入社した会社を1ヶ月で辞めるのは言いづらいものです。
自分が頑張って面接を突破したことは置いておいても、自分の入社を歓迎してくれた社員や、入社手続きを進めてくれた人事に対して申し訳なさを感じることでしょう。
この記事では、会社を1ヶ月で辞めるのが言いづらいと悩んでいる人に向け、退職申し出の切り出し方や伝える時の例文、基本的な退職の流れについて幅広く解説します。
入社1ヶ月で退職する時の注意点やその後の就職活動のポイントについても触れますので、できるだけ早く辞めたいと考えている人は参考にしてみてください。
この記事の目次
会社を1ヶ月で辞めるのが言いづらい理由3選
会社を1ヶ月で辞めるのが言いづらいと感じるケースは多いですが、その理由について言語化できている人は少ないのではないでしょうか。
なぜ言いづらいのかをはっきりさせておけば、いざ上司に退職を切り出す際にスムーズに会話が進められるはずです。
まずは、会社を1ヶ月で辞めるのが言いづらい理由について3点解説します。
理由①怒られたり引き止められたりしそうだから
どんな人も目の前の相手からネガティブな言葉や態度を受けるのは避けたいものです。今でこそ退職や転職は当然のものとして認識されてきてはいますが、それでも会社を辞めることは後ろめたいことと考える人も少なくありません。
SNSやネットの記事を見てみても、「退職の申し出をしたら強い剣幕で怒られた」「ウチでやっていけないなら他の会社でもやっていけないと言われた」など、怒られたり引き止められたりした体験談が多く見つかります。
このように「自分も入社1ヶ月で辞めることを言い出したら、上司から怒られてしまうのではないか」と考えてしまうことが、退職の申し出が言いづらいと感じてしまう理由として挙げられます。
理由②人間としてどうなのか心配に感じるから
学生までは中学校を卒業したら高校に入学し、卒業したら就職するか大学に進学するといった人生のレールがほぼほぼ決まっていました。留年や中退・休学などは人によっては経験があるかもしれませんが、多くの人が周囲の人と同じようなレールに沿って生きてきたことでしょう。
ただ、社会人になってからは言葉通り全てが自由になります。決められたレールというものはありません。もちろん退職するとなれば一人で決断し、会社に申し出て、社会の枠組みから一時的に外れることになります。
大多数の人とは異なる選択である退職を、入社1ヶ月という誰が聞いても早いタイミングで決断する自分に対し、「人としてどうなのか?」と自問するように心配してしまうことも、退職を言いづらいと感じる理由の一つと言えます。
理由③どんな反応が返ってくるか分からないから
多くの人は、どうなるのか分からない不確定なものに対しては保守的な考えを持つ傾向にあります。
「どうなるのか分からないから、今まで通りのやり方で進めよう」「何か悪いことが起きないように注意しよう」という思考は、人生のうちで何度も考えたことがあるのではないでしょうか。
この感情は会社を退職しようとする時にも同じく生じます。「退職の申し出をしたら上司はどう反応するだろうか」「怒られるのか、罵られるのか、何も言われないのか。不安に感じる」など、退職申し出に対してどんな反応が返ってくるか分からないのも、退職が言いづらい要因の一つです。
ただ、退職についてしっかり誠実に申し出ることができれば、最終的には上司も納得してくれるものです。
退職を申し出ることの不安を解消するためにも、このあとに解説する切り出し方や基本的な退職の流れをきちんと理解しておきましょう。
1ヶ月で辞める人を上司や会社はどう思っている?
会社を1ヶ月で辞めようとする人の感じる感情について解説しましたが、逆に退職を申し出られた上司や会社側はあなたのことをどう思っているのでしょうか?
相手のことを理解できれば、言いづらいと感じてしまうことも少なくなるはずです。ここでは、会社を1ヶ月で辞める人に対し、上司や会社がどう思っているのかについて解説します。
①根性がなく甘えだと思われやすい
ひと昔前までは、一度入社した会社に定年退職まで勤め上げるという「終身雇用」が一般的でした。今でこそ様々な会社で経験を積むことが一般的になっていますが、終身雇用が前提だった世代からすれば、退職はおろか入社1ヶ月で退職するということは信じられないと感じることでしょう。
また、「どんな会社であっても三年は続けるべき」といった、あまり根拠のない定説を信じている人も少なからずいます。こうした人たちから入社1ヶ月で辞める人を見ると、「根性がなく甘えた人間」と映ると考えられます。
ただ、別に根性がなく甘えた人間だと思われたとしても、自分の人生は自分だけのものですのでそこまで重く考える必要はありません。
もしあなたが多くのストレスを抱えていたり、退職しなければならない何らかの理由があるならば、上司や会社からどう思われようと辞める選択肢を無くす必要はないでしょう。
②会社によっては日常茶飯事というケースも
会社によって離職率は違います。
会社によって公開されていることもある入社3年以内離職率を見てみると、同規模で同業界の会社であっても、離職率が数十パーセント以上違うということはザラにあります。
そのため、入社してすぐに退職するようなことが日常茶飯事というケースも考えられます。このような会社であれば、入社1ヶ月で辞めると言い出したとしても、上司から「採用した人が、またすぐに辞めてしまった」程度しか思われません。
退職者が頻繁に発生している会社は、大量採用↔️大量退職という負のループを繰り返しています。そうした会社に就職すると、ブラックな労働環境が待ち受けている可能性が高いです。
どの求人サイトを見ても同じ職種の募集をしていたり、同じ求人サイトで常に求人を掲載しているような会社は、大量採用↔️大量退職のループに入っているかもしれませんので注意してください。
③その人のことだけを思って引き止めるケースは稀
退職を申し出ると、上司から「君はまだこの会社にいた方がいい」「もっとやりがいのある仕事ができるから、それまでもう少し我慢しよう」など、あなたのことを思って引き止めてくれるような言葉を投げかけられることがあります。
ただ、本当にあなたのことを思って退職を引き止めてくれるケースは稀ですので認識しておいてください。
多くの会社では、管理職は自分の部下から退職者を出してしまうと、さらに彼らの上司にあたる役職者から管理責任を問われることになります。ましてや入社1ヶ月で部下が退職してしまうなんてことがあれば、上司は自分がパワハラでもやったのではないかと疑われることを考えるでしょう。
このように、自分が会社で悪い評判を受けないようにするために退職を引き止める上司が少なからずいます。従って、上司の引き止めには本気で向き合う必要はありません。
あなたが本当に退職する必要があると考えるのであれば、在籍歴に関係なく退職を進めて大丈夫です。
そもそも会社を1か月で辞めるのはOK?
ここまで会社を1ヶ月で辞める前提で解説してきましたが、そもそも会社に入社してから1ヶ月で退職することは問題ないのでしょうか?
答えは「入社1ヶ月で会社を辞めてOK」です。これは民法でも以下の通りに定められています。
この条文を言い換えると、正社員であればいつでも退職申し出が可能だが、退職申し出から退職までは2週間は必要となります。いつでも退職の申し出ができると定められているため、入社1ヶ月で退職することももちろん問題ありません。
事実、リクルートワークス研究所が出しているデータでは、入社1ヶ月で退職する人が1-3%程度いることも分かっています。
このように、入社1ヶ月で辞めることは問題ありませんので、あとは「言いづらい」と感じてしまっているメンタルだけどうにかすることを考えるようにしてください。
会社を1ヶ月で辞める時の流れ
入社1ヶ月で辞めるのが言いづらいと思わないようにするためには、事前に退職する基本的な流れを知っておくことが大切です。
ここからは、会社を1ヶ月で辞める時の流れと、それぞれのフェーズで知っておきたいことについて解説します。
上司に退職の申し出をする
まずは上司に対して退職の申し出をします。言いづらいと感じると思いますが、退職申し出をしないと退職することはできませんので、この後ご紹介する例文も活用してしっかりと自分の言葉で伝えるようにしましょう。
もし入社1ヶ月で現場配属されておらず、直属の上司がいないという場合は人事担当に伝えるようにします。
伝える内容は上司であろうが人事であろうが変わりませんので、自分の配属状況によって伝える相手だけが違うということを覚えておいてください。
なお、退職申し出は、基本的には対面で行うようにします。
上司に時間を作ってもらい、他人に会話を聞かれることのない会議室などの個室で退職申し出を行うのが原則と認識しておいてください。
退職願を提出する
退職の申し出ができたら、退職願を提出します。
退職届の提出は法的には必須とされていませんが、会社によっては規則上提出が求められることもありますので、基本的には必要だと思っておくと良いでしょう。
退職届は手書きである必要はなく、パソコンで作って印刷したものを提出すればOKです。また、提出した退職届は退職が完了するまで控えておくようにしてください。
退職届の提出によって、退職の申し出を正式にしたことが証明できるため、もし退職届の提出が必須の会社であれば退職日の2週間前までに提出しましょう。
貸与物の返却など事務手続きを行う
会社に対して退職申し出を伝えることができたら、退職に関する事務手続きを行います。
長く勤めている人の退職であれば仕事の引き継ぎや得意先への挨拶がありますが、入社1ヶ月であれば作業的な手続きのみになるでしょう。
会社から貸し出されているパソコンやスマートフォン、社員証などの返却を行います。多くの会社では返却物のリストが用意されているはずですので、会社が指示する貸与物を返せば問題ありません。
ただ、この時に一つでも貸与物を紛失していたりすると、場合によっては退職手続きが遅れてしまうことがあります。退職を検討している人は、今一度会社から貸し出されているものが手元にあるかを確認しておいてください。
退職当日に各種書類を受け取る
退職当日には、簡単な挨拶をした後各種書類を受け取ります。
具体的には以下のような書類を受け取りますが、いずれも退職後に行う公的な手続きで使用する大切なものになりますので、絶対に無くさないようにしてください。
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳(会社に預けている場合のみ)
- 源泉徴収票
- 離職票
- 退職証明書
それぞれどのような手続きで使うのか、どういった手続きがあるのかについては、詳しく以下の記事で解説していますので、気になる人は合わせて参考にしてみてください。
次の職場を探す
退職が無事完了したら、次の職場を探しましょう。
離職期間が長くなればなるほど、次の就職活動の難易度が上がっていく傾向があります。退職してひと安心しているかもしれませんが、ここが頑張りどころです。
ちなみに、次の職場を探すための就職・転職活動は会社に在籍している時にも行えます。どうしても就職したばかりの会社をすぐに退職したいと考えているのであれば、在籍中に転職活動をするのも一つの手です。
会社を辞めるのがどうしても言いづらい場合の対処法
会社を辞めるためには、まず上司や人事に退職したいことを申し出なければなりません。「言いづらいから」と退職の申し出をできなければ、ズルズルとストレスを感じたまま今の会社に残り続けることになります。
どうしても会社を辞めることが言いづらい時は、ここで紹介する3つの対処法を使ってみてください。
上司に納得してもらえる退職理由を考える
会社を1ヶ月で辞めることそのものに言いづらさを感じているのであれば、上司に納得してもらえるような共感性の高い退職理由を考えましょう。
以下のような退職理由であれば緊急性が高いため、上司側も「これなら入社1ヶ月で辞めるのも無理はないか」と納得しやすくなります。
- 持病などで体調不良が生じて仕事を続けるのが難しくなった
- 家族の介護や病気で看病しなくてはならなくなった
- どうしても今やりたい夢ができた
「仕事がきつい」「人間関係が合わない」など、会社に対するネガティブな退職理由だと、上司から引き止めや質問をされる可能性が高まりますので、しっかり考えてみてください。
電話やメールなど非対面で切り出す
面と向かって上司に退職を申し出るのがどうしても難しいのであれば、電話やビデオ通話、メールなどの非対面で切り出すのも有効です。
特に、メールであれば記録も残りますので、「退職申し出を言った・言ってない」といった無用なトラブルを避けることも可能です。
ただ、非対面で切り出したとしても上司から直接会って話せないかと打診されるケースがほとんどです。改めて対面で退職申し出をする可能性があることも想定しておくと良いでしょう。
退職願を内容証明郵便で会社に送る
基本的に、退職申し出は上司に直接行うのが一般的なマナーです。ただ、上司に対して嫌な思いをしているなどで、直接会って話すことすら困難なケースもあることでしょう。
その場合は、最終手段として退職届を内容証明郵便で会社に送ることも選択肢の一つです。
内容証明郵便とは、送付物の書面の内容を郵便局が証明する郵送方法のことで、どんな内容の文章が、いつ、誰から誰に送られたかが法的に証明されます。
そのため、退職届を内容証明郵便で送れば、事実上退職申し出をした状態と見なされるため、直接上司に退職申し出をする必要がなくなります。
ただし、会社側から見ればネガティブなインパクトが強い手段であり、今後も社会人として働いていく上でのリスクも考えられることから、できれば避けておいた方が良いでしょう。
言いづらい人必見!会社を1ヶ月で辞める時の例文
直接上司に辞めることを伝える覚悟はできたものの、どのような言葉で退職の申し出をすればいいのか分からないという人もいるでしょう。
ここからは、会社を1ヶ月で辞める時の例文を3パターンに分けてご紹介します。例文をもとに、自分の状況や感情も適宜交えながら伝えるようにしてください。
体調不良を理由にする場合
体調不良を理由にする場合の例文は以下の通りです。
「XXさん、本日はお忙しい中お時間を頂戴してしまいまして申し訳ありません。
実は、私はXXという病気を患ってしまいまして、このたび医師の判断もあり治療に専念したく、退職をしたいと考えています。
入社して1ヶ月という中このような申し出をしてしまっていること、大変申し訳なく思っています。もちろん、退職するまでに私にできることがあれば、どんなことでもさせて頂きたいと考えています。
大変申し訳ございませんが、ご理解、ご容赦いただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。」
体調不良を理由に退職を切り出す場合、医師の診断書を見せることにより話がスムーズに進む可能性があります。
診断書の提出は必須ではありませんが、できれば医師に伝えて用意してもらうのが良いでしょう。
家庭の問題を理由にする場合
家庭の問題を理由にする場合の例文は以下の通りです。
「XXさん、お忙しい中お時間を取っていただきましてありがとうございます。
大変言いにくいことではあるのですが、私の両親の体調が芳しくなく、つきっきりで看病する必要がある容態になりました。
家族の中で面倒を見れそうなのが私しかおらず、苦渋の思いではありますがX月を持って退職させていただきたく考えています。
この会社に入社してからまだ1ヶ月という非常に短い間ではありますが、出会う人に恵まれいい会社に入社できたと心から感じております。
ですが、どうしても私にとって両親はかけがえのない存在ではありますので、退職し介護に専念させていただければと思います。
勝手なお願いではありますが、ご検討いただけますでしょうか?」
感謝の思いを伝えつつ、泣く泣く退職せざるを得ない状況であることを伝えられれば、上司もスムーズに納得してくれるはずです。
自分の夢を理由にする場合
自分の夢を理由にする場合の例文は以下の通りです。
「XXさん、本日はお時間をいただいてしまい申し訳ございません。
突然ではありますが、この度私の夢としていたXXに携わることができるチャンスを掴むことができそうでして、そちらの道を全力で頑張っていきたいと考えています。
つきましては、入社して間もない中大変言いづらいのですが、X月を持ってこの会社を退職させていただきたいと考えています。
自分でも勝手なことを申し上げていることは分かっていますが、どうしてもチャレンジしたいことなので、ご理解頂けないでしょうか?」
申し訳ない気持ちを前面に出しつつ、夢に向かう本気度をアピールできるように伝えましょう。
会社を1ヶ月で辞めることのデメリット
会社を1ヶ月で辞めるのであれば、それによって生じるデメリットもしっかり理解しておく必要があります。
中には今後の人生にも影響しうるデメリットがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
次の就職は難易度が上がる
入社して1ヶ月で辞める場合、次の就職の難易度は基本的に上がりますので気をつけてください。
求人募集する企業は少なからず人を採用することにコストをかけています。そのため、できるだけ長く勤めてくれそうな人を積極的に採用する傾向にあります。
その観点から考えると、前職を入社1ヶ月で退職するような人は「採用してもまたすぐに辞められてしまうのではないか」と感じられやすくなってしまうため、結果的に書類選考でも面接でも難易度が上がることになるのです。
もちろん、前職が違法レベルの残業を強いていたなど、退職に至った正当な理由が伝えられれば話は別ですが、それでも選考を通過できるような求人の数は減ることになるでしょう。
辞めた会社が次の会社で取引先になることもある
特に同業界で再就職をする場合は、辞めた前職の会社が次に就職する会社で取引先になることもあります。
そういった場合、もし気まずい辞め方をしてしまっていると、次の会社での業務に悪い影響が出てくることも考えられるでしょう。特に入社1ヶ月で退職する場合は円満退職が叶うよう、細心の注意を払って退職を申し出る必要があります。
世の中は自分が思っているよりも狭いと心得て、会社を辞める時は「どうせ、もうこの人たちとは関わらないだろう」と思うのではなく、「いつかまたどこかで仕事を一緒にすることになるかもしれない」と考えた上で行動するようにしてください。
辞め癖がついて短期離職を繰り返すことも
入社1ヶ月で辞める経験を一度してしまうと、嫌なことがあったらすぐに退職するという辞め癖がつき、短期離職を繰り返すことになるかもしれません。
先ほど触れた通り、入社1ヶ月で退職することは法的に問題があるわけでもありませんし、事実すぐに退職する人は少なからず存在しているといったデータもあります。
ただ、短期離職を繰り返すとなれば話は別です。短期離職を2回・3回と繰り返すことにより、就職活動の難易度は加速度的に高まっていきます。短期離職を3回繰り返していれば、どんなに募集枠があって未経験歓迎の求人であっても、書類選考の段階で見送りになるでしょう。
また、短期離職を繰り返すことにより、なかなか年収が上がらなくなるため、生涯年収が相対的に減るといったデメリットも考えられます。
総じて辞め癖がついて良いことは何もありませんので、この点を十分理解した上で、改めて入社1ヶ月で退職するのかどうか決断してみてください。
会社を1ヶ月で辞める時の注意点
会社を1ヶ月で辞める時には、いくつか認識しておくべき注意点があります。
退職申し出を上司に伝える日付まで決めた人は、以下の3つの注意点については目を通しておいてください。
バックれることだけは絶対にやめる
入社して1ヶ月しか経っていなければ、会社に対する愛着というものはないと思いますが、だからといってバックれるように辞めることは絶対に避けてください。
退職する上で最も意識すべきなのは、いかにして円満退社できるかという点です。バックれるように辞めることで、自分に対する印象は最悪になりますし、もし次の就職先で取引先になろうものなら、即取引を打ち切られることもあります。
それだけでなく、バックれることで自分が退職後にやらなければならない社会保険などの公的手続きができなくなることもあります。
自分にとっても、会社にとっても良いことは一つもありませんので、バックれることだけは絶対にやめましょう。
上司に引き止められてもブレないようにする
退職申し出をすると上司や人事から引き止められることがありますが、もし引き止められたとしてもブレずに退職の意思を貫くようにしましょう。
引き止められて退職申し出を取り下げ、会社に残り続けることになれば、いつまでも「あの人は入社1ヶ月で退職しようとした」というレッテルを貼られるようになります。
加えて、一度退職しようとした事実をもって昇格スピードが遅くなることもあり得るでしょう。
このように、退職申し出後に会社に残り続けても嫌な思いをする可能性が高いです。そのため、辞めるのであれば何がなんでも辞めるという決心を持つことが大切です。
退職の申し出はどんな背景があっても丁寧に
「求人票と実態が異なっていた」「入社していきなりサービス残業を強制された」など、明らかに会社が悪いことから退職する人も少なくはないでしょう。
ただ、そういった背景があったとしても、円満退社を目指して退職の申し出は丁寧に行いましょう。
退職を申し出る際に喧嘩腰になってしまうと、本来であればスムーズに退職できていたものが余計な時間がかかることもあります。
自分にとっても会社にとってもいい退職にするためにも、一歩引いた目線で大人な退職申し出を意識してみてください。
会社を1ヶ月で辞めた後の就活のポイント
最後に、会社を1ヶ月で辞めた後の就活のポイントを簡単に5つご紹介します。
退職理由は必ず準備しておく
入社1ヶ月で退職する人は世間一般で見れば少ないので、面接ではほぼ確実に「なぜ前職をこんな短期間で退職したのか」と聞かれることになります。
退職理由をネガティブなもので伝えたり、そもそも準備できていなかったりすると企業からの印象は悪くなります。そのため、前職を辞めようと思った理由についてはしっかり準備をしておいてください。
1ヶ月で退職したことは履歴書に必ず記載する
自分の経歴を詐称して就活に臨み、内定を得た後に嘘がバレたら損害賠償を請求されるような大事に至る可能性があります。
「これくらいならバレないだろう」と思って自分の経歴に嘘をつくことは辞め、1ヶ月で退職したことは必ず履歴書に記載するようにしてください。
なお、経歴詐称をしようと思っても、多くの会社では社会保険の手続きをする際にバレますので、合わせて認識しておきましょう。
自己分析をして長く働ける仕事を見つける
できるだけ長く働けるような仕事に就いた方が、精神的にも生涯年収を考える上でも良いはずです。自分に少しでも向いてる仕事を見つけるためにも、就活をする前に自己分析を行うのがおすすめです。
自己分析をすることで、自分の強みと弱みが言語化できるため、自分に向いてる仕事や自己アピールポイントを明確にできます。
自己分析の方法については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
企業研究で自分の性格に合った会社を見つける
社風や組織体制が自分の性格に合っているかも、長く働ける会社を見つける上で非常に大切です。どんな会社なのかをしっかり把握するためには、自己分析とセットで企業研究も行いましょう。
企業研究とは、応募先企業のことをあらゆる情報から多角的に知ることで、将来そこで働くイメージを具体的にするために行うリサーチのことを言います。
企業研究の方法については以下の記事で詳しく解説しています。気になる人は参考にしてみてください。
就職エージェントのサポートを受ける
就活を効率的に、かつ自分の納得する形で成功させたいのであれば、就職エージェントにサポートしてもらうのがおすすめです。
就職エージェントを利用することで、担当エージェントがつき、自己分析や企業研究の方法を教えてもらえます。それだけでなく、自分の希望やスキルに合った求人を紹介してもらえるため、スムーズに就活を進められるようになります。
就職エージェントの利用は登録から入社まで全て無料ですので、気になるサービスを見つけたらまずは登録してみるのがおすすめです。
まとめ
入社1ヶ月で辞めることは法的にも問題はなく、実際に辞めている人もいます。
しかし、退職の申し出が上司に言いづらいという人も多いので、この記事で紹介したノウハウを武器に退職手続きを進めてみてください。
ただ、入社1ヶ月で辞めると今後の人生で様々なデメリットが生じることもあるため、退職の判断は慎重に行うようにしましょう。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」(引用:厚生労働省「民法第627条」)