
既卒だと正社員になれないのでは。新卒の就活でうまくいかず、既卒になるとより不安になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、既卒の正社員就職率や、採用されないと感じる理由について紹介していきます。既卒におすすめの業界や仕事、優良企業の見極め方についても解説をしていくので参考にしてみましょう。
この記事の目次
既卒から正社員にはなれないって本当?
「既卒」とは、高校・専門学校・短大・大学などを卒業して3年以内で、一度も正社員経験のない人を指す場合が一般的です。
既卒の状態から、正社員として就職することは不可能ではありませんが、新卒と比較すると就職率は大きく劣ってしまいます。
ここでは、既卒から正社員就職に成功した人の割合、正社員就職が難しい既卒者の特徴について解説します。
既卒から正社員への就職率
文部科学省「令和3年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査」によれば、現役大学生の内定率は、2021年10月1日の時点で『71.2%』と公表されています。
一方、既卒者の内定率は、マイナビ「2021年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」によると、2021年9月後半の段階で『42.4%』です。
つまり、既卒から正社員就職に成功した人の割合は、新卒に比べると6割に満たないということになります。
既卒者が正社員として就職することも可能ですが、新卒時の就職活動よりもしっかりとした準備や既卒特有の対策が必須となります。
第二新卒との違い
「第二新卒」とは、高校・専門学校・短大・大学などを卒業後3年以内に、一度でも正社員経験のある人のことです。
卒業後3年以内であれば就業期間の長短は問われず、たとえば一社目に就職した会社を3か月で辞めても、2年半で辞めても、どちらも第二新卒として扱われます。
既卒と第二新卒はどちらが有利
既卒者と第二新卒のもっとも大きな違いは『就職した経験の有無』です。
また、第二新卒が経験していて既卒者は経験していない事として、以下のような事項があげられます。
- 社会人としての基本的なマナー/ビジネススキルが身に付いている
- 会社組織の一員として働いた経験
- 研修などの教育を受けたことがある(企業による)
第二新卒は一度は企業で働いたことがあり、最低限のビジネスマナーが身に付いている点で一歩リードしていると考える企業もあるでしょう。
ただ、若手人材の長期的なポテンシャル・成長に期待して採用を行う場合、「既卒者」と「第二新卒」の間に圧倒的な差があるとまでは言えません。
企業側から見れば、既卒者は「新卒時の就活がうまくいかなかった(あるいは就活をしなかった)のかな」、第二新卒は「わが社で採用しても、前の会社と同じようにすぐに辞めてしまうのではないか」というように、両者とも一定のマイナス要素がある点は共通しています。
既卒者、第二新卒、どちらにとっても大切なのは『過去の失敗から学び、その経験を成長の糧にしようとしているかどうか』であり、『その姿勢が実際の行動にも現れていること』です。
それは「自分の頭で考え、行動できる人である」ということになります。企業が求めているのは、そういう人材です。しっかりと自己分析をして、面接の場でも臆せず落ち着いて話せるよう、万全の準備をしておきましょう。
既卒だと就職できないと言われる理由
既卒だと就職できないと言われるのには、以下の5つの理由が挙げられます。
- すぐに辞めてしまう人と思われやすいから
- コミュニケーション能力が低いと思われやすいから
- 既卒というだけでネガティブに映りやすいから
- 新卒就活が一般的だから
- スキルに乏しいから
それぞれの理由について詳しく解説します。
1. すぐに辞めてしまう人と思われやすいから
既卒だと、学校を卒業してからそのまま就職に踏み切らなかったという事実が、企業側から「採用しても途中で止めてしまう人物なのではないか」と思われるリスクに繋がってしまいやすく、就職において不利になる可能性が考えられます。
企業の採用担当者は、1人採用するのに少なくない金額をかけているため、長く働いてくれそうな人を優先的に採用する傾向にあります。
新卒で卒業後そのまま社会人になった人はキャリアに一貫性を感じられますが、既卒はキャリアが瞬間的に止まってしまっているため、ネガティブな印象を与えかねません。
面接官からは「就活に失敗して就職しなかった根気のない人なのではないか」であったり、「就職しても会社に馴染めないのではないか」などの印象を持たれてしまいかねませんので、既卒の人は面接で意欲や将来のキャリアビジョンを丁寧に伝えることが大切です。
2. コミュニケーション能力が低いと思われやすいから
会社においては集団行動や周囲との協調性が重視される傾向にあるため、新卒就活をしなかった既卒には、「学生時代に周りの学生とのコミュニケーションが不足していたのではないか」といったネガティブな印象を持たれることがあります。
新卒で就活をする人が多い現代社会において、既卒として就職しなかった人に対してはコミュニケーション能力が低い人という印象を持たれがちなため、面接で受け答えがぎこちなかったり、自己PRがうまくできないと就職できない可能性が高まってしまいます。
特に既卒の人は、就職エージェントの模擬面接などを活用して、面接において明るく丁寧な受け答えができるように準備をしておき、コミュニケーション能力の高さをアピールする意識を持っておくことが重要です。
3. 既卒というだけでネガティブに映りやすいから
日本では未だに新卒一括採用の文化が中心ということもあり、大勢の人が載っている人生のレールから、既卒の人は外れているのではないかといった先入観から、面接官にネガティブに映ることがあります。
たとえコミュニケーション能力が高かったり、学生時代に優れた実績を残している人であっても、面接官からは「なぜ新卒で就職をしなかったのか」という疑念を持たれかねません。
場合によっては、「どの会社にも内定をもらうことができないような問題があるのではないか」とすら感じられてしまうこともあるでしょう。
既卒のネガティブイメージを払拭できないと、書類選考や面接で落とされてしまい、就職できないことも考えられますので、既卒者は就活中にポジティブな志望動機や面接での受け答えを準備しておくとともに、なぜ既卒という道を選んだのかを分かりやすく伝えられるようにしましょう。
4. 新卒就活が一般的だから
先ほど解説した通り、日本では新卒一括採用の文化が根付いています。
大企業では、第二新卒採用や既卒採用など採用の幅を広げていますが、中小企業だと既卒向けの採用フローを準備していないこともあり、就職ができないようなケースが考えられます。
新卒一括採用だと、ポテンシャルを見定められて複数の採用枠が準備されていますが、既卒の場合は新卒の枠よりも採用枠が制限されていたり、既卒向けの研修制度がないなどの理由で選考で落とされてしまうことも少なくありません。
「若手を採用する場合は新卒でないといけない」といった企業文化が残っている会社も見られますので、あらかじめ企業研究を行い、興味のある企業がどういった採用活動をしているのかリサーチしてみることも大切です。
5. スキルに乏しいから
新卒で就職しなかった既卒者は、具体的な社会経験や職務経験がないまま社会に出る存在ですので、企業からはビジネススキルが未熟な人材と思われてしまい、就職できないことに繋がるケースもあります。
例えば、ビジネスマナーや基本的なパソコンスキル、周囲の人と協力して業務を進める経験など、企業が即戦力として求める既卒スキルに不安を感じるような面接官もいます。
特に従業員が少ない中小企業では即戦力を重視する傾向にあり、既卒を採用するくらいであれば、第二新卒や実務経験のある中途入社者を採用するといった価値観を持っている会社も少なからず見られます。
ただ、社会経験のない既卒者であっても、資格取得やアルバイトの経験などアピールできるエピソードはいくつかありますので、今はスキルに乏しかったとしても、今後仕事を通じてスキルを習得できるポテンシャルをアピールすることが大切になってきます。
就職できないと悩む既卒が取れる対処法
既卒だと書類選考や面接で何度も落とされてしまい、就職できないと悩むことも少なくないでしょう。
就職できない状況に悩む既卒が取れる対処法としては、以下の5つの方法が挙げられます。
- できる限り早く就活を始める
- 既卒歓迎や未経験者歓迎の求人に応募する
- 空白期間の理由をポジティブに伝える
- 面接対策を徹底する
- 就職エージェントを活用する
それぞれの方法について詳しく解説します。
1. できる限り早く就活を始める
既卒でフリーターをしている人の場合、空白期間が長引けば長引くほど正社員になれる割合が下がっていってしまいますので、先延ばしにすることなく出来る限り早く就活を始めることが大切です。
空白期間が長引いてしまうと、面接官は「学校を卒業してからこれまでなぜ就職をしてこなかったのか」といった余計な不安感を感じてしまい、最初から不利な状況を作りかねません。
スピード感を持って、就職したいと感じたタイミングですぐに就職活動を進める意識を持っておきましょう。
就職活動を始める際は、いきなり求人に応募するのではなく、まずは自己分析を行って既卒になった理由を明らかにしつつ、どのような仕事を目指していくのか就活の軸を定めることから始めてみてください。
2. 既卒歓迎や未経験者歓迎の求人に応募する
既卒者が出来る限り早く就職をするためには、求人に「既卒歓迎」や「未経験者歓迎」と書かれている求人に絞って応募していくことがポイントです。
既卒関係と書かれている求人であれば、既卒の採用体制が整っているだけでなく、既卒ならではの状況に理解のある会社だと考えられますので、面接官がネガティブな印象を感じることなく、ポテンシャルを重視して採用してもらうことができるでしょう。
また、未経験者歓迎と書かれている求人であれば、実務経験がなくても熱意やポテンシャルをアピールすることで採用してもらえますので、面接対策をしっかりすれば就職できないと悩む既卒でも内定を獲得することができるはずです。
3. 空白期間の理由をポジティブに伝える
既卒の面接では、高い確率で空白期間の理由を聞かれることになりますので、面接官にポジティブな印象を与えて内定を獲得するためにも、空白期間ができてしまった理由をあらかじめ用意しておくことが大切です。
空白期間をなんとなく過ごしていたと答えてしまうと、面接官からの印象は非常に悪くなってしまいます。
もし就職活動による空白期間であれば「就職がなかなか決まらなかった」と伝えるのではなく、「自己分析をして企業を見定めていた」「資格取得を通じてスキルアップを目指した」など前向きなアピールを意識してみてください。
空白期間の理由をどのようにポジティブに伝えればいいか悩んでしまう人は、就職エージェントのアドバイザーに相談し、自己分析に取り組んでおくことも検討しましょう。
4. 面接対策を徹底する
既卒者は就職活動において、自分のポテンシャルの高さや熱意を面接でアピールすることが最も重要と言えます。
特に、既卒ならではの質問である空白期間の理由や、新卒でも聞かれることの多い志望動機と自己PRを説得力のある話し方で説明できなければ、就職できない結果に終わってしまうでしょう。
面接対策としては、面接で質問される項目を事前にリストアップして答えを用意しておくだけでなく、想定問答を口に出して発することで身に染み込ませておくことも大切です。
また、想定問答を暗記すればいいわけではなく、自分の言葉で自然に語れるように準備しておきましょう。暗記していることをただ話しているという事は面接官に伝わってしまいます。
面接はあくまでもコミュニケーションの場ということを認識した上で、面接対策を徹底しておいてください。
5. 就職エージェントを活用する
初めて就活を進めるような既卒者は、就職エージェントを活用することがおすすめです。
就職エージェントを活用することで、自分専任のアドバイザーが担当につき、以下のように幅広いサポートを受けられるようになります。
- 自己分析や企業研究のレクチャー
- キャリア面談の実施
- 自分の強みや希望に合っている求人の紹介
- 模擬面接の実施
- 履歴書の添削
- 企業との連絡代行
- 面接後のフィードバック
他にも、就活を進める上での悩み相談に乗ってくれることもありますので、既卒向けの就職エージェントを活用すれば、効率的に希望の企業から内定をもらうことができるでしょう。
就職できないことに1人で悩むのではなく、積極的に就職支援のプロの力を借りることこそ、就職への近道と言えます。
既卒で採用されない…-既卒就活の厳しい実態とは-
「既卒者の就職活動は厳しい」という声がよく聞かれますが、本当にそうなのでしょうか。
実態を見ていきましょう。
既卒就活が厳しい理由
「既卒者の就活は厳しい…」と言われる理由は、主に3つあげられます。
- 1.先に社会人になった友人への劣等感
- 2.家族との関係も気まずくなりがち
- 3.誰にも相談できず、孤立してしまう
既卒になると、新卒で就職した友人に対して劣等感を抱いてしまうのはやむを得ない事でしょう。社会人になった人と就職していない人とでは話題が合わず、連絡をとったり会う機会が減ってしまう事もあるようです。
また、家族はあなたの将来を心配するでしょうし、あなたも家族に対する申し訳ない気持ちから、家庭内の雰囲気が気まずくなることもあるようです。
さらに、就職支援を行っている機関に相談しづらいと感じる既卒者も多いようです。大学の就職課やキャリアセンターは、在校生が新卒での就職活動の際に利用することをメインに想定されています。誰にも相談できずにいると、有益な就職情報が得られるルートを狭めてしまう恐れもあります。
特に既卒者は、ひとりだけで就職活動を行おうとしない方が、スムーズに良い結果へ繋がります。あとから詳しく説明しますが、ハローワークや転職エージェントなど、無料で活用できる「就職支援サービス」がありますので、ぜひ検討してみてください。
既卒採用で企業が見るポイント
企業が「既卒の人」と「新卒者」、どちらを採用するか判断する場合、新卒の人を優先して採用する傾向にあることはご理解いただけると思います。
なぜなら「新卒者向けの就職活動をせずに(あるいは失敗して)既卒になった人」よりも、「新卒のタイミングに合わせて準備を進め、就職活動を行った人」の方が、入社後の仕事も安心して任せられると考えられるからです。
そのように企業が判断する具体的なポイントとして、以下の3点が挙げられます。
1:自己分析などの事前準備が不足していて、採用してもすぐ辞めると思われてしまう
自己分析や業界・企業分析がしっかりできていない場合、企業側に「この人は自社のメンバーとして、しっかり勤務してくれるかな」と不安視されてしまいます。
採用担当者は、自社に入りたいという熱意がある人を採用したいと考えています。そのため、自己分析や業界・企業分析をしっかり行う必要があります。
2:社会人としての基礎的な能力が身についていない、または素養がない
「社会人基礎力」という言葉を聞いたことがありますか?経済産業省が提唱したもので、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」です。これは、就職した人が入社後の数年間で身に付けていくと想定されています。
引用:社会人基礎力|経済産業省
既卒である期間が長ければ長いほど、この力を体得するタイミングが遅れてしまうため、新卒者と比べて不利になると言えます。そこで、応募書類の書き方や面接時のマナーなどを学び、「社会人基礎力」を短期間で身に付けられる「素地」があると伝えるための準備が大切になります。
3:コミュニケーション能力が不足している
コミュニケーション能力とは、「自分の考えや意見を的確に伝える力」と「相手が自分に伝えたいことを読み取る力」の両方を指します。面接という限られた時間において、コミュニケーション能力の有無は重要視されます。
特に「既卒になった理由」など答えにくい質問をされた時にこそ、しっかりと回答できるコミュニケーション能力が必要となりますが、これを不得意としていたり、準備不足のため応対があやふやになる人が多いようです。
逆を言えば、『答えにくい質問であっても、しっかり答えられる人』はとても目立つので、面接官の心象を良い方向に大きく動かせる可能性があります。
既卒から正社員になれない人の特徴
なかなか正社員就職ができない既卒者の特徴として、以下の項目が考えられます。
- 行動量が少ない
- 自分に自信が持てない
- 大手企業ばかり見ている
- 特定の業界・職種に絞っている
- 履歴書/面接の対策をしていない
既卒者の場合、「応募企業の数が少ない」など行動量が不十分だと、なかなか採用につながりません。また、既卒の経歴を気にしすぎている様子が面接の場で担当者に伝わると、ネガティブな印象を与えてしまい敬遠されがちです。
大手企業ばかりを目指す人もいますが、「専門的な知識や特別なスキルがある」、「海外留学をしていた」、「難関資格を保有している」などの突出したスペックがないと、既卒から大手企業への就職はかなりの難関になるでしょう。
また、業界や職種を絞りすぎることで、就職活動が長引くこともあります。履歴書や面接などの基本的な就活対策ができていない・または不十分であることも、就職が決まりにくくなる要因です。
行動量が少ない
既卒が正社員を目指す際は、とにかく行動量が重要になってきます。
どれだけ準備をしていたとしても、採用枠が少なくなりやすい既卒枠で就職を目指す上では、書類選考や面接で落ちる回数も増えてしまいますので、行動量が少ないと正社員として就職することは難しいでしょう。
「応募する前から内定をもらえないのではないか」とネガティブに考えるのではなく、少しでも興味を持った企業には、積極的に応募していく姿勢を持っておいてください。
なお、パーソルキャリア株式会社の調査によれば、就職活動を始めてから内定を獲得するまでの平均応募数は32社となっています。もし32社未満の応募しかしていないような場合は、自己分析をした上で32社以上の応募をすることから始めてみるのも良いでしょう。
参考:パーソルキャリア株式会社Doda「転職成功者の平均応募者数」
自分に自信が持てない
自分に自信が持てないまま就活を進めると、面接官に自信のなさが見透かされてしまい、就職できないことに繋がりかねません。
面接ではとにかくポジティブでポテンシャルの高い人材ということをアピールするためにも、模擬面接などを経験して自信を持った上で就活に臨むことが大切です。
仮に空白期間があったり、既卒になったことに後ろめたさを感じている場合は、過去のことにいつまでも縛られてしまうのではなく、これからどういう仕事をしてキャリアを歩んでいきたいかといった、未来のことを考えるように意識してみてください。
大手企業ばかり見ている
既卒から正社員を目指そうとする上で大手企業ばかりに応募してしまう人が見られますが、既卒を採用している大手企業は非常に少ないため、応募しても書類選考で見送られてしまい、就職できないといった状況になりかねません。
大手企業は、新卒や即戦力となり得る中途採用者を中心に採用をしているため、高いポテンシャルをアピールしないと既卒者で内定を獲得することは難しいと認識しておいてください。
「どうせ就職するなら名の知れている会社の方が良い」と考えるかもしれませんが、既卒者はまずは社会人経験を積んで実績作りをすることに努めましょう。
社会人になった後は学歴が大きく関係なくなりますので、中小企業や中堅企業で実務経験を積んで大手企業に転職するといったキャリアパスを描くこともポイントです。
特定の業界・職種に絞っている
就活を進める上で特定の業界や職種を希望する事は、選考の効率化という観点で良いことではあるものの、必要以上に業界や職種を絞りすぎてしまうと、既卒の就職活動は難しくなりがちです。
もちろん、興味や希望を重視して就活を進めることも大切ですが、就職できない時期が長く続いているのであれば、幅広く業界と職種を見て自分の可能性を自分で広げるといった意識を持つことが大切です。
どこまで業界や職種を広げればいいか分からない場合は、就職エージェントのキャリア面談を通じて、自分が見えていない自分の可能性を明らかにすることがおすすめです。
履歴書/面接の対策をしていない
既卒に限らず就活を成功させるためには、履歴書を始めとした応募書類と面接対策を入念に行っておくことが極めて重要なため、それらの対策をしていない場合は、どれだけ良い大学を出ていたとしても就職することはできません。
履歴書をどんな会社にも使い回ししてしまったり、面接をその場のノリで乗り切ろうとしていると、面接官からネガティブに映りやすい既卒は落ちる可能性が大幅に高まってしまいます。
就活を成功させるためには事前の準備が非常に重要です。履歴書の添削や模擬面接を通じて、理想の職場から内定をもらうためにも、既卒向けの就職エージェントの活用も検討してみてください。
既卒でも就職できる理由
就活において不利になりやすい既卒ですが、昨今では既卒でも理想の職場に就職しているケースが増えてきています。
既卒でも就職できる理由としては、以下の3つのポイントが挙げられます。
- 人手不足の会社が増えているから
- 年齢によっては既卒も新卒枠で採用しているから
- 職歴がないことがポジティブになることもあるから
それぞれの理由について詳しく解説します。
1. 人手不足の会社が増えているから
昨今の日本においては、企業規模や業界にかかわらず人手不足が慢性化していますので、新卒や中途採用者に対して就活で不利になる既卒であっても、履歴書を作り込んで面接対策を徹底すれば就職しやすい状況であると言えます。
また、人手不足の波を受けて、新卒一括採用から第二新卒や既卒者の採用に枠を広げている会社も増えいるだけでなく、求人数が増加している傾向もあるため、既卒者は既卒歓迎求人や未経験歓迎求人に応募することで正社員になれると言えます。
2. 年齢によっては既卒も新卒枠で採用しているから
人手不足の背景も相まって、卒業後3年以内であれば、すべての人を新卒扱いとして採用するような企業も増えてきています。
そのため、学校を卒業してから就職できなかった既卒者であっても、出来る限り早く就活を進めることで、定員数の多い新卒枠で就活を進めることが可能です。
また、新卒枠とは別に第二新卒や既卒の採用枠を設ける企業も増えてきているため、既卒者だからマイナス評価になるような状況が変わってきている点も、就職できる理由として挙げられます。
3. 職歴がないことがポジティブになることもあるから
職歴がないことは一見するとネガティブに感じてしまいやすいものの、企業によっては会社の色に染まっておらず、柔軟な考えができる人材としてポジティブに捉えられることもありますので、既卒であることを強みとして就活ができると言えます。
加えて、未経験ということもあり、企業文化に馴染める人材であることをアピールできれば、ポテンシャルの高い人材と判断してもらえることもできますので、既卒だからといって就職できないなどと諦めることなく、前向きに就活に取り組んでいってみてください。
既卒から正社員就職しやすい職種
既卒の方が正社員として就職しやすい職種を5つ、ご紹介します。
今回は「未経験でもできる仕事」「人手不足で需要が高い」という2つの条件から、職種を選定しました。それぞれの仕事内容や向いてる人の特徴、平均年収を合わせてご紹介します。
1. 営業職
doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報)」によると、営業職(20代)の平均年収は378万円です。
新規開拓営業、ルート営業など営業の種類はいくつかありますが、いずれも製品・サービスの提案・受注、顧客へのフォローやサポート、社内外との調整などが主な仕事内容です。
営業職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- どの業界でも使えるスキルを身につけたい人
- 自分でスケジュールを組むのが得意な人
ほとんどの企業には、営業の部署があります。営業としてキャリアを積んでいけば、将来的に別の業界で営業の仕事がしたいと考えたときでも行動に移しやすくなります。また、営業はクライアントとのアポイントや訪問予定などを自分で決めて組むことも多いため、そういったことが好きな人にも適性があるでしょう。
2. 販売職
doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報)」によれば、販売職(20代)の平均年収は298万円です。
販売するアイテムのジャンルは店舗によって異なりますが、基本的には接客、レジ、清掃、品出し、問い合わせ対応など、店舗運営にまつわる業務が主な仕事内容です。店長やマネージャーになると、売上やシフトなど全体を管理する業務を担当します。
販売職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 臨機応変な対応ができる人
- 気持ちの切り替えが上手な人
不特定多数のお客さんを相手にするため、その人に合った言葉遣いや接客、ときにマニュアルにない対応などもできる人のほうが、活躍しやすい仕事です。
また、笑顔や元気が求められるため、感情のコントロールが上手な人のほうが適性があります。
3. 施工管理
求人ボックス給料ナビ「施工管理の仕事の年収・時給・給料情報」によると、施工管理職の平均年収は474万円です。
主に建設現場などにおける工事全般の管理業務を担当し、予算や安全面の管理、スケジュールや予算の管理、提出す書類作成や各種手続きなどが、主な業務内容です。
施工管理職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 人との調整や計画を立てることが得意な人
- しっかりとスキルを身につけたい人
現場で身体を動かすというよりも、スケジュールを組んだりスタッフがスムーズに業務に取り組めるよう準備したりする仕事となるため、そういったことが得意な人にはおすすめです。
また、実務を通じてマネジメント業務を体得できるため、長く使えるスキルを身につけたい人にも適性があります。
4.介護職
求人ボックス給料ナビ「介護福祉士の仕事の年収・時給・給料情報」によれば、介護職の平均年収は305万円です。
高齢者が利用する施設において、利用者の日常生活のサポートや夜間等の見回り、イベントやレクリエーションの企画~運営、利用者家族への対応などが、主な業務内容です。
介護職に向いてる人の特徴としては、以下があります。
- 感謝されることに喜びを感じる人
- 特に需要が高い業界で働きたい人
利用者に喜んでもらえたり、お礼の言葉をかけてもらえたりすることがやりがいになる人にとって、介護職は適職といえます。
また、高齢化社会において介護職は常に必要とされている仕事のため、そういった業界で働きたい人にもおすすめです。
5.ITエンジニア
doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報)」によると、ITエンジニア(20代)の平均年収は372万円です。(※技術系【IT/通信】の平均年収)
ITエンジニアの仕事内容は、情報システムやWebサイト、ソフトウェアなどにおいて、システム設計・開発、テスト、運用などの工程が主な担当です。
ITエンジニアに向いてる人の特徴としては、以下が考えられます。
- 長時間のパソコン作業も可能な人
- 技術や知識を継続的に身につけていきたい人
ITエンジニアの仕事は、どうしてもパソコンと向き合う時間は長くなりがちです。
そのため、座り仕事が苦手な人は避けたほうがよいでしょう。
また、IT系の仕事は常に新しい技術や知識が出てくるため、定期的に自分自身をアップデートしていける人のほうが適性があります。
まとめ
既卒でも正社員就職を実現させて、活躍している人がたくさんいます。既卒者の就職活動は簡単なことではないものの、現状をネガティブにとらえすぎず、さまざまなサポートも利用しながら、前向きに就職を検討していきましょう。
一方で、既卒者の採用に慎重な企業や担当者は一定数存在するため、適切に自分をアピールして「採用したい」と感じてもらうための準備が、新卒時よりも求められます。自分に適した企業への正社員就職を目指したい既卒の方は、ぜひ一度ジェイックへご相談ください。

こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい
よくある質問
そもそも既卒者の採用を実施していない、中途採用=経験者のみの採用という企業も一定数あるため、既卒正社員の求人を探すうえでは時間がかかることがあります。ジェイックの「就職相談」にお申込みいただければ、既卒の就職活動の進め方をアドバイスさせていただくことが可能です。
そんなことはありません。既卒→正社員就職を成功させ、社会人として活躍している人はたくさんいます。ただし、通常の就職や転職と比較すると大変にはなるため、就職支援サービスの活用がおすすめです。既卒者の就職実績も豊富な「ジェイック」の就職支援サービスを、ぜひご検討ください。
大手企業の倍率は高いため難易度が高いのは事実です。大手企業の割合は日本の企業の中の0.3%です。99.7%の 中小企業にも優良企業も視野に入れるのも選択の一つとしては持っておきましょう。
介護や営業、販売など、未経験からでもスタートできる人手不足の職種は、既卒から正社員就職がしやすいといえます。既卒からの就職を目指す場合、まずは需要の高い職種に絞って就職活動をするのも効率的な方法です。