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博士中退者が就職を成功させるポイント!おすすめの仕事も紹介

博士中退者が就職を成功させるポイント!おすすめの仕事も紹介
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博士課程を中退して就職したいと考えている人もいるのではないでしょうか?

この記事では、博士課程の中退者が就職活動を成功させるためのポイントを分かりやすく解説します。
また、博士を中退して就職することのメリットデメリットや、おすすめの仕事もご紹介しますので、博士課程を中退したいと考えている人は記事の内容を参考にしてみてください。

博士を中退しても就職成功できる理由3選

博士を中退しても就職をすることは現実的に可能です。とは言っても、実際に今博士を中退しようとしている人からすれば疑義が残るでしょう。

まずは、博士を中退してもなぜ就職を成功させられるのかについて、理由を3つ解説します。

1.大卒という枠組みで応募できるから

博士課程に進んでいる人であれば周知の事実ではあると思いますが、念の為大学と大学院のシステムを振り返っておくと、大学(学部)を卒業した後に大学院に進学し、修士課程の修了後博士課程に進むといった流れになっています。

つまり、博士を中退したとしても学歴的には大卒になります。大学院の仕組みを理解できている人事であれば、修士課程を修了しているため大学院卒としてみなされるケースもあるでしょう。

博士を中退したとしても、少なくとも大卒以上の分類で就活を進められることになりますが、募集条件に学歴を設けている場合でもそのほとんどが大卒までとなっています。
つまり、博士を中退していても学歴的に応募できないといった求人は存在しないと言えます。
むしろ大卒の人の方が世間では多いため、同じ大卒という括りであっても「修士課程を修了している」という点で有利になるケースすらありますので、就職成功も期待できるでしょう。

2博士中退者は一定割合いるから

文部科学省の推進事業における大学の調査結果によれば、博士課程の中退率は5.4%となっています。学士課程の中退率が約2%、修士課程の中退率が2.6%であることから、博士課程の中退率は比較的高いといっても良いでしょう。
また、仮に博士課程を3年間続けるとすれば、トータルの中退率は15%を超えてくる計算になりますので、むしろ博士課程は中退者がある程度いるものだとすら言えます。

このように博士の中退者はそう珍しいものではありませんので、面接官からすれば中退がネガティブに捉えられることは少ないでしょう。むしろ、博士課程まで進学していることにプラスの評価をする企業すらいると考えられますので、結果的に博士中退者でも就職できると言えるのです。

3.少子高齢化で今後も人手不足が続くから

ご存知の通り日本は少子高齢化問題が長く続いており、産業によって多少の違いはあるものの全社的に人手不足といった状況になっています。
また、人手不足の問題は今後数十年に渡って続いていくとも言われているため、企業は求人募集をしてもなかなか人出を確保できないといった状況も続きます。

このようにどの企業も人材を欲している状況になりますので、博士中退者はもちろんのこと、大学中退者であっても正社員として就職できるのが今の市況感です。特に社会人は学歴よりも仕事でどんなことができるのかといった観点の方が重視されますので、博士中退のせいで就職できないといったことはないと考えられます。

博士中退者の就職活動の流れ

博士を中退しても就職できるのは間違いありませんが、就職活動の基本的な流れを理解しないまま求人に応募し始めてしまうと、博士まで進学していたとしても内定がなかなか獲得できないといったことになりかねません。

ここでは、博士中退者の一般的な就職活動の流れを解説します。

1.博士課程を中退する理由を言語化する

就職活動を始めるからといって、いきなり求人に応募し始めるのは避けましょう。まずは博士課程の中退を決心した段階で、自分はなぜ博士を中退するのかという理由を言語化してみてください。

博士課程であっても中退は中退ですので、面接の場ではなぜ中退したのかといった理由を聞かれることになります。その際に慌てて中退理由を取り繕っていれば面接官からの心象が意図せず悪い方向に向かうことが考えられます。
また、中退理由の言語化は就職先に求める条件の優先度を特定することにも役立ちます。もし中退理由が「研究内容が自分に合わなかったから」なのであれば、就活では仕事内容を念入りに吟味すべきですし、「ラボの雰囲気が苦手になってしまった」のであれば、社風の良い会社を中心に応募していくと良いでしょう。

このように、博士課程を中退する理由の言語化は面接対策にも、応募先に求める条件の自己理解にも役立てることができます。

2.働きたい業界や職種を見つける

博士を中退する理由を言語化できたら、次は自分が働きたい業界や職種にあたりをつけましょう。

博士中退と言っても大卒の学歴はありますので、基本的にどのような業界・職種でも応募して内定を獲得することは可能です。そのため、まずはフラットに自分がどういうビジネスパーソンとして活躍していきたいかという観点から求人を探していくと良いでしょう。
また、業界と職種、それぞれで平均年収が大きく変わってくる傾向がありますので、ビジネスモデルや基本的な仕事内容の理解だけでなく、各業界・職種の給与水準についても合わせてリサーチしておくことをおすすめします。

3.求人に応募する

就職エージェントや就職サイトなどで気になる求人を見つけることができたら、ようやくここで応募フェーズに入ります。最近ではWeb応募が主流となっていますので、あらかじめ登録しておいた自分のWeb履歴書/経歴書の情報を送信して応募が完了します。

応募完了後は書類選考に移ります。博士中退者は中途採用枠で選考を進めることが基本ですが、中途採用枠は書類選考でも見送りになるケースが多いため、できるだけ複数の求人に応募をしておくことがおすすめです。

少しでも気になる求人を見つけることができたら、検討リストに入れるのではなく応募してしまいましょう。特に中途採用枠は定員が数名しかないケースもあるため、応募が遅れればその分内定を獲得できる可能性が下がってしまいます。

4.面接〜内定

書類選考に通過した後は面接を行います。企業によって面接の回数はまちまちですが、これは企業ごとの採用戦略によるものです。そのため、面接の回数が少ないから危険な会社という判断にはならないことを覚えておきましょう。
また、面接のスタイルについても企業によって様々です。最初から最後までオンライン面接の企業もあれば、最終面接だけ対面面接といったケースもあります。
こちらも企業の採用戦略に基づくものになりますので、面接スタイルによって一喜一憂する必要はありません。

面接を繰り返し、最終面接も突破することができれば見事内定獲得です。内定承諾の期間はおよそ1週間程度となるケースが多く、入社するかどうかを悩む時間は少ないので注意してください。

※. 2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

博士中退者が就職を成功させるポイント5選

博士中退者は大卒(学部卒)よりも地頭がいいと言った印象を与えることができるものの、同時に「中退」という事実がありますので、そのまま就職活動をしていては内定が獲得できないといったことにもなり得ます。

ここからは、博士中退者が就職を成功させるために意識しておきたいポイントを5つ解説します。

1.中途採用枠で求人を探す

基本的に博士中退者は中途採用枠にて就職活動を進めていくことになりますので、転職サービスや中途退職者向けのサービスを使って求人を探していきます。ナビサイトなどの新卒就職サービスに登録しても応募できる求人がそもそもないといったことがありますので注意してください。
また、就職サービスは併用して登録するのがおすすめです。サービスによって掲載されている求人が異なるので、自身の応募先の選択肢を最大化させたいのであれば、最低でも3,4つのサービスを並行して利用すると良いでしょう。

2.大卒以上を募集している求人に応募する

求人広告にしろ、就職エージェントが紹介してくれる求人票にしろ、応募条件はほぼ確実に記載されています。博士中退者の場合は、できるだけ大卒以上を募集している求人に応募するのがおすすめです。

もちろん学歴不問の求人であっても応募資格を満たしていることになりますが、学歴不問で行える仕事ということは特別な知識やスキルがなくても担える業務ということになりますので、博士まで進んだ思考力が活かしきれないといったデメリットがあります。

大卒以上を募集している求人であれば、その企業が地頭の良い人を求めているということになります。言い換えれば、知識力や思考力が高ければ活躍できる可能性の高い仕事となりますので、博士中退者の就職先としてふさわしいと考えられます。

3.博士課程で学んでいた分野の仕事に応募する

博士課程まで進んでいれば、その分野における知識量というのは他の人よりも頭一つ抜けていると言えますが、その一方で社会人経験は全くのゼロとなります。就職後にできるだけ早く独り立ちをするためにも、博士課程で学んでいた分野の仕事に応募するのがおすすめです。

理系の博士課程であれば、化学や素材系、機械・電気系メーカーに応募するのがおすすめとなりますし、文系の博士課程であれば企画系の仕事の適性が高いと考えられます。

もちろん研究内容と全く同じ仕事に就くにはメーカーの研究開発職などが考えられますが、博士卒を求めているケースが多くなってきますので、求人を探してみて募集要件を満たせなそうであれば別の仕事を見つけるようにしましょう。

4.研究内容は誰にでも分かるように伝える

面接では博士課程で研究していた内容について聞かれたり、自己PRのエピソードとして盛り込んだりすることがありますが、研究内容は誰にでも分かるように伝えられるよう努力しましょう。

高度な知識をアピールしようとして専門用語を多用したり、理解の難しい伝え方をしてしまったりすると、逆に「この人はコミュニケーション能力に難がある人」と思われて見送りに繋がることが考えられます。
研究内容がそもそも難しいという人は、例え話やイメージを積極的に使い、どんなことをしていたのかをざっくりと伝えることを意識するのがポイントです。

5.できる限り多くの求人に応募する

求人数の方が求職者よりも多い状況ではあるものの、自分一人しか特定の求人に応募しないといった状況はあり得ません。基本的に一つの求人に二人以上応募することがほとんどですので、博士中退者であっても不採用となるケースは当然考えられます。

今は複数の求人に応募して、並行して選考を進めていくといった方法が主流ですので、気になる求人を見つけたらできる限り多くの求人に応募するのがポイントです。
また、応募するタイミングはできる限り同期間にまとめて行うのもコツです。選考が進み、内定を見事獲得できれば内定承諾するかどうか迫られることになりますが、考える猶予は1週間程度しか与えてもらえません。

他の企業の選考がまだ進んでいるからという理由で内定承諾の期間を延ばしてもらうことは基本的にできないため、選考のスピードを併願企業全て同じにするためにも、応募期間を集中しておくことをおすすめします。

※. 2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

博士中退者の就職におすすめの仕事5選

博士中退者は、優れた思考力や知識欲といった強みがあります。そうした強みを発揮できる仕事に就職した方が、長く腰を据えて働けるでしょう。

ここでは、博士中退者の就職先としておすすめの仕事を5つご紹介します。まだどんな仕事に就きたいかイメージできていない人は、これらの仕事を検討してみてもいいかもしれません。

1.コンサルタント

コンサルタントは、主に企業の経営や事業、IT関係の課題をヒアリングし、真なる課題を特定した後に解決策を提案する仕事です。リサーチスキルや仮説思考、論理的思考力からプレゼン能力まで幅広い知力が求められる関係で、頭が良ければ良いほど活躍できる仕事となっています。
また、キャリアパスも非常に豊富で、コンサルタントのスペシャリストとしてキャリアを歩んでいけば年収は数千万円単位で稼げますし、独立して自分の会社を興すことも可能です。

コンサルタントの経験を活かせば他の仕事でも活躍することができ、キャリアチェンジも容易にできるでしょう。

2.企画職

企画職は、商品企画や営業企画、経営企画からマーケティング戦略など頭を使って会社の業績アップに貢献する仕事の相性です。企画職の例としては以下のような仕事があります。

  • 商品企画
  • サービス企画
  • 広告宣伝
  • 広報、PR
  • 経営企画
  • 事業企画
  • 法務
  • リサーチ、アナリスト
  • 営業企画
  • 購買
  • 貿易業務
  • 人事

企画職に明確な定義はありませんが、基本的に顧客折衝を直接行うことはないものの、営業や役職者などの社内関係者と直接やり取りする仕事は概ね企画職と呼ばれています。

どの企画職であっても、現状から課題を特定し、仮説思考を持って企画を立案・実行するといった流れは同じです。そう言った意味では、コンサルタントに近い知的生産性が求められるとも言えるでしょう。

平均年収も比較的高いことに加え、キャリアパスも豊富であることから、博士中退者の知力が存分に活かせる仕事でおすすめです。

3.ITエンジニア

ITエンジニアは、ITシステムの開発や設計を行う技術職の一つです。ITシステムは非常に複雑な構造で作られていることもあり、エンジニアとして活躍していくためには物事を構造的に捉える力や論理的に思考する能力を強く求められます。

博士中退者はそれまで培ってきた思考力を武器にして働くことができますので、難易度の高いITエンジニアになっても十分活躍していけると考えられます。最近ではエンジニア未経験者であっても採用し、自社で研修を行うことでエンジニアとして働けるような仕組みを作っている会社もありますので、応募先に困ることもないでしょう。
加えて、ITエンジニアの需要はこれからもどんどん伸びていくことが明らかになっていますので、将来性も抜群です。実績や経験を積めればフリーランスとしての独立も視野に入ってくるため、自由に働きたいという博士中退者にも向いている仕事です。

4.塾講師

塾講師は、その名の通り学習塾で講師をする仕事です。博士中退をすると大学で講義をするような教授にはなりにくくなってしまいます。博士中退者の学習意欲と知識量は他の人よりもはるかに高いことを考えると、学問に関わり続けるという観点でも塾講師はおすすめの仕事と言えます。

塾講師として生徒に直接勉強を教える立場から、塾長など塾を経営する側に回ることも可能です。また、個別塾を独立して立ち上げたり、オンラインでのマンツーマンレッスンなどでキャリアを広げていくことも将来的にできるのもポイントです。

5.公務員

博士中退者の就職先としては、公務員もおすすめの選択肢の一つです。公務員は公務員試験を受検する必要があり、博士中退者の場合は30歳以下であれば受験資格があります。

試験内容は非常にアカデミックなものとなっていますので、博士過程に進学する学力があれば比較的スムーズに勉強を進められるはずです。

公務員は景気による給料の変動がなく、加えて民間企業には存在するリストラの心配もないことが特徴です。さらに年功序列制で勤める期間が長くなればなるほど給料が上がっていくことから、安定的に働きたいという人に特に向いています。

公務員の中でも、大きく分けると国家公務員と地方公務員の二つがありますので、自分がどのような公務に携わりたいのかを明らかにしておくのがおすすめです。

【既卒で公務員は厳しい?】民間企業に切り替えの対処法も解説!

※. 2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

博士を中退して就職するメリット

博士課程に進学するまでにはたくさんの努力をしてきたと思いますが、その努力を中退によって無駄にしたとしても就職するメリットはあります。

ここからは博士を中退して就職するメリットを3つ解説します。

1.すぐに社会に出れる

博士中退のメリットの一つに、すぐに社会に出て働けるといったものが考えられます。博士課程は3年から6年修了までにかかりますが、この間学部卒の新卒で就職した人と比べれば社会に出るまでに修士課程と合わせて5年以上の遅れが出てしまいます。

収入にして1,000万円〜2,000万円もの差が出てくることになりますので、博士修了の前に中退して就職することで、社会人として働く期間を短くせずに済むようになります。

社会人は学歴よりも経験が重視される世界ですので、無理に博士課程を修了して社会に出ても評価が変わるわけではありません。場合によっては、博士課程を中退してまで社会に早く出た方がいい選択になる場合も考えられます。

2.高い学費の負担がなくなる

博士課程は授業料が非常に高いという特徴があります。国公立であっても年間で50万円程度かかりますし、私立であれば年間100万円かかることも珍しくありません。

中退により学費の負担がなくなりますので、特に経済的に厳しい中で大学院に通っていたような人は大きなメリットだと感じることができるでしょう。

ただ、奨学金を借りて大学院に進学している場合、中退しても奨学金の支払い義務が無くなるというわけではありません。基本的に中退してからすぐに奨学金の返済義務が発生してくることになりますので、できる限り早く就職するに越したことはありません。

3.未経験枠で応募できる

博士課程を中退することによって、年齢にもよりますが未経験枠の求人に応募できるというのもメリットとして挙げられます。浪人や留年をしながら博士課程を修了すると30歳を超えてしまう場合があり、そうなると未経験枠としての就職が難しくなってきてしまいます。

できるだけ若いうちに見切りをつけて博士を中退することにより、未経験枠で内定を獲得してリスタートを切るというアクションが取れるようになります。精神的に無理して大学院に通っているのであれば、潔く中退して就職する方向にシフトしてみてもいいかもしれません。

博士を中退して就職するデメリット

博士課程を中退して就職することにはメリットだけでなく当然デメリットも存在します。むしろ、これから中退しようか悩んでいる人にとっては、メリットよりもデメリットの方を強く意識してしまうのではないでしょうか?

ここからは、博士課程を中退して就職することのデメリットを3つ解説します。メリットとデメリットの両者をしっかりと認識し、自分はどういう進路を歩んでいきたいのか明らかにしましょう。

1.博士課程での時間が無駄になる

博士課程を中退することにより、博士課程で勉強してきた時間や研究が全て無駄になってしまいます。中退後は当然研究室に入ることはできなくなりますし、それまでの研究結果は教授に引き渡すことになるケースも存在します。

「博士課程で勉強したことは自分の財産となる」などポジティブに考えられる人であればデメリットに感じませんが、多くの人はこれまでかけてきた時間を無駄にするようなことは耐えられないはずです。

自分のやってきたことを何らかの形にしたいと強く感じている人は、博士課程の中退を一歩踏みとどまった方がいいかもしれません。

2.研究職などの専門職にはなれない

会社や求人、仕事内容にも寄りますが、博士課程の修了を応募条件にしているような研究職の場合、中退によって応募資格がなくなるといったデメリットがあります。

自分が将来研究職などの専門分野で働きたいと考えている場合は、中退が明確に自分の足を引っ張ることになるので注意してください。
また、アカデミアなどで研究員として働くには、前提として博士課程の終了が条件になっているケースが大半です。研究が好きで人生をかけて向き合っていきたいと考えているのであれば、少なくとも博士課程を中退することは避け、頑張って修了まで突き進んでいくことがおすすめです。

ちなみに、求人の募集要件として掲げられている条件は、満たしていない限り書類選考に通過することはほぼ100%不可能です。「博士課程を中退したが、学会でこういった評価を受けた」というアピールできる実績があったとしても、募集要件を満たしていないため採用されることはまずありません。

3.就職で不利になることもある

博士課程で中退したとしても修士卒、大卒としての学歴になるため応募先に困ることはないという解説をしましたが、そもそも「中退」という事実が就職において不利になるケースも考えられます。

学部卒にしろ、博士卒にしろ、一度自分がやりたいと思ったことを途中で中退という形で辞めるということについて、面接官は次のような印象を持つことがあります。

  • 嫌なことがあると就職後にすぐ退職してしまうのではないか
  • 一度自分で決めたことをやり切る力が低いのではないか
  • 人間関係を上手くやっていけないのではないか
  • 理想が高い人なのではないか
  • 行き当たりばったりで行動してしまう人なのではないか

このようなネガティブなイメージを持たれることもありますので、面接ではそういった印象を払拭できるよう、ポジティブに明るく受け答えをしていくコミュニケーション能力を発揮していく必要があるでしょう。

博士中退を後悔する人の特徴

博士課程を中退することは、人によって後から後悔してしまうケースがあります。

ここからは、博士を中退して後悔する人の特徴を3つ解説します。このいずれかに当てはまるような人は、もしかしたら博士課程の中退を思いとどまった方がいいかもしれません。

学歴や肩書きを重視する人

学歴や肩書きというものを重視して生活しているような人は、博士課程の中退を後悔することになるでしょう。なぜなら、博士課程まで進学した事実とともに「中退」の2文字は自分の学歴から消えることはないからです。

これから先の将来において、特に転職や就職では学歴を記載して応募書類を作成することになりますが、その都度中退している事実と向き合わなければなりませんので、自分自身に対しての自信を失う原因にもなりかねません。

金銭的負担で中退する人

金銭的負担が厳しく、博士課程を中退するような人も後悔をすることになるでしょう。確かに博士課程の授業料は年間でも50万円〜100万円程度かかりますので、主な収入源がバイトにならざるを得ない大学院生からすれば大きな負担となります。

ただ、本当は博士としての勉強や研究を続けたかったのにも関わらず、金銭的に厳しいという理由だけでその道から外れなくてはならないとなれば、まさに中退は後ろ髪を引かれる思いとなることでしょう。

よく調べれば博士課程者向けの奨学金を受給できるかもしれませんし、学費の免除の制度が大学院に用意されている可能性があります。もし学費に困って博士課程を中退しようと考えているのであれば、一度大学院の学務課に相談してみるのもおすすめです。

人間関係に悩んで中退する人

博士課程まで順風満帆に進学できたとしても、教授や同じ研究室の仲間との人間関係に悩んでしまうといったことが十分考えられます。人間関係に悩んで中退したいと感じる人も少なからず存在するでしょう。

ただ、こちらも金銭的負担で中退する人と同じく、人間関係のせいでやりたかったことができなくなってしまうというのは、後になって後悔する原因になりやすいと考えられます。
もし教授との人間関係に悩んでしまっているのであれば、逃げずにしっかりと向き合って教授に対して思っていることを伝えてみるのも一つの手です。

博士を中退して就職する上での注意点

最後に、博士を中退して就職を目指す上で意識しておいて欲しい注意点を2つ解説します。

博士卒と学士卒で初任給は変わる

博士卒と学部卒で初任給は大きく変わる傾向にあります。例として国家公務員の初年度年収を比較してみると以下の通りです。

  • 学士:382万円
  • 修士:434万円
  • 博士:480万円

このように、学士卒と博士卒で初年度年収にしておよそ100万円の差が出てきます。

確かに博士は社会に出るまでに時間がかかりますし、授業料も高いと短期的にみた時のお金には苦労する面が多いですが、将来就職した後はそれを上回るスピードで稼げる可能性があるということを理解しておきましょう。

焦って就職活動を進めない

博士を中退した後は、これからの人生をリカバリーしようと焦って就職活動を進めてしまうかもしれません。しかし、焦って就職活動を進めると、希望とは全く異なる企業に就職してしまったり、ブラック企業に入社するリスクが高まります。

空白期間を作らないようにすぐ行動しようとする気持ちは良いものですので、就職エージェントや信頼できる友人などに相談しつつ、落ち着いて就職活動をすることをおすすめします。

まとめ

博士を中退したとしても、就職ができなくなるといったことはありません。むしろ、博士課程まで進学したということが評価されて就職で有利になることも考えられます。

一方、中退という事実だけを切り取れば面接官からネガティブな印象を受けることもあるため、この記事で解説したような就職活動のコツを意識しつつ、自分が納得できる就職を成功させましょう。

※. 2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合

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小久保 友寛シニアマネージャー
株式会社ジェイックシニアマネージャー/中退者専門就職支援サービス「就職カレッジ®中退者コース」元事業責任者/「日本の中退を変える!」をモットーに、中退経験者のキャリア支援を続けています/中退経験をバネに、一緒に就活頑張りましょう!!