
フリーターから正社員就職を目指す時には、新卒の時のような就活と同じような仕事選びや進め方では成功しにくい傾向があります。
今回は、フリーターから未経験でも正社員になりたい人におすすめの仕事の種類や、自分に合う仕事が分からないという人に向いてる仕事を見つける方法や賢い就職活動方法をご紹介します。
仕事探し中フリーターにはどんなタイプが多い?

日本労働研究機構の調査「フリーターの意識と実態」によると、フリーターのタイプには3タイプあると言われています。大まかに分けるとモラトリアム型、夢追求型、やむを得ず型があります。
自分がどのタイプのフリーターなのかを把握しておくことで、より適切な就活方法で進めることが出来るでしょう。それぞれのタイプについて紹介します。
モラトリアム型
「モラトリアム型」はフリーターで一番多いタイプです。
はっきりした就職展望をもたず、とりあえず自分のやりたいことが見つかるまでフリーターをする人のことです。
モラトリアム型には、「離学型」と「離職型」があります。
離学モラトリアム型
「離学モラトリアム型」とは学校を卒業・中退したが、将来の明確な目標がなくフリーターになった人です。
離学モラトリアム型になる理由は、主に2つと言われています。
- 正社員での就職活動に目標がなく、就職先未定のまま学校を卒業した
- もともと就職意欲がないフリーター志向
専門学校に通って技能習得している人もいますが、就職するための資格取得や勉強、具体的な行動をしていない人もいます。
離職モラトリアム型
「離職モラトリアム型」とは就職して一度正社員になったが、離職してフリーターになった人のことです。
離職モラトリアム型になる理由は、以下のようなものです。
- 正社員という働き方が合わずとりあえずフリーターで食いつなごうと思う
- 正社員よりも責任の軽いフリーターの方が気楽だから
- 正社員として働いたが自分のやりたいことできなかったため、とりあえずフリーターをしながら自分のやりたいことを考えてみる
- 正社員の就職先がブラック企業だったので、仕事が簡単なフリーターの方がマシだと思う
就活をしてフリーターからの脱出を試みている人は少数で、仕事を探す時正社員にはこだわらないという人が圧倒的に多いのが特徴です。
夢追求型
「夢追求型」とは、自分の夢が明確で、夢実現のためにフリーターをしている人です。
芸能関係を目指す「芸能志向型」と手に職を得たい「職人・フリーランス型」があります。
芸能志向型
「芸能志向型」とは芸能関係での仕事で成功することを目標にしてフリーターをしている人です。
- 歌手やバンド活動
- 俳優
- アイドル
- 声優
- お笑い芸人
例えば、以上のような仕事を目指している人のことです。親との同居はせず、一人暮らしが多いです。
融通の利く限られたアルバイトで生計を立てて、芸能関係の仕事でも収入を得ながら生活をしています。
職人・フリーランス志向型
「職人・フリーランス志向型」とは手に職、自分の才能を活かした仕事を目指しているフリーターです。
例えば、以下のような職業を目指している人です。
- 美容師
- パティシエ
- バーテンダー
- デザイナー
- ネイル、メイクアップアーティスト
- イラストレーター
- 作家
- 脚本家、シナリオライター
学校卒業後に社会に出たものの、やりたいことが見つかってフリーターになったタイプです。
枠にとらわれず自分が好きなもの、興味のあること、向いている分野に目を向け仕事を選びます。
そして自分の好きな時間に働けるということに重きを置き、時間が自由なフリーターを選ぶ傾向があります。
やむを得ず型
「やむを得ず型」とは自分の意志に関係なく諸事情でフリーターになったタイプです。
特定の職業の正社員を目指す人、就活に失敗したなどの「正規雇用志向型」、入学や入社を控えた期間や学費を稼ぎたいなどの「期間限定型」、本人や家族の事情などの「プライベート・トラブル型」があります。
正規雇用志向型
「正規雇用型」とは正社員を目指して就活したがうまくいかなかった、正社員募集が元々少なくして断念し、その後フリーターになるタイプです。
他には正社員の働き方に近い派遣社員を選択したり、正社員になる前に経験を積みたい、女性の場合結婚を視野に入れているためフルに働く意思がなかったなどの理由があげられます。
期間限定型
「期間限定型」には以下の理由があります。
- 入学、入社を控えた期間だけ働きたい
- 学費を稼ぎたい
- 浪人中のアルバイト
- スキルアップの勉強の期間中のアルバイト
- 留学を控えている
- 結婚を控えている
以上のような、ある一定の期間限定でフリーターになったタイプです。
プライベート・トラブル型
「プライベート・トラブル型」には以下の理由があります。
- 会社が倒産した
- 会社でのトラブル
- 自身や家族が病気を抱えている
- 家族の介護
- 異性関係のトラブル
以上のような理由があげられます。
トラブルを起こし学校を中退してフリーターになったり、会社の倒産、セクハラ・パワハラなどを受けて心身ともにトラウマを抱えたり、体調を崩すなどのケースでフリーターになる人が多いです。
フリーターにおすすめの仕事とは

そろそろフリーターから正社員になりたいが、フリーターが目指せる職種がそもそもわからない、経験もないのに正社員になれるのかなど、疑問に思う人は多いです。
ですが、未経験から正社員をねらいやすい仕事はあります。
そこで、フリーターからでも正社員になりやすい、未経験から目指せる仕事の特徴を以下にまとめてみました。
- 人手不足の仕事
- 発展途上の仕事
- 働きながら資格取得が可能な仕事
- 特殊な知識や技術がいらない仕事
- フリーターの時に得た経験や知識を活かせる仕事
以上のように、成長中の職種や従業員の高齢化が進んでいる、人材確保が難しいなどの企業はフリーターや未経験者でも積極的に採用を行っていることがあります。
そういう企業は人材育成や教育制度に力を入れる意識が高いので、経験不問の募集をしていることが多いです。
また日々の業務の中で仕事を覚えられる職種もあるので目指しやすいといえます。
次に、フリーターにおすすめの仕事の種類を詳しく紹介します。
販売・サービス業
販売・サービス業には以下のような仕事があります。
- レストランやファミレスなどの飲食店での接客
- デパートや商業施設での案内業務
- アパレルショップでの衣料品の販売
- スーパーや商店街での食品販売
- 雑貨、化粧品の販売
サービスを紹介したり、販売・接客を行う仕事です。土日祝日は仕事で、平日休みがほとんどです。
販売、接客スキルや知識が日々の仕事で身に付きやすく、比較的求人も多いので未経験でも応募しやすいです。
接客が得意、人と話すことが苦にならなければ、検討してみてもよいでしょう。
カスタマーサポート
カスタマーサポートには以下の仕事があります。
- テレビショッピング、ネット通販の商品の対応
- カタログ通販の商品の対応
- インターネットなどの通信事業サービスの対応
販売・サービス業と似ていますが、主に電話で対応するのが特徴です。
カスタマーサポートは「フロント」と「バックヤード」という体制に分かれていて、
「フロント」は主にアルバイトなどの非正規雇用者が簡単な質問に対応する業務、「バックヤード」はより難しい質問に答えたり、スタッフのマネジメント業務を行うという体制になっています。
顧客の声にこたえて、次の商品開発の参考にしたりするのも仕事のひとつです。
消費者を相手にしているメーカーであれば、需要は高く求人数もわりと多いです。
コミュニケーション能力や商品知識も自然に身に付き、研修制度も整っている所が多いので、未経験でも安心して応募しやすいです。
販売・サービス業と違い対面業務ではないので、対面業務は緊張するけど電話での対応なら得意というのであれば検討してみてもよいでしょう。
営業職
営業職には以下の種類があります。
- 飛び込みや訪問販売の営業
- ルート営業
- 電話での営業
- 代理店営業
営業職は単独制かチーム制なのか、扱う商材の種類が違うだけで、モチベーションが変わってくる業種です。
またリサーチ力やマーケティング力、対面業務のためコミュニケーション能力やマナー、礼儀が必要となる仕事です。
フリーターの時に経験があれば検討してみてもよいでしょう。求人はわりと安定しているので、未経験でも挑戦しやすいです。
事務職
事務職には以下の仕事があります。
- 経理や財務の仕事
- データ入力や電話対応の仕事
- 総務の仕事
- 営業職をフォローする営業事務
事務職はコツコツと正確に仕事ができる方に向いています。
経理や財務の仕事は、簡単にいうと企業のお金を管理する仕事です。企業が毎年決算をするには、毎日経理職員が帳簿つけておく必要があります。
資金調達をする際は財務職員が銀行を納得させるデータをわかりやすくまとめる必要があります。
未経験から仕事を探すのは困難ですが、簿記の資格があればアシスタントとしての募集もまれにあります。
一方データ入力や総務の仕事は、タイピングやオフィスソフトの経験があればもちろんのこと未経験から目指すことが可能です。
日々の業務の中で自然と身についてくるので、事務を目指すのであれば資格がなくても仕事ができるデータ入力等から入るのも検討してみてもよいでしょう。
技術系職種
技術職には以下の仕事があります。
- プログラマー
- ウェブクリエイター
- ネットワークエンジニア
- システムエンジニア
- 土木建築技術
- 機械金属加工
新しいことが好きでどんどん吸収できる人、勉強を惜しまない人に向いています。
特にインターネット等の普及でIT業界は急速に成長し採用人数が増えている影響で、教育制度や人材育成制度を導入する企業が増えてきています。
なので未経験でも仕事がやりやすくなっています。技術系を目指していて働きながら知識やスキルを身につけたい人は検討してみてもよいでしょう。
土木建築技術は施工管理職が良いでしょう。施工管理とは簡単にいうと現場監督のことで、施工管理職は未経験からでも始めることができます。
機械金属加工など製造業は働きながら資格(免許)を取得していく必要があります。資格(免許)があることで動かせる機械や、取り扱える業務が広がります。
公務員
公務員も未経験からなることができますが、公務員の場合は公務員試験に合格する必要があります。
今から1日8時間の勉強を1年続けてください。そうすれば試験の難易度が低い方の公務員試験であれば合格できる確率が高いです。
ただし、今から1日8時間の勉強を1年続けるのはかなり大変です。
どうしても公務員になりたい理由があって、勉強時間を確保できる人には良いでしょう。特に試験の難易度が低い公務員は、警察官や自衛官などの保安職です。
フリーターが向いてる仕事を見つける方法

フリーターが自分に向いてる仕事を見つける上で大事なポイントが4つあります。
- 自己分析をした上で仕事を探す
- 自分の知らない仕事も調べてみる
- やりがいや目標をもてる仕事を探す
- 頑張らなくてもできることを探す
1つ1つについて、詳しく解説していきます。
1.自己分析をした上で仕事を探す
自分を一番よく知っているのは自分です。
過去のエピソードをノート等にまとめて箇条書きにして、何を学んだか、起きたできごとの経緯ついて深く考えてみることで、自分の長所や仕事に対する考え方が見えてきます。
それをふまえた上で、応募したい企業と自分が一致するかどうかが見えてきます。あと性格と一致するかも重要です。
自分の性格がよくわからないという場合は、家族や友人に聞いてみると新たな発見があるかもしれません。
仕事を探す上で譲れない優先順位も整理しておくと、自分に合う仕事が探しやすくなります。
2.自分の知らない仕事も調べてみること
自分に向いてる仕事を探すには、世の中にどんな仕事があるのか知らなければいけません。
自己分析をした結果と合いそうな職種や業界を探してみましょう。
今まで自分が知らなかった仕事や、選択肢から除外していた仕事の中にあなたの天職があるかもしれません。
3.やりがいや目標をもてる仕事を探すこと
いくらがんばって仕事をしても、会社が正当な評価をしてくれないので収入がアップせず、モチベーションがあがらないということもあります。
なので正当な人事評価、評価に力を入れている企業を探すことも大事です。企業の口コミを閲覧できるサイトもありますので参考にして有効に活用しましょう。
4.頑張らなくてもできることを探す
あなたはそれほど苦労も努力もしていないのに、周りから「すごいね!」と言われることはありませんか?
それほど苦労も努力もしていないのにできてしまうということは、あなたの才能を活かせる仕事です。自分の性格でもかまいません。
例えば「よくそんなこと続けられるね!」と周りから言われることがあれば、もくもくとこなす作業に向いてる可能性もあります。
「話すの好きだよね!」と言われるようであれば、人とコミュニケーションをとる仕事が得意かもしれません。
フリーターから正社員に就職する賢い方法

フリーターが向いてる仕事を見つける方法をご紹介してきましたが、現実的には自分1人で自己分析や企業分析は難しい部分もあります。
なぜならあなたは「就職・転職の専門家」ではないからです。
人生で何度も就職・転職するものでもありませんし、そんなに転職を繰り返してはいけません。
親や友人などと一緒に自己分析をする
自己分析をするときのコツは客観視できる人にも自分を見てもらうことです。親や友人なども良いでしょう。自分の強みや性格は、あなたの身近な人がよく知っています。
就職活動は1人でしなければならないルールはありませんので、協力してもらえる人には惜しみなく協力をあおぎましょう。
就職支援サービスを活用する
問題は企業分析です。企業分析だけは親や友人には難しいですし、ネットを調べようにもすべての情報が載っているわけではありません。
「求人情報には良いことが書いてあるけど、ブラック企業だったらどうしよう…」と不安になるものです。
1人で就職活動をするのが難しいと感じたら、就職支援サービスに相談してみましょう。就職エージェントは「就職・転職の専門家」です。
膨大な就職・転職の相談に乗っているのであなたに適切なアドバイスができたり、大量の企業情報を提供できたりします。
ネットに書かれていないような裏話も知っているので、企業分析には効率的です。
また、「親や友人には相談しにくい…」「親や友人だと関係が近すぎて客観的な意見にならない」という人もいるでしょう。
そうした場合も第三者の専門家である就職エージェントに相談することで、あなたの客観的な価値を教えてくれます。
きちんと相談にのってくれる就職支援会社であれば、あなたの希望の仕事や条件、性格や適性、フリーター時代の実務経験も踏まえて、あなたに向いてる仕事を紹介してくれます。
就職支援会社を使えば、一人で就職するよりも就職成功率が高いです。フリーターから正社員への就職に失敗したくないようであれば、プロに相談するのが良いでしょう。