「フリーターとは、どんな人を指す用語なの?」「ニートやフリーランスとは違うの?」このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
フリーターという言葉の定義は、実はあいまいです。しかし、他の雇用形態と比較することで、その意味が明確に理解できます。
この記事では、他の雇用形態との比較や、フリーターからそれらの働き方を選択する方法を解説します。
この記事の目次
フリーターの定義とは?
フリーターの定義
フリーターとは、以下のような人を指す言葉とされています。
厚生労働省は、1991年(平成3年)の「労働経済の分析」でフリーターを次のように定義しました。
- 年齢は15~34歳と限定
- 現在、就業している者については勤め先における呼称が「アルバイト」又は「パート」である雇用者
- 現在、無業の者については家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者
- 男性については継続就業年数が1~5年未満の者、女性については未婚で仕事を主にしている者
やや硬い表現で、わかりにくいかも知れませんね。これをなるべく平易な言い方で、端的に言い表したのが、最初にご紹介した定義になります。
フリーターという言葉の由来
フリーターとニートの大きな違いは「仕事と収入の有無」です。
ニートとは「Not in Education, Employment or Training」の頭文字を並べたもの(NEET)で、就学や就労、職業訓練や求職活動を行っていない人を指して使われる言葉です。内閣府ではニートを「若年無業者」として定義しています。働かず求職活動を行っていない15歳から34歳の若年者は、「若年無業者」もしくは「ニート」とされています。
フリーターは何歳まで?
厚生労働省は、フリーターとは、「15歳から34歳までの非正規雇用者」、すなわちパートタイムやアルバイトとして働いている人々と定義しています。そして、35歳以上のフリーターは「高齢フリーター」「中高年フリーター」「日雇い労働者」と呼ばれることが多いです。
35歳以上のフリーターの呼び方は?
一般的に、35歳以上のフリーターは「高齢フリーター」と呼ばれることが多いです。35歳以上のフリーターには他にも「中高年フリーター」「日雇い労働者」といった呼び方があります。
フリーターは日本に何人いる?
総務省統計局が発表した「労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要(14p)」によると、フリーターの人口は約132万人です。
フリーターの人口は、2014年から減少傾向に転じました。近年フリーターが減っている理由は、労働人口の減少から企業の人手不足が顕著となり、正社員での採用のハードルが下がってきていることが挙げられます。
また、フリーターの年齢階級別の割合も見てみましょう。
15~34歳のフリーター人口は、2012年には180万人であるのに対し、2022年には132万人で、約50万人も減少しています。
一方、35~44歳のフリーター人口は、2012年に51万人であるのに対し、2022年は52万人であり、この10年間多少の増減はしながらもほぼ横這いの状態です。昨今の人手不足により、フリーターが正社員として就職しやすくなっている状況下においても、30代後半から40代前半が占める割合が相対的に高止まりしています。
このことからも「年齢的になるべく若いタイミングで、正社員就職する方が有利」であると言えるでしょう。
フリーターの割合について知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
フリーターと他の雇用形態の比較
「フリーター」という用語の意味について確認したところで、他の雇用形態との相違点について比較してみましょう。
こちらの図は、フリーターと、それ以外の雇用形態の特徴をまとめたものです。
雇用形態 | 定義 | ①経済的に 安定か | ②キャリアが 発展するか | ③ワークライフバランス | ④雇用保険や 社会保障の有無 |
---|---|---|---|---|---|
フリーター | 一定の仕事に就かず、アルバイト等をする人 | 安定しない | 一般的に 難しい | 自由度が 高い | 基本的に なし |
パート・ アルバイト | 短時間や一定期間の仕事をする人 | 安定しない | 一般的に 難しい | 自由度が 高い | 基本的に なし |
ニート | 仕事に就かず、 学校にも 行かない若者 | 収入なし | 一般的に 難しい | 自由度が 最大 | なし |
正社員 | 長期的・安定的な雇用関係の人 | 安定する | 可能 | 自由度が 低い | あり |
派遣社員 | 特定の期間や 業務のために 雇われる人 | 不安定な場合も | 限定的 | 一定の自由 | あり |
契約社員 | 一定の期間や 業務のために 契約を結ぶ人 | 一定期間は安定 | 可能 | 自由度は 中程度 | あり |
フリーランス | 自己のスキルを活用し、自由に仕事を選ぶ人 | 収入は不安定 | 可能 | 自由度が 高い | 自己負担が主 |
ここからは、各雇用形態について、上記の図の①から④の項目ごとに解説していきます。
フリーターとアルバイト・パートの違い
フリーターとアルバイト・パートには、大きな違いはありません。
ただ、前出の「フリーターの定義」にある通り、フリーターは「15〜34歳で、正社員以外のアルバイトやパートなどで生計を立てている人」を意味しますので、この年齢に該当するアルバイトやパートタイム労働者が一般的にフリーターと呼ばれます。
①経済的に安定か
アルバイト・パートは非正規雇用であるため、正規雇用に比べれば経済的には不安定な働き方になります。
雇用先の経営不振などの理由から人員削減が行われる場合には、まず非正規雇用者からシフトの削減や休業、さらには雇止めを求められる可能性が高くなるでしょう。
②キャリアが発展するか
アルバイトやパートの場合、業務内容は特定のものに限定されていることがほとんどです。
特定の業務に関するリーダー的なポジションを任されるケースもありますが、正規雇用の社員と同等の権限・裁量が付与されたり、昇進することはありません。
③ワークライフバランス
アルバイトやパートであれば、正社員よりも働く日数を少なくしたり、勤務の時間帯を自由に選べたり、時短で勤務できたりします。勤務時間が少ない分、勉強・趣味・家事・育児・介護など、他の活動に時間をあてることができます。
また、他にやりたいこと・やらなければならないことが特にない場合でも、「週5日、一日8時間」のいわゆる「フルタイム勤務」ではなく、あえて時間的・精神的に余裕のある働き方を選択する人もいます。
このように「ワークライフバランス」を重視したい人にとっては、より時間的な制約が少ないことから検討に値する雇用形態と言えるでしょう。
④雇用保険や社会保障の有無
雇用保険は、失業時や育児・介護による休業時などに手当を受けられる保険です。
そして、社会保険は健康保険や厚生年金など、「医療費などの補償」や「定年後の補償」などがある保険の総称になります。
アルバイト・パートであっても条件を満たしていれば加入が可能ですが、正社員に比べると条件が満たせず加入していない人も多いようです。
なお、雇用保険の加入は、条件を満たしている場合は義務になります。厚生労働省では、雇用保険の加入条件を以下のように定めています。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
この加入条件は、正社員、アルバイト・パートタイムなどの雇用形態には関係ありません。雇用保険の加入は会社規模に関わらず、就業時間と雇用の見込みで判断されます。
引用:厚生労働省/雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!
また、社会保険は、会社の規模により「所定労働時間が週30時間以上」で加入が可能としているケースもあります。2022年10月1日の法改正により、短時間労働者の社会保険加入義務の範囲が拡大されました。短時間労働者を除く被保険者が「101人以上」いる事業所に勤務していて、「週の所定労働時間が20時間以上」「1年以上の雇用期間が見込まれる」「月の賃金が8万8,000円以上」「学生でない」などすべての要件を満たす場合、社会保険への加入が義務付けられています。2024年10月には、短時間労働者を除く被保険者数が「51人以上」の事業所に範囲が拡大されます。あなたが要件を満たしている場合は、勤務先に申請しましょう。
フリーターとニートの違い
フリーターとニートの大きな違いは、「仕事と収入の有無」です。
ニートとは「Not in Education,Employment or Training」の頭文字を並べたもの(NEET)で、就学や就労、職業訓練や求職活動を行っていない人を意味する用語です。
内閣府ではニートを「若年無業者」として定義しています。働かず求職活動を行っていない15歳から34歳の若年者は、「若年無業者」もしくは「ニート」とされています。
引用:内閣府/いわゆるニート,ひきこもり,フリーター等の状況
①経済的に安定か
ニートは働いていないため、他に収入減が無い場合は経済的に不安定な状況にあるでしょう。
②キャリアが発展するか
ニートは働いていないため、キャリアの発展は望めない状況です。
③ワークライフバランス
仕事に就いておらず、学校などにも行っていないニートは、時間的にはもっとも自由な状態にある存在と言えます。
④雇用保険や社会保障の有無
無就業であるニートは、雇用保険や社会保障の対象ではありません。
フリーターと正社員の違い
フリーターは非正規雇用であり、正社員は正規雇用という、雇用形態の違いがあります。
フリーターと正社員の違いについては、次の章でより詳細に解説していますので、そちらもあわせてご覧ください。
①経済的に安定か
正社員は、経済的にもっとも安定している雇用形態と言えます。
非正規雇用に比べて給与の基準が高く、ボーナスや各種手当も支給されます。また、昇給や昇進の可能性もあります。
②キャリアが発展するか
正社員は、非正規雇用に比べて職域が幅広く、業務に関する裁量や権限が与えられます。その分、責任も重くなりますが、成果や実績が評価されればキャリアアップや昇進も期待できます。そうした職歴は、将来的により良い条件を求めて転職をする際には有効な武器にもなり得ます。
③ワークライフバランス
正社員は、原則としてフルタイム勤務である場合が多く、時間的な自由度は低い働き方になります。近年ではフレックスタイムや時短勤務などの制度を導入する企業もありますが、日本ではまだ正社員=長時間勤務であるケースが多いようです。
④雇用保険や社会保障の有無
正社員は、雇用保険や社会保障の各種制度に加入できます。給与などの経済的な安定とあわせて、社会保険制度の恩恵をしっかりと受けられる点も、正社員の魅力と言えます。
社会人とは、義務教育を終えた後、社会の一員として責任を果たしながら生活している人を指します。そのため、フリーターもアルバイトなどを通じて収入を得て生活しているので、この意味では「社会人」と言えます。
しかし、一般的に「社会人」という言葉は、正社員や契約社員など、フルタイムで組織に属し、安定的に働いている人を指すことが多いです。フリーターは非正規雇用であるため、この定義では「社会人」とは言いづらいケースがあります。そのため、就職活動などの場面では、多くの企業がフリーターを「社会人経験なし」と見なすことが一般的です。
フリーターと派遣・契約社員の違い
派遣社員と契約社員のもっとも大きな違いは「誰に雇用されているか」です。
派遣社員とは、人材派遣会社と雇用契約を結び、就業先の企業に派遣されて働く雇用形態です。一方、契約社員は、就業先の企業と直接雇用契約を結んで働く雇用形態です。
派遣社員 | 契約社員 | |
---|---|---|
誰に雇用されているか | 派遣会社 | 就業先の会社 |
契約期間 | 業務内容を変えずに、 同じ就業先で働けるのは 3年まで | 一契約につき原則3年まで。 ただし、両社の合意があれば、 契約を更新できる |
①経済的に安定か
派遣社員・契約社員ともに、給与額や算出方法はそれぞれの契約によって決まります。契約で定められた給与は保障されますので、一定の安定性はあると言えます。
ただ、両者ともに雇用期間の定めがある働き方であるため、正社員ほどの長期に渡る経済的な安定性は見込めないと言えるでしょう。
②キャリアが発展するか
派遣社員・契約社員ともに、「特定の業務における即戦力」として雇用されます。その点では、特定の業務の職歴を積み、スペシャリストになることは可能でしょう。
ただ、特定の会社に長く勤務することで期待できる、組織内での昇進やポジションの確率などは見込めません。その点においては、キャリアの発展は限定されるでしょう。
③ワークライフバランス
派遣社員・契約社員は、契約において勤務時間量を決めることが可能であるため、各自の希望する日数・時間数で働けます。ワークライフバランスを実現しやすい、正社員に比べて自由度が高い雇用形態です。
④雇用保険や社会保障の有無
派遣社員・契約社員であっても、各種社会保険の加入条件を満たしていれば加入することができます。
フリーターとフリーランスの違い
フリーランスとは、特定の企業や組織・団体などに所属せず、業務委託などの契約により自らの技能を提供して報酬を得る働き方です。
おもにライターやカメラマン、デザイナーなど個人の能力によって成果と報酬が決まる分野の職種に多い傾向がありますが、大工やプログラマーなどの技術者や、漁師のような第一次産業など、幅広い業種に存在しています。
日本では法令上の用語ではありませんが、経済産業省が2021年に公表したガイドライン内では「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、 自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す」と定義されています。
参照:経済産業省/フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
①経済的に安定か
フリーランスの収入は、一般的に不安定な傾向にあります。
本人の実績やスキル・業務遂行能力、そしてマーケティングや営業力によって、依頼数や収入額が決まるため、同じ職種の会社員よりも高収入を得る人がいる一方で、全く仕事が無いというケースもあります。
②キャリアが発展するか
特定の技能やスキルがあることで、フリーランスという働き方が実現できます。スペシャリストとしてキャリアを発展させることは可能といえるでしょう。
③ワークライフバランス
フリーランスは雇用されていない、とても自由度の高い働き方です。
ただし、「労働基準法」などの労働法規が適用されないため、例えば「最低賃金」「労働時間」「休日」「労働災害での補償」など、雇用される人を保護する規定の対象外の存在です。そのため、自分自身がワークライフバランスを常に意識して働く必要があります。
しかし、何の保護もないわけではなく、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」の適用によって保護される場合もあります。これは、依頼主である企業との力関係次第で、さまざまな負担を強いられることが多いためです。
④雇用保険や社会保障の有無
フリーランスは個人事業主もしくは個人企業法人であることから、役所等への届け出もきちんとしておく必要があります。健康保険や年金などの社会保険に加え、個人事業主の開業届や青色申告承認申請書といった税務関係の届け出も必要になります。
フリーランスの場合、労働条件は仕事の依頼主との交渉で決めることになりますが、実際にはフリーランスの側に不利な条件を結ばされるケースもあります。
そうした背景から、2023年4月に「フリーランス新法」が成立しました。公布から1年6か月以内に施行されることになっています。
参照:厚生労働省/「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)
フリーターと正社員の違い【詳細】
それでは、フリーターと正社員がどう違うのかについて、より具体的に見ていきましょう。
- 収入の差
- 年金受給額
- 休日・休暇
- 福利厚生
- 仕事の責任の重さ
- 社会の信用とキャリア
上記6項目について、詳しく解説していきます。
休日・休暇
フリータ-はシフトの融通が効きやすく、希望通りに休みが取れるケースが多いです。一方、正社員は、フリーターほどには気軽に希望通りの休暇が取得できない場合がほとんどでしょう。ただ、正社員には有給休暇がありますから、実働が無い休日にも給与が発生するというメリットもあります。
福利厚生
正社員には、さまざまな福利厚生が用意されています。福利厚生とは、企業が従業員や家族に提供する各種サービスで、代表的な例は下記のとおりです。
- 住宅手当(家賃の一部を会社が負担する)
- 健康診断や人間ドック
- ジムなど運動施設の利用補助
- 結婚祝い金
- 出産祝い金
- 短時間勤務制度
- 託児所や保育施設の設置
- 育児休暇
- 資格取得の支援(受験料を会社が負担するなど)
- テレワークの導入
- 確定拠出年金制度の導入
- 財形貯蓄制度の導入
どのような福利厚生を導入しているかは会社によって異なり、個々の会社が独自に設けている制度もあります。
会社が福利厚生を充実させる目的は、従業員やその家族の満足度を上げて、少しでも長く働いてもらうことです。つまり会社からすると、福利厚生は「役職者や長く働ける正社員ほど手厚くしたい」と考えるのが自然でしょう。
このような狙いがあるため、フリーターは受けられる福利厚生が少ない、あるいは無い場合も珍しくありません。正社員に比べると、受けられる福利厚生が少ない事は間違いないでしょう。
福利厚生は、実質的に収入に直結します。例えば、家賃を月に2万円負担してくれるなら、実質月の給料が2万円アップしたようなものです。先ほど「正社員とフリーターの給与には差がある」とお伝えしましたが、それ以外にも生活水準ベースで見ると、より大きな差があると考えられます。
仕事の責任の重さ
フリーターは、担当する業務の範囲が明確に定められているケースが多いため、正社員よりも職責は軽減されると考えられます。また、できない仕事は断ることも可能です。
一方、正社員の職域はより幅広く、権限や裁量も与えられる代わりに責任も重くなります。ただ、それがやりがいに繋がる場合もあり、正社員として働く魅力とも言えます。
社会の信用とキャリア
雇用主は、正社員に比べれば、非正規雇用であるフリーターの方を解雇しやすい状況にあります。そのため、雇用が不安定と捉えられ、社会的信用が低くなる傾向が顕著です。前述しましたが、賃貸住宅の入居審査に通りにくかったり、各種ローンやクレジットカードができない等の影響があります。
また、業務経験を積んでいけば「実績」と見なされ評価される正社員に比べて、フリーターに任せられる職域は限られるため、長期的なキャリアアップが難しくなっています。
収入の差
フリーターと正社員を比較した際に、大きく差が出るのが収入面です。
厚生労働省の調査によると、正規雇用(正社員)の給与は平均32万3,400円に対し、フリーターを含む非正規雇用の給与は平均21万6,700円でした。
なぜ、このような差が生じるかというと、フリーターには昇給・昇格・ボーナスを受け取れる機会がほとんどないからです。先ほど「責任ある仕事は、基本的に正社員が行う」とお伝えしましたが、責任ある仕事をしている分、評価される機会にも恵まれます。入社当初は正社員もフリーターも賃金に大きな差はありませんが、年数を重ねるにつれて、賃金格差は広がっていくので注意しておきましょう。
賃金構造基本統計調査の資料の中には、年齢別の平均給与データもあります。
年齢階級 | 正規雇用(正社員)の 賃金(千円) | 非正規雇用の 賃金(千円) |
---|---|---|
~19歳 | 183.9 | 167.9 |
20~24歳 | 216.6 | 183.0 |
25~29歳 | 250.9 | 204.9 |
30~34歳 | 283.7 | 207.6 |
35~39歳 | 315.9 | 208.3 |
40~44歳 | 341.8 | 210.2 |
45~49歳 | 361.3 | 209.9 |
50~54歳 | 388.4 | 212.0 |
55~59歳 | 393.0 | 210.5 |
60~64歳 | 329.8 | 248.8 |
65~69歳 | 299.2 | 224.2 |
70歳~ | 280.1 | 205.6 |
年齢計 | 323.4 | 216.7 |
年齢を重ねるにつれて、正規雇用と非正規雇用で賃金格差が大きくなっていくことが分かります。正社員が昇格して昇給していく一方で、フリーターは基本的に「働いた時間分」でしか給与が支払われません。そのため、年齢を重ねても収入が伸びづらく、年齢を重ねるにつれて正社員との給与格差が開いていくのです。
年金受給額
正社員で働いている場合、退職後に厚生年金を受給することになります。しかし、フリーターの場合は、厚生年金には加入できず、国民年金のみに入るケースがほとんどです。国民年金は厚生年金に比べて将来の受給額が少ないため、退職後の年金額にも大きく差が出ます。
フリーターより正社員になる方が良い
フリーターと正社員の違いについてお伝えしてきましたが、さまざまな項目で比較してみたとき、やはり正社員の方が優遇されていることが明らかになりました。経済的な安定は、メンタル面での安定にも繋がります。これらの比較を見て、フリーターから正社員を目指したいと考えるようになった方もいると思います。
正社員への就職を目指すなら、一刻も早く活動を始めた方が成功率を高められることは、先ほどお伝えした通りです。厳しい言い方ですが、「フリーター」であることで新卒者よりも不利な状況にあることは事実です。さらに「年齢をより重ねていくこと」が、ますます正社員就職の可能性を狭めていきます。
2018年、厚生労働省が行った若年者雇用実態調査(「フリーターの正社員への採用状況」)では、過去3年間に正社員採用をする予定があった事業所は全体の49.9%であり、正社員の求人数自体が多いとは言えないのが現状です。そのうち、フリーターからの応募があった事業所は25.4%、実際にフリーターを正社員として採用した事業所の割合はわずか18.5%でした。
「採用した」の内訳を年齢別にみると、「15~34歳のみ」が10.0%、「34~44歳のみ」は2.1%、「15~34歳および35歳~44歳の両方」は6.4%と、大きく差が出てくるのがわかります。
このように年齢が上がるにつれ正社員での採用率は大きく下がる傾向にあるため、20代まで、遅くとも34歳までを目途に、正社員への就職を目指すのが良いでしょう。
フリーターになる理由
労働政策研究・研修機構の2021年の調査によると、フリーターになる理由として、以下の理由が多いことが分かりました。
- 自分に合う仕事を見つけるため
- なんとなく
- 家計の補助・学費を稼ぐため
- 自由な働き方をしたい
- つきたい仕事の勉強・修行のため
参考:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容」
それぞれの理由について、詳しく説明します。
自分に合う仕事を見つけるため
フリーターとして働く理由の一つに、自分に合う仕事を見つけるための試行錯誤があります。
アルバイトで多様な職種や業務を経験することで、自分の興味や能力に適した仕事を見極めることができます。キャリアを模索する段階では、フリーターとして様々な業界に触れることが有効な選択肢となります。
なんとなく
また、中には特に具体的な理由や目的がないままフリーターとして働く若者もいます。このようなケースは、社会への不安や明確な目標を持てないことが要因となっている場合が多いです。
また、生活に必要な最低限の収入が得られることや、働く時間の融通が利くことから、フリーターという働き方を無理なく選んでしまうことがあります。
しかし、長期的なビジョンがないままでは、収入や社会的信用の面での不安定さに直面することがあります。一方で、このような時期が個人の成長や新たな方向性の模索につながることも考えられます。
家計の補助・学費を稼ぐため
フリーターを選ぶ理由の一つに、一時的な収入を得るための手段とする選択があります。就職活動が思うように進まなかったり、家庭の事情で急に働く必要が生じた場合など、短期的な生活費を工面するためにフリーターとして働くことがあります。
このケースでは、雇用形態へのこだわりよりも、早急な収入確保が優先されることが多いです。しかし、この選択が長引くと、将来的なキャリア形成に影響を及ぼす可能性があるため、計画的な転職活動が重要となります。
自由な働き方をしたい
自由な働き方を追求したいという思いからフリーターを選ぶ人もいます。フリーターは勤務時間や勤務日をある程度自分でコントロールすることができるため、ワークライフバランスを重視する人には魅力的な働き方です。
特に趣味やプライベートを優先したい人にとって、自由な時間を確保できることは大きな利点です。
つきたい仕事の勉強・修行のため
フリーターの中には、つきたい仕事を得るためのステップとしてフリーターを選ぶ人もいます。特に特定の技術や資格が必要な職業を目指す場合、勉強や専門学校への通学などに専念する時間が必要です。そのため、フリーターとして働きながら生活費を稼ぎつつ、将来に向けた準備を行っています。このようなステップアップを目指すフリーターは、自らのキャリアプランに対して明確な目標を持っていることが多いです。
フリーターのメリット
フリーターという働き方を選ぶメリットには、以下のようなものがあります。
- 働く時間を自由に選べる
- 休みがとりやすい
- 正社員よりも仕事の責任が少ない
働く時間を自由に選べる
フリーターの大きなメリットの一つとして、働く時間を自由に選べることが挙げられます。正社員の場合、通常の勤務時間が決まっているため、ライフスタイルに合わせた働き方が難しいことがあります。しかし、フリーターとして働く場合、自分のライフスタイルに合わせてシフトを組むことができるため、趣味や自己啓発、家庭の事情などにも時間を割くことが可能です。特に夢追求型やモラトリアム型のフリーターにとっては、自分の価値観や目標に時間とエネルギーを配分できるという点が大きな魅力になります。
休みがとりやすい
フリーターは一般的に休みが取りやすいという点も、その働き方のメリットと言えます。正社員であれば会社の規定に従って休暇を取得する必要があり、計画を立てづらいことがあります。しかし、フリーターであれば、シフトの調整次第で自由に休みを取ることができるため、旅行や家庭の事情など、個人的な理由での休暇を取りやすいです。このように休みの融通がきくことで、生活全体のバランスを保ちながら働くことができます。
正社員よりも仕事の責任が少ない
フリーターとして働く場合、正社員と比較して仕事の責任が少ないことが多いです。正社員は組織内での業務遂行をはじめ、プロジェクトの進行管理や部下の育成といった多角的な責任を負うことがあります。一方、フリーターであれば、特定の業務に集中して取り組むことができ、過度な責任を負わなくて済むこともあります。このことは、心身の負担を軽減し、自由な時間を確保する上でプラスになることが多いです。ただし、責任が軽減される分、キャリア形成には自らの意識が求められます。
フリーターのデメリット
フリーターという働き方を選ぶデメリットには、以下のようなものがあります。
- 雇用が安定しない
- 収入が安定しない
- 収入が増えにくい
- キャリアにならない
- 社会的信用が低い
雇用が安定しない
フリーターの一つの大きなデメリットは、雇用の安定性が低いことです。フリーターはアルバイトやパートタイムのような非正規雇用であることが多く、契約期間の終了や経済状況の変化によって職を失うリスクが高いです。
特に景気が悪くなると、非正規雇用は真っ先にカットされることがあるため、フリーターは常に雇用不安と隣り合わせです。
雇用が不安定であることから、将来について不安に感じることもあるでしょう。
収入が安定しない
フリーターとして働く場合、収入の不安定さがデメリットとなります。勤務時間や働く日数が固定されていないこともあり、月々の収入に大きな変動が生じることがしばしばあります。
特に突発的に勤務時間が減らされることや、雇用先の倒産などによって、収入が大幅に減少するリスクもあります。
収入が増えにくい
フリーターの収入は一般的に低く、昇給の機会も限られています。正社員に比べて定期的な給与アップが難しく、長期間働いても収入がほとんど変わらないケースが多いです。
アルバイトに昇給制度がある場合も、時給が数十円上がる程度で大幅に収入アップすることは難しいでしょう。
また、フリーターはボーナスが支給されないことが一般的であるため、年間を通しての収入は低く抑えられがちです。
キャリアにならない
フリーターとしての経験は、一般的にキャリアとして評価されにくいことがあります。非正規雇用での職歴は、正社員の職務経歴に比べて、転職時に活かしづらいとされる傾向があります。そのため、長期間フリーターを続けると、職場でのスキルアップやキャリア形成が阻害される可能性が高いです。
社会的信用が低い
フリーターであることは、社会的信用の面で不利になる場合があります。収入の不安定性や雇用の不安定さは、クレジットカードの審査や賃貸住宅の入居審査など、信用が求められる場面で不利になることがしばしばあります。
このため、フリーターは生活の様々な場面で正社員に比べて不利な立場に立たされることがあります。
フリーターの何が悪い?
フリーターという用語が登場した当初は、自由な働き方としてポジティブなイメージがありましたが、1990年代に景気が悪化して以降、現在では雇用や収入の不安定さの印象が強くなりました。
また、世の中にはフリーターに関する偏見や誤解も散見されるようです。
フリーターの末路は悲惨というイメージ
フリーターの将来について語られるとき、「末路(まつろ)」という言い回しが使われることがよくあります。末路という言葉には「人生や組織の、盛りを過ぎた末。なれのはて」という意味があります。また、「人生終わり」とか「詰み」というような表現が使われることもあります。これらの言葉からも、フリーターとして生活していく人の未来に対するネガティブなイメージが広く一般に共有されていることがわかるでしょう。
では、実際のところはどうなのでしょうか?
20代の頃は、フリーターと正社員の手取額には、それほど大きな差はありません。しかし、年齢を重ねていくにつれて、その収入には大きな開きが出ていきます。正社員にはボーナスや各種手当が上乗せされたり昇給することもありますが、フリーターにはありません。この差が長い年月の中で積み重なっていき、生涯年収では3~4倍もの差になってしまうのです。
人生の先に行けば行くほど大きな格差となるため、「フリーターの末路は厳しいものになる」と言われているのです。
フリーターの彼女/彼氏のイメージ
「フリーターとは真剣に付き合えない」、「交際相手がフリーターを続けているので、もう別れたい」というような話を聞いたことはありませんか?
前述の通り、フリーターとして働いていくと、正社員に比べて収入面の展望は明るくありません。その点で、将来的にパートナーとなれる相手かどうかについて、厳しくジャッジされてしまう面がフリーターにはあると言えます。
現在は男女共働きの家庭が主流であり、今後ますます少子高齢化が進む日本において、「経済的に自立しているかどうか」「自分の暮らしを金銭面でまかなえるか」は、パートナーや家族を考えていく際に重要な要素になっていくでしょう。
フリーターは怠け者という誤解
フリーターとして働く人を、一概に「怠け者」だとか「甘えている」と言うことはできません。
以下のような理由から、「あえて、フリーターという働き方を選択している」ケースもあるからです。
- 目標や状況に合わせて、働き方を選択している
- 真剣に働いている人やプライドを持って働いている人もいる
- 環境的な要因から、アルバイトでしか働けない状況もある
さまざまな雇用形態がある中、フリーターとしての働き方がライフスタイルに合うという人もいるのです。
フリーターは自由という誤解
フリーターは、その語源とされる「フリー・アルバイター」からも、すごく自由であるというイメージもあります。しかし、これについても、一概にそうとも言い切れない場合があります。
- 時間給であるため、働く時間量を増やさないと年収が上がらない
- 将来の金銭的な制約(生涯年収や年金額などの相対的な低さ)
- 組織におけるキャリアパスの選択肢の狭さ
確かに、フリーターは、正社員よりも制約が少なく、自由度が高い働き方です。
しかし同時に、自由であるからこその不安定さ(雇用・収入・社会保険など)も引き受けることになるため、不安定さゆえの不自由さに直面する可能性を理解しておく必要はあるでしょう。
フリーターから他の雇用形態に移行するには?
フリーターから、他の雇用形態や働き方へ移行する方法についてもご紹介しましょう。
こちらは、正社員、派遣社員、契約社員、フリーランスに転向するステップをまとめた表です。
雇用形態 | ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 |
---|---|---|---|
正社員 | 自己分析や 企業分析を行う | 適切な企業を探し、 応募する | 面接を受け、 採用を目指す |
派遣社員 | 派遣会社に登録する | 希望の職種を伝える | 派遣先との契約を結ぶ |
契約社員 | 関心のある分野で 経験を積む | 必要なスキルを磨く | 求人情報をチェックし、応募する |
フリーランス | 自分の得意な分野、お金になる分野を確認する | 自己PRの準備と ネットワーク作り | クライアントを見つけ、仕事を獲得する |
では、それぞれについて解説していきます。
フリーターから正社員になるには
フリーターから正社員への就職を目指すには、それに適した「就職活動」をしっかり行うことが大切です。
また、前述したとおり、年齢的な若さは正社員として採用される上での重要な要素になるので、もし正社員になることを考えているのであれば早めに行動しましょう!
ステップ1:自己分析や企業分析を行う
まずはじめに「自己分析」を行いましょう。
自己分析では、以下の項目についてノートなどに書き出してみてください。これらがはっきりすると、あなたが働くうえでの軸が定まります。
- 長所と短所
- 好きなことと苦手なこと
- 何を大切にして生きているか
- どんなことにやる気が出るか
- どんな環境下で能力を発揮できるか
- 将来どうなっていたいか
次に、「あなたの適性や能力が発揮される」かつ「あなたの理想の将来像やビジョンが実現できる」仕事とは何かについて考えてみましょう。これが「業界研究」や「企業分析」につながります。あなたが好きなことや得意なことから発想するのも良いですが、思いつかなければ「嫌いなこと」「苦手なこと」「やりたくないこと」から考えてみるのも一案です。
ステップ2:適切な企業を探し、応募する
自己分析や企業分析を行ったら、それらの軸をもとに応募したい企業を探していきましょう。
注意点としては、あなたが現時点で知っている情報だけで業種や職種を決めてしまうことは避けましょう。ふだん一般の人が目にする仕事や企業は実はかなり限られるため、選択の幅がかなり狭まってしまいます。就職活動では、ネットやハローワーク、就職エージェントなど多種多様な方法を駆使して情報収集をしていきましょう。
応募したい企業がいくつか決まったら、それぞれに対して応募の手続を行います。複数の企業について、同時並行で進めるようにすると良いでしょう。
ステップ3:面接を受け、採用を目指す
書類選考を通過できたら、面接に進みます。面接に不慣れだったり、苦手意識のある人は、就職エージェントやハローワークで面接対策の相談をしたり、可能であれば模擬面接を行っておくと良いでしょう。
フリーターから派遣社員になるには
フリーターから派遣社員を目指すには、以下の方法を行いましょう。
ステップ1:派遣会社に登録する
派遣社員は「派遣会社に雇用される」働き方になります。まずは派遣会社に登録しましょう。
派遣会社も数多くありますので、あなたが目指したい職種を多く取り扱っているかどうかや、あなたの属性(性別・年齢・職務経験)にあう派遣会社を選ぶようにしましょう。
ステップ2:希望の職種を伝える
派遣会社の担当者に、あなたが希望する職種や条件などを伝えましょう。これらのやり取りは、ネットと電話で完結させることも可能です。
複数の派遣会社に登録してみて、比較しながら最適な派遣先を選んでいくのもおすすめです。
ステップ3:派遣先との契約を結ぶ
派遣会社から、派遣先の紹介を受けます。多くの場合、派遣先の企業の人と面談や面接が行われます。派遣先企業からのオファーがあれば、派遣会社を通じて契約を結び、勤務スタートとなります。
フリーターから契約社員になるには
フリーターから契約社員を目指すには、以下の方法を行いましょう。
ステップ1:関心のある分野で経験を積む
まずは、あなたの興味・関心がある分野の仕事で経験を積むといいでしょう。その分野のアルバイトやパートを探して、職歴を作るようにしましょう。
ステップ2:必要なスキルを磨く
契約社員は「特定の業務における経験があり、即戦力となり得る人材」であることが求められます。一定の期間の勤務を通じて、求められるスキルの習得を心掛けましょう。
ステップ3:求人情報をチェックし、応募する
「契約社員」の求人情報を検索して、応募してみましょう。契約社員は、応募先の企業と直接 雇用契約を結ぶことになります。
フリーターからフリーランスになるには
フリーランスとして働くには、以下のようなステップを試してみましょう。
ステップ1:自分の得意な分野、お金になる分野を確認する
フリーランスは、個人事業主となります。これまでの経験やスキルをもとに、実際に収益があげられる得意分野や、しっかりと稼ぐことができる仕事を選択することが重要です。
ステップ2:自己PRの準備とネットワーク作り
フリーランスでは、あなた自身がマーケティングや集客を行う必要があります。「この人に仕事を依頼したい」と思ってもらうための自己PRの準備や、実際に見込み客になりそうな人とつながるためのネットワークも構築する必要があります。
ステップ3:クライアントを見つけ、仕事を獲得する
見込み客にアプローチして、仕事を受注します。フリーランスとしての経験が少ない内は、初回キャンペーンとして相場よりも安く引き受ける等の工夫が必要になるでしょう。ただし、安価での受注が定着してしまうと、経営が継続できなくなるおそれがあります。相手の期待に応える成果や実績を積み重ねることで、あなた自身が適正と思える価格を提示できるよう、顧客との交渉も行っていかなければなりません。
まとめ
「フリーター」の定義から、他の雇用形態との比較、他の雇用形態への就職方法などについて解説してきました。
あらためて、この記事のポイントはこちらになります。
- フリーターとは、アルバイトやパートなどで生計を立てている15〜34歳の人
- 制約が少ない自由な働き方ではあるが、雇用の不安定さや収入の低さがデメリットになる
- 「フリーターが自分にとってベストな選択」でないなら、早めに正社員になるのが得策
何となくフリーターを続けてしまうと、年齢を重ねたときに「こんなはずではなかった…」と不本意な結果を招くおそれがあります。
あらゆる働き方を検討し、それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで「フリーターこそが、現在と未来の自分にとって最良の働き方」と言えないのであれば、他の働き方にも目を向けてみましょう。移行のハードルは、若ければ若いほど低く容易になります。
この記事をきっかけに、じっくりと考えてみてください。
「フリーターとは」によくある質問
フリーターは「フリーアルバイター」の略称です。主に、アルバイトなどの非正規雇用で働く若者を指しています。より詳しく知りたい方は、「フリーターの定義とは?」の章をお読みください。
ポイントは3つあり、「フリーターの時に得たスキルや学びを活用する」、「フリーターに特化したサービスを利用する」などです。詳しくは「フリーターから正社員になるには」の章をお読みください。
15〜34歳で、正社員以外のアルバイトやパートなどで生計を立てている人