
大卒フリーターとなって働いている人は意外に多いです。就活に失敗し、やむを得ずフリーターになっている人は焦りや不安を感じているかもしれません。
フリーターとして働き続ける事によって生じるメリットやデメリットとはどのような事なのでしょうか。そして、卒業後3年以内に就職した方がいいと言われている理由や面接で絶対聞かれる質問など、大卒フリーターの就活について、実態を解説していきます。




この記事の目次
大卒フリーターはやばい?理由を解説
大卒フリーターがやばいと言われる最大の理由は、フリーターを続けるほど正社員への道が狭まっていくからです。企業の多くは若さとポテンシャルを重視するため、年齢を重ねるごとに採用のハードルは上がっていきます。
また、生涯賃金の差も見逃せません。正社員とフリーターでは、長期的に見ると数千万円規模の収入差が生じるとも言われています。ボーナスがほぼなく、収入も不安定になりやすい点も、フリーターが抱えるリスクのひとつです。
さらに、保障やローン審査の面でも、正社員と比べて不利な状況に置かれやすくなります。社会的な偏見や、結婚・生活設計への影響も、フリーターが直面しやすい現実です。
「このままフリーターを続けて大丈夫だろうか」と不安な方のためにも、より詳しく解説します。
フリーターを続けるほど正社員になりにくい
フリーター歴が長くなるほど、正社員への就職は難しくなっていきます。下の表をご覧ください。
| 1年以内 | 1〜2年 | 2〜3年 | 3〜4年 | 4〜5年 | 5年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 68.8% | 61.2% | 56.6% | 61.1% | 37.9% | 32.3% |
参考:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容」
表が示すように、フリーター歴が1年以内では約6割が正社員へ移行できています。しかし、5年以上になると、その割合は約3割にまで落ち込むのです。
つまり、フリーターを続けるほど、正社員への道は着実に狭まっていきます。大卒フリーターも例外ではなく、年齢を重ねるにつれて企業側の採用ハードルも上がるため、早めに行動することが大切です。
大卒のフリーターと正社員は生涯賃金が大きく違う
大卒フリーターと正社員では、生涯賃金に大きな開きがあります。学校卒業後から60歳までフルタイムで働き続けた場合の生涯賃金を比較すると、その差は歴然です。
| 大卒正社員 | 大卒非正規社員 | |
|---|---|---|
| 男性 | 約2億5,150万円 | 約1億4,750万円 |
| 女性 | 約2億190万円 | 約1億2,050万円 |
出典:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024」
表が示すように、男性・女性共に約1億円の差が生じています。この差は、正社員には昇給・昇格・ボーナスの積み重ねがあるのに対し、フリーターは時給がほとんど上がらないことが大きな要因です。
フリーターはボーナスがほぼ無い
大卒フリーターがやばいと言われる理由のひとつが、ボーナスをほぼ受け取れないことです。
厚生労働省の調査によると、正社員で賞与支給制度が導入されている割合は86.8%にのぼります。一方、パートタイム労働者では29.3%にとどまっており、制度の有無だけでも大きな差があります。(参考:厚生労働省「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」)
実際の年間賞与額を比較しても、その差は一目瞭然です。
| 年齢 | 正社員 | 正社員以外 |
|---|---|---|
| 〜19歳 | 約17.3万円 | 約1.5万円 |
| 20〜24歳 | 約44.1万円 | 約5.6万円 |
| 25〜29歳 | 約75.5万円 | 約10.4万円 |
| 30〜34歳 | 約91.4万円 | 約10.8万円 |
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
20代半ばを過ぎると、正社員の年間賞与は70万円を超える水準に達します。対して正社員以外では、年齢を重ねても10万円前後のままです。この差は、毎年積み重なっていくものだということを忘れてはいけません。


フリーターは収入が不安定になりやすい
収入の安定性という面でも、フリーターは大卒であっても正社員に大きく劣ります。正社員の場合でも会社の業績によって月給が減ることはありますが、決められた固定給が必ず支給されるので、毎月の生活費のシミュレーションがとても立てやすいです。
正社員ならではの「収入の安定性」は、高卒でも大卒でも関係ないポイントですが、フリーターの場合は自分が出したシフトによって収入が大きく変動します。バイト先の業績が悪い場合は、シフトを削られ収入が大きく減るリスクもあります。
例えば飲食店の場合はお客さんが少ない日などはその日の人件費を節約するために早上がりを言い渡されることもあります。
正社員と比較してフリーターは保障が少ない
正社員と比較して、フリーターは社会保険による保障が手薄になりやすいのが現実です。正社員は原則として社会保険に加入しますが、フリーターの場合は以下の4つの条件をすべて満たさなければ加入できません。
- 週の勤務時間が20時間以上
- 給与が月額88,000円以上
- 2ヶ月を超えて働く予定がある
- 学生ではない
シフトを自分で調整しているフリーターは、この条件を満たせないケースも少なくありません。社会保険に加入できなければ、病気やけがで働けなくなった際の傷病手当金や、出産時の出産手当金を受け取れない可能性があります。
さらに、社会保険料は収入に応じて変わるため、収入が低いフリーターは将来受け取れる年金額も少なくなりがちです。いざ働けなくなったとき、保障が十分でないと感じる場面が来るかもしれません。
参考:厚生労働省「社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について」
フリーターはローンを組みにくい
ローンを組む際にもフリーターは大きなハンデを背負うことになります。キャッシングやカードローンなど、ちょっとしたお金を借りるのであればフリーターでも融資してくれるところが増えてきています。しかし、大きな借金を抱えることとなるマイカーローンや住宅ローンを組む際に、職業がフリーターだと審査すら受けさせてもらえないことがあります。
フリーターは偏見を持たれて気まずい
大卒後にフリーターになっている人は、正社員と比べて印象はあまり良くないという偏見を持たれているのが現状です。この世間体という問題は、大卒後すぐであればあまり感じる事がありませんが、年齢を重ねれば重ねるほど重くのしかかってきます。
特に30代になると、事情を知らない限り相手のことを大卒正社員だという前提で話をしてくることが多々あります。自分が大卒フリーターであることを言い出しにくい状況がたびたび訪れることになるでしょう。
例えばお盆や正月に親戚が集まった時に、「なんで正社員じゃないの?」「就活はしていないの?」と聞かれるフリーターは少なくありません。フリーターとして働いている人のほとんどが将来について不安を感じていることでしょう。
フリーターは結婚しづらくなる傾向にある
将来に対する不安は、実際に大卒フリーターとして働いている本人だけが感じているのではありません。「将来に対する不安」が最も大きく影響してくるのが、結婚するときです。女性は結婚して仕事を辞め、専業主婦になるという選択肢もあるので、大卒フリーターとして働いていることによる悪影響を抑えることも出来ます。
しかし男性の場合は、大卒フリーターであることが結婚において大きなマイナスになる場合も多いです。「主夫をする」という考え方も広まってきていますが、それでも親の立場で考えれば、収入が少なく安定しないフリーターの男性に、なかなか娘は任せられないでしょう。
実際の有配偶率のデータを見ても、この傾向は数字に表れています。
| 年齢 | 男性正社員 | 男性パート・アルバイト | 女性正社員 | 女性パート・アルバイト |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 5.2% | 2.0% | 3.8% | 7.9% |
| 25〜29歳 | 25.2% | 4.0% | 24.8% | 42.0% |
| 30〜34歳 | 53.7% | 7.2% | 50.9% | 66.7% |
参考:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状④」
フリーターの結婚について知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
大卒フリーターの末路
フリーターの自由さは魅力的に移るはずです。しかし、長く続けると収入や社会的信用の面で不利になる可能性があります。
大卒フリーターの末路を紹介しますので、今後もフリーターを続けるかどうか、改めて考えてみてください。
貯金がたまらず節約し続けなければならない
大卒フリーターのままでいると、貯蓄がほとんど積み上がらないまま年齢を重ねていく可能性があります。総務省「家計調査」のデータをもとに、正規の職員・従業員とパート・アルバイトの貯蓄状況を比べると、その差は一目瞭然です。
| 貯蓄状況 | 正規職員・従業員※総数3,751人 | パート・アルバイト※総数716人 |
|---|---|---|
| 貯蓄なし | 328人(8.74%) | 132人(18.44%) |
| 貯蓄あり | 3,227人(86.03%) | 529人(73.88%) |
| うち500万円以上 | 1,901人(50.67%) | 270人(37.71%) |
参考:e-Stat「国民生活基礎調査 令和4年国民生活基礎調査 所得・貯蓄 」
パート・アルバイトでは、貯蓄がまったくないと答えた割合が正規職員の2倍以上にのぼります。また、500万円以上の貯蓄を持つ割合も、正規職員と比べて大きく下回っています。
貯蓄がないまま年齢を重ねると、病気やけがの際に十分な備えができなかったり、老後の生活を年金だけに頼らざるを得なくなったりするリスクが高まるでしょう。こうした末路を避けるためにも、早い段階で正社員への転換を目指すことが、将来の選択肢を広げる第一歩となります。
周りとの差を強く感じて自信をなくしてしまう
大学を卒業してフリーターを続けていると、周囲との違いを強く感じるため、さまざまな悩みや葛藤が生まれることがあります。
例えば、友人が昇進や結婚といった幸せなニュースを聞くと、自分と比べて焦りや劣等感を抱くこともあるでしょう。友人の成功や幸せに対して、うらやましいと思う一方で、嫉妬の感情が湧くことも避けられません。
他人と比べる感情は誰にでもあります。しかし、常に自分と周りを比較し続けていると心が疲弊してしまうため、前向きに行動する気持ちが失われてしまうでしょう。
フリーター生活を続けていると、自分を追い詰めてしまう可能性が高いです。過去の決断や現状に悩んでストレスを抱えたり、自信を失ったりしてしまうでしょう。
大学卒業後に内定が決まっていたにもかかわらずフリーターを選んだのであれば「あの時就職しておけばよかった」と後悔することもあるはずです。
後悔やストレスを抱え続けると、心身への影響が大きくなり、ストレスが原因で体調を崩しかねません。
大卒でフリーターの方が楽しい?
大卒でフリーターになる理由として、フリーターの方が楽しいからという人もいます。フリーターの方が楽しいと言われる理由には、以下のようなものがあります。
- フリーターは時間に融通が利く
- フリーターは職場を変えやすい
- フリーターは休みを取りやすい
- フリーターは色んな働き方が出来る
フリーターは時間に融通が利く
フリーターと正社員とを比較して真っ先に思い浮かぶメリットといえば、「時間に融通が利く」という点です。大卒で正社員になったあなたの友達は、毎日決まった時間に出社して、定時を過ぎてもその日の仕事が終わるまで帰宅することは出来ません。
一方、フリーターの勤務時間は一般的にシフトで管理されています。そのため、自分が働きたい時間をある程度自由に決めて働くことが出来ます。大卒でも高卒でも、正社員になれば一定の時間以上は必ず働く必要があります。出退勤の時間をある程度自由に決められる「フレックス制」もありますが、フリーターの自由度には及びません。
フリーターは職場を変えやすい
フリーターには勤務時間以外にも、もう一つ自由度が高い側面があります。それは「転職」です。大卒後、正社員になって入社した会社がもし自分に合わなかった場合、再び正社員として次の会社に転職するために、かなりの労力が必要です。大卒で正社員になった知人で、「就職する会社を間違えた」と言っている人もいるのではないでしょうか?
一方、フリーターの場合はバイト先を変えるのも、正社員に比べるとかなり楽です。
現在勤務している場所が嫌だと感じれば、大卒で就職した知人よりは簡単に辞めて、次のバイト先を探すことが出来ます。働く場所の自由が利くのも、大卒でもフリーターで働くことによって得られる大きなメリットでしょう。
フリーターは休みを取りやすい
休みを自由に取得することが出来るのも、フリーターの大きなメリットです。働かない分だけ収入が減りますが、休みたい日にシフトを入れないだけで、簡単に休むことが出来ます。
一方、正社員は有給休暇を取得しない限り、休日は土日と祝日、そしてお盆の期間や年末の長期休暇しか休みがありません。大卒で正社員になった人の中には、自由時間が多い大学生活とのギャップに衝撃を受ける人もいるでしょう。
更に、大卒の就職先には少ないものの、上記の休みすら取りにくい職種も存在します。
フリーターは色んな働き方が出来る
フリーターといっても、現在はさまざまな働き方があります。中には就活をせずに、自宅でブログやアフィリエイトの広告収入を得ている人もいます。成功している人は、同年代で大卒の正社員の給料と同等か、それ以上の収入を得ている事もあります。
こういった話を聞くと羨ましいと感じますし、大卒でも高卒でも関係ないと考える人も居るかもしれません。
しかし、それだけの収入を得ている人のほとんどは、大卒で正社員として働いている人達以上に時間や努力をし続けてきています。だれもが同じようになれるわけではないので、相当の覚悟や勉強が必要です。
大卒フリーターの割合・現状
大学を卒業してフリーターになる人は、多くありません。大多数はそのまま就職の道を選んでいるのが現状です。
また、フリーターを続けていい年齢にも、実は目安があります。一般的に25歳を超えると就職難易度が上がり始め、30代になるとさらに正社員への転換が難しくなるとも言われています。
さらに、大卒フリーターの多くが正社員への就職を希望しているという実態もあります。希望しているにもかかわらず就職できていない背景には、行動のタイミングや方法に課題がある場合も少なくありません。
現状や割合について、詳しく見ていきましょう。
大学を卒業したフリーターの割合は?
大学を卒業したフリーターの割合は、男性3.2%・女性5.6%と低い水準にあります。学歴別のフリーター率は以下のとおりです。
| 学歴 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 中卒 | 21.8% | 47.8% |
| 高卒 | 11.0% | 26.1% |
| 専門大・短大・高専卒 | 8.4% | 14.3% |
| 大学・大学院卒 | 3.2% | 5.6% |
参考:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状④」
表が示すように、学歴が上がるほどフリーター率は下がる傾向にあります。大学・大学院卒のフリーター率は男女ともに最も低い水準です。
こうしたデータをふまえたうえで、自分の状況や今後のキャリアを改めて考えてみましょう。
大卒フリーターは何歳までならいいですか?
大卒フリーターは、一般的に25歳までが就職しやすいひとつの目安と言われています。年齢が上がるほど正社員への転換が難しくなるからです。
以下は、年齢階級別のフリーター率を示したものです(大卒に限らず全学歴が対象)。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 15〜19歳 | 18.0% | 28.4% |
| 20〜24歳 | 10.5% | 15.1% |
| 25〜29歳 | 6.6% | 11.8% |
| 30〜34歳 | 5.2% | 15.1% |
参考:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状④」
男性は年齢とともにフリーター率が下がっていくのに対し、女性は30〜34歳で再び上昇しています。これは、結婚や出産を機にパート・アルバイトへ移行するケースが背景にあると考えられます。いずれにせよ、年齢を重ねるほど選択肢は狭まりやすくなるでしょう。
大卒フリーターで正社員を希望している割合は?
大卒フリーターのうち、約8割が正社員への就職を希望しています。つまり、フリーターであることを積極的に選んでいる人は、それほど多くないのです。
大卒者の希望就業形態は以下のとおりです。
| 希望する就業形態 | 男性が答えた割合 | 女性が答えた割合 |
|---|---|---|
| 正社員 | 78.1% | 77.1% |
| 自分で事業を起こしたい | 12.6% | 2.4% |
| パート・アルバイト・契約社員・派遣社員 | 4.9% | 12.3% |
| 家業を継ぐ・内職・その他 | 3.5% | 7.9% |
| 不詳 | 1.0% | 0.4% |
参考:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状④」
正社員を希望する割合が圧倒的に高い一方、非正規雇用を積極的に望んでいる大卒者の割合が15%を超えることはありませんでした。
新卒・フリーター・中途(経験者)の採用基準比較表
企業が正社員採用の際に何を重視しているかを知ることは、就職活動を成功させるうえで非常に重要です。厚生労働省の調査をもとに、採用区分別の重視ポイントをまとめました。なお、新卒・中途は令和5年、フリーターは平成30年の調査結果です。
| 採用基準 | 新卒 | フリーター | 中途 |
|---|---|---|---|
| 学歴・経歴 | 22.4% | 7.9% | 23.1% |
| 職業意欲・勤労意欲・チャレンジ精神 | 79.3% | 68.7% | 72.7% |
| マナー・社会常識 | 58.6% | 59.8% | 58.1% |
| 業務に役立つ専門知識や技能 | 30.4% | 19.9% | 34.8% |
| 業務に役立つ職業経験・訓練経験 | 14.7% | 17.5% | 42.3% |
参考:
厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
厚生労働省「6 フリーターについて」
採用区分を問わず、勤労意欲やチャレンジ精神が最も重視されている点は共通しています。一方で、中途採用では職業経験を重視する割合は4割を超えていますが、新卒やフリーターは2割に達していません。学歴・経歴に関してもフリーターだけ1割以下だったことから、業務経験やスキルは就活時にそこまで求められないと推測できるでしょう。
大卒フリーターが就職活動を成功させる5ステップ
大卒フリーターが就職を成功させる第一歩は、やりたくない仕事を明確にすることです。やりたいことを探すよりも、絶対に避けたい条件を整理するほうが、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
また、一人で就活を進めるよりも、就職支援サービスを活用することで、選考通過率を大きく高められる可能性があります。フリーターの就職支援に特化したサービスでは、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策まで無料でサポートしてもらえる場合が多いです。
さらに、面接では志望動機やフリーター期間の過ごし方を深掘りされるケースが多いため、事前の対策が合否を大きく左右するでしょう。
就職活動の具体的な進め方が知りたい方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
1.やりたくない仕事を明確にする
大卒フリーターが就職活動を始める際は、まず「やりたくない仕事」を明確にすることが大切です。何も整理せずにいきなり求人を探し始めると、選択肢が多すぎて迷いやすくなるからです。
「やりたい仕事」を考えてもピンとこない場合は、やりたくない仕事や働きたくない環境を紙に書き出してみてください。嫌な条件を除外するだけで、自分に合った求人を絞り込みやすくなります。なお、やりたい仕事が思い浮かんだ場合は、合わせてメモしておきましょう。
ただし、やりたい仕事にこだわりすぎると、就職成功までに時間がかかってしまうこともあります。思うように選考が進まない時期は、「やりたくない仕事以外」という軸で求人を広げて検討してみることがおすすめです。
2.就職支援サービスを活用する
就活が不安なときは、就職支援サービスを活用しましょう。
主な就職支援サービスは、以下のとおりです。
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| ハローワーク | ・無料の公共職業安定所 ・求人情報の提供、職業相談などを実施 |
| ジョブカフェ | ・若年層(15~34歳)向け ・カウンセリング、職業体験、セミナーなどを実施 |
| 就職・転職エージェント | ・担当アドバイザーが希望やスキルに応じた求人を提案 ・就職・転職活動全般をサポート |
就職支援サービスは、履歴書の添削や面接対策などを無料でサポートしてくれるので、大卒フリーターでも自分の強みを見つけてアピールできる点が魅力です。
自信をつけるために職業訓練校に通うことも可能
ただし、職業訓練は日中に行われることが多いため、アルバイトのシフトを減らしたり休んだりする必要が生じやすい点には注意が必要です。収入が一時的に減る可能性があるため、事前に生活費の見通しを立てておくと安心でしょう。
3.履歴書・職務経歴書を用意する
就職活動の書類は、アルバイト応募の書き方とは大きく異なります。企業は長期的に活躍できる人材を採用したいと考えているため、志望動機や自己PRを特に重視します。応募先企業を事前によく調べたうえで、丁寧に書くことが重要です。
書類作成の際は、以下のマナーを守るようにしましょう。
- 誤字・脱字:提出前に必ず見直す
- 会社・学校名:略さず正式名称で記載する
- 空白期間:フリーター期間も職歴として記載する
- 文字:手書きの場合は丁寧に、崩し字は避ける
- 写真:スーツ着用・背景無地のものを使用する
履歴書や職務経歴書の書き方については下記をご参照ください。
4.幅広い募集枠の中から求人を探して応募する
大卒フリーターは、通年採用の中途枠だけでなく、状況によって複数の募集枠にチャレンジできる可能性があります。自分の状況に合った枠を積極的に活用することで、採用のチャンスが大きく広がるでしょう。
以下を参考に、応募できる募集枠を確認してみてください。
| 募集枠 | 対象となる主な条件 |
|---|---|
| 中途採用枠 | フリーター経験・アルバイト歴がある方 |
| 第二新卒枠 | 卒業後3年以内で、一度正社員経験がある方 |
| 既卒枠 | 卒業後3年以内で、正社員未経験の方 |
| 新卒枠 | 卒業後3年以内で、新卒扱いで応募可能な企業に限る |
自分がどの枠に該当するかを確認したうえで、求人を探すと効率的です。各募集枠の詳しい内容は、次の見出しで解説していきます。
中途採用枠
大卒フリーターが就職活動をする際、最もよく使われる応募先が中途採用枠です。アルバイト経験しかなくても応募できる求人が多く、就職活動の入り口として利用しやすい枠と言えます。
厚生労働省の調査によると、企業の88.5%が中途採用活動を実施しており、求人の数そのものが豊富に存在していることがわかります。(参考:厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業に おける情報公表その他取組に関する調査研究 」)
中途採用枠のメリットは、通年を通じて求人が出ており、応募のタイミングを選ばない点です。一方で、即戦力や職業経験を重視する企業も多いため、未経験職種への応募では選考を通過しにくい場合もあります。
自分のアルバイト経験で培ったスキルや強みをしっかりと言語化して臨むことが大切です。
第二新卒枠
第二新卒枠とは、大学卒業後3年以内の求職者を対象とした採用制度です。マイナビの調査(2025年)によれば、企業の60.9%が第二新卒枠を導入しており、多くの企業で活用されています。(参考:マイナビ「企業人材ニーズ調査 (2025年12月調査実施)」)
また、同調査によると第二新卒枠は経験や専門知識よりも人柄が重視されがちです。実際、同調査によると、第二新卒枠に「実務経験」を重視する企業が42.2%なのに対し、「人柄・性格」を重視する企業は68.4%となっています。
第二新卒のメリットは、社会人経験が浅くても応募しやすく、ポテンシャルを重視した選考が期待できる点です。一方、対象年齢が限られているため、25〜26歳を過ぎると該当しなくなる点には注意が必要になります。
既卒枠
既卒枠とは、大学卒業後に就職しなかった方が応募できる採用制度のことです。主に、卒業後3年以内の方が対象となります。
厚生労働省の調査によれば、既卒者が応募して採用にいたった割合は全体の43%とわかりました。既卒者が応募可能だった割合は71%だったことから、応募できる機会があっても内定獲得には準備が必要であるとわかります。(参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年8月)の概況」)
既卒枠で応募するメリットは、新卒採用より競争率が低めで、既卒であることを前提に選考が進む点です。一方、年齢制限や求人数の少なさが、デメリットになり得ます。
新卒枠
新卒枠とは、大学4回生と同じ選考プロセスで応募できる採用制度のことです。卒業後は新卒扱いされないと思われがちですが、企業は卒業後少なくとも3年間は新卒枠で応募できるよう努めることが求められています。(参考:厚生労働省「3年以内既卒者は 新卒枠で応募受付を!!」)
また、国はこの取り組みを後押しするため、卒業後3年以内の既卒者を新卒枠で正規雇用した事業主に対し、雇い入れから6か月経過後に100万円を支給する奨励金制度を設けています。
新卒枠で応募するメリットは、大学4回生と同じタイミングで入社でき、新卒として扱われるためポテンシャル評価を受けやすい点です。一方、求人数が限られる場合もあるため、他の募集枠と並行して活用することが効果的と言えます。
5.面接対策を入念に行う
大卒フリーターの就職活動で、面接は最も重要な関門のひとつです。フリーター経験は、むしろ積極的にアピールポイントとして活用できるものです。アルバイトで培ったスキルや責任感は、採用担当者に仕事への意欲を伝える材料になります。
また、面接では服装や持ち物などの基本マナーを押さえておくことが欠かせません。以下の表を参考に、事前に準備しておきましょう。
| 項目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 服装 | 黒・紺・グレーのスーツ 白系のワイシャツ | 黒・紺・グレーのスーツ (スカート・パンツ不問) |
| 靴 | 黒か暗い茶色の革靴(紐あり) | 黒のパンプス(ヒール3〜5cm) |
| 鞄 | A4ファイルが入るサイズ 黒・紺・グレー・茶(リュック・布製トートNG) | 同左 |
さらに、「なぜ就職せずにフリーターになったのか」という質問は、ほぼ必ず聞かれます。理由を正直に伝えたうえで、その経験が現在の就職意欲にどうつながっているかまでセットで準備しておきましょう。
フリーターになった理由:就職先が決まらなかった
就職先が決まらなかった理由を聞かれた場合、企業が最も気にするのは「なぜ採用されなかったのか」という点です。そのため、ただ「どこも受からなかった」「決まらなかった」と伝えるだけでは、問題のある人材と判断されるリスクがあります。
そこで重要なのは、過去の反省を素直に認めつつ、現在の行動変容を伝えることです。
たとえば、就活の開始が遅かった、特定の企業にこだわりすぎたといった反省点を率直に述べましょう。そのうえで、考え方が変わり、今は具体的に行動していることを示すと説得力が増します。
また、「落ちた」という表現より「ご縁がなかった」「自分との方向性が合わなかった」という言い回しの方が、主体的に就活に取り組んでいた印象を与えやすくなります。
以下の回答例を参考に、自分の言葉で準備してみてください。
学生時代は特定の業界にこだわりすぎてしまい、結果としてご縁をいただけませんでした。当時の自分は視野が狭かったと反省しています。その後、自分の強みや働き方を改めて見つめ直し、今回は幅広い業界を視野に入れながら、御社のような〇〇に力を入れている企業に魅力を感じて応募いたしました。
フリーターになった理由:すぐ働こうと思わなかった
就業意欲に関して、企業が最も懸念するのは「入社後も同じように考えが変わり、すぐ辞めてしまわないか」という点です。そのため、当時の考えをそのまま伝えるだけでは、就業意欲が低い人材と見なされるリスクがあります。
まず、卒業後すぐに働こうと思わなかった事実は素直に認め、反省の気持ちを伝えることが大切です。そのうえで、なぜ今は考えが変わったのか、そのために具体的に行動してきたことを示すと説得力が増します。
企業が安心するのは「なんとなく働きたい」ではなく、「自分の意思で長く働き続けたい」という明確な意志を感じられる回答です。働き始めてからまた気持ちが変わるのではと心配されないよう、就職に向けて取り組んできた行動実績を添えて伝えましょう。
以下の回答例を参考に、自分の言葉で準備してみてください。
卒業当初は、すぐに就職しなくてもよいと軽く考えていました。しかし、アルバイトを続ける中で責任ある仕事への意欲が高まり、考えが変わりました。今は自分のキャリアを真剣に考え、資格取得の勉強にも取り組んでいます。そして、御社で長く貢献できる人材になりたいという気持ちで応募いたしました。
フリーターになった理由:体調の回復を優先していた
体調不良を理由にフリーターになった場合、企業が最も気にするのは「正社員として継続して勤務できる状態かどうか」という点です。そのため、現在の健康状態を明確に伝えることが、面接突破の鍵になります。
伝える順序としては、まず体調不良だった事実を簡潔に認め、次に現在は回復して就業に問題がない旨を伝えましょう。なお、病名を細かく説明する必要はありません。医師から就業許可が出ていることを添えるだけで、企業側の不安は大きく軽減されます。
そのうえで、今は長く働き続けたい意志があることを前向きに伝えることが大切です。通院が続く場合も、業務に支障がないことを具体的に示せば、マイナス印象を和らげられます。
以下の2パターンの回答例を参考に、自分の状況に合わせて準備してみてください。
卒業後は体調を崩しており、回復を優先するためフリーターとして働いていました。現在は完全に回復しており、医師からも就業の許可をいただいています。今後は長く安定して働きたいという気持ちが強く、御社への入社を強く希望しております。
卒業後は体調管理のためフリーターとして働いておりました。現在も定期的な通院は続いておりますが、医師から就業許可をいただいており、業務への支障はございません。長期的に安心して働ける環境を求めて、御社に応募いたしました。
大卒フリーターに関するよくある質問
卒業から3年以上経っている場合、既卒枠での応募は難しい可能性が高いです。多くの企業が「卒業後3年以内」を既卒の対象と捉えているため、その基準を超えると既卒枠の対象外となるケースが大半です。
ただし、3年以上経過していても、ポテンシャルを重視した採用枠で選考に進める企業も存在します。中途採用枠への応募を中心に、幅広い募集枠を確認してみることをおすすめします。
フリーター生活が長く職歴がない場合でも、履歴書に「職歴なし」と書く必要はありません。企業によってはアルバイト経験を職歴とみなしてもらえる場合があるため、従事したアルバイトを職歴欄に記載しましょう。
自己PRも、フリーターとして働く中で身につけたスキルや強みを積極的にアピールして構いません。
ただし、1年未満で辞めたアルバイトは職歴欄に記載せず、備考欄に「○○年〜○○年は△△の短期アルバイトに従事」と補足する形がおすすめです。短期のアルバイトで職歴欄を埋めてしまうと、「すぐ辞めやすい人材」と判断されるリスクがあります。
職歴の書き方ひとつで、採用担当者への印象は大きく変わるでしょう。
まとめ
大卒後、フリーターで働きつづけることはメリットも確かにありますが、総合的にみれば収入面や将来に対する不安など、デメリットの方が大きいです。20代の内にはデメリットをそれほど感じないかもしれませんが、年齢を重ねれば重ねるほどフリーターで働き続ける事のデメリットは大きくのしかかってきます。
本気でフリーターから正社員に就職を成功させたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
フリーターの就職活動について、賢い進め方や様々な対策、フリーターから正社員になった体験談を掲載しています。
高学歴のフリーターについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。




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