
引きこもりから立ち直るきっかけは、成功体験を積めた、家族との関係を改善できた、年齢を重ねていくことへの危機感など、人によってさまざまです。
しかし、どのようなきっかけで他の引きこもりだった人たちが社会復帰を果たしてきたかを知ることは、自分自身の今後を考えるうえで非常に参考になります。
そこで、本記事では引きこもりから立ち直るきっかけをまとめました。また、本記事の後半では引きこもりから脱出するための方法も紹介しています。
今の生活を抜け出して変わりたい方は、最後まで読んでみてください。
- 引きこもりから立ち直るきっかけは、成功体験を積めた・家族との関係を改善できた・年齢を重ねていくことへの危機感など、人によってさまざま
- 引きこもりから脱出するための方法は、体力を戻す・趣味を見つける・小さな目標を達成するなど
- 自力では引きこもりから脱出することが難しい場合は、ひきこもり地域支援センターなどの支援機関を活用する
- 成功体験を積めたこと
成功体験を積むことで、自然と自己肯定感が高まり、社会復帰への原動力となる - 周囲の環境の変化
周囲が大きなライフイベントを迎える中、焦りや危機感を感じ、就職へのプレッシャーとなる - 生活リズムの改善
規則正しい生活によって自己肯定感が高まり、社会復帰に向けたモチベーションがアップする - 家族との関係の改善
家族に悩みやつらさを打ち明けたり、引きこもり脱出へのサポートを受けやすくなる - 第三者からの支援
専門のカウンセラーや支援員など、第三者からサポートが解決につながるケースもある - 心から信頼できる人との出会い
人間関係にトラウマがある場合には、信頼できる人と出会うことで状況が一変する場合がある - 引きこもりから社会復帰した人の体験談
失敗してもやり直せることを体験談で知り、共感と安心感が生まれる
この記事の目次
引きこもりから立ち直るきっかけ7つ
引きこもりから立ち直るきっかけには、以下のようなものがあります。
- 成功体験を積めたこと
- 周囲の環境の変化
- 生活リズムの改善
- 家族との関係の改善
- 第三者からの支援
- 心から信頼できる人との出会い
- 引きこもりから社会復帰した人の体験談
「今の生活から抜け出したい…」と考えている引きこもりの方は、参考にしてみてください。
- 成功体験を積めたこと
成功体験を積むことで、自然と自己肯定感が高まり、社会復帰への原動力となる - 周囲の環境の変化
周囲が大きなライフイベントを迎える中、焦りや危機感を感じ、就職へのプレッシャーとなる - 生活リズムの改善
規則正しい生活によって自己肯定感が高まり、社会復帰に向けたモチベーションがアップする - 家族との関係の改善
家族に悩みやつらさを打ち明けたり、引きこもり脱出へのサポートを受けやすくなる - 第三者からの支援
専門のカウンセラーや支援員など、第三者からサポートが解決につながるケースもある - 心から信頼できる人との出会い
人間関係にトラウマがある場合には、信頼できる人と出会うことで状況が一変する場合がある - 引きこもりから社会復帰した人の体験談
失敗してもやり直せることを体験談で知り、共感と安心感が生まれる
1. 成功体験を積めたこと
成功体験を積むことは、引きこもりが立ち直る大きなきっかけになり得ます。
これまで「自分は何もできない…」と自信を失っていた方が成功体験を積めば、自然と自己肯定感が高まるものです。
成功体験を積むための具体的な方法は、次のとおりです。
- 小さな目標を設定する
「毎朝決まった時間に起きる」「1日10分だけ外に出る」など
- 成功体験を記録する
できたことや嬉しかったことを書き出して、自己肯定感を育てる
- 1日の中で「できたこと」を見つける
「今日は早起きできた」「部屋を少し片づけた」など、達成したことを大切にする
- 自分の成功体験を他人と比べない
自分の成長だけを見る
成功体験から得られた自信が、社会復帰への道を開く原動力になる可能性も十分に考えられるでしょう。
2. 周囲の環境の変化
以下のような周囲の環境の変化が、立ち直るきっかけになる場合もあります。
- 親の定年退職
- 兄弟や親戚の就職
- 友人の結婚・子どもの誕生
周囲が大きなライフイベントを迎える中で、自分だけが取り残されている状況に「このままではいけない…」と感じることはごく自然な感情です。
焦りや危機感は、就職へのプレッシャーを増幅させるなどの理由から「マイナスの面が大きいのでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし、プラスに作用すれば、社会復帰に向けて一歩を踏み出す大きな力になることも十分に考えられます。
周囲の変化をきっかけにして、引きこもりから抜け出す具体的な方法は以下のとおりです。
- 感情を素直に書き出してみる
「親が老いていくことの焦り」や「結婚に対する憧れ」などを書き出すと、自分の気持ちを客観視できる
- 「自分の立場だったらどうするか」を考える
例えば、兄弟の就職を聞いたとき「自分がその立場なら何を感じるか」を考えてみる - 少しだけ行動を起こしてみる
「ネットで調べてみる」「環境の変化について話を聞く」など、少しだけ行動してみる
周りの変化をただ感じるだけではなく「自分ごと」として捉えるようにすると、新たな一歩が踏み出せるかもしれません。
3. 生活リズムの改善
生活リズムの改善が立ち直るきっかけになる場合もあります。
昼夜逆転や偏った食事などの不規則な生活を続けていると、心身が消耗して新しいことに挑戦する意欲が失われていくものです。
しかし、生活リズムを整えれば、心身をリフレッシュできるうえ、成功体験にもつながるでしょう。具体的な取り組みを以下で紹介します。
- 毎朝決まった時間に起きる習慣をつける
最初はお昼に起きるのもOK。起きる時間を一定にすることを最優先にする - カーテンを開けて日光を浴びる
太陽の光を浴びると体内時計をリセットでき、夜に眠くなるリズムを作れる - 朝食をとる習慣を作る
おにぎり1つやバナナ1本など、簡単なものでよい - 楽しみな予定を朝に設定する
好きな食べ物や飲み物を用意する、好きな音楽を聴くなど、起きるのが楽しみになる工夫を見つける - 昼寝は30分以内にとどめる
長時間寝てしまうと夜眠れなくなり、生活リズムが崩れる原因になる
規則正しい生活によって自己肯定感が高まり、社会復帰に向けたモチベーションアップにもつながることは十分にあり得ます。
4. 家族との関係の改善
家族との関係改善が社会復帰への足がかりになるケースもあります。
引きこもりの中には、家族からのプレッシャーを重荷に感じている方もいるかもしれません。
しかし、家族との関係を改善できれば、あなたが抱えている悩みやつらさを打ち明けたり、引きこもり脱出へのサポートを受けたりしやすくなるでしょう。
家族との関係を改善する方法を以下のとおりまとめました。
- 挨拶やお礼を意識して伝える
「おはよう」「ありがとう」など、短い言葉で少しずつ関係を改善していく - LINEやメモを使う
直接話すのが難しい場合は、LINEやメモなど間接的な方法を使ってみる - 一緒に過ごす時間を少しだけ増やしてみる
食事の時間に少し顔を出す、テレビを一緒に見るなど、無理のない範囲で家族と関わる時間を増やす - 家族の役割を少しだけ手伝ってみる
郵便物を取ってくる、ゴミ出しをするなど、家族の仕事を少しだけ担当すると、関係が変化する可能性がある
家族は引きこもりの方が最も身近に接する存在です。
だからこそ、家族との関係修復が引きこもりから立ち直るきっかけになっても何ら不思議ではありません。
5. 第三者からの支援
第三者からの支援も、引きこもりから立ち直るきっかけになり得ます。
引きこもりを抜け出したいと思っても、自力では「どうすればいいのか分からない…」と悩む方もいるでしょう。
とはいえ、他者の力を借りようにも、親や兄弟だと「ついケンカになってしまう…」という理由から、家族の力では引きこもりから脱出するのが難しい場合もあるかもしれません。
そこで、専門のカウンセラーや支援員などの第三者からサポートを受ければ、解決につながるケースも十分に考えられます。
支援先によっては電話やメール、オンラインでの対応も可能なため、自宅にいながらのサポートも可能です。
しかし、どこに相談すればいいのか迷う方もいるはずです。
本記事の後半では、引きこもりにおすすめの支援機関を紹介しているので、第三者の力を借りたい方はこのまま読み進めてみてください。
6. 心から信頼できる人との出会い
心から信頼できる人との出会いをきっかけに、引きこもりから立ち直ることもあり得ます。
引きこもりの中には、人間関係でのトラブルが原因でストレスを感じ「他人を信じられなくなってしまった…」という方もいるかもしれません。
ですが、勇気をもって一歩を踏み出したところ信頼できる人と出会え、社会復帰を果たしたケースもあります。具体的な例は次のとおりです。
- 支援機関で出会ったスタッフが根気よく見守ってくれた
- オンラインカウンセリングで話せる相手を見つけた
- SNS上で同じ悩みを持つ人とつながった
信頼できる人との出会いが状況を一変する場合もあると押さえておきましょう。
引きこもりから社会復帰した人の体験談
引きこもりから社会復帰した人の体験談は、立ち直るきっかけとして非常に有効です。
例えば、自分と似た状況の人が変化した姿を知ると「自分にもできるかもしれない」と希望が持てるでしょう。体験談を見て立ち直るきっかけになった例は次のとおりです。
- 「自分と同じ状況の人が変われたから、自分にもできるのでは」と思い、希望を持てた
- 体験談に共感し「悩んでいるのは自分だけではない」と安心できた
- 支援機関を使った事例を知り、どこに相談すればよいかが分かった
あせらずに少しずつ進めることや、失敗してもやり直せることを体験談で知ると、次の行動へのハードルが下がるでしょう。
引きこもりから社会復帰した人の体験談は、共感と安心を与えてくれる大切なきっかけになります。
7. 引きこもりから社会復帰した人の体験談
引きこもりから社会復帰した人の体験談は、立ち直るきっかけとして非常に有効です。
例えば、自分と似た状況の人が変化した姿を知ると「自分にもできるかもしれない」と希望が持てるでしょう。体験談を見て立ち直るきっかけになった例は次のとおりです。
- 「自分と同じ状況の人が変われたから、自分にもできるのでは」と思い、希望を持てた
- 体験談に共感し「悩んでいるのは自分だけではない」と安心できた
- 支援機関を使った事例を知り、どこに相談すればよいかが分かった
あせらずに少しずつ進めることや、失敗してもやり直せることを体験談で知ると、次の行動へのハードルが下がるでしょう。
引きこもりから社会復帰した人の体験談は、共感と安心を与えてくれる大切なきっかけになります。
引きこもりから立ち直った人の体験談
引きこもりから立ち直った人の体験談は、同じ悩みを抱える方に大きな勇気と希望を与えます。
本章では、引きこもりからどのようにして一歩を踏み出し、社会復帰に至ったのかを、実際のエピソードを通して紹介します。
つらい時期の心情や小さな成功体験、支援を受けたきっかけなど、リアルな声を知ると「自分にも立ち直れるチャンスがあるのでは」と感じられるでしょう。
- 中学生で不登校→引きこもり→支援機関
- 新卒入社→すぐに退職→引きこもり→派遣社員
- 大学不登校→引きこもり→中退→就職
中学生で不登校→引きこもり→支援機関
Aさんは中学3年で不登校となり、高校にも通えず約4年間ひきこもりの状態が続きました。
18歳のとき、母親からもらったリーフレットをきっかけに「居場所」として紹介されていたオープンスペースを訪れます。
最初は椅子に座って過ごすだけでしたが、支援者とのやり取りや同じような立場の人々との出会いを通じて、少しずつ心を開いていきました。
現在は冊子の編集作業やイベントにも参加し、周囲と関わる中で「一歩ずつ進んでいく」気持ちを大切にしています。
Aさんにとって信頼できる人と安心できる場所が見つかり、少しずつ前向きな気持ちになっています。
無理に変わろうとせず、自分のペースで少しずつ前進する姿が印象的な体験談といえるでしょう。
参考:厚生労働省「ひきこもり経験者の社会参加の事例集」P2-P3
新卒入社→すぐに退職→引きこもり→派遣社員
Bさんは大学卒業後に就職しましたが、短期間で退職しました。
その後は外出も少なく、人との関わりがほとんどない生活が続いていました。
約7〜8年前、親が見つけた支援機関に通い始めたことが社会復帰のきっかけとなります。
最初は面談からスタートし、就労体験や実際の職場での経験を重ねながら、少しずつ働く力を取り戻していきました。
現在は派遣社員として働く一方で、支援機関のボランティアとしてイベントの企画や運営に携わっています。
「人と安心して話せる場があることで、自分の気持ちや考えを整理でき、自然と前向きな変化につながった」とBさんは語っています。
「生きているだけで自然と一歩進んでいる」という言葉には、優しく寄り添う力を感じられるのではないでしょうか。
参考:厚生労働省「ひきこもり経験者の社会参加の事例集」P4-P5
大学不登校→引きこもり→中退→就職
Y.Mさんは大学2年の夏から不登校になりました。復学することなく中退し、以降は引きこもりの状態が続きました。
人との関わりを長期間避け、自分を否定する思いにとらわれていましたが、プールやカラオケへの外出が引きこもりから立ち直るきっかけになります。
その後、引きこもり相談センターの存在を知り、約1年後に勇気を出してカウンセリングを受けるようになりました。
人との対話に少しずつ慣れ、バイトや就労体験も経験した後、現在は就労支援施設で紹介された企業で勤務を6年間継続しています。
完全に立ち直ったという実感はまだないものの、社会とのつながりを築きながら前向きに歩んでいます。
引きこもりになってしまう原因
現状からの脱却を図るうえで、引きこもりになった原因を知ることは大切です。
そこで、本項目では厚生労働省の「平成30年版 厚生労働白書」をもとに、引きこもりになってしまう主な原因をまとめました。
具体的には、以下の3つの原因が挙げられます。
- 過去のトラウマ
- メンタル面の不調
- 人間関係でのストレス
引きこもりになる原因が分かると、今後社会復帰を果たした際に再度引きこもりに戻ってしまうリスクをおさえられるでしょう。
1つずつ詳細を解説するので、チェックしてみてください。果たした際に再度引きこもりに戻ってしまうリスクをおさえられるでしょう。
一つずつ詳細を解説するので、チェックしてみてください。
過去のトラウマ
過去の経験から来るトラウマが原因で、引きこもりになる方は多くいます。
トラウマが根付くきっかけとなる体験は人によって異なりますが、主な要因を以下にまとめました。
- 不登校
- 受験の失敗
- 就職活動の失敗
- 職場でのハラスメントなど
過去のトラウマから行動を恐れてしまい、前に進めないケースも多々あります。
つらい経験でメンタルが消耗して無気力状態になり、引きこもりになってしまうことも十分にあり得るでしょう。
過去のトラウマに対処する具体的な方法を紹介します。
- 過去にとらわれず、今や未来を大切にする意識をもつ
- 自分を責めすぎない考え方を身につける
- 無理に思い出そうとしない
- トラウマに関する情報を見て、自分だけではないことを知る
- 信頼できる専門家に相談する
トラウマはすぐにはなくならないかもしれません。
しかし、焦らずゆっくり向き合っていくと少しずつ気持ちが軽くなり、前に進む力が湧いてくるでしょう。
メンタル面の不調
メンタル面の不調も、引きこもりになってしまう原因の1つに挙げられます。
以下のような心の病が引き金となっているケースは珍しくありません。
- うつ病
- 不安障害
- パニック障害
状態が少し良くなっても再発して、引きこもりが長期化してしまうケースもあります。
また、引きこもり状態が続いた結果、メンタル面の不調を引き起こすことも考えられるでしょう。
このように、メンタル面の不調と引きこもりには、密接な関係があります。
メンタル不調が原因で引きこもりになった場合、心のケアを優先しながら少しずつ回復を目指すことが大切です。以下に、無理のない対処法を紹介します。
- まずはしっかり休み、体力を回復させる
- 食事と睡眠のリズムを整える
- 心療内科やメンタルクリニックを受診する
- 短時間の散歩やストレッチなど、軽く体を動かしてみる
メンタル不調から回復するまでに時間がかかる場合がありますが、自分を大切にしながら一歩ずつ進むことが何よりも大切です。
人間関係でのストレス
人間関係でのストレスが原因で、引きこもりになるケースも多く見られます。
以下のように人間関係で嫌な思いをした経験があると、人が苦手になり心を閉ざしてしまうことはやむを得ないでしょう。
- 学校でいじめを受けた
- 職場で孤立してしまった
- 上司からハラスメントを受けた
- 友だちができずに独りぼっちになってしまった
「もう誰とも関わりたくない」と感じてしまい、引きこもりになるケースは多々あります。
人間関係のストレスが原因で引きこもりになった場合、まずは自分の心を守ることを最優先に考えましょう。
以下に対処法をまとめました。
- 人と接するときは、心が休まる距離を保つ
- 信頼できる人とだけ接する
- カウンセラーに相談する
人間関係に疲れた心はとても繊細です。自分を守りつつ、少しずつ社会とつながる準備をしていきましょう。
引きこもりから脱出できる人の特徴
引きこもりの中には、抜け出すのが難しいケースもあれば、無事に脱出できたケースもあります。それぞれの違いはいったい何なのでしょうか。
本項目では、引きこもりから脱出できる人の特徴を解説します。
引きこもりから脱出できる人の特徴は以下のとおりです。
- 理解者がいる人
- 自分のペースを大切にできる人
- 失敗を引きずらない人
- 目標や希望が見えてきた人
あなたに当てはまっている特徴があるかチェックしてみてください。、後述する引きこもりから脱出するための方法を参考に、行動を起こしてみましょう。
理解者がいる人
引きこもりから脱出できる人に共通する大きな特徴の1つが「自分を理解してくれる人がいること」です。
今の状態を否定せずに受け止めてくれる人がいると、それだけで心に安心感が生まれます。
「無理しなくていいよ」「あなたのペースで大丈夫」といった言葉をかけてもらえると、自己否定の気持ちが少しずつ和らいでいくでしょう。
信頼できる人と出会えたことで、自分の思いや不安を口に出せるようになり「外の世界ともつながってみよう」という前向きな気持ちが芽生えてくるのです。
そのため、理解者の存在は、引きこもりから脱出していく上での大きな力になります。
自分のペースを大切にできる人
自分のペースを大切にできる人も、引きこもりから脱出できる人の特徴です。
焦らずに少しずつ自分に合った方法で行動できる方は、心身の負担を減らしながら着実に前進できます。
例えば「今日はカーテンを開けられた」「5分だけ外に出られた」など、小さな出来事にも意味を見出し「できたことが今日もたくさんあった」と自分自身を認められるようになるでしょう。
また、落ち込んだ日があっても「また明日からやってみよう」と前向きになれる柔軟さもあります。
他人と比べるのではなく、自分のリズムで進められると、引きこもりからの脱出に大きくつながるのです。
失敗を引きずらない人
引きこもりから脱出できる人に多く見られる特徴の1つが、失敗を引きずらない柔軟な思考を持っていることです。
例えば、外に出ようとしたけれど足がすくんで前に進めなかった場合「今日は無理だったけど、別の日に試せばいい」と気持ちを切り替えられると、一時的に立ち止まったとしても再び前を向けます。
「自分には無理なんだ」と捉えるのではなく「こうすると難しいから、別の方法でトライしてみよう」と学びに変える力があるのです。
誰にでもうまくいかない日はありますが、そこで自分を責めすぎずに継続すると、少しずつ改善していきます。
ちょっとした後退にとらわれずに自分の歩みを信じ続けると、引きこもりから抜け出すうえで大きな力となるでしょう。
目標や希望が見えてきた人
目標や希望が見えてきた人は、引きこもりから脱出できる人の特徴として挙げられます。
最初は「少しだけ外に出てみたい」「また誰かと話してみたい」といった小さな気持ちでもかまいません。
心の中に「こうなれたらいいな」という未来のイメージが生まれると、それが行動のきっかけになります。
目標は大きなものでなくてもよく「趣味を再開したい」「1人で買い物に行けるようになりたい」などの身近な希望があると、日々の生活を前向きに送れます。
希望が持てると自分を少しずつ認められるようになり「新しい一歩を踏み出せる気がする」と思えるでしょう。
小さな希望が積み重なると、引きこもりから脱出できる力が自然と湧いてくるのです。
引きこもりから脱却する方法
ひきこもりから抜け出すためには、自分のペースで焦らずに取り組める方法を見つけることが大切です。
段階的に社会とのつながりを取り戻す工夫を試みると、回復への近道になるでしょう。以下の方法について、それぞれ解説します。
- 体力を戻す
- 趣味を見つける
- 小さな目標を達成することから始める
- 支援機関を活用する
- 在宅ワークを始めてみる
体力を戻す
引きこもりからの脱却を考えている方は、まず体力を戻すことから始めてみましょう。
体力がなければ、支援機関に足を運んだり、就職活動を始めて面接を受けに行ったりすることが難しくなるからです。
具体的には以下の行動を実践することをおすすめします。
- 朝ごはんを食べる
- 朝起きて太陽の光を浴びる
- 散歩やストレッチなど、軽い運動を習慣にする
- 毎日できるだけ決まった時間に起床・就寝する
上記のなかで自分にできそうなことから始めてみてください。
最初から完璧にできなくても構いません。
多少時間はかかるかもしれませんが、少しずつできる範囲で問題ないので、慌てず無理なく始めてみましょう。
趣味を見つける
趣味を見つけることは、引きこもりから抜け出すための有効な手段の一つです。
引きこもりから脱出しようと思っても、目的がなければ外出へのモチベーションは上がってこない可能性があります。
そこで、趣味を見つけることで、外出する目的を見つけて自宅から出られるようになるかもしれません。
また、同じ趣味を持っている人と出会えば、社会との接点を築くきっかけになり、引きこもり脱出につながることもあり得るでしょう。
そのため、引きこもり脱出に向けてまず趣味を見つけるところから始めてみても良いといえます。
小さな目標を達成することから始める
小さな目標を達成するところから始めることも良い方法です。
いきなり完璧を求めてしまうと、うまくいかなかったときに「なんて自分はダメなんだ…」と落ち込んでしまう可能性があります。
たとえば、これまで引きこもり状態で家族以外の誰とも話していなかった方がいるとしましょう。
そうした方がいきなり毎日人と会って話すという目標を立てても、達成は難しいかもしれません。
ゆえに、いきなり大きな目標を立てるのではなく、まずは小さな目標を達成するところから始めてみましょう。
具体的には、まずは外出から始める、できるようになったら立ち寄ったお店のスタッフに挨拶してみるなどのように、段階を踏んでハードルを上げていくイメージです。
このように、小さな目標を立てて達成していくことで自信がつき、社会復帰へのモチベーションを高められるでしょう。
支援機関を活用する
支援機関を活用するのも、引きこもりから脱却するのに有効な方法です。
家族や友人には話しづらい悩みも、第三者である専門スタッフなら安心して相談できるケースが多くあります。
引きこもり地域支援センターや就労移行支援事業所などでは、本人の状況に合わせて面談やカウンセリング、居場所の提供、就労準備の支援まで段階的にサポートしてくれます。
最初から無理して外に出る必要はなく、電話相談やオンライン面談から始めるのも可能です。
「話を聞いてもらえる場所がある」「自分を認めてくれる人がいる」という安心感が心身の負担を軽くし、前向きな一歩を踏み出す力になります。
1人で悩まずに支援の手を借りると、引きこもりから脱却できる大きなきっかけになるでしょう。
在宅ワークを始めてみる
引きこもりのなかには「外へ出ることは怖い。でも働きたい…」という方もいるのではないでしょうか。
結論、外出が怖くて働けないと悩んでいる方は、在宅ワークがおすすめです。
在宅ワークとは、文字通り自宅にいながらできる仕事のことを指します。
主な在宅ワークを以下にまとめました。
- 動画編集
- YouTuber
- データ入力
- Webライター
- プログラマー
- Webデザイナー
- アンケートモニター
在宅ワークには学歴・経歴不問の仕事や未経験でも始められる案件が多くあります。
家に引きこもりながらお金を稼げるので、仕事に対するハードルを下げられる点がメリットです。
また、在宅ワークは職歴になるので、引きこもり期間が長くブランクが気になる方にはうってつけといえるでしょう。
とはいえ「どんな在宅ワークを選べばいいの?」と気になる方もいると思います。
以下の記事で引きこもりの方におすすめの在宅ワークと詳しい仕事内容、それぞれの魅力をまとめました。気になる方はチェックしてみてください。
引きこもりにおすすめの支援機関
引きこもりからの脱却を目指すうえで、第三者を頼ることは重要です。
とはいえ「どこに頼ればいいの?」と気になる方も多いと思います。
結論、引きこもりの方におすすめの支援機関は以下のとおりです。
- ひきこもり地域支援センター
- 地域若者サポートステーション(サポステ)
- 引きこもりの社会復帰を支援しているNPO法人
「引きこもりを抜け出したいけど、自力では難しい…」「誰かに相談したい…」と悩んでいる方は利用してみると良いでしょう。
とはいえ「それぞれの支援機関にはどんな特徴があるの?」「自分にはどれが合っているんだろう?」という疑問も出てくると思います。
以下の記事では引きこもり向けの支援機関について詳しく紹介しているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
ひきこもり地域支援センター
「ひきこもり地域支援センター」は、ひきこもりに特化した相談窓口として、すべての都道府県や指定都市に設置されています。
社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ支援コーディネーターが中心となり、電話や来所による相談支援、居場所の提供、家族へのサポートなどを行なっています。
これらのセンターは、地域の関係機関と連携し、医療、福祉、就労支援など多岐にわたるサービスを提供しているため、安心して相談できるでしょう。
相談は本人だけでなく、家族からも受け付けており、プライバシーは厳守されます。
これらの取り組みは、ひきこもりの当事者や家族が安心して相談できる環境を提供し、社会復帰への一歩を支援しています。
地域若者サポートステーション(サポステ)
地域若者サポートステーション(通称:サポステ)は、15歳から49歳までの若者を対象に、働くことへの不安や悩みを抱える人の就労を支援する機関です。
厚生労働省の委託事業としてすべての都道府県に設置されており、サテライトやメール・電話による相談も可能な場合があります。
支援員が個別相談や職業訓練、コミュニケーション講座などを通じて、就職に向けた準備をサポートします。
「働きたいけれど自信がない」「ブランクが不安」という方でも、段階的に社会との接点を持てるよう支援が受けられるため、前向きな気持ちで進んでいけるでしょう。
利用は原則無料で、保護者からの相談も可能です。自分のペースで一歩を踏み出したい方にとって、安心できる支援の場となっています。
引きこもりの社会復帰を支援しているNPO法人
引きこもりの社会復帰を支援するNPO法人は全国各地で活動しており、本人だけでなく家族を含めた幅広いサポートを行なっています。
主な取り組みは次のとおりです。
- 安心して過ごせる居場所の提供
- 当事者同士の交流会
- 就労に向けたサポート
- 家族向けの相談会や勉強会
NPO法人の支援機関は民間ならではの柔軟な対応が特徴で、一人ひとりの状態やペースに合わせた支援が可能です。
また、行政機関や専門機関と連携しながら、地域に根ざした支援体制を整えています。
「誰にも頼れない」「どこに相談すればいいか分からない」という方にとって、安心して第一歩を踏み出せる場所です。
1人で抱え込まずにNPO法人のサポートを借りて、社会とのつながりを少しずつ取り戻してはいかがでしょうか。
まとめ
引きこもりから立ち直るきっかけや社会復帰した人の体験談などについて解説しました。
生活リズムの改善も含め、小さな成功体験を積み重ねることが引きこもりから立ち直るきっかけになります。
また、周囲の状況の変化や第三者からの支援によって社会復帰に至るケースも珍しくありません。
このように、引きこもりから立ち直るきっかけは人によってさまざまです。
もし、あなたが「このままではいけないな…」「今の状況を抜け出したい…」と感じているなら、まずは一歩を踏み出してみましょう。
体力を戻す、趣味を見つける、在宅ワークを始めるなど、できることはたくさんあります。
「これなら自分でもできるかも!」と感じたことから始めてみてください。
どうしても自力では解決が難しい場合は、サポステやひきこもり地域支援センターなど、支援機関の利用を検討するのもよいでしょう。






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