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大学中退したい?メリット・デメリットを徹底解説!

大学中退したい?メリット・デメリットを徹底解説!

大学を中退したいと感じる人は多くいますが、実際に中退すると最終学歴が高卒になって応募できる求人が減ったり、大卒と比べて給与が下がるなど、様々なデメリットが考えられます。

確かにストレスから解放されて、自由に使える時間が増えるメリットはありますが、将来の就職のことも考えると慎重に検討すべきです。

この記事では、大学中退したいと感じた人が知っておくべきメリット・デメリットや進路、もし中退した場合の就職先としておすすめの仕事などを分かりやすく解説します。

中退は人生に大きな影響をもたらす決断のため、後悔しない選択のために役立ててみてください。

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大学を中退したいと感じる理由8選

大学を中退したいと感じる理由として、ジェイックが公表している「2023年度中退データ集」によれば、学業に興味が持てなくなったり、人間関係に不安を感じるケースが多くなっています。他にも、家庭の事情や体調不良など、やむを得ない理由で大学を中退する人も見られます。

具体的に大学を中退したいと感じる理由をまとめると、以下のような種類があります。

  • 大学の勉強についていけなくなった
  • 授業内容に興味が持てなかったから
  • 人間関係がうまくいかなかったから
  • 学費が払えなくなってしまった
  • 他に夢中になれることを見つけた
  • 家庭の事情でやむを得なかった
  • 体調不良
  • 転学や留学をすることになった

一度中退をすると元に戻ることはできないため、自分がなぜ大学を中退したいと感じているのか言語化するためにも、どういった理由があるのか理解を深めておきましょう。

それぞれ詳しく解説します。

1. 大学の勉強についていけなくなった

大学中退理由として多く見られるのは、大学での勉強についていけなくなったというものが挙げられます。

大学は高校までとは異なり、自分で受講講義を選択し、必要な単位を取得することで進級・卒業が可能になりますが、勉強についていけずに単位が取得できないまま留年してしまった際には、いっそのこと大学を中退してしまおうと思いやすくなります。

また、それだけでなく必修科目の単位を落としたり、そもそも履修登録をしていなかったりといった自分が原因で進学が上手くいかないことも考えられますし、ゼミや研究室で上手く勉強についていけないといったことで中退を考えるケースは少なくありません。

2. 授業内容に興味が持てなかったから

大学で学ぶ内容が自分の期待と大きく異なる場合、学問そのものに興味を失い、大学に通う意義が感じられなくなって中退したいと考えるようになります。特に文系分野においてイメージだけで学部を選んだ場合、入学後にミスマッチを感じやすくなります。

結果的に単位が取得できなかったり、研究やゼミ活動に積極的に参加できないなど、負のループに陥って大学生活全体に悪影響をもたらします。

「このような状況で大学に通い続けても意味がないのではないか」と考え、大学中退したいと感じる人は少なくありません。

3. 人間関係がうまくいかなかったから

大学生になると、これまでの高校生活に比べて友達付き合いも大幅に自由度が増します。
自分から積極的に行動してサークルに入ったり、声かけをしなければ一向に友達ができず、ひとり寂しい大学生活を送ることになります。

また、いざサークルに入ってみたはいいものの、上手く馴染めなかったり人間関係でトラブルを起こしてしまったりなどすれば、同じく人間関係に悩むことは避けられません。

このような人間関係の歪みやズレに耐えることができなくなった時、大学を中退したいと感じる人もいます。

気の合う友人がいなかったから

大学生活では授業だけでなく、人間関係の充実が通学のモチベーションに大きく影響するため、気の合う友人ができない場合、孤独感や疎外感を強く感じて大学を中退したいと感じてしまうことが多くあります。

特にサークルやゼミに参加しても周りと打ち解けられず、空き時間や放課後を1人で過ごす時間が増えると、通学自体が苦痛になりがちです。
このような状況が続くことで、自分が大学に合っていないと考えるようになり、不登校や引きこもりに発展することもあります。

大学の本分は学ぶことではあるものの、人間関係が希薄になることで結果的に学業や就活にも悪影響をもたらすこともあるため、バランスよく大学生活を楽しむことが重要です。

友人が就職・卒業したから

留年や休学を経験した学生の場合、周りの友人が先に卒業や就職をしてしまったことで焦りを感じ、自分も大学を中退して次のステージに歩もうとするケースがあります。特にSNSなどを通じて仲の良い同級生が社会人として活躍している姿を見ると、取り残されているような劣等感を感じることがあるでしょう。

また、就活のタイミングを逃してしまうことで、「将来のキャリア形成が難しくなるのではないか」という不安を感じ、結果的に大学に通い続けることを辞めてしまうケースも見られます。

4. 学費が払えなくなってしまった

大学の学費は高校までの学費と比べて非常に高く、特に私立大学の理系学部の学費は年間でも100万円を超えるケースも珍しくなく、多額のお金が必要になるのが実態です。

奨学金や仕送りの受給、バイトなどをすることで学費や生活費をまかなう学生も多いですが、中には経済的に厳しい家庭で親からの援助が得られず、奨学金ももらえないためバイト漬けになるような人がいます。

大学の学費をまかなうためにバイト漬けになり、バイト漬けになることで大学の勉強についていけなくなるといった負のループに陥ってしまうことにより、最終的に大学を中退したいと考える人も一定数見られます。

5. 他に夢中になれることを見つけた

現代の日本においては、大学に通うことが当然という価値観になっている傾向にあります。そのため、特に何か学びたいことがなかったとしても、とりあえず大学に進学するという人は多いでしょう。

特に目的もなく大学に通っている中で、自分が本当に夢中になれることを見つけられる人がいます。音楽や芸術、何らかのビジネスなど、大学以外に夢中になれることを見つけた時、大学に通うことの優先度が大きく下がることになります。

結果的に、進学や卒業のための単位が不足することになり、「それだったらいっそ、自分のやりたいことに一直線に頑張りたい」と考え、大学を中退するという選択を取る人も見られます。

6. 家庭の事情でやむを得なかった

本人は大学に通い続けたいと思っていたとしても、家庭の経済状況や家族の介護などの事情により中退をせざるを得ないケースも存在します。
特に私立大学は学費の負担が大きく、家庭のために中退を決断する人も少なくありません。

本人の意思に関係なく、外的な要因によって大学生活を中断するような理由となるため、就活において企業から理解されやすい理由と言えます。

ただ、その後の就職活動においては「なぜ中退したのか」をポジティブに説明しないと、面接で通過しないこともあるため、就職エージェントなどを活用しながら中退理由を作り込んでいく必要があります。

7. 体調不良

身体的な病気や精神的な不調によって体調不良を引き起こすと、学業や人間関係についていけなくなり、中退したいという気持ちが強くなります。特に精神的なストレスは周囲に理解されにくく、孤立感が高まりやすいといった特徴があります。

うまく医療機関のサポートを受けられないまま回復が遅れると、中退という選択肢しか残らなくなるだけでなく、その後の進路選びが遅れるなど将来に大きな影響をもたらします。

体調不良による中退はやむを得ない事情と言えますが、事前に頼れる相談先を活用する意識が重要です。

8. 転学や留学をすることになった

ポジティブな退学理由として、転学や留学といったものも挙げられます。

現役時代に第一志望だった大学を再受験したり、自分のやりたい学問が学べる他の大学や専門学校に転学することになったりすれば、必然的に今通っている大学を中退する必要が出てきます。また、留学を数年単位で行おうとする場合、大学を中退して本気で取り組むというケースも考えられるでしょう。

このように自分の本当にやりたいことを実現するため、前向きに大学中退という選択肢を取る人は少なくありません。

大学中退したいと考え行動に移す割合は2%

大学を中退したいと思う理由は人それぞれ様々であることを考えると、中退したい気持ちを抱えながら大学に嫌々通い続けている人も一定数いると考えられます。

その中でも、実際に大学を中退するといった行動に移す割合はどれくらいいるのでしょうか。

文部科学省の調査結果によれば、大学を中退する割合は2%前後ということが分かっています。実際の人数は毎年の大学生の数が変動するので一概には言えませんが、およそ5万人から8万人程度が目安となります。
大学中退者の割合は2%と少ないですが、実数では数万人が毎年大学を何らかの理由で中退していることを考えると、意外と中退という進路を選ぶ人が多いというのが分かります。

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大学中退のメリット5選

大学を中退することで自分で使える時間が増えるほか、現在抱えているストレスから解放されるため、大学に通うことが負担になっている人からすれば大きなメリットを感じられます。

また、すぐに正社員就職することで同級生よりも社会人経験を一足先に積めるため、うまく求人選びをすれば将来のキャリア形成という意味でポジティブに働くこともあります。

ここからは大学中退のメリットを5つに分けて解説します。

1. 自由に使える時間が増える

大学は自由に時間割が作れるものの、真面目に勉強をしてストレートで卒業を目指そうとすると、特に1〜2年目はそこまで自由な時間を満喫できるということはありません。当然ながら、大学で勉強をして単位取得に努力するといった必要が出てきます。

大学を中退することにより、無理に大学に通う必要が一切なくなるため、本当の意味で自分の自由な時間が手に入ります。
今までやりたいと思っていたものの、大学で時間がなくて諦めていたことに挑戦できるようになるなど、行動の選択肢を無制限に持つことができるのは大きなメリットです。

2. ストレスから解放される

大学中退することで、人間関係や学業のプレッシャーなどのストレスから解放できるというメリットもあります。

無理に在籍を続けてしまうと、心身に悪影響を及ぼし、うつ症状や体調不良に発展するケースも少なくありません。中退を選ぶことは、こうしたストレスの根本原因から解放される手段になり得ます。

自分に合わない環境に居続けるよりも、一度リセットして別の道を歩むことで前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。

精神的な余裕が生まれることで、アルバイトや資格取得、就職活動など新しい挑戦に集中できるようになり、自分に合った生活リズムや進路を再構築しやすくなる点は大きなメリットと言えるでしょう。

3. 学費の負担がなくなる

大学を中退することで、学費の負担がなくなることもメリットの一つです。

入学時に支払う料金を除けば、私立文系学生が1年間で支払う金額は100万円程度となり、家庭の経済事情によっては学費の支払いに首が回らないということも十分考えられます。

「親にお金で迷惑をかけているのが申し訳ない」と感じている人であれば、大学を中退することにより学費の負担がなくなるといったメリットもあるでしょう。

学部別に私立大学の1年間の学費をまとめてみると、以下の通りとなります。

学部授業料入学料施設設備費実験実習料その他総額
文系8150692256511482728319751261272437
理系113607425102917915961004627581690024
医学系2882894107627893136720041914001066491064
その他96907425483623570278917936191632148
平均93094324595118018634462914231482964

ただ、同時に中退によりそれまで大学生活のためにかけてきたお金が無駄になるといったデメリットと表裏一体となりますので、一概に手放しで喜べるメリットとは言えない点に注意が必要です。

伏見さんの写真

伏見 卓真/就職アドバイザー

中退して就職した方が金銭的に余裕ができることも?

自分でアルバイトをしながら、学費の全額、または一部を負担しているような方にとっては、中退することで生活に余裕が出る可能性は高くなります。

さらに、正社員として就職して収入を増やすことができれば、生活も豊かになるはずです。

もし生活を維持することが難しいほど困窮しており、奨学金など他の手立てでもお金が得られる当てがないのであれば、1つの選択肢として検討してみるとよいかもしれません。

4. 社会人経験を一足先に積める

大学中退から空白期間をほぼ空けずに就職できるのであれば、社会人経験を同学年よりも一足先に積めるといったメリットも挙げられます。

大学中退者は学歴的には高卒という扱いになりますが、高卒の平均年収はおよそ250万円ほどになりますので、仮に大学1年目で中退するのであれば、4年間の間で1,000万円程度の収入の差をつけることができるでしょう。
また、実務経験を積んで早めにキャリアアップのための転職をすることにより、同じ年齢であっても社会で活躍するスピードを早められるというのもメリットになります。

ただ、そもそも高卒と大卒では大卒の方が平均年収が高い傾向にあるため、生涯もらえる収入としては大卒の方が高いという点は知っておく必要があります。

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伏見 卓真/就職アドバイザー

長期的な視点で考えることが大切!

他の学生が学校に通っている間に働くことで、短期的にはスキルの面で差をつけることはできます。そのため、今後どのような仕事をしたいか、どんなキャリアにしていきたいかというビジョンが明確で、正社員として働くのであれば、早く働くことがメリットになるかもしれません。

しかし、逆を言えば、まだ少し将来についてフワッとした考えしかなく、中退後もなんとなくアルバイトを続けてしまいそうなのであれば、いま一度立ち止まって考えてみたほうがよいでしょう。

5. キャリアチェンジや再挑戦のきっかけになる

大学を中退することは、一度進んだ道を方向転換する大きな契機となります。専攻内容が自分の興味や適性に合っていない場合、在籍を続けても将来につながらない可能性があります。そこで中退を選ぶことで、「本当にやりたいこと」に時間と労力を振り向けられるのです。

例えば、プログラミングやデザインなど専門スキルを学ぶためにスクールへ通う人もいれば、働きながら実務経験を積み、実力でキャリアを築く人もいます。進学や資格取得など学び直しの選択肢もあり、大学中退は必ずしも失敗ではなく「再挑戦のスタート」とも言えます。

自分の意思で方向を選び直す経験は、その後の人生において大きな自信や強みにもなります。

大学中退のデメリット5選

大学を中退することで、最終学歴が高卒となるほか、就活において中退したという事実がマイナスイメージにつながるため、正社員就職を目指すハードルが高くなるといったデメリットに繋がります。

また、平均すると高卒の方が初任給が低く、短期的に見たときの給料が下がる点は注意する必要があります。それだけでなく、大学中退する人はそもそも割合として少ないため、親や友人からの理解を得にくい点もデメリットと言えるでしょう。

ここからは、大学中退のデメリットを5つに分けて解説します。

1. 最終学歴が高卒になる

大学を中退することで最終学歴は高卒となります。高卒となることで、大卒以上を募集している求人に応募できなくなるといった直接的なデメリットに繋がります。

労働政策研究・研修機構の「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によれば、中退後の就職活動で困難や不利益を感じた経験がある割合は約45%と半数に上っており、高い確率で就活におけるハードルが上がると言えます。

中退後の就職活動中に、何か困ったことや不利益を感じたこと

性別あるない
男性43.1%56.9%
女性51.9%48.1%
男女計45.7%54.3%

また、同調査における困難や不利益を感じた理由のトップが「応募が制限されること」となっているため、大学中退により将来のキャリアの選択肢が狭まる点はあらかじめ理解しておく必要があります。

中退後の就職活動での困難・不利益回答数
求職活動(履歴書の書き方など)33
求職活動(手段・資源)27
応募(学歴条件・選択肢限定)198
面接(中退理由説明)112
雇用条件(給与など)11
資格・職歴60
精神的ダメージ・不安・心配・意欲減退42
印象・イメージ・不利な扱い55
その他31
伏見さんの写真

伏見 卓真/就職アドバイザー

条件差や不利なケースを知っておこう!

最初は不利であっても、入社してからの頑張りや業績次第で収入アップやキャリアアップがかなう可能性もあります。ただ、スタートから仕事の選択肢が狭まってしまったり、大卒者よりもスムーズにキャリアを形成できない可能性があるのも事実です。

自分が理想とするキャリアに中退という選択がネックにならないか、十分に調べておきましょう。

2. 中退したことがマイナスイメージになる

大学を中退したことにより、就活における面接官からのイメージが悪くなるという点もデメリットと言えます。先ほど紹介した調査において、中退後の就職活動で不利益を感じた理由の2番目に多いのが面接です。

大学中退者の面接においては、面接官から高い確率で中退理由の説明を求められることになります。やむを得ない理由であればまだしも、授業についていけなかったり、孤独感を感じたといったネガティブな理由で中退した場合は、うまく伝えることができないとそれだけで見送りになることもあります。

大学中退の理由をポジティブに伝えたい場合は、就職エージェントの模擬面接等で準備しておくと良いでしょう。

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伏見 卓真/就職アドバイザー

しっかり対策しないと面接の通過が難しいことも

就職面接では、中退した理由を問われることがほとんどです。
大卒を優遇する企業ばかりではありませんが、たとえ高卒を積極的に採用している企業でも、中退者に対するマイナスイメージや不安要素が拭えなければ、内定をもらうことはできません。
自己分析を通して、中退に至った本質的な要因と向き合い、経験を前向きに活かそうとする姿勢をアピールする必要があることに注意しましょう。

3. それまでの学費が無駄になる

大学中退により、これから必要になる学費がかからなくなるといったメリットがある反面、これまでかかってきた学費が無駄になるといったデメリットがあります。

大学受験のために塾や予備校に通っていた場合は、最大で50万円程度のお金を支払っていることになりますが、中退によりそのお金は全て無駄になるといって良いでしょう。

また、コストという観点では学費だけでなく、それまで費やしていた時間というものも無駄になってしまいます。

「大学という場所が自分には合っていなかった」という経験ができたとポジティブに考えられる人であれば問題ないかもしれませんが、そうでないなら大学中退はこれまでの人生に対しても大きなデメリットを与える選択と言えます。

4. 大卒と比較して給与が下がる

特に初任給においては最終学歴別に給与水準を分けている企業が多く、中退によって大卒と比較して給与が下がるといったデメリットもあります。

厚生労働省のデータによれば、初任給をもらうにあたる20歳から24歳までの平均年収を学歴別に見てみると、大卒で25万円なのに対し、高卒は21.7万円と3万円強の差があることが分かります。さらに、全年齢を平均して見ると、大卒と高卒で平均給与に約10万円もの差が出てきます。

営業職など実力主義の仕事であれば、学歴に関係なく給与が稼げるものの、年功序列式に給与が上がっていく会社の場合は、将来の賃金に不安を感じることもあるでしょう。

5. 周囲からの理解を得にくい

大学を中退すると、親や親戚、友人など周囲から「どうして辞めたのか」「もったいない」と言われることが少なくありません。社会的には「中退=挫折」というイメージが根強く残っているため、自分の意思で選んだとしても理解されにくいのが現実です。

その結果、自己肯定感が下がったり、就職活動に自信を持ちにくくなったりする場合もあります。周囲の評価や偏見が精神的なストレスになることもデメリットの一つです。

中退した方専門の就職支援サービス
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大学中退したい!その後の進路はどうなる?

大学を中退したいと感じた場合は、その後の進路を考えておかないといつまでも次のステージに行けなくなってしまいます。一般的な進路は、フリーターや民間企業への就職、公務員を目指すなど働く進路が多くなっています。

一方、特別なスキルや将来の夢を持っている場合は、別の学校へ再入学したり、フリーランスになるといった進路ケースもあります。

ここからは、大学中退後の進路について詳しく解説していきます。

フリーターとして働く

大学を中退した後は何事にもやる気が出ないといった人が少なくありません。また、大学を中退していることで親となんとなく距離を置きたいと思うことも往々にしてあるでしょう。
しかし、そのままだと収入がなく生きていくことができないため、仕方なくフリーターとして働くという進路を選ぶ人が一定数います。

フリーターであってもしっかりとシフトに入ることができれば、短期的には大卒初任給以上稼ぐことができるため、フリーターも悪くないかもと思うでしょう。
しかし、フリーターには昇給や昇格という概念がそもそもありませんし、社会保険や年金といった公的な支援が乏しいため、中長期的に考えればあまりにもその日暮らしな生き方というのが実態です。

大学を中退して一時的にフリーターになるのは良いのですが、フリーターであることが日常になってしまうと、数年後、数十年後に後悔する可能性が極めて高いため、早い段階から正社員としての就職を目指すことをおすすめします。

民間企業に就職する

大学を中退したことをきっかけに、真剣に自分の将来を考えて民間企業に就職するといった進路も少なくありません。確かに大学中退者は就職活動上不利ではあるものの、日本全体が少子高齢化で人手不足という実態がある以上、しっかり準備すれば正社員として就職することは問題なくできます。

民間企業に就職した後は学歴や中退実績はほとんど意味がなくなり、仕事における実績が全てとなります。そのため、就職後にリスタートして努力し続けることができれば、大卒の社員よりも会社で評価されるといったことも可能です。
また、民間企業に就職した後に転職をすることにより、キャリアアップやキャリアチェンジにも繋げることもでき、フリーターよりも充実した人生を歩めるでしょう。

公務員として就職する

実は公務員は大卒でなくても就職することが可能です。公務員の正規職員として就職するためには公務員試験に合格する必要がありますが、受験資格は年齢のみで学歴は関係ありません。

もちろん大卒の方が学力という意味で高いかもしれませんが、大学中退者であっても大卒並の地頭の良さはあると考えられますので、試験対策をしっかりすれば公務員として採用されることは十分に可能です。

知っての通り公務員はリストラがなく、かつ年功序列式に給料が上がっていきますので、一度就職できれば腰を据えて働くことができます。民間企業に存在する倒産リスクといったものも皆無となるため、将来の安心感が極めて高いのが特徴となります。

経済的理由などで大学を中退したいと考えている人は、公務員を目指してリスタートしてみても良いかもしれません。

他の大学や専門学校に再入学する

今通っている大学では学べないことがあると感じたような人は、大学を中退して他の大学や専門学校に再入学するといった進路も考えられます。

ただ、再入学のためには当然受験を再びしなければなりませんし、大学を中退して受験勉強に専念したとしても希望の学校に合格できるとは限らないため、非常にリスキーな選択肢とも言えます。

もし仮に、「今の大学だと就職に不利になりそうだから、ランクが上の大学に再入学したい」という考えて再受験を考えているのであれば、今の大学を卒業した後に希望する大学の大学院に進学するといった進路も検討すべきでしょう。
また、大学から専門学校に再入学した後は、基本的に進路が専門学校で学ぶことに限られてしまいますので、その選択をして本当に後悔しないかを念入りに検討することが必要です。

フリーランスになる

最近ではフリーランスという働き方も目立つようになってきていますので、大学を中退した後フリーターでも正社員就職でもなく、フリーターという進路を選ぶ人も増えてきています。

フリーランスとして働くためには一定の知見や実績がないと案件が獲得できませんが、上手く案件をこなせるようになれば会社員よりも大幅に稼いでいくことも可能です。
また、最近ではインフルエンサーや配信者のように、自分一人の力だけで稼いでいくといった生き方をしている人もいますので、「この分野であれば自分は他の人に負けない」ということが一つでもあるのであれば、フリーランスという進路を選んでみても良いでしょう。

ただ、フリーランスになってから稼げるようになるまでは、最短でも数ヶ月以上かかることがほとんどですので、経済的に厳しくなりやすいという点はあらかじめ認識しておく必要があります。

大学中退したら人生終了?

大学を中退しても人生終了というわけではありません。実際に中退してから正社員として就職して、生き生きと働いているケースもありますので、やり直しはいくらでもできると言えます。

一方、大学中退は自身の学歴に一生残り続けることになるため、将来転職活動をする際に足を引っ張ることになるケースもあります。加えて、つらいことがあったら逃げてしまうといった癖がつくと、その後の人生に悪い影響をもたらすこともあるでしょう。

ここからは、大学を中退したら人生終了になるのかどうかについて詳しく解説します。

やり直しはいくらでもできる

大学中退は確かに人生において大きな決断の一つと言えますし、いわゆる「人生のレール」からは一時的に外れることになるでしょう。しかし、80年以上続く人生の中で考えるとたった一瞬の出来事とも言えますので、後からいくらでもやり直しはできます。

就職という観点に閉じて言うのであれば、中退をしてからも正社員として就職することはできますし、経験を積めれば大卒と遜色なく活躍することも可能です。
また、今後はさらに人手不足が加速していくとも言われてますので、近い将来には学歴が関係ない社会になっているかもしれません。

このことから、大学を中退しても人生終了になるとは言えず、そこまでネガティブに落ち込む必要はないでしょう。

大学中退が一生足を引っ張る事実になることも

一方で、大学中退という事実が一生足を引っ張る可能性もあります。就職の際は履歴書に学歴を記載することになりますが、自分の学歴は一生変わることがありませんので、中退した事実を背負いながら生きていくことになります。
また、結婚においても相手が大卒で自分が高卒という状況になれば価値観が変わってくるようなこともありますし、経済的に困ってしまうような状況にも陥るかもしれません。

このような将来のことを考えるのであれば、大学を中退してもすぐに人生終了とはならないものの、やがて大学を中退した事実が自分の首を締めてくることは可能性として認識しておく必要があります。

逃げ癖がつく点には注意

大学を中退することで、自分の性格や考え方が大きく変わってしまうことがある点には注意する必要があります。

具体的には、大学を中退することで「つらいことや嫌なことがあったら、その場から逃げればいい」という逃げ癖がつきやすい点に注意しましょう。

社会人になれば、どれだけストレスがかかる状況にあったとしても、逃げずに向き合い続ける粘り強さや根性といった精神力が求められることが多くなります。しかし、一度大学を中退した人は「途中で何かをほっぽり出してリセットする」という経験をしてしまっていますので、逃げることに抵抗がなくなりやすい傾向にあります。

逃げ癖は一種の性格とも言えますので、一度逃げ癖がつくと中々元には戻せません。逃げ癖が人生終了に繋がらないように、意識的に行動を変えていくことが大切になるでしょう。

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大学中退したいと感じたら考えるべきこと

大学を中退したいと感じたら、まずはそもそも中退したいと感じている理由を言語化した上で、中退後のライフプランに向き合うことが重要です。

また、中退は取り返しのつかない選択肢になりますので、一度頭を冷静にするためにも休学を検討すると良いでしょう。どうしても1人で決断できない場合は、親や信頼できる友達に相談することも有効です。

ここからは、大学を中退したいと感じたら考えるべきことを詳しく解説します。

大学を中退したいなら考えるべきことを説明する画像

1. 中退したいと感じている理由を言語化する

大学を中退するにせよしないにせよ、中退したいと感じた時点で自分がなぜそのように考えているのかを一度言語化しましょう。

今感じていることを言語化することで、自分を客観的な視点で見れるようになるため、判断を感情的なものから論理的なものにシフトすることが可能です。

もし大学を中退した後に就職活動をすることになれば、面接でほぼ確実に大学中退理由を聞かれることになりますので、言語化がそのまま面接対策になることもあります。

2. 中退した後のライフプランに向き合う

大学を中退すること自体は、自分自身が納得した結論なのであれば問題ありません。ただ、中退後に何かをすることなくダラダラと生活し続けることは問題です。
特に大学中退後に空白期間が長引けば長引くほど、就職できる可能性は加速度的に減っていってしまいます。

このことから、大学中退後のライフプランをしっかりと設計しておくことをおすすめします。具体的には、中退をしてから何を目標にリスタートを切るのか、そのためにまずは何をいつまでにしなければならないのかなどを言語化し、簡単でも良いのでスケジューリングしておくようにしましょう。

中退後のライフプランに向き合えないような場合は、大学を中退することを再検討することを強くおすすめします。

3. 休学という選択肢は取れないか検討する

大学に通うことを辞めたいという思いですぐに中退と考える人もいますが、大学に一時的に通わない選択肢としては「休学」というものがあります。

どれくらいの期間休学できるかは大学によって異なりますが、概ね2年を上限としている大学を多い傾向にあることから、短期的な留学や趣味への没頭などであれば中退ではなく休学という選択肢も視野に入れた方が良いでしょう。
また、休学中は基本的に学費が免除されるため、経済的に厳しい大学生であれば休学期間中にお金を稼いで、復学した後の学費に充てるといった方法も取れます。

今一度大学を中退したいと思っている理由は何かを言語化し、その理由が休学で解消できないかを考えてみましょう。

4. 親や友達に相談する

自分一人で考えていても結論が出ないのであれば、誰かに相談するのが一番です。恥ずかしいと感じてしまうでしょうが、親や友達に相談することで意外と中退したいという気持ちが晴れることもあります。

ただ、大学中退の相談はセンシティブな内容でもありますので、もし友達に相談するのであれば、信頼できる人数名程度に抑えておくのがおすすめです。

大学中退後の就職先

大学中退後の就職先としては、学歴に関係なくスキルや実績で評価される営業職や販売職、施工管理などの仕事がおすすめです。これらの仕事であれば学歴不問の求人が多く、面接対策に取り組むことで、大学中退者でも正社員として就職しやすい傾向にあります。

どうしても人とのコミュニケーションに自信がなかったり、精神的な負担を出来る限り避けていきたい人には、製造オペレーターといった仕事もおすすめです。

ここからは、大学中退後の就職先としておすすめの仕事を5つご紹介します。

メーカー営業

大学中退者でも実力を評価されやすく、成果に応じてキャリアを築けることからおすすめです。

商品知識を活かしつつ顧客と関係を深める力が重視されるため、学歴よりも人柄やコミュニケーション力を活かして活躍できます。

平均年収533万円
求められるスキル・製品知識を活かした提案力
・顧客との関係構築スキル
・プレゼンテーション力
向いてる人の特徴・商品やモノづくりに興味がある人
・長期的に顧客と信頼関係を築ける人
・数字目標に挑戦する意欲がある人
関連資格・中小企業診断士
・販売士
・普通自動車運転免許

平均年収出典:厚生労働省「自動車営業 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

専門商社の営業職

多くの専門商社は、学歴よりも商材理解や顧客折衝力が評価されるため、中退者でも活躍の機会が多い点がおすすめできる理由です。

仕入れ先と顧客をつなぐ存在として交渉力や語学力を磨くことで、将来的に総合商社へのキャリアアップを目指すことも可能です。

平均年収618万円
求められるスキル・商材に関する専門知識
・仕入先・顧客双方との調整力
・語学力や交渉力
向いてる人の特徴・特定分野の知識を深めたい人
・調整や折衝を粘り強く進められる人
・グローバル志向がある人
関連資格・貿易実務検定
・TOEIC
・販売士

平均年収出典:厚生労働省「商社営業 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)

携帯販売

接客業にあたる携帯販売は、学歴よりもコミュニケーション力が重視されるため、大学中退者でも挑戦しやすい仕事です。

商品知識や料金プランを覚える必要はありますが、うまく提案すれば顧客に喜んでもらえるだけでなく、実績を上げて店長やスーパーバイザーなどのマネジメント職に挑戦できる点もポイントです。

平均年収369万円
求められるスキル・接客コミュニケーション力
・商品・料金プランの説明力
・トラブル対応スキル
向いてる人の特徴・人と話すのこと好きな人
・新しい機種やサービスに興味がある人
・臨機応変に対応できる人
関連資格・販売士
・ITパスポート
・スマートフォン・モバイル実務検定

平均年収出典:厚生労働省「携帯電話販売 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)

施工管理

施工管理は現場経験が重視される仕事のため、就職後に資格取得をすることで着実にキャリアアップができる点がおすすめです。

工事現場における安全や品質を守る責任のある仕事で、リーダーシップや計画性を活かすことができれば、手に職をつけて長く働くことも可能です。

平均年収632万円
求められるスキル・現場の進行管理スキル
・安全・品質管理能力
・関係者とのコミュニケーション力
向いてる人の特徴・リーダーシップを発揮できる人
・計画的に物事を進められる人
・体力と責任感がある人
関連資格・施工管理技士
・建築士
・安全衛生管理者

平均年収出典:厚生労働省「平均年収出典:厚生労働省「建築施工管理技術者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

製造オペレーター

製造オペレーターは、学歴よりも与えられたタスクの正確さや集中力が評価されるため、大学中退者でも活躍しやすい仕事です。

業務中は目の前の作業に集中するような働き方となり、コミュニケーション力に自信がない人でも働きやすさを感じやすいでしょう。

平均年収528万円
求められるスキル・機械操作のスキル
・品質チェックや改善力
・安全管理の知識
向いてる人の特徴・コツコツ作業に取り組める人
・ルールを守り正確に行動できる人
・モノづくりに関心がある人
関連資格・フォークリフト運転技能講習
・玉掛け技能講習
・機械保全技能士

平均年収出典:厚生労働省「鉄鋼製造オペレーター – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)

大学中退したいと感じた時の注意点

最後に、大学を中退したいと感じた時に注意すべきことを2つ解説します。

中退の事実は一生付きまとう

大学中退という事実は文字通り一生付きまといます。中退直後の就職活動はもちろんのこと、全ての転職活動において「学歴欄」に大学を中退した事実を記載し続けなくてはなりません。

いくら企業が経験を重視して採用活動をしているといっても、「大学を中退した人」という色眼鏡で見られることは覚悟する必要があります。

高卒と大卒は生涯収入が大きく変わる

高卒と大卒は平均年収が異なりますので、自ずと生涯収入も変わります。

  • 大卒/大学院卒:2億7,000万円
  • 高専/短大卒:2億2,000万円
  • 高卒:2億1,000万円
  • 中卒:2億円

労働統計によれば最終学歴と生涯年収の関係は上記のようになっています。大学中退者は高卒になりますので、生涯もらえるお金に6,000万円程度の差が出てしまうのです。
老後の生活を不自由なく過ごすためには2,000万円必要などという声もあることから、6,000万円という収入の差がどれだけ大きいかは言うまでもありません。

このような学歴による収入の差は、大学を中退するのであれば絶対に理解しておきましょう。

まとめ

大学を中退したいと思ったら、まずはその理由を明らかにしましょう。その上で、大学中退のメリットデメリットを認識し、その後の進路をある程度プランニングしておくことが重要です。

間違っても感情的に大学を中退してしまわないよう、この記事で解説したことを念頭に、後悔しない選択をしてみてください。

中退就職カレッジのご紹介
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  • 学歴に自信がないから就職できるか不安
  • 就職について、誰に相談したら良いか分からない
  • 中退しようかどうかを迷っている
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小久保 友寛キャリアコンサルタント
元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。 「誰もが人生を楽しめる社会をつくる」──その想いは、「日本の中退を変える!」と掲げていた頃から今も変わりません。