
30代無職であっても人生終わりではありません。
確かに30代無職だと、就職などキャリアにおいて不利なのは間違いありません。しかし無職や引きこもりであってもまだ30代ならば、逆転する方法や秘訣も存在します。
この記事では、30代無職の割合などの現状のデータ、実際にどのように30代無職から逆転していくのかについて、具体的にご紹介します。
- 日本に暮らす30代のうち、無職の人の割合は全体の8.6%程度
- フリーターから正社員への採用率は、30代前半で10人に1人、35歳以降は100人に2人
- 30代・無職の期間が長いほど就職では不利になる。今すぐに就活を開始しよう!
- 30代・無職の人におすすめの仕事は、「営業職」「IT系の職種」「販売職」

この記事の目次
30代無職の割合や就職率を解説
そもそも30代無職の人は、日本にどの程度存在するのでしょうか。
その割合と、30代無職の経歴が就職においてどう影響するのかについて、それぞれご紹介します。
30代無職の割合とは
30代の無職の割合は総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」によれば、8.62%※になります(※家事に従事する人や学生は含まない)。
30代で家事や通学をしている人を含めた広義の無職の割合でも9%ほどです。30代では100人に9人が無職となります。
30代の無職割合
割合 | 有業者 | 無業者 | |||
年齢層 | 総数 | 家事をしている者 | 通学している者 | 家事も通学もしていない者 | |
30代総数 | 90.96% | 9.04% | 0.37% | 0.05% | 8.62% |
▽参考:実数でみた人口に占める無業者の数
実数 | 人口総数 | 有業者総数 | 無業者 | |||
年齢層 | 総数 | 家事をしている者 | 通学している者 | 家事も通学もしていない者 | ||
30〜34歳 | 6,410,800 | 5,878,700 | 532,100 | 31,200 | 4,300 | 496,600 |
35〜39歳 | 7,193,900 | 6,495,900 | 698,000 | 19,300 | 2,400 | 676,300 |
30代総数 | 13,604,700 | 12,374,600 | 1,230,100 | 50,500 | 6,700 | 1,172,900 |
30代で無職の人には、以下の2つのパターンがあると考えられます。
- 一度も正社員として働いたことがなく、職歴がない人
- 正社員として働いた経験があるが、離職してから働いていない人
ひとつは、そもそも働いたことがないケースです。病気などで働くことができないケースを除けば、長年引きこもりをしている人や、いわゆる「プータロー」状態の人のほか、なかには「大学院などを卒業してから独学で試験勉強を続けている」といった人もいるかもしれません。
もうひとつは、正社員経験があるが、何らかの理由で辞めて働いていないケースです。やりたいことの準備のためなどポジティブな理由の人もいるかもしれませんが、前職でうまくいかず働くことが怖くなった人や、最近であれば新型コロナウイルスの影響で勤めていた会社が倒産したり退職せざるを得なくなったケースもあるでしょう。また、一旦退職したものの、これから再就職を目指している人もいることが想定されます。

30代無職から正社員就職は厳しい?
独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③」によると、無職から正社員になれた割合は30~34歳で12.5%、35~39歳では男性9.8%、女性8.4%になります。
30代前半でも正社員へ就職の率は約8人に1人という状況です。
同データでは、20~24歳の無職男性の就職率は20.6%と、約5人に1人が就職できていることがわかります。
男性の無職から正社員になった割合 | ||||||
年齢層 | 20-24歳 | 25-29歳 | 30-34歳 | 35-39歳 | 40-44歳 | 45-49歳 |
正社員になった割合 | 20.6% | 22% | 12.5% | 9.8% | 7.9% | 6.1% |
女性の無職から正社員になった割合 | ||||||
年齢層 | 20-24歳 | 25-29歳 | 30-34歳 | 35-39歳 | 40-44歳 | 45-49歳 |
正社員になった割合 | 22.7% | 18.3% | 10.7% | 8.3% | 7.1% | 10.2% |
職歴がない状態での就職活動は、年齢が上がるほど大変になっていくことは避けられないといえます。
無職の期間が長いほど就職では確実に不利になる
無職だった期間が長ければ長いほど、正社員就職においてはやはり不利になっていきます。
完全に無職でなくとも「たまにアルバイトをしていた」などのフリーターであっても同様です。
厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、過去3年間の間に「フリーターからの応募があり、実際に正社員として採用した」と回答した事業所の割合は18.5%です。その内訳を年齢層別にみると、以下の通りです。
- 15~34歳:10%
- 35~44歳:2.1%
いかがでしょうか。上記データには30代以外の年代も含まれていますが、企業が30代フリーターを正社員採用する確率はやはり低く、30代前半まででも約10人に1人、35歳以降になると約100人に2人程度の採用率ということがわかります。
企業からすると同じ30代でも、働いていなかった期間が長い人とある程度の社会人経験がある人が応募してきた場合、やはり後者を評価することのほうが多くはなってしまうでしょう。
30代無職は人生終わりとなぜ考えてしまう?
30代以降無職を続けてしまった場合でも、死ぬしかないということはありません。ですが、死ぬしかないのではないか?と思ってしまうような現状があることも事実です。
なぜ、死ぬしかないと思ってしまうのかという理由について解説していきますので、現状を客観的にみる参考にしてみてください。
就職ができなくなる
30代で無職のままだと「年齢のわりに社会人経験が少ない」と見なされるのが一般的です。
無職期間が長ければ長いほど、企業の採用担当者からすると「いままで何をしていたのか」と、厳しい目で見られてしまうことは避けられないでしょう。
ズルズルと長年無職を続けた結果就職先が見つからなくなり、ずっと無職またはフリーターのまま、というふうになってしまう可能性もゼロではありません。
両親が亡くなると収入源が途絶える
実家暮らしで無職を続けていた場合でも、将来的に親が亡くなると収入源が途絶えてしまい、これまでのような生活ができなくなることが考えられます。
自分が30代のうちはまだ親も若いかもしれませんが、当然親も歳を取っていきます。
親が働いていたり、定年退職後も年金暮らしで生活ができていたうちはよくても、その親がいなくなってしまえば、結局自分で稼がなくてはいけなくなるでしょう。
「収入がなくても生活保護がある」と考える人もいるかもしれません。もちろん最後の手段として使える方法ではありますが、生活保護を受給するためには、以下のような条件があります。
- 家や土地などの資産を持っていないこと
- 病気やケガなどの理由で働くことができない人
- 他の公的制度(就職支援や年金、手当などの給付制度)も受けられない人
- 家族や親戚にも資産がなく、家族や親戚に資金援助をしてもらうことが難しい人
将来確実に生活保護を受けられるとは限らないため、やはり親が元気なうちに、将来のことを考えて働きはじめるべきといえます。
結婚が難しい
30代無職の男性の場合、仮に「結婚したい」と考えても、やはり現実的には厳しいといえます。仮に無職の状態で恋人ができたとして、結婚することになった場合「どうやって生活していくつもりなのか」と相手の両親に反対されるのは目に見えています。
将来結婚して家庭を持ちたいのであれば、やはりまずは正社員で就職して、生活が安定してきてから考えるのが一番です。いまは共働き家庭が多いため、女性も、無職のままでは「結婚相手としては考えられない」と男性から敬遠されてしまう可能性があります。
男女ともに、まずは定職に就くことを優先させなければ、結婚することは難しいでしょう。
家族や親戚に厳しい目を向けられる
30代の無職は、やはり家族や親戚からの風当たりが厳しくなることは間違いないでしょう。
「健康なのになぜ働かないのか」と言われたり、親を悩ませてしまったりすることにもなりかねません。実家暮らしで養ってもらっているのであれば、日に日に肩身も狭くなってしまいます。
通常であれば仕事をがんばっていたり家庭を築いていたりすることが多い年代にもかかわらず無職ということで、親戚からも「大丈夫なのか」と思われてしまう可能性は高いでしょう。
外に出て働く自信がなくなる
無職の生活が長くなると、どんどん外に出るのが億劫になります。
「時間はあるけれどお金はない」という状況下になるため、部屋のなかでインターネットやゲームなどをしたり寝たりして過ごすなど、生活も乱れてしまいがちです。
毎日あり余る時間をひとりで過ごしていると、どんどん思考もネガティブになっていきます。
いまの状況をなんとかしなければと考えつつも、「自分はダメな人間だ」「もう社会には出られない」などと思い込み、働く気力も自信もなくなるといった悪循環にも陥りやすくなるのです。




30代無職はどうすれば逆転できる?
30代で無職を続けた場合の末路についてご紹介しました。 しかし、30代無職の状態から逆転することは可能です。一般的な就職方法について解説します。
30代無職に一般的におすすめされる方法
30代無職が現状を脱出する方法は、主に以下の2つです。
- 生活を改善する
- 就職の準備をする
それぞれについて、ご紹介します。
生活を改善する
まずは規則正しい生活をしましょう。
無職だとどうしても夜型になりがちですから、朝は少しでも早く起き、夜はしっかり寝る生活にすることから始めましょう。
近所へ散歩に行ったりちょっとした買い物など、一日一回は外に出ることもおすすめです。
ポイントは、決して一気にがんばりすぎないことです。
無職であることで、自信をなくして自分を責めてしまっている人も多いはずです。
ほんの少しずつでも生活を変え、できたことは認めて自分をほめることをおすすめします。
就職の準備をする
就職の準備は、具体的に以下のようなことをやってみるのも有効です。
- 求人サイトを見てみる
- ハローワークへ行く
- ハローワークの職業訓練を受ける
- 短期バイトや在宅ワークをしてみる
- エージェントに相談する
どういった仕事があるのか、求人サイトを見てみたり、ハローワークに求職者登録をしてみる、というのも第一歩です。
ハローワークで申し込み、職業訓練を受けてスキルを身に付けるのもおすすめです。条件に該当すれば、給付金を受け取りながら職業訓練を受講できます。
一日だけ、数時間だけなど、少しでも働いてお金を得るという経験をして自信を取り戻していくのもよいでしょう。いきなり外で働くのが怖い場合、クラウドソージングで、初心者でもできそうな案件に取り組んでみるのもよいかもしれません。
これらも生活改善同様、焦りすぎず一歩ずつ進めていきましょう。
30代無職から正社員就職を本気で目指す場合には、無職の方を支援対象としたエージェントを利用した就職活動が効率的でおすすめです。
無職から正社員へ!30代が今すぐ始めるべき就職活動5つのステップ
30代無職から正社員を目指すには、自己分析、業界・仕事研究、未経験歓迎の求人探し、応募書類の作成、就職サービスの利用の「5つのステップ」を焦らずに踏むことが大切です。
まずは企業にアピールできる強みを見つけるため、そして自分が会社や仕事に求める条件を理解するために自己分析から始めましょう。
次に、job tagの活用や合同説明会への参加を通じて、業界研究や仕事研究を進めてください。
応募したい業界が決まったら、就職サイトやハローワークインターネットサービスを利用し、未経験からでも応募できる求人を探しましょう。
このタイミングで履歴書や職務経歴書の作成に取り掛かっておくとスムーズに応募できます。
就職活動に不安を感じる方は、ハローワークや就職エージェントなど、無料で就活を支援してくれるサービスも活用しましょう。
ステップ1:自己分析をする
自分自身を知ることが就職活動の第一歩なので、30代無職の方は「自己分析」から始めましょう。具体的には「得意なことや褒められた出来事」「苦手だったことや辛かった場面」を思い出し、必要に応じて無料の診断ツールも利用してみてください。
自分に合う仕事を選ぶには、「強み」と「弱み」を整理して理解することが欠かせません。また、苦手なことや辛い経験を思い出すと「自分にとって避けたい環境」が見えてきます。
新たな“気付き”が手に入るので、厚生労働省の「job tag」で提供されている職業興味検査なども試してみましょう。
1. 得意なこと、褒められたことを思い出す
自分の強みが見つかるので、得意なことや、「すごいね」「ありがとう」と言われた経験を思い出してみましょう。
たとえば、以下のようなことです。
- 資料をまとめるのが得意
- 1人で集中して作業をできるとミスが少ない
- 気配りができるとバイト先の店長に褒められた
「資料をまとめるのが得意」であれば、“相手に伝わりやすい形で情報を整理できる”ことが強みといえます。
どんな些細な経験でも構わないので、まずは得意なことや褒められたことを思い出してみましょう。
2. 苦手なこと、辛かったことを思い出す
自分自身の価値観を理解できるため、苦手だったことや辛かった経験を振り返ることも大切です。
たとえば「人とのコミュニケーションが苦手」と感じる場合は、事務職やライターのように一人で集中できる時間が多い仕事が向いているかもしれません。
自分にとってイヤなことは、「避けたい環境」や「ストレスの原因」を知る手がかりになります。長く安心して働ける仕事を選ぶためにも、自己分析では「やりたくないこと」も正直に書き出しておきましょう。
3. 診断ツールを利用する
自分では想像していなかった可能性に出会えるため、自己分析をする際は「診断ツール」の利用もおすすめです。
たとえば厚生労働省が提供する「job tag」には、次のような無料診断が多数用意されています。
- 職業興味検査(どのような仕事に自分が興味があるか分かる)
- 仕事価値観検査(自分が仕事に何を求めているか分かる)
- 職業適性テスト/Gテスト(自分の“得意”を活かせる仕事が分かる)
30代無職の方の中には、「自分でもできる仕事って何だろう…」と不安を抱えている人もいるでしょう。こうしたときは一人で考え込まず、客観的な診断を通じて新しい気付きを得ることが大切です。
就職活動が前に進むきっかけにもなるため、上記のような診断ツールをぜひ活用してみてください。
ステップ2:業界・仕事を調べる
自己分析の後は、業界・仕事調べに移りましょう。30代無職の方は応募できる求人が限られるため、まずは幅広く業界や職種を知ることが大切です。
たとえば厚生労働省の就職支援サイト「job tag」を使えば、業種ごとの仕事内容や勤務場所が分かります。合同説明会に参加すると一度に多くの企業と出会えるため、こちらも視野が広がるきっかけになるでしょう。
また『業界地図』や『会社四季報』の活用もおすすめです。将来性のある業界や、企業ごとの具体的な事業内容が分かりやすくまとめられているので、時間がない方はこうした書籍の利用も検討してみてください。
1. job tagを活用する
業界や仕事の種類を知らないと選択肢が狭まってしまうため、視野を広げる手段として「job tag」の活用がおすすめです。
job tagとは、厚生労働省が運営する就職支援サイトです。特に「業種・職種を知る」というページでは、業務内容の詳細や、主な勤務場所などが解説されているため、業界・仕事研究をするうえで役に立ちます。
自分に合った仕事を見つけるためにも、30代無職の方はjob tagをぜひ利用してみましょう。
2. 合同説明会に参加する
効率よく多くの企業に出会えるため、合同説明会への参加もおすすめです。
合同説明会とは、複数の企業が一堂に会して仕事内容や採用情報を紹介するイベントで、ハローワークや自治体、就職支援会社などが主催しています。
こうした合同説明会には、年齢や経歴を問わず人材を募集している企業も多く参加しています。幅広い業界の企業が集まる説明会では自分では考えていなかった仕事に出会える可能性もあるため、視野を広げるきっかけがほしい方も参加してみましょう。
3.『業界地図』や『会社四季報』を見る
業界研究や企業研究が効率的に進むため、『業界地図』や『会社四季報』も活用しましょう。
書籍名 | 特徴 | 主に手に入る情報 |
---|---|---|
業界地図 | 業界全体の構造が分かりやすく解説されている | ・業界の構造や企業間の力関係 ・伸びている業界や将来性のある分野 |
会社四季報 | 企業の「リアルな情報」が豊富に掲載されている | ・企業の特色や主力事業、売上 ・平均月収、従業員数、平均年齢 |
膨大な情報がコンパクトに整理されているため、業界調べ、会社調べの時間を大きく短縮できます。
可能であればそれぞれを購入して手元に置いておく、難しい場合は図書館で借りて目を通しておくのがおすすめです。
ステップ3:未経験でも挑戦できる仕事を探す
挑戦できる求人が増えるため、応募したい業界や職種が決まったら「未経験可」の求人を探しましょう。
求人の探し方としては、民間の就職サイトで「未経験歓迎」といった条件で検索する、またはハローワークインターネットサービスの利用がおすすめです。
無職期間が長かったり、アピールできる経験がなかったりすると、経験者枠で採用されるのはハードルが高いかもしれません。
一方で、未経験者を歓迎している企業では、無職の30代を含め、仕事経験が少ない人を正社員として積極的に採用しています。
就職の可能性を高めるためにも、未経験から挑戦できる仕事にも目を広げてみましょう。
1. 民間の就職サイト
自分でも応募できる求人が効率よく見つかるので、30代無職の方は民間の就職サイトを活用しましょう。
多くのサイトには「未経験歓迎」「ブランクOK」といった検索条件が用意されており、無職の30代でも応募できる求人を絞り込めます。
その他、以下のような条件で検索するのもおすすめです。
- 学歴不問
- 正社員登用あり
- 研修制度充実
今の自分でも挑戦できる求人に出会えるので、まずは就職サイトを使って求人を探しましょう。
2. ハローワークインターネットサービス
全国の膨大な数の「未経験歓迎」の求人を探せるため、ハローワークインターネットサービスも活用しましょう。
厚生労働省が運営する無料の求人検索ページで、勤務場所や希望条件などを入力することで多くの求人がヒットします。
検索画面の「詳細検索条件」を押す↓「必要な経験等」の「不問」にチェックを入れる
未経験でも挑戦できる求人に一つでも多く出会いたい方は、ハローワークインターネットサービスもぜひ利用してみてください。
ステップ4:応募書類を作る
応募する求人が見えてきたら、履歴書と職務経歴書の作成に移りましょう。
履歴書は空白期間を正直に書き、やむを得ない事情や前向きな理由で働いていなかったのであれば、それを補足として記載するのがおすすめです。
職務経歴書では「自己PR欄」が特に重要です。アルバイトや家事などの経験でも構わないので、応募企業で役に立つ力を考えたうえで、その強みが自分にあることを明確に伝えましょう。
30代無職の場合は「本当に働く意欲があるのだろうか?」と企業から不安を抱かれることが多いので、入社に対する熱意や覚悟を示すことも意識してみてください。
1. 履歴書
ほぼ全ての企業で提出が必須のため、まずは応募に向けて履歴書の作成に取り掛かりましょう。
ここでのポイントは、空白期間について正直に記載することです。30代無職の方の中には「働いていない期間」を隠したい人も多いかもしれませんが、嘘をつくと内定が取り消される可能性があるなど大きなリスクにつながります。
なお、空白期間が生まれた理由を履歴書に書く必要はありません。ただし「家族の介護に専念していた」「資格取得に向けて勉強していた」など、やむを得ない事情や就職に向けて前向きに取り組んでいたことがあれば、補足として記載しておくと印象が良くなるでしょう。
ニートの方向けですが、履歴書の具体的な書き方を知りたい方は次の記事も参考にしてみてください。
2. 職務経歴書
書類選考を通過するうえで重要な書類のため、職務経歴書もしっかりと用意しておきましょう。
職務経歴書にはいくつかの記載項目がありますが、30代無職の方が特に力を入れたいのが「自己PR欄」です。
具体的には、次のポイントを意識して記載しましょう。
- 応募する企業や仕事で活かせる強みをアピールする
- アルバイト、家事、資格勉強などの経験をもとに強みを伝えてもOK
- 入社後の意欲を最後に書く
自己分析を通して見えてきた強みを、ただ闇雲に伝えるだけでは十分なアピールにはなりません。大切なのは、企業が求める強みを踏まえたうえでアピールすることです。
ニートの方向けの記事ですが、職務経歴書の記載例を確認したい方は以下の記事もチェックしてみてください。
ステップ5:就職支援サービスでサポートを受ける
就職活動をスムーズに進めたい30代無職の方は、就職支援サービスを利用しましょう。
具体的にはハローワークやサポステ、就職エージェント、生活困窮者自立支援制度の活用がおすすめです。
ハローワークでは、応募書類の添削や模擬面接を受けられます。
サポステはビジネスマナー講座や就業体験など、社会復帰に向けたプログラムが充実していることが特徴です。
就職エージェントを利用すると、求人紹介や面接日程の調整など、内定獲得に向けて心強いサポートを受けられます。
生活面や経済面の不安が強い場合は、生活困窮者自立支援制度の利用も検討してみてください。
1. ハローワーク
ハローワークとは、厚生労働省が全国に設置している「公共職業安定所」の愛称で、就職活動を無料でサポートしてくれる公的機関です。
全国に500箇所以上あり、施設内の端末で求人検索ができるだけでなく、応募書類の添削や模擬面接なども受けられます。「自己分析セミナー」など、就職に役立つイベントを定期的に開催しているのも特徴です。
さらに、専門の相談員が就職活動の進め方や、自分に合った求人の探し方、面接対策の方法など、幅広い相談に応じてくれます。30代無職の方は正社員就職に向けたプランを一緒に考えてくれることもあるため、サポートをぜひお願いしてみましょう。
ハローワークを利用するには登録が必要です。最寄りのハローワークに足を運んで求職申込みを行うか、ハローワークインターネットサービスでオンライン登録を済ませましょう。
2. 地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(サポステ)は、「就職に向けて一歩を踏み出したい」と考えている15歳から49歳までを対象にした支援サービスです。
厚生労働省が委託する支援機関で、全国に179箇所設置されています。
利用者は、次のような講座・プログラムに無料で参加できます。
- コミュニケーション講座
- ビジネスマナー講座
- 就活セミナー
- 就業体験(ジョブトレ)
- 集中訓練プログラム(約2ヶ月間の就労支援)
社会に出るのが不安な人向けの支援が多いため、「仕事をしていない期間が長くて不安…」「自信がなくて動き出せない…」と感じている30代無職の方におすすめです。
利用したい場合は、まずは自宅近くのサポステをこちらから探しましょう。
その後の流れは施設ごとに異なりますが、初回面談を行った後に、担当相談員と一緒に利用計画を立てていく流れが一般的です。
3. 就職エージェント
就職エージェントとは、専任のキャリアアドバイザーが就職活動を無料でサポートしてくれる民間のサービスです。
具体的には、次のようなサポートを受けられます。
- キャリアカウンセリング
- 求人紹介
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接対策・模擬面接
- 企業への応募手続きや面接日程の調整
- 給与交渉
就職エージェントの大きなメリットは、応募手続きや日程調整といった作業を代わりに行ってくれることです。
一人で進めると不安や負担が大きい就職活動も、専門家のサポートがあることで安心して挑戦できます。
就職エージェントには様々な種類がありますが、30代無職の方は「未経験OK」の求人をメインに扱っているサービスを選ぶと良いでしょう。
利用の流れは、エージェントの公式サイトから申し込みを行い、担当のキャリアアドバイザーとオンラインまたは対面で1対1で面談を行うことが一般的です。
4. 生活困窮者自立支援制度
生活困窮者自立支援制度とは、生活や就職に悩みを抱える人に向けて、仕事探しの支援や家計の立て直し支援などを行っている国の制度です。
この制度はいくつかの事業に分かれていますが、正社員就職を目指す30代無職の方は「就労準備支援事業」や「就労訓練事業」をもとに支援を受けられるでしょう。
就労準備支援事業 | 「社会との関わりに不安がある」など、直ちに就労が困難な方に向けた6ヶ月~1年の就労プログラムを提供 |
就労訓練事業 | 直ちに一般就労が難しい方に向けて、個別の就労支援プログラムに基づき、その方に合った作業機会を中長期的に提供 |
基本的には市区町村の役所や福祉課が対応しており、地域ごとの相談窓口はこちらで確認できます。生活が苦しい方や、就職に対して強い不安がある方は、生活困窮者自立支援制度の利用も検討してみてください。
30代無職から就職しやすい仕事を解説
30代無職から逆転する方法について、理解が深まったでしょうか。
最後に、30代無職の状態からの就職におすすめの仕事を3つご紹介します。
- 営業職
- IT系の職種
- 販売職
これらは、30代未経験者でも採用されるチャンスが比較的多い仕事です。それぞれについて、解説します。
営業職
営業職は通年を通して、安定した求人があります。企業で扱う製品・サービスにおける知識などを学ぶのは就職してからになるため、未経験者でも入りやすい職種です。
営業職は常に求人がある仕事ということで、スキルを身につけることで転職などもしやすくなるため、将来的にいわゆる「食いっぱぐれ」がなくなる点も魅力です。
営業の仕事は、必ずしも話が上手だったり明るくおしゃべりだったりする必要はありません。扱う商材によってはむしろ落ち着いた雰囲気の人が好まれるケースもあるため、自分に合いそうな社風の企業を探すとよいでしょう。
IT系の職種
30代無職にオススメな仕事の2つ目は、IT系の職種です。たとえばプログラマーやエンジニアなどの仕事は、未経験者や30代からでも比較的就きやすい仕事といえます。
現在は、有料のプログラミングスクールやオンライン講座なども充実しています。エージェント型のものもあるため、一定のスキルを身に付けたうえで就職活動をするという方法も効率的です。
IT系の職種は専門性が高く需要が大きいのが魅力です。一方で、激務薄給の下請け企業などもなかにはあるため、企業選びの際には注意して見極める必要があります。
販売職
販売職は通年を通して人数が多く、30代の採用も実施しています。種類も食品・衣料品・雑貨の販売など多岐に渡るため、自分に合った店舗を選ぶことで長続きしやすくなるでしょう。
チェーン展開している店舗の場合、マニュアルや研修などが充実していることも多くなっています。人前に出る仕事という点で、従業員教育には一定の力を入れている企業が多いためです。そのため、職歴がない・少ない人でもスタートしやすい仕事でもあります。
ほかの職業と比べて学歴や職歴を問わない職場も少なくないため、30代無職の経歴がハンデになりにくいといえるでしょう。
30代無職から正社員になった体験談
30代無職の状態から正社員になったJ.Iさんの体験談を紹介します。
悩みを素直に話せる相談相手の存在が「心の支え」となり、30歳の自分に需要があるのかな…という不安が少しずつ和らいでいったようです。
【J.Iさん】退職後の不安を乗り越え、30歳で就職に成功
大学1年の秋、リーマンショックの影響で学費が払えずに中退したJ.I.さん。アルバイトを続ける中で将来への不安が募り、就職活動に挑戦するも、学歴や経験のなさから自信をなくしかけました。
転機となったのは、ハローワークで紹介された職業訓練校です。そこでプログラミングを3ヶ月間学び、IT会社に就職。9年間がむしゃらに働き、やりがいも感じていましたが、「違う仕事に挑戦するなら今しかない」と考え、半ば勢いのまま会社を辞めました。
「見切り発車で退職をした」と話すJさんは、30歳の自分に需要があるか不安が尽きなかったそうです。そうした中、ネットで見つけた就職エージェントを利用することに。不安や悩みをアドバイザーに話したところ、共感しながら包み込むように話を聞いてくれたといいます。
“就職パートナー”と思える存在に出会えたJさんは、手厚いサポートと集団面接会を通じて徐々に自信を取り戻し、大手自動車メーカーの提携会社に技術職として採用されました。
まとめ
30代で無職という状態から就職することは簡単ではありませんが、可能です。
そもそも、30代で無職であるのには何らかの事情があったはずです。
いま無職だということだけで、人生に絶望するのはやめましょう。
一方で、社会復帰をして正社員として働くことを希望するのであれば、いますぐ行動したほうがよい状況にあることも確かです。
一歩ずつまず行動をしていきましょう。
「30代無職」に関するよくある質問
結論、30代前半でも5人に1人が正社員就職に成功する程度の割合です。
年齢が上がるほど就職は不利になりがちなので、「30代無職の割合-職歴なしだと就職は厳しい?-」でより詳しいデータ等は紹介しているので一読して現状を把握していきましょう。
主には、コミュニケーションスキルが要求される仕事が就職しやすい仕事ではあります。
専門的なスキルがなくとも就職できる仕事へ就き、専門性を高める選択肢もありますが、「30代無職から就職しやすい仕事を解説」で他の仕事についても解説しているので参考にして自分に合った仕事を見つけてみましょう。
30代無職のおよそ8〜10人に1人が正社員就職に成功しているため、30代で無職になっても絶望ではありません。
労働政策研究・研修機構の調査によると、「1年前に無職だった人が正社員になれた割合」は、30〜34歳では男性12.5%、女性10.7%です。35〜39歳では男性9.8%、女性8.4%が正社員として就職しています。
このように30代無職でも再出発できる可能性は十分にあるため、未来に対して過度に悲観する必要はないでしょう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 ③-平成29年版「就業構造基本調査」より-|図表3-18 1年前「無業・非家事非通学・無配偶で卒業者」(非求職無業+求職者)であった者の現状」p.105
ニートの定義は「15歳〜34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者」のため、35歳はニートには当てはまりません。
非労働力人口とは、15歳以上の人口のうち、働く意思がない人や通学中の学生、家事従事者、高齢者、病気やけがで働けない人などを指す言葉です。
定義上では、ニートは34歳までの非労働者を差します。そのため35歳以上の場合は働いていなくてもニートとは呼ばれず、「無職」や「失業者」として分類されることがほとんどです。
一般的には、無職期間が3ヶ月を超えると企業からの目線が厳しくなります。
ブランクがある人に対し、「働く意欲が低いのでは?」「社会人としての感覚やスキルが衰えているのでは?」といった印象を持つ企業は少なくありません。
また、多くの人は3ヶ月以内で就職先を決めるため、それ以上になると「本人に何か問題があって内定を取れないのでは」と疑われやすくなります。
もちろんそれぞれ事情があるため、すぐに就活を始められない人もいるでしょう。無理に動く必要はありませんが、社会一般で見ると無職期間が3ヶ月を超えると不利になりやすいことは理解しておきましょう。
社会復帰を果たした30代の事例は多いため、無職や引きこもりであっても決して手遅れではありません。
たとえばハローワークや就職エージェントの支援を受け、30代無職から正社員就職を実現した人は多くいます。いきなり正社員として働くのが難しくても、短期のアルバイトから始め、その勤務先の「正社員登用制度」を使ってフルタイムの正社員として働く人も少なくありません。
30代は企業からの需要もまだまだあり、未経験歓迎の求人も豊富です。「自分の年齢や状況ではもう遅い」と思い込まず、まずは就職に向けてできることを少しずつ始めていきましょう。
30代無職であっても就職できる可能性は十分にあるため、「人生詰んだ」という言葉は正しいとは言えません。
たしかに20代や、就職経験が豊富な30代と比べると選択肢が狭まる部分もあります。しかし現在は人手不足に悩む業界や企業も多く、30代を対象に「未経験歓迎」「ブランクOK」といった条件で求人を出しているケースも少なくありません。
「人生100年時代」と言われる日本にあって、30代はまだまだ若い年齢です。今からでも未来は切り開けるので、まずは悲観的な言葉や情報からは距離を置き、自分に合った働き方を探すことに集中しましょう。






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