転職や就職試験では面接が課せられるのが一般的です。どんな質問をされるのか分からないまま面接に臨んでしまうと、とっさに答えられず採用担当官に良くない印象を与えてしまう可能性があります。
事前に質問の傾向を把握出来ていれば、ある程度しっかりした答えを用意しておけるでしょう。面接は準備の段階から内定を勝ち取る戦いが始まっているのです。今回は面接でよくある質問集と、企業側の視点を踏まえた答え方をご紹介します。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
面接で意識したい心構え
まずは面接に臨む前に、意識すべき心構えを確認していきましょう。この心構えをしっかりとすることで、より本質的な受け答えが出来るようになるでしょう。
面接の重要性を理解する
企業の採用試験では書類選考や一般常識テスト(SPI)も行われる事がありますが、面接の比重が高いというのが通常です。書類からでは判断する事が出来ない応募者の人間性を直接対面して確認するというのが面接の主な目的となっています。
事前準備をする
面接で採用担当官が用意している質問には、ある程度の傾向が存在しているのです。全ての質問が傾向通りとは限りませんが、傾向に沿って事前に質問の答えを用意しておけばスムーズに受け答えをする事が出来るでしょう。
質問の傾向は業界や職種によって違いが見られるので、応募先企業の特性に合わせて頻出の質問を押さえておく事が大切です。定番化している質問というのはそれだけ企業側が知りたがっているポイントになるので、面接で重要視されていると言えます。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
面接の質問パターン
面接で質問される内容のほとんどは対策が出来ます。ここで紹介しているパターンに対しての回答を用意しておけば、面接はもう怖くありません。
確認をした後は、回答の用意までするようにしましょう。
質問パターンその1:自己PR
面接での頻出質問事項として代表的なものが「自己PR」です。読んで字の如く相手に自分をアピールする事ですが、採用試験での自己PRは闇雲に自分の長所や強みをアピールすれば良いという訳ではありません。
企業や職種によって求められる人材が違うため、その人物像に寄せる形で自己PRする事が重要になります。面接に臨む前にしっかりと自己分析を行い、自分の経験やスキルの中から企業が求める人物像にマッチするポイントを探しておきましょう。
また、自己PRでは経験やスキルだけでなく、自分なりの取り組み方や仕事に対する姿勢をアピールする事も出来ます。ハッキリとした実績がなくても、自分が努力したポイントを具体的に話す事で人間性に説得力が増すのです。
質問パターンその2:長所
「あなたの長所を教えてください」という質問も、採用試験において定番と言えるでしょう。企業が応募者に対して長所を聞く目的は「客観的な自己分析が出来ているか」「自社の求める人物像や自社のカルチャーにマッチしているか」などが挙げられます。
長所を採用担当官に伝える際には「自己PRと一貫性のある長所」と「自己PRとは異なる視点の長所」の2パターンがある事を覚えておきましょう。
自己PRと一貫性のある長所を用いると、自己PRでアピールしたポイントを補強してより一層説得力のあるものにする事が出来ます。
対して、自己PRとは異なる視点での長所を引き合いに出すと、複数のスキルや能力を持っているとアピールする事が可能です。ただし「私の長所は○○なところです」というだけでは、採用面接で勝ち残る事は出来ません。あくまで企業に雇ってもらうための面接なので、その長所をどのように仕事で活かすつもりであるかを主張する事が大事です。
質問パターンその3:短所
長所と併せてよく質問されるポイントが「短所」です。短所を聞かれた際には、長所に言い換えられる事を言うのが基本的なポイントとなります。
例えば、「我が強い」という短所は言い換えれば「リーダーシップが強い」という事にもなります。「人に流されやすい」という短所は「協調性がある」、「あきらめが悪い」という短所は「忍耐力がある」と言い換える事が出来るでしょう。
また、このように短所をポジティブに言い換えるためには、「短所をどのように乗り越えているか」という具体的な要素を加える事で説得力が増します。長所が中々見つからない場合に、短所を言い換えて長所としてアピールするという方法も良いでしょう。
質問パターンその4:趣味・特技
採用試験の質問では趣味や特技が聞かれるケースもあります。ただし、趣味・特技の内容そのものが合否判定に影響を及ぼすという事はほとんどありません。趣味・特技は面接官と応募者の会話の糸口にされる事が多く、そこから応募者の人間性を見極めるという使い方が一般的です。だからこそ、趣味や特技は他の応募者と差別化を図るための重要ポイントにもなり得ると言えるでしょう。
例えば珍しいスポーツをやっていたりユニークな趣味を持っていたりすれば、一気に面接の場を和ませて良い雰囲気を作り出す事も出来ます。ただし、体裁を取り繕うために嘘の趣味や特技を言ってしまうのはNGです。
趣味・特技は会話の糸口なので、そこから掘り下げて質疑応答を繰り返すうちにボロが出てしまう可能性が高いでしょう。趣味・特技は正直に自分が興じているものを答えるようにしましょう。
また、自分がどのような思いを持ってその趣味・特技に取り組んでいるかを伝える事も重要です。部活動のある企業であれば事前に調べておき、自分の趣味・特技とマッチするものがあればそれに沿ってアピールするのも効果的でしょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
質問パターンその5:資格
資格は質疑応答で問われる事もありますが、自己PRに盛り込んでも自分をアピール出来るポイントです。
仕事内容にマッチしていれば保持している資格そのものが評価されるケースもありますが、基本的には資格は「取得するまでのプロセス」について詳しく話す事が重要になります。
資格取得を目指すきっかけや明確な理由から始めて、資格を取るために行った自分の取り組みを具体的なエピソードとしてまとめておきましょう。
こうして具体的な話を盛り込む事で、他の応募者が話す資格の話と差別化されたオリジナリティの高いアピールが可能になるのです。また、質疑応答にしろ自己PRにしろ、資格の話題は現在保持しているものでなくてはいけない事はありません。
現在勉強中の資格でも取り組み方や姿勢、取得しようと思った理由が明確に説明出来れば十分に自分をアピールする事が出来ます。
質問パターンその6:志望理由
アルバイトの面接などでも定番の「志望理由」は、転職・就職の採用試験でも頻出の質問項目です。志望理由を語る際に最も重要視しておきたいポイントは「その企業でなければならない理由」と言えるでしょう。
この理由を明確にするためには、企業研究を重点的に行う事が近道です。企業理念や事業内容、企業風土や地域貢献性など様々な視点から志望先の企業を分析してみましょう。
その上で、自分自身の能力や希望を絡めて志望理由を組み立てれば説得力のあるものに仕上がります。
志望理由では「自分の希望」と「企業への貢献度」のバランスも上手くとっておく事が大切です。企業は自社に貢献してくれる人材を求めているので、自分の希望が企業への貢献に繋がるという事を示す必要があります。
しかし「自分が企業に貢献出来る」というポイントだけを押し過ぎてしまうと、かえって嘘ぽく見えてしまうので注意したいところです。
また、志望理由で給与や福利厚生といった待遇・条件の面を口にしてしまう事は避けましょう。こうした志望理由は「条件や待遇が合えばうちじゃなくても良いんだな」「仕事に対する前向きな姿勢が見えない」というマイナスイメージを採用担当官に与えてしまう事がほとんどです。
面接の質問集7:仕事選びの軸
何を基準に仕事を選んでいるかという「仕事選びの軸」も押さえておきたいポイントです。企業側は応募者がどのような基準で仕事を選んでいるのかを聞き出す事で、応募者の価値観や長期間勤務してもらえそうかどうかをチェックしています。
志望理由と仕事選びの軸に一貫性が見出せれば、採用担当官から「ちゃんと考えた上で応募している」と見てもらえる可能性がグっと高まるでしょう。
具体的に仕事選びの軸をピックアップするには、企業の社会貢献度や業務内容を引き合いに出してそれに関する自分の考えを話すと上手くまとまりやすいです。具体的な事業やプロジェクトを挙げると企業研究を熱心に行っているというアピールにもなります。
なお、志望理由の時と同様に待遇・条件面を仕事選びの軸にしていると発言する事は避けておきましょう。
面接の質問集8:キャリアプラン
長期的な雇用を重要視する企業の面接では「キャリアプラン」に関する質問が頻出事項です。明確なキャリアプランを持っている応募者は、企業側から見ると入社後積極的に仕事をこなしてくれそうな人材に映ります。
回答を用意するにあたっては、企業研究が重要なポイントです。自分の描くキャリアプランが志望先企業で実現出来ないようなものだと、「自社の事をちゃんと調べていない」「すぐに辞めてしまいそう」といった印象を採用担当官に与えてしまうでしょう。
キャリアプランは壮大なものである必要はありません。それよりも、実現出来そうで現実味のあるキャリアプランについて具体的な道筋を答える方が好印象です。
その上で、志望先企業だからこそ実現可能なキャリアプランを示す事が出来れば理想的と言えるでしょう。
面接の質問集9:逆質問
面接の質疑応答の最後には、「何か質問はありますか?」といった具合に応募者へ逆質問するケースもあります。逆質問では応募者の入社意欲が見られており、質問内容によってしっかり企業研究しているかどうかも見極められるのです。
したがって「特にありません」という回答は企業に対して興味が薄いと捉えられてしまう可能性が高いので避けましょう。企業ホームページや求人情報に掲載されているような「調べれば分かる事」は、企業研究が足りないと思われる事もあるのでおすすめ出来ません。
実際に働いている社員に聞くからこそ意味のある質問、例えば「社内の雰囲気」や「実務の上で気をつけるべきポイント」などが良いでしょう。
面接中の質疑応答に出た話題で解決してしまう可能性もあるので、逆質問用の質問はいくつか用意しておくのが無難です。なお、ここでも待遇や条件面への質問は仕事に対する意欲が低く見られてしまうので避けるようにしましょう。
質問への回答を準備して面接に挑もう!
企業から応募者に対する質問には、今回紹介したような頻出事項が多々存在しています。全てをカバーする事は難しいですが、重要なポイントは事前に回答を用意しておく事で落ち着いて面接に臨む事が出来るでしょう。
自己分析や企業研究など、事前準備の段階で行っておく工程も少なくありません。面接に臨む前にはしっかりと質問への回答を用意して内定を勝ち取りましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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採用試験でわざわざ短所を聞くという事は、企業側としても応募者の人間性を深く知りたいという姿勢の現われでもあります。短所は人によって様々ですが、採用試験では言わない方が良いとされる短所がいくつかある事も覚えておきましょう。
まず、志望先企業の仕事や職種にとって不利に働いてしまう短所は、長所に言い換えられるとしても言わない方が無難です。「人見知りする」「飽きっぽい」というワードは採用試験で嫌われる短所の2トップと言えます。
例え接客業でなくても仕事では同僚や取り引き先の人間と関わる事になるので、「人見知り」のように仕事上のコミュニケーションに支障を来たすような短所は望ましくないのです。
企業はせっかく採用した人材には出来るだけ長く働いてもらいたいので、「飽きっぽい」というようにすぐ辞めてしまいそうな事態を連想させるワードも避けましょう。
「短所はありません」と言い切ってしまうのも、自己分析が出来ていないと見なされてしまう可能性が高いので好ましくありません。