少子化が進む日本の教育業界の現状と今後について、また教育業界を取り巻く最新のキーワードについて解説します。教育業界に就職し、活躍するためには、業界の現状と将来性と理解した上で、戦略的に、必要とされるスキル、特に英語やプログラミングのスキルを積極的を身に着けていくことが大切です。
※2022/12/12~2024/5/31の当社相談参加者へのアンケートで相談に満足された方の割合
教育業界の現状
教育業界の現状を解説します。
少子高齢化時代の教育業界
教育業界という枠の中には小中学校をはじめとする「教育機関」、学習塾や予備校などの「学習支援機関」、主に社会人を対象としている「語学・資格・カルチャースクール」などが含まれています。民間企業が2016年に行った調査によると、教育業界全体の市場規模は約2兆5000億でした。日本は少子化が著しいため教t育業界の今後に不安を抱く人もいるかもしれません。子どもの減少は教育業界の市場規模縮小とイコールではありません。子どもの数が減少する事で「子どもひとりあたりにかける教育費用」はむしろ増加傾向にあるため、教育業界はまだまだ伸びしろがあると考えることができるでしょう。
「IT」「プログラミング」「英語」に注目!
現代は社会全体で包括的にIT化が進んでおり、教育業界についても例外ではありません。文部科学省では「教育の情報化ビジョン」という方針を打ち出しており、公立の小中学校では授業にタブレット端末を導入する動きが進んでいます。タブレット端末は個々の生徒に合わせたきめ細かい指導が可能となるため、学習支援機関においてもタブレットは重宝されているツールです。IT化に伴うエンジニア不足に着目し、プログラミングを学ぶ人も増えています。また、IT化と同じく現代日本はグローバル化にも注力しているため、英語をはじめとする外国語学習に意欲的な人も多いです。
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教育業界の代表的な職業
教育業界の代表的な職業を紹介します。
1.講師
教育といえば教える人、講師が必要です。
講師の種類はいろいろ
教育関係の代表的な仕事としてまず「講師」を思い浮かべる人は多いでしょう。実際、講師という職業は教育機関に留まらず幅広い現場で必要とされています。講師の主な仕事内容は学習指導や講義の実施であり、それに伴った教材準備や関係者との調整業務も講師が行う事が多いです。教員免許のように国家資格が必要となる講師職もあれば、資格を必要としない講師職も存在します。資格を必要としない講師職には、雇い主である企業で実務的な採用試験や学科試験が設けられている場合が多いです。
講師とIT化
IT化が進むに連れて遠隔で学習指導を行うサテライト授業や、指導用の動画を前もって撮影しておくというケースも増えています。生徒ではなくカメラに向けて授業を行う事も想定しておきましょう。こうしたインターネット技術を活用した学習スタイルは一般的に「eラーニング」と呼ばれています。
2.企画・開発
企画職として教育に関わることもできます。
「指導する」だけが教育職ではない
講師や生徒が実際に使用する教材やテストの企画・開発を行う仕事も、教育関係の職種に数えられます。定期的な改定や文部科学省による学習指導要領の変更などにより、比較的変化の大きい仕事であると言えるでしょう。なお、企画・開発の仕事は講師が行う場合もありますが、これは小規模な学習塾や個人指導の場合が多いです。大手の予備校や学習塾では企業が独自にテキストを用意するため、専門の企画・開発部署が担当するのが一般的となっています。
eラーニング教材に注目!
タブレット端末などを利用したeラーニングでは、電子テキストや動画を用いて学習を進める事になります。教育業界の企画・開発職ではこうしたITコンテンツの制作を行う事もあるので覚えておきましょう。ただし、ITコンテンツの制作には専門的な知識やスキルが要求されます。学習支援期間やスクールだけでは制作ノウハウが足りない事が多く、外部のIT教材制作会社に依頼するケースも珍しくありません。
3.営業
少子高齢化が進んでいる現代日本では、生徒となる若い世代の獲得が教育業界の生命線です。特に学習塾や資格スクールといった民間企業の間では、限られた生徒を取り込む競争が激化しています。指導や教材制作に直接的な関与はせずとも、営業職は教育関係企業の活動にとって無くてはならない存在です。
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教育業界注目キーワード
教育業界の「いま」を語るうえで欠かせない注目のキーワードを解説します。
教育業界注目キーワード1.アクティブラーニング
新鋭の教育スタイルとして注目を集めているのが「アクティブラーニング」と呼ばれる手法です。アクティブラーニングでは生徒の「主体性」を重んじており、講師からの一方的な指導ではなく生徒が積極的に授業に参加するように促します。授業ではディスカッションやプレゼンテーションといった取り組みが中心となり、生徒間での意見交換が活発に行われるというのが特徴です。これによって生徒の自主性・主体性を育むのはもちろんの事、自分達で考えて解答を出すという課題解決能力の向上も期待されています。
日本では1990年代のバブル崩壊以降、インターネットをはじめとする情報技術の発達が加速して社会全体のあり方に大きな変化が訪れました。新しい社会を作るためには従来のように海外に倣ったスタイルだけでは対応しきれなくなっていたのです。そして日本を担う人材育成には柔軟な発想力と多様性を重視する方向にシフトしました。そんな中でアクティブラーニングは文部科学省が定める新たな学習指導要領に盛り込まれ、主に大学を中心に導入が進んでいます。意見交換にはタブレット端末やアプリが役立つため、こうしたITツールの需要が高まっていく事も予想されると言えるでしょう。
教育業界注目キーワード2.英語教育
多様性を認め国際競争力を向上させていくという社会的な機運により、2011年に文部科学省は小学5年・6年生を対象として「外国語活動」の必修化を実施しました。さらに2020年には外国語活動の必修化は小学3年・4年生に引き下げが行われ、5年・6年生の外国語活動は正式な「英語」の授業に置き換えられたのです。「外国語活動」は教科としてカウントされず、あくまで課外活動の一環です。一方の「英語」という授業はひとつの教科として扱われるもので、通知表にも評価が記載されます。児童向けの英語教材は今後ますます需要が高まると見られており、市場の拡大も期待されています。
教育業界注目キーワード3.EdTech
教育業界では「EdTech」と呼ばれる分野がにわかに注目を集めています。EdTechは「Education」「Technology」の2つを合わせた造語であり、アメリカで発祥したものが世界に広がっていきました。EdTechの本質は技術革新による教育環境の改善であり、この点ではeラーニングと共通していると言えます。EdTechはeラーニングよりも新しい考え方であり、技術の進歩によってより一層時代に即したスタイルに進化したと考えると分かりやすいでしょう。AIを用いた個人にマッチする教材提供や高度な学習アプリの開発などが、EdTechの代表的な取り組みです。在宅学習の時間が増える事が予想されており、EdTechのさらなる普及や市場拡大も見込まれています。
教育業界で活躍するために身に着けておきたいスキル
英語スキルかプログラミングスキルのどちらか、または両方があると活躍のフィールドが広がります。
英語スキル
日本の教育業界において今後重要視されるのは「英語力」であると言われています。日本は外国人労働者の受け入れも積極的に行っており、それ以外でも観光目的で日本を訪れる外国人も多いです。数ある業界の中でも、教育業界は関わり合う人間の数が多い世界であると言えるでしょう。速いスピードでグローバル化が進む現代の教育業界では英語力はこれから必須の能力となるでしょう。
プログラミングスキル
日本ではIT化が進むスピードに対して人材育成が追いついておらず、エンジニア職が慢性的に不足していると言われています。こうした状況を重く見た文部科学省では、2020年から小学校でのプログラミング教育を必修化としました。つまり、生徒に対してプログラミングを教える事の出来る人材も新たに必要となったのです。教育業界では単にプログラミングが出来るだけではなく、それを誰かに「教える」スキルとICT機器の仕組みに対する理解を備えた人材が求められています。プログラミングを専門とするエンジニア職ですら不足している現状を考えれば、こうした人材がどれだけ貴重であるかがよく分かるでしょう。プログラミングは身につけておく事で、教育業界での活躍の幅を大幅に広げられるスキルです。
※2022/12/12~2024/5/31の当社相談参加者へのアンケートで相談に満足された方の割合
教育業界は時代とともに変化し続ける
現代日本はドラスティックな変化のただ中にあります。社会を担う人材を育成する教育業界にも、当然その流れは押し寄せています。大切なのは時代の流れに柔軟な対応を心がけ、必要に応じて自分自身を変化させていく事なのです。日本での教育の中心は「英語」と「プログラミング」の2つとなっています。これをふまえた上で自分に足りないものを見極め、教育業界から必要とされる人材を目指しましょう。
※2022/12/12~2024/5/31の当社相談参加者へのアンケートで相談に満足された方の割合
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