
ニートになる原因には人間関係や親との関係に加え、いじめやパワハラ、過労、学校や就職活動での失敗など様々な要因があります。また、不登校や中退経験がある人、コミュニケーションが苦手な人、自己肯定感が低いといった特徴を持つ人や、親が経済的に支えてくれたり過干渉であるといった環境に置かれている人はニートになりやすい傾向にあります。
この記事では、ニートになってしまう原因や、ニートの方によく見られる特徴、ニートになりやすい環境について解説します。
これらの情報を通して、ニートの状態から抜け出すための考え方や具体的な行動が分かるので、社会復帰を目指すための一歩を踏み出すヒントの参考にしてください。
- ニートになるのは「人間関係(友人関係)」「親との関係」が原因の場合が多い
- ニートになる人には、不登校や中退経験あり、コミュニケーションが苦手などの特徴がよく見られる
- ニートから脱出するためには、悲観的にならず、自分のせいにしすぎないことが大切
- ニートを脱するためには、在宅ワーク、アルバイト、就職などが効果的

この記事の目次
ニートになってしまう原因
ニートになってしまう原因には、心身の不調や就職活動でのつまずき、前職での労働環境の悪化など、人それぞれ様々な背景があります。
株式会社ビズヒッツの調査結果によると、ニートになった主な原因は、主に以下に分類されることが分かっています。
- 前職の人間関係や労働環境が悪かったから
- 心身の不調が生じたから
- 就職先・転職先が決まらないから
- そもそも働きたくないから
- 人付き合いに苦手意識があるから
- 働かなくても生活できるから
ニートから社会復帰を目指す場合は、そもそも自分がなぜニートになってしまったのかの原因を特定し、言語化しておくことが重要です。
ここからは、調査結果に基づいてニートになってしまう原因を詳しく解説していきます。将来の進路選択のためにも、自分がなぜニートになったのか明らかにしておきましょう。

1. 前職の人間関係や労働環境が悪かったから
前職で人間関係に強いストレスを感じたり、労働環境が過酷だった場合は、その経験が原因で再び働くことへの恐怖心を抱いてしまい、ニートになるケースがあります。長時間労働やパワハラ、理不尽な評価等が続くと、心身ともに疲弊して「もう働きたくない」という思考になりやすいです。
特に新卒就職した会社など、若い段階でこのような経験をすると再就職への意欲を失い、結果としてニート状態が長続きする人もいます。
環境が悪い職場を経験した場合は、就職そのものに対して「つらい」「苦しい」といったネガティブな感情を引き起こし、次の行動が取れなくなることに繋がりがちです。
2. 心身の不調が生じたから
うつ病や不安障害などの精神的な病気や、事故などの怪我によって働くことが難しくなり、ニートになる人もいます。特にストレスによる睡眠障害や慢性的な疲労感は、働く上で大きな障害になるだけでなく、一度職場を離れると回復に時間がかかり、再就職のためのハードルが高くなりがちです。
加えて、心身の不調は周りに理解されにくく、自分自身に「甘えているのではないか」という自責の念を感じながらニートが続いてしまっている人もいます。適切な医療や支援を受けないままニート状態が続くと、時間だけが経ってしまうリスクに繋がりかねません。
3. 就職先・転職先が決まらないから
一度就職活動や転職活動に取り組んでみたものの、なかなか希望する職場が見つからなかったり、不採用が続くと、自信を失って活動を止め、ニートを続けるケースも見られます。特に新卒や基礎の就活でつまずいてしまうと「自分は社会に必要とされていないのではないか」と感じ、働く意欲そのものが低下しがちです。
また、求人票を見てみても「そもそもどの企業に就職すればいいか分からない」など、応募ができない状況から出せないこともニートが長期化する原因です。このように、就活の停滞や失敗の積み重ねが心理的なハードルの高さとなり、結果として働かない選択をとってしまう人も少なくありません。
4. そもそも働きたくないから
「毎日同じことで働くのがつらい」「仕事をする意欲が湧かない」など価値観自体がニートになる原因のケースもあります。働くことに対するモチベーションが低い人は、そもそも就職活動に消極的になり、これまでの経験にかかわらずニートになりやすいでしょう。
これは必ずしも怠けているというわけではなく、人生に対する価値観や優先順位の違いから生まれていると考えられます。例えば、「趣味や自分の時間を優先したい」「会社という組織に縛られることに抵抗がある」などが挙げられます。
ただし、ニートの状態は将来的に経済的な具合や社会的な孤立に繋がりますので、自分の「働きたくない」という思いを言語化し、少しずつ就職に向けた行動を進めていく工夫やマインドセットが必要です。
5. 人付き合いに苦手意識があるから
人と関わることに苦手意識を持っていると、職場でのコミュニケーションに強いストレスを感じるだけでなく、面接そのものに抵抗感を感じてしまい、就職を避けることに繋がります。どんな仕事であっても人と会話をする事は重要であることから、人付き合いに苦手意識を持っている人はニートになりやすいと言えます。
特に人付き合いが苦手であるものの、過去に接客や営業などの職種を経験した場合、苦手意識が強まることも少なくありません。その結果「自分には社会で働く能力がない」と思い込み、他人との接点を断つことでニート状態に陥ります。
このような理由でニートになっている場合は、自分に合う働き方を探すことから始める意識が重要になるとともに、人と深く関わらない仕事を選ぶといった選択肢を考えると良いでしょう。
6. 働かなくても生活できるから
実家暮らしで親から仕送りがあったり、貯金や資産がある、あるいは生活保護を受けているなど経済的に働かなくても生活できる状況にあると、ニート期間が長引く原因にもなります。このような状況だと、就職に対する焦りを感じなくなり、結果として就職活動を後回しにしてしまうでしょう。
若いうちはニートを続けていても大丈夫と考えてしまいがちですが、ブランクが長期化するほど就職は難しくなります。短期的に見れば気楽に生きることができますが、長い目で見ると社会的に自立できなくなる原因となりますので、早めに将来を見据えた行動を起こすことが重要です。
ニートの方によくある特徴
厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態および支援策に関する調査研究報告書(概要)」のニート状態にある若者へのアンケート結果をもとに、ニートの方によく見られる特徴についてご紹介します。
1. 不登校や中退を経験している
ニート状態にある人のうちの37.1%が過去に不登校を経験し、学生時代に1か月以上の長期欠席経験があった人は、高校が16.6%、大学・短大が25.8%ということがわかっています。つまりニートになる前の学生生活の時点で、うまくいかなかった経験を持つ人が一定数いるということです。
不登校や中退の原因はさまざまですが、以下のようなケースもあるでしょう。
- 学校になじめなかった
- やむを得ない事情で通えなくなった(金銭的な理由、病気など)
- 勉強や部活についていけなくなった
いずれにしても、不登校や中退をしたことで「挫折感」を感じてしまい、自信を失って何もやりたくないと考えるきっかけになってしまった人も多いかもしれません。
2. いじめられた経験がある
ニート状態の若者の経験として「学校でいじめられた」ことがあると回答した人は55%と、ニートの半数以上が過去にいじめを受けていたことがわかっています。
いじめに遭ったことがきっかけでニートになる要因としては、以下が考えられます。
- 自己否定をするようになった
- いじめられた経験が強いトラウマになった
- 人と接することが嫌になった
一定の年齢になれば人と違うところは「個性」と認められますが、その個性が、子どものころは「おかしい」「ほかの人と違う、変」と見なされていじめの対象となり、自信をなくしてしまう要因になることもあるかもしれません。
3. 対面コミュニケーションに苦手意識がある
アンケートのなかでは「人に話すのが不得意」と回答した人が64.4%と、もっとも多くなっています。具体的な行動の苦手意識としては「面接に通る」が75.1%、「面接で質問に答える」が64.8%と、直接人と会話ややりとりをしたりすることに苦手意識を持っている人が大半です。
対面コミュニケーションが苦手だと、以下のようなことが起こり得ます。
- 就職活動をすることが怖くなる
- 社会でやっていけるかどうか不安になる
- 周囲に相談できず孤立しがちになる
その結果、必要最低限しか人と関わらずに済むニート状態になってしまうこともあるでしょう。
4. 自己肯定感が低い
自己肯定感が低い人は、失敗を経験したときに「どうせ自分にはできない」と考えてしまい、再挑戦に向けた行動を起こせずニートになってしまう傾向があります。
例えば、就職活動中の面接での失敗が「自分は社会に必要とされていない」といった思い込みを強めてしまうことがあります。その結果、面接を受けることに不安や恐怖を感じてしまい、就職活動を前向きに進められなくなってしまいます。
さらに、ニートを続けている期間が長くなると、ニートをしている自分自身に対して、ふがいなさや情けなさを感じて自己肯定感が低くなる傾向が見られます。
このように、自己肯定感が低い人は挫折を経験したときに立ち直りづらく、立ち直れない自分に対してさらに自信を失ってしまい、ニート期間が長期化しやすい傾向にあります。
自己肯定感を高めるには、小さな成功体験を積むことや、周囲の支援機関を積極的に活用することが有効です。一人で就職活動を進めるのではなく、就職エージェントなどの支援を活用すると、面接が上手くいかなかった時でも励ましてくれたり、失敗を次に活かして前向きに行動できるようサポートしてもらえます。
5. 物事に対して常に受け身
ニートになりやすい人の特徴として、物事に対して受け身でいることも挙げられます。なぜなら、物事に対して受け身でいる人は、自分から積極的に行動することが少なく、外部の状況や環境に左右されやすい傾向があるからです。
例えば、学校や職場で困難な状況に直面した際、本来ならば問題解決に向けて行動を起こして立ち向かうべき場面でも、他人に任せたり逃避行動を選びがちです。
自分から積極的に行動を取ることがないだけでなく、他人から指示や命令を受けない限り現状を変えようとする動きを取らない選択をし続けた結果、ニートになっているとも言えます。
さらに、親から就職を急かされたことなどをきっかけに就職活動を始めたとしても、受け身な姿勢や他責思考の傾向があることが伝わってしまい、就職活動が上手くいかず、ニートを脱出できない可能性も高いです。
6. 完璧主義な傾向がある
完璧主義な人は、自分に厳しい目を向けすぎる一方で、高すぎる理想に囚われ行動を起こせなくなる傾向があるため、ニートになりやすいと言えます。
例えば就活をしているときに、絶対に就職したい会社に落ちたことでニートになったような人は、「自分が最も良いと考えられる選択肢以外は認めない」といった完璧主義な思考があると考えられます。
他にも「せっかくニートを脱出するのであれば、希望条件を全て満たすような求人にしか応募したくない」など完璧主義な性格を変に発揮してしまい、ニートを脱出できていないようなケースもあるでしょう。
元より人生は自分が思ったように完璧に物事が進むようなことがありませんが、そうした現実を受け入れることなく完璧主義を貫こうとしている人は、ニートをし続けている傾向にあります。
7. 人生に対して楽観的すぎる
人生に対して楽観的すぎる人は、現在の状況に満足しやすく、将来を真剣に考えなくなる傾向があるため、ニートになりやすいと言えます。
たとえば、親が経済的に支えてくれる環境の場合、「いつかなんとかなる」と考え、行動を先延ばしにしてしまいがちです。
数年後、数十年後の未来の事は特に真剣に考えず、明日生き延びられれば良いなどと気楽に考えていることがニート生活に繋がっていると考えられます。
しかし、ニート期間が長くなれば長くなるほど、就職は不利になっていき、いつまでも親に頼っていられるわけではありません。このままニートを続けるとどうなるのか考え、手遅れになってしまう前に行動を起こすことが必要です。
8. 欲がない
「もっと良い人生を歩みたい」「たくさんお金を稼いで好きなものにお金を使いたい」など、特に自分の人生や稼ぐお金に欲がないと、働くことそのものに対する魅力を感じられなくなるためニートになりやすいと言えます。
このような理由でニートになっているような場合は、何らかの欲が出てきた時点でニートを脱しようと就職活動を始めがちです。
しかし、ニート期間が長くなると、その時点で社会復帰の難易度が引き上がってしまうため、結局自分の希望を全く満たさない会社で就職する末路を迎えるニートも見られます。
やりたいことが見つかった時に、それを実現するのが難しくなってしまう前に、一度自分が今後の人生をどうしていきたいのか考えてみるといいでしょう。
9. 失敗を極端に恐れる
完璧主義に通じる特徴ではありますが、ニートの中には失敗を極端に恐れる人も少なくありません。
過去に何らかの理由で上司に怒られたなどの失敗がきっかけでニートになったような人は、同じように怒られないために失敗を恐れるようになることもあります。
また、とにかく失敗そのものに恐怖心を覚えてしまう傾向にあることから、就活で書類選考に落ちることに対しても恐怖心を感じてしまいがちです。結果的に就活の一歩を踏み出すことができずにニート生活を続けている人も見られます。
基本的に人生は失敗がつきものですので、今ニートしている人でこれから社会復帰をしたいと考えているのであれば、失敗を恐れることなく挑戦していく意識を持つようにしてみてください。
大抵の事は失敗をしても人生に大きな影響を与える事はありませんので、気楽な気持ちで社会復帰の1歩踏み出す勇気を持ちましょう。
10. 家庭の経済状況はあまり関係がない
ニートになったきっかけとして、家庭の経済環境はそこまで影響していないと考えられます。家庭の経済状況についてのアンケートのなかでも「ふつう」が47.1%と約半数で、「やや苦しい」28%、「やや余裕がある」が10.8%、「非常に苦しい」が8.9%、「余裕がある」が3.3%と幅広い結果となっています。
「裕福だからor貧乏だから子どもがニートになった」というような、経済的な部分との因果関係はあまりないといえます。
家庭のことが要因でニートになる人は、たとえば以下のような問題のある家庭で育った可能性が大きいといえるでしょう。
- 家庭環境(両親の仲が悪い、家族間の会話がないなど)
- 親の子どもへの接し方(褒めない、無関心、過干渉、差別など)
- 親の精神的な問題(うつなどの精神疾患、感情の起伏が激しいなど)
後述しますが、生まれ育った家庭でつらい思いをすることが続くと、大人になってから、ニートのような無気力な状態になってしまうことはあり得ます。
11. 親に問題があるケースも
ニートによくある特徴として、本人の性格や経験だけでなく、親との関係性や親自身が大きく影響している場合もあります。例えば、過保護や過干渉な親の元で育つと自立心を持ちにくくなり、自らの意思で現状を変えようとする積極的な行動が取れなくなる傾向があります。
また、親が働くことに対してネガティブな価値観を持っていたり、必要以上に楽観的な思考を持っている場合は、子供である自分も同様に「働かなくてもいい」と考えるようになることもあるでしょう。
加えて、親からの経済的なサポートが長期に渡って続くと、子供が就職の必要性を感じにくくなり、結果的にニートの状態が続きやすくなります。
このように、家庭環境の影響もニートのなりやすさに繋がっているとも考えられるため、外的な要因も視野に入れた上で解決策を考えることが重要です。


ニートになりやすい環境
ニートになりやすい環境としては、以下の4点が挙げられます。
- 親が経済的に支えてくれる
- 親が過干渉・過保護
- いつまでも実家暮らしで何も言われない
- 友人にニートやフリーターが多い
上記のような環境にいると、他の人よりもニートになる可能性が高まると考えられますので注意が必要です。
それぞれの環境について詳しく解説します。
1. 親が経済的に支えてくれる
親が経済的に支えてくれ、働いて生活費を稼ぐ必要がない場合、ニートになりやすくなります。
そもそもニートが生活するためには、誰かからお金を支援してもらう必要があります。
ニートをしていても、食費や生活費を支えてくれる状況にあれば親に甘えてしまい、ニートを脱出しようとする考えになりづらくなります。
2. 親が過干渉・過保護
多くの親は、子供が何もせずニートとして生活していることにストレスを感じて、厳しい言葉を投げかける傾向にあります。
しかし、親が過保護な性格だと、困っている子供を助けたいという気持ちが強くなってしまい、ニート生活を助長させる環境を作り上げかねません。
また、ニートは受け身な性格が多いといった特徴が見られますが、親が過干渉であることで自分で考えて判断するといった能力が失われてしまい、結果的にニートを脱出するような行動を自発的に取れなくなることもあるでしょう。
このように、ニートになりやすいかどうかは親の性格や考え方による影響も受けやすいと考えられます。
3. いつまでも実家暮らしで何も言われない
親が過保護だとニートになりやすいですが、その反対とも言える「無関心」であっても、ニートになりやすいと考えられます。
自分が実家暮らしでニートを続けていても、親が何も言ってこない環境であれば、居心地の悪さを感じにくくなるためニートになりやすくなるでしょう。
また、小言を言われることなくニート生活に甘んじることのできる環境であれば、ニート期間が長引くことにも繋がります。
ニートは基本的に物事に対して受け身で捉える傾向にあることを考えると、ニートがニートを脱出しようと考えるのは、他人からニートであることを指摘された瞬間だと言えます。
つまり、実家暮らしで親から何も言われない状況が続けば、ニートになりやすいだけでなく、ニート生活を長引かせやすくなりますので注意が必要です。
4. 友人にニートやフリーターが多い
ニートになりやすいかどうかは、周りの環境に強く影響することになります。
昔から交流のある友人にニートやフリーターが多いことで、自分がニートであることに違和感を感じることがなくなり、結果的にニートとして生活することを選びやすい状況を作り上げてしまいます。
「周りの友人もニートだから自分もニートで良いだろう」などと考えてしまうと、気軽な気持ちでニートになることも考えられます。
もしニートの人が今の状況を変えたいと考えるのであれば、家庭環境や交友関係などの身の回りの環境を見直してみることも大切です。
ニートを脱出するための考え方/行動
ニートになる原因として考えられることをご紹介しました。最後に、現在ニートをしていてそこから脱出したいと考えている方向けに、ニートを脱出するための考え方や具体的な行動をご紹介します。
ニートを脱出するための考え方
ニートから抜け出したい方は、以下のような考え方を試してみましょう。
先のことは考えない
ニートの方に見られる傾向のひとつに「悲観的すぎる」ところが挙げられます。たとえば、以下のように、過剰にマイナスな思考をしてしまっていることがあります。
- ニートだからもう自分の人生は終わり
- いまから就職してうまくやっていけるはずがない
- どうせがんばっても無駄に終わる
こういった発想はすべて、まだ起きてもいないことをただネガティブに想像しているだけです。
心配したり、ものごとの悪い面を考えたりすること自体は決して悪くありません。仕事をするうえでも、楽観的であることがすべてにおいてよいわけではなく、ある程度リスクやデメリットなどを考えられる人は必ず必要だからです。
大切なのは「悪い想像」と「現実」は別のものであると理解することです。「こういう悪いことが起きるに違いない」というのは、ただ頭の中だけで考えた想像の範疇に過ぎません。それよりもまず今日という日を充実させることを考えたり、前向きに楽しんだりする時間を増やしてみましょう。
たまには誰かのせいにする
ニートは世の中的には「だらしない」「やる気がない」などの悪いイメージを持たれることがありますが、実際にはそうではなく「自責の念が強い」人が多くいます。「すべて自分のせい」「自分が悪い」と思い込み、自分に価値がないと感じてニートという状態を選んでいる人もいるのです。
「自分以外の誰かのせいにしてみる」という方法は、心が軽くなるためおすすめです。たとえば自分がニートになった要因を、以下のように考えてみるのです。
- 自分のことを否定し続けてきた親のせい
- 厳しすぎた前職の上司のせい
- 学生時代にいじめてきたクラスメイトのせい
すべて自分が悪いなどと思い込まず「あの言い方はひどかった」「あんなことをされる筋合いはない」などとひとつひとつ考えていくことで、自分の心も少しずつ回復していくでしょう。
失敗から学ぶ
ニートの方のなかには失敗を恐れている人も多くいますが、失敗について以下のことを知っておく必要があります。
- 人生で失敗したことがない人はいない
- 成功している人は、多くの過去の失敗を活かしている
- 失敗からしか得られないものも多い
「失敗しない」ということは「チャレンジしていない」ということで、何の進歩も成長もしないこととイコールです。
たとえばニートの状態から思い切って就職活動をしたとき、書類で落とされたり、就職相談や面接で厳しいことを言われて落ち込んだりすることはあるかもしれません。しかし行動したことは立派な価値で、うまくいかなかった経験をどんどんポジティブな方向に活かしていけばよいのです。
ニートからの脱出を詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
ニートを脱出するための行動
ニートを脱出したいと考えている方は、以下のいずれかの行動を取ることをおすすめします。
- 在宅ワークをする
- アルバイトをする
- 就職する
たとえばクラウドソージングサイトに登録して自宅でできる案件に取り組んでみたり、日雇いや短期バイトなどをやってみたりするなどして「働いてお金を稼ぐ」という成功体験をすることが、ニートの方の自信回復にプラスになることがあります。
本格的に社会復帰を目指す場合には、勇気を出して就職活動に取り組んでみましょう。就職活動の方法がわからない・不安がある方は、就職支援サービスの利用がおすすめです。ジェイックでは、社会人経験がない・少ないニートの方の就職支援にも力を入れていますので、お気軽にご相談ください。
ニートをずっと続けた先に起こり得る末路や、ニートを脱出するための具体的な方法は、以下の記事でくわしくご紹介しています。
ニートの状態から本格的に抜け出したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ニートから就職を目指す時の具体的な行動
ニートから就職を目指すには、日常生活を整えるとともに、少しずつ社会との接点を増やす意識が重要です。例えば生活リズムを整えたり、外出の習慣をつけるなど、小さな行動が自信に繋がります。
また、自分の興味を広げたり、将来設計を考えることで現状を変える必要性を感じられ、就活に前向きに取り組めるようになるでしょう。どうしても自分で自分を変えることができない場合は、就職サービスに登録して第三者からアドバイスや励ましをもらうことも有効です。
ここからは、ニートから就職を目指す際の具体的な行動を5つに分けて解説していきます。
1. 生活リズムを整える
ニートから就職を目指すためにも、社会人として求められる基本的な生活を取り戻すことが重要です。昼夜逆転や不規則な睡眠習慣は、心身の不調や行動することのモチベーション低下に繋がります。まずは決まった時間に起きて朝日を浴び、体内時計を整えることから始めてみましょう。
また、食事や就寝時間のリズムを保つことで体調が安定し、自然と日中の活動量も増え、就活に前向きに取り組めるようになるでしょう。加えて、生活リズムが整うと面接や勤務で求められる自己管理能力が身につき、社会復帰に向けた土台を作れるようになります。
ニートから就職を目指すといっても、いきなり大きな変化を起こそうとするのではなく、生活リズムを整えるような小さな習慣を積み重ねる意識を持っておきましょう。
2. 意識的に外出する
ニートとして長期間家にこもっていると、社会との距離が広がり続けてしまい、就活をしてもなかなか採用されない状況が続きかねません。したがって、意識的に外出する習慣を取り入れ、自ら社会と接点を持っていくことが重要です。
はじめのうちは散歩や買い物など簡単な行動でも構いませんので、人や社会と設定を持ち、少しずつコミュニケーションを取る感覚を取り戻していきましょう。外出を通じて得られる刺激は心身のリフレッシュにも繋がるため、就活のストレスを和らげることも期待できます。
外出という小さな行動でも継続することで、自己肯定感が高まります。小さな自信を積み重ねることで就活へのステップアップにも繋げられます。
3. 興味があることを見つける
自分の興味関心を広げることで、将来働きたい仕事を見つけやすくなるため、ニートを脱出するための前向きな気持ちが芽生えやすくなります。例えば資格の勉強やボランティア活動、オンライン学習などは自己成長を感じやすく、就活に取り組むための自信に繋がります。
加えて、興味を持った分野が将来の仕事選びに直結する場合もあり、キャリア形成のヒントを得られるなどの良い影響が期待できます。特にニート期間が長い場合は、無理にいきなり就活を始めるのではなく、自分の興味関心を仕事選びに染み出させていくことで、スムーズに就活をスタートさせられるでしょう。
4. 将来設計を考えてみる
将来どんな人生を歩みたいか考えることで、就職活動に真剣に取り組む動機付けとなるため、結果的に就職を実現させやすくなります。漠然と働くことだけを目標にするよりも、数年後の理想の生活を具体的に考えてみることで、今やるべきことが明確になります。
例えば「一人暮らしをしたい」「安定した収入を得たい」という将来設計を出発点にすれば、今やるべき就職活動や身に付けるべきスキルが見えてきます。
もちろん、大きな夢ではなく小さな目標でも構いませんので、自分自身のモチベーションを高められる要素を探し出す意識を持っておいてください。
5. 就職サービスに登録してみる
就職の経験がないニートが一人で就職活動を進める事は難しいだけでなく、誤った就活方法でブラック企業に就職するリスクが高まります。したがって、就職エージェントやハローワークといった就職サービスに登録し、就活に取り組んでいくことがポイントです。
就職サービスに登録することで、専門のアドバイザーが面接対策や求人の紹介をしてくれるようになりますので、効率良く社会復帰を流せるようになります。それだけでなく、キャリア面談を通じて自分の強みや弱みを客観的に指摘してもらうこともでき、納得のいく仕事選びが実現できるようになるでしょう。
第三者からサポートを受けることは決して甘えではなく、ニートから社会復帰するための有効な手段です。就職サービスは登録から利用まで全て無料ですので、ニートの就職支援実績があるサービスを見つけたら、まずは気軽に登録してみることをおすすめします。
ニートから就職を目指せるサービスの種類
ニートから就職を目指す際は、一人だけで悩みながら活動するよりも、プロから専門的な支援を受けることが効果的です。民間企業のサービスであれば就職エージェント、公的機関であればハローワーク、ジョブカフェなどが挙げられます。
これらのサービスを活用することで、幅広いサポートを受けながら安心して就職を目指せるようになります。ここからは、ニートから就職を目指せるサービスとして代表的なものを3つ取り上げて解説していきます。
1. 就職エージェント
就職エージェントは民間企業が運営するサービスであり、登録することで専任のアドバイザーが担当につき、就活準備から内定獲得まで丁寧なサポートが受けられます。登録後にはキャリア面談を行い、自身の希望や適性に合った求人を紹介してくれる点が特徴です。
それだけでなく、履歴書の添削や面接対策、就活スケジュール管理などもサポートしてくれるため、一人で就活を進めるよりも効率的に動けるようになります。特にニート期間が長い場合や、過去の経歴に自信がない人には、就職エージェントを使うメリットが大きくなります。
就職エージェントは民間企業が運営していますが、登録から利用までお金はかかりませんので、ニートの就職支援実績が豊富なエージェントを見つけて登録をしていくことから始めてみてください。
2. ハローワーク
ハローワークは厚生労働省が運営する公的な就職支援機関であり、就職を目指す人であれば、今まで働いたことのないニートでも無料で利用できます。求人検索だけでなく、職業相談や職業訓練、就活セミナーなど幅広いサポートを受けられるといった特徴があります。
ニートや社会人未経験者向けの相談窓口も設けられていますので、状況に応じたアドバイスを受けやすく、初めて就職活動に取り組む人でも安心して利用できます。
ただし、就職エージェントと異なり、相談に行くたびに担当者が変わってしまいますので、一環したサポートを受けにくいといった注意点があります。
同じ人に内定獲得までサポートしてもらいたい人や、自分の状況を一回一回説明することが面倒だと感じる場合は、就職エージェントの方がマッチしているでしょう。
3. ジョブカフェ
ジョブカフェは、各都道府県が運営する15歳から39歳までを対象にした就職支援サービスです。ハローワークと同じくキャリア相談や就活セミナーを受けられるだけでなく、実際の企業で就業体験できるといった強みがあります。
ニートやフリーターなど、これから正社員を目指す人が安心して相談できる機関であり、地元で働きたい人に向いています。一方、ハローワークと同じく一人の担当者が内定獲得までサポートしてくれるわけではない点は認識しておきましょう。
「ニートの原因」に関するよくある質問
将来ニートになりやすい人の特徴として、例えば自己肯定感が低く失敗を過度に恐れる人、対人関係で不安を抱きやすい人、計画性がなく将来のことを考えられない人などが挙げられます。また、親が過干渉で自律的な行動を取ってこなかったような人もニートになりやすいと言われています。
将来ニートになりやすい人の特徴を持ち合わせていたとしても、早い段階で自己分析を行い、自分の強みを伸ばして弱みを克服するといった意識を持って行動することにより、ニートになることを避けることも可能です。
大人が引きこもる原因は、必ずしも怠けによるものとは限りません。例えば、職場での人間関係や長時間労働による心身の疲弊、家庭の事情など、様々な要因が複合的に重なって引きこもりに繋がることが大変です。
他にも、就職活動の失敗や前職での経験によって自信を失い、「再び行動してもまた失敗するのではないか」という恐怖心を抱く人も少なくありません。大人の引きこもりは社会問題化しており、適切な医療支援や行政機関のサポートを受けることで改善に繋がることがあります。
そもそもニートは15歳から34歳までという定義が定められていますので、定義的には34歳までであればニートは許されると言えます。ただし、年齢を重ねるにつれて就職が難しくなっていくことを考えると、ニート期間は20代までに届けておくと良いと言えます。
特に30代を超えてくると、採用ハードルが上がるだけでなく、社会的な視線も厳しくなったり、親からの支援も受けにくくなってきますので、現実的に許されにくい状況になります。現在ニートの場合は、将来のことを考えて早めに行動を起こしましょう。
生命保険文化センターの調査によれば、失業している人が無職になった理由として最も多いのは、「より良い条件の仕事を探すため」となっています。他にも、「家事や健康上の理由」「雇用期間の満了」などによって無職になる人も多いのが実態です。
また、就職したいにもかかわらず、なかなか選考に通過できずに無職を続けているケースもあります。無職から脱出するためには、適切な就活方法を知った上で就職支援のプロからサポートを受けつつ、内定を目指していく行動が重要です。
就職をしたいものの何からしていけばいいか分からない場合は、無職やニートの就職支援実績が豊富なジェイックにご相談ください。
まとめ
ニートになった原因は人それぞれですが、多くは家庭や学校生活、友人関係、職場などでつらい経験をしたり、自信をなくしてしまったりしたことがきっかけではないでしょうか。
ニートという立場になったことで、さらに「自分には価値がない」と自らを追い込む負のスパイラルに陥っているケースもあります。
自分を責めることはやめて、これまでの人生をがんばって生きてきたことを認め、褒めることから始めましょう。
そこから、社会復帰に向けて少しずつ行動することをおすすめします。






当社の就職に関するコンテンツの中から、ニートの就職活動に不安を感じている方向けに、就活で困りがちなことを解決するための記事をまとめました。




































