大学卒業後、ニートに就職できずなってしまう方がいらっしゃいますよね。周囲の環境や個人的な理由など、大卒ニートとなってしまう原因は様々なことが考えられます。今回はここに焦点を当てて、その具体的な原因やどういった特徴の方がいるのか、その対策方法なども紹介していきます。
- あなたの「大卒ニートになる原因」はどれ?タイプ別に対処法を紹介
- 「大卒ニートから脱出する方法4選」を参考にして、現状から一歩踏み出してみよう
この記事の目次
大卒ニートになってしまったよくある原因
大卒ニートになる原因はいくつかのタイプに分けることができます。今回は、
- 大卒後に就職したが退職してニートになった
- 就職先が決まらずに大卒ニートになった
- 就職先があったが断ってニートになった
の3タイプに分けて、大卒ニートになった原因を探っていきましょう。
大卒後に就職したが退職してニートになった
大卒後、内定をもらった会社へ新卒で入社して退職したタイプです。社会人生活に慣れなかったり、入社した会社がブラック企業で体力的・精神的な負担が大きくなってしまったりして退職するケースが存在します。
このような場合、会社で働くということに苦手意識・抵抗感が生まれ、その後の就職活動に気持ちが向かない可能性があります。さらに、正社員への就職だけでなく、アルバイトやパートといった仕事へも就きづらい精神状況へ陥る方もいます。
他にも、自分が理想としていた仕事内容と異なっていたり、自分が思っていたよりも仕事ができなかったりと、理想と現実のギャップに耐え切れないことでやめるケースも少なくありません。もし今現在、就職活動を行っている方は、入社する予定の会社の評判や実際に働いている方の話を聞いておきましょう。労働環境を確認しておくことで、これらの状況を回避することができます。
就職先が決まらずに大卒ニートになった
このタイプは大卒ニートになってしまう原因の中でも、特に多いタイプです。大学在学中に他の学生達と同じ時期に就活を始めたにも関わらず、内定をもらうことができない方がいます。就職活動において、書類選考が通らなかったり、何度やっても面接が苦手で上手くいかなかったり、といったことでやる気を無くしてしまうため、内定が無い状態で卒業してしまいます。
そして、まだ時期的に余裕がある、という理由でしばらく休んでから再開しようと考えていても、過去の失敗を思い出してしまい就活を始められなくなってしまいます。こうした状況から大卒ニートになることがあります。気分転換をするなどして、気持ちを切り替えることでやる気やモチベーションを維持することが大切です。
就職先があったが断ってニートになった
大学在学中に数社の会社から内定をもらったにも関わらず、その内定をもらった会社が第一志望ではないという理由で内定を辞退して、そのまま大卒ニートとなってしまいます。このタイプは、自分がやりたい仕事へのこだわりが非常に強く、それ以外の仕事ではやりがいを見出すことができない方に多い傾向があります。
諦めずに続けることは大事ですが、早いうちに働きたいと考えている場合は折り合いをつけて、別の職業へ就くことを検討してみましょう。新卒で目標の仕事に就けなかったとしても、社会人としてのスキルを身につけて、将来的に目標を達成することもできます。
大卒ニートになりやすい人の特徴とは?
大卒ニートになる方にはそれぞれ特徴があり、原因と共に理解しておかなければ対策が難しくなってしまうので、確認しておきましょう。
性格が真面目すぎる
まず、大きな特徴として、性格が真面目すぎるという特徴が挙げられます。この性格の方は、子供の頃から勉強やスポーツにおいても失敗してはならない、という意識が強い傾向にあります。
失敗することで誰かに迷惑をかけてしまったり、自分自身が大変な思いをしてしまったりするのではないか、という考えが先に思い浮かんでしまうことはありますか?ネガティブな考えが先行して、挑戦への一歩を踏み出すことが難しくなることがあります。そのため、就職活動においても、面接や入社試験での失敗を恐すぎて、身動きが取れなくなってしまうのです。
こうなってしまうと、自分の本当の力を面接や選考会で発揮できなくなり、就職活動中の失敗が積み重なってやる気をなくしてしまうかもしれません。
しかし、真面目という特徴は、考えて慎重に行動できる、ということでもあります。上手くこの特徴を活かすことで、履歴書や面接では長所としてアピールすることもできます。
コミュニケーションが苦手と思い込んでいる
次に挙げられる特徴はコミュニケーションが苦手、ということです。人と上手くコミュニケーションが取れないことで人間関係を築くことが難しく、職場に居づらくなって退職する方がいます。また、多くの企業で求められる人材の要素の一つとなっているのがコミュニケーション能力です。面接においてこの点を重視している場合、内定までの道のりが遠ざかってしまう恐れがあります。
さらに、コミュニケーションが苦手という方は、相談できる友達が少ない傾向もあり、就職活動が上手くいかない時に誰かに相談してアドバイスをもらう、ということも難しくなってしまいます。失敗したことを一人で抱えていると、就職活動へ恐怖心を抱くこともあるので、気軽に話のできる人が近くにいることは大切です。
親が面倒を見てくれるから就職に意味を見いだせない
親が生活の保護をしてくれることも大卒ニートの特徴となっています。親が高所得者であることにより、生活が保護され、働く理由と学ぶ理由を見いだせないケースがあります。親の収入があることで、自立する必要がないと感じる他、消極的な人の場合は社会でのプレッシャーや悩みといったストレスに耐えながら働こうとは考えづらくなってしまいます。
しかし、養ってくれる人がいなければ、自分が働いて稼がなければならないので、ニートになる可能性は低くなります。あえて親元を離れることも大切なことです。
挫折の経験がない
これまで挫折の経験がないことも大卒ニートの特徴の一つです。大学に入学するまで大きな挫折もなく過ごしてきた人の場合、就職活動で初めての挫折を経験すると、何が悪いのか分析できないことがあります。失敗している原因がわからないため、改善点を見出すことができず、就職できないことで大卒ニートとなってしまいます。
また、就職できたとしても思ったように仕事が進まず、どうすれば良いかわからないまま精神的に負荷がかかりすぎ辞めていくケースもあります。これまでの人生で挫折を経験したことが無い人は打たれ弱い側面がある場合が多くあります。大人になってから初めての挫折を味わうと精神的なダメージが大きく、気分が落ち込んでしまいます。
他には、面接に落ちることで自己否定される気持ちになったり、親や学校の先生に叱られたことが少ないのに会社では上司に怒られることが多くなったりすると、これまでの人生で持っていた自信を無くしてしまい、社会へ恐怖心を抱く恐れがあります。
すぐに気持ちを立て直すことができれば問題ありませんが、そのまま長い期間、社会へ出られない方もいるので注意が必要です。
他人への関心が薄い
他にも、他人への関心が薄いという特徴もあります。この特徴は友達が少ない、承認欲求が低いといった社会から遠ざかっている方が該当します。
例えば、友人関係が広く恋人もいる人の場合、ニートになってしまうことで周りの目が恥ずかしかったり、恋人に見捨てられてしまうのではないか、といった考えが頭をよぎったりして働こうという意識へ繋がります。
逆に友人が少ない、もしくは、いない場合は働いていないことへの関心が薄くなり、就職しようというモチベーションの維持が持ちづらくなってしまいます。さらに、誰かから認められたいと強く思っている人は、仕事において良い成果を発揮して上司や同僚から認められようと行動を起こしやすいです。承認欲求が低いままでは、やる気が出づらくなり、自分の能力を完全に引き出すことも難しくなってしまいます。
しかし、この特徴は自分自身に関することは深く考えられるというメリットでもあります。考え方を変えて行動することも大切です。
※. 2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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就職支援会社を利用する
1つ目は、就職支援会社を利用する方法です。就職支援会社では、就職するために必要な様々なサポートを受けることができます。サポート内容は会社ごとに異なりますが、多くの会社では専任のコンサルタントによる求人紹介や面接対策、履歴書等の応募書類の添削といったことを行ってもらえます。
求人紹介に関しては、これまでの職歴がなかったり、精神的な病気で働いていなかったりした期間がある方に対応した求人を紹介してもらうことができます。さらに、面接対策では具体的なノウハウや、成功までのプロセス等も教えてもらえます。
また、就職支援会社によっては、一般の求人案内では掲載されていない、独占求人案内や非公開求人等も扱っています。
そのため、これまで見つけることができなかった企業の求人や、自分に合う好条件な求人を見つけられる可能性があります。
専任のコンサルタントは就職先が決定するまで、就職活動をサポートしてくれるので、大卒ニートの方にとって心強い味方です。他にも、就職活動中に出てきた悩み、不安といった相談の受付を行っている就職支援会社も存在します。
どのような相談でも丁寧に対応してもらうことができる他、相談内容に応じたキャリアプランを提案してくれることもあります。就職活動を始める前から、ネガティブな感情を抱えていたり、不安な気持ちを抱えたりしている場合でも、就活支援サイトを利用することで改善に導くことができます。
NPO法人や自治体が運営している団体に相談
2つ目は、ニートを専門に社会復帰を支援している団体へ相談する方法です。
支援団体にはいくつかの種類がありますが、主にNPO法人が運営している団体か自治体に設けられている団体です。多くの団体で行われている就職へのサポートは、個別相談からセミナー、職業体験等があります。個別相談では、専任のスタッフへ抱えている悩みや不安、疑問などを相談することができ、今後どのように就職活動していくべきか、アドバイスをもらえます。
さらに、施設へ本人が足を運ぶだけでなく、場合によってはスタッフに家庭訪問してもらうこともできます。相談した後のサポートとしては、ビジネスマナーを学べる講座やコミュニケーション力を鍛える講座など豊富な種類のセミナーを受講したり、セミナーで学んだことを活かす職業訓練をしたりします。これらの工程を経て、ハローワークの利用方法や求人の探し方等を教えてもらうことが可能です。
また、具体的な支援団体としては、多くの大卒ニートの方が利用している地域若者サポートステーショというところがあります。これは行政から民間へ委託された団体で、全国各地に設置されています。基本的な支援内容は他の支援団体と同様の内容になっていますが、行政から委託されていることもあって、ほとんどのサポートが無料で受けられます。
利用する際の注意点として、求人情報を案内できる施設ではないため、求人を探すのは自分で行わなければなりません。大卒ニートから抜け出すには原因をはっきりさせることが大切ですが、自分がなぜニートになっているのかわからない方が多くいます。
しかし、ニートを対象に数々の支援を行ってきた専門家であれば、原因と対策を知ることができる可能性があります。何から行動を起こせばいいかわからない場合は、支援団体を頼ってみることも検討してみましょう。
資格を取得する
3つ目は、就職に有利な資格を取得することです。自分が就きたい職業に関する資格の取得を目標にしましょう。
目標を設定するのは、モチベーション維持や、やる気を出すには大切なことです。さらに、どのようなスキルが必要なのかも調べてリストアップしておき、資格の勉強と同時に行うことで効率良く就職活動を進めることができます。
ただし、あらゆる資格を取得しようとしすぎると、勉強に集中できなくなる恐れがあるため、必要最低限の資格に絞って勉強を進めましょう。
職業訓練としてのボランティア活動
4つ目は、ボランティア活動に参加することです。この方法は、いきなり仕事を始めることに抵抗がある方が職業訓練の一環として行う方法となっています。
会社へ入って仕事を続けられるか不安、人と話すのが苦手といった場合、ボランティア活動であれば自分の好きなタイミングで始められ、人とコミュニケーションを適度に取る練習ができます。さらに、ボランティア活動の内容は様々で、自分の知らなかったことに触れられるチャンスとなっています。
ボランティア活動を通じて、自分のやりたいことが見つかるきっかけを作れる可能性があります。また、履歴書に書くアピールポイントが思い浮かばない方や、面接で何を話せばいいかわからない方にとっては話のタネとして利用できます。
さらに、面接においてはボランティア活動に従事していた、というアピールポイントは好印象です。
誰でもつまずくことはあるので、大卒ニートから脱出して就職しよう
大卒ニートになる原因は、主に気持ちの面でネガティブになることが多いことにあります。
しかし、このような気持ちになった時は、誰でもうまくいかないことはある、という風に気持ちを切り替えて前向きに就職活動へ取り組むことが重要です。また、一人では解決できない悩みや不安を抱えている時は専門家の力を借りて、現状を変える方法があります。
専門家は様々なケースに対応してきた経験と知識を持っています。自分では気がつかない欠点や改善案を出してもらうことができるため、積極的に利用しましょう。
※. 2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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