
大学を中退しても、条件次第で「新卒扱い」で就職活動が可能です。特に中退から3年以内であれば、厚生労働省の指針により多くの企業が新卒枠での応募を認めています。そのため、空白期間をつくらず早めに行動することがカギです。
本記事では、大学中退者が新卒として扱われる条件や、就活を有利に進める方法、支援サービスの活用まで具体的に解説します。




大学中退は新卒扱いになる?
大学を中退した場合、最終学歴は「高卒」となり、基本的には「既卒」として扱われます。そのため一般的には新卒枠での応募は難しくなりますが、企業や時期によっては「新卒同等」として応募できるケースもあります。特に中退後3年以内であれば、多くの企業が新卒採用枠への応募を認めています。その理由は、厚生労働省が「卒業後3年以内の既卒者」は新卒枠で応募可能とすることを奨励しているからです。そのため、中退後すぐに就活を始めれば高卒新卒と同様の扱いを受けることもあります。
ただし、企業によって判断基準が異なるため注意が必要です。中退の時期や空白期間の長さによっては既卒扱いになることもあるため、できるだけ早く行動を起こすことが重要です。
参考:厚生労働省「3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!」
新卒扱いの定義とは
新卒とは、一般的に「学校を卒業予定の学生が卒業前後に初めて就職活動をする状態」を指します。企業の多くは、卒業見込みの学生(大学4年生など)を新卒として採用します。一方、大学を中退した場合は「卒業見込み」がなくなるため、基本的には「既卒」扱いとなります。既卒とは、すでに学校を卒業・中退しており、就職経験がない(または短い)求職者のことです。ただし、厚生労働省は「卒業後3年以内の既卒者も新卒枠への応募を可能」としており、企業によっては中退者も“新卒扱い”または“同等枠”で受け入れることがあります。
中退でも新卒扱いされるケース
大学中退者が新卒扱いされるかどうかは、時期や応募する企業によって異なります。大学中退後3年以内であれば、新卒採用の枠に応募できるケースが多いです。この場合、企業としては中退者も「学歴上では高卒扱い」になりますが、年齢的には他の新卒者と近いため、ポテンシャルを期待して採用の対象とするケースがあります。また、学内の新卒向け就職イベントや学校推薦での応募が可能な場合もあります。
新卒扱いされないケース
一方で、大学中退後に新卒扱いを受けられない場合もあります。例えば、中退後すぐに就職活動を行わず、空白期間が長くなってしまうと、新卒として認められにくくなるケースがあります。
また、企業によっては「大卒以上」の学歴を明確に必要とする新卒求人もあり、学歴的に高卒扱いとなる中退者はこれらの求人に応募できません。さらに、新卒採用枠を卒業年度に限る企業では、大学を中退した時点で新卒の対象外とみなされることがあります。

大学中退後に就活を有利に進めるポイント
大学中退後の就活で成功するには、「中退理由を前向きに伝える」「スキルや経験で補う」「既卒・第二新卒枠を活用する」の3つが重要です。特に中退理由の説明では、自分の選択に責任を持ち、主体的に動いていることを伝えると好印象につながります。また、アルバイト経験や資格取得でスキルを示すことで、中退という経歴の不利をカバーできます。例えば、IT業界を目指すなら基本情報技術者試験の取得が強い武器になります。
それぞれのポイントについて解説していきます。
1. 中退理由を前向きに伝える
大学中退後の就活では、中退理由をポジティブに伝えることが非常に重要です。大学中退という事実は多くの企業にとってネガティブな印象を持たれがちですが、その理由を前向きに説明することで、採用担当者へ生産的な印象を与えることができます。
例えば、「自分のやりたいことを見つけるために早く実社会での経験を積む選択をした」「別の目標に向けて行動を移した」など、主体的かつ未来志向の姿勢をアピールしましょう。
また、具体的なエピソードや自身の成長につながった経験を交えながら話すことで、単なる言い訳に聞こえず説得力が増します。中退理由の説明でポイントとなるのは、「反省」や「責任感」をしっかりと示しつつ、それを乗り越えようと努力する姿勢を伝えることです。これにより、大学中退というハンデをカバーできる可能性が広がります。
2.職歴やスキルで補う
大学中退後の就職活動では、職歴やスキルが非常に重要な要素となります。新卒扱いで応募できる場合でも、他の応募者との差別化を図るためには、スキルや経験の有無が大きなポイントになります。アルバイトでも良いので、業務に直結するような職種での経験を積むことを意識しましょう。例えば、営業職や接客業、ITエンジニア関連などは実務経験が評価されることも多いです。
さらに、高卒の状態で取得できる資格も活用できます。例えば、基本情報技術者、宅地建物取引士、旅行業務取扱管理者などの資格は、その取得プロセス自体が努力や専門性を示すことにつながります。また、独学で学んだスキルやポートフォリオの提出も効果的です。特に現代社会では、エンジニアやデザイナーなどの職種でポートフォリオを持っていることが採用に直結する場合もあります。
3.既卒・第二新卒枠も積極的に活用
大学中退後の就活では、既卒や第二新卒として応募が可能な求人枠を積極的に利用することも1つの戦略です。厚生労働省の通達によると、卒業後3年以内の既卒者は新卒扱いで応募できる場合があります。この制度を利用することで、自分が新卒の対象者として採用プロセスに参加できる可能性が広がります。
また、第二新卒枠も見落とせないポイントです。企業によっては、入社後数年以内に仕事での方向性を見直そうとする求職者を第二新卒として積極的に受け入れているケースもあります。この場合、事前に募集内容をしっかり調べ、既卒や第二新卒の応募条件に該当するかどうかを確認することが大事です。
さらに、就職活動の時期にも注意が必要です。新卒採用のタイミングと並行して求人が出るため、事前にリサーチを行い、効率的に動くことで就活成功に近づくことができます。既卒や第二新卒の扱いをうまく活用し、自分に合った企業とのマッチングを見つけましょう。
新卒扱いされなかった場合の選択肢
もし新卒扱いされなかった場合でも、「第二新卒枠」や「就職支援サービス」の活用で正社員就職のチャンスは十分にあります。第二新卒は年齢的に若く、将来性を重視する企業にとって魅力的な存在です。たとえば、20代前半の中退者は「若さ」と「意欲」で評価されることがあります。また、就職エージェントを利用すれば、自分の条件に合った企業紹介や面接対策まで支援を受けることができます。
1.第二新卒枠での就職活動
大学中退者でも第二新卒枠を活用することで、就職活動を有利に進めることができます。第二新卒は、一般的に「新卒として就職後3年以内に転職や再就職を目指す人」を指します。しかし、大学中退者も同じ年代であれば、第二新卒として見られることがあります。その場合、企業側は「若い」「学ぶ意欲がある」といった点を評価してくれることがあります。
就職活動を進める際には、学歴の扱いに注意しつつ、自分が持つスキルや経験をアピールすることが重要です。また、第二新卒枠を利用する求人の場合、中途採用とは異なりポテンシャルや将来性を重視する企業も多いため、中退理由を前向きに伝えるなど、戦略的な自己PRが求められます。
2.就職支援サービスの活用
大学中退後の就職活動では、就職支援サービスを利用するのも有効です。大学中退者や既卒を対象とした就職エージェントや支援プログラムでは、専門のアドバイザーが企業選びから応募書類の作成、面接対策までをサポートしてくれることがあります。特に、大卒以上が条件の求人に応募できない場合、高卒扱いとして受け入れられる企業を紹介してもらえる点は大きなメリットです。
さらに、こうした支援サービスでは、職種やスキルに応じたキャリア相談も行っている場合があります。特にITや営業職など、比較的中退からでも目指しやすい分野に関するアドバイスを受けられる可能性が高いです。また、これらのサービスを活用することで、就職活動の時期ややり方を効率的に見直すことにもつながります。
大学中退後の就職活動には不安がつきものですが、専門家の力を借りながら自分に合った働き方を見つけていくことが成功への鍵となります。

大学中退後の就職に関するよくある質問
大学中退の扱いは?
大学を中退した場合、最終学歴は「高卒扱い」となるのが一般的です。そのため、大卒以上を条件とする求人には応募できなくなります。ただし、大学を中退してから3年以内であれば、企業によっては新卒扱いで就職活動が可能な場合もあります。これは厚生労働省の通達に基づくもので、卒業後または卒業見込みの学生と同様に応募資格が与えられるという仕組みです。しかし、企業によって対応が異なるため、事前に新卒扱いされるか確認が必要です。
大学中退は学歴として認められますか?
大学中退の場合、最終学歴として「大卒」とは認められません。そのため、学歴の記載は「高卒」となります。ただ、卒業要件を満たしていなくても、取得した単位や在学期間などが選考時に評価される場合もあります。特に専門性やスキルが必要な職種では、大学中退で得た知識や経験がアピールポイントになることもあります。就職活動においては、自分の中退理由を前向きに伝えること、さらに職歴やスキルを補う努力が重要です。
まとめ
大学中退後の就職活動では、新卒扱いや既卒、第二新卒枠の活用、さらには中途採用への挑戦など、多様な選択肢が考えられます。大学中退後3年以内であれば新卒として応募できる可能性もありますが、多くのケースでは高卒扱いとなるため、自身の経歴やスキルをうまくアピールする必要があります。また、採用担当者に良い印象を与えるために、中退理由をポジティブに伝えることや、自己PRをしっかり準備することが重要です。
就職活動のやり方については、タイミングや選ぶ企業が大きなポイントになります。早めの行動がチャンスを広げる要素になりますし、就職支援サービスや各種資格の取得を活用することで、有利に進めることも可能です。大学中退後のキャリア形成に不安を感じる方も少なくありませんが、自分に合った企業や職種を見つけ、前向きに努力し続けることで成功をつかむことができます。
最終的には、「大学中退」という経歴が不利ではないことを証明するためには、自分自身の行動や工夫が鍵となります。新卒、既卒、中途採用の枠組みにとらわれず、主体的に動くことで、多くの可能性を見いだせるでしょう。
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