大学中退者が就職するには?就活のやり方のコツを徹底解説!

この記事のまとめ
大学中退者が就職する場合、最終学歴は高卒扱いとなることで大卒以上の求人には応募できないことや、中退したことがマイナスイメージとなることから不利になりがちです。しかし、できるだけ早く就活を始めることや、大学を中退した理由の伝え方を工夫することで、就職は可能です。
この記事では、大学中退でも就職できるのか、就活のやり方のコツ、就職先におすすめの職種について解説します。大学中退後の就職について知りたい方はぜひ読んでみてください。


この記事の目次
大学中退しても就職は可能!
大学中退者(大学院中退者を含む)の約3人に1人(※1)が正社員就職に成功しているため、中退後でも正社員就職は可能です。
また、5割以上の企業が「既卒を新卒として受け入れる」(※2)と回答しており、特に中退後3年以内であれば「新卒枠」として就活を有利に進められる可能性もあります。この場合、将来性などが評価される「新卒採用」と同じ基準で選考に臨めるため、実務経験がなくても正社員就職を目指せるのがメリットです。
建設業やITサービス業を中心に人手不足に悩む企業が多いことも、中退者が就職に成功しやすい理由の一つです。大学中退・高卒者を含め、学歴を問わず若手人材を求める動きが活発になっており、正社員を目指す方にとっては追い風となっています。
※1 出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究|図表1-6 学歴別 正社員就業までの期間」p.21※2 出典:マイナビ「2026年卒企業新卒採用予定調査|既卒者採用について」(調査期間:2025年1月27日(月)~2月9日(日))p.126
1.大学中退者の3人に1人が就職できているから
労働政策研究・研修機構の調査によると、大学・大学院中退者の正社員就職率は33.9%です(※)。
つまり、大学中退者の約3人に1人が正社員就職に成功しています(大学院中退者を含む)。
▼正社員就職率(大学・大学院中退者)
| 離学前 | 0.9% |
| 離学~3ヶ月以内 | 10.4% |
| 3年以内 | 11.8% |
| 3年超 | 2.7% |
| 正社員時期不明 | 8.1% |
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究|図表1-6 学歴別 正社員就業までの期間」p.21
※正社員就職率には「正社員時期不明」を含む
上記のデータから、正社員就職は「中退後すぐの人だけに限られるものではない」ことも分かります。
たとえば、離学から3ヶ月以内に正社員になった人が10.4%いる一方で、3年以内に就職した人も11.8%と同程度存在しています。
そのため中退直後に正社員として働けなかったとしても、その後の行動次第で正社員就職を目指せる可能性もあるのです。


2.既卒の採用に積極的な企業が多いから
既卒として新卒と同じ条件で選考を受けられる企業が多いことも、大学中退後に就活に成功できる理由の一つです。
一般に「既卒」とは、学校を卒業または中退後3年以内で、正社員経験がない人を指す言葉です。
マイナビの「2026年卒 企業新卒採用予定調査」によると、5割以上の企業が既卒を「新卒として受け入れる(予定)」と回答しています。上場企業に限ると6割以上にのぼり、「戦力になれば新卒も既卒も関係ない」と考える企業は9割弱を占めています(※)。
新卒採用はスキルや実績よりも、熱意や将来性といった「ポテンシャル」を重視することが特徴です。つまり大学を中退して実務経験がなくても、今後の成長を期待されて採用される可能性があるのです。
このように「新卒枠」という有利な立場で就活を進められるケースも多いため、大学を中退しても正社員就職を諦める必要はありません。※出典:マイナビ「2026年卒企業新卒採用予定調査|既卒者採用について」(調査期間:2025年1月27日(月)~2月9日(日))p.126
3. 「正社員不足」に悩む企業が多いから
人材を確保するために「学歴に関係なく採用しよう」とする動きが活発になっていることも、大学中退者が就活に成功できる理由といえます。
帝国データバンクの2025年10月の調査によると、半数以上の企業が「正社員不足」と回答しており、10月に関しては4年連続で回答割合が半数を超えました。

※出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月)」
2025年10月調査では「建設業」の正社員不足割合が70.2%と最も高く、「情報サービス(67.7%)」「運輸・倉庫(67.1%)」が次に続きます。
これらの業種では、大卒・大学院卒だけを採用対象にすると十分な人数を確保するのが難しい状況です。そのため大学中退者を含め、高卒者にも応募の門戸を広げる企業が増えています。
このように人手不足を背景に採用基準が緩和されていることは、正社員を目指す中退者にとって追い風といえるでしょう。
大学中退者の就職事情と対策
大学を中退して高卒となると、大卒以上が条件の求人に応募できなくなります。ただし「学歴不問」の正社員求人は多く、高卒になるからといって正社員就職が不可能になるわけではありません。
中退後は基本的に「中途枠」で就活を進めることになりますが、中退後3年以内であれば既卒として「新卒枠」で選考を受けられる企業も多くあります。また、なかには中退者にネガティブな印象を持つ採用担当者もいます。しかし中退した原因を整理し、そこから得た学びも伝えることで誠実な姿勢をアピールでき、ネガティブな印象を和らげることも可能です。
1. 大学を中退すると最終学歴は高卒になる
対策:「学歴不問」の求人に応募する
営業職や販売職の採用では、学歴よりも「熱意」や「ポテンシャル」を評価する傾向が見られます。そのため大学中退後に就職を目指す場合、まずはこうした「人物重視」の採用を行う職種や企業に注目しましょう。
上記以外の仕事でも、ライン作業員や施工管理のように、大学中退(高卒)という学歴が不利になりにくい職種は多くあります。
高卒になることで応募先が狭まるかも…と不安な人は、「学歴不問」と記載がある求人を積極的にチェックしてみましょう。
2. 基本的には「中途枠」で就活することになる
対策:「既卒OK」の求人に応募する
大学を中退して3年以内であれば、「既卒」として新卒枠に応募できる企業も多くあります。
新卒枠に応募できる場合、在学中の学生と同じ選考ルートで採用が行われます。新卒採用はスキルや仕事経験がなくても正社員として内定をもらえる可能性があるため、「アピールできる実績がない…」と不安な大学中退者でも安心です。
就活サイトなどには「既卒OK」と記載されている求人も多いため、中退後3年以内の場合はこうした求人を積極的に探しましょう。参考:厚生労働省「3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!」
3. 大学中退にマイナス印象を持たれる場合がある
対策:原因と学びを伝える
“大学中退”というネガティブな印象を和らげるには、「同じ理由で再び辞めない」という姿勢を示すことが重要です。
そもそも面接官が中退者に不安を感じるのは、「入社後に壁にぶつかった際、またすぐに辞めないか」という点です。
反省の色が見えないと「同じ理由で辞めるかも」と思われてしまうため、まずは中退に至った原因を伝えつつ、中退経験から得た学びを次にどう活かすかをセットで説明しましょう。
原因と学びを伝えることで、「同じ失敗を繰り返さない」という姿勢が面接官に伝わり、評価を下げずに済みます。
中退理由の回答例を知りたい方は、次の章をチェックしてみてください。


面接で中退理由を伝える方法
中退理由を面接で聞かれたときは、「理由を素直に伝える」→「本質的な原因を伝える」→「対策を伝える」という流れで答えるのがポイントです。
素直に理由を伝えると「誠実さ」を評価されるケースも多いので、まずはウソをつかず、大学中退理由を正直に伝えましょう。
「同じ理由で会社も辞めてしまうのでは?」という企業側の懸念を払拭するためにも、中退に至った“根本的な原因”を伝えることも大切です。その原因に対する「対策」も伝えることで、同じ原因による失敗を二度と繰り返さないことをアピールできます。
ここでは5つのケースに分け、就活で中退理由を質問されたときの回答例を紹介します。
- 授業をさぼって単位を落とした場合
- 授業についていけなかった場合
- 経済的理由で中退した場合
- 精神的な理由で通えなくなった場合
- 早く就職したかった場合
例文1:授業をさぼって単位を落とした場合
| 出席日数を満たせずに留年が決まり、大学2年の3月に中退しました。 中退に至った原因は、「大学に行けば将来の選択肢が広がるだろう」と、この先の進路を十分に考えないまま進学を決めてしまった点にあると考えています。 その結果、理学部の授業内容に関心を持てず、次第に距離を置くようになり、単位を落としてしまいました。 この経験から、目的を持たずに環境を選ぶと、継続が難しくなることを痛感しています。 現在は自己分析を行う中で「人の成長を支える仕事に携わりたい」という夢が明確になり、御社のような教育業界への就職を目指しています。 |
授業に出ずに単位を落とし、留年が決まって中退する学生は珍しくありません。企業側もこうした理由で大学を辞める人がいることは理解しているため、まずはウソをつかなくて大丈夫です。
そのうえで「授業をなぜさぼってしまったのか」という根本的な原因を掘り下げて考えつつ、同じ失敗を繰り返さないためのアクションも併せて伝えましょう。
例文2:授業についていけなかった場合
| 専門性が高い法学部の講義についていけず、必要な単位を修得できなかったことで中退しました。 中退に至った原因は、理解できない内容があった際に一人でひたすら教科書に向かい、周囲に相談できなかった点にあると考えています。法学系の学問には関心がありましたが、「まずは自分で何とかしなければ」という思いから質問ができず、学習の遅れを放置してしまいました。 この経験から、周囲に相談することの重要性を痛感しています。 現在はハローワークの職員の方に相談したり、IT業界で働く社会人の方から話を聞いたりするなど、自分にはない知見を取り入れることを意識しています。 |
「授業についていけなかった」という事実だけを伝えると、勉強が嫌いなのでは? 困難なことから逃げただけでは? と思われてしまう可能性があります。
そのため例文のように、「学習内容そのものには興味があった」「理解しようと自分なりに努めていた」といった点を補足して伝えることがポイントです。
例文3:経済的理由で中退した場合
| 家庭の経済状況が急変し、学費の支払いが難しくなったことで大学を中退しました。 親の勤務先の業績悪化によって収入が減り、奨学金だけでは学業を継続できなくなりました。私自身もアルバイトで家計を支えようと努力しましたが、卒業まで残り2年半の学費を工面する見通しが立たず、親と話し合った結果、2年次の8月に中退を決断しました。 当時は悔しさもありましたが、今は「早く社会に出て自立するための選択だった」と前向きに捉えています。 現在は、まずは社会で働くための基礎力を身につけるため、パソコンスキルの学習に取り組みつつ、ビジネスマナーやITの基礎知識の習得にも励んでいます。 |
経済的な理由による大学中退は、個人の努力だけではどうにもならない側面があるため、理由を正直に伝えて問題ありません。
そのうえで「早期に自立して家族を支える道を選んだ」など、現在は過去を引きずらず、前を向いて就活に臨んでいる姿勢を伝えることがポイントです。
例文4:精神的な理由で通えなくなった場合
| 大学入学後に不安感や緊張が強くなり、授業への参加が難しくなったため、大学1年の2月に中退しました。 東京へ上京して一人暮らしを始めましたが、生活環境や人間関係の変化にうまく適応できず、精神的に不安定になってしまったことが中退に至った原因と考えています。 医師や家族と相談した結果、無理に在学を続けるよりも、生活を立て直すことを優先すべきだと判断し、中退を決断しました。 現在は、睡眠時間を十分に確保したり、体調や気持ちの変化を早めに周囲へ相談したりすることで心身ともに回復し、医師からも就業に問題はないとの診断を受けています。 |
大学中退者を採用する企業は、「精神的な理由で辞めた」という事実そのものよりも、「就職後に安定して働けるか」という点を重視します。そのため医師から「就業可能」と診断されている場合は、その事実を伝えましょう。
例文のように再発防止に向けた取り組みも説明することで、自己管理を意識して行動している姿勢も伝えられます。
例文5:早く就職したかった場合
| 「実務の現場に出て早く経験を積みたい」と考え、大学を中退する決断をしました。 建築現場でアルバイトをする中で、現場をまとめる施工管理の社員の方の姿を間近で見てきました。私自身、建築士を目指していましたが、現場を経験する中で設計よりも施工の進行に直接関わり、ものづくりを支える立場を目指したいと考えるようになりました。 これまで「施工管理」という道を十分に検討できなかった点は反省していますが、「建築に携わる」という目標は変わっていません。 現在は「大規模な現場を任される施工管理者になる」という夢に向け、スキルを早く高めるために就職を目指しつつ、2級建築施工管理技士の一次試験合格に向けて勉強を進めています。 |
「早く働きたかったから中退した」とだけ伝えると、“軽い印象”を与えかねません。
一方で例文のように、就職を目指したきっかけと、就職に向けた行動まで一貫して伝えることで、「進路を真剣に考えた結果として中退を選択した」という姿勢を示せます。
履歴書で中退理由を伝える方法
履歴書には「中途退学」という事実を記載する必要がありますが、中退理由まで詳しく書く必要はありません。そのため履歴書には理由を直接書かず、面接で質問されたときに答える、といった対応でもOKです。
特に「授業をさぼって単位を落とした」など、一見するとネガティブな印象を与えかねない理由の場合、履歴書には「一身上の都合により」と記載しておくだけでも構いません。
一方で「経済的事情」のようにやむを得ない理由で中退した場合は、大学中退の理由を簡潔に記載しておくことで、企業側に不要な誤解を与えずに済みます。
中退理由を書かない場合
中退理由を履歴書に書かない場合は、学歴欄に「中途退学」と記載した横に、カッコ書きで「一身上の都合により」と添えておくだけでOKです。
▼大学中退理由を記載しない場合(例)
| 年 | 月 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成30 | 3 | ◯◯中学校 卒業 |
| 平成30 | 4 | △△高等学校 入学 |
| 令和3 | 3 | △△高等学校 卒業 |
| 令和3 | 4 | ◎◎大学 ●●学部 ××学科 入学 |
| 令和7 | 8 | ◎◎大学 ●●学部 ××学科 中途退学(一身上の都合により) |
| 以上 |
面接とは異なり、履歴書では中退理由について十分に補足して説明できません。
そのため以下のケースのように、中退理由を書くだけではマイナスな印象を持たれやすい理由に関しては、「一身上の都合により」と記載しておくのも一つの手です。
- 授業についていけなかった
- 研究に興味を持てなかった
- サークルやアルバイトに熱中して単位を落とした
- 友人や教授との関係がうまくいかなかった
中退理由を書く場合
中退理由を履歴書に書く場合は、「中途退学」と記載した横にカッコ書きで理由を添えましょう。
▼大学中退理由を記載する場合(例)
| 年 | 月 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成30 | 3 | ◯◯中学校 卒業 |
| 平成30 | 4 | △△高等学校 入学 |
| 令和3 | 3 | △△高等学校 卒業 |
| 令和3 | 4 | ◎◎大学 ●●学部 ××学科 入学 |
| 令和7 | 8 | ◎◎大学 ●●学部 ××学科 中途退学(経済的事情により) |
| 以上 |
履歴書に「一身上の都合により」と書かれていると、採用担当者によっては「何か隠し事があるのでは?」といった印象を持つ可能性があります。
こうした疑念を抱かれないためにも、次のような理由で中退した場合は履歴書に記載することをおすすめします。
- 学費の支払いが難しくなった
- 介護や看病といった家庭の事情
- 早く就職したかった
- 専門学校に入り直した
- 海外に留学をした
- 通院や療養が必要となり、学業の継続が難しくなった(※)
※健康上の理由の場合、「医師の就業許可が出ている」など、現在は就業に支障がないことも記載すると採用担当者に安心感を与えられます
大学中退者が就活で内定を勝ち取る方法
大学中退後の就活を成功させるには、早めに動き出すことが欠かせません。そのうえで「就職支援サービス」に登録し、プロのサポートを受けましょう。
選考対策としては、資格勉強をする、中退理由をポジティブに伝える準備をする、入社後の目標や夢を考える、といったことが有効です。
ここでは次の手順に沿って、大学中退者が内定を勝ち取る方法を解説します。
- できるだけ早く就活を始める
- 就職支援サービスに登録する
- 就活で少しでも有利になる行動をする
- 中退理由をポジティブに伝える準備をする
- 入社後の目標や夢を考える
1. できるだけ早く就活を始める
大学中退者が就活を始めるうえで大切なのが、できるだけ早めに行動に移すことです。中退後の空白期間(ブランク)が伸びるほど、企業からの評価が下がってしまうからです。
労働政策研究・研修機構の調査を見ても、フリーター期間が長くなるほど正社員就職率が下がる傾向が見て取れます。特に、半年以上のブランクがあると「職業意欲が低いのでは?」と受け取られる可能性が高いので注意が必要です。
一方、空白期間が短いほど「就職意欲がある」と評価してもらいやすいため、中退後はできるだけ早めに就活を始めましょう。

※出典:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から|図表4-33 男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合」p.128
一般に、求人は1〜3月、6月、10月に増える傾向があります。
中退後半年以内であれば、こうした時期に合わせて就活を始めるのも一つの方法といえるでしょう。


ステップ2:就職支援サービスに登録する
就活を始めるタイミングで、わかものハローワークや就職エージェントなどの「就職支援サービス」に登録しておくのもおすすめです。
中退後の就活を有利に進めるコツを教えてくれたり、履歴書やESの添削を受けられたりと、内定を勝ち取るためのサポートを無料で受けられるからです。
▼大学中退者におすすめの就職支援サービス
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| わかものハローワーク | ・正社員を目指す35歳未満の若者をサポート ・「学歴不問」の求人を含め、全国の膨大な数の求人を保有 |
| 就職エージェント | ・求人紹介や面接練習など、内定まで一貫して支援を受けられる ・企業との調整作業を代行してくれる |
| サポステ | ・15〜49歳の就活をサポート ・コミュニケーション講座や就労体験などに参加できる |
ステップ3:就活で少しでも有利になる行動をする
大学を卒業予定の学生に比べ、大学中退者は就活で不利になりがちです。評価を少しでも高めるためにも、次のような行動にも取り組みましょう。
- 資格勉強
- 志望業界に近い実務経験を積む
- OB・OG訪問をする
IT業界であれば「基本情報技術者」、事務職であれば「簿記2級」など、基礎知識を証明できる資格があると未経験就職で高く評価されます。
介護職を志望している場合は「介護施設でボランティアをする」など、実務に近い経験を積むことも意識してみてください。
実際に働いている社員に会いに行き、仕事内容や面白さ、大変な点を直接聞いておくのもおすすめです。
ステップ4:中退理由をポジティブに伝える準備をする
大学中退の理由は、なるべくポジティブに変換して伝える準備をしておきましょう。「サボっていたら単位を落とし進級できなかった」「なじめなかった」などのネガティブな理由の人もいるかもしれませんが、それらを正直にそのまま伝える必要はありません。
ただし、大学中退の理由で嘘をつくのはNGです。たとえば、本当は個人的な事情で中退したのに「病気をして通えなくなった」「学費を払えなくなった」などの嘘の理由にして切り抜けようとしてしまうことです。
「辞めずに済む方法は本当になかったのか」などと聞かれたときに自信を持って答えられず、大学中退の理由が嘘であると見抜かれてしまう可能性が高くなります。

山田 純輝/キャリアコンサルタント
反省と覚悟を伝えることがポイント!
大学中退の理由をポジティブに伝えられたらよいのですが、難しい場合は必ずしもポジティブに伝える必要はありません。
大学中退の理由を伝える際に大切なのは、他責にせず自責の視点で、今後に向けた覚悟を伝えることです。
なぜなら、自責の考えと今後に向けた覚悟を伝えることで、企業が大学中退者に対して持つ早期離職の懸念を払拭できるからです。
例えば、自分が講義内容に興味が持てなかったことを理由に大学を中退したとしましょう。
自責の視点とは、事前に自分の興味関心を把握できなかったことへの反省であり、今後に向けた覚悟とは社会人として活躍する気持ちを示すことです。
上記をふまえて回答例を記載しますので、参考にしてください。
事前のリサーチと認識が甘かったことを悔いているのですが、どうしても講義の内容に関心を持つことが難しく、中途半端な状態で通学を続けるよりも社会に出て活躍した方が良いと考え、中退を決断しました。心配してくれている親や先生方にも申し訳なく、中退してしまったことから自身のキャリアにマイナスの影響が生じていることを認識していますので、この度の就職では人一倍の努力をしていく所存です。
就活における大学中退理由の効果的な伝え方は、以下の記事でくわしくご紹介しています。
就活をするうえで、履歴書や面接における大学中退理由を上手にアピールしたい方はぜひ参考にしてみてください。
ステップ5:入社後の目標や夢を考える
大学中退者が内定を取るには「入社後の目標や夢」を考えておくことも有効です。中退者は「早く辞めてしまうのでは?」と思われやすいため、“すぐに辞めない”という印象を持ってもらうことが欠かせないからです。
まずは応募企業で、10年後にどんな仕事をしたいか、何を実現したいかを考えてみましょう。思い浮かばない場合は、その企業の採用ページ(社員インタビューなど)を見て、そこで働く社員がどのような仕事をしているか調べるとヒントが見つかります。
「長く働き続けます」という意志を示すためにも、入社後の目標や夢も言語化しておきましょう。


大学中退後の就活のやり方
大学中退の就職活動のやり方は、「中退理由の整理」→「自己分析」→「求人探し」→「履歴書・職務経歴書の作成」→「面接対策・面接」→「内定獲得」という流れで進めていきます。就活にかかる期間は、早ければ1ヶ月、平均でも2〜3ヶ月が目安とされています。また、大学中退者は新卒枠に該当しないため、企業の中途採用枠を活用して通年で応募することが可能です。

各ステップについて、詳しいやり方やコツを紹介していきます。
1. 大学中退理由を整理する
大学中退後に就活を始める場合、まずは中退理由を明確にし、それを踏まえて得た気づきや今後の方向性を考えましょう。なぜなら、大学中退者の就職活動では「なぜ大学を中退したのか」という質問が必ずと言っていいほど聞かれるからです。
ただ「人間関係がうまくいかなかった」「授業についていけなかった」とだけ伝えると、「うちでも同じことが起きたら辞めるのでは?」と不安を与えてしまいます。
中退理由を整理し、そこからの反省や学び、どう改善していくかを具体的に伝えることで、短期離職の懸念を払しょくすることができます。

小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者
学びを活かした経験もあると説得力が上がる!
大切なのは、なぜうまくいかなかったのかを自分なりに分析し、そこから何を学び、どう改善していこうとしているのかまで言語化できることです。加えて、同じことを繰り返さないことを裏付けるエピソードもアピールすると良いでしょう。
例えば、人間関係が原因で中退した方が、中退後にアルバイト先やお客さんに自分から話しかけるようにして、人間関係の課題を克服できたということもありました。
中退はマイナスな経験ではなく、自分を見つめ直す機会としてプラスに変えることができます。その姿勢が企業にも伝われば、「この人は成長できる」と期待されるはずです。


2. 自己分析をする
次に、過去の経験から自己分析をして、自分の性格・価値観・強み・弱みなどを明確にしましょう。
自己分析のやり方は、以下のようなステップで行います。
- これまでの経験を書き出す
- 自分の行動の理由を繰り返し掘り下げていく
- 共通点を見つける
まずは、学生生活やアルバイト、趣味、ボランティアなど、これまでの経験を書き出します。次に、その出来事について「なぜそう思ったのか?」「なぜその行動をとったのか?」と理由を繰り返し掘り下げていくことで、共通する行動パターンや得意なこと、苦手なことが見えてきます。
このような流れで自己分析をすることで、「自分はどんな環境で力を発揮することができるのか」「どんなことにやりがいを感じるのか」が明確になります。自己分析をすることで、履歴書や面接での自己PRや志望動機の説得力を高められるだけでなく、就職先選びのミスマッチを防ぐ効果もあります。

小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者
なぜ?を深堀していくことで価値観や強みが見えてくる!
自己分析で大切なのは、自分の価値観や強みを言語化することです。ただ「何が好きか」ではなく、「なぜそれが好きなのか」「どんな時にやりがいを感じるのか」を深掘りしていくことが必要です。
たとえばサッカーが好きという人でも、点を取るのが好きなのか、チームを支えるのが好きなのかで適した仕事は変わります。
また、自分ひとりで考えるのではなく、誰かと話してみるのがおすすめです。「自分に強みなんてあるのか」と感じるかもしれませんが、誰かに自分の経験を話しているうちに、無意識にやってきたことや自分の強みに気づくことがあります。
3. 応募先を探す(求人検索)
大学中退者の多くが直面する壁が「応募できる求人の少なさ」です。大卒以上が条件の企業には応募できないため、「高卒以上」「学歴不問」「未経験歓迎」などの求人に絞って探す必要があります。
おすすめは、若年層向けの就職支援サービス(例:ハローワーク、ジョブカフェ、民間のエージェント)を活用することです。中退者を受け入れる企業に精通しており、履歴書の書き方や面接対策まで手厚く支援してもらえることが多いです。
特にエージェントなら、キャリアアドバイザーが、事情や希望を理解したうえで適合する案件を紹介してくれます。さらに、求人情報では「大卒以上」を応募条件にしている企業に対して、直接交渉(推薦)してくれることもあります。
4. 履歴書・職務経歴書を作成する
書類選考では、応募者の人柄や意欲を見極めるために、提出書類の完成度が重要になります。大学中退者の場合は、学歴欄に「〇〇大学〇〇学部 中途退学」と記載します。中退理由については、「○○の理由により退学しましたが、現在は○○を目指して就職活動に取り組んでいます」と前向きな姿勢を示しましょう。
職歴がない場合でも、アルバイト経験やボランティア活動、資格取得の努力など、仕事に対する姿勢を伝えられる内容があれば積極的に記載します。内容に不安がある人は、エージェントなどのサポートを受けて添削してもらうのも効果的です。
5. 求人に応募する
求人に応募し、履歴書と職務経歴書を提出します。
大学を中退して就職活動をする場合、最終学歴が高卒扱いになることや、中退の経歴、さらに正社員経験がないことなどが理由で、他の応募者と比べて見劣りしやすく、書類選考で落とされることも少なくありません。
そのため、最低でも20社程度には応募しておく必要があります。書類選考の通過率は人によって差がありますが、数社だけしか応募していないと1社も通過できない可能性があります。仮に1~2社通過したとしても、面接経験が浅い段階では一度で内定を取るのは難しいケースが多いでしょう。
求人を探すときは、仕事内容・勤務地・年収など希望条件が多くなりがちです。しかし、すべてを満たす求人は少ないため、条件に優先順位をつけて、できるだけ幅広く応募することが大切です。


6. 面接対策をする
面接では、ほぼ確実に中退理由を尋ねられます。その際、「なんとなく辞めた」「勉強が嫌だった」などと答えると、責任感のなさや忍耐力不足といったマイナス印象を与えてしまいます。そこで大切なのは、中退を「学びの機会」としてどう活かしたかを語ることです。
例えば、「当初の進路に違和感を覚え、自分と向き合った結果、現場で働きたいという意志が強くなった」など、気づきと次のアクションに焦点を当てて説明しましょう。
また、よく聞かれる質問(志望動機・自己PR・将来の目標など)に対しては、台本に頼らず自分の言葉で語れるように練習しておくことが大切です。模擬面接や録音による振り返りも有効です。
7. 面接を受ける
面接は、一次面接、二次面接、最終面接と3回実施されることが多いです。一次面接は人事による基本確認、二次面接は現場社員による実務適性の確認、最終面接は役員による人物像や将来性の見極めが中心です。
面接の段階に合わせて、想定される質問への回答を準備しておくことが重要です。
| 面接段階 | オンライン or 対面 | 面接官 | 主に聞かれる内容 |
|---|---|---|---|
| 一次面接 | オンラインが多い | 人事担当者 | 基本的な人物確認(志望動機、自己紹介、中退理由、簡単な経歴)、コミュニケーション能力や礼儀、応募書類の内容確認 |
| 二次面接 | オンラインが多い(場合によっては対面) | 現場社員、直属の上司候補 | 実務に関する具体的な質問(適性・スキル・経験)、仕事への理解度、中退経験をどう乗り越えているか、協調性や職場適応力 |
| 最終面接 | ほぼ対面(会社の本社や役員がいる拠点で行われることが多い) | 役員・部長クラス・社長 | 志望の本気度、将来性、会社への貢献度、中退歴をどう活かして成長していくか、人物像の最終確認・カルチャーフィット |
面接本番では、第一印象がとても大切です。服装や言葉遣いに気を配るのはもちろん、中退の経緯や今の志望動機に一貫性があるかを意識して受け答えしましょう。
中退者に対しては「なぜ続けられなかったのか」「入社後すぐ辞めないか」といった懸念を持たれやすいため、それを払拭する姿勢が求められます。たとえば、「過去の経験を通じて自分に合った環境を理解できたため、今度は長く働ける確信がある」といったように、根拠のある前向きな説明が説得力を持ちます。
落ちても気にしすぎず、複数社に並行して応募するのがおすすめです。面接ごとに学びを得て改善することで、自信と精度が高まっていきます。


8. 内定
内定が決まったら、まずは働くための準備を整えましょう。生活リズムの見直しや通勤経路の確認、仕事に必要なスキルやマナーの再確認など、できることはたくさんあります。
中退者の中には「また途中で辞めてしまうかも」と不安を抱く人もいますが、それはごく自然な感情です。重要なのは、過去にとらわれすぎず、これからの成長に目を向けること。入社後は素直に学ぶ姿勢を持ち、コツコツと信頼を積み上げていけば、中退の経歴はむしろ「自分で考え行動してきた証」として評価されることもあります。スタートラインに立てたことを誇りに思い、前向きに一歩を踏み出しましょう。
大学中退後の5つの進路
大学中退後の進路には、正社員としてすぐに就職する道のほか、契約社員・派遣社員として働きながらキャリアを積む方法、フリーターとして生活費を確保しながら準備を進める選択肢があります。また、専門学校やスクールでスキルを学び直す、通信制大学などで再び学歴を取得する、公務員試験に挑戦するなど、中長期的な目標を見据えた進路もあります。
どの道にもメリット・デメリットがあるため、自分の状況や目指す将来像に合った選択をすることが大切です。
1. 正社員として就職する
民間企業に正社員として就職することは、大学中退後の主な進路の一つです。労働政策研究・研修機構の調査によると、大学中退者の46.6%が中退した直後に「正社員として就職したい」と回答しています。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.138大学等中退者の就労と意識に関する研究」
大学中退後でも、正社員としての就職は可能です。現在の日本では人手不足が深刻で、特に営業職や介護・飲食・建設・物流などの業界では、未経験者を前提に育成する企業が増えています。中退理由や空白期間については面接で聞かれる可能性がありますが、前向きな伝え方を準備しておけば問題ありません。
安定収入が得られ、福利厚生があるのも正社員就職のメリットです。ただし、職種選びを誤ると早期離職に繋がる可能性もあるため、自分に向いている業界や働き方を見極めることが大切です。大学中退後すぐに就職する選択肢は、早く社会人としてのキャリアを築きたい大学中退者に向いています。
2. 大学中退後にフリーターとして働きながら再挑戦する
中退後、すぐに進路を決めきれない場合は、フリーターとして働きながら今後の方向性を探るという方法もあります。アルバイトで生活費を確保しつつ、資格取得やスキルアップの準備を進めることも可能です。
実際に、多くの大学中退者が中退後にフリーターになっています。労働政策研究・研修機構の調査によると、大学中退後に「アルバイトを探した」人は31.8%、「在学中から行っていたアルバイトを継続した」人は27.3%でした。
大学中退後にフリーターになると、時間の融通が利くなどのメリットがあります。しかし、フリーター期間が長くなると、就職活動で不利に働くリスクもあります。採用担当者に「目的意識がない」と見なされないよう、行動に一貫性を持たせることが重要です。明確な目標を持ち、それに向かって計画的に動ける人であれば、再スタートの土台として活用できます。
3. 専門学校やスクールに入り直す
将来の職業に直結するスキルを身につけたい場合は、専門学校や職業訓練校への進学が有効です。IT、医療、介護、美容、調理などの分野では、資格や実務能力を持っていることで就職に直結しやすくなります。中退後に目標が定まった人にとっては、専門性を高めることで「やり直し」が効く進路と言えるでしょう。
ただし、学費や通学期間の負担があるため、事前に十分な情報収集と覚悟が必要です。進みたい分野が明確で、将来像がはっきりしている大学中退者には特におすすめです。
4. 別の大学や通信制大学へ進学する
大学を中退後、再び学士の取得を目指して別の大学に入学したり、通信制大学で学び直すという進路もあります。特に「大卒資格が必要な仕事に就きたい」「やはり大学で学びたい分野がある」と感じている場合には、再入学によるリスタートが有効です。
通信制大学であれば働きながら学ぶことも可能で、時間や費用の面でも柔軟に対応できます。ただし、継続的に学び続ける意志や自己管理能力が求められます。目的意識をしっかり持ち、長期的なキャリア設計を考えている人に適した進路です。
5. 公務員試験に挑戦する
大学中退者でも、多くの公務員試験は「高卒以上」の学歴で受験が可能です。特に地方初級、国家一般職(高卒程度)、警察官や自衛官などの職種では、中退していても受験資格を満たします。
安定した職場環境や福利厚生を求める人にとって、公務員は非常に魅力的な選択肢です。ただし、筆記試験の勉強には数ヶ月〜1年以上の準備が必要で、生活資金やモチベーションの維持にも工夫が求められます。計画的に努力を積み重ねられる人、公務員として長く働きたいという明確な目標がある大学中退者に向いています。


大学中退者の就活でおすすめな職種5選
大学中退後に就職しやすいおすすめの職種は、「未経験から始めやすい」「学歴よりもスキルや成果が求められる」「需要が高く採用を活発に行っている」という特徴があります。例えば、以下の5つの職種がおすすめです。
- 営業職
- 販売職
- ライン作業員・軽作業
- 施工管理
- ITエンジニア
それぞれの職種の仕事内容、大学中退者におすすめする理由、向いてる人、キャリアパスについて解説します。
1.営業職
営業職とは、商品やサービスを顧客に提案し、契約や販売を行う仕事です。
営業職は学歴よりもコミュニケーション能力や成果が重視されるため、大学中退者にお勧めの職種です。特に未経験からでもチャレンジしやすく、実績次第でキャリアアップを目指すことができます。
営業職には、人と接することが好きで、自ら積極的に行動できる人が向いています。また、状況を柔軟に判断したり、相手のニーズに応じた提案ができる力も必要です。たとえ口下手であっても、誠実さや信頼感を持って相手と向き合える姿勢があれば、成功の可能性が広がります。
営業職として経験を積むことで、将来的にはマネージャーや営業企画などのポジションへキャリアアップが可能です。また、培ったスキルを活かして他業界に転職したり、起業を目指すこともできます。営業で得たコミュニケーション力や交渉力は、どの業界でも強みとして評価されるため、幅広いキャリアの可能性が見込まれます。

山田 純輝/キャリアコンサルタント
人と話すことが好きだから営業は要注意!
人と話すことが好きだから営業に向いているとは言えません。なぜなら営業とは、契約をお預かりすることであり、人と話すことは手段でしかないからです。
そのため契約をお預かりする必要性も認識できていればよいのですが、人と話すのが好きなだけで選んでしまうと、ミスマッチになるかもしれません。
どの仕事もそうですが、仕事の役割や目的、求められる能力や考え方を想像しながら選べるとよいでしょう。
2.販売職
販売職は、店舗やサービスカウンターで商品やサービスを直接顧客に提供する仕事です。顧客の要望を聞き出し、適切な商品を提案することや、レジ業務、商品管理なども含まれます。
販売職は、お客様と直接やり取りを行う機会が多く、接客スキルやサービスマインドが重視される職種です。学歴よりも実際の現場での行動力や柔軟性が求められるため、大学中退者にとって就職しやすい仕事と言えます。また、資格や経験が不要で挑戦しやすいことも、この職種の魅力です。
販売職に向いているのは、明るくポジティブな性格で、お客様と接することに楽しさを感じられる人です。また、商品知識を積極的に学び、相手に最適な提案をする熱心さも重要です。細やかな気配りが得意な人や、サービス業に興味がある人におすすめします。
販売職を経験することで、店長やエリアマネージャーといったマネジメントポジションに昇進する機会が得られます。また、接客スキルや商品知識を活かし、他の業界への転職も視野に入れられます。中には、顧客対応力を元に営業職やマーケティング職へのキャリアチェンジを目指すケースもあります。
販売職の正社員はアルバイトとどう違う?

山田 純輝/キャリアコンサルタント
販売職はアルバイトと変わらないイメージがあるかもしれませんが、正社員として働く場合は将来性や責任が大きく違います。
正社員として販売職になると、販売業務に加え、店舗の予算管理やレイアウト検討、スタッフ育成など幅広い業務を担当します。
身に着けられる対応力やマネジメント力は、社内ではもちろん、社外でも評価されるものですので、キャリアアップもしやすいです。
大学中退から就職する際に、人と話すのが好きで将来キャリアアップを目指す人にはおすすめの職種の一つと言えるでしょう。
3.ライン作業員・軽作業
ライン作業員・軽作業は、工場などで製品を作り出す仕事です。主な仕事内容には、部品の組み立て、製品の検査、機械の操作などが含まれます。また、自動車や電子機器、食品といった多岐にわたる業界があり、自分の興味に合った分野で働くことができます。
ライン作業員・軽作業は、現場の経験が重視されるため、学歴よりも実務能力が評価される業界です。多くの企業では未経験者の採用も行っており、手に職をつけたいと考えている大学中退者におすすめの職種です。
ライン作業員・軽作業に向いているのは、手先が器用で集中力がある人や、コツコツと作業を続けることが得意な人です。技術や知識を学ぶことに積極的で、チームワークを大切にできる姿勢も重要です。また、工具を扱うことに抵抗がない方や、ものづくりが好きな人に適しています。
ライン作業員・軽作業でのキャリアパスは、現場作業員から、リーダー職や品質管理、さらには技術者としてスキルを高める道があります。また、専門的な資格を取得することで、キャリアアップや給与の増加が期待できます。経験を積むことで、製造以外の関連職種にも挑戦できる可能性があります。
4.施工管理
施工管理とは、建設現場で工事がスムーズに進むように指揮を執る仕事です。具体的には、建設計画の進捗管理、現場の安全確保、資材の調達・管理などを行います。
施工管理は建設業界の中でも需要が高く、技術や経験を学びながらキャリアを形成できる職種です。大学中退者でも建築関連の資格を取得しながら知識を蓄えることで、正社員として安定した仕事を得ることができます。特に働きながら資格を取りやすい環境が整っている点が特徴です。
施工管理業務に向いているのは、スケジュール調整やコスト管理などを計画的に行える人です。また、現場スタッフやクライアントと関わる機会が多いため、コミュニケーション能力が高い人にも適しています。
施工管理のキャリアパスとしては、現場管理者からスタートし、ゆくゆくはプロジェクトマネージャーやゼネコン幹部といった役職を目指すことができます。国家資格である「施工管理技士」を取得すれば、仕事の幅も広がり、収入アップも期待できます。
施工管理って力仕事なの?

山田 純輝/キャリアコンサルタント
施工管理は現場作業のイメージがある人もいるかもしれないですが、業者さんが工事を円滑に進められるようサポートする仕事です。
そのため現場での作業は行わず、主にスケジュール管理や工事で必要な書類作成、現場の安全面に関するサポートを行います。
大学中退から入社して、最初から管理業務を任されるわけではなく、まずは先輩の補助や事務的な仕事から始めることも多いです。
現場でのコミュニケーションや調整業務が6~7割、デスクワークが3~4割になりますので、マルチタスクが得意な人は活躍しやすいでしょう。
5.ITエンジニア
ITエンジニアは、システム開発やプログラム設計、ネットワークやサーバーの構築・運用などを行う仕事です。技術革新が進む中で、さまざまな分野でITエンジニアが活躍しており、需要も増加しています。
IT業界は学歴よりもスキルが重視されるため、大学中退後の就職先として非常におすすめです。未経験者向けの研修制度が整っている企業も多く、プログラミングやネットワークに関する基礎知識があれば正社員として採用される可能性が高まります。また、業界全体が人材不足であることも追い風となっています。
ITエンジニアに向いているのは、論理的思考が得意な人や、新しい技術を自ら学ぶ意欲を持つ人です。また、一人で集中して作業を進めるのが得意な人や、トラブル解決に根気強く取り組める人であれば適性が高いといえます。
ITエンジニアとして経験を積むことで、システムエンジニアやプロジェクトマネージャー、さらにはITコンサルタントへの道もあります。資格としては基本情報技術者や応用情報技術者の取得が評価されやすく、スキルアップにつながりやすいでしょう。

山田 純輝/キャリアコンサルタント
ITエンジニアもコミュニケーション能力が求められる!
ITエンジニアはコミュニケーションをとらなくてもよいと考える人もいるかもしれませんが、それでは困るかもしれません。
なぜなら仕事のレベルが上がるにつれて、関係者の数が増え、業務でかかわる範囲も広くなるからです。
逆にコミュニケーションを避けてしまうと仕事のレベルや評価が上がらず、続けるのが難しくなってしまう可能性もあります。
エンジニアとして働きながらキャリアアップをしたい場合、コミュニケーション力は必須と言えるでしょう。
大学中退後の就職先の職種についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。


大学中退者が就職先を選ぶときの4つのコツ
ここからは、就活を進めていくにあたって、内定を獲得するために大切な就職先選びのコツを解説していきます。
新卒と比較するとハンデのある状況でも、しっかりとポイントを押さえて就活を成功させましょう。
1. 中小企業・中堅企業も視野に入れる
大学中退者は、大手・有名企業以外の中小・中堅企業も視野に入れましょう。大手企業や有名企業は採用人数に対して応募件数が多く、大卒であっても採用のハードルは高いです。また、大手企業は応募条件に「大卒以上」と記載があり、大学を中退していると応募すらできません。
しかし日本には、大手企業だけではなく多くの企業が存在します。厚生労働者では常用労働者1,000人以上を大企業としており、国内の大企業の割合は0.3%のみで、中小企業が全体の99.7%を占めています。
つまり、誰もが知っている有名企業や、大手企業だけにこだわりすぎるのはおすすめできません。就活をより効率良く進めるためには、中小企業やベンチャー企業などの幅広い視野で求人情報を調べるようにしましょう。
実際に求人情報を見ると、中小企業やベンチャー企業にも独自の理念や価値観、魅力的な社風の企業があります。自身が理念や社風に共感でき、理想の自分に近付くための企業を選ぶようにしましょう。
2. 未経験者歓迎の求人も受ける
大学中退者は、未経験者歓迎の求人も受けましょう。企業によっては、求人票に「未経験者歓迎」という記載があります。しかし、業界や職種によって未経験が挑戦しやすいかは、全く異なります。
未経験が挑戦しやすいといわれる業界には、以下が挙げられます。
- IT通信
- 不動産
- 建設関係
- メーカー
- サービス
- 商社
- 流通
- 小売
また、特に未経験から挑戦しやすい職種は、営業、販売職、コールセンター、施工管理などがおすすめです。
このような業界・職種は、仕事への積極性や熱意、柔軟性などを重視している傾向にあるので、学歴を気にする必要はありません。また、未経験者向けの研修制度や、知識を習得できるサポート体制がしっかりしているので、働きながらスキルや知識を習得できます。
3. 自分の強み・特技を活かせる求人に応募する
職種を選ぶ際は、自分の得意なこと、好きなこと、他の人に負けない強みを活かせる職種に応募することも選択肢のひとつです。
たとえば大学時代に英語を学んでいて英会話ができるレベルなら、語学力を活かせる業種や職種を選べば、自分の強みを活かせます。このように今まで身に付けてきた知識や特技は、たとえ大学を中退したとしても、あなたにとっての大切な武器となります。
しかし、得意なことや志望業種がある人ばかりではなく「自分の強みってなんなんだろう……」と悩む人も多いと思います。そんな時は、「自分が好きなこと」や「自分が楽しいと思うこと」を書き出してみましょう。
自分が何気なくやっていたことが、客観的に見ると強みだと気づくきっかけにつながるかもしれません。
4. 複数の企業を受けて比較する
大学中退後の就職活動では、1社だけに絞らず複数の企業に応募し、比較検討することが重要です。複数社の選考を受けることで、自分に合った職場環境や業務内容を見極めやすくなります。
特に中退者は「一刻も早く就職しなければ」という焦りから、最初に内定をもらった企業に決めてしまいがちですが、それでは後悔する可能性もあります。複数応募を前提に動くことで、より納得のいく企業選びができ、長期的なキャリア形成にもつながります。

小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者
複数の企業を受けて、比較検討するのがおすすめ!
就職活動では、できるだけ多くの企業を受けてみることをおすすめします。たった1社だけ受けて決めてしまうと、その会社が本当に自分に合っているのか比較ができません。
実際に複数の企業の面接を受けてみることで、「この会社は雰囲気が合う」「この会社はちょっと違うかも」といった感覚がつかめてきます。最初にいいなと思っていた会社よりも、別の会社の方が自分にフィットすることもよくあります。
たくさんの企業と接点を持つことは、自分の視野を広げ、納得感のある選択につながります。選考を通して得られる学びや気づきも大きいですし、結果として「自分が選んだ」という実感を持って入社できるはずです。


「大学中退者の就活」に関するよくある質問
「大学中退しても新卒扱いになる」でご紹介していますが、既卒3年以内は新卒扱いにするよう、国は企業へ通達しています。大学中退でも高卒ではあるので、表向きは、高校卒業から3年以内は新卒扱いということになります。しかし、企業側は大学中退者を新卒と見なすケースは少なく、中途採用としていることが大半です。
大学中退の経歴で就職を目指す方は、「ジェイック」のサービスがおすすめです。就職講座では中退をネガティブに捉えるのではなく、中退経験を活かした就職活動について教えています。中退者を対象とした書類選考免除の面接会に参加できるため、経歴がハンデにならず面接に臨んでいただけます。
大学中退後のブランク期間が長いと、どんどん就職に不利になってしまいます。ぜひジェイックの「就職相談」へお申し込みください。専任のアドバイザーが状況をお伺いしたうえで、今後についてアドバイスさせていただきます。
大学中退者の就活で注意すべきなのは、大学中退の理由は嘘をつかずポジティブに伝えること、就活サイト(就職エージェント)やハローワークなどの機関も上手に活用することなどがあります。くわしくは「大学中退者の就活を有利に進める5つのポイント」をご覧ください。
2022年度末に調査された文部科学省の「大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について(周知)」によると、全国の大学生のうち中退者の総数は5万7,875人です。この数字は、全国に大学生は約300万人いるので、100人に2人程度が大学を中退していることになります。
大学中退者が年収を上げるには、「インセンティブ」を受け取れる仕事や会社を選ぶことがおすすめです。
インセンティブとは、成果や実績に応じて、基本給とは別に支払われる報酬のことです。特に営業職(ハウスメーカーの営業や人材営業など)や、アパレルショップ・家電量販店で多く見られます。
「資格手当(※)」の支給がある会社に入社し、毎月の給与を増やすのもおすすめです。
※資格手当:業務に関連する資格を取得している社員に対し、毎月または一時金として支給される手当(例:不動産会社の中には「宅地建物取引士」取得者に月2〜3万円の手当を支給するケースも多い)
まとめ
この記事では、大学中退者の就職活動について解説しました。大学中退者の最終学歴は高卒扱いとなり、大卒以上を応募条件とする求人には応募できませんが、多くの企業が人手不足から学歴よりも人柄や意欲、将来性を重視しており、就職は十分に可能です。
就職活動は、「中退理由の整理・自己分析」から始まり、「求人探し」「履歴書・職務経歴書の作成」「面接対策・面接」を経て「内定獲得」へと進みます。就活を有利に進めるためには、できるだけ早く活動を始めること、そして中退理由をポジティブな視点で伝えることが非常に重要です。
大学中退者におすすめの職種としては、学歴不問で応募しやすい営業職、販売職、ライン作業員・軽作業、施工管理、ITエンジニアなどが挙げられます。
大学を中退すると、仕事の選択肢が減少したり、給与が低くなる可能性、企業からマイナスイメージを持たれる恐れといったデメリットがある一方、やりたいことに専念し、同級生より早く社会人経験を積めるというメリットもあります。中退という経歴に引け目を感じず、効率的な就活方法を身につけて行動することが成功への鍵です。
大学中退後の就職について、「みんなどんなところに就職しているの?」「中退理由について聞かれたら、私の場合なんて答えればいい?」といったお悩みがあれば、ぜひ中退専門の就職支援サービスを運営する弊サービスにご相談ください。

こんな方におすすめ!
- 学歴に自信がないから就職できるか不安
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大学中退者の就活について、以下の記事でもくわしくご紹介しています。
大学中退者の就職における大卒との違いや、大学中退者におすすめの相談先などについても触れていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
当社の就職に関するコンテンツの中から、大学中退後の就職活動に不安を感じている方向けに、就活で困りがちなことを解決するための記事をまとめました。
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小久保 友寛/元中退就職カレッジ®事業責任者
高藤薫/キャリアコンサルタント
山田 純輝/キャリアコンサルタント