

※1. 2018/2/1~2018/7/31の当社研修参加者の内、当社が把握している就職決定者の割合(セカンドカレッジ)
※2. 2005/5/1~2020/4/30の弊社主催の面接会参加人数
※3. 調査期間:2021年9月17日~9月19日(日本コンシューマーリサーチ)
大学を辞めたいと思ったら、まず何から始めたらいいのでしょう?
せっかく入った大学ですから、気持ちや状況に流されてやめてしまう前に、一度立ち止まって考えてみることが大切です。
時にはやめる決断も大切ですが、そのためにはやめた後の計画が必要になってきます。
この記事では、大学をやめた人の実際の声ややめた理由、大学を辞めたいときにすべきことについて解説していきます。
大学を辞めたい人の声

大学を辞めたいと考えている人は少なくありません。そこで、まずは全国の大学生がなぜ大学を辞めたいと思ってしまうのか、その原因を探っていきましょう。実際にやめてしまった人の体験談も紹介するので参考にしてください。
大学を辞めたい人に多い理由
労働政策研究・研修機構の「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、大学を中退した人の理由で多いのは次のとおりです。
- 学業不振・無関心:勉強に関心が持てない
- 家庭・経済的理由:経済的に難しい
- 人間関係・大学生活不適応:学生生活に順応できない
【参考】労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」
退学理由について、それぞれ詳しくみていきましょう。
勉強に関心が持てない
大学の中退理由で最も多いのが「学業不振・無関心」で、勉強の内容に関心が持てないという理由です。大学中退者のうち男性の50%、女性の20%が、この勉強内容への無関心を理由に挙げています。しかし本来大学は学生が勉強したい学部や学科を選択して入学するものです。それなのになぜ、勉強内容に関心が持てない学生が生まれてしまうのでしょうか。
下の図は、大学生活において重要となる「授業」や「アルバイト」などについて、大学中退者がどのように感じていたのかを文部科学省が調査した結果です。

【参考】文部科学省「家庭の経済状況・社会状況に関する実態把握・分析及び学生等への経済的支援の在り方に関する調査研究」
調査結果によれば、大学を中退した学生のうち52%は授業への期待が不満に変わった(不満変化)と回答しています。つまり、学生が入学時に抱いていた講義のイメージと、現実には大きなギャップがあると言えるでしょう。
さらにそもそも授業に期待を持っておらず、結局不満を抱えて中退してしまった学生(無期待不満)が23%も占めていることが見て取れます。
経済的に難しい
大学を中退する理由で2番目に多いのが、経済的な理由です。文部科学省の調査でも、大学中退者の約30%が退学理由として「経済的に苦しかったため」という項目に「あてはまる」または「まああてはまる」と回答しています。
【参考】文部科学省「家庭の経済状況・社会状況に関する実態把握・分析及び学生等への経済的支援の在り方に関する調査研究」
「経済的に苦しかった」という背景を深掘りすると、親世帯の年収が大きく関係していると言えそうです。下の図は大学中退者うち、中退理由として「経済的に苦しかったため」という要素に肯定的な回答をした「肯定群」と、否定的な回答した「否定群」に分けて親世帯の年収を調査した結果を表しています。
※補足
肯定群:中退理由で「経済的に苦しかったか」という質問に対し「あてはまる」「まああてはまる」と回答した学生
否定群:「あまりあてはまらない」「あてはまらない」と回答した学生
【参考】文部科学省「家庭の経済状況・社会状況に関する実態把握・分析及び学生等への経済的支援の在り方に関する調査研究」
「肯定群」に着目すると、家庭年収で400万円を下回る家庭が約30%を占めています。さらに「わからない」という回答が40%を占めることから、世帯収入400万円以下の家庭が占める割合の実態はさらに大きいと考えられます。日本の平均世帯収入は552万円(※1)であることを考えると、400万円以下という数字は非常に厳しいものと考えられます。
※1【参考】厚生労働省「各種世帯の所得等の状況 (2018)」
家庭の年収は学生本人でなく、両親によって決まります。つまり、上記データは本人に問題がなくても大学を中退せざるを得ない学生が一定数存在することを示していると言えます。
学生生活に順応できない
大学生活に順応できない背景としては、次の3つが主な要因と言えるでしょう。
- 人間関係がつくれない
- ギャップが大きい
- 気力がわいてこない
まず良好な人間関係が作りにくい環境で、孤独を感じてしまいやすいことが挙げられます。これは、大学は高校までと異なりクラス制度がない場合が多いことが影響していると考えられます。
高校までは毎日クラスメイトと顔を合わせられるため、人間関係を構築しやすい環境だったはずです。しかし大学にクラスはなく、取得すべき単位の講義に個々人で参加するのみとなります。講堂も広く席は毎回自由なため、毎回講義で顔を合わせて仲良くなる、というケースは稀でしょう。
Yahoo!知恵袋でも「大学で友達が作れずどうしたらいいかわからない」という質問・相談が毎年のように挙げられているほどです。
参考:Yahoo!知恵袋
さらに大学生になると一人暮らしを始める学生も多く、家族という支えがなくなることも孤独感に拍車をかけます。孤独で不安な気持ちを、誰にも相談できずに過ごす日々は非常に辛いはずです。
学生生活に順応できない2つ目の理由として、入学前と実際のギャップが大きいことが挙げられます。これはドラマなどで描かれる煌びやかな大学生活が影響していると言えそうです。ドラマで見るようなキャンパスライフは、下記のように皆キラキラと輝いて描かれているケースが大半です。
- 素敵な恋人を巡りあう
- 広々とした講堂で好きな勉学に没頭している
- おしゃれなアルバイト先で社会経験を磨く
こんなキラキラしたイメージのある大学生ですが、現実は全くと言っていいほど異なる場合が多いでしょう。授業は難しくアルバイトにも大忙しでまったく余裕のない現実は、入学前に抱いていたイメージと大きく異なるでしょう。
3つ目の理由は気力が湧いてこないことです。大学受験に全力で取り組み希望の大学へ合格したものの、そこで燃え尽きてしまう学生が陥りやすい境遇です。大学の勉強は難解で、しっかりと勉強をしないとついていけません。ところが大学に入ることをゴールとしてしまった学生は燃え尽きてしまい、大学での勉強に身が入りません。
ところが「高校3年間頑張れば、あとは楽しい大学生活が待っている」といって受験生のモチベーションをあげる教師・講師は少なくありません。そんな気持ちで入学してしまうと、大学ではすでに勉強への気力がなく、順応に手こずるでしょう。
大学をやめてよかった?実際の声
この章では、実際に大学を中退した方3名の生の声をお届けします。中退後に待ち受けていた境遇や、退学から立ち直った例を知ることは、あなたの進路検討の上で重要な情報となるはずです。ぜひ参考にしてください。
末尾にはyoutubeも載せていますので、そちらもご参考ください。
単位不足で大学をやめてしまった女性の話
真面目さ・人の良さが仇になり、大学の単位よりもアルバイトや友人の手助けを優先してしまい
留年を繰り返してしまったAさん。留年をお父さんに伝えたところ、退学を命じられてしまいました。
繰り返しの留年と退学のショックですっかり自信を失ってしまったAさんは、これからの将来を一度諦めてしまったそうです。就職活動は始めたものの、大学中退という立場の自分をどうアピールして良いかわからず、不安を募らせていました。
しかし、もう一度人生をやり直すべく就活に前向きに挑むことで、見事内定を獲得しました。Aさんは大学中退の経験を振り返り「中退という変えられない事実をどう前向きに捉え、前進していけるかが大切」と伝えてくれました。
理系大学を中退した男性の話
アルバイトに充実感を覚え、学業をおろそかにしてしまったBさんは、1年留年しても卒業は難しいと判断し、中退して即就職を決意しました。
就職活動は自力のみでは厳しいと考えて就職支援サービスを利用し、見事内定を獲得しています。中退による不安は大きかったものの、就職支援サービスを通じて相談できる相手がいたことで、精神的に楽になったそうです。
卒業はできずとも大学で勉強してきたことを無駄にせず、大学の専攻を強みに志望企業を決め、見事内定を勝ち取りました。
Bさんは大学中退に関して「過去は変えられないのだから、経験を糧に前向きに行動することが大切」と伝えてくれました。
中退した人の親の声
3人目は中退者本人ではなく、中退者の母親から伺ったお話です。休学や留年を繰り返し、6年間通った大学を退学したCさん。留年の理由は大学の勉強に意義を見出せなかったことにあるようです。
大学で留年を繰り返すたびに自信を失ってしまうため、思い切って中退し就職を目指すことになりました。しかし、大学中退ではどのように就職活動を進めて良いかわからず不安を感じていたそうです。そんななか、TVで就職支援サービスを知り、参加することに。就職支援を受けるうちに自信を取り戻し、見事就職先を決めました。
お母様もご本人も、就職して必要としてくれる、認めてもらえる場所があることに非常に充実感を抱いているそうです。
大学を辞めたいは甘えじゃない
「大学を辞めたい」と思ってしまうことは、甘えではありません。なぜなら経済的な理由や大学生活のギャップなど、自分だけではどうにもならない面もあるからです。
また、大学をやめる決断を自責で考えられるなら、全く甘えではないでしょう。甘えとは他人をあてにして、自分の行動に責任を取らないことを指します。大学をやめても、その後就職して自立しているのなら甘えているとは誰一人思わないはずです。つまり、大学をやめるのが甘えかどうかは、やめた後の行動によって決まるとも言えるでしょう。
しかし現在の大学生活から、ただ逃げてしまうだけでは得られるものは少ないでしょう。やめる・やめないに関わらず、今後自分の人生をどう切り開いていくか、建設的に考えた上で決断することが重要となります。
大学を辞めたい時にすべき5つのこと
では実際に大学をやめるかどうかを決断するには、何を基準に考えたら良いのでしょうか。この章では、大学を辞めたい場合に後悔しない選択をし、どちらの選択でもよりよい人生を送るためにすべきことを5つ紹介します。
大学をやめたら人生終了?
本題に入る前に「大学をやめる=人生終了」ではないことをご説明します。大学中退でも希望の企業に就職して活躍している人がいることは、先述の3名の退学体験談でお話しした通りです。にもかかわらず、大学中退が悲観的に捉えられてしまうのはなぜでしょうか。
その原因の一つは、インターネットの書き込みでしょう。ネット上には「大学中退は人生終わり」といった声があることから、それを本当の情報を信じてしまうケースがあります。その情報には根拠がないにもかかわらず、言葉だけが一人歩きしてしまっている状態です。
「〇〇は人生詰んでる」という言葉は大学中退に限らず様々な状況下で面白半分に使われているに過ぎないのですが、中退者本人の目に止まれば不安に感じてしまうのも無理はありません。
また日本は学歴社会のイメージが強いことから、下記のように思いこんでしまうことも背景にあるようです。
- 中退=就職失敗と連想してしまう
- 学歴が人生を決めると思い込んでしまう
- 周りの視線が気になってしまう
【参考】大学中退者が死ぬしかないと思う理由は?乗り越える方法についても解説!
それでは本題の「大学を辞めたい時にすべき5つのこと」を紹介していきます。
①休学など一度離れる時間をとる
一度大学から離れて考える時間を作りましょう。大学という環境があなたにマイナスの感情を抱かせている可能性があるからです。
マイナスの感情に浸かったままでは冷静さを欠き、合理的な判断ができません。合理的な判断をするためにも、まずは大学を離れ落ち着いて考えられる環境を作ることが大切です。
②親、周囲の人に相談する
親や友人、先輩など信頼できる人に相談してみるのも大切です。誰かに相談することで悩みが言語化され、解決の糸口が見つかる可能性があるからです。
また人に相談するだけで気持ちが落ち着くというメリットもあります。大事な決断で後悔しないためには、気持ちを落ち着かせてじっくり考えることが大切です。
③もしやめたら?の行動計画を立ててみる
実際に退学した時の行動計画を立てましょう。退学してからの行動を詳細に思い描いてみることで、
理想とする未来へ到達できるか否かがわかるでしょう。また、退学に対する不安も解消されるかもしれません。
④中退後のキャリア設計を考えてみる
下記のように、中退後のキャリア設計を考えてみましょう。
- もし退学したら何をするのか
- 就職するとしたらどんな職業を目指すのか
- 「大卒」の学歴がなくても希望の職業に就けるのか
あなたが理想とする未来が高卒でも実現できるのなら、中退しても後悔する可能性は低いためです。
⑤目上の人に相談してみる
周囲の目上の人に相談してみるのもおすすめです。社会人経験が豊富な方に相談することで、思い込みを排除できるでしょう。
具体的には下記のような方々に話を聞いてもらうと良いでしょう。
- 大学の支援センター
- バイト先の大人
- サークルのOB
- 中退専門の就活サービス
大学をやめるメリットとデメリット
大学をやめるメリットとデメリットを解説します。
メリット・デメリットは人によって重要度が異なるので、あなたの人生にとってどちらがより重要かを考えてみてください。
ここから各メリットデメリットについて、詳しく解説していきますが、こちらの動画も合わせて視聴いただくとより理解が深まるので参考にしてください。
大学をやめる5つのメリット
まずは大学をやめるメリットは下記の5つです。
メリット
①自由な時間が生まれる
②勉強しなくて済む
③大学での悩みがなくなる
④学費が浮く、お金を稼げる
⑤社会人として自立できる
①自由な時間が生まれる
大学の講義へ行かなくてよくなる分、自由な時間が生まれます。人によっては学費や生活費を稼ぐためのアルバイトに充てていた時間も自由時間になるでしょう。自由時間は、自己投資として有効活用が可能です。たとえば下記のように活用して、自分の市場価値を高めていけるでしょう。
- プログラミングを勉強する
- Webデザインを学ぶ
- インターンシップに参加する
②勉強しなくて済む
大学で単位を取るための勉強をしなくて良くなります。大学の勉強は難解であり、解けないことで自信を喪失してしまうこともあります。苦手なものに固執して自己肯定感を下げるより、その時間を得意なことに捧げて自信を取り戻すことで、人生が豊かになるという考えもできるでしょう。
③大学での悩みがなくなる
大学をやめてしまえば、大学に関する悩みは全てなくなります。例えば人間関係や勉強がうまく行かず悩んでしまった場合、大学をやめることで白紙に戻せます。
一度うまく行かなかったからといって、今後全てがうまく行かないということはありません。大学から離れてその時の自分を冷静に振り返りることで、今後の人生の教訓にできるでしょう。
④学費が浮く、お金を稼げる
退学すれば今後支払う学費は必要なくなります。浮いた学費は自己投資として本当に必要な部分に集中すれば、効率的にあなたの価値を高められるでしょう。
また、中退により卒業するよりも早く働く機会を得られるメリットもあります。スキルは継続することで蓄積されていくものも多いため、早く就職して自分の価値を高めることも正解の一つでしょう。
⑤社会人として自立できる
中退により学生という立場から、自立した社会人になります。大学生は基本的に学業優先のため、金銭的な自立は難しいでしょう。しかし退学すれば仕事に身を捧げられるので、仕事で得た報酬で自立した社会人にいち早くなることが可能です。
大学をやめる5つのデメリット
続いて、大学を辞めるデメリットは下記の5つです。
デメリット
①挫折感を味わう
②学生の肩書がなくなる
③学歴が高卒になる
④今後の人生について考える機会が減る
⑤周りの期待とずれる
①挫折感を味わう
大学を卒業できなかった事実が、挫折として心に残ってしまう可能性があります。大学中退を「失敗」と捉えてしまえば自己肯定感を失い、未来での選択にも影響する場合があります。中退により「どうせ私にはできない、無理だ」という自己否定の思いが生まれてしまうと、今後の大事な選択にも悪影響を及ぼしかねません。
②学生の肩書がなくなる
学生という「働かなくてもいい肩書き」がなくなります。というのも、中退して何もしないでいれば世間の目は冷たくなるためです。中退した場合、ご両親をはじめとしてあなたの周囲の人間は、就職先あるいは新たな就学先を探すことを求めるでしょう。
③学歴が高卒になる
大学中退では「大卒」の肩書きは得られないため、最終学歴は高卒になります。必死に勉強して大学に入学したとしても、卒業できなければ高卒と同じです。日本社会では大卒以上でなければ応募できない求人が多くあり、高卒では職業選択の幅が狭くなってしまうのが大きなデメリットと言えるでしょう。
④今後の人生について考える機会が減る
大学生という期間は下記理由から、人生設計やキャリアについて考える環境として適しています。
- 長い休暇がある
- 多様な人との出会いがある
- インターンシップ等、社会に触れる機会がある
中退すればこれらの機会は失われ、人生について考える機会は激減してしまいます。高校生までの努力はある意味、人生の選択肢を広げる手段とも言えます。一方大学から先は、今後の人生を決めるためにあらゆるものを取捨選択しなければなりません。そんな人生の転換期で、大学の期間はあなたの人生の方向性を考える貴重な時間となります。
中退すれば落ちついて将来を考える暇もなく、就職先という人生を大きく左右する選択をしなければなりません。
⑤周りの期待とずれる
ご両親や周囲の人間があなたに大卒として社会に出ることを期待している場合、その期待には応えられません。
周囲の人間が大学卒業を期待する理由としては、日本社会では学歴が有利であることを肌感覚で知っているためです。そのため大学期間は自己の価値をあげる期間として、じっくり学業や自己投資に取り組むことを期待されるのです。
まとめ
本記事は大学をやめた人の実際の声や、大学をやめた際のメリット・デメリットについて紹介しました。大学を卒業することも、中退して切り替えることもどちらにもメリット・デメリットは存在します。一度冷静になってあなたの将来を見つめなおし、希望の未来を実現できる選択をしてください。
なお、大学をやめて就職を目指す場合、退学からなるべく期間を空けずに就職活動を開始するのが成功への近道です。就職活動をなにから始めていいか不安なかたは、当社ジェイックの就職相談サービスを利用してみてください。

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