

※1. 2018/2/1~2018/7/31の当社研修参加者の内、当社が把握している就職決定者の割合
※2. 2005/5/1~2020/4/30の弊社主催の面接会参加人数
※3. 調査期間:2021年9月17日~9月19日(日本コンシューマーリサーチ)
HSPな人に向いてる仕事とはどんな仕事でしょうか?
ストレスがかかりやすいHSPの方は合わない環境にいると「仕事したくない / 働けない」とまで思ってしまうこともあります。自分の特徴を理解して、適職を探すことが打開策につながります。
この記事では、HSPな人の性格の特徴に合わせた仕事の探し方や、おすすめの仕事を理由とともに紹介していきます。就職や転職をする際の参考にしてみてください。
この記事の目次
HSPの人が向いてる仕事を探すコツ

HSPの中には「向いてる仕事が分からなくて困っている」という人も多いようです。
その原因の1つに、HSPの特徴を活かせる仕事を理解できていないことが考えられます。HSPの人が向いてる仕事を探すコツが分かれば、自分に合った仕事や働き方を見つけやすくなるでしょう。
具体的には以下3つのコツがあります。
- HSPの特徴-DOES-を理解する
- 業界・業種ではなく職種や働き方で選ぶ
- ひとやすみする
まずは自分を理解し、どのような方向性で仕事を探すのかを考えてみましょう。それぞれ1つずつ解説していきます。
HSPの特徴-DOES-を理解する
はじめに「HSPの人はどのような特徴を持っているのか」を理解しましょう。一般的にHSPの人は「DOES(ダス)」という特徴をもっており、DOESとは以下4つの特徴の頭文字です。
- Depth of processing:物事を深く考えて行動する
- Overstimulation:過剰に刺激を受けやすい
- Empathy and emotional responsiveness:共感力が高い
- Sensitivity to subtleties:些細なことに気づきやすい
参考までに、HSPの人とそうでない人の違いを表にまとめると、以下のように分類されます。
HSPの人 | HSP気質でない人 |
---|---|
・内向的 ・静かな環境を好む ・衝動的な行動はしない ・冒険しない | ・外交的 ・深く考えず行動する ・衝動的な行動が目立つ ・変化があっても淡々と生活できる |
これらの特徴から考えると、HSPの人は仕事をするうえで「少しの情報で多くのことを考えられる」「環境の変化によって疲れやすい」といえます。HSPの人は、周囲の環境にとても敏感で、他の人が気づかないような些細な変化にも気づきます。だからこそ、職場でも気疲れしやすく、働きづらさや生きづらさを感じている方も多いです。
その反面、仕事に役立つ長所もたくさんあります。特に以下の長所はさまざまな仕事において役立つでしょう。
- 1つ1つの仕事を丁寧に進められる
- 危機管理能力が高い
- 想像力が豊かで、人の気持ちがよく理解できる
- 気配りが上手
DOESをよく理解し、HSPの特性を活かせる仕事選びをしていきましょう。
参考:「Book The Highly Sensitive Person」
業界・業種ではなく職種や働き方で選ぶ
仕事を選ぶとき、業界や業種を基準に選ぶ人も多いでしょう。インターネットで求人を検索しても、業界や業種から絞る方法が一般的です。
しかし、HSPの人は業界・業種に注目するよりも、職種や働き方を基準に選ぶことをおすすめします。先ほど紹介したHSPの特性上、仕事内容や働き方、職場の人間関係で働きやすさが大きく左右されるからです。
HSPの人は、仕事内容や周囲の環境が自分に合っていることで、必要以上に疲れない働き方ができます。例えば、営業職とプログラマーでは、適性が大きく異なります。営業職は人と話すことが中心の仕事ですが、プログラマーは人よりもパソコンと向き合うことの多い職種です。
職種によって働き方はある程度見えてくるので、どの職種がどのような働き方をするのかを知り、向いてる仕事を見つけていきましょう。
ひとやすみする
仕事を探すうえで、ひとやすみすることも大切です。HSPの人は、一つのことに対して打ち込んだり、熱中できる特性を持っています。反対に、いくつものことを同時に進めるマルチタスクが苦手です。
「微細な変化にも気づくことができる」「小さなことでも深く考え込んでしまう」という特性から、複数のことを同時に考えると頭も疲れ、ストレスを感じやすいでしょう。その結果、やっていることがどれも中途半端になり、満足する結果が得られない可能性があります。
複数のやるべきことを抱えている場合はひとやすみして、1つのことに集中できる環境を整えましょう。仕事探しに専念するためにも、他にやっていることを一旦止めてから始めるのがおすすめです。
HSPがストレスを感じやすい仕事の特徴3選

HSPの特徴、仕事を探すコツやストレスに感じやすいポイントを理解できたところで、次は「HSPの人がストレスを感じやすい仕事の特徴」を解説します。
具体的にいうと以下3つの特徴を持つ仕事は、HSPの人にとってストレスを感じやすい傾向があります。
- 目標達成が厳しい仕事
- 移り変わりの早い仕事
- 人との関わりが多い仕事
順番に、見ていきましょう。
①目標達成が厳しい仕事
HSPの人にとって、ノルマや目標達成に追われる仕事はストレスを感じやすいでしょう。ノルマや目標がある仕事は誰しもプレッシャーを感じますが、HSPの人は「物事に対して過剰に反応しやすい」という特性があるため、ノルマや目標が過度なプレッシャーに感じるのです。
目標達成が厳しい仕事の例としては「営業職」です。営業職は日々、契約やアプローチ数などの厳しいノルマや目標が課されています。そのような仕事を続けてしまうと、自分を追い込んで必要以上のストレスを感じたり、最終的には離職につながる恐れもあります。
②移り変わりの早い仕事
移り変わりの早い仕事も、HSPの人にはストレスを感じやすく要注意です。「物事を慎重に考えてから行動に移す」という傾向があるHSPの人は、人から仕事を催促されたり、自分のペースで進められない仕事においては、能力を活かしきれません。
例えば、せっかちな人に向いてる仕事として以下のものがありますが、これらはHSPの人からすると苦手と感じる人が多いでしょう。
- 飲食店スタッフ
- 営業職(スピーディーな事前準備が必要なため)
- 教師(やるべき作業が多く、マルチタスクになりがち)
ペースを乱されたり、スピード感を求められた状態で仕事を続けると、ミスが目立ったり、期日に間に合わないなどのトラブルが起こります。
③人との関わりが多い仕事
接客業など、人との関わりが多い仕事も、HSPの人はストレスを感じやすいです。
HSPの人は周囲に対して気を遣うことが多く、人との接点が多い仕事は常に気を張った状態になるので、必要以上に疲れてしまいます。他にも、大勢の人の中にいることもストレスに感じやすいです。具体的には以下の職種があります。
- ホテルやレストランのスタッフ
- 看護師
- 介護士
- 営業職
- エステティシャン
- アパレルショップ店員
- コールセンターのスタッフ
HSPの人は、このような人との関わりが多い仕事を続けると極度の緊張状態が続くため、集中力が低下してミスが増えるなどの問題につながります。
HSPが向いてる仕事の特徴3選
HSPの人は繊細であるために、様々な場面でストレスを感じやすいです。
しかし、思考力の深さや細かいことに気がつくなど、仕事に活かせる特徴もたくさんあります。HSPの人が向いている仕事の特徴は、以下の3つです。
- 精密さ、ち密さを必要とする
- 打ち込む力、創造性を活かせる
- 共感性を活かせる
以下、それぞれの概要と具体的な職種を解説します。
①精密さ、ち密さを必要とする仕事
HSPの人は「細かい部分に気がつく」という特性を持っているため、精密さやち密さが求められる仕事に向いています。1つひとつの仕事に丁寧に取り組むので、不注意によるミスが少ないことが最大の強みです。
具体的な職種としては、数字などの正確さが求められる「経理」や「事務」が挙げられます。周囲に対して人一倍配慮できるので、特に他の人のサポート的立場で働くことに向いているでしょう。
②打ち込む力、創造性を活かせる仕事
HSPの人は、打ち込む力や創造性を生かせる仕事にも向いています。なぜなら、感受性が豊かなうえに、1つのことに熱中できるからです。周囲へのアンテナが高く、情報収集なども得意なので、最新の情報が必要な業務に向いているでしょう。
具体的には、創造力や集中力が活かせる「プログラマー」や「製造業」などがおすすめです。これらは作業に根気強く取り組む姿勢が求められるため、HSPの人と相性の良い仕事と考えられます。
③共感性を活かせる仕事
HSPの人は相手の気持ちを察して気持ちに寄り添うことが得意なので、共感性を活かせる仕事もおすすめです。相手の話をじっくり聴くことができ、人間関係を丁寧に築ける強みがあります。
この特性を活かせる仕事は、生徒の気持ちに寄り添って教える「講師」や、大衆心理を理解して考える力が必要な「マーケティング」などが挙げられます。講師は共感力があることで学生や生徒からの信頼に繋がりますし、マーケティングは人の気持ちをよく理解することで、より大きな成果を出せる仕事だからです。
HSPな人に向いてる仕事10選

これまでの特徴を理解したうえで「HSPの人は、具体的にどのような仕事が向いているか知りたい」と考えている人もいるでしょう。HSPの人に向いてる仕事は、以下の10個です。
- 地方公務員
- 事務
- マーケティング
- プログラマー
- インフラエンジニア
- 在宅ワーク
- 講師
- 製造業
- 経理
- 大企業の一般職
それぞれの向いてる理由、仕事の特徴などを1つずつ解説していきます。もし「自分に向いてる仕事が分からない」と悩んでいるHSPの人は、以下の内容を読むことでヒントが見つかるかもしれません。
向いてる仕事1.地方公務員
地方公務員は、都道府県や市町村などの地方自治体に勤め、地域の生活を支える役割を担っています。具体的な業務は所属する部署や課によって異なりますが、共通するのは「地域住民が暮らしやすいように生活環境を整えたり、サービスを提供する」ことです。
地方公務員の特徴は以下の2つです。
- 達成に追い込まれる目標がない
- ルーティン業務が多い
先述の通り、HSPの人はノルマや目標達成に追われる仕事や変化の大きな仕事に弱く、ストレスを感じやすいです。地方公務員であればノルマや目標などもありませんし、ルーティン作業が多いので、HSPの人にも小さなストレスで働けるのではないでしょうか。
また、HSPの人は深く考えることが得意な反面、考え込んで疲れてしまうこともあります。しかし、イレギュラーな対応が求められる場面が少ないルーティン業務であれば、考えすぎてしまうことを防げる点も魅力です。
向いてる仕事2.事務
不特定多数の人と関わることが苦手なHSPの人には、PCを使った業務が多い事務職がおすすめです。事務職は主に、データ入力・文書作成・電話や来客応対などの業務を行います。事務の仕事には、以下2つの特徴があります。
- 仕事にマニュアルがあり、新しい仕事が少ない
- 細やかな仕事が喜ばれる
先ほどの地方公務員と同様、多くの仕事がマニュアル化されており、ルーティンワークを中心とした仕事ができます。新しい仕事も多くはないため、HSPの人が陥りがちな「考えすぎて疲れる」ことも少ないでしょう。
また、事務の仕事は正確さが求められます。1つひとつの業務を丁寧に取り組めるHSPの人には、向いている仕事といえるでしょう。
向いてる仕事3.マーケティング
マーケティングとは、商品やサービスが売れるような仕組みを構築する仕事です。そのため、市場調査から販売まで、全てのプロセスについて深く考える力が求められます。マーケティングの特徴は以下の2つです。
- 膨大な数値のデータを扱う
- 新しい施策を考えたり、共感力・発想力が必要になる
マーケティングではデータを細かく分析するため、正確性や緻密さが重要です。HSPの人は少しの情報からでも深く考えられるうえに、正確さを持ち合わせているので、マーケティングに向いているといえるでしょう。
さらにHSPの人は、共感力が高いことやクリエイティブなことが得意といった強みも持っています。顧客へ深く共感したり、アイデアから新しい施策に取り組める仕事という点も、HSPの人の強みを活かせるポイントです。
向いてる仕事4.プログラマー
プログラマーの主な仕事内容は、設計されたプログラムの仕様書に基づいて、システムが作動するようにプログラミングを行うことです。プログラマーには以下の2つの特徴があります。
- 人よりパソコンと接する時間が長い
- プログラムを書き上げる根気のよさが必要になる
HSPの人は、人と関わり続けると気疲れしがちです。そのため、人よりもパソコンと向き合う時間が長いプログラマーの仕事は、気疲れしやすい面をカバーできます。
また、プログラマーにはプログラミングのロジックを深く考える「論理的思考力」が必要です。その点もHSPの人は深く思考することが得意なため、向いているといえるでしょう。
プログラムは勉強しても、書き上げるまでには何度もエラーなどの問題に直面します。そのため、根気よく取り組む姿勢も重要ですが、HSPの人は「1つのことに熱中しやすい」という特徴も持っているので、強みを活かしやすいでしょう。
向いてる仕事5.インフラエンジニア
インフラエンジニアは、サーバーやネットワーク環境の設計や構築、運用保守を行います。業務を行うには、ITシステムの仕組みについて理解しなければなりません。インフラエンジニアの特徴は以下の2つです。
- ITサービスが成り立つ基盤の設計・構築・運用が仕事
- プログラマーの中でもさらに高度な知識や能力が必要となる
インフラエンジニアは裏方の仕事が多く、人との関わりも多くはありません。他の人から注目される機会も少ないため、HSPの人にとっては働きやすい仕事といえるでしょう。
HSPの人は1つのことに打ち込んだり、熱中することが得意です。特に、興味をもったことに対しては常に知識を収集したり、スキルを伸ばそうと努めます。そのため、ITに興味のあるHSPの人は、最新の知識や技術が求められるインフラエンジニアは向いていると考えられます。
向いてる仕事6.在宅ワーク
在宅ワークは、文字通り自宅で仕事をするので、人間関係の悩みも少ないですし、接客も行いません。在宅ワークの特徴は以下の2つです。
- WEBデザイン、プログラマー、ネットショップへの出品作業、経理、WEBライティング等々の仕事がある
- 人と対面で関わらない
在宅ワークでは、基本的にパソコンを使用します。人と対面で関わらないことが大きな特徴で「人と接し続けると疲れてしまう」といったHSPの人には、在宅ワークに向いている人も多いでしょう。また、在宅だと自分の仕事に集中しやすいため、物事に打ち込める特徴を持ったHSPの人には向いているといえます。
さらに近年はさまざまな仕事で在宅ワークができるようになり、向いてる仕事を選びやすくなっています。
向いてる仕事7.講師
講師は、学校や塾などで授業を担当します。生徒1人ひとりに合わせて個別の対応が必要不可欠です。講師の仕事には以下3つの特徴があります。
- 人とかかわることは多い
- 意外と繰り返しの業務が多い
- 面倒見のよさや人への貢献意識が大切
人と関わることは多いですが、HSPの人全員が「人と関わると疲れる」という気質を持っているわけではないため、あまりストレスを感じない人も一定数います。
また事務作業や授業の流れなど、決まっているルーティンワークも多いため、HSPの人にとって取り組みやすい仕事です。
生徒や保護者など、人と関わることの多い仕事ですが、相手に合わせた対応が求められます。この点も、共感力が高く相手に寄り添うことのできるHSPの人には向いているでしょう。さらに、HSPの人が持っている「人の役に立ちたい」という思いを活かしやすい点も向いていると考えられます。
向いてる仕事8.製造業
製造業とは、原材料を加工したり、部品を組み立てて製品を作って提供する仕事全般を指します。製造業の特徴は以下の2つです。
- 人とかかわることが少ない
- 単純作業から、専門的な仕事まで幅広い
基本的に製品の加工や組み立てを行うので、人との関わりは少ないです。そのため、対人関係におけるストレスは少ないでしょう。
単純作業から専門的な作業まで幅広いですが、多くの業務はマニュアル化されているため、新しいことを考える必要もありません。この特徴が「考えすぎて疲れる」といったHSPの特性をカバーできます。
HSPの人は1つのことに熱中できる職人気質な人が多いため、目の前の作業を淡々とこなすことが求められる製造業はおすすめです。
向いてる仕事9.経理
経理の仕事は、会社におけるお金の流れを把握し、数値化・管理することです。日々の売上・経費管理や給与計算など、お金に関すること全般を担っています。経理の特徴は以下の2つです。
- 数字の入力や計算など正確に行う
- 計画立てて遂行する必要がある
経理は決算や月末処理など、計画性かつ細かく数字を扱える力が必要です。HSPの人は正確さや緻密さを持っているため、正確な作業が求められる経理の仕事は向いているといえるでしょう。
他にも、経理の仕事は部署内で仕事を分担して進めることが多いので、協調性のあるHSPの人はトラブルなく仕事を進めやすい点もメリットです。
向いてる仕事10.大企業の一般職
大企業の一般職は、主に総合職のサポートを行う役割を担います。総合職が営業や開発など「利益に直結する仕事」をするのに対して、一般職はそれを支えるといった役割分担が一般的です。一般職の仕事内容は配属先によって異なりますが、書類作成や電話対応といった、事務系の仕事が中心で、以下3つの特徴があります。
- 配属部署のサポートがメイン
- 福利厚生等は充実
- 狭き門ではある
基本的には配属した部署のサポートを行う仕事であるため「人の役に立ちたい」「支えになりたい」といったHSPの人の適性を活かしやすいです。また、HSPの人は表に立つことは苦手でも、気配り上手や細やかな人が多いので、一般職に適している人が多いでしょう。
簡単に就けるポジションではありませんが、大企業は福利厚生等が充実しているため、働きやすい環境といえます。
まとめ:HSPな人が向いてる仕事を見つけるためには
「HSPの人に向いてる仕事」というテーマで、以下の内容を解説しました。
- 向いてる仕事を探すコツ
- ストレスを感じやすい仕事、向いてる仕事の特徴
- HSPの人におすすめの職業
あなた自身がHSPであるなら、まずは「自分自身が持っている特徴」を理解することが大切です。そして、持っている特徴を活かせる仕事を探しましょう。あなたに向いてる仕事は必ずあります。