
「好きなことを仕事にしたい。でもそんなことできるのかな」と思っていませんか?好きなことを仕事にして成功している人や、人生を楽しんでいる人がいることは事実です。その反面、注意すべきことはあります。この記事では、好きなことを仕事にするメリットやデメリット、好きなことを仕事にすることに向いている人の特徴もご紹介します。
この記事の目次
好きなことを仕事にするのはアリ?

結論から言うと、好きなことを仕事にするのは「アリ」です。なぜなら世の中で成功している人の多くは、共通して「その仕事が好き」と話しているからです。たとえば有名なYoutuberの多くは「好きなことを仕事にしている」「動画をつくるのが楽しい」と言っていますし、野球のイチローは「野球をずっと愛していた」という名言も残しています。
もちろん、仕事には大変なこともつきものです。そのため、好きなことを仕事にするには、いいところばかりでなくそこも受け入れる覚悟が必要です。「好きなことを仕事にした途端、嫌になってしまった」ということも聞く話です。
しかしつらいときや、この先の道に迷ったとき、「好き」という気持ちが自分のなかの大きな支えとなってくれることも事実なのです。
好きなことを仕事にするメリットとデメリット

好きなことを仕事にするうえで、あらかじめ押さえておきたいメリットとデメリットをお伝えします。いざ挑戦したあとに「思っていたのと違った」ということにならないために、デメリットについてもしっかり理解しておきましょう。
好きなことを仕事にするメリット
まずは、好きなことを仕事にするメリットを紹介します。多くのメリットがありますが、特に次の3つを実感する人は多いはずです。
- ストレスが溜まりにくい
- やりがいを持ちやすい
- スキルが上がりやすい
それぞれについて、ご紹介します。
ストレスが溜まりにくい
仕事をしていると、人間関係や残業時間の多さで悩まされるなど、ストレスが溜まる場面が多いものです。このとき、仮にその仕事が「嫌いな仕事」だった場合、毎日が苦痛で仕方なくなるかもしれません。
一方で、その仕事が好きだった場合、つらいことがあっても乗り越えられることは多いものです。たとえば事務系の仕事はパソコンと向き合う時間が多いものですが、コツコツとした作業が好きな人にとっては、パソコンの前に長時間いても全く苦に感じません。
当然ストレスも溜まりにくく、多少つらいことがあったとしても大きく落ち込まずに再び仕事に取り組めるケースも多いのです。
やりがいを持ちやすい
たとえば営業の仕事が好きな人のなかには、お客さんへの提案が感謝されたときにこの上ない喜びを感じる人も少なくありません。車が好きで、部品工場で働く人であっても、自分が関わった車種が路上を走っているのを見ると大きなやりがいを感じることも多いのです。
このように「好き」を仕事にするとやりがいを持ちやすく、仕事のモチベーションが湧きやすくなります。
その仕事をイヤイヤやっている人と比べると自分自身の成長も実感しやすいため、その仕事にさらに意欲的に取り組むようになる、といった良い循環を起こせることも期待できるでしょう。
スキルが上がりやすい
好きなことを仕事にしている人は、知識の習得が苦ではなく、学びをより深めていくことができます。
たとえばプログラマーの場合、最新のIT知識はもちろん、難解な「言語」を操りつつシステムの設計をしていかなければいけません。しかしプログラマーの仕事が天職に感じている人のなかには、仕事がつらいものとは感じず、むしろ「趣味」のような感覚で取り組んでいる人も多いのです。これは、ほかの職業でも同じです。
知識を貪欲に追い求め、それを仕事の場面でアウトプットし、トライ&エラーを繰り返していけばスキルは上達していきます。結果として「好き」を仕事にするとスキルアップが早く見込める可能性が高く、より責任のある仕事を任されるなど、結果として上のステップに早く進めるケースも多いのです。
好きなことを仕事にするデメリット
次に、好きなことを仕事にするデメリットをお伝えします。「好き」を仕事にするには、乗り越えなければいけない壁がたくさんあります。では、以下3つのデメリットについて見ていきましょう。
- モチベーションが大きく下がる可能性がある
- こだわりが強すぎてしまう
- 私生活に影響が出やすい
それぞれについて、ご紹介します。
モチベーションが大きく下がる可能性がある
好きなことを仕事にすると、その仕事がイヤになったとき、モチベーションが大きく下がってしまう可能性があります。
「燃え尽き」という言葉がありますが、これは熱中していたものがあったとき、何かの拍子で緊張の糸が切れ、全く興味が湧かなくなってしまう状態を指す言葉です。
仕事をしていても、つらい場面は訪れます。それは、好きなことを仕事にしている人であっても例外ではありません。
むしろ好きな気持ちのまま集中して取り組んでいたからこそ、上司から叱責された、「全然ダメ」と否定された、がんばったのに成果に結びつかなかったなどによって興味関心が一気に薄れ、やる気をなくしてしまうケースも少なくないのです。
こだわりが強すぎてしまう
「完璧主義」とも言い換えられますが、仕事のクオリティを上げようと思えば思うほど、上司や、お客さんが求めているものから大きく離れていってしまうことは少なくありません。
仕事で完成度を高めることは大切ですが、ほとんどの場合は締め切りが設定されています。細かいところにこだわってばかりいていつまで経っても終わらず生産性が低い場合、厳しいことをいえばそれは「プロの仕事」とはいえないこともあります。
外せないところを中心に時間をかけ、それ以外の箇所は及第点で仕上げる、というように合理的に進めることも必要ですが、こだわりが強すぎるとそれができないケースもあります。
私生活に影響が出やすい
「好き」を仕事にすると、時間も忘れその仕事に没頭してしまう可能性があります。この場合、残業が増えたり睡眠不足になったりして、気づいたときには健康を害していた、といった状況に陥ってしまうことも考えられるのです。
また、近年では副業などで好きなことを仕事にしている人も増えています。息抜き程度なら影響はないかもしれませんが、本業の仕事終わりや休日までその副業にずっと取り組んでいると、家族や友人などの人間関係が希薄になっていく可能性も考えられます。
いきすぎてしまうと副業の疲れが本業に影響するリスクもあるなど、好きなことを仕事にすると生活のあらゆる場面で支障が出るかもしれないのです。
好きなことを仕事にするのに向いてる人と向いてない人

ここからは、好きなことを仕事にすることに向いている人と、向いていない人の特徴をそれぞれ紹介していきます。まずは、向いている人の特徴から見ていきましょう。
好きなことを仕事にするのに向いてる人
好きなことを仕事にするのに向いている人の特徴は、次のふたつです。
- 「仕事」と割り切れる人
- 自分で目標を立てられる人
それぞれ、ご紹介します。
「仕事」と割り切れる人
仕事をしている以上、どんなにその仕事が好きであっても、不条理なことや納得できないことには必ず遭遇します。ときには意に沿わないこともしなければいけなかったり、失礼なことを言われたりすることもあるでしょう。
こうしたとき「仕事だから大変なことがあるのは仕方ない」「でも好きなことをできているから、まぁいいや」とよい面にフォーカスして前向きに考えられる人は、好きという気持ちを持ち続けたまま、仕事に取り組み続けることができるのです。
自分で目標を立てられる人
いまの仕事に満足している人のなかには、上を目指すというよりも、現状維持にとどまってしまう人が少なくありません。するとスキルや知識が蓄積されにくく、成果も上がりづらくなります。
一方で、自分で目標を立てられる人は、どんなときでもモチベーション高く仕事に取り組めます。好きな仕事でもあるためスキルの習得なども苦ではなく、ほかの人よりも二倍、三倍のスピードで成長していける人も珍しくないのです。
好きなことを仕事にするのに向いてない人
好きなことを仕事にするのに向いていない人の特徴は、次のふたつです。
- すぐに成果が欲しい人
- お金を多く稼ぎたい人
それぞれについて、ご紹介します。
すぐに成果が欲しい人
どんなに好きであっても「仕事ですぐに上手くいく」という保証はありません。仕事は、あくまで経験や適性、スキル次第で成果が左右されます。もちろん、好きという情熱が個人としてのパフォーマンスを押し上げる場面も少なくありませんが、好きな気持ちだけでは成果が上がらないのも事実です。
そのため「すぐに成果を上げたい」「評価されたい」といった気持ちだけが先行してしまう人は、好きなことを仕事にできたとしても、現実とのギャップに苦しむ可能性が高いでしょう。
お金を多く稼ぎたい人
「好きなことを仕事にすれば必ず高い給料が手に入る」という確証はありません。多くの成功者は、はじめは稼ぐためというよりも、好きなことに夢中で取り組んでいたら、気づくとスキルなどがほかの人から突出し、結果的に稼げるようになった人が少なくありません。
「お金を稼ぎたい」という気持ち自体はよいことですが、この場合、稼げない現実を前にすると大きく落胆してしまう可能性があります。あくまで「好き」の延長線上で「うまくいけば稼げるようになればいいなぁ」といった気持ちでいたほうが、肩の力が抜けて、成功する確率を高められることも多いのです。
好きなことを仕事にする方法

好きなことを仕事にしていく方法を紹介します。次のふたつから、自分に向いている方法を選んでみてください。
- 現在いる環境(会社)の中で好きなことを仕事にする
- 新しく自分の力で好きなことを仕事にしていく
それぞれ、ご紹介します。
現在いる環境(会社)の中で好きなことを仕事にする
いま働いている会社のなかで、自分が好きなことを担当できるようにすることも、ひとつの方法です。たとえば、営業として働いているけれど企画を考えるのが好きで企画の部署に行きたいのであれば、異動を申し出てみる、などです。
注意点としては、会社で好きなことをやることは目指しつつ、まずはいまいる部署の仕事をしっかりやることです。成果もあげていないのに「やりたいことだけやらせてほしい」という姿勢では、おそらく受け入れてもらえないでしょう。
新しく自分の力で好きなことを仕事にしていく
会社に属せず、たとえばフリーランスとして自分の好きなことを仕事にしていく方法もあります。会社を立ち上げ、好きなことを事業としてやっていく手も考えられるでしょう。
これらの方法は、組織に縛られたくない人には特に向いている方法といえます。しかしまず知っておくべきなのは、毎月安定した収入を得られるのは「会社に雇われているからこそ」であり、それを自分で稼いでいくためには、人がやらないような努力や行動力、営業力や判断力、センスや才覚など、複数の要素が必要です。
また、自分で顧客を開拓したり事務作業をしたりと、好きな仕事以外の仕事をやる必要もあります。なかには思い描いていた「自由さ」とはかけ離れていると感じる人がいることも、あらかじめ理解しておいてください。
本当に好きなことを仕事にしてもよい?
今回お伝えしてきた通り、好きなことを仕事にすると、仕事そのものに対するモチベーションは確実に上がりやすくなります。安直に考えるのはおすすめしませんが、自分に適性があって成果をあげられる好きな仕事をすることは、結果として自分だけでなく、世の中にも幸せを与えることができます。「本業にすると、好きなことが嫌いになってしまうかもしれない」と不安に感じる人は、まずは副業として、好きなことに関わってみるのも手です。