸念されるのを避けるためにも、最短時間で到着するルートを調べて記載しましょう。

9. 本人希望欄

応募企業に伝えておきたい希望がない場合は、履歴書の本人希望欄は「貴社の規定に従います」とだけ書いておけば問題ありません。

▼記載例(特に希望がない場合)

本人希望欄
貴社の規定に従います。

一方、勤務地や就業時間などに希望がある場合は記載してもOKです。

ただし希望だけを書くと自己中心的な印象を与えかねないので、その理由も添えるようにしましょう。

▼記載例(希望がある場合)

本人希望欄
足の怪我による医療機関への定期通院のため、東京都内での勤務を希望しております。
(現在は完治していますが、経過観察のため、1ヶ月に1回の通院を指示されております)
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大学中退は履歴書に書くべき?

大学中退の経歴は、必ず履歴書に書くべきです。大学中退の経歴を書かない場合に想定されるリスクは、以下のとおりです。

書かないリスク詳細
空白期間について詳しく確認される面接で学歴の空白を追及されやすい
都合の悪い学歴を隠したと思われる履歴書と面接内容に食い違いがあれば不信感を持たれやすい
選考・入社に影響が出る場合がある場合によっては内定取消の恐れがある

中退の事実を隠して「大学卒業」と記載する方もいますが、これは学歴詐称にあたる行為です。学歴詐称が発覚すれば、内定取り消しや懲戒処分の対象になるだけでなく、企業からの信頼を大きく損なう恐れがあります。

それぞれのリスクについて、次の項目から詳しく見ていきましょう。

書かないリスク1:空白期間について詳しく確認される

大学中退の経歴を省略すると、履歴書に空白期間が生まれます。大学入学・中退を両方省略した場合はもちろん、入学のみを書いて中退を書かなかった場合も、大学入学から現在までの期間が抜けて見えてしまう点に注意が必要です。

省略のパターンによって、企業が疑いやすいポイントは以下のように異なります。

省略パターン企業が疑いやすいポイント
省略パターン企業が疑いやすいポイント
入学・中退を両方省略履歴書上は高卒として扱われるが、自己PRなどで大学時代の経験に触れると食い違いを指摘される可能性がある

中退の事実を隠そうとして、面接でとっさに辻褄を合わせようとすると、かえって不信感を招く恐れがあります。

バレないよう取り繕うより、中退の事実を誠実に伝えたほうが、良い印象につながりやすくなります。

書かないリスク2:都合の悪い学歴を隠したと思われる

履歴書と面接の内容に食い違いがあると、都合の悪い学歴を意図的に隠したと思われやすくなります。特に大学中退の経歴を省略していたとわかった場合、企業からは以下のように受け取られる可能性があります。

  • 中退が選考に不利だとわかっていて、あえて伝えなかったのではないか
  • 学歴以外にも、申告していない事実があるのではないか

このように、中退した事実そのものよりも、それを正直に伝えなかった姿勢のほうが問題視される傾向にあります。一つの嘘や隠し事が、他の申告内容全体への不信感につながる場合もあるでしょう。だからこそ、履歴書には中退の経歴を正直に記載しておくのが大切です。

書かないリスク3:選考・入社に影響が出る場合がある

大学中退の経歴を隠したまま入社すると、発覚した時期によっては選考・入社後に大きな影響が出る可能性があります。バレる時期別の主な影響は、以下のとおりです。

発覚時期想定される影響
選考中内定取り消しの対象になる場合がある
入社後会社の規定や事情によっては、懲戒処分を検討される場合がある

また、入社後は卒業証明書や成績証明書の提出を求められたり、同僚や先輩との会話から大学に在籍していたと発覚したりするケースも十分にあり得ます。

特に大学卒業を応募条件としている企業では、中退の未申告を重く受け止める傾向にあります。

「いつバレるかわからない」と不安を抱えながら働くよりも、最初から正直に伝えておいたほうが、気持ちよく働き続けられるでしょう。

大学中退者を採用する企業が履歴書で知りたいこと

大学中退者を採用する企業が履歴書で「本当に知りたいこと」は、就職意欲、チャレンジ精神、コミュニケーション能力、マナー・社会常識の4点です。

厚生労働省の令和5年度調査でも、15〜34歳を正社員として採用する際に「企業が重視するポイント」として、次の項目が挙げられています。

▼若年労働者の採用で重視したポイント(中途採用)

1位:職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神(72.7%)
2位:コミュニケーション能力(66.9%)
3位:マナー・社会常識(58.1%)

出典:厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査の概況|表4 採用区分、若年正社員の採用選考の有無及び採用選考にあたり重視した点別事業所割合」p.7

これらの項目は「学歴・経歴(23.7%)」「職業経験(42.3%)」と比べ、1.5〜3倍ほど高く重視されていることも特徴です。

以上のことから、大学中退者は履歴書で下記のポイントを示すことが大切です。

採用担当者が履歴書で「本当に知りたいこと」
  1. 職業意識・勤労意欲
  2. チャレンジ精神
  3. コミュニケーション能力
  4. マナー・社会常識
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自己PRは「エピソード+結果」で伝える

「経歴」以外で考えると、大学中退者を採用する企業が履歴書で知りたいことは次の2つです。

  • 職場のメンバーと合いそうか(同僚・先輩・上司など)
  • 入社後に、どんなふうに活躍してくれそうか

これらを伝えるために、履歴書の自己PR欄を最大限に活用しましょう。

ポイントは、「自分の強みが伝わるエピソード」と「結果」をセットで書くことです。

具体的なエピソードを添えることで、採用担当者は「あなたが職場で働いている姿」をはっきりとイメージできるようになります。

============
<例>
「アルバイト先で新メニューを提案し、採用された」という経験を具体的に書く
→「主体的に動ける人材を求めている、◯◯部の部長と相性が良さそうだ」といった評価を受けられる可能性がある
============

目に見える結果がない場合は、“周りの人からの言葉”を結果として伝えても大丈夫です。

============
<例>
「〇〇さんがいるから、毎週この曜日は必ず来るよ」とお客様から言われた経験 
→「相手と信頼関係を築き、リピーターを増やせる人だ」という印象を持ってもらえる可能性がある
============

1. 職業意識・勤労意欲

職業意識とは、働くことに対する考え方や姿勢のことです。

大学中退者を採用する企業は、職業意識・勤労意欲がある人材を求めています。

企業は採用や教育にコストをかけているため、働く意欲が伝わらないと「入社してもすぐに辞めてしまうのでは」と懸念される可能性があります。また、学業不振などが中退理由の場合だと「仕事で困った時に努力して乗り越えられるのだろうか」と思われかねません。

反対に、長く働き続けたい意思や「この企業で働きたい」という思いを強くアピールできれば、前向きな印象につながりやすくなります。

職業意識・勤労意欲があると履歴書でアピールする方法

職業意識・勤労意欲を履歴書で示す場合は、志望動機に工夫を加えましょう。

応募企業に魅力を感じた点や志望理由、応募先でこれまでの経験や強みが活かせそうなポイントを一貫してつなげて書くと、思いが伝わりやすくなります。他社では語れない、応募先ならではの理由を盛り込めば、入社への意欲の強さが企業に伝わるはずです。

たとえば、接客業を志望する場合は「学生時代のアルバイトで培った丁寧な対応力を、貴社の顧客対応で活かしたい」のように、経験と志望理由を結びつけると説得力が高まります。

IT業界を志望する場合であれば「独学で学んだプログラミングの知識を、貴社のサービス開発で役立てたい」のような伝え方も効果的です。

自分の強みを応募先でどう活かせるかがなかなか思い浮かばない場合は、入社後にどう活躍したいかを具体的に伝える方法もおすすめです。入社後のキャリアを自分なりに考えている姿勢が伝わり、好印象につながりやすくなるでしょう。

2. チャレンジ精神

チャレンジ精神とは、困難な状況を乗り越えようとする意欲や姿勢のことです。

大学中退者を採用する企業は、チャレンジ精神がある人材を求める傾向にあります。

入社後、新入社員は未経験の業務と向き合う場面が多いです。大学を中退した経歴があると「うまくいかないことがあるとすぐに投げ出してしまうのではないか」と企業が心配する可能性があります。

チャレンジ精神があれば、うまくいかないときに自分で調べて対処できたり、合わない業務にも前向きに取り組めたりするため、企業から求められやすくなるでしょう。

チャレンジ精神があると履歴書でアピールする方法

チャレンジ精神は、履歴書の資格・特技欄と自己PRでアピールできます。

まず資格欄には、取得済みの資格だけでなく、現在勉強中の資格があれば記載しておきましょう。ただし、応募職種と関係のない資格を数多く並べると「なぜこの企業に応募したのか」と疑問を持たれる可能性があるため注意が必要です。

資格がなくても、プログラミングの独学や語学学習など、将来のために取り組んでいる内容があれば、自己PRの一部として盛り込むのもおすすめです。オンライン講座の受講履歴なども、意欲を伝える材料になります。

そのほか、中退後のアルバイトで新しい業務に自主的に挑戦したエピソードなども、自己PRでアピールが可能です。「中退したものの、そこで立ち止まっていない」という姿勢が企業に伝われば、チャレンジ精神があると思ってもらいやすくなるでしょう。

3. コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、人間関係や業務を円滑に進める力のことです。

大学中退者を採用する企業の多くは、コミュニケーション能力がある人材を求める傾向にあります。

仕事は一人だけで完結する場合がほとんどなく、業務を進めるうえで周囲との報告・連絡・相談が重要です。特に、周囲との連携が欠かせないチーム業務では、コミュニケーション能力が足りないと全体の仕事が遅れてしまいやすいでしょう。

自分から質問しに行けたり、周囲と協力しながら仕事を進められたりする姿勢が企業に伝われば、ポジティブな印象を与えやすくなります。

コミュニケーション能力を履歴書でアピールする方法

コミュニケーション能力は、自己PRと志望動機の両方に、人との関わり方が伝わるエピソードを盛り込むと効果的にアピールできます。

自己PRにアピールポイントを入れる場合は、チームで協力するために心がけていた工夫や、自分から周囲に声をかけに行った経験を強みとして書くとよいでしょう。

たとえば「アルバイト先で新人スタッフに積極的に話しかけ、業務に早くなじめるようサポートした」のような具体的なエピソードがあると、説得力が増します。

また、志望動機には、今後も人と関わりたい気持ちを伝えるのをおすすめします。職種に応じた伝え方の例は、以下のとおりです。

  • 販売職の場合:お客様一人ひとりに合わせた接客をしたい
  • 事務職の場合:社内の方が仕事を進めやすいよう、正確な情報共有を心がけたい

職種に合わせて伝えることで、コミュニケーション能力を仕事でどう活かせるのかが伝わりやすくなります。

4. マナー・社会常識

会社で仕事をすると、社外の取引先やお客様と関わる機会が多くあります。

入社後は電話対応など、社員一人ひとりが会社の顔になる場面があり、マナーや社会常識が欠けていると信用問題に発展するでしょう。

また、社内でルールを守らない人がいると「あの人に仕事を任せるのは心配だ」と思われる原因にもなります。

マナーや社会常識を身につけるために、特別なスキルは必要ありません。些細な点でも一つひとつしっかり守る意識こそが重要です。

マナー・社会常識があると履歴書でアピールする方法

マナー・社会常識があるかどうかは、履歴書で求められる基本ルールをどれだけ守れているかで判断されます。履歴書作成における一般的なマナーは、以下のとおりです。

  • 学校名や資格名は略さず、正式名称で記載する
  • 誤字脱字がないよう、提出前に必ず見直す
  • 指定された用紙サイズやフォーマットを守る
  • 黒のボールペンや万年筆を使用し、修正液・修正テープは使わない

また、文字の大きさや文章量を整え、採用担当者が読みやすい履歴書にすることも大切です。基本的なルールを一つひとつ守るだけでも、採用担当者に「丁寧に仕事に取り組める人」「社会人としての常識が身についている人」という印象を与えられます。

なお、ビジネスマナーについて学んだ経験がある場合は、その経験も社会人としての基本的な姿勢を示す材料になります。たとえば、ビジネスマナー研修を受講したことがあれば、自己PR欄で簡潔に触れてもよいでしょう。

履歴書を通してマナーや社会常識を示すことは、自分の人柄や仕事への姿勢を伝えるうえでも大切です。

履歴書作成のルール

大学中退者が履歴書を作成する際は、手書き・パソコンのどちらでも問題ありません。ただし、募集要項に「手書きの履歴書必須」といった指定がない限り、パソコンで作成するのが一般的です。

手書きもしくはパソコンで作成するそれぞれのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

作成方法メリットデメリット
手書き丁寧さや人柄が伝わりやすくなる修正に手間がかかりやすい
パソコン修正が簡単にできる他の企業にも同じ履歴書を使っているのではないかと思われやすい

パソコンで作成しておけば、就職サイトへの登録や応募時にもデータをそのままアップロードできます。特にこだわりがなければ、パソコンでの作成を選んでおくとよいでしょう。

ここからは、用紙サイズ、文字フォント・大きさ、筆記用具、送り方の4つに分けて、履歴書作成のルールをお伝えします。

▼特に重要なポイント

用紙サイズA4かB5を使用(迷う場合はA4サイズを選ぶ)
文字フォント・大きさフォント:明朝体
文字:10.5〜11.0pt
筆記用具黒のボールペンのみ使用(手書きの場合)
送り方郵送:用紙を折らずにクリアファイルに入れる、添え状を同封する
メール添付:PDFで送る、一目で分かるファイル名にする

1. 用紙サイズ

企業から特に指定がない場合、履歴書のサイズはA4・B5のどちらでも構いません。

市販の履歴書は、以下のサイズが一般的です。

  • A3を2つ折りにした「A4サイズ」
  • B4を2つ折りにした「B5サイズ」

迷う場合は、A4サイズの履歴書を使用しましょう。

理由としては、ビジネス文書の「標準サイズ」がA4であること、そして記載できる行数がA4の履歴書のほうが多く、アピールしたい内容をB5よりも詳しく記述できるからです。

2. 文字フォント・大きさ

履歴書をパソコンで作成する場合、フォントは「明朝体」、文字の大きさは「10.5〜11.0pt」 で書きましょう。
明確な決まりはありませんが、一般的に特に読みやすいフォント・サイズとされています。

手書きで履歴書を作る場合は、楷書(かいしょ/一画一画を続けずに書く書体)で丁寧に記入してください。

なお、修正テープや修正液の使用はマナー違反です。
書き損じがあった場合は、新しい用紙に最初からもう一度書き直してください。

3. 筆記用具

履歴書を手書きする場合、黒のボールペンを使用します。

読みやすさという点では「ゲルインクのボールペン」が特に適しており、ペン先の太さは「0.5mm〜0.7mm」を選ぶと文字がつぶれず、きれいに書けるでしょう。

あとから消えてしまう可能性があるため、鉛筆・シャープペンシル・消せるボールペンの使用はNGです。
これらは“公式な書類”の作成においてマナー違反とされているため、履歴書を書く際は黒のボールペンのみを使用してください。

4. 送り方

履歴書を郵送する場合、用紙を折らずにクリアファイルに入れる、送付状を同封する、といった基本的なマナーを守りましょう。

封筒の書き方や送付時の注意点については、以下の記事でも詳しく解説しています。

履歴書のメール添付を求められている場合、まずは企業からの送付指示を守りましょう。
指示がないときは、特に以下の2点を意識してください。

ファイル形式:PDF
ファイル名:内容や送付日が一目で分かる名前を設定する
(例:履歴書_山田太郎_20251113.pdf)

まとめ

この記事では、履歴書に「中退」を書くときのポイントを紹介しました。

学歴詐称として法に触れる場合もあるため、「卒業」とウソをつくのはおすすめできません。
以下のポイントや記載例を参考に、ルールを守って正しく履歴書を書きましょう。

▼履歴書を書くときのポイント

  • 「入学」の次の行に記載する
  • 「中退」と略して書くのはNG
  • 中退年月を正確に記載する
  • 履歴書に中退理由を書くときはカッコで囲む

▼大学を中退した場合の記載例

年月学歴
20213◯◯県立◯◯高等学校 卒業
20214△△大学 文学部 英文学科 入学
20246△△大学 文学部 英文学科 中途退学
(健康上の理由により退学。現在は完治し、フルタイム勤務可能)
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  • 学歴に自信がないから就職できるか不安
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  • 中退しようかどうかを迷っている
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小久保 友寛キャリアコンサルタント
元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。 「誰もが人生を楽しめる社会をつくる」──その想いは、「日本の中退を変える!」と掲げていた頃から今も変わりません。