
面接後は、結果の通知が来るまで気になって仕方ないものです。面接でのあんなことやこんなことが合格あるいは不合格のフラグだったのかも…と一喜一憂することもあるかもしれません。そこでこの記事では面接の担当者の立場から合格・不合格の基準はどのようななところにあるのか、また不合格を回避するためにどのようなことができるのかなど、面接に役立つ情報を紹介します。
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合
面接合格のフラグ

面接で合格する人には、面接中に以下のようなフラグが立つことがあります。
- 面接時間が予定よりも長くなる
- 次の選考や入社してからの話題が出る
- 他社の選考状況を聞かれる
- メモをたくさんとっている
- いつ入社できるか聞かれる
それでは面接合格のフラグを具体的に紹介していきましょう。
面接時間が予定よりも長くなる
面接時間は大体30分~1時間程度が一般的です。面接前のやり取りであらかじめ目安的な時間を教えてくれる会社が多いでしょう。しかし、実際の面接時間が長く予定の時間をオーバーするということもあります。これは面接の合格フラグの可能性ありです。面接時間が長い理由としては、面接の担当者が受験者を深く知ろうとして積極的に質問しているからということが考えられます。担当者が真剣に採用したいと感じているなら、その受験者がどのような人物なのか、どのような能力をもっていてどのような人となりなのか、より具体的に知りたいと思うはずです。あるいは、採用したいとまではっきり心が決まっていなくても、受験者に対して強い興味を持っている可能性もあります。
興味関心を引くことができれば、担当者の印象に残る可能性も高いでしょう。全ての面接が終わった後、合格者を選考する際、興味や印象の強さから、面接を通過させてみるかと思ってもらえるかもしれません。あなたの面接に多くの時間を費やしてでも対応しているということなので、いずれにしろ好印象であるケースが多いでしょう。
次の選考や入社してからの話題が出る
面接で次の選考や入社後の話題など、未来に関する具体的な話が出たら合格フラグの1つと考えても良いでしょう。
合格の判定された場合に、次の面接でもスムーズに通過してもらうため、選考に向けてのアドバイスや入社してからの具体的な話をすることがあります。面接官としては、この会社に入ってもらいたいという心理の表れからそのような内容を伝えて、入社の意欲を煽っているということも考えられます。基本的に不合格の受験者に次の選考の話や入社後の話などを詳しくすると、期待を持たせることになってしまうため、脈がない場合は避けるパターンが多いでしょう。積極的にそのような話題をふるなら、その受験者に具体的なビジョンを持って欲しいと考えている可能性があります。
他社の選考状況を聞かれる
他社に応募しているかという質問は面接においては定番です。ただし、質問の仕方や内容によっては、受験者を絶対に採用したいと面接担当者が考えており、他社の具体的な選考状況を確認するために尋ねたという可能性もあります。もし採用したい受験者が他社にも応募していて、そちらの選考が自社より進んでいたら、他社の方が先にその受験者に内定を出してしまうかもしれません。
受験者の中には1番初めに内定をくれた企業に決める人も多いため、その受験者を確保するためには他社にとられる前に自社が先に内定を出す必要が出てきます。自社の採用までのスピード感を考える目的で、受験者に探りを入れているというわけです。他社への返事の期日や他社への入社意欲など、より突っ込んだ質問を受けたときは合格の可能性が非常に高いと言えるでしょう。
メモをたくさんとっている
受験者が喋ったあと即座にメモをとったときは、好印象の可能性が高いため、合格フラグの1つと考えられます。大半の面接の担当者は良いと感じたときにすぐにメモを取ろうとする傾向があります。ただし、面接の担当者のメモは、質問に対する答えを記録していることがほとんどです。メモをとっておけば、受験者全員分の面接が終わり、選考を行う際、面接から時間が経っていても質問の答えを思い返すことができます。合格にするにしろ不合格にするにしろ、選考の過程で面接の状況を社内のさまざまな人に説明しなければならないため、どのような場合でもある程度メモは取るのです。
したがってメモをたくさんとっているかといって、合格サインとは限らないので注意が必要です。しかし、好印象をもったときには早めにメモをとることが多いため、タイミングを見れば、合格かどうかおおよその判断材料にはなるでしょう。
いつ入社できるか聞かれる
いつ入社できるかという具体的な日程を尋ねられることは、合格フラグの1つです。経験の多い面接担当者は、面接の終盤の時点で会社に合う人材かをおおむね判断しています。わざわざ採用の意志のない受験者に入社日程を尋ねるような質問をするのは意味がないため、終盤のタイミングで最短の入社日を尋ねられるのは、合格の脈が高いとみて良いでしょう。
また、入社日を尋ねられた場合は、会社側が人出を欲している状態で、できる限り早めに新しい社員を入社させたいと考えている可能性も高いでしょう。もし選考段階で、それほど受験者同士のスキル・経験などの差がなければ、早く入社できることが合格の決め手になることもあり得ます。よって、どのように答えるかで合格フラグになるかが変わる質問だとも言えます。実際に入社できる範囲で、最短の日程を具体的に伝えることが大切です。
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合
面接不合格のフラグ

合格フラグとは反対に、採用の見込みが低い以下のような不合格フラグもあります。
- 面接時間が短い
- 定番の質問のみで深堀りされない
- 面接が盛り上がる
- 明らかに面接官が不機嫌になる
不合格フラグをそれぞれ詳しく紹介していきます。
面接時間が短い
面接時間が短いことは代表的な不合格フラグです。面接担当者があまり興味を持っていないため、面接時間が短くなっている可能性があります。面接担当者はあくまで仕事として面接を行っています。面接をして採用の見込みがない受験者に長い時間を費やすようなことはしません。
合格の脈がないため質問することが少なく自然と面接時間が短くなってしまっているのか、あるいは見切りをつけて意図的に早く切り上げようとしているのか、どちらかは定かではありませんが、いずれにしろあまり良い結果は望めないと考えた方がよさそうです。ただし、元々面接の目安時間が短い会社の場合は、そのような方針で面接を進めている可能性もあるので、あまり深く考え過ぎることはないでしょう。
定番の質問のみで深堀りされない
通常興味を持った受験者に対しては、定番の質問に対して回答が返ってきたら、さらに深堀りの質問をしたり、人柄を確認するための質問をしたりします。採用を視野に入れ、より具体的な人物像をチェックしたいからです。定番の質問だけでは十分な聞き取りができないこともあるので、気になる点をどんどん追加で質問していきます。したがって、定番の質問にとどまり、突っ込んだことを聞かれない場合は、受験者に興味を持っていないという可能性があります。
質問に対する回答がそっけない
面接担当者が受験者に興味を持ったら、自然と気になって好意的な反応を示すでしょう。相槌をうったり、さらに話を広げたり、場合によっては質問以外の話題で盛り上がったりすることもあるかもしれません。しかし、回答や反応がそっけない場合は受験者に興味を持っておらず、評価が良くない可能性があります。面接担当者の態度や反応、面接の空気感などは、合格・不合格のフラグに関わる大きな要素です。
面接が盛り上がる
「面接でものすごく盛り上がったのに落ちた」「面接時に褒めてもらったのに落ちた」というよくあるパターンです。落とした就活生は今後のお客様、顧客となる可能性があります。会社に対して悪印象を残さず、良い印象を持ち続けてもらうために、落とす予定の就活生にこそ優しく“ヨイショ”対応する企業は多いです。面接が盛り上がったからといって面接通過とはならないことを、頭の片隅においておきましょう。ただし、面接が盛り上がり→通過のパターンもあるのが難しいところです。
明らかに面接官が不機嫌になる
不機嫌になった理由に心当たりがあるならば、面接で失敗をしてしまった可能性が高いです。途中で挽回することができなければ、不合格になる可能性が高いかもしれません。ですが、途中で面接官が不機嫌になったからといってすぐにあきらめるのは早計です。面接には最後まで全力で挑んだ上で、心の準備をして結果を待ちましょう。
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合格・不合格とは関係のないフラグ

ここまでは合格・不合格それぞれの可能性のあるフラグに関して述べてきましたが、実はどちらにも関係のないフラグが以下のようなフラグになります。
- エレベーターまで送られる
- 最後にアピールしたいことはあるかと聞かれる
- 合否の結果は○○で連絡します
具体的にはどのような内容があたるのか、説明していきます。
エレベーターまで送られる
エレベーターまで見送られることは「お見送りサイン」として有名です。不合格の受験者には通常よりも丁寧な対応がなされ、見送りも手厚いという噂が不合格のサインとして広まっているものです。しかし、実際面接後の見送りの手厚さは、特に合格・不合格には関係のないことが多いでしょう。面接のためわざわざ自社まで足を運んでくれた受験者に対し、会社側がエレベーターまで送るのがマナーだと考えており、受験者全員に見送りをしている場合もあります。どのような受験者にも丁寧に見送りをしてくれる真摯な会社であるという考え方はできるかもしれません。
あるいは、会社スペースからエレベーターホールまでの経路がわかりにくく、単純に案内という意味合いでお見送りをするケースもあります。また、受験者に関わらず、会社に来客があった際は、帰り際はエレベーターで見送るということが徹底されている会社もあります。このようなことから、見送りをされたから、または見送りをされなかったからといって一喜一憂する必要はないと言えます。
最後にアピールしたいことはあるかと聞かれる
最後にアピールしたいことはあるかという質問に対し、「これまでの評価が低いから最後に挽回のチャンスを与えられているのか?」など、不合格フラグのイメージを持つ人もいるようですが、一般的には意欲を確かめるための質問であり、特に他意はないと考えられます。定番質問の1つであるため、応募者全員にしている可能性も高いでしょう。
この質問に「特にありません」などと、意欲を疑われるような返答をすれば不合格の可能性を高める要素にはなり得ますが、この質問をされること自体には合格・不合格の意味は込められていないと考えられます。なお、面接の最後のこの質問をしっかり答えて面接官の心をつかめれば、合格のきっかけになる可能性もあります。最後に自分をアピールできるタイミングとして活かし、余すところなく自己アピールができるよう、何を答えるか面接前までにじっくり考え、シミュレーションしておきましょう。
合否の結果は〇〇で連絡します
他の応募者とのバランスをみて会議も経て合否を決める場合が多いので、連絡方法を伝えられた時には、あなたの合否はまだ決まっていない場合がほとんどです。〇〇が電話でもメールでも書類でも、合否フラグと関連付けて一喜一憂する必要はありません
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面接で不合格のフラグを立てないためにも

面接を成功させるためには、不合格フラグを立てないことが重要です。最後に、面接で不合格のフラグを立てないためにどんな対策をすれば良いかを紹介します。
納得のいく志望動機を用意する
納得のいく志望動機を用意することによって、面接官に好印象を与えることができるでしょう。志望動機がしっかりしていれば、その後のさまざまな質問への回答にも説得力を持たせられます。志望動機のポイントは、志望先の将来性と学生のビジョンが一致しているかどうかです。例えば海外向けのビジネスに力を入れている企業に志望した受験者が、国内向けのビジネスに携わっていきたいというビジョンを語ったとしたら、面接担当者は、なぜ自分の描くビジョンと異なる方針をもった企業に志望したのか、受験者に対する疑義を持つでしょう。話に関連性を持たせ、筋を通すことは非常に重要です。
ほかには、具体的な行動計画を盛り込むことも大切です。抽象的な目標や理想を並べるだけでは、面接担当者を納得させることはできません。入社したらどのような部署でどのような業務に携わりたいのか、そしてどのようなキャリアを描いていきたいのか、できる限り具体的に説明しましょう。
また、成し遂げたいことを志望先で実現できる理由を伝えることも忘れてはいけません。自分のやりたいことが、何もその企業でなくてもどこでもできると思われてしまったら、その企業に応募する志望動機そのものがあやふやになってしまいます。なぜその企業でなくてはならないのか、そこが志望動機の最も重要な部分です。志望動機と志望する会社をがっちりと結び付けることで、その会社への真剣度の高さをアピールしましょう。
募集職種に合ったスキル・経験をPRする
募集職種にあったスキル・経験をPRすることで、面接担当者に自社に必要な人材だと思ってもらえる可能性が高まります。そのために大事なポイントは、応募先の事業内容、社風をしっかり分析することです。企業に自分をアピールする場合は、まずその企業がどのような人材を求めているのかを見極めなくてはなりません。どんなに優秀なスキルや豊富な経験を持っている素晴らしい人物だとしても、その会社の事業や社風にマッチしなければ、会社への大きな貢献は望めないでしょう。
事業内容や社風を見ていくと、その志望先が求める仕事との向き合い方や仕事の進め方を感じ取ることができます。すなわち、志望先が求める人物像が見えてくるでしょう。その企業がどのような人材を欲しているのかを理解することで、志望動機や自己PRをを結びつけ説得力を上げることができます。自分の持っているスキル・経験をやみくもにPRするのではなく、会社の考えをしっかり分析した上で、会社のニーズと自分のスキル・経験に繋がりを見つけて、効果的にアピールすることが大切です。
逆質問の時間で熱意を伝える
面接によっては、逆質問を尋ねられることもあります。この際に質問をしなければ「うちの会社に興味がないのかもしれない」と面接担当者に思われかねないため、何かかしらの質問はした方が良いでしょう。会社の求めていることにマッチしていて、かつ自分のスキルや経験をアピールできそうな質問をすれば、内容次第で面接担当者が興味を持ってくれる可能性もあります。あらかじめ会社のHPやパンフレットなどをチェックし、いくつか質問を用意しておきましょう。
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合
面接のフラグ体験談を紹介

面接フラグの実体験について紹介します。合格フラグ、不合格フラグと面接中に感じる部分も就活生は多々あるでしょう。以下で体験談を紹介するので、起きる可能性があると想定して面接を挑みましょう。
体験談1.面接は合格フラグ!しかし、不合格….
面接官の質問が止まらず、面接はおよそ15分と言われていたのに30分を超過。場も和やかでこれは好感触だとほくほくしていたところに他社での選考状況を聞かれる。正直面接までこぎつけられたのはこの会社だけだったので、場があたたまったように思った勢いで「他はまだですね~」と軽くごまかし話題が変わることを祈ったところ、「なんで落ちたんだと思う?」「どこを受けたの?」とシビアな質問攻撃。一番聞かれたくない質問だったのもあり、しどろもどろの回答になってしまった。すると面接官がいきなり優しくなり、なぐさめるような発言が増えた。結果は不合格。最後の質問に対する準備ができていれば合格できたように思う。
ワンポイント
面接で双方好感触に思える時こそ最後まで気を抜かないことが大切です。また、面接では自分にとって都合が悪いことこそ聞かれると肝に命じましょう。
体験談2.面接は不合格フラグ?しかし、合格!!
やっとたどり着いた役員面接。「書類の字が汚いねえ」「〇〇大学出身者は変な奴が多いから最近採らないようにしている」「興味持てないな」「この業界は右肩下がりだよ、なんで受けるの。馬鹿なの?」とひたすら感じの悪い発言が続く。社長にいたっては目も合わせてくれない。何を答えてもまさに不合格フラグな「へー」というそっけない反応しかもらえない。悔しくて涙がでそうになったが、最後まで冷静に切り返し、丁寧な対応ができた。OB訪問のときに、この会社の最終面接は圧迫面接だときいていたのが役に立った。面接は最後まで感じが悪いまま終わったが、後日内定の連絡がきた。今思えば、最後まで感じが悪い発言が続いたことこそ合格フラグだったのかもしれない。
ワンポイント
企業によっては(いいかどうかは別として)、感じが悪い発言ばかり続くいわゆる「圧迫面接」をあえて行うところがあります。何を答えてもそっけない反応しかもらえず、不合格が脳裏にちらつくような面接になりますが、最後まで諦めずに丁寧に対応することで内定が近づきます。
まとめ
いろいろと解説してきましたが、面接においては、しっかりと準備や対策を行っておくことが何より大切です。またメールや電話のマナーなど基本的な事柄についても事前に十分対策しておけば、合格フラグを立てたり、不合格フラグを回避したりすることも可能でしょう。最後に、面接が終わった後は、その面接に関して一喜一憂しても結果は変わりません。面接を振り返ってポイントの洗い出しを行い、次の面接に活かせるようにしましょう。応援しています!
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合

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