大学を辞めることには、どのようなメリットやデメリットがあるのか知りたい人も多いのではないでしょうか?特にこれから大学を辞めるか悩んでいる人は、大学の辞め方や注意すべきポイントも知りたいと考えていることでしょう。
この記事では、大学を辞めるメリットデメリットを解説しつつ、もし辞める場合に知っておくべき知識を網羅的に解説します。
自分が本当に大学を辞めるべきなのか悩んでいるという人は、記事の内容を参考にしてみてください。
この記事の目次
大学を辞める人の実態
大学を辞めるメリットとデメリットについて詳しく解説する前に、そもそも大学を辞める人の実態がどうなっているのかについて解説します。
大学を辞める人の割合は約2%
文部科学省の調査によると、大学を辞める人の割合は毎年2%程度という結果になっています。人数で言うと50,000人〜70,000人程度が毎年大学を辞めていることになります。
大学(大学院生含む) | 令和三年度 | 令和二年度 | 令和元年度 |
---|---|---|---|
中退者数 | 57,875人 | 57,913人 | 74,129人 |
中退者数の割合 | 1.95% | 1.95% | 2.5% |
令和2年度と3年度についてはコロナによるオンライン授業がメインだったため、大学を辞める人が減っていますが、それでも毎年6万人弱が大学を途中で辞めてしまっていることが分かります。
98%程度の大学生は途中で辞めることなく卒業していくことを考えると、大学を辞めた人の割合は非常に少なく、社会においても少数派に属すると言えるでしょう。
休学を選択する人の割合も約2%
大学は中退だけでなく休学という選択肢も取れます。休学をすることで大学に籍を残したまま大学に通うことを一時的にストップできますが、休学という選択をする人も同じく2%程度となっています。
大学(大学院生含む) | 令和三年度 | 令和二年度 | 令和元年度 |
---|---|---|---|
休学者数 | 65,143人 | 67,034人 | 72,287人 |
休学者数の割合 | 2.19% | 2.26% | 2.45% |
大学の中退にしろ休学にしろ、一時的に大学から距離を置こうとする人は2%程度ということを認識しておくと良いでしょう。
出典:文部科学省「大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生
の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について(周知)」
」
大学を辞める理由は様々
大学を辞める人は2%と少数派ですが、その理由は人それぞれ様々です。文部科学省の調査によれば、大学を辞める理由を多い順に並べると以下のようになっています。
- 転学
- 勉強意欲の低下
- 就職や起業
- 経済的に厳しくなった
- 学力的に進学できなかった
自分がなぜ大学を辞めるのかについては、就職活動を進める上でも言語化しておくことが大切になりますので、解説を読みながら自分が今感じていることと照らし合わせてみてください。
大学を辞める理由1.転学
大学を辞める理由として最も多いのが、在籍する大学そのものを変える転学です。これはポジティブなパターンとネガティブなパターンに分かれます。
ポジティブな例でいうと、大学在学中に本当にやりたいことを見つけられたため、その道に突き進むために専門学校などに転学するパターンが考えられます。
また、どうしても受験生時代に行きたかった大学に仮面浪人する形で再受験し、無事合格して大学を転学するといったことも考えられるでしょう。
ネガティブな例でいうと、大学の交友関係がうまく行かず、人間関係をリセットするという意味で別の大学に編入するということが考えられます。この場合は人間関係がうまく構築できるまで転学を繰り返し、最終的には大学を卒業すること自体を諦めてしまう末路も考えられます。
転学をするためには当然今通っている大学を辞める必要がありますので、大学を辞める理由としては真っ当なものと言えます。
大学を辞める理由2.勉強意欲の低下
転学に次いで多いのが、勉強意欲の低下による中退です。誰しも大学を受験して入学した当初は、大学の勉強に少なからず希望や期待を抱いているはずですし、そもそも大学生の本分は勉強することにあります。
それにも関わらず勉強意欲が低下してしまうのは、大学生は今までよりも遥かに自由に過ごせるからです。
例としては、サークルやバイトにのめり込んでしまい、講義に出席することの優先度を下げてしまうなどが挙げられます。勉強をすること自体が特別好きでない人であれば、大学で勉強以外のことに力を入れてしまうのも珍しいことではないでしょう。
ただ、バランスをうまく取ることができず、極端に勉強以外に時間を割くようになれば、勉強意欲が低下し、大学に行く意味そのものに疑問を感じることもあります。
そう感じるようになれば、やがて大学に通うのも時間の無駄と考えるようになり、結果的に大学を中退してしまうのです。
大学を辞める理由3.就職や起業
もっと将来のことを考え、大学を途中で辞めて就職や起業をするという人もいます。
大学を辞めて就職することで、同期よりも先に社会人経験が積めるというメリットがありますが、その反面学歴的には高卒となるため給料の水準がワンランク下がってしまうというデメリットもあります。
ただ、ITエンジニアなど職種によっては学歴に関係なく実務経験を積むことで大卒より稼げる仕事もあるため、大学の勉強よりも社会経験を早く積みたいという人は大学を辞めるという決断をするケースがあります。
また、在学中に何らかのビジネスに挑戦し、軌道に乗ってきたような人の場合は起業をしてそのまま経営者として会社を興すケースも考えられます。
現に文部科学省のデータによれば、一年で14.3%(8,000人程度)の人は就職や起業という道を選択していますので、少なくない数の大学生が起業という選択肢を選んでいることが分かります。
就職にしろ起業にしろ、本人が本当にやりたいと思っていることであれば、大学を辞めることがその時点での最適な判断となることもあるでしょう。
大学を辞める理由4.経済的に厳しくなった
大学生活を楽しく過ごしていたとしても、学費が支払えなくなれば辞めざるを得ません。経済的に厳しくなって大学を辞める人は一年で8,000人弱います。
奨学金がもらえなかったり、奨学金をもらってはいるものの何らかの理由で学費に首が回らなかったりするケースは十分考えられます。特に語学留学が必須になるような語学系学部や、実験費用で学費がかさみやすい理系学部では経済的に厳しく大学を辞める人が多くなる傾向にあります。
また、家計が実は厳しく、親の仕送りが途中で無くなってしまい、バイトのシフトを目一杯に入れるも学費が支払えないという人も少なからずいます。
大学を辞める理由5.学力的に進学できなかった
大学に進学したての頃は、誰しもが大学を卒業したいと思っているはずです。ただ、学部や講義によっては単位取得や進級要件が厳しく設けられている大学もあります。頑張っても単位が取れず、留年が決定してしまったことをきっかけに大学を辞めるケースも少なくありません。
また、勉強とはベクトルが異なりますが、不注意で必修科目を理由し忘れていることに気づかず、結果的に卒業に必要な必修単位が足りずに留年ということもあります。
卒業一歩間近でこの事実に気づけば、大学に通うモチベーションが一気に落ちてしまってそのまま大学を辞めるという人もいるでしょう。
大学を辞める4つのメリット
大学を辞めることにはデメリットしかないと考えられがちですが、考え方によっては次のようなメリットがあると言えます。
- 自分がやりたいことに集中できる
- 面倒な人間関係から解放される
- 学費の負担がなくなる
- 単位に追われる日々から脱却できる
大学を辞めるか悩んでいるという人は、これら4つのメリットを踏まえつつ、この後解説するデメリットと合わせて検討するようにしてください。
1.自分がやりたいことに集中できる
大学を辞めることで自分で自由に使える時間が創出できるようになるため、本当にやりたかったことに時間を使えるようになります。
特にまとまった時間を費やさなければ実現できないような夢を持っているといった人は、大学に通うことが逆に足かせになっていることもあるため、大学を辞める選択は大きなメリットに感じられるでしょう。
もちろん大学でやりたいことを見つけられるのが一番ですが、社会人になる前に自分が本当にやりたいことを見つけられるのは大学生までとも言えますので、やりたいことが他にある人は大学を辞める決断をしてもいいかもしれません。
2.面倒な人間関係から解放される
大学ではサークルやゼミ、研究室などあらゆる場所で人間関係が構築されています。誰とでもコミュニケーションを上手く取れる人であれば関係ありませんが、中には人間関係でトラブルを起こしてしまったり、面倒な人間関係に巻き込まれたりする人もいるでしょう。
人間関係がどうしても修復できないのであれば、大学を辞めて一度人間関係をリセットするというのも一つの選択です。環境が変われば自ずと関わる人も変わりますので、面倒な人間関係から解放されるというメリットを享受できます。
ただ、一度人間関係をリセットすることに慣れてしまうと、今後の人生においても同じように逃げる癖がつくといったリスクもある点には注意が必要です。
3.学費の負担がなくなる
大学を辞めることで学費の負担がなくなるといったメリットも挙げられます。
特に家計に余裕がなく、常にバイトをフルで入れてギリギリの生活の中大学に通っていたという人であれば、大学を辞めることで精神的な余裕を得ることができます。
なお、学費を理由に大学を辞めようとしているのであれば、一度大学の学務課に相談してみるのがおすすめです。大学によっては条件付きの奨学金や学費の一時的な支払い猶予措置を受けられることもあるため、大学を辞めなくても良いケースがあります。
4.単位に追われる日々から脱却できる
大学の勉強でつまずいてしまい、単位を取得するのに苦戦している人は精神的なプレッシャーを感じていることでしょう。大学を辞めれば単位に追われる毎日から解放されますので、精神的な負担を軽くすることができます。
大学は義務教育ではなく、本質的には通いたいと思っている人が通うべきものです。義務的に、かつプレッシャーを感じながら大学に通っていては、本来得られるものも得られなくなります。
どうしても大学に通うことをストレスだと感じているのであれば、大学を辞めることも検討して良いかもしれません。
大学を辞める5つのデメリット
大学を辞めることには、メリット以上にデメリットが多く考えられます。
- 学歴が高卒になり就職が難しくなる
- 世間体が悪くなりやすい
- 大学の友人と疎遠になる
- 生涯で稼げるお金が減る
- やり切る力がなくなり逃げ癖がつく
これら5つのデメリットがあることを理解した上で、大学を辞めるのか検討するようにしてください。
1.学歴が高卒になり就職が難しくなる
大学を辞めると学歴としては高卒になります。そのため、大卒を募集条件としている求人には応募ができなくなってしまいますので、就職先の選択肢が狭まってしまうといったデメリットが挙げられます。
それだけでなく、大学中退者は大学に入学していない高卒よりも就職率が低いというデータもあります。これは、大学中退という事実が面接官からネガティブなイメージを持たれやすいことに起因しており、しっかりと就活対策をしておかなければ就職は難しいでしょう。
2.世間体が悪くなりやすい
大学を辞める人は全体の2%しかいないため、世間体がどうしても悪くなります。特に婚活などの出会いの場では、元々高校までしか通っていなかった人と、大学に進学するも途中で辞めた人では見え方が大きく変わります。
また、就職した後でも「あの人はXX大学を途中で辞めたらしいよ」などと自分が知らない間に噂されることも考えられますので、悪い思いをすることもあるかもしれません。
総じて、大学中退の事実が自分が意図しないところでネガティブに働く可能性があるということは、大きなデメリットの一つと言えます。
3.大学の友人と疎遠になる
大学を辞めれば当然大学に通わなくなりますので、基本的にそれまで築いてきたような人間関係は良くも悪くもリセットされてしまいます。仲の良かった友人であっても疎遠になりかねませんので、悲しい思いをするのもデメリットとして挙げられるでしょう。
SNSで大学の友人が遊んでいる姿を投稿しているのを見れば、自分だけが取り残されてしまったような孤独感を感じることもあるかもしれません。
4.生涯で稼げるお金が減る
大学を辞めると高卒になるということを解説しましたが、高卒と大卒では生涯収入が大きく異なります。
/ | 高卒生涯賃金 | 大卒生涯賃金 |
---|---|---|
男性 | 2億500万円 | 2億6,190万円 |
女性 | 1億4,960万円 | 2億1,240万円 |
出典:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022 ー労働統計加工指標集ー 21 生涯賃金など生涯に関する指標 p319」
男性で言えば約5,500万円、女性では約7,000万円ほど生涯で稼げるお金に差が出てきてしまいます。家が一棟建てられるレベルの金額差であることを考えれば、非常に大きな額だと言えるでしょう。
高卒と大卒はそもそも給与テーブルが異なることが多く、初任給の時点でもらえる月収が数万円違う企業が大半です。加えて、大卒の方が仕事で活躍しやすいポジションに配置されることも多く、結果として昇格する人が多くなる傾向にあります。
このような違いによって、高卒と大卒で給与が変わってしまいます。中長期的な将来という観点で言えば、大学を辞めることはお金の面でも大きなデメリットがあると言えます。
5.やり切る力がなくなり逃げ癖がつく
大学を辞めるということを厳しい言葉で言うのであれば、大学を4年間通い続けることから途中で逃げてしまうことになります。中退をきっかけにやり切る力がなくなり、今後全ての物事に逃げ癖がつきやすいこともデメリットと言えるでしょう。
特に社会人になった後、嫌なことがあったらすぐに退職してしまうような人材になることも考えられ、安定感のないふわふわとした生活を過ごすことになるかもしれません。
大学を辞める時の手続きの流れ
大学を辞める時の手続きの流れとしては、基本的に以下のようになっています。
- 大学の窓口に退学申出をする
- 退学に必要な書類を記載し提出
- 面談で退学理由を伝える
- .退学通知書を受け取り退学
意外と大学を辞めるには複数のステップを踏まなくてはなりませんので、いざ辞めるとなった時にスムーズに手続きを進められるよう、今のうちに理解しておきましょう。
1.大学の窓口に退学申出をする
大学を辞めるからといって、バックれるようにいきなり大学に行かないということは辞めましょう。何も手続きしないまま大学に通わなくなると、学費を無駄に支払い続けるだけになってしまいます。
大学を辞める時は、まず大学の窓口に退学をしたい旨を申し出ます。主に学務課や教務課といった学生の窓口が用意されていると思いますので、窓口で「退学をしたい」ということを伝えてください。
大学を辞める申し出をすることで、退学届や誓約書など手続きに必要な書類をもらうことができます。なお、大学によっては退学時に提出する書類をイントラネットでダウンロードできる場合もありますので、まずは大学の学生向けページを検索してみるのも良いでしょう。
2.退学に必要な書類を記載し提出
大学を辞める書類が用意できたら、必要事項を記載します。記載すべき項目は大学によって異なりますが、自分の個人情報と退学をする理由、親の同意署名などを記載することが一般的です。
なお、大学を辞める理由については、長々と書く必要はなく、「一身上の都合」というものだけでも問題ありません。
また、捺印が必要なケースがありますが、その場合はシャチハタは避け、通常の印鑑で捺印するようにしましょう。大学によってはシャチハタで捺印された退学届は受理できないケースもあります。
3.面談で退学理由を伝える
大学によっては、退学届を出した後に教員や学部長と面談をすることもあります。面談では退学する理由について深掘りされることが多く、退学を引き止めるようなことはほぼないと思って問題ありません。
研究室などに所属していて、自分に研究内容が割り振られている場合などは、これまでの研究について引き継ぎをかねて詳しく説明が求められる場合もあります。
4.退学通知書を受け取り退学
手続きが全て完了し、正式に大学から退学届が受理されると、退学通知書をもらうことができます。退学通知書をもらうことで、大学を辞めることになります。
なお、退学通知書については自宅に郵送されることもありますので、事前に窓口に確認しておくのがおすすめです。
また、ここで解説した大学を辞める一連の流れについてはあくまでも例となります。大学ごとに提出書類や手続きの流れが異なることもありますので、しっかりと窓口の担当者から手続きの説明を受けるようにしてください。
親にも前もって連絡しておくこと
手続きとは異なりますが、大学を辞める手続きを始める前に、必ず親に相談や連絡をしておきましょう。親も子どもが大学に通うまでに多くの支援をしていますので、いきなり大学を辞められてしまっては親子関係に溝ができてしまいます。
中退手続きにおいても親の署名をもらわなければならないこともあるため、事前に相談しておいた方が結果的にスムーズに大学を辞めることができるでしょう。
大学を辞めてもいい人と辞めない方がいい人
大学を辞めることは、人生においても大きな決断の一つと言えます。そのため、大学を辞めてもいい人と避けるべき人が分かれます。
ここからは、どんな人であれば大学を辞める選択を取ってもいいのか。逆にどんな人だと大学を辞めない方がいいのかについて解説します。
大学を辞めてもいい人
大学を辞めても後悔しないような人の特徴としては、以下の3点が挙げられます。
- 辞めた後の明確なビジョンがある人
- 精神的に追い詰められている実感がある人
- 経済的に厳しくバイト漬けになっている人
いずれかに当てはまる場合は、大学を辞めるという選択も中長期的に人生を見た時に良い選択になるかもしれません。それぞれ詳しく見ていきましょう。
辞めた後の明確なビジョンがある人
大学を辞めたあとは自由な時間が増えますので、その時間を使って自分は何をしたいのかといった、将来のビジョンが明確に持てているような人は大学を辞めても後悔しないでしょう。
大学を辞めた後のビジョンの例としては、以下のようなものがあります。
- 国家資格を取得し、その資格が必要な仕事に就職する
- 期限を決めて公務員試験を受験し、公務員になる
- 立ち上げたいビジネスを具体化し、起業する
- 1年間しっかりと勉強をして、違う大学に転学する
いずれも、「いつまでに何をする」など明確にスケジュールを区切り、目標に向かって努力し続けられるかがポイントになります。
ぼんやりとした目標だと、大学を辞めたことを後悔するリスクが高まってしまいますので、一度しっかりとスケジュールに落とし込むことを意識しましょう。
精神的に追い詰められている実感がある人
大学生活は、講義にしろサークル活動にしろバイトにしろ、楽しみながら卒業できるのが一番ですが、中には以下のような理由で精神的に追い詰められている感覚を持っている人もいるでしょう。
- サークルの人間関係に精神を病んでしまっている
- ゼミや研究室がハードすぎてきつい
- 卒業に必要な単位が取得できるか危うく焦っている
このような理由で精神的につらい気持ちでいるのであれば、いっそ大学を辞めて解放されるというのも選択肢の一つです。
ただ、大学を辞めることはできても再度同じ状態で入学することはできませんので、追い詰められていると感じる原因が本当に中退以外で解消できないのか、今一度踏みとどまって考えるようにしてください。
経済的に厳しくバイト漬けになっている人
学費や留学費などを稼ぐために、ひたすらバイトを入れていても経済的に厳しいといった人は、大学を辞めても後悔しないケースがあります。
そもそもバイト漬けだと講義への出席がままならないということも考えられますので、対処方法で留年してしまうということもあるでしょう。
ただ、学費が原因で大学を辞めるのであれば、その前に親や学務課に相談するのがおすすめです。親から学費や生活費の援助がもらえたり、実は利用できる奨学金があったりなど、経済面のサポートを受けられる可能性が考えられます。
また、実家の家計が厳しくすぐに資金のサポートを受けられないという場合でも、金融機関で教育ローンを受けるということも可能です。経済面についてはどうにかできる可能性もありますので、一人で悩まないようにするのがおすすめです。
大学を辞めない方がいい人
反対に、以下のような人は大学を辞めない方が良いと考えられます。
- なんとなくやる気が出ない人
- 学歴や肩書きを気にする人
- 起業をしたい人
それぞれ詳しく解説します。
なんとなくやる気が出ない人
大学を「なんとなく」という気持ちで辞めるのは避けてください。既に解説した通り、大学中退による就職難易度の高まりや、高卒となることによる生涯収入の低下など、大学を辞めること自体には少なくないデメリットが挙げられます。
もちろん一度下がってしまったモチベーションを再度戻すには時間がかかるものですので、もしやる気が出ないという理由で大学を辞めようとしているのであれば、まずは大学を休学することを検討してみてください。
大学にもよりますが、休学は1〜2年程度できるため、休学期間で自分の人生を見つめ直し、本当に大学を辞めて良いのかを自問自答してみましょう。一度大学から離れることで見えてくるものもあるはずです。
休学から復帰する形にすれば、それまで取得していた単位もそのまま復学することが可能です。もちろん休学中は学費がかからないケースがほとんどのため、経済的に厳しいという人でも利用する価値はあるでしょう。
学歴や肩書きを気にする人
大学を辞めると学歴は高卒になってしまいますので、価値観として学歴を気にするような人は、大学を辞めるべきではありません。
また、大学を中退したことは一生ついてまわることになるため、肩書きを気にするような人も大学を辞めるべきではないと言えます。
特に世間体や周囲からどう見られているのかを毎日気にしてしまうような人は、大学を辞めることで自身のコンプレックスができることも考えられます。
起業をしたい人
「起業に集中したいから」という理由で大学を辞めるのはあまりおすすめできません。
もちろん起業すること自体は素晴らしい決断ではありますが、学生として大学に通いながら起業をすることは可能です。現に、有名なスタートアップ・ベンチャー企業の代表も大学在学中に起業したという事例はいくつも存在します。
むしろ、在学中に起業した方が大学のネットワークを使って仲間を集めやすくなるなど、メリットになるケースの方が多いでしょう。また、起業が失敗することも少なからず考えられるため、リスクヘッジの観点からも大学を辞めるべきではないと言えます。
大学を辞める時に知っておくべき注意点
最後に、大学をこれから辞めるか検討している人に知っておいてほしい注意点を3つ解説します。
休学という選択も検討する
先ほども触れましたが、大学を辞めると戻りたいと思っても戻れなくなってしまいますので、一度休学するという選択肢も検討するようにしてください。
休学により大学に通わない期間ができることで、大学を辞めたいと思っていた過去の自分を客観的に見れるようになり、「大学を辞める選択肢は取らない方がいい」などと感じられることもあります。
なお、休学についても大学の学務課に申請することで手続きができますので、退学か休学か迷ったら学務課に相談してみるのも良いでしょう。
奨学金の返済義務は残る
もし奨学金を借りている場合、大学を途中で辞めたとしても奨学金の返済義務は当然残ります。奨学金の返済が滞ると様々なデメリットが発生しますので、必ず認識しておくようにしてください。
ただ、大学を中退して就職できずに収入がないなど、返済ができない状況にある場合は、申請の上奨学金の返済を一時的に遅らせるといった手続きもできます。
奨学金の返済については、奨学金を受けている団体の窓口に相談してみましょう。
就職だけでなく結婚に響くこともある
大学を辞めることは、将来の就職活動だけでなく、結婚に響くこともあります。特に婚活の場においては、相手に対して大卒であることを求める人も一定数いますので、大学中退によって出会いの幅が狭まるリスクが考えられます。
繰り返しになりますが、大学を辞めるのであれば短期的な視点だけでなく、中長期的な自身の将来も鑑みた上で決断するようにしてください。
一人だけで決断しない
大学を辞めようかなやんだら、親や友達、大学に相談するということをまずはしてみてください。相談することにより、大学を辞めようと思っている根本的な理由が解決することもありますし、人に話すだけで気持ちが軽くなるといったこともあるでしょう。
人に相談して、それでも大学を辞めるという決意が揺らがないのであれば、その時初めて大学を辞める手続きや辞めた後のことを考えるようにするのがポイントです。
まとめ
大学を辞める人は年間で2%程度しかいないため、就職に響いてくることは否めません。ただ、大学を辞めることにより自分が抱えていた問題や悩みが解決するといったケースもあるため、一概に大学を辞める選択肢が悪いものとも言えないでしょう。
大学を辞めるか悩んでいるのであれば、まずは身近な人に相談するのがおすすめです。相談することにより、もしかしたら大学を辞める以外の選択肢が思いつくかもしれません。
後悔のしない選択ができるよう、入念に検討するようにしてください。
こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
- 就職について、誰に相談したら良いか分からない
- 中退しようかどうかを迷っている