相談満足度90.0%の『就職カレッジ®』はこちら ▷

35歳以上のニートが就職するには?難しいと言われる理由も解説

35歳以上のニートの就職は厳しい?就職成功のポイントも解説

35歳以上ニート状態にある人が就職するには、早めに行動に移し、自己分析を通して強みを理解することが大切です。

30代後半を過ぎると就職難易度が高まり、無職期間が長いほど不利になりやすいため、できるだけ早く就職活動を始めましょう。

この記事では、ニート状態にある35歳以上の就職が難しいと言われる理由とともに、就職成功のポイントも紹介します。

「35歳以上のニートは呼び方が変わるの?」という疑問にも答えていますので、参考にしてみてください。

記事のPoint
  • 35歳を境に「若年無業者」いわゆるニートから、「中年無業者」と呼び方が変化
  • 35歳以上のニートの就職が難しいのは、「教育のしづらさ」など会社側の理由と、「プライドの高さ」などニート側の理由にあり
  • 35歳以上のニートが就職を成功させるために、未経験OKの仕事探し、エージェントの活用がおすすめ

ニートの定義

厚生労働省はニートを「15〜34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方」(※1)と定義しており、「若年無業者」という言葉もほぼ同じ意味で使用されています(※2)。

非労働力人口とは「15歳以上の人口のうち、就業せず、かつ何らかの理由で求職活動もしていない者」(※3)のことで、次のような人が当てはまります。

  • 何らかの理由で働かない若者
  • ケガや病気で働けない人
  • 専業主婦
  • 定年退職後の高齢者

分かりやすく表現すると、日本におけるニートとは「15〜34歳の若者のうち、家事や通学をせず、働く意志がない人」と言えるでしょう。

※1 出典:厚生労働省「よくあるご質問について|その他 Q.ニートの数はどのくらいですか。また、ニートの定義は何ですか。
※2 出典:総務省統計局「16A-Q10 ニートの人数
※3 出典:総務省統計局「統計Today No.97|非労働力人口における就業希望者が望む雇用形態

35歳以上のニートは呼び方が変わるの?

ニートの定義

「35歳以上のニートは呼び方が変わる」と聞いたことがある方も多いでしょう。

実はこれは正解で、そもそも“35歳以上のニート”という言葉自体、正確な使い方ではないのです。なぜかというと、ニートは「15〜34歳」を対象とした言葉だからです。

つまり35歳以上は「15〜34歳」という年齢条件から外れるため、ニートとは呼ばれません。

では、35歳以上で「家事や通学をせず、働く意志がない人(“ニート状態”にある人)」は呼び方がどう変わるかというと、社会的には「中年無業者(中年ニート)」と表現されることが多いようです。

35歳以上は「中年無業者」と呼ばれることが多い

35歳以上で“ニート状態”にある人は、日本では「中年無業者」と呼ばれることが一般的です。

厚生労働省発表の「労働経済の分析」では、中年無業者を次のように定義しています(※1)。

中年無業者:若年無業者の年齢要件を35~44歳にしたもの

つまり若年無業者(≒ニート)と同じように、家事や通学をせず、働く意志がない35〜44歳を指す言葉として「中年無業者」という表現が使われているのです。

ちなみに定義上は35歳以上はニートではありませんが、イメージしやすい呼び方として、“ニート状態”にある35〜44歳は「中年ニート」と呼ばれることもあります。

※1 出典:厚生労働省「平成24年版 労働経済の分析 -分厚い中間層の復活に向けた課題-|中年化する無業者」p.147
※2 出典:総務省統計局「16A-Q10 ニートの人数

ニートを「34歳以下」とした理由

ニートとは「15〜34歳の若者のうち、家事や通学をせず、働く意志がない人」を指す言葉ですが、なぜ“34歳以下”と定義されているのでしょうか?

その理由は、若者の就職問題について議論するときに「30代前半まで」を対象とすることが多かったからです。

実際、ニートの若者について調査した報告書でも次のように説明されています(※)。

年齢を34歳以下とした理由は、最近の若年就業問題では30代前半までを視野に入れていることが多く、それとの整合性を確保するためであった。

引用:財団法人 社会経済生産性本部(厚生労働省委託)「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書(平成19年3月)|3.ニートの類型化と試算」p.63

このような背景から、日本では“34歳以下”という年齢でラインを引いているのです。

ニートと似た言葉の違い

ニートと似た言葉として、無職、引きこもり、フリーター、家事手伝いがありますが、それぞれ定義や意味が異なります。

たとえば同じ働いていない状態でも、ニートは「働く意思がない15〜34歳」を一般に指すのに対し、無職は「定職に就いていない全ての人」を指します。

ニートと似た言葉一般的な定義
ニート非労働力人口のうち、家事も通学もしていない15〜34歳
無職定職に就いていない全ての人(年齢は問わない)
引きこもり社会的参加(就学・就労・交遊など)を避け、原則6か月以上にわたって家からほとんど出ない人
フリーター学生と主婦を除く15~34歳のうち、勤め先で「アルバイト」「パート」と呼ばれている人
家事手伝い家庭や個人の求めに応じ、調理・洗濯・掃除・介護などを行う人

ニートと失業者の違い

ニートと失業者の一番の違いは、就職の意思があり、就活しているかどうかです。

以下の表にまとめたので、参考にしてください。

名称意味
失業者就職する意思があり、就活中の人
ニート就活をせず、家事や通学もしていない人

失業者の定義は、以下3つを満たす人です。

  • 現在仕事はなく、調査期間中に労働しなかった人
  • 仕事があればすぐに就労できる人
  • 調査期間中に求職活動をしている人

失業とありますが、ニートとは異なるため注意してください。

ニートと無職の違い

ニートと無職の違いは、就職に向けた「意識の差」にあります。

まずニートは「働く意思がない人」を指す言葉です。そのためニートに該当する人は、就職に向けた行動などを基本的にはおこなっていません。

一方で無職に関しては、一般的には「働きたくても仕事が見つからない人」を指します。たとえば会社をリストラされてしまい、自分の意思に反して仕事がなくなってしまった人が無職と呼ばれますが、こうした人はニートと違い、働く意思を持っていることは多いものです。つまり働く意思のあるなしによって、両者は区別されています。

ニートと引きこもりの違い

ニートと引きこもりの大きな違いは、社会との交流があるかどうかです。

引きこもりは、さまざまな要因から社会との交流を回避し、おおむね6カ月以上家に留まる状態を指します。要因は、いじめなどの精神的ストレスやうつ病が挙げられます。

ニートは、就労する意思の有無が問われるのに対して、引きこもりは社会的つながりの有無が判断基準です。

ニートと引きこもりは別物であり、引きこもりはニートの基準を満たす場合もあります。

ニートとフリーターの違い

フリーターはアルバイトやパートなど、現在就職している状態の人を指します。

ニートは就職しておらずかつ、就職する意思のない人を指すため、ニートとフリーターは意味が大きく異なります。

また、フリーターは雇用形態がアルバイトまたはパートの人です。正社員や派遣社員の方は、フリーターに含まれないため注意してください。

フリーターでの社会経験は、正社員を目指すうえで大きなアピールポイントになります。ニートとフリーターの違いを適切に理解しておきましょう。

ニートと家事手伝いの違い

ニートと家事手伝いの違いは、家庭の炊事、掃除、介護などを日常的に行っているかどうかです。

具体的に家事手伝いは、両親の介護をしたり、両親が仕事で家事ができないため、代わりに家事をしたりする人を指します。一方、ニートは家事をしていないことも条件の1つに含まれます。

他にも、結婚前の準備として家事手伝いをする方もいるでしょう。

家事手伝いは、家族を支えるためなど目的を持って行動している人がいるのも、ニートとの違いとして挙げられます。

35歳以上のニートの人口

35歳以上のニート人口は、総務省集計局が2022年に公表した「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均」によると約36万人です。

ピーク時である2012年、2013年、2015年は約44万人いましたが、2016年以降は減少傾向にあります。また、人口における35歳から44歳のニート人口の割合は、2012年から2022年まで2.3〜2.4%の間を推移し、ほぼ横ばいの状態です。

35歳以上のニートの就職が難しいと言われる理由

ニート状態にある35歳以上(中年無業者)の就職が難しいのは、企業から不安視されることが大きな理由といえます。

長期間働いていない人に対し、企業によっては「働く意志が弱いのでは?」というネガティブな印象を持つことがあります。30代後半になると考え方が固まりやすいため、「教育や指導をしづらい」と感じる企業も少なくありません。

一方で、本人の側にも課題があります。たとえば「自分なんて就職できるはずがない」といった気持ちや、年下と一緒に仕事を進めることへの抵抗感から就職活動に消極的になってしまう35歳以上も多いのです。厳しい現状が見えてきます。では、その原因について具体的にみていきましょう。

1. 長期間働いていないことへの疑問・不安が大きい

ひとつ目の原因として挙げられるのが、長期間働いていないことへの疑問・不安です。

35歳以上のニートのなかには、高校や大学卒業後に一切働いた経験がない、または働いたとしてもすぐに辞めてしまい、そのあとはずっとニート、といった人が少なくありません。

こうした人に対し、企業は「働く意思がないのかな」と疑問を感じたり、「ウチで働いてもすぐに辞めてしまうのでは」「人間関係がしっかり築いていける人なのかな」と懸念を覚えたりします。これは一種の偏見でもありますが、こうした理由からニートの採用に二の足を踏んでしまう企業は多いのです。

2. 教育しづらい

教育のしづらさも、企業が35歳以上のニートの採用を見送る原因のひとつです。

たとえば20代前半の場合、まだまだ社会を知らないことが多く、こうした世代は企業の理念や仕事の手順などを柔軟に吸収してくれる傾向にあります。そのため企業としては教育がしやすく、少しくらいの空白期間があったとしても、こうした柔軟性を買って採用するケースは多いのです。

一方で30代、特に30代も後半に差し掛かった人は、すでに自分なりの価値観が確立されています。固定観念が強い人、いわゆる「頑固」な人も多く、企業から与えられる指示に対してあからさまに不服な態度をとるケースも見られます。そして35歳以上のニートを採用する場合、年下の20代が40代を指導する、といったケースも珍しくありません。

すると、企業としては35歳以上のニートを「扱いづらい人」と感じてしまうことがあり、結果として「教育がしにくい」といった理由から採用を見送る場合があるのです。

3. 未経験OKの正社員求人が減る

企業は35歳以上の正社員採用にあたって「即戦力として働けるかどうか」を重視するため、未経験から応募できる求人が減っていきます。

10代後半〜30代前半の場合、将来性や柔軟さに期待して教育コストをかける企業も多く、若手人材を対象とした「未経験OK」の求人も多く見られます。

一方、30代後半になると一定の仕事経験を積んでいるとみなされるため、一から育成するよりも「専門スキルや実務経験を持つ人」を求める企業が増えるのです。

このように未経験採用では内定を取りにくくなることも、ニート状態にある35歳以上の就職が難しいと言われる理由です。

4. 就職できないと思っている

ニート状態になると自信を失いやすいため、「自分はどうせ就職できない」と感じてしまう35歳以上の人も少なくありません。

フリーターから再出発する場合でも、アルバイト先の「正社員登用制度」を受けるなど、正社員として働ける可能性は残されています。

一方で、はじめから「自分なんて無理だ」と悲観的に考えると就職活動への意欲が湧かず、年齢が上がって就職がさらに難しくなってしまう…という結果につながりかねません。

このように“自信のなさ”によって自分自身で行動を止めてしまうことも、ニート状態にある35歳以上の就職が難しいと言われる理由といえるのです。

5. プライドが高い

プライドの高さも、35歳以上のニートが就職しづらい原因の一つです。

たとえば、いざ働くことになった場合、おそらくはじめは基本的な仕事がメインになります。すると同時期に入社した新卒社員や、20代前半の同僚と机を並べ、業務にあたることも考えられるでしょう。このとき「仕事経験が少ないから仕方ない」と割り切れる人は、置かれた状況でも頑張り切れるものです。一方で「年上の自分が、こんな若い世代と一緒の仕事をするなんて」と考えてしまう人の場合には、そのプライドの高さが邪魔をして、仕事に集中できず、イライラばかりが募っていってしまうことでしょう。

特に30代の後半にもなると、一回りも離れた20代と仕事をすることに強い抵抗感を覚えてしまう人は少なくありません。そのため、プライドが傷つけられることを内心で恐れ、就業に踏み切れないニートが多いのです。

6. 利用できる就職サービスが減る

就職支援サービスによっては年齢制限を設けているため、35歳以上になると一部の公的・民間サービスが使えなくなります。

たとえば正社員就職を目指す若者の支援に特化している「わかものハローワーク」は、概ね35歳未満を対象としています。

同じく若者の就職を支援する「ジョブカフェ」も、基本的には34歳までの利用に限定しています。

通常の「ハローワーク」や「転職エージェント」は35歳以上でも利用可能です。ただし、若年層向けに特化したサービスに比べると未経験OKの求人の紹介が少なくなるなど、こうした理由から就職に苦労する35歳以上も多いのです。

35歳以上がニートであり続ける7つのリスク

35歳を超えてもニートの状態が続くと就職が難しくなるだけでなく、「信用が得られなくなる」「親の経済的な援助を受けにくくなる」といったリスクも生まれます。

人との交流が減ることで社会的に孤立し、コミュニケーション力が下がることも大きなリスクの一つです。過去に身につけた知識やスキルが時代遅れとなり、就職活動で評価されなくなる恐れもあります。

収入がない状態が続くと将来受け取れる年金額が減る、40歳を超えると無職であっても介護保険料の支払い義務が発生するなど、金銭的なリスクが高まることも知っておきましょう。

1. 信用が得られなくなる

収入がないと社会的な評価を得にくいため、無職期間が長引くと信用を失いやすくなります。

信用は、一般に「安定した収入や継続的な勤務実績」によって生まれます。そのため35歳以上で収入がないと、経済的・社会的な信用を十分に得られません。

この場合、クレジットカードの審査や賃貸契約が通りにくくなるなど、生活の面で不便さを感じる可能性があるのです。

このように35歳以上でニート状態が続くと、信用の面で不利になりやすいことは理解しておきましょう。

2. 親の経済的な援助を受けにくくなる

年齢を重ねるにつれて子供を養う余裕がなくなる家庭は多いため、ニート状態が続くと生活が立ち行かなくなるリスクがあります。

あなたが35歳以上であれば、親は定年を迎えているか間近に迫っているでしょう。定年後は収入が減りますし、高齢の親が病気になったり、介護が必要になったりすると医療費や介護費用が家計を圧迫します。

このように年齢が上がるほどリスクが高まるため、35歳以上でニート状態が続くと親からの援助を受けにくくなるのです。

3. 社会的に孤立していく

ニート状態になると交流が減るため、孤独感をさらに強く感じる恐れがあります。

35歳以上になると学生時代の友人が結婚したり、仕事で役職に就くなど環境が変わったりして、20代の頃のように気軽に集まる機会も少なくなるでしょう。

その結果、「自分だけ取り残されている」と感じて自己肯定感が下がり、不安や抑うつといった精神的な問題を抱える35歳以上の人も少なくありません。

そして自宅に引きこもり、ニート状態が慢性化してしまうケースも多いのです。

4. コミュニケーション力が下がる

会話するのが家族だけ、または全く話さない状況が続くとコミュニケーション力が下がっていきます。

仕事はチーム作業が多いため、周囲のメンバーと円滑にやり取りする力は欠かせません。そのため面接でも「コミュニケーション力の高さ」は重要な評価項目となっています。

しかしニート状態が長引くとやり取りに苦手意識を感じ、緊張してうまく話せない人も少なくありません。結果として面接の評価が下がり、就職がさらに難しくなってしまうのです。

5. 過去の知識やスキルが陳腐化する

技術や手法が数年で変わることは珍しくないため、ニート状態が長引くと、これまで身につけてきた知識やスキルが使い物にならなくなるリスクもあります。

たとえば5年前にIT企業で働いていた40歳の方が、再就職にあたって当時のスキルをアピールしたとします。しかしIT業界は技術革新のスピードが速いため、数年前は主流だったスキルが評価されないケースも多いのです。

このように“スキルの陳腐化”によって、就職難易度が高まることも理解しておきましょう。

6. 将来受け取る年金が少なくなる

ニート期間中に国民年金保険料を払っていない期間がある場合、将来受け取れる年金額が減ってしまいます。

国民年金は、基本的には一定額の保険料を毎月納めることで、その納付期間に応じた年金を受け取れる仕組みとなっています。この場合、収入がないことで保険料を支払えないと、その分だけ受給額が少なくなってしまうのです。

また、会社勤めの人が入る厚生年金はニート状態では加入できないため、老後に十分な年金を手にできない可能性もあります。

年金だけでは生活できないと老後も働き続ける可能性があるなど、経済的なリスクが高まる点も理解しておきましょう。

7. 介護保険料の支払いが始まる

40歳から介護保険料の支払いが始まるため、35歳以降も収入が少ない状態が続くと経済的にさらに困窮する恐れがあります。

原則として40歳以上65歳未満の国民全員が介護保険料を納める必要があり、無職でも支払い義務があります。

親の扶養に入れば自分で保険料を払う必要はなく、前年度の収入がゼロの場合は保険料は低めです。とはいえ親の扶養に入っていない人や、親が退職している場合などは自分で支払わなければなりません。仮に滞納を続けると、延滞金や財産の差し押さえといった厳しい措置を受ける可能性があることも覚えておきましょう。

35歳以上のニートが社会復帰を目指すためのポイント7つ

ニート状態にある35歳以上の人が社会復帰を目指すには、まずは自分が本当に働ける状態かどうか見極めることが大切です。そのうえで、生活習慣を整えたり、体を動かす習慣をつくったりして「働くための基盤」をつくりましょう。

生活リズムが安定し、気持ちが少しずつ前向きになってきたら、親と話す時間を増やしたり、ボランティアに参加したりして“人と話す感覚”を少しずつ取り戻していきましょう。

世の中の出来事に関心を持ち、資格やスキルを身につけること、そして短期のアルバイトや派遣から段階的に始めてみることも社会復帰に向けた大切なポイントです。

1. 本当に働ける状態なのか知る

まずは、本当に働ける状態なのか確認しましょう。

心身が健康ではじめて労働できるからです。確かに就職は早めの行動が大切です。しかし、健康状態に問題があるままでは、納得いく就活ができません。

心身の状態に少しでも不安がある方は、病院で受診するのが先です。無理して就活を始めてしまうと、かえって悪化する恐れがあります。

心身が不調になると、就職するまでにさらに時間がかかるでしょう。少しでも早く社会復帰するためには、心身ともに健康であることが重要です。

いきなり就活を始める前に、就活できる健康状態なのか確認しておきましょう。

2. 今までの生活習慣を見直す

今までの生活習慣を見直すことは、社会復帰に必要なポイントの1つです。

フルタイムで働く場合、多くの職種で9〜18時で勤務することになります。日中に高いパフォーマンスを発揮するため、生活習慣を整えることが重要です。

ニート生活が長くなると、昼夜逆転生活になる人もいます。日中に眠いと面接に参加しにくくなるでしょう。

また、食生活も同時に見直してください。栄養バランスの乱れは、心身の乱れにつながります。

社会復帰を目指す方は、生活リズムを見直し、良い状態で就活ができるようにしましょう。

3. 散歩などで身体を動かす

社会復帰には、散歩などで身体を動かすことも効果的です。

家にいる時間が増えると運動する機会が減少します。その結果、運動不足になり生活リズムが崩れたり、体内時計が狂ったりします。

運動は、健康的な心身を支えるためにも重要です。社会復帰したい方は、運動も併せてしましょう。

最初からハードな運動は、挫折の原因にもなり継続が困難です。近所を散歩したり、近くのスーパーまで歩いたりするのがおすすめです。

慣れてきたら、ジョギングやジムに通うことも視野に入れてみてください。軽い運動から開始して、健康的な身体を手に入れ、就活を効果的に進めましょう。

4. 周囲とコミュニケーションを取る

4つ目のポイントは、周囲とのコミュニケーションを取ることです。

コミュニケーション能力は、就活で重要視される項目の1つです。ニートになり自宅で過ごす時間が増えると、社会との交流が減少します。その結果、コミュニケーションを取る必要がなくなり、面接だけでなく社会に出てからも周りとコミュニケーションを取れずに困ってしまう可能性があります。

コミュニケーションに不安を感じる方は、家族との会話から始めてください。慣れてくれば、ボランティアに参加したりアルバイトを始めたりすることで、必然的に会話が発生します。

上記の経験は、面接での話題にもなるため少しずつ取り組んでみてください。

5. 世の中で起きていることに関心を持つ

世の中で起きていることに関心を持つことは、社会復帰のために大切です。

エントリーシート(ES)や面接で時事問題が出題される可能性があります。本番で焦らないためにも、世間に興味を持つ習慣を身につけておきましょう。

テレビやSNS、新聞など情報を入手する方法は多岐にわたります。1つの媒体からの情報では偏りが生まれるため、注意してください。

複数の媒体から情報を獲得することで、さまざまな視点からの意見が学べます。そのうえで自分の意見として考えを持っておきましょう。

社会復帰したい方は、世の中の出来事に関心を持つことをおすすめします。

6. 資格取得やスキルを身につける

仕事への意欲や熱意を示すうえで“強力な武器”になるため、社会復帰を目指す35歳以上の方は資格取得やスキル習得にも目を向けてみましょう。

35歳以上は「即戦力」としての働きが求められるため、以下のように実務に直結する資格やスキルを選ぶのがおすすめです。

資格・スキルおすすめポイント
宅地建物取引士(宅建)宅建士しかできない独占業務や、事業所ごとに設置義務もあるため不動産業界で高く評価される
介護職員初任者研修介護業界は人手不足が深刻なため、介護の基礎スキルがある人を年齢問わず採用する施設が多い
登録販売者一般用医薬品(第二類・第三類)を販売できる公的資格。ドラッグストアやコンビニで資格保有者の採用が活発
ハウスクリーニング高齢化や共働き世帯の増加で需要が拡大中。中高年で始める人も多く、専門的な清掃スキルを身につければ独立開業も見えてくる

7. 短期アルバイトや派遣から始める

最後は、短期アルバイトや派遣から始めることです。

短期間の労働から開始することで、働く環境に慣れつつ、社会経験が積めます。いきなりニートから正社員に就職しようとすると、心身に負担がかかり早期離職につながる可能性があるため無理は禁物です。

まずは、短期アルバイトや派遣から始めることで、心身に無理なく働けます。慣れてきたらシフトを増やすことも可能です。また、お金も稼げるため、就活の資金になります。

アルバイトから正社員に昇格する方法もあります。勤務態度や勤務年数などの条件はありますが、慣れた環境に就職できるため、安心して働けるでしょう。

アルバイトや派遣の経験は、社会復帰の可能性を高めるため視野に入れておいてください。

35歳以上のニートが就職を成功させるポイント5つ

ニート状態にある35歳以上の人が就職を成功させるには、早めの行動が何よりも大切です。年齢を重ねるほど就職難易度が上がるため、自己分析を通じて自分の強みを把握するなど、具体的なアクションをすぐに起こしましょう。

ブランクがない人と比べると選考通過率が下がりやすいため、応募書類の完成度を高め、面接対策を入念に行うことも重要です。

就職活動を有利に進めたい場合は、未経験者の採用に積極的な業界を狙うのも一つの方法です。35歳以上でも利用できる就労支援サービスに登録し、プロの力を借りながら就活を進めても良いでしょう。

1. 早めに行動に移す

35歳以上のニートが就職を成功させるためには、早めに行動に移すことです。

就職は年齢を重ねるごとに不利になります。企業は若い人を採用して、少しでも長く勤続してほしいと考えているためです。

就職するために必要な行動は、以下の4つが挙げられます。

  1. 健康状態の確認
  2. 生活習慣の見直し
  3. 資格やスキルの取得
  4. アルバイトや派遣の開始

上記の4つは就職を有利に進めるために必要です。しかし、いきなり全てに取り組もうとすると挫折する可能性があります。

一度挫折すると、元に戻るのに時間が必要になり、就職が遅れるでしょう。その結果、さらに焦りが生まれ空回りするかもしれません。

まずは、自分にとって負担のないものから始めて、少しずつ行動を増やしていきましょう。

2. 自己分析を行い自分の得意なことや苦手なことを知る

自己分析を行い、自分の得意と苦手を把握しておくことも大切です。

自己分析は就活の一歩目であり、自分の将来を考えるうえで欠かせません。自己分析の方法は、以下の3つがおすすめです。

  1. 自分史を作成する
  2. 自己分析ツールを使用する
  3. キャリアアドバイザーに相談する

自分史は、自分の人生を振り返りながら強みや弱みを再認識する手法です。自分1人で作成できるため簡単に始められます。

自己分析ツールは、無料で公開されているものもあります。自分に合った職種や働き方を知るのに効果的です。

また、キャリアアドバイザーに相談することで、客観的なアドバイスがもらえます。就活のプロであるため、履歴書の添削や面接対策まで幅広い対策が可能です。

3. 書類と面接対策の準備を万全に行う

ポイントの3つ目は、書類と面接対策の準備を万全に行うことです。

30代以上のニートだと、書類選考で落とされる可能性が高くなります。また、面接で無職期間に何をしていたのか質問されるので、回答を準備しておく必要があります。対策が不十分だと質問に答えられなかったり、曖昧な回答になったりするでしょう。

書類や面接の対策は、本やインターネットからでも可能です。しかし、1人で対策するには限界があるでしょう。

対策が不安な方は、ハローワークや就職エージェントの利用がおすすめです。ただし、担当者との相性があるため、合わない場合は違う担当者や新しいサービスを検討してください。

書類と面接の対策は、内定を勝ち取るために準備しておきましょう。

4. 未経験でも就職できる業界や職種を目指す

人手不足で求人が多い業界や職種は35歳以上でも採用されやすいため、こうした業界や職種に絞って就職活動を進めるのもおすすめです。

35歳以上で長期のブランクがある場合、金融業界や研究開発部門、法務、経理など、高い専門性を求められる仕事は採用のハードルが非常に高くなります。

一方、介護・福祉業界やトラックドライバー、警備員、ハウスクリーニングなどの仕事は需要が多い一方で人手不足が深刻なため、35歳以上で無職期間が長い人でも歓迎する会社が多くあります。

他には、建設業や清掃業、飲食、小売なども年齢を問わず未経験採用が活発です。内定に少しでも近づきたい方は、こうした業界・職種への応募を積極的に検討してみましょう。

5. 35歳以上でも利用できる就労支援サービスやエージェントに相談する

最後は、35歳以上でも利用できる就労支援サービスやエージェントに相談することも視野に入れてください。

専門のサービスに相談することで適切な就職サポートが受けられます。一般的な就職エージェントでは、経歴的に支援を受けるのが難しいため、35歳以上のニートの人でも受けられる専門サービスがおすすめです。

35歳以上で長期間ニートの経験がある方は、専門的なサポートが可能な就労支援サービスやエージェントに相談することで安心して就活ができます。

就労支援サービスやエージェントを検討している方は、就職成功率を比較しておきましょう。サービスによって得意不得意な業界があり、経験値も異なるので確認しておきましょう。

35歳以上でも利用できる就職支援サービス

35歳以上でも利用できる就職支援サービスを5つ紹介します。

それぞれのサービスには、得意不得意や自分に合う合わないが存在します。各サービスを表にまとめたので、利用する前に参考にしてください。

名称メリットデメリット
ハローワーク幅広い職種を紹介してくれる個人へのサポートは薄い
地域若者サポートステーション(サポステ)49歳までの人材に特化している就職先の斡旋はしていない
生活困窮者自立支援センター生活に必要なサポートも受けられるすぐに就職できるとは限らない
就労移行支援事業所資格取得やスキルが身に付く基本的な対象は障害のある方
ひきこもり地域支援センター他のサービスと密に連携してくれる対象は引きこもりの方

以下の章では、それぞれのサービスを詳しく解説しています。興味のあるサービスや自分に当てはまりそうなものは、読んで理解しておきましょう。

適切なサポートを受けることで、スムーズな就職が可能です。

1. ハローワーク

35歳以上のニートの人には、ハローワークがおすすめです。

厚生労働省が運営する就労支援施設で、全都道府県にあり、職業紹介や雇用保険など幅広い支援を無償で受けられます。

利用前には自己分析を丁寧に行い、応募する企業像を明確にしておきましょう。ハローワークは求職者全体を支援するため、個人へのサポートは薄くなるためです。

ハローワークは幅広い業種の求人を紹介してくれます。しかし、求人はハローワークと連携している企業になるため、全てではありません。

自分に合う企業が他にもある可能性があることを覚えておきましょう。

ハローワークで仕事を探す方法については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方は参考にしてください。

ハローワークで仕事探しをするメリットは?仕事探しの方法も解説

2. 地域若者サポートステーション(サポステ)

地域若者サポートステーションの利用も、35歳以上のニートの人が就職を考えるうえで効果的な方法です。

地域若者サポートステーションは、厚生労働省が委託した若者支援の実績やノウハウがある民間団体などが運営しています。全国177箇所にあり、全都道府県に設置されています。対象年齢は15〜49歳です。

具体的に受けられるサービスは、以下の4つです。

  1. 面接指導
  2. 就労相談
  3. 職場体験
  4. コミュニケーションスキルの向上

就活に必要な対策が総合的に受けられます。しかし、直接就職先を紹介してくれるわけではないため、注意してください。

「働きたいけど自信がない」

「久しぶりの就活で緊張している」

上記のような悩みを抱えている方は、手厚いサポートが受けられるでしょう。

3. 生活困窮者自立支援センター

35歳以上のニートで生活が苦しい方は、生活困窮者自立相談センターの利用を検討してみましょう。

生活困窮者自立相談センターは、生活保護を受けていない困窮者をサポートする機関です。

就労支援以外に受けられる支援は、以下の3つです。

  1. 家計改善
  2. 住まいの確保
  3. 社会からの孤立

就活にはお金がかかるため、良い条件の求人に応募できない人もいるでしょう。

また、仕事をしたくても、家庭の事情や心身の健康を理由にあきらめている人向けに手厚く支援しています。

仕事、家、お金など生活の基盤に不安や悩みのある方は、生活困窮者自立相談センターの利用を検討してみてください。

4. 就労移行支援事業所

障害をお持ちの方は、就労移行支援事業所も選択肢の1つです。

就労移行支援事業所は、障害のある方が一般企業への就労をサポートするサービスです。原則は18歳以上65歳未満の身体や精神、知的障害のある方が対象になります。

健康状態に問題のない方は利用できないため注意してください。ただし、医師の診断書があれば利用できる場合があるため、お持ちの方は事前に確認しておきましょう。

就労移行支援事業所で受けられる支援は、以下の5つです。

  1. 模擬面接
  2. 実務技能の習得
  3. 社会人に必要なマナー
  4. コミュニケーションスキル
  5. 履歴書、職務経歴書の添削

就職してからも活かせるスキルが多く学べます。イチからサポートしてほしい人にはおすすめです。

5. ひきこもり地域支援センター

最後は、ひきこもり地域支援センターをうまく活用することです。

ひきこもり地域支援センターは、引きこもりの人を専門にサポートしているサービスです。社会福祉士、精神保健福祉士などの専門知識を持ったプロが1人ひとりに合った支援を計画してくれます。

ハローワークや地域若者サポートステーション、NPO法人と連携した就労支援が可能です。他には、医療機関や行政などさまざまな機関ともつながっているため、一度の利用で包括的な支援が受けられます。

「35歳以上ニート」に関するよくある質問

1. 35歳は無職でもニートですか?

日本ではニートを「15〜34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方」(※)と定義しているため、35歳以上は無職であってもニートと呼ばれません。
35歳以上で家事や通学をせず、働く意志がない人については「中年無業者」と呼ばれることが一般的です。
ちなみにニートは「働く意志がない人」を指す言葉のため、たとえ無職でも再就職に向けて活動している場合は“ニート状態”とはみなされず、この場合は単に「無職(無業)」と言われます。

2. ニートは何歳まで許される?

「何歳まで許されるか」は個人によって考えが異なりますが、一般に34歳までの若年無業者(≒ニート)は社会的に許容される風潮があります。
これは多くの企業が34歳までを若手人材とみなし、経験やスキルだけでなく「ポテンシャル(将来性・柔軟性など)」も重視して採用する傾向があるためです。
一方で35歳を超えると就職のハードルが一気に上がるため、「ニートとして許されるのは34歳まで」と言われることが多いのです。

3. 45歳以上のニートの呼び方は?   

45歳以上で働く意思がない人は「高齢ニート」と呼ばれることが一般的です。または「中年ニート」と表現されることもあります。
ニートは「15〜34歳」を指す言葉のため、本来は35歳以上をニートと呼ぶのは誤りです。実際、高齢ニートや中年ニートといった呼び方は正式な統計用語ではありません。
とはいえ“働く意志がない人”を分かりやすくイメージできるため、世間一般では「ニート」という言葉が年齢を問わず用いられています。

まとめ

35歳以上のニートは、若年層と比べ、社会的な風当たりの強さをダイレクトに受けることが少なくありません。世間の冷たい目に触れるなかで、「自分なんて就業はムリだ……」と諦めてしまう人もいることでしょう。

しかし、まだまだ諦めるのは早いです。長く働く意思さえ感じられれば、その意欲を買って、30代後半以上のニートであっても雇ってくれる企業は存在します。

年齢は変えられませんが、就業に向けた意識は自分次第で変えられます。そして行動しないと、未来は変わっていきません。まずは1歩ずつ、就業に向けた行動を起こしていきましょう。

ニート脱出診断
ニート脱出診断
正社員未経験の方に特化した就職支援サービス
正社員未経験の方に特化した就職支援サービス
まずは相談してみる

就職カレッジはフリーター、大学中退、就職・転職未経験の支援に特化した就職・転職サービスです。就職相談はこちら。

ABOUT US
池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」