大学中退したい!理由やメリットとデメリット・中退後の進路を解説

大学を中退したいと感じる人は多くいますが、実際に中退すると最終学歴が高卒になって応募できる求人が減ったり、大卒と比べて給与が下がるなど、様々なデメリットが考えられます。
確かにストレスから解放されて、自由に使える時間が増えるメリットはありますが、将来の就職のことも考えると慎重に検討すべきです。
この記事では、大学中退したいと感じた人が知っておくべきメリット・デメリットや進路、もし中退した場合の就職先としておすすめの仕事などを分かりやすく解説します。
中退は人生に大きな影響をもたらす決断のため、後悔しない選択のために役立ててみてください。


この記事の目次
大学を中退したいと感じる理由8選
大学を中退したいと感じる理由として、ジェイックが公表している「2023年度中退データ集」によれば、学業に興味が持てなくなったり、人間関係に不安を感じるケースが多くなっています。他にも、家庭の事情や体調不良など、やむを得ない理由で大学を中退する人も見られます。
具体的に大学を中退したいと感じる理由をまとめると、以下のような種類があります。
- 大学の勉強についていけなくなった
- 授業内容に興味が持てなかったから
- 人間関係がうまくいかなかったから
- 学費が払えなくなってしまった
- 他に夢中になれることを見つけた
- 家庭の事情でやむを得なかった
- 体調不良
- 転学や留学をすることになった
一度中退をすると元に戻ることはできないため、自分がなぜ大学を中退したいと感じているのか言語化するためにも、どういった理由があるのか理解を深めておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
1. 大学の勉強についていけなくなったから
大学中退理由として多く見られるのは、大学での勉強についていけなくなったというものが挙げられます。
大学は高校までとは異なり、自分で受講講義を選択し、必要な単位を取得することで進級・卒業が可能になりますが、勉強についていけずに単位が取得できないまま留年してしまった際には、いっそのこと大学を中退してしまおうと思いやすくなります。
また、それだけでなく必修科目の単位を落としたり、そもそも履修登録をしていなかったりといった自分が原因で進学が上手くいかないことも考えられますし、ゼミや研究室で上手く勉強についていけないといったことで中退を考えるケースは少なくありません。
2. 授業内容に興味が持てなかったから
大学で学ぶ内容が自分の期待と大きく異なる場合、学問そのものに興味を失い、大学に通う意義が感じられなくなって中退したいと考えるようになります。
特に文系分野においてイメージだけで学部を選んだ場合、入学後にミスマッチを感じやすくなります。結果的に単位が取得できなかったり、研究やゼミ活動に積極的に参加できないなど、負のループに陥って大学生活全体に悪影響をもたらします。
「このような状況で大学に通い続けても意味がないのではないか」と考え、大学中退したいと感じる人は少なくありません。
3. 人間関係がうまくいかなかったから
大学生になると、これまでの高校生活に比べて友達付き合いも大幅に自由度が増します。
自分から積極的に行動してサークルに入ったり、声かけをしなければ一向に友達ができず、ひとり寂しい大学生活を送ることになります。
また、いざサークルに入ってみたはいいものの、上手く馴染めなかったり人間関係でトラブルを起こしてしまったりなどすれば、同じく人間関係に悩むことは避けられません。
このような人間関係の歪みやズレに耐えることができなくなった時、大学を中退したいと感じる人もいます。
気の合う友人がいなかったから
大学生活では授業だけでなく、人間関係の充実が通学のモチベーションに大きく影響するため、気の合う友人ができない場合、孤独感や疎外感を強く感じて大学を中退したいと感じてしまうことが多くあります。
特にサークルやゼミに参加しても周りと打ち解けられず、空き時間や放課後を1人で過ごす時間が増えると、通学自体が苦痛になりがちです。
このような状況が続くことで、自分が大学に合っていないと考えるようになり、不登校や引きこもりに発展することもあります。
大学の本分は学ぶことではあるものの、人間関係が希薄になることで結果的に学業や就活にも悪影響をもたらすこともあるため、バランスよく大学生活を楽しむことが重要です。
友人が先に就職・卒業したから
留年や休学を経験した学生の場合、周りの友人が先に卒業や就職をしてしまったことで焦りを感じ、自分も大学を中退して次のステージに歩もうとするケースがあります。
特にSNSなどを通じて仲の良い同級生が社会人として活躍している姿を見ると、取り残されているような劣等感を感じることがあるでしょう。
また、就活のタイミングを逃してしまうことで、「将来のキャリア形成が難しくなるのではないか」という不安を感じ、結果的に大学に通い続けることを辞めてしまうケースも見られます。
4. 学費が払えなくなってしまったから
大学の学費は高校までの学費と比べて非常に高く、特に私立大学の理系学部の学費は年間でも100万円を超えるケースも珍しくなく、多額のお金が必要になるのが実態です。
奨学金や仕送りの受給、バイトなどをすることで学費や生活費をまかなう学生も多いですが、中には経済的に厳しい家庭で親からの援助が得られず、奨学金ももらえないためバイト漬けになるような人がいます。
大学の学費をまかなうためにバイト漬けになり、バイト漬けになることで大学の勉強についていけなくなるといった負のループに陥ってしまうことにより、最終的に大学を中退したいと考える人も一定数見られます。
5. 他に夢中になれることを見つけたから
現代の日本においては、大学に通うことが当然という価値観になっている傾向にあります。
そのため、特に何か学びたいことがなかったとしても、とりあえず大学に進学するという人は多いでしょう。
特に目的もなく大学に通っている中で、自分が本当に夢中になれることを見つけられる人がいます。音楽や芸術、何らかのビジネスなど、大学以外に夢中になれることを見つけた時、大学に通うことの優先度が大きく下がることになります。
結果的に、進学や卒業のための単位が不足することになり、「それだったらいっそ、自分のやりたいことに一直線に頑張りたい」と考え、大学を中退するという選択を取る人も見られます。
6. 家庭の事情でやむを得なかったから
本人は大学に通い続けたいと思っていたとしても、家庭の経済状況や家族の介護などの事情により中退をせざるを得ないケースも存在します。
特に私立大学は学費の負担が大きく、家庭のために中退を決断する人も少なくありません。
本人の意思に関係なく、外的な要因によって大学生活を中断するような理由となるため、就活において企業から理解されやすい理由と言えます。
ただ、その後の就職活動においては「なぜ中退したのか」をポジティブに説明しないと、面接で通過しないこともあるため、就職エージェントなどを活用しながら中退理由を作り込んでいく必要があります。
7. 体調不良になったから
身体的な病気や精神的な不調によって体調不良を引き起こすと、学業や人間関係についていけなくなり、中退したいという気持ちが強くなります。特に精神的なストレスは周囲に理解されにくく、孤立感が高まりやすいといった特徴があります。
うまく医療機関のサポートを受けられないまま回復が遅れると、中退という選択肢しか残らなくなるだけでなく、その後の進路選びが遅れるなど将来に大きな影響をもたらします。
体調不良による中退はやむを得ない事情と言えますが、事前に頼れる相談先を活用する意識が重要です。
8. 転学や留学をすることになったから
ポジティブな退学理由として、転学や留学といったものも挙げられます。
現役時代に第一志望だった大学を再受験したり、自分のやりたい学問が学べる他の大学や専門学校に転学することになったりすれば、必然的に今通っている大学を中退する必要が出てきます。また、留学を数年単位で行おうとする場合、大学を中退して本気で取り組むというケースも考えられるでしょう。
このように自分の本当にやりたいことを実現するため、前向きに大学中退という選択肢を取る人は少なくありません。

大学中退したいと考え行動に移す割合は2%
大学を中退したいと思う理由は人それぞれ様々であることを考えると、中退したい気持ちを抱えながら大学に嫌々通い続けている人も一定数いると考えられます。
その中でも、実際に大学を中退するといった行動に移す割合はどれくらいいるのでしょうか。
文部科学省の調査結果によれば、大学を中退する割合は2%前後ということが分かっています。実際の人数は毎年の大学生の数が変動するので一概には言えませんが、およそ5万人から8万人程度が目安となります。
大学中退者の割合は2%と少ないですが、実数では数万人が毎年大学を何らかの理由で中退していることを考えると、意外と中退という進路を選ぶ人が多いというのが分かります。
出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」


大学中退のメリット5選
大学を中退することで自分で使える時間が増えるほか、現在抱えているストレスから解放されるため、大学に通うことが負担になっている人からすれば大きなメリットを感じられます。
また、すぐに正社員就職することで同級生よりも社会人経験を一足先に積めるため、うまく求人選びをすれば将来のキャリア形成という意味でポジティブに働くこともあります。
ここからは大学中退のメリットを5つに分けて解説します。
1. 自由に使える時間が増える
大学は自由に時間割が作れるものの、真面目に勉強をしてストレートで卒業を目指そうとすると、特に1〜2年目はそこまで自由な時間を満喫できるということはありません。当然ながら、大学で勉強をして単位取得に努力するといった必要が出てきます。
大学を中退することにより、無理に大学に通う必要が一切なくなるため、本当の意味で自分の自由な時間が手に入ります。
今までやりたいと思っていたものの、大学で時間がなくて諦めていたことに挑戦できるようになるなど、行動の選択肢を無制限に持つことができるのは大きなメリットです。
2. ストレスから解放される
大学中退することで、人間関係や学業のプレッシャーなどのストレスから解放できるというメリットもあります。
無理に在籍を続けてしまうと、心身に悪影響を及ぼし、うつ症状や体調不良に発展するケースも少なくありません。中退を選ぶことは、こうしたストレスの根本原因から解放される手段になり得ます。
自分に合わない環境に居続けるよりも、一度リセットして別の道を歩むことで前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。
精神的な余裕が生まれることで、アルバイトや資格取得、就職活動など新しい挑戦に集中できるようになり、自分に合った生活リズムや進路を再構築しやすくなる点は大きなメリットと言えるでしょう。
3. 学費の負担がなくなる
大学を中退することで、学費の負担がなくなることもメリットの一つです。
入学時に支払う料金を除けば、私立文系学生が1年間で支払う金額は100万円程度となり、家庭の経済事情によっては学費の支払いに首が回らないということも十分考えられます。
「親にお金で迷惑をかけているのが申し訳ない」と感じている人であれば、大学を中退することにより学費の負担がなくなるといったメリットもあるでしょう。
学部別に私立大学の1年間の学費をまとめてみると、以下の通りとなります。
| 学部 | 授業料 | 入学料 | 施設設備費 | 実験実習料 | その他 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 文系 | 815,069 | 225,651 | 148,272 | 8,319 | 75,126 | 1,272,437 |
| 理系 | 1,136,074 | 251,029 | 179,159 | 61,004 | 62,758 | 1,690,024 |
| 医学系 | 2,882,894 | 1,076,278 | 931,367 | 200,419 | 1,400,106 | 6,491,064 |
| その他 | 969,074 | 254,836 | 235,702 | 78,917 | 93,619 | 1,632,148 |
| 平均 | 930,943 | 245,951 | 180,186 | 34,462 | 91,423 | 1,482,964 |
ただ、同時に中退によりそれまで大学生活のためにかけてきたお金が無駄になるといったデメリットと表裏一体となりますので、一概に手放しで喜べるメリットとは言えない点に注意が必要です。

伏見 卓真/就職アドバイザー
中退して就職した方が金銭的に余裕ができることも?
自分でアルバイトをしながら、学費の全額、または一部を負担しているような方にとっては、中退することで生活に余裕が出る可能性は高くなります。
さらに、正社員として就職して収入を増やすことができれば、生活も豊かになるはずです。
もし生活を維持することが難しいほど困窮しており、奨学金など他の手立てでもお金が得られる当てがないのであれば、1つの選択肢として検討してみるとよいかもしれません。
4. 社会人経験を一足先に積める
大学中退から空白期間をほぼ空けずに就職できるのであれば、社会人経験を同学年よりも一足先に積めるといったメリットも挙げられます。
大学中退者は学歴的には高卒という扱いになりますが、高卒の平均年収はおよそ250万円ほどになりますので、仮に大学1年目で中退するのであれば、4年間の間で1,000万円程度の収入の差をつけることができるでしょう。
また、実務経験を積んで早めにキャリアアップのための転職をすることにより、同じ年齢であっても社会で活躍するスピードを早められるというのもメリットになります。
ただ、そもそも高卒と大卒では大卒の方が平均年収が高い傾向にあるため、生涯もらえる収入としては大卒の方が高いという点は知っておく必要があります。

伏見 卓真/就職アドバイザー
長期的な視点で考えることが大切!
他の学生が学校に通っている間に働くことで、短期的にはスキルの面で差をつけることはできます。そのため、今後どのような仕事をしたいか、どんなキャリアにしていきたいかというビジョンが明確で、正社員として働くのであれば、早く働くことがメリットになるかもしれません。
しかし、逆を言えば、まだ少し将来についてフワッとした考えしかなく、中退後もなんとなくアルバイトを続けてしまいそうなのであれば、いま一度立ち止まって考えてみたほうがよいでしょう。
5. キャリアチェンジや再挑戦のきっかけになる
大学を中退することは、一度進んだ道を方向転換する大きな契機となります。
専攻内容が自分の興味や適性に合っていない場合、在籍を続けても将来につながらない可能性があります。そこで中退を選ぶことで、「本当にやりたいこと」に時間と労力を振り向けられるのです。
例えば、プログラミングやデザインなど専門スキルを学ぶためにスクールへ通う人もいれば、働きながら実務経験を積み、実力でキャリアを築く人もいます。
進学や資格取得など学び直しの選択肢もあり、大学中退は必ずしも失敗ではなく「再挑戦のスタート」とも言えます。
自分の意思で方向を選び直す経験は、その後の人生において大きな自信や強みにもなります。
大学中退のデメリット5選
大学を中退することで、最終学歴が高卒となるほか、就活において中退したという事実がマイナスイメージにつながるため、正社員就職を目指すハードルが高くなるといったデメリットに繋がります。
また、平均すると高卒の方が初任給が低く、短期的に見たときの給料が下がる点は注意する必要があります。それだけでなく、大学中退する人はそもそも割合として少ないため、親や友人からの理解を得にくい点もデメリットと言えるでしょう。
ここからは、大学中退のデメリットを5つに分けて解説します。
1. 最終学歴が高卒になる
大学を中退することで最終学歴は高卒となります。高卒となることで、大卒以上を募集している求人に応募できなくなるといった直接的なデメリットに繋がります。
労働政策研究・研修機構の「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によれば、中退後の就職活動で困難や不利益を感じた経験がある割合は約45%と半数に上っており、高い確率で就活におけるハードルが上がると言えます。
中退後の就職活動中に、何か困ったことや不利益を感じたこと
| 性別 | ある | ない |
|---|---|---|
| 男性 | 43.1% | 56.9% |
| 女性 | 51.9% | 48.1% |
| 男女計 | 45.7% | 54.3% |
また、同調査における困難や不利益を感じた理由のトップが「応募が制限されること」となっているため、大学中退により将来のキャリアの選択肢が狭まる点はあらかじめ理解しておく必要があります。
| 中退後の就職活動での困難・不利益 | 回答数 |
|---|---|
| 求職活動(履歴書の書き方など) | 33 |
| 求職活動(手段・資源) | 27 |
| 応募(学歴条件・選択肢限定) | 198 |
| 面接(中退理由説明) | 112 |
| 雇用条件(給与など) | 11 |
| 資格・職歴 | 60 |
| 精神的ダメージ・不安・心配・意欲減退 | 42 |
| 印象・イメージ・不利な扱い | 55 |
| その他 | 31 |

伏見 卓真/就職アドバイザー
条件差や不利なケースを知っておこう!
最初は不利であっても、入社してからの頑張りや業績次第で収入アップやキャリアアップがかなう可能性もあります。ただ、スタートから仕事の選択肢が狭まってしまったり、大卒者よりもスムーズにキャリアを形成できない可能性があるのも事実です。
自分が理想とするキャリアに中退という選択がネックにならないか、十分に調べておきましょう。
2. 中退したことがマイナスイメージになる
大学を中退したことにより、就活における面接官からのイメージが悪くなるという点もデメリットと言えます。先ほど紹介した調査において、中退後の就職活動で不利益を感じた理由の2番目に多いのが面接です。
大学中退者の面接においては、面接官から高い確率で中退理由の説明を求められることになります。やむを得ない理由であればまだしも、授業についていけなかったり、孤独感を感じたといったネガティブな理由で中退した場合は、うまく伝えることができないとそれだけで見送りになることもあります。
大学中退の理由をポジティブに伝えたい場合は、就職エージェントの模擬面接等で準備しておくと良いでしょう。

伏見 卓真/就職アドバイザー
しっかり対策しないと面接の通過が難しいことも
就職面接では、中退した理由を問われることがほとんどです。
大卒を優遇する企業ばかりではありませんが、たとえ高卒を積極的に採用している企業でも、中退者に対するマイナスイメージや不安要素が拭えなければ、内定をもらうことはできません。
自己分析を通して、中退に至った本質的な要因と向き合い、経験を前向きに活かそうとする姿勢をアピールする必要があることに注意しましょう。
3. それまでの学費が無駄になる
大学中退により、これから必要になる学費がかからなくなるといったメリットがある反面、これまでかかってきた学費が無駄になるといったデメリットがあります。
大学受験のために塾や予備校に通っていた場合は、最大で50万円程度のお金を支払っていることになりますが、中退によりそのお金は全て無駄になるといって良いでしょう。
また、コストという観点では学費だけでなく、それまで費やしていた時間というものも無駄になってしまいます。
「大学という場所が自分には合っていなかった」という経験ができたとポジティブに考えられる人であれば問題ないかもしれませんが、そうでないなら大学中退はこれまでの人生に対しても大きなデメリットを与える選択と言えます。
4. 大卒と比較して給与が下がる
特に初任給においては最終学歴別に給与水準を分けている企業が多く、中退によって大卒と比較して給与が下がるといったデメリットもあります。
厚生労働省のデータによれば、初任給をもらうにあたる20歳から24歳までの平均年収を学歴別に見てみると、大卒で25万円なのに対し、高卒は21.7万円と3万円強の差があることが分かります。さらに、全年齢を平均して見ると、大卒と高卒で平均給与に約10万円もの差が出てきます。
営業職など実力主義の仕事であれば、学歴に関係なく給与が稼げるものの、年功序列式に給与が上がっていく会社の場合は、将来の賃金に不安を感じることもあるでしょう。
5. 周囲からの理解を得にくい
大学を中退すると、親や親戚、友人など周囲から「どうして辞めたのか」「もったいない」と言われることが少なくありません。社会的には「中退=挫折」というイメージが根強く残っているため、自分の意思で選んだとしても理解されにくいのが現実です。
その結果、自己肯定感が下がったり、就職活動に自信を持ちにくくなったりする場合もあります。周囲の評価や偏見が精神的なストレスになることもデメリットの一つです。


ポジティブな中退と捉えられやすい人の特徴
ポジティブな中退と捉えられやすい人は、大学中退を後ろ向きな選択ではなく、自らの未来を切り拓く戦略的な判断として説明できる人です。
明確な目的や計画を持ちつつ、自己分析に基づく意思決定をしていることも特徴です。
また、大学中退に伴うメリットとデメリットを理解し、第三者の意見を取り入れながら冷静に意思決定を行っている点も、ポジティブな中退として評価されやすい特徴といえます。
1. 大学中退後の具体的な目的や計画がある
大学中退をポジティブに捉えられる人の特徴としてまず挙げられるのが、中退後の具体的な目的や計画を持っていることです。
なぜ大学を辞めるのか、辞めた後に何をするのかを説明できる人は、挫折や逃避ではなく、あくまでも「前向きな決断によって中退した」と周りに思ってもらえるからです。
例えば「IT業界でエンジニアとして早く働きたいので、大学を辞めてプログラミングスクールに通う」「起業を目指してビジネスの勉強に専念する」など、進む道が明確な人は周囲からも理解されやすくなります。
未来に向けて明確なビジョンを持てると、大学中退を価値ある選択肢として周囲に納得させられます。
2. 自己分析ができている
自己分析ができている点も、ポジティブな中退と捉えられる大きな要素です。
自己分析ができているということは、自分自身の強みと弱みや価値観、興味、関心を理解しており、その上で今後の進路を選択しているという証拠です。
つまり、たとえ「中退」という選択であっても、自分自身の適性に合った道を冷静に選び取っているという点で、「何も考えずに中退を決めた」というネガティブな印象を払拭できるのです。
例えば「大学よりも現場で学ぶ方が性格に合っていると気づいた」などの判断は、自己理解に基づいているため、ポジティブな中退と受け取られることが多いでしょう。
3. 大学中退のメリットとリスクを把握できている
中退によるメリットとリスクの両方を適切に把握している人も、ポジティブな印象を持たれる傾向があります。
「嫌になったから辞める」という衝動的な判断ではなく、学費や時間、キャリアの影響などの現実的な側面を踏まえた上で退学を決断できる人は、冷静で堅実な印象を周囲に与えるからです。
「大学に残る場合と中退する場合のコストや可能性を比較した」などの行動は、計画性と責任感の表れです。また、大学中退のリスクを認識した上で対策まで用意できていると、中退の選択が戦略的なものとしてさらに信頼されます。
メリットとリスクを直視できる人は、現実的な視点で将来を見据えられる人といえるでしょう。
4. 第三者からの意見を取り入れている
大学中退を自分1人で決断するのではなく、第三者の意見を取り入れている人も「ポジティブな中退」という印象を周囲から持たれるでしょう。
自分の気持ちだけで中退を勢いで決めるのではなく、周りの意見にも耳を傾け、その結果として中退という道を選んだ人は、「自分の道を冷静に選び取った人」という点で良い印象を持たれることが多いからです。
親や先生、大学のキャリアセンター、社会人の先輩など、客観的な視点を持つ人に相談し、その意見を踏まえて中退を決めたというプロセスがあると、判断に説得力が生まれます。
「親と話し合った結果、大学を中退する決断ができた」「キャリアセンターで相談し、自分に合った進路を見つけた」などのエピソードは、中退の選択をより納得感のあるものにできます。
ネガティブな中退と捉えられやすい人の特徴
ネガティブな中退と捉えられやすい人は、大学中退の決断が曖昧で計画性がなく、逃避や感情だけで選択しているように見える人です。
また、中退後の生活設計や目標がない、大学や家族などに相談せず1人で悩みを抱え込んだ結果、勢いで辞めてしまうなどの傾向があると、周囲からは後ろ向きな選択として受け止められがちです。
1. 大学中退の理由が曖昧で説明ができない
大学中退がネガティブと捉えられやすい人の特徴として、理由が曖昧で、他人へ論理的に説明できない点が挙げられます。
「何となく辞めたいと思った」「授業が面白くないから」など、その場の感情を優先しているような理由は「計画性がない」「現実から目を背けている」と思われることが多いからです。
この場合、本人に強い悩みがあったとしても、「退学するかどうか適当に考えているのでは」「甘えでは」という誤解を招く可能性があります。
中退の理由を明確にするためには、どのような課題があるのか、大学を辞めて何を得たいのかを自問自答して言語化しましょう。
周囲に理解してもらうためにも、自分自身や周りが納得できる説明を用意することが必要です。
2. 環境からの逃避が目的になっている
「人間関係がうまくいかない」「授業に出るのが億劫」など、大学生活からの逃避が目的になっている場合もネガティブな中退と見られやすくなります。
このような理由は、一時的なストレスや感情に基づいているように受け取られがちで、中退後の進路や目標が見えないまま退学する傾向があります。その結果、周囲からは「深く考えず勢いで辞めている」と評価される恐れがあるのです。
大学生活でストレスを感じた場合、まずはそのストレス要因と向き合い、適切な相談先や対策を検討しましょう。感情だけで判断せず、中退後に何を目指すのかを具体的に整理できれば、大学中退は前向きな選択として受け止められます。
3. 大学中退後の生活設計ができていない
大学中退がネガティブだと評価されがちな人は、大学中退後の生活設計や将来の計画が整っていない人です。
退学した後に何をするのか、経済的な見通しをどうするのかが曖昧なままだと、周囲からは「行き当たりばったり」「計画性がない」と思われるからです。
生活設計を立てるためには、職業や働き方の調査、必要なスキルや資格の検討、貯金や家計の計画が必要です。また、目標や期限を設定して、その計画に向けた行動を始めると、自分だけでなく周囲にも安心感を与えられます。
大学中退を前向きな選択として受け止めてもらうためには、退学後の道筋を具体的に描き、行動で示す姿勢が大切です。
4. 悩みを1人で抱え込んでいる
悩みを1人で抱え込み、誰にも相談せずに勢いだけで退学を決断する場合も、ネガティブな中退と捉えられる可能性があります。
大学生活や進路について悩んだ際に、家族や友人、先生、カウンセラーなど信頼できる人に相談せずにいると、視野が狭くなって感情的に判断するリスクが高まります。また、客観的な意見や助言を得られず、結果として判断の質が低下する恐れもあるのです。
周囲に相談するのは恥ずかしいことではなく、自分の状況を整理し、より良い選択をするための重要なプロセスです。
信頼できる人の意見を聞き、専門的な視点も取り入れながら進路を考えると、中退の決断もより責任ある前向きなものに変わります。
大学中退したい!その後の進路はどうなる?
大学を中退したいと感じた場合は、その後の進路を考えておかないといつまでも次のステージに行けなくなってしまいます。一般的な進路は、フリーターや民間企業への就職、公務員を目指すなど働く進路が多くなっています。
一方、特別なスキルや将来の夢を持っている場合は、別の学校へ再入学したり、フリーランスになるといった進路ケースもあります。
ここからは、大学中退後の進路について詳しく解説していきます。
1. フリーターとして働く
大学を中退した後は何事にもやる気が出ないといった人が少なくありません。また、大学を中退していることで親となんとなく距離を置きたいと思うことも往々にしてあるでしょう。
しかし、そのままだと収入がなく生きていくことができないため、仕方なくフリーターとして働くという進路を選ぶ人が一定数います。
フリーターであってもしっかりとシフトに入ることができれば、短期的には大卒初任給以上稼ぐことができるため、フリーターも悪くないかもと思うでしょう。
しかし、フリーターには昇給や昇格という概念がそもそもありませんし、社会保険や年金といった公的な支援が乏しいため、中長期的に考えればあまりにもその日暮らしな生き方というのが実態です。
大学を中退して一時的にフリーターになるのは良いのですが、フリーターであることが日常になってしまうと、数年後、数十年後に後悔する可能性が極めて高いため、早い段階から正社員としての就職を目指すことをおすすめします。
2. 派遣社員として働く
大学中退後に派遣社員として働くことは、自分に合う仕事を見つける上で有効な方法です。派遣には「期間の定め(更新)」があるため、場合によっては数ヶ月~数年単位で異なる業界や職種を経験できる可能性があるからです。
さらに、紹介予定派遣という制度を利用すれば、派遣社員として一定期間働いた後に企業と自分の双方が合意できると、正社員として登用されるケースもあります。そのため、実際の職場や業務を経験しながら「ここで長く働きたい」と思える企業を見極められ、ミスマッチを防ぐことも可能です。
派遣社員として働くことは、大学中退後のキャリア形成において現実的な方法といえます。
3. 民間企業に就職する
大学を中退したことをきっかけに、真剣に自分の将来を考えて民間企業に就職するといった進路も少なくありません。確かに大学中退者は就職活動上不利ではあるものの、日本全体が少子高齢化で人手不足という実態がある以上、しっかり準備すれば正社員として就職することは問題なくできます。
民間企業に就職した後は学歴や中退実績はほとんど意味がなくなり、仕事における実績が全てとなります。そのため、就職後にリスタートして努力し続けることができれば、大卒の社員よりも会社で評価されるといったことも可能です。
また、民間企業に就職した後に転職をすることにより、キャリアアップやキャリアチェンジにも繋げることもでき、フリーターよりも充実した人生を歩めるでしょう。
4. 公務員として就職する
実は公務員は大卒でなくても就職することが可能です。公務員の正規職員として就職するためには公務員試験に合格する必要がありますが、受験資格は年齢のみで学歴は関係ありません。
もちろん大卒の方が学力という意味で高いかもしれませんが、大学中退者であっても大卒並の地頭の良さはあると考えられますので、試験対策をしっかりすれば公務員として採用されることは十分に可能です。
知っての通り公務員はリストラがなく、かつ年功序列式に給料が上がっていきますので、一度就職できれば腰を据えて働くことができます。民間企業に存在する倒産リスクといったものも皆無となるため、将来の安心感が極めて高いのが特徴となります。
経済的理由などで大学を中退したいと考えている人は、公務員を目指してリスタートしてみても良いかもしれません。
5. 他の大学や専門学校に再入学する
今通っている大学では学べないことがあると感じたような人は、大学を中退して他の大学や専門学校に再入学するといった進路も考えられます。
ただ、再入学のためには当然受験を再びしなければなりませんし、大学を中退して受験勉強に専念したとしても希望の学校に合格できるとは限らないため、非常にリスキーな選択肢とも言えます。
もし仮に、「今の大学だと就職に不利になりそうだから、ランクが上の大学に再入学したい」という考えて再受験を考えているのであれば、今の大学を卒業した後に希望する大学の大学院に進学するといった進路も検討すべきでしょう。
また、大学から専門学校に再入学した後は、基本的に進路が専門学校で学ぶことに限られてしまいますので、その選択をして本当に後悔しないかを念入りに検討することが必要です。
6. フリーランスになる
最近ではフリーランスという働き方も目立つようになってきていますので、大学を中退した後フリーターでも正社員就職でもなく、フリーターという進路を選ぶ人も増えてきています。
フリーランスとして働くためには一定の知見や実績がないと案件が獲得できませんが、上手く案件をこなせるようになれば会社員よりも大幅に稼いでいくことも可能です。
また、最近ではインフルエンサーや配信者のように、自分一人の力だけで稼いでいくといった生き方をしている人もいますので、「この分野であれば自分は他の人に負けない」ということが一つでもあるのであれば、フリーランスという進路を選んでみても良いでしょう。
ただ、フリーランスになってから稼げるようになるまでは、最短でも数ヶ月以上かかることがほとんどですので、経済的に厳しくなりやすいという点はあらかじめ認識しておく必要があります。

7. 海外留学やワーキングホリデーに挑戦する
語学力や国際経験を身につけたい人には、海外留学やワーキングホリデーがおすすめです。
語学だけでなく異文化理解やコミュニケーション能力、適応力などを現地で鍛えられるため、帰国後の就職活動やキャリア形成で他の応募者と差をつけられるからです。
海外で生活すると、自分の価値観や働き方のスタイルを見つめ直す機会にもなります。また、ワーキングホリデー制度を利用すれば、観光だけでなく働いて生活費をまかないながら長期滞在できるため、経済的な負担を抑えながら海外生活を送れます。
海外留学やワーキングホリデーの経験は、帰国後に就職活動で強みとしてアピールでき、語学を活かす仕事や国際関係の職種を目指す際に有利です。
大学中退を新たなスタートと捉え、「世界で学ぶ」という選択肢を取り入れると、将来のキャリアの幅を大きく広げられます。
大学中退したら人生終了?
大学を中退しても人生終了というわけではありません。実際に中退してから正社員として就職して、生き生きと働いているケースもありますので、やり直しはいくらでもできると言えます。
一方、大学中退は自身の学歴に一生残り続けることになるため、将来転職活動をする際に足を引っ張ることになるケースもあります。加えて、つらいことがあったら逃げてしまうといった癖がつくと、その後の人生に悪い影響をもたらすこともあるでしょう。
ここからは、大学を中退したら人生終了になるのかどうかについて詳しく解説します。
やり直しはいくらでもできる
大学中退は確かに人生において大きな決断の一つと言えますし、いわゆる「人生のレール」からは一時的に外れることになるでしょう。しかし、80年以上続く人生の中で考えるとたった一瞬の出来事とも言えますので、後からいくらでもやり直しはできます。
就職という観点に閉じて言うのであれば、中退をしてからも正社員として就職することはできますし、経験を積めれば大卒と遜色なく活躍することも可能です。
また、今後はさらに人手不足が加速していくとも言われてますので、近い将来には学歴が関係ない社会になっているかもしれません。
このことから、大学を中退しても人生終了になるとは言えず、そこまでネガティブに落ち込む必要はないでしょう。
大学中退が一生足を引っ張る事実になることも
一方で、大学中退という事実が一生足を引っ張る可能性もあります。就職の際は履歴書に学歴を記載することになりますが、自分の学歴は一生変わることがありませんので、中退した事実を背負いながら生きていくことになります。
また、結婚においても相手が大卒で自分が高卒という状況になれば価値観が変わってくるようなこともありますし、経済的に困ってしまうような状況にも陥るかもしれません。
このような将来のことを考えるのであれば、大学を中退してもすぐに人生終了とはならないものの、やがて大学を中退した事実が自分の首を締めてくることは可能性として認識しておく必要があります。
逃げ癖がつく点には注意
大学を中退することで、自分の性格や考え方が大きく変わってしまうことがある点には注意する必要があります。
具体的には、大学を中退することで「つらいことや嫌なことがあったら、その場から逃げればいい」という逃げ癖がつきやすい点に注意しましょう。
社会人になれば、どれだけストレスがかかる状況にあったとしても、逃げずに向き合い続ける粘り強さや根性といった精神力が求められることが多くなります。しかし、一度大学を中退した人は「途中で何かをほっぽり出してリセットする」という経験をしてしまっていますので、逃げることに抵抗がなくなりやすい傾向にあります。
逃げ癖は一種の性格とも言えますので、一度逃げ癖がつくと中々元には戻せません。
逃げ癖が人生終了に繋がらないように、意識的に行動を変えていくことが大切になるでしょう。


「大学中退したい」は甘え? まずは理由を言語化しよう
「大学中退したい」という気持ちは甘えではなく、人それぞれの事情があるため正当な感情です。ただ「辞めたい」と感じるだけで終わらせるのではなく、なぜそう思っているのかを言語化し、本質的な原因を明らかにしましょう。
理由を言語化すると、自分が直面している問題の核心が見えるため「大学を辞めるべきか」「続けるべきか」を冷静に判断できます。
本質的な原因が分かれば、中退する方法だけでなく、問題を解決しながら大学生活を続けるための具体策も見えてくるのです。
本章では「大学中退したい」と感じたときに理由を言語化する方法について、3つのステップに分けて解説します。
- ステップ1:大学を辞めたい理由を書き出す
- ステップ2:「なぜ?」を繰り返して“本質的な原因”を探る
- ステップ3:中退せずに解決できないか考える
ステップ1:大学を辞めたい理由を書き出す
大学を中退してもよいか判断する際は、辞めたい理由を紙に書き出しましょう。頭の中の漠然とした理由やモヤモヤを言語化すると、自分が本当につらいと感じている原因を客観的に把握できるからです。
まずは思いつく限り、大学を辞めたいと思った理由を以下のように箇条書きにしましょう。
- 授業についていけない
- 専攻内容に興味が持てなくなった
- 人間関係がうまくいかない
- 学費が負担になっている
- 心身の不調が続いている
どのような理由でも構いません。自分の思いを書き出すと感情や状況を整理でき、この後のステップで“本質的な原因”を探る土台ができます。
ステップ2:「なぜ?」を繰り返して“本質的な原因”を探る
「なぜ大学中退したいのか?」を繰り返して考えると、奥にある“本質的な原因”が見つかります。
例えば「授業についていけなくてつらい」という理由がある場合、「なぜついていけないのか?」と自分に問いかけましょう。すると、「基礎的な内容が理解できておらず、授業の進むスピードが早い」という回答が出てくるかもしれません。
さらに「なぜ基礎的な内容が理解できていないのか?」ともう一度自分に問いかけてみると、「誰かに頼るのが苦手で、自分1人で解決しようとしている」という理由が見えてくるかもしれません。
このように「なぜ?」を何度も繰り返すと、本当に解決すべき課題が明確になり、大学を辞めるべきかどうかの手がかりが見つかります。
ステップ3:中退せずに解決できないか考える
本質的な原因が分かったら、大学を中退せずに解決できる方法がないかを具体的に考えましょう。例えば「自分だけで解決しようとしている」という点が原因だった場合、「誰かに相談する」という行動をまず試す価値があります。
教授やゼミの担当教員へ素直に「ここが分からないため教えてください」と伝えると、ヒントが得られるかもしれません。
また、大学内にティーチング・アシスタント(TA)制度やラーニング・サポートセンターがあれば、それらを積極的に活用する方法もあります。
相談することに抵抗を感じるかもしれませんが、自分の気持ちを相手へ正直に伝えることは解決への第一歩です。
このように「辞める」以外の方法を検討すれば、大学生活を続けながら問題を乗り越える方法が見つかることもあります。
大学中退したいと感じたらするべきこと
大学を中退したいと感じたときは、まずは感情的な判断を避け、情報を冷静に整理しながら進みましょう。
中退は人生に大きな影響を与える決断であり、今後のライフプランや経済面、社会的な影響などを考慮しなければなりません。そのためには、将来の方向性を明確にし、休学などの選択肢も含めて慎重に検討する必要があります。
また、信頼できる人への相談や、実際に中退を経験した人の事例から現実的な視点を得ると、自分の考えを見直すきっかけになります。
さらに、大学の退学手続きは思っている以上に複雑な場合があり、提出期限や必要書類を事前に確認しておくことも必要です。
本章では、先ほど紹介した「中退したい理由を言語化する」という方法以外に、大学を中退したいと思ったときに考えるべきことをそれぞれ解説します。

1. 中退した後のライフプランに向き合う
大学を中退すること自体は、自分自身が納得した結論なのであれば問題ありません。ただ、中退後に何かをすることなくダラダラと生活し続けることは問題です。
特に大学中退後に空白期間が長引けば長引くほど、就職できる可能性は加速度的に減っていってしまいます。
このことから、大学中退後のライフプランをしっかりと設計しておくことをおすすめします。具体的には、中退をしてから何を目標にリスタートを切るのか、そのためにまずは何をいつまでにしなければならないのかなどを言語化し、簡単でも良いのでスケジューリングしておくようにしましょう。
中退後のライフプランに向き合えないような場合は、大学を中退することを再検討することを強くおすすめします。
2. 休学という選択肢は取れないか検討する
大学に通うことを辞めたいという思いですぐに中退と考える人もいますが、大学に一時的に通わない選択肢としては「休学」というものがあります。
どれくらいの期間休学できるかは大学によって異なりますが、概ね2年を上限としている大学を多い傾向にあることから、短期的な留学や趣味への没頭などであれば中退ではなく休学という選択肢も視野に入れた方が良いでしょう。
また、休学中は基本的に学費が免除されるため、経済的に厳しい大学生であれば休学期間中にお金を稼いで、復学した後の学費に充てるといった方法も取れます。
今一度大学を中退したいと思っている理由は何かを言語化し、その理由が休学で解消できないかを考えてみましょう。
3. 親や大学・友達に相談する
大学を中退したいと感じた場合は1人で抱え込まずに、親や友人、大学の先生、キャリアセンターなど信頼できる人に相談しましょう。自分では思いもしなかった選択肢や視点に気づける可能性があるからです。
大学中退は金銭面や生活面にも影響するため、親としっかり話し合いましょう。親に説明するときは感情論ではなく、将来の見通しを具体的に伝えるのがポイントです。
また、大学のゼミの先生や担当教員、キャリアセンターの相談員は、似た相談を多く受けているプロです。中立的な立場でアドバイスしてもらえるため、休学や編入などの代替案も教えてくれるかもしれません。
友人への相談も、気持ちを整理する上で有効です。悩みを言葉にすると、自分の本音が見えてくる場合があります。信頼できる人への相談を通して、自分の決断をより客観的に見つめ直しましょう。
4. 中退を選んだ人の事例を調べてイメージをつかむ
大学中退を考えるなら、実際に大学を中退した人の体験談を調べて、具体的なイメージをつかむことが重要です。成功例だけでなく苦労したケースもあるため、事前に知るとより現実的な判断ができるようになるからです。
彼ら・彼女らの体験から分かるのは、「中退=失敗」ではなく、その後の行動が人生を左右するということです。中退後のキャリア形成に役立つ情報を得るためにも、体験談を積極的に調べ、自分と重ね合わせてイメージを膨らませてみましょう。
大学中退者の就活エピソードは、こちらのページにも掲載しています。
5. 大学中退に伴う手続きやスケジュールを確認する
大学を中退するためには、所定の手続きとスケジュール管理が必要です。
退学にあたっては、所定の退学届に記入し、大学へ提出する流れが一般的です。退学届を出すタイミングを誤ると余計な学費が発生する可能性があるため、事前に提出期限を確認しておきましょう。
また、教員などと面談が求められる場合もあります。併せて学生証などの返却も忘れずに行いましょう。
奨学金の返済手続きなど、大学外の手続きも発生する場合があるため、大学と連携しつつ「ToDoリスト」を作って1つずつ対応するのがおすすめです。
手続き漏れを防ぐためにも、大学内外の必要事項を早めに整理して計画的に対応していきましょう。

「大学中退したい」と言われた親の気持ちと対処法
大学中退の意思を親に伝えると、多くの親は心配や不安、迷いなど複雑な気持ちを抱きます。しかし、それはあなたを思うからこその反応です。
まずは親が抱く不安や気持ちを理解しつつ、あなた自身の考えや将来の見通しを具体的かつ丁寧に伝えましょう。
多くの親は「安定した生活が送れるのか」「大学を中退したら後悔しないのか」「周囲の人はどう思うか」などを心配します。
また「心身の問題を抱えているのでは」と気をもんだり、「自分たちの育て方に原因があるのでは」と自責の念にかられる場合もあるのです。
1. 大学中退後に安定した生活ができるのか心配になる
多くの親は、子どもが大学を中退した後に安定した生活が送れるのかどうかを心配します。なぜなら、学歴による就職の有利・不利や収入面の不安を強く感じるためです。
このような親の気持ちに対しては、自分自身の将来像を具体的に伝えましょう。例えば、目指している職種や必要な資格、就職活動の計画、見込み収入の目安などを話すと、「中退後についてしっかりと考えているのであれば、生活で困らずに済むかもしれない」として、あなたの選択に理解を示してくれる可能性があります。
親はあなたの人生がうまくいくことを願っているため、具体的な計画を示すと「応援したい」という気持ちを抱いてくれる場合もあるでしょう。
2. 子どもの意思を尊重すべきか反対すべきか迷う
親は子どもの意思を尊重したい気持ちと、後悔してほしくない気持ちの間で迷います。大学中退は重要な選択だからこそ「本当にこれで良いのか」という葛藤が生まれるのです。
親の不安を和らげるためには、大学の先生やキャリアセンターに相談した結果を伝えましょう。
例えば、教授やカウンセラーからの意見や、「大学を辞める前にできること」「辞めた後にやるべきこと」などの具体的なサポート内容を共有すれば、勢いではなく冷静な判断であると理解してもらえます。
また、あなた自身が中退の情報を集めている姿勢を見せることで、親は安心してあなたの意思を尊重しやすくなります。
3. 周囲の目や親戚の反応を気にする
自分の子どもが大学を中退すると、親は知り合いや親戚にどう思われるかを気にして不安になる場合が多くあります。特に世間体を重視する家庭では「大学を辞める=失敗」という印象を抱きがちです。
親の不安を解消するためには、周囲の評価よりも「自分が納得できる生き方を選びたい」という考えと、今後の進路について具体的なプランを示すことが大切です。
親戚や知人にどう見られるかではなく、自分が何をしたいのか、どのようなキャリアを築きたいのかを明確に伝えましょう。将来の道筋や目標がはっきりしていれば、親も周囲の評価よりあなたの判断を受け入れる可能性が高くなります。
4. 精神面や体調の問題を抱えているのか不安になる
中退したい理由が精神的・身体的な不調によるものではないかと、多くの親は心配します。「心や体が相当追い込まれた結果として、大学に通い続けるのが辛く感じているのでは…」と不安に思うからです。
親の不安を和らげるためには、健康状態や悩みを率直に伝えましょう。例えば、授業についていけずにストレスが溜まっている、慢性的な疲労や不眠があるなど、具体的な症状や状況を話すと親が理解しやすくなります。
また、必要に応じて医師やカウンセラーの意見も親へ共有しましょう。あなたの現状を正しく伝えると、親はあなたの気持ちを尊重しながら、健康面のケアについて一緒に考えてくれます。
5. 育て方が悪かったのかと自分たちを責める
大学を中退したいと伝えたとき、親は「自分たちの育て方に原因があったのではないか」と自責の念を抱く場合があります。
「無理な期待を押しつけてしまったのではないか」「本人の気持ちや悩みに気づけなかったのではないか」と過去を振り返り、後悔の気持ちが強まるかもしれません。
こうした場合に大切なのが、育て方の問題ではなく、あくまでも「自分の将来を前向きに考えた結果の判断」であることを丁寧に伝えることです。こうすることで、親の心理的な負担や後悔の気持ちを軽減できます。
6. 経済的なサポートをどこまで続けるべきか悩む
子どもが大学を中退した後、生活費や支援をどこまで続けるべきか、多くの親が悩みます。
大学在学中は学費や生活費を親が払うケースが多くありますが、中退後は「いつまで支えるのが正しいのか」「甘やかすことになるのではないか」と考える親は少なくありません。一方で、サポートを急に打ち切ると子どもの生活が成り立たなくなるのでは…という不安も覚えるものです。
親の不安を取り除くためには「当面はアルバイトで生活費をまかなう」「〇年後までに必ず就職する」などの見通しを具体的に伝えましょう。
経済的に自立するための具体策を示すと、親は安心してサポートできます。
大学中退後の就職先
大学中退後の就職先としては、学歴に関係なくスキルや実績で評価される営業職や販売職、施工管理などの仕事がおすすめです。これらの仕事であれば学歴不問の求人が多く、面接対策に取り組むことで、大学中退者でも正社員として就職しやすい傾向にあります。
どうしても人とのコミュニケーションに自信がなかったり、精神的な負担を出来る限り避けていきたい人には、製造オペレーターといった仕事もおすすめです。
ここからは、大学中退後の就職先としておすすめの仕事を5つご紹介します。
メーカー営業
大学中退者でも実力を評価されやすく、成果に応じてキャリアを築けることからおすすめです。
商品知識を活かしつつ顧客と関係を深める力が重視されるため、学歴よりも人柄やコミュニケーション力を活かして活躍できます。
| 平均年収 | 533万円 |
| 求められるスキル | ・製品知識を活かした提案力 ・顧客との関係構築スキル ・プレゼンテーション力 |
| 向いてる人の特徴 | ・商品やモノづくりに興味がある人 ・長期的に顧客と信頼関係を築ける人 ・数字目標に挑戦する意欲がある人 |
| 関連資格 | ・中小企業診断士 ・販売士 ・普通自動車運転免許 |
平均年収出典:厚生労働省「自動車営業 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
専門商社の営業職
多くの専門商社は、学歴よりも商材理解や顧客折衝力が評価されるため、中退者でも活躍の機会が多い点がおすすめできる理由です。
仕入れ先と顧客をつなぐ存在として交渉力や語学力を磨くことで、将来的に総合商社へのキャリアアップを目指すことも可能です。
| 平均年収 | 618万円 |
| 求められるスキル | ・商材に関する専門知識 ・仕入先・顧客双方との調整力 ・語学力や交渉力 |
| 向いてる人の特徴 | ・特定分野の知識を深めたい人 ・調整や折衝を粘り強く進められる人 ・グローバル志向がある人 |
| 関連資格 | ・貿易実務検定 ・TOEIC ・販売士 |
平均年収出典:厚生労働省「商社営業 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)」
携帯販売
接客業にあたる携帯販売は、学歴よりもコミュニケーション力が重視されるため、大学中退者でも挑戦しやすい仕事です。
商品知識や料金プランを覚える必要はありますが、うまく提案すれば顧客に喜んでもらえるだけでなく、実績を上げて店長やスーパーバイザーなどのマネジメント職に挑戦できる点もポイントです。
| 平均年収 | 369万円 |
| 求められるスキル | ・接客コミュニケーション力 ・商品・料金プランの説明力 ・トラブル対応スキル |
| 向いてる人の特徴 | ・人と話すのこと好きな人 ・新しい機種やサービスに興味がある人 ・臨機応変に対応できる人 |
| 関連資格 | ・販売士 ・ITパスポート ・スマートフォン・モバイル実務検定 |
平均年収出典:厚生労働省「携帯電話販売 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)」
施工管理
施工管理は現場経験が重視される仕事のため、就職後に資格取得をすることで着実にキャリアアップができる点がおすすめです。
工事現場における安全や品質を守る責任のある仕事で、リーダーシップや計画性を活かすことができれば、手に職をつけて長く働くことも可能です。
| 平均年収 | 632万円 |
| 求められるスキル | ・現場の進行管理スキル ・安全・品質管理能力 ・関係者とのコミュニケーション力 |
| 向いてる人の特徴 | ・リーダーシップを発揮できる人 ・計画的に物事を進められる人 ・体力と責任感がある人 |
| 関連資格 | ・施工管理技士 ・建築士 ・安全衛生管理者 |
平均年収出典:厚生労働省「平均年収出典:厚生労働省「建築施工管理技術者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
製造オペレーター
製造オペレーターは、学歴よりも与えられたタスクの正確さや集中力が評価されるため、大学中退者でも活躍しやすい仕事です。
業務中は目の前の作業に集中するような働き方となり、コミュニケーション力に自信がない人でも働きやすさを感じやすいでしょう。
| 平均年収 | 528万円 |
| 求められるスキル | ・機械操作のスキル ・品質チェックや改善力 ・安全管理の知識 |
| 向いてる人の特徴 | ・コツコツ作業に取り組める人 ・ルールを守り正確に行動できる人 ・モノづくりに関心がある人 |
| 関連資格 | ・フォークリフト運転技能講習 ・玉掛け技能講習 ・機械保全技能士 |
平均年収出典:厚生労働省「鉄鋼製造オペレーター – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)」
施設警備員
施設警備員は学歴不問で採用する企業が多く、大学中退後でも挑戦しやすい職業です。
警備会社に入社後にオフィスビルや商業施設などに常駐し、防災・防犯業務、巡回、入退室管理、受付などを行います。
施設警備員は高卒でも応募できる求人が多いため、就職のハードルが低いことが特徴です。資格を取得するとキャリアアップや待遇アップも見込めるため、場合によっては大卒以上の給与を手にできる可能性もあります。
| 平均年収 | 353.8万円 |
| 求められるスキル | ・状況判断力 ・落ち着いた対応力 ・警備業法や関連法令の知識 |
| 向いてる人の特徴 | ・「法令遵守」の意識が強い人 ・責任感が強い人 ・人の安全を守ることにやりがいを感じられる人 |
| 関連資格 | ・施設警備業務検定 ・セキュリティ ・プランナー ・警備員指導教育責任者 |
平均年収出典:厚生労働省「施設警備員 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)」
大学中退したいと感じた時の注意点
最後に、大学を中退したいと感じた時に注意すべきことを2つ解説します。
中退の事実は一生付きまとう
大学中退という事実は文字通り一生付きまといます。
中退直後の就職活動はもちろんのこと、全ての転職活動において「学歴欄」に大学を中退した事実を記載し続けなくてはなりません。
いくら企業が経験を重視して採用活動をしているといっても、「大学を中退した人」という色眼鏡で見られることは覚悟する必要があります。
高卒と大卒は生涯収入が大きく変わる
高卒と大卒は平均年収が異なりますので、自ずと生涯収入も変わります。
- 大卒/大学院卒:2億7,000万円
- 高専/短大卒:2億2,000万円
- 高卒:2億1,000万円
- 中卒:2億円
労働統計によれば最終学歴と生涯年収の関係は上記のようになっています。大学中退者は高卒になりますので、生涯もらえるお金に6,000万円程度の差が出てしまうのです。
老後の生活を不自由なく過ごすためには2,000万円必要などという声もあることから、6,000万円という収入の差がどれだけ大きいかは言うまでもありません。
このような学歴による収入の差は、大学を中退するのであれば絶対に理解しておきましょう。
奨学金を借りている場合は中退後に返済が待っている
大学を中退すると奨学金の返済義務が基本的に発生するため、返済方法や手続きについて理解しておく必要があります。多くの奨学金は貸与型であり、返済が前提の制度だからです。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の場合、大学を中退した時点で奨学生の資格を失うため、奨学金の受け取りはストップしますが、返済義務は残ります。
返済が困難な場合は減額返還制度や返還期限猶予制度などの救済措置を申請できるため、奨学金を借りている団体や、大学の学務課(奨学金担当者)などに早めに相談しましょう。
奨学金を借りている場合は中退前に返済開始時期と手続き方法、救済制度の内容を把握して計画的に対応することが必要です。
参考:独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)「退学」
まとめ
大学を中退したいと思ったら、まずはその理由を明らかにしましょう。
その上で、大学中退のメリットデメリットを認識し、その後の進路をある程度プランニングしておくことが重要です。
間違っても感情的に大学を中退してしまわないよう、この記事で解説したことを念頭に、後悔しない選択をしてみてください。

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