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フリーターと契約社員は同じ?違いや契約社員の長所と短所を解説

フリーターと契約社員は同じ?違いや契約社員の長所と短所を解説

フリーターと契約社員は似ていると感じるかもしれませんが、同じものではありません。フリーターは基本的にアルバイトやパートで働く人を指しています。雇用形態が契約社員の人は「契約社員」と呼ばれるので、フリーターとは種類が異なると認識しておきましょう。

本記事では、フリーターと契約社員の7つの違いや契約社員のメリット・デメリットをまとめました。契約社員について理解を深め、自身のキャリアを考える際の参考にしてください。

フリーターと契約社員の7つの違い

フリーターと契約社員には、さまざまな点で違いがあります。主な違いは以下の7つです。

  • 給与形態の違い
  • 平均年収の違い
  • 労働時間の違い
  • 待遇面の違い
  • 社会的な信用度の違い
  • 職歴の有無の違い
  • 会社によっては業務範囲の違い

フリーターに向いている人や契約社員に向いている人の特徴も含めて解説します。

1.給与形態の違い

フリーターと契約社員の違いは給与形態です。フリーターは時給制が一般的であり、働いた時間に応じて給与が支払われます。一方、契約社員は月給制などの固定給が多く、労働時間に関わらず一定の給与が支払われるケースが一般的です。

フリーターはシフト次第で収入が変動しやすいですが、契約社員は一定の給与が保証されているため、安定しやすい点が特徴です。

そのため、働いた分だけ収入を増やしたい場合はフリーターが向いており、安定した収入を重視するなら契約社員が適しているでしょう。

2.平均年収の違い

フリーターと契約社員の違いは平均年収です。フリーターの平均年収は約206万円ですが、契約社員は約348万円です。

契約社員は月給制で、1ヵ月の働き方がある程度決まっています。しかし、フリーターは時給制だからこそ、自分の好きなタイミングで労働時間を変えられるため収入が不安定です。安定的な収入を求める方は、契約社員の方が向いていると言えるでしょう。

ただし、業種や労働時間によっては、フリーターでも契約社員以上の年収を得られることもあります。どのような働き方が合っているかは個々のスキルや労働時間によって異なりますが、収入を多く稼ぎたい方は契約社員を目指すのが一般的です。

参考:東京都産業労働局「第3章 契約社員(個人)調査の集計結果」

参考:国税庁「令和5年民間給与実態統計調査結果」

3.労働時間の違い

フリーターと契約社員の違いは労働時間です。フリーターはシフト制が一般的であり、労働時間を比較的柔軟に調整しやすいため、プライベートと両立しやすい特徴があります。

一方、契約社員はフルタイム勤務が多く、週5日・1日8時間勤務などと正社員と同じスケジュールで働くケースが一般的です。勤務時間が固定されている分、安定した収入を得やすいのがメリットでしょう。

プライベートを優先して柔軟に働きたい場合はフリーター、決まった労働時間で安定して働きたいなら契約社員が適しています。

4.待遇面の違い

フリーターと契約社員の違いは福利厚生などの待遇面です。契約社員は社会保険の加入対象になるため、保障が充実しています。

一方、フリーターは一定の条件を満たさなければ社会保険に加入できません。ただし、以下の4つの条件を満たしている場合は社会保険へと加入できます。(参考:厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」)

  • 週に20時間以上の勤務時間がある
  • 2ヶ月を超えて働く予定がある
  • 月額88,000円以上の給与がある
  • 学生ではない

社会保険に加入できると、医療や年金などさまざまな保障を受けられるため、条件を満たしているか確認しておきましょう。

5.社会的な信用度の違い

フリーターは契約社員よりも、社会的な信用度が異なる傾向にあります。

例えば、フリーターはクレジットカードの作成や賃貸契約の審査に通りにくいですが、契約社員であれば比較的スムーズに通りやすいでしょう。フリーターの社会的信用の低いのは、収入や雇用の不安定さが主な要因です。

フリーターを選ぶ際は、社会的信用の低さによる制限を考慮しておきましょう。

6.職歴の有無の違い

フリーターと契約社員の違いは職歴の有無です。契約社員の経験は職歴として評価されやすく、正社員へのステップアップにもつながりやすい傾向があります。アルバイト経験は基本的に職歴として評価されにくいため、履歴書にもアルバイト経験を書く必要はありません。

しかし、空白期間が1年以上発生する場合は、アルバイト歴を職歴として記載した方が良いケースもあります。空白期間が長いと「何もしていなかった人」とみなされる可能性があるため、継続して働いていたことを示した方が印象は良くなるでしょう。

将来的に正社員を目指す場合は、職歴として評価されやすい契約社員として経験を積むのがおすすめです。

7.会社によっては業務範囲の違い

フリーターと契約社員の違いは業務範囲です。契約社員は正社員と同等の業務を担当し、責任のある仕事を任される場合があります。

フリーターは補助的な業務が多いため、正社員のように責任のある仕事を任されにくい傾向です。会社によってはフリーターでもリーダーポジションを任される場合もありますが、責任を負うのは正社員であるケースが多いでしょう。

将来的にキャリアアップを目指すのであれば、あらゆる仕事を任される傾向にある契約社員の方が転職で有利に働くでしょう。

契約社員のメリット2選

フリーターではなく契約社員として働くことには、いくつかのメリットがあります。代表的なメリットを以下で2つ解説します。

  • フリーターよりも職務経験が評価される傾向にある
  • 正社員登用のチャンスが設けられている場合がある

契約社員になるメリットを把握し、キャリアプランの設計に役立ててください。

1.フリーターよりも職務経験が評価される傾向にある

契約社員のメリットは、フリーターよりも職務経験が評価される傾向にあることです。フリーター経験は、職歴としてみなされにくい特徴があります。契約社員の経験は職歴として認められるため、正社員へのステップアップに有利に働きやすいでしょう。

また、契約社員としてどのような業務に携わったのかなどを具体的にアピールできる点も強みです。キャリアアップを目指すのであれば、契約社員としての経験は大きなメリットになるでしょう。

2.正社員登用のチャンスが設けられている場合がある

契約社員のメリットは、正社員登用のチャンスが設けられている場合があることです。

企業によっては契約社員として一定期間雇用した後、実績や適性をもとに正社員として登用するケースがあります。そのため、正社員を目指す場合は契約社員として経験を積み、実績を評価してもらうと登用の可能性を高められるでしょう。

ただし、正社員登用の有無や基準は企業によって異なり、必ずしも契約社員から正社員になれるわけではありません。フリーターから直接正社員になれる企業も存在しているため、契約社員の方が必ずしも有利に働くとは言い切れないでしょう。

自分のキャリアプランを踏まえ、どの雇用形態を選ぶのかを慎重に選択してみてください。

契約社員のデメリット3選

契約社員になる場合、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。主なデメリットは以下の3つです。

  • 途中で契約終了になる可能性がある
  • 正社員のような福利厚生を受けられない場合がある
  • 社会的な信用度は正社員の方が高い

デメリットがもたらす影響と対処法についても解説します。

1.途中で契約終了になる可能性がある

契約社員で働く場合、途中で契約終了になる可能性があります。

契約社員は半年や1年などあらかじめ契約期間が定まっており、契約を更新されなければ雇用が終了することも珍しくありません。契約社員は企業の業績悪化や人員整理の影響を受け、契約が更新されないケースもあります。

ただし、同じ企業で通算5年を超えて契約を更新した場合、労働者の申し出により期間の定めのない無期労働契約に転換できる「無期転換ルール」が適用できます。(参考:厚生労働省「契約期間が 5 年を超えたら「無期転換」できます」

ただし、無期転換ルールによって雇用の安定性は確保できますが、正社員と同じ待遇になるわけではなく、給与面などに差が出る場合が多いです。契約社員として働く場合は、契約更新の見込みや無期転換ルールの適用条件を事前に確認しておきましょう。

2.正社員のような福利厚生を受けられない場合がある

契約社員として働くと、正社員のような福利厚生を受けられない場合があります。正社員と契約社員で違いが生じる福利厚生の一例は以下のとおりです。

  • 昇給
  • 退職金
  • 住宅手当
  • リフレッシュ休暇

福利厚生には法律で義務付けられた「法定福利厚生」と、法律で定められておらず企業が独自に提供する「法定外福利厚生」の2種類があります。社会保険などが含まれる法定福利厚生は契約社員にも適用されるでしょ。

しかし、住宅手当などが含まれる法定外福利厚生が契約社員に適用されるかどうかは、企業によってさまざまです。厚生労働省は契約社員でも正社員と同等の福利厚生を受けられるようにしようと働きかけていますが、すべての会社が応じているわけではありません。(参考:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」

契約社員として働く場合は、受けられる福利厚生について事前に確認しておくことが重要です。

3.社会的な信用度は正社員の方が高い

契約社員の社会的な信用度は、正社員よりも低い傾向にあります。契約社員は正社員のように無期雇用ではないからです。フリーターよりも雇用の安定性は高いとみなされやすいですが、正社員よりは低いと言えるでしょう。

ただし、契約社員でも同じ企業で長期間働いている場合や、安定した収入があると評価されれば、社会的な信用度は必ずしも不利にはならないでしょう。

契約社員を検討するなら正社員をおすすめする理由3選

契約社員ではなく、正社員をおすすめする理由を以下で3つ解説します。

  • 正社員の他の雇用形態よりも生涯賃金が高いから
  • 正社員登用制度があってもなれない場合があるから
  • 選考は契約社員も正社員も大きく変わらないから

正社員になると何がどう良くなるかも含めて解説するので、キャリアを形成する参考にしてください。

1.正社員の他の雇用形態よりも生涯賃金が高いから

正社員をおすすめする理由は、契約社員よりも正社員の方が生涯賃金が高い傾向にあるからです。学校卒業後すぐに就職し、60歳で退職するまでの生涯賃金を比較すると、正社員とフリーターを含む非正社員の間には大きな差があることがわかります。

正社員非正社員
高校卒大学卒高校卒大学卒
男性2億880万円2億5150万円1億2950万円1億4750万円
女性1億5440万円2億190万円1億810万円1億2050万円

参考:ユースフル労働統計2024「21 生涯賃金など生涯に関する指標」

上記のデータより、高校卒や大学卒に関わらず、正社員の方が1.4〜1.7倍程度生涯賃金が高くなっており、収入面で大きな差が生じることがわかります。さらに、正社員は昇給やボーナスの機会にも恵まれているため、長期的な収入増加も見込めるでしょう。安定した将来設計を目指すのであれば、正社員の働き方がおすすめです。

2.正社員登用制度があってもなれない場合があるから

正社員就職をおすすめする理由は、正社員登用制度がある会社でも正社員になれない場合があるからです。

厚生労働省「労働経済動向調査(令和6年2月)の概況」によると「正社員への登用制度あり」とする企業は76%だったのに対し、登用実績は50%と大きなギャップが生じています。登用実績が少ない主な理由として、以下の要因が挙げられます。

  • 正社員を必要としなかった
  • 正社員以外の労働者からの応募がなかった
  • 上司等からの推薦がなかった

契約社員から正社員を目指すよりも、直接正社員を目指したほうが近道になりやすいと言えるでしょう。

3.選考は契約社員も正社員も大きく変わらないから

正社員をおすすめする理由は、選考が契約社員と正社員で大きく変わらないからです。フリーターであれば面接を突破しやすい傾向にありますが、契約社員と正社員の選考プロセスはほとんど変わりません。

契約社員の選考でも、履歴書や職務経歴書の提出が必要だったり面接でスキルや適性を評価されたりする場合があります。企業によっては、筆記試験や複数回の面接を実施する場合もあるでしょう。

選考プロセスが契約社員と正社員で大きく変わらないのであれば、最初から正社員を目指した方が、長期的なキャリアプランの観点でもプラスに働きやすいでしょう。

正社員よりも契約社員が向いている人の特徴3選

正社員よりも契約社員が向いている人もいます。以下に正社員よりも契約社員が向いている人の特徴を3つ解説します。

  • 同じ勤務先に長期間勤めたいと思わない人
  • 仕事内容を変えたくない人
  • 責任の重い仕事を引き受けたくない人

特徴を把握し、どういった考えや状況の人が契約社員に向いているかを判断しましょう。

1.同じ勤務先に長期間勤めたいと思わない人

同じ勤務先に長期間勤めたいと思わない人は、正社員よりも契約社員が向いています。正社員は基本的には長期雇用が前提であり、昇進や異動を伴いキャリアを築くことが求められます。

一方、契約社員は一定期間ごとに契約を見直せるため、勤務先を変えやすい点が特徴です。契約満了後に別の企業へと転職しやすく、職場環境や仕事内容を柔軟に選べるメリットがあります。

実際に、契約社員の中には「現在の勤務先に長期間勤めるつもりがない」ことを理由に、無期転換ルールの適用を望まない人が多いという調査結果もあります。(参考:東京都産業労働局「第3章 契約社員(個人)調査の集計結果」

特定の勤務先に縛られず、ライフスタイルに合わせて柔軟に働きたい人にとっては、契約社員の働き方が魅力的な選択肢になるでしょう。

2.仕事内容を変えたくない人

仕事内容を変えたくない人も、正社員より契約社員が向いています。正社員の場合、本人の意志と関係なく希望とは異なる部署へ異動したり、仕事内容が変更したりする可能性があります。

一方、契約社員は契約時に業務範囲が明確に定められているため、仕事内容に大きな変化はほとんどありません。

実際に契約社員を選ぶ理由として「専門的な技術や資格を生かせるから」や「やりたい仕事だったから」などが上位に挙げられている調査結果もあります。(参考:東京都産業労働局「第3章 契約社員(個人)調査の集計結果」

得意な分野で長く働きたい場合や特定のスキルを生かし続けたい人にとって、契約社員は安定した仕事環境を確保しやすい選択肢になるでしょう。

3.責任の重い仕事を引き受けたくない人

責任の重い仕事を引き受けたくない人も、正社員より契約社員が向いています。正社員は管理業務や部下の指導など、より大きな責任を求められることが一般的です。

一方、契約社員は業務範囲が契約により定められているため、正社員と比べて責任の重い仕事を任されにくい傾向にあります。

実際に、契約社員が無期転換ルールを利用する条件として「職務内容が現在と変わらないこと」や「仕事の責任の程度が現在と変わらないこと」を重視する調査結果もあります。(参考:東京都産業労働局「第3章 契約社員(個人)調査の集計結果」

責任の少ない仕事に専念したい人にとっては、契約社員が魅力的な選択肢になるでしょう。

フリーターと契約社員の違いに関するよくある質問3選

フリーターと契約社員の違いに関するよくある質問3つを以下で解説します。

  • アルバイトから契約社員に昇格するケースはある?
  • フルタイムアルバイトと契約社員の違いは?
  • 契約社員はフリーターと同じですか?

質問と回答を参考に、自身のキャリア形成に役立ててください。

1.アルバイトから契約社員に昇格するケースはある?

アルバイトから契約社員に昇格するケースはあります。企業側が業務の継続を求める場合、長期間勤務しているアルバイトに対して契約社員へのオファーを出すことがあります。

特に責任のある仕事を任されていたり、企業にとって不可欠な人材になっていたりすると、契約社員への昇格の話が持ち上がりやすいでしょう。

ただし、契約社員になった後の待遇やキャリアの見極めは重要です。契約社員になるとアルバイトよりも雇用は安定しますが、必ずしも正社員登用につながるわけではありません。

給与と業務負担の兼ね合いや将来のキャリアを考慮したうえで、契約社員への転換を受け入れるかどうかを判断しましょう。

2.フルタイムアルバイトと契約社員の違いは?

フルタイムアルバイトと契約社員には、大きな違いがあります。主な違いは以下のとおりです。

  • 給与
  • 労働時間
  • 待遇
  • 社会的な信用
  • 職歴の有無
  • 業務範囲

基本的に、フルタイムアルバイトよりも契約社員の方が給与や社会的な信用の面で優れています。一方、フルタイムアルバイトはシフトの自由度が高く、柔軟に働きやすい点がメリットです。

フルタイムアルバイトと契約社員のどちらを選ぶかは、自分の働き方の優先順位をもとに判断をしましょう。

3.契約社員はフリーターと同じですか?

契約社員とフリーターは同じではありません。フリーターはアルバイトやパートとして働きますが、契約社員として働くわけではないからです。

また、フリーターは職歴として認められない場合がありますが、契約社員は職歴とみなされる傾向にあります。契約社員は月給制で給与が安定していることから、フリーターよりも社会的な信用度が高い場合がほとんどです。

安定した働き方を求めるのであれば、フリーターよりも契約社員のほうが適しているでしょう。

まとめ

フリーターと契約社員は、主に以下の点が異なります。

  • 給与形態
  • 平均年収
  • 労働時間
  • 待遇面
  • 社会的な信用度
  • 職歴の有無
  • 業務範囲

契約社員は月給制で労働時間が正社員とほとんど変わらないため、フリーターよりも手厚い待遇が受けられる傾向にあります。

ただし、契約社員は契約期間が定められていることから、正社員のような長期的な安定性は保証されていません。契約社員になるか正社員になるかで迷っている人は、正社員を目指した方が良い場合もあるでしょう。

フリーターや契約社員、正社員のどの雇用形態を選ぶかで、今後のキャリアプランが大きく変わる可能性があります。それぞれの選択肢について理解し、自分に合う働き方を選びましょう。

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ABOUT US
池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」