
『大学中退後、何をしようかと迷っているうちに、気がつけばニートになってしまっていた……』
これを他人事だと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、自分には関係ない、と考えているうちにあなたもニートになってしまうかもしれません。
すでにニートになってしまっている方も、これからニートになってしまうかもしれないと不安な方も、まず必要なものが『就職に関しての知識』です。
今回は、大学中退からニートになってしまった場合、その後の就職活動はどのようにしていけばいいのか。詳しく紹介します。
この記事の目次
大学中退者の実情
現在、日本ではどれだけの人が大学を中退しているかご存じですか?
増える大学中退者
文部科学省が発表した「平成29年度学校基本調査」によると、大学全体の在学者数は289万1千人。大学進学率も年々増加しています。
その一方で、大学中退者数も増加していることも忘れてはいけません。平成26年に行われた文部科学省による調査「学生の中途退学者休学等の状況について」によると、大学の中退者数は年間約8万人。
平成19年に行われた同調査では6万3千人程度でした。これは毎年2400人ずつ中退者数が増えている計算になります。
大学を中退してからの人生
平成26年の調査において、中退の理由として最も多かったのが『経済的理由』によるもので、中退者全体の20%を占めました。
次いで転学、学業不振、就職が続きますが、この現状は非常にシビアなものであると言えるでしょう。
しかし、どんな理由で中退したとしても、大学を辞めたあとにどんな行動を起こすかは、早めに決めなくてはいけません。このときどんな行動を取るかによって、その後の人生が大きく変わるのです。
大学中退してもニートにならず、すぐに動き出しを!
大学中退後、ニートにならないために大切なのは「次への行動を迅速に」ということ。中退後、多くの人が正社員になろうと考えますが、実際に正社員になるための活動を始められる人は多くありません。
正社員になりたい中退者の現状
独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成27年に公表した「大学中退者の就労と意識に関する研究」によると、“正社員として就職したいと考えている”と答えた人が46%を超えています。しかし、実際に就職活動をしたのはそのうちの3割程度でした。
「やってみたいとは思っても何をしていいのかわからない」という方がとても多いのです。その状態で放置してしまうと、ニートへとどんどん近づいてしまいます。
「何をしていいのかわからないから動かない」ではなく、「何をしていいのかわからないけど求人サイトをみてみよう」と考えられると、未来は大きく変わっていくでしょう。
アルバイトの落とし穴
「正社員として就職したい」に次いで多かったのが、「アルバイトをしたい」という中退者です。
アルバイトでも、働いている分ニートよりはいいかもしれませんが、アルバイト生活が長引きすぎると、将来的に正社員になるのが難しくなってしまうかもしれません。
アルバイト先によっては、能力によって正社員に登用される道もあるかもしれません。しかし「なるかどうかわからない」正社員登用を期待するより、就職活動による正社員採用を目指すほうが、近道であり確実です。
将来のことを考えるのなら、とにかく正社員として働けるよう、今すぐ就職活動をすることをおすすめします。大学を途中で挫折してしまった後ろめたさ、辞めてしまった後悔などは一旦置いておき、今すぐ動き出しましょう!
正社員にはニートやフリーター期間が長いほどなりにくくなる
正社員になるためには、一刻も早く就職活動を始めましょう。その理由は、ニートやアルバイト、フリーター生活が長引けば長引くほど正社員になりづらくなってしまうからです。
これについても、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行なった調査をもとにみていきましょう。
すぐに正社員を目指さなければいけない理由
2012年「大都市の若者の就業行動と意識の展開『第三回若者のワークスタイル調査』」から読み取ると、元フリーターが正社員になれた割合は、フリーター期間6ヶ月以内が最も多く、男性で約72%、女性で約56%となっています。
それ以降は、期間が長引くにつれて正社員になれた割合も低くなり、フリーターの期間が3年を超えると男性で約57%、女性では約38%にまで落ち込んでしまいます。
なぜ、フリーター歴が長いと正社員になりにくいのでしょうか。それは、年齢が高いのに相応の職歴がないことに対する不信感、社会経験の乏しさ、知識のなさが理由として挙げられます。
女性でいうと、年齢が上がるほど結婚や出産の適齢期が近づいてしまい、就職した後数年で退職するかもしれないという、会社側からみたリスクが高いことも関係しているでしょう。
高齢フリーターとは
ここで着目したいのが「高齢フリーター」と呼ばれる方々です。今から20年ほど前、就職氷河期で仕事にあぶれてしまいフリーターとなり、いまでもフリーターを続けているという方はみなさんが想像している以上に多くいます。
35歳から54歳までの高齢フリーターは、男女合わせてなんと90万人以上。これだけ多くの人が正社員以外の道で働いているのですから、フリーターから正社員になることの厳しさがよくわかります。「いつかは正社員登用」もやはり難しいようです。
しかし、若ければまだチャンスは多くあります。多くの企業は、人材育成のために若手を採用したいと考えていますから、まだ23歳、まだ25歳と慢心して年齢が上がっていくのをただただ黙って待っているのではなく、今動き出しましょう。自分の人生の中で、今この瞬間が一番若いのです。
大学中退でも20代はポテンシャル採用
大学中退者の就職活動は「とにかく早く」がキーワードであることがわかりました。20代に対して企業側が求めるのは、人柄やポテンシャルであり、知識や経験は入社後身につけてゆけばよいのです。
このように20代はポテンシャル採用で通ってしまいますので、学歴はさておき、以下の点に気をつけて就職活動をしてみましょう。
20代求職者に求められるもの
20代ならまだいくらでも可能性がある、ということは企業だけではなく多くの社会人が感じることです。大学を中退して自信をなくしている状態では気づけないかもしれませんが、あなたはまだ若いのです。
若さには何にも代えがたい価値があり、そして企業にとってはこれから会社を背負って立つ一人となる大切な若者なのです。
このとき求められる人柄とは、積極性、柔軟性、外向性の三点。
仕事に打ち込み競争できる積極性をもち、社会構造の変化やマーケットの変化にも柔軟に対応でき、さらに外に目を向けられるような人物はどの企業でも採用されやすいでしょう。
つまり、与えられた仕事をきっちりこなすだけの人物ではいけないのです。企業という組織の目標を達成するために、自分は何ができるのかを常に考え、柔軟かつ幅広い視野と思考を持っている人物が求められているのです。
20代だからこそ売りにしたいもの
大学を中退したとしても、内に秘めたポテンシャルが高い方は採用される確率も高くなるでしょう。語学が堪能な方なら、職種も幅広くなるはずです。
ビジネス英語をマスターしたり、学生時代に得意だったことを伸ばしたり、資格取得に励んだりしてみましょう。
中退後すぐに動き出さないと、時間はあっという間に過ぎていきますから、資格の資料請求も、思い立ったら早めに行ないましょう。
就職活動において最も必要なもの
大学中退者に必要なものはまだあります。それは「自信」です。中退してしまったことによって、これまでの自分に自信をなくしていませんか?
でもあなたはまだ若いのです。まだまだこれから活躍する世代なのですから、自信をなくすことはありません。元気にシャキッとしているだけで、「こんな人材がほしい」という企業は多くあります。
何社も面接を受けて全て落ちても、広い視野で見れば、今の経歴でも採用してくれる企業が多く見つかるはずです。常に「若いから何でもできる」という自信を持ちましょう。
中退後はまずハローワークへ行こう
ここからは、大学中退後の具体的な動きについて考えていきます。
ハローワークとは
大学中退後には、まずハローワークを訪れてみましょう。
ハローワークには求職者支援制度があるため、職歴がない人であっても資格取得のための支援を受けることができます。
今後仕事を探す上で役立つ技能習得のサポートもしてもらえます。ハローワークと聞くと求人情報を見に行く場所というイメージがありますが、とても実用的な就職支援をしている公的機関なのです。
大学中退後にニート生活に入らないためにも、まずはハローワークへ行き、今後のことを相談してみましょう。ハローワークの求職者支援を受けられるのは、雇用保険を受給できず、さらに就職を希望している方。
雇用保険の受給が終了した方、雇用保険の適用がなかった方、学卒未就職者などがこれにあたります。大学中退者もあてはまりますので、ハローワークの求職者支援を受けられるでしょう。ぜひ活用しましょう
ハローワークでできること
さらに、ハローワークの求職者支援には基礎コースと実践コースがあり、それぞれに必要な技能の習得を支援してもらえます。実践コースでは、就職希望職種における職務遂行のための実践的な技能を身につけるための訓練を、基礎コースでは社会人としての基礎能力を身につけるための訓練を行います。
これまでバイトの経験もなく、面接の仕方や履歴書の書き方もわからない、社会人としてのマナーについてはさっぱり、という方は、基礎コースから学んでみましょう。
実践コースでは、職業訓練と同様の講座が受講できます。半年の時間をかけて学んでいくため、じっくりと就職に役立つ訓練に取り組み、しっかりと技術を身につけることができるでしょう。
実務に寄り添った支援
希望職種によっても訓練内容を選べます。たとえば、事務職を希望しているなら簿記の資格取得に向けた学習を行なったり、IT関連希望であればプログラミングについて学んだりすることもできます。
こういった講座で学んだことを元に、実際に手に職をつけている方も多くいます。詳しい内容が気になる方は、管轄のハローワークに問い合わせてみましょう。
さらに、ハローワークの求職者支援を利用することで、国からお金をもらえることも覚えておきましょう。このお金をもらうためには、次で紹介する条件を満たしている必要があります。
求職者支援でお金がもらえる条件
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯収入が月25万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 不動産を所有していない
- 全ての訓練日に出席している
- 同世帯で同じ給付金をもらっている人がいない
- 失業保険の不正受給をしていない
もし、大学を中退した理由が金銭的な問題であれば、こういった制度を利用し給付金をもらいながら資格取得を目指してみましょう。こちらの「職業訓練受講給付金」は毎月10万円が支給されます。
このように、公的な機関を利用することで、お金をかけずに資格を取得できるどころか、お金をもらいながら資格取得も目指せます。本当に経済的余裕がなく、就職活動する時間がないという場合には、ハローワークは大きな力となってくれるでしょう。
中退しても諦めずに就職のパートナーを探そう
ハローワークで十分な支援が得られるかといえば、そうとも限らないのが現実です。というのも、ハローワーク職員の質や混雑具合によって、対応がまちまちになってしまうというデメリットをハローワークはもっています。
ハローワークの求職者支援の限界
ハローワークの職員にとってみれば、求職者はお客さまではなくサポートするべき相手という認識でしょう。「助けてください」といわれれば助けますが、何もいわない人は助けられません、というスタンスの職員が多くなっています。
そもそも、ハローワークにある求職者支援は自分から申し込み、手続きを踏み、訓練を受けに行かなければいけません。今後の相談も誰にしたらいいのかあいまいですし、アドバイスは人によって変わるかもしれません。
毎回決まって同じ職員だけと話ができるわけではないため、こちらの状況を理解しないまま毎回相談が終わってしまうということも考えられます。
民間就職支援サービスのメリット
手厚い求職支援を受けたいのであれば、民間の就職支援サービスをハローワークと併用してみましょう。民間の会社であれば、「お客さま」として接してくれますし、しっかりとしたカウンセリングやヒアリングを行なってくれます。
毎回「アナタは誰ですか?」からはじまるハローワークにうんざりという方は、民間の支援を利用することで、こういった就活のストレスも減るでしょう。
民間の会社を探す際には、実績が豊富なところをまず利用してみてください。
実績があるということは、しっかりとしたサポートをしてくれる会社ということになります。もちろん、民間会社の転職支援でも、面接対策や履歴書対策はバッチリ。
ジェイックが提供する求職者支援サービス
弊社はフリーターや大学中退者への転職支援実績も豊富です。転職に関するセミナーも充実させており、「どこで何をするべきかわからない」という方もしっかりとサポートいたします。
このままではニートになってしまう! という危機感をお持ちの方に対しても、カウンセリングで不安を取り除き、前向きに頑張る力を与えていきます。
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まとめ
大学を中退した後は、とにかく就活に取り組む。これを意識するだけで、今後の生活も大きく変わっていくでしょう。ニートやフリーターになってしまった……というあとでは、正社員になることは困難を極めます。
特に大切なのが、20代のうちに動くということです。まだまだ未来のある20代であれば、やる気のある人材ならすぐに採用されるでしょう。
ポイントは、積極性、柔軟性、外向性。「与えられた仕事はしっかりできます!」ではなく、戦略的に動けることをアピールしてください。
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