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住民税は無職になると免除される?条件や減免してもらう方法を解説

住民税は無職になると免除される?条件や減免してもらう方法を解説

住民税は前年の所得に応じて課税されるため、無職になったからといっていきなり免除されることはありません。
特に前年に目安100万円の収入がある状態で無職になると、その翌年の6月ごろに住民税の請求が来る可能性がありますので注意が必要です。

ただし、生活保護の受給を始め、特定の条件を満たすと住民税が免除されたり減免されるようなことがありますので、住民税の制度や仕組みをしっかり理解しておきましょう。

住民税は無職になると免除される?

住民税は、無職になっても自動的に免除されるようなものではありません。なぜなら住民税は前年の1月1日から12月31日までの所得をもとに計算されるためです。

自治体によってやや違いがありますが、おおよそ100万円の収入を稼いでいると住民税の支払い義務が発生します。

まずは住民税の課税や納付の仕組みについて詳しく解説しますので、自分に住民税の支払い義務があるかどうかをチェックしておきましょう。

前年の所得に応じて課税される

住民税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に稼いだ所得に応じて課税されるといった仕組みになっています。

例えば、2024年の1月1日から9月30日までの6ヶ月正社員として働いていて、その後無職になっている場合、その6ヶ月でおよそ100万円の額面収入があると、2025年に住民税が請求されることになります。

このように、住民税は請求までに少しタイムラグがあるような税金になっているという仕組みを知っておけば、無職になったら免除されるわけではないということが理解できるでしょう。

なお、住民税が一度請求された場合、生活保護受給者や災害に遭われた方を除き、無職であることを理由に申請しても免除されることは基本的にありません。
収入状況に応じて支払い金額を減らしてもらうなどの減免措置は受けられる可能性があるものの、免除は基本できないことをあらかじめ認識しておいてください。

住民税の計算方法

住民税は前年の所得に応じて課税される所得割と、所得に関係なく定額で課税される均等割で構成されており、それぞれを合算した金額が納付金額となります。

所得割は前年の課税所得におおよそ10%の税率を掛け合わせて計算し、均等割は一般的に年間5,000円程度ですが、自治体により異なる場合があります。

なお、住民税を計算する上での所得とは、収入から所得控除額や基礎控除等の一定の控除額を差し引いた金額になります。所得控除額は収入額に応じて計算式が細かく設定されていますので、気になる人は住んでいる自治体のホームページから確認すると良いでしょう。

無職になった後の住民税納付方法

住民税の納付方法は、給与支払い時に天引きで納付する特別徴収と、自治体から送られてくる納付書を用いて自分で納付する普通徴収に分かれていますが、無職になることで特別徴収の対象から外れるため、必然的に普通徴収で納付することになります。

そのため、無職になった後に住民税を納付するには、毎年6月上旬から中旬ごろまでに送付される納付書を持って手続きを進めることになります。納付自体は役所や金融機関の窓口だけでなく、口座振替やクレジットカード払い、自治体によってスマホ決済アプリなど多岐に渡ります。

普通徴収においては、年4回の分割払いか一括払いを選べる自治体が基本ですが、いずれにせよ納付期限が遅れてしまうと延滞金が発生することになるため、スケジュール管理が必須になります。

仮に無職になったばかりで住民税の納付が困難な場合は、納付期限までに早めに自治体に相談することがおすすめです。

無職になってから住民税が減免・免除されるパターン

無職であっても、住民税の支払い義務が発生してから免除をしてもらうことはできませんが、減免ができるケースがあります。

例えば突然会社にリストラされて失業してしまったり、災害による被害を受けて生活が困窮しているなど、自分に非がない事象で収入が大幅に減少したような無職の場合は、申請により支払い金額を減免してもらえることがあります。

また、自治体ごとによって収入や資産、家庭状況等を鑑みた減免・免除制度が設けられていることもありますので、住民票のある役所のホームページを確認し、自分が利用できる減免・免除制度がないか確認することが大切です。

ここからは無職になってから、住民税が減免もしくは免除されるパターンについて5つの例を挙げて解説していきます。

1. 生活保護の受給

その年の1月1日時点で生活保護を受給している場合は、住民税は原則として全額免除になります。

なぜなら、生活保護の受給者は生活に必要な最低限の収入や資産しか持っていないと自治体から認められている人となりますので、そこに住民税が課されると生活に支障が出るとみなされるためです。

生活保護を受給するためには現在無職であることが関係なく、資産や給与収入以外の収入がない事に加えて、扶養を受けられる親族がいないことや、物理的に働けない状況であることを証明しなければならないなど厳しい条件が設けられているため、申請すれば誰でも生活保護が受給できるわけではありません。

もし無職になって生活保護の申請が通った場合は、早めに住民税の担当者と連絡を取り、住民税が免除されるかどうか念のために確認しておくことが大切です。

2. 予測できない失業

自分に非がないにもかかわらず、突然のリストラや会社が倒産してしまったなど予測できない事情によって失業してしまった場合、自治体への申請によって住民税が減免されることがあります。申請の際には、失業証明書の提出や失業に至るまでの事情が分かる書類の提出が必要です。

ただし、減免をされるかどうかは自治体ごとの判断に委ねられますが、失業したからといっていきなり減免されることは少なく、まずは納税の猶予や納付期限の延長によって支払いできないかが問われるケースが大半です。

まずは請求されている住民税を払うことが要求されるため、予測できない失業があったからといって、必ずしも住民税を減免してもらえるわけではないことに注意してください。

3. 前年比で大きく収入が減少した

自治体によっては、前年に比べて大幅に収入が減少してしまった場合も住民税の減免対象になることがあります。

例えば、個人事業主として働いていて前年収入があったものの、取引先との関係で現在は無職同様に無収入になっているケースだと、状況次第で減免してもらえるかもしれません。

申請時には源泉徴収票や確定申告書等の所得を証明する書類が必要になるため、役所に問い合わせる際に手元に用意しておくと良いでしょう。

4. 災害による被害を受けた

地震や台風を始めとして、災害によって自分が住んでいる住宅や家財に甚大な被害を受けたような場合は、住民税が最大で全額免除されることがあります。

例えば東京都練馬区の場合は、前年の所得金額が500万円以下で、自宅や家財の損害金額が5割以上の場合、住民税が全額免除される仕組みとなっています。

なお、災害による被害を理由に住民税の減免を申請する際は、自分と同じ世帯に納税者が複数にいる場合にそのうちの1人しか減免対象にならないといったこともあります。

細かな取り決めは自治体によって異なりますので、もし災害による被害を受けた場合は速やかに役所に問い合わせてみてください。

参考:練馬区「特別区民税・都民税(住民税)の減免

5. 自治体によって個別の減免・免除もある

住民税は自治体に納付する地方税となるため、減免や免除制度は自治体ごとに独自の基準や条件が設定されていることがあります。例えば高齢者や障がい者、ひとり親家庭に対する特別措置が設けられていたり、特定の所得以下の世帯に対する免除規定が設けられているような自治体も存在します。

このように、自治体によって住民税の細かな取り決めやルールが異なりますので、少しでも住民税の支払いが難しいと感じた無職は、請求されている住民税の納付期限を迎える前に出来る限り早く役所に相談することがポイントです。

無職が住民税の免除や減免を受ける際の注意点

無職が住民税の免除や減免を受けるためには、住民票のある自治体への申請が必要になりますが、仮に免除や減免の条件を満たしていたとしても、納付期限や審査期間に注意しないと申請が承諾されないことがあります。

具体的には、以下のポイントに注意する必要があります。

  • 納付期限をすぎると申請を受け付けられない
  • 免除・減免手続きには1ヶ月程度かかる
  • 資産がある場合は審査が降りないことがある

それぞれの注意点について詳しく解説しますので、住民税の免除や減免を受けたいと考えている無職は内容を理解しておいてください。

納付期限をすぎると申請を受け付けられない

住民税の減免や免除の申請は、原則として住民税の納付期限前に行う必要があります。納付期限を過ぎるとそもそも申請を受け付けてもらうことすらできず、減免条件を満たしていても門前払いになるようなことが考えられるため注意してください。

特に無職の場合は、普通徴収で住民税を納付することになりますが、納付書は6月中旬ごろに手元に届き、1回目の納付期限は6月末となっているため、スピーディーな行動を心がける必要があります。まずは役所へ電話するだけでも良いので、後回しにすることなくすぐに相談をすることを意識しましょう。

免除・減免手続きには1ヶ月程度かかる

住民税の免除や減免の申請手続きにおいては、申請後の審査から通知が届くまでおよそ1ヵ月程度の期間がかかることが基本です。
審査結果の通知までに住民税の納付期限が来ることもありますので、減免や免除の申請だけでなく住民税の支払い猶予の相談も行っておくと良いでしょう。

なお、申請の必要書類としては、どういった条件で免除や減免申請をするかによって変わってきます。

1つでも必要書類が不足していると審査を進めることができませんので、あらかじめどの書類が必要か役所に確認しておいてください。

資産がある場合は審査が降りないことがある

無職で現在収入がないからといって、住民税の免除や減免の申請が通りやすくなるというわけではありません。

審査においては収入だけでなく、多額の預貯金や投資目的で不動産を所有していないかなど資産も重要な観点となっているため、仮に必要以上の資産がある場合は審査が降りないことがある点に注意が必要です。

住民税の免除や減免をしてもらいたいからといって、一時的に資産をどこかに隠すなどの行為は避けましょう。

もしその事実が判明した際は、免除や減免の審査が通らなくなるだけでなく、通常通り住民税の延滞金が発生することもありますのでごまかす意識は持たないことがポイントです。

無職が住民税の免除相談をしたい場合の対処法

住民税の減免や免除の相談をしたい場合は、まず住民票のある自治体の税務窓口に相談することが大切です。また、住民税以外にも無職が支払う義務のある国民年金保険や国民健康保険の免除・猶予申請が利用できないか確認しておくことも重要な対処法です。

ここからは、無職が住民税の免除を考える際に並行して認識しておくべき対処法について詳しく解説します。

自治体の税務窓口に相談する

無職が住民税の免除や減免を希望する場合、まず相談先として考えられるのが自治体の税務課です。住民税は自治体の税務課が管理しているため、自分の収入状況や生活環境に応じて相談に乗ってくれるだけでなく、利用できる他の制度を案内してもらうことも可能です。

また、状況によって免除や減免の審査が可能な場合は、そのまま必要書類や手続きの流れを詳しく教えてもらうこともできるため、次に自分が何をすべきか判断できる点がポイントです。

国民年金保険の免除や納付猶予を活用する

無職で住民税の支払いが難しい場合は、同じく支払い義務のある国民年金保険料の免除や納付猶予制度を活用してみるのも1つの方法です。

住民税と国民年金では運営元が異なるため、仮に住民税で猶予や減免が受けられなくても、国民年金でそれらの対応をしてもらうことができれば、住民税の納付を優先するといったことが可能になります。

自治体によっては、20代の無職で国民年金保険の支払いが難しい場合、保険料の納付が猶予される「若年者納付猶予制度」が設けられているケースもありますので、家計が厳しい無職は住民税だけでなく、他の税金や社会保険で猶予制度が活用できないか検討してみるのもおすすめです。

自治体ごとの必要書類を確認する

住民税の減免申請については、自治体ごとに必要書類が異なります。例えば東京都の目黒区では、本人確認書類や現在の生活状況が分かる報告書に加えて、目黒区独自の収入状況チェックシート等の提出が必要になります。

自治体ごとに独自の審査書類が受けられていることがありますが、基本的には自治体のホームページからダウンロードして記入できるケースがほとんどのため、住民税の免除や減免申請をしたいときは、まずは住んでいる自治体のホームページを確認するところから始めてください。

住民税に関するよくある質問

最後に、住民税の免除や減免について無職がよく感じる疑問を3つ取り上げて解説していきます。

ニートは住民税を免除されますか?

ニートであっても、前年に年収にして100万円程度の収入があると住民税の支払い義務が発生することがあります。一度支払い義務が発生した住民税は、基本的に免除される事はありませんので注意が必要です。

特にニートになったばかりの人だと、前年に正社員やアルバイトなどで働いていた収入が住民税の課税ラインを上回るケースがあります。一度住民税が課された時は、原則免除が難しいものの、ニートになった理由や世帯の状況によっては支払い金額を減免してもらえるかもしれませんので、少しでも悩んだら役所に相談することをおすすめします。

住民税が免除される人は?

住民税が免除される条件としては、以下のようなものが挙げられます。

  • その年の1月1日時点で生活保護を受給している人
  • 障害者、未成年、ひとり親、寡婦(夫)の人で一定の所得以下の人

他にも、災害や突然の失業など特別な事情がある人向けに免除の制度を設けている自治体がありますので、どうしても住民税を免除してもらわないと厳しい場合は、自治体に相談した上で免除申請をしてみるのが良いでしょう。

もし住民税が免除されなかった場合は、国民年金保険や国民健康保険の納税猶予や減免措置をしてもらえないか、合わせて確認してみることもおすすめです。

住民税を0円にするにはどうしたらいいですか?

住民税を0円にするためには、住民税の非課税限度額を下回る収入金額に調整することが考えられます。
細かな金額は自治体によって異なりますが、住民税の非課税限度額は自治体によって異なりますが、単身者で扶養がない場合、おおよそ100万円前後が目安とされます。

また、無職でどうしても社会復帰ができない特別な事情がある場合は、生活保護を申請して受給することができれば、同じく住民税の支払い金額を0円にすることが可能です。

いずれにせよ、住民税を始めとして各種税金や社会保険の支払いが難しくなったり、生活そのものが回らないような状況になった場合は、自治体に相談することがおすすめです。

まとめ

無職になったからといって、住民税が自動的に免除されるようなことはありません。住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、前年に収入があった場合は請求されることに注意が必要です。

もし住民税が請求されたものの支払いが難しい場合は、自治体に減免措置をしてもらえないか相談してみると良いでしょう。

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ABOUT US
池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」