仕事をすぐ辞める人には、どのような特徴があるのでしょうか。短い期間で退職と転職を繰り返すと、次の職場も長く続かないことにもなりかねまないため、冷静に考える必要があります。今回は、仕事をすぐ辞める人に多い理由や原因、特徴、すぐに辞めるべきケースなどもご紹介します。
この記事の目次
仕事をすぐ辞める人の5つの特徴
仕事をすぐ辞める人には、以下のような特徴があります。
飽きっぽい
飽きっぽい人は、仕事がつまらなく感じたり、ほかの会社に目移りしてしまったりしがちです。変化が少なく、刺激のない日常になると、それに嫌気が差してしまうのです。
とくに新卒や社会人経験がほとんどない場合、入社したばかりの頃は電話対応や先輩の仕事への同行、難易度が低めの仕事を与えられていることが多いため、あまり刺激のない毎日を送ることも多くなります。
そのため短期間で飽きてしまい「仕事を辞めたい」という気持ちを抑えられなくなってしまう若手社員もいます。
我慢が苦手
どんなによく見える会社であっても、人間関係や給料など、そこで働く人は皆何かしらの不満を抱えているものです。働いていれば、ときに理不尽なことや納得できないできごとにも遭遇します。
ほとんどの人は「仕事だから」とある程度の我慢をして過ごしています。そして我慢ができる人は、仕事には思うようにいかないこともある一方で、喜びがあることも知っています。
しかし我慢ができない人は、仕事の喜びではなく、マイナス面だけに目が行ってしまいます。そこから逃れるために「仕事をすぐに辞める」といった選択肢を取ってしまうことがあるのです。
人付き合いが苦手
仕事は単独行動ではなく、部署などでそれぞれが能力を発揮して協力し合う「チームプレー」のことがほとんどです。そのため周りにいるメンバーとは、仕事がしやすい関係性を築くことが大切です。
しかし人付き合いが苦手だと、人間関係をうまく構築できないことがあります。コミュニケーションが取れない、言葉足らずでぶっきらぼうな態度になってしまう、相手を知ろうとしない、などです。
その結果、職場での人付き合いがぎこちなくなってストレスや居づらさを感じ、その場からすぐに離れたくなってしまうのです。
辞め癖がついている
仕事をしていると、誰しも一度は「辞めたい」と感じるできごとに出会うはずです。そのときは精神的にキツく感じるかもしれませんが、あとで振り返ると「あの経験があったからこそ成長した」と思うことは多いものです。
しかし辞め癖がついている人は、少しでもイヤなことがあれば「仕事を変えること」を真っ先に考えてしまいます。
困難な状況を乗り超える経験に乏しいことから、結果として、成長もあまり期待できなくなってしまうのです。
上昇志向が強い
上昇志向が強い人の場合、上司や同僚、会社に対して苛立つことが増えていきがちです。「周りのモチベーションが低い」「この環境では自分が成長できない」などと考えることがあります。
「いまよりもよい仲間に恵まれて、自分が成長できる環境を目指そう」と考え、すぐに転職する人もいるかもしれません。
ですが、職場にはさまざまな能力や性格の人がいて普通です。世の中に完璧な会社が存在しない以上、社員全員が優秀でモチベーション高く仕事をしている会社というのも、やはり考えづらいです。
しかし上昇志向が強い人は職場に「完璧」を求める傾向があるため、次の環境でも満足できず、転職を繰り返してしまうことがあるのです。
仕事をすぐ辞める人の退職理由
仕事をすぐ辞める人の退職理由としては、以下が考えられます。
- 自分に合っていない仕事だった
- 仕事内容や待遇が聞いていた話と違った
- 病気(うつなどの精神疾患)になってしまった
自分に合っていない仕事だった
自分に合っていない仕事が原因で、仕事をすぐに辞めてしまう人は少なくありません。
たとえば人と話すのがあまり得意でない人は、営業職に苦手意識を持つことが多いといえます。営業は人と接する機会が多いため、ストレスや苦痛を感じたり、あまりよい成果を出しづらかったりするでしょう。
そのため自分に適性のある、合っている仕事を求めて、転職を考えることがあります。
仕事内容や待遇が聞いていた話と違った
たとえば、プログラマーとして自社システムに携われると聞いていたのにクライアント先の常駐業務を任された、ルート営業として入社したのに新規クライアントの獲得がメインだった、といったことです。
提示されていた給料よりも低い額だったり、福利厚生や制度はあるものの実際には利用している人がほぼいない、などの待遇面での違いから、仕事を辞めることを決意する人もいます。
病気(うつなどの精神疾患)になってしまった
仕事をすぐに辞める人のなかには、たとえばうつやそれに近い状態の人など、精神疾患になってしまった人もいるでしょう。
心の病気になると、再発したり回復に時間がかかったりすることがあります。前職を辞めて、まだ症状が改善していないのに転職したりすると転職先で病気が再発し、すぐに仕事に行けなくなってしまったりすることもあります。
病気は本人のせいでは決してありませんが、このような目に見えない病気の場合は、理解のある会社などでなければ、仕事を長く続けることがむずかしくなるケースもあるかもしれません。
仕事をすぐ辞めるのは甘え?
仕事をすぐ辞めるのは甘え?
仕事をすぐ辞めることに対して、「甘え」と感じる人も少なくありません。しかし、仕事を辞める理由は人それぞれであり、簡単に「甘え」だと切り捨てるのは適切ではありません。職場環境や仕事の内容が自分に合わず、無理して続けることで心身に大きな負担がかかる場合もあるのです。自分を守るために辞めるという選択をすることは、むしろ責任ある判断と言えるでしょう。
重要なのは、「仕事をすぐ辞めること」を一面的に捉えず、自分の状況や将来をしっかりと見つめて判断を下すことです。他人の目を気にするよりも、まず自分の心の状態を最優先に考えましょう。
仕事をすぐ辞めることが甘えでない理由として、以下のような理由があります。
- 社会的なプレッシャーに囚われる必要はない
- 自己防衛としての「辞める」という選択
- 仕事を辞めたことを後悔しない人が多い
- 1年以内の離職率は30%以上
社会的なプレッシャーに囚われる必要はない
仕事を辞めることに対して、周囲から「甘えだ」といった偏見を持たれることがあります。しかし、他人の価値観に縛られる必要はありません。仕事をすぐ辞める理由には「職場環境が自分に合わない」や「人間関係の問題」など、個人がコントロールできない要因も多く含まれます。
誰もが異なる環境や目標を持っている以上、辞める判断をすることはその人自身の人生を尊重する行動の一つであり、他者の評価に左右されるべきではありません。
自己防衛としての「辞める」という選択
仕事を続けることが心身の健康に悪影響を与えている場合、「辞める」という選択が自己防衛となります。ストレスが限界を超えそうな際には、無理をすることで重大な健康問題を引き起こすリスクもあります。
たとえ仕事をすぐ辞めることでキャリアに一定の影響が出たとしても、自分自身の健康や幸福を犠牲にすることと比較すれば、より良い未来を選ぶための有益な決断と言えるでしょう。
仕事を辞めたことで人生を見つめ直すきっかけになる
仕事をすぐ辞める決断をした人々の中には、その選択をしたことで新しい可能性を見いだし、結果として後悔していないと話す人も多くいます。
例えば、自分に合わない環境を抜け出し、より自分らしい働き方に出会えた事例も多く存在します。このような経験から、「辞める」という行動が必ずしもマイナスではなく、自分の人生を見つめ直すきっかけとなる場合があるのです。キャリアや生活の方向性を改めて考え直すことは、長期的な幸福につながる重要なプロセスです。
1年以内の離職率は30%以上
ベースメントアップス株式会社「新卒入社した会社からの離職状況についての調査」の結果によると、263名の社会人を対象に「新卒で入社した会社を何年で辞めましたか?」という質問をしたところ「1年以内に辞めた」が31%と、全体の30%以上を占めています。
とくに新卒で入社した会社の場合は、はじめて社会人として働く場所となります。「なんとなく決めた」「受かったところへ入社した」などのケースや、実際に働いてみて「想像していたのと違った」などのケースが考えられます。
入社前はわからなかったが、ブラック企業やそれに近い労働環境だった、という人もいるかもしれません。
仕事をすぐ辞めるメリット
仕事をすぐに辞めるメリットとしては、以下があります。
- 向いている仕事に就ける可能性がある
- ストレスから解放される
- 第二新卒枠が狙えることがある
メリット1.向いている仕事に就ける可能性がある
仕事をすぐに辞めることで、今より向いている仕事に就ける可能性があります。あきらかに向いていない仕事を克服しようとするより、自分の適性を活かせる職業で活躍し、楽しく仕事をしていくほうが、本人にとっても会社にとってもプラスです。
「どうがんばってもこの仕事には向いていないな」と思ったら早めにいまの仕事に見切りをつけ、自分に向いている仕事に就ければ、仕事をすぐ辞めることはメリットになるでしょう。
メリット2.ストレスから解放される
たとえば人間関係が悪い職場で常にストレスを抱えたまま働くと、ほとんどの人は精神的に参っていきます。落ち込むことが続いたり、逆に攻撃的になってしまったり、ネガティブな考えや不満で心が支配されたりして、本来のその人のよさが失われてしまうのです。
心身の健康は、仕事をするうえでもっとも土台となるものです。そのため、職場に大きなストレスを感じているのであれば、そこをすぐに離れることで、自分を守ることにつながる場合があるのです。
メリット3.第二新卒枠が狙えることがある
1社目をすぐに辞めることで「第二新卒」として有利に転職できることがあります。
第二新卒とは、一般的には、新卒入社後3年以内に転職する人を指す言葉です。第二新卒社員は企業で働いた経験があることから、社会人としての基礎スキルが身についていると見なされます。
教育コストがかからずこれから育てていくことも十分にできる第二新卒社員を採用したい企業は、数多く存在します。
そのため、新卒で入社して3年以内の人であれば、仕事をすぐに辞めたとしても転職しやすいといったメリットがあるのです。
仕事をすぐ辞める人の末路
仕事をすぐ辞める人の末路は、以下のようになります。
- 転職がむずかしくなる可能性がある
- 転職を繰り返すうちに選択肢が狭まる
- スキルが蓄積されない
- キャリアの方向性が不明確になる
- 収入が上がらない
- 自己肯定感が下がる
- 辞め癖、逃げ癖がつく
転職が難しくなる
仕事をすぐ辞めると、転職がむずかしくなることがあります。なぜなら「うちの会社もすぐに辞めてしまうのでは?」と、面接官から思われる可能性があるからです。
その結果、書類選考の段階で不採用になる可能性が高まります。このような経歴があると、応募先企業に対して信頼性を示すのが難しくなり、「仕事に対する責任感がない」「ストレス耐性がない」「人間関係をうまく築けない」といった印象を持たれることもあります。
特に志望動機やキャリアの一貫性に不明瞭な部分がある場合は、書類選考を突破するのがさらに難しくなるでしょう。安易に仕事を辞めることは、自分の市場価値を低下させるリスクがあるため、慎重な判断が必要です。
転職を繰り返すうちに選択肢が狭まる
仕事をすぐ辞めることを繰り返していると、転職市場での選択肢が徐々に狭まる恐れがあります。その背景には、転職を頻繁に行う人材がリスクのある雇用者と見なされる点があります。
仕事を辞める頻度が高いと「一貫したキャリアプランがない」と解釈され、特定のポジションにおける専門性や信頼性を評価されにくくなります。
結果、将来的に選べる企業や職種が限定されてしまい、自分が本当に目指しているキャリアの道から大きく外れてしまうかもしれません。さらに、求人企業が同業他社の評判や採用履歴を共有する場合、これまでの転職記録が足かせとなるケースもあります。
スキルが蓄積されない
短期間で仕事を辞めると、一つの職務に深く携わる機会が減少し、専門性やスキルを磨くことが難しくなります。転職市場では、特定分野のスキルや経験がキャリアを築く上で重要な武器となりますが、それらは一定期間の継続的な経験を通じて初めて習得できます。
すぐ辞めてしまうと仕事の基礎を学ぶ時間が不足し、結果的に幅広い業務経験を持ちながらも「浅いスキルしかない」と評価されるリスクがあります。このような状況では、キャリアの進展が停滞し、転職先でも同様の問題を繰り返す可能性が高まります。それより、長期的な視点で方向性を考えることが重要です。
若いうちであれば、ポテンシャルを評価してもらえることも多いかもしれません。しかし一定の年齢になってくると「何ができるか」を問われます。短期離職を繰り返した結果スキルがなく年齢も高い人をわざわざ雇いたいと考える会社は、やはり少ないでしょう。
ある程度のスキルがないと、転職できる会社が限られてしまう可能性が高くなります。
キャリアの方向性が不明確になる
仕事をすぐ辞める習慣がつくと、自分のキャリアの方向性が不明確になりやすい傾向があります。頻繁な転職を繰り返す中で、何を重視して仕事を選ぶべきなのかを見失ってしまうことがあります。
これにより、自分に合った職場環境や役職の見極めが難しくなり、次の仕事を選ぶ際にも軸のない選択をしてしまうリスクがあります。
キャリアの中で明確な目標を設定し、それに沿った行動を取ることが将来の成功の鍵となるでしょう。逆に安易な辞職を続けると、「なぜ辞めたのか」という理由の説明に終始してしまい、自分自身のキャリア設計が疎かになりがちです。
収入が上がらない
仕事をすぐ辞めることで、長期的な収入増が難しくなる傾向があります。多くの企業では、勤続年数や経験値に応じて昇給や昇進があるため、一定期間同じ職場で実績を積み重ねることが重要です。
しかし、短期間で仕事を辞めると、キャリアアップの機会を逃しやすくなり、収入が停滞するリスクが高まります。また、転職市場で高い報酬を得るには、専門的なスキルや知識が必須ですが、それを身につける前に辞めてしまうことで、希望する給与を得られない状態が続く可能性もあります。経済的な安定を実現するためにも、長期的視野でキャリアを考えることが大切です。
自己肯定感が下がる
仕事をすぐ辞めることを繰り返すと、自己肯定感が低下する可能性があります。短期間での離職が続くと「また辞めてしまった」という自己反省が増え、失敗感や無力感を抱きやすくなります。
さらに、周囲からの評価や批判的な視線によって、自己イメージが損なわれることも少なくありません。自己肯定感が低下すると、次の仕事への意欲や自信を持てず、結果的に悪循環に陥ることがあります。
仕事を辞めるタイミングに理由がある場合でも、その理由を明確にし、新しい環境での成功体験を重ねることが重要です。自分自身を信じる力を持ちながら、慎重にキャリアを選択しましょう。
辞め癖、逃げ癖がつく
会社を短期間で辞めると、いわゆる「辞め癖や逃げ癖」がついてしまいがちです。転職で不利になりやすいという理由のほかに「ひとつのことを続けられない」「同じ環境にいられない」ということになってしまうのです。
ずっと苦痛を感じながら無理やり続けるのはおすすめしませんが、続けることで、得られることや見えてくることはあります。
ちょっとうまくいかなかったからといってすぐにその場からいなくなってしまうことを繰り返せば、厳しい言い方をすれば仕事はもちろん、プライベートでの人間関係も築けず、結果的に何も得られないことにもなりかねないのです。
仕事をすぐ辞める際の注意点
仕事をすぐ辞めることが、必ずしも良い結果になるとは限りません。仕事をすぐ辞める前の注意点を知っておきましょう。
転職先で環境がよくなるとは限らない
仕事をするに辞めることで、よい会社に転職できる可能性はもちろんあります。しかし、いまの会社よりも悪い環境に転職してしまう可能性があることも、忘れてはいけません。
いまの状況がつらいと、自分の置かれている環境がどうしても悪く感じてしまうものです。しかし冷静になって周りを見渡すと、ほかの会社と比べ、実はそれほど悪くない環境であることもあります。
たとえばいまの部署の人間関係に不満があるとしても、仕事内容や給料などそのほかの部分はそこまで悪くないのであれば、それだけを理由に辞めるのはもったいないといえます。今後部署や担当する仕事が変わるなどして、一緒に働く人も変わることもあります。また、場合によっては転職先のほうが、より人間関係が悪い可能性もあります。
いまいる会社のよいところ・悪いところを自分なりに把握したうえで、どうしても悪いところのほうが多かったり、改善の見込みがなかったりするのであれば、そこで改めて転職を検討してもよいでしょう。その場合、企業選びには冷静になりましょう。
転職には意外とお金がかかる
リクナビNEXT「転職時に貯金はいくら必要?転職にまつわるお金の話」によれば、転職活動にかかる費用の合計額の質問に対し「10万円未満」と答えた人が67.6%となっています。「10~30万円未満」と回答した人も、11.5%存在しています。
転職にかかる費用としては、以下が考えられます。
- 生活費(会社を辞めてから転職活動をする場合)
- 交通費
- 履歴書やボールペンなどの文房具代
- 転職や転職先の業界・企業に関連する書籍代
- 応募先企業が扱う商品やサービスなどを試すための購入費用
- スーツや鞄など(新調する・新たに買いそろえる場合)
- 宿泊費(地方へ直接面接を受けに行く場合)
人によって、かかるお金や使う内容は異なるでしょう。ですが、必ずかかるのは交通費です。複数の企業に応募したり、会社説明会に参加したりする場合、往復の交通費が何度もかかることを考えると、転職が決まるまでに数万円単位の交通費が必要になることもあります。
とくに気をつけたいのが、在職中の転職活動ではなく、いまの会社を辞めたあとに転職活動を開始する場合です。この場合、失業保険を受け取れるまでの期間は無収入となります。
ひとり暮らしの場合、貯金を切り崩して家賃や食費などの生活費にあてなければならなくなることもあります。お金が減っていくことに不安を覚え、焦って転職してしまう可能性もゼロではありません。
なるべく、お金の不安がない在職中に転職先を決めるのがおすすめです。突発的に辞めてあとから困ってしまうことのないよう、転職活動は計画的に進めましょう。
仕事をすぐに辞めるべきケース
いまの仕事をすぐに辞めたほうがよいケースとしては、以下の3つがあります。まずは仕事を休むなどでもよいので、なるべく早く次の職場を見つけることを考えることをおすすめします。
ケース1.精神的・体力的に限界
心身の健康に影響が出始めているときは、仕事を辞めるべきサインとも言えます。
いわゆる「ブラック」な会社では、過酷な環境で働くことが少なくありません。そうではない普通の会社でも、職種によっては深夜勤務があったり、締め切り前は長時間残業や休日出勤をしないと仕事が終わらなかったりするケースもあります。
長時間働くことで体調に異変が出たり、精神的にしんどい状況に追い込まれたりすることもあります。仕事に追われることで休日も仕事のことで頭がいっぱいになり、それも負担になるかもしれません。
健康であることは、長く働くうえで欠かせないことです。「そろそろ限界かもしれない」と感じているのであれば、無理を続けるのではなく早めに転職していまの環境を離れることが、現実的な選択肢のひとつとなることがあるのです。
ケース2.明らかな薄給
薄給とは、年収300万円以下のことを指します。社員としてフルタイムで働いているが月給換算すると25万円以下でボーナスや昇給がない、またはあってもごくわずかという会社は、薄給といえます。
ずっと収入が低いまま増える見込みもないとなると、長い目で見たときに、毎日仕事をがんばるモチベーションが上がらなくなってしまうでしょう。若いうちはまだよくても、将来的に結婚や老後のことを考えたときに、不安になってしまうかもしれません。
薄給の定義や薄給の会社にありがちなこと、薄給から抜け出す方法は、以下の記事でご紹介しています。
「いまの会社の給料が低くて不満がある」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
ケース3.理不尽なハラスメントを受けている
上司や先輩などからハラスメントを受けていて、解消される見込みがない場合です。たとえば、以下が考えられます。
- 人格否定など仕事と関係のないところを非難される
- よくわからない理由でひんぱんに怒鳴られる
- 一人では絶対に終わらない量の仕事をさせる・または一切仕事を与えない
- 明らかな無視や嫌がらせが続いている
- 不当に自分だけ評価が低いが思い当たる原因がない
こういったケースの場合、普通に仕事をすることすら支障が出てしまうでしょう。同じ部署の上司や社内の相談窓口に相談する方法などがあります。
まともな会社であれば、その上司や先輩は処分を受けたうえで、担当や部署を変えるなどして関わりがないようにしてもらえます。しかし、会社側がきちんと対応しなければ、ハラスメントをやめてもらえないこともあり得ます。
そもそもハラスメント自体あってはならないことですが、そういう目に遭ってしまう可能性は誰にでもあります。改善されなければ、もはや自分ではどうすることもできないでしょう。
まずは休職するなどして自分を守り、早めに今後のことを考えたほうがよいでしょう。
仕事をすぐ辞めることに関するよくある質問
仕事をすぐ辞めるのは違法ですか?
結論から言うと、仕事をすぐ辞めること自体は違法ではありません。ただし、正社員の場合、民法第627条に基づき、原則として2週間前に退職の意思を伝える必要があります。これは雇用契約が双方の合意の上で成り立っているため、スムーズな引き継ぎを行う義務が求められるからです。
一方で、やむを得ない事情がある場合には退職時期を早めることが可能です。例えば、健康上の理由や職場でのハラスメントが深刻な場合などがこれに該当します。トラブルを避けるためにも、できるだけ雇用主に事情を説明し、適切な手続きを踏むことが大切です。
入社して3日で辞めることはできますか?
入社して3日で辞めることも可能です。ただし、辞めるタイミングや手続きについては注意が必要です。前述のように、正社員の場合は原則として2週間前に退職の意思を伝える必要があり、これが法律上のルールとなっています。
しかし、試用期間中の短期間での退職は、特別な手続きを求められることが少なく、また職場の理解も得やすい場合があります。特に、自分と職場のミスマッチが明らかだったり、健康に影響を及ぼしている場合は早めに伝えることが推奨されます。どのような理由であれ、真摯に退職の意思を伝えることが信頼関係を損なわない一歩となります。
正社員は即日で仕事を辞められますか?
原則として、正社員は即日で仕事を辞めることはできません。ただし、民法第628条に規定された「やむを得ない自由」に該当する場合は、即日退職が認められる場合があります。例えば、命に関わるような心身の健康被害や、職場内で深刻なハラスメントを受けている場合が該当します。
また、アルバイトやパートタイマーの場合は、1ヶ月以上の勤務があれば即日退職が認められるケースもあります。いずれの場合も、理由を明確に伝え、トラブルを避けるための書面での退職届提出が望ましいでしょう。自分の健康や安全を守るためには、場合によって専門家の助けを借りることも選択肢になります。
まとめ
すぐに仕事を辞めることばかり繰り返すのは、転職もしづらくなり自分も成長しにくくなってしまうため、おすすめしません。一方で、耐え続けて心身に不調が出るほど我慢する必要はありません。場合によっては早めにいまの職場を離れたほうが、長い目で見てプラスになることもあります。仕事をすぐに辞めたいと感じたときには、果たして本当に退職とが必要なのか、しばらく様子を見たほうがよいのかという見極めが大切だといえるでしょう。