就活のグループワークを企業がなぜ行うのかご存知でしょうか。企業の選考方法のひとつで、面接よりも学生の資質を判断しやすいため実施されています。この記事では、グループワークの目的やディスカッションとの違い、役割分担、テーマや企業の評価ポイントなどについて解説します。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
この記事の目次
就活のグループワークとは
就活のグループワークとグループディスカッションではともに議論を行うものの、その方法は異なります。それぞれの違いや、グループワークの意味について解説します。
グループワークとは
グループワークの意味や内容について見ていきましょう。
グループワークの意味と目的
グループワークは、企業が採用の際に行う選考形式のひとつです。選考を受けるほかの選考者たちとグループになり、与えられたテーマについて議論をおこないます。そして、議論によって得られた結果をプレゼンしたり成果物として示したりします。
グループ内で意見を交わし合うだけではなく、最終的にアウトプットすることが、グループワークの特徴です。従来の選考で行われている面接だけでは、主体性や意見を述べる力などを十分には判断しにくいため、グループワークが選考方法として選ばれはじめました。
グループワークの基本
グループワークは1グループあたり5~6人程度であることが多く、テーマは、基本的にその場で与えられます。テーマに対する柔軟な意見や思考力など、企業は、選考者の持つさまざまな要素をチェックすることが可能です。
グループワークは就活で広く活用されており、インターンやセミナーなどでも実施するケースが増えています。選考のためだけではなく、ビジネスシーンで活躍するためにも、グループワークを理解しポイントなどをおさえておきましょう。
グループワークは一度に多くの人数の選考ができるなど、企業側のメリットも大きいといえます。大企業になるほど実施される割合が高くなっているため、大企業を志望する就活生は、しっかりとした対策が必要です。
グループディスカッションとの違い
グループワークと混合されがちな、グループディスカッションとの違いをご紹介します。
グループワーク以外の選考方法
グループワーク以外の集団選考の方法としては、ディベートやグループディスカッションなどがあります。意見を競い合わせるディベートや、意見を交わし議論をするグループディスカッションでは、グループワークとは違って成果物を作りません。
グループワークとグループディスカッションは、他の選考者と共に与えられたテーマについて議論します。議論をおこなうという形式が似ているため、グループワークとグループディスカッションは混同されがちなのです。
グループワークとグループディスカッションの特徴
グループワークはテーマだけではなく、ゴールも設定されています。これに対しグループディスカッションはテーマのみが与えられるというのが特徴です。
グループワークは、設定されたゴールを満たすまでのアプローチや工夫が鍵となります。一方、グループディスカッションの場合には、まずテーマに対するゴールを各グループで定義しなければいけません。そのうえで課題設定能力や議論の展開能力があることが、グループディスカッションの鍵となります。
選考方式がグループワークなのか、グループディスカッションなのかということによって、評価のポイントなども異なってくるため注意しましょう。
企業がグループワークを実施するのはなぜか
なぜ、多くの企業がグループワークを採用試験に取り入れているのかについて知りましょう。
企業がグループワークからわかること
企業がグループワークを実施するのは、正確に選考者の能力やスキルを判断したいという目的があるからです。
グループワークは試験官と選考者が対面して行う個人面接と比較して、より効率的であり、選考者の本質を深く知ることができます。個人面接は面接に時間がかかるうえに、場合によっては選考者が話を偽ることも可能です。
個人面接は非効率な面があり、選考者の本質を見抜きにくいというデメリットがあるため、採用後に「希望していた人材と違った」などのミスマッチが生じるケースもあります。
就活生の性格や能力が見えやすい
こういったミスマッチを防ぐため、グループワークで実際の業務に近い環境を作り、企業は選考者の適性などを判断します。グループワークはその場での臨機応変な対応が重要になるため、うわべだけで取り繕うことがむずかしいといえます。
グループ内のメンバーへの関わり方から、その人の性格や能力が読み取りやすいという点も大きなメリットです。
就活のグループワークの流れを紹介
就活のグループワークは、どのように行われるのでしょうか。ここでは、就活のグループワークの進め方や方法、役割分担について解説します。
グループワークの進め方
グループワークの一般的な進め方の順番について見ていきましょう。
1.課題の定義
アイデアを考える前に、課題に対する共通の定義を決めることがポイントです。共通の定義とは、課題に対する解釈を揃えることを意味します。
たとえば「理想の営業とは」というテーマであった場合に、法人向けの営業なのか、個人向けの営業なのかによって議論が異なってきます。そのため、まず定義づけることからスタートし、話し合いの方向性がバラバラになることを回避しましょう。
2.時間配分の設定
グループワークの時間は限られているため、スケジューリングをおこなうことで効率的に進めることが可能です。明確なスケジュールがないと議論が長続きしてしまい、成果物の作成に支障が出てしまうといったケースもあります。
成果物の作成にどのくらいの時間がかかるのかを予測し、そこから逆算をすると制限時間を有効に活用できるのでおすすめです。
3.役割を決める
メンバーそれぞれに役割を振れば、効率的にグループワークを進めることが可能です。とくに議論の際は議長や司会を設定しないとうまく意見がまとまらないこともあるため、最初に司会を決めましょう。
4.ディスカッション
実際にテーマについて話し合い、作業に取り掛かります。意見をまとめる際は、少数派の意見が尊重されない多数決よりも、メンバー全員が納得できる意見に着地させるのがベストです。
5.発表
代表者が、グループワークでアウトプットした成果物について発表したり、プレゼンをしたりします。発表をする際には、まずは端的に「結論」から述べ、それから「理由」「具体例」「結論」の順序で話すのがポイントです。
グループワークの役割分担
グループワークでの役割に、どのようなものがあるのを事前に把握しておきましょう。
司会
グループワークの進行役です。発言しやすい雰囲気づくりや進行の管理、意見や作業のまとめなど広い視野が必要になります。
書記
議論の内容を記録する係です。ただし、話している内容をただ書き留めるだけでは不十分ですので気をつけてください。意見をまとめやすくするために誰が見てもわかるように書いたり、要点をまとめて書いたりと工夫することが必要です。
タイムキーパー
グループワークの時間を管理する係です。ただ時間をチェックするのではなく、全体のスケジュールと照らし合わせて制限時間内に作業などを完了できるようにサポートします。メンバーの話す時間を調節するなどメンバーのコントロールが求められる役割です。
その他
はっきりとした役割がない場合でも、役割があるメンバーと同様に重要なポジションです。発言やアイデア出しを積極的におこなうことでグループワークを進め、アピールしていきましょう。
就活生がするべきグループワークの対策
就活のグループワークで、就活生が事前にやっておいたほうがよい対策をご紹介します。
対策1.グループワークの講座に参加する
就活セミナーなどでは、グループワークの対策講座をおこなっているところもあります。「はじめてグループワークに参加するため心配」「シュミレーションをしておきたい」という就活生は、参加してみるとよいでしょう。
セミナーでは、実際にグループワークをおこない講師から個別にフィードバックをしてもらえたり、印象のよい話しかたなどの指導を受けたりもできます。無料のところも多いため、積極的に参加してみることをおすすめします。
対策2.グループワークの経験者に話を聞く
グループワークの経験がある先輩や就活仲間、内定者などに、グループワークについて聞くのも効果的です。実際の経験者ならば、雰囲気やテーマ、どの程度・どんな発言をしたのか、どんな準備をしてのぞんだのかなどをくわしく教えてもらうことができるでしょう。
とくにおすすめなのが、実際にグループワークを経て希望する企業に内定をもらっている人です。グループワークを通過したということは、少なからずグループワークでの発言や行動が評価されているということになるためです。
対策3.本番のグループワークに参加する
第一志望ではない企業で、実際にグループワークに参加する方法があります。その企業にまったく行く気がないのにエントリーするのはもちろん好ましくありませんが「志望度が高いわけではないけれど少し気になっている」「受けてみようかな」と考えている企業であれば、そこまでプレッシャーを感じずにグループワークにのぞめるはずです。
本番のグループワークに参加することで流れをつかんだり、ほかの参加者を冷静に観察したりできます。
グループワークの通過率をアップさせるためのコツ
グループワークの通過率をアップさせるためのコツとしては、おもに以下があります。
基本的なことをきちんとやる
グループワークの参加者は、高い評価をもらうために、つい積極性や発言などに気を取られがちです。しかし、あいさつや身だしなみ、言葉づかいや態度など、基本的な部分もしっかりと見られています。
「当たり前」だと思いがちなところこそ、実はきちんとすべきであるということを理解しましょう。
グループワークの目的を理解した発言や行動をする
グループワークはただの話し合いに終始するのではなく、制限時間内に、ある程度のレベルのアウトプットに落とし込むことが求められます。そのため、そのグループにとって有益な発言や行動をすることが求められます。
ほかのメンバーを認める姿勢は素晴らしいことですが、たとえば「私もそう思います」「いいアイデアですね」など、ただほかのメンバーの意見に同調するだけなどの態度は、グループに貢献できているとは評価されないことが多いため、注意しましょう。
状況に応じて「流れを変えること」を意識する
議論をしている途中で停滞したり、本来の目的から脱線してしまっていたり、メンバー全員が黙ってしまったりして、話し合いや作業が進まなくなることがあります。しかしグループワークの時間は限られているため、どこかでその状況を打破することが求められます。
自分から口火を切ることができたり、方向を修正できたりするなど、うまくいっていないときに流れを変えることができると、高評価につながることがあります。
グループワークが苦手だと感じる理由
グループワークが苦手または嫌いだと感じている就活生が、そのようになっている理由としては、おもに以下が考えられます。
人と一緒に何かやるのが苦手
ふだんから単独行動が多いなど集団行動をあまりしていない人は、そもそも、グループワークなど数名で何かをやること自体に苦手意識をもっていたり、チームワークが求められる作業に不慣れだったりすることがあります。
細かいところまで見られていそうで気になる
グループワークでは、グループの近くに、学生の評価をする企業の担当者がいるのが一般的です。そのため、グループワーク中も一挙手一投足まで見られているのではないかと気になるあまり、自分の発言や行動を過剰に気にしてしまう人もいます。
何をすれば・何を言えばいいのかわからない
はじめてグループワークに参加した場合などにありがちなケースです。自分がそのグループの中でどう動いたり、何を言えばいいのかわからなかったりして、グループワークという場面自体に戸惑ってしまうというケースです。
グループのメンバーによって相性がある
グループワークのメンバーは、自分で選ぶことはできません。そのため、たとえばグループに苦手なタイプの人がいるとやりにくかったり、リーダーシップを取る人ばかり集まってしまいかえって議論が進まなかったりするなど、そのときのメンバーによって、自分のパフォーマンスに影響が出てしまうことがあります。
輪の中に入れない・あまり発言できない
消極的な人の場合、グループの会話に入れなかったり、なかなか発言できなかったりすることがあります。グループワークではじっくりほかのメンバーと交流するということはむずかしいため、人と打ち解けるのに時間がかかる人は苦痛に感じることもあるかもしれません。
グループワークを苦手に感じている就活生がするべきこと
就活のグループワークが苦手な就活生は、以下を試してみることをおすすめします。
業界・企業分析をする
グループワークでは、ただ発言すればよいというわけではありません。その企業のことや業界のことをある程度理解していなければ、的外れな発言や提案をしてしまうことにもつながります。
グループワークに参加する企業の企業分析や業界分析は、徹底的におこなっておいたほうがよいでしょう。企業や業界の最新の動向やニュースなども押さえておくべきです。事前に知識をつけておくことで、グループワーク当日も自信を持って発言できるでしょう。
存在感を示す
グループワークは個人面接などとは異なり複数の参加者のうちのひとりという立ち位置になるため、存在感が薄いと埋もれてしまいがちです。ふだんから無口な人やおとなしい人はグループワークでも発言量が少なく、企業側に印象を残しにくいことがあるかもしれません。無理やり目立とうとする必要はないものの、できるだけ発言量することを心がけましょう。
どうしても人前で発言するのが苦手という人は、書記を引き受けてほかの参加者の発言をまとめるなどの方法でグループに貢献する方法もあります。
傾聴する
就活のグループワークは単独でおこなうものではないからこそ、企業側にアピールできる部分もあります。人の話をきちんと聞く、ということはそのうちのひとつです。仕事では、年代や考え方の異なる仲間と働くことになります。そのため、自分ばかりが話すのではなく、相手の話を聞いたり相手を認めたりすることも大切になるためです。
発言している相手に身体を向けて目を見る、真剣な態度で話を聞くなど、相手が話しやすい雰囲気をつくることも大切です。
発言へのハードルを下げる
グループワークが苦手な人が「ちゃんとしたことを言わなければ」と思うと、考えているうちに時間が過ぎてしまい、結果的に発言量が少なくなることがあります。
考えすぎて無言になりがちな人は、まずは「発言すること」自体のハードルを下げて、なるべく意見を言うようにしたほうがよいでしょう。
自分ができそうな役割を見つける
世の中にはさまざまな個性を持った人たちがいるように、誰もがリーダーシップや積極性のある性格の人ばかりではありません。グループワークでも、無理をして自分にはないキャラクターを演じたりすると、かえって自分のよさが出せない可能性があります。
たとえば、話すのが苦手な人はあまり話さなくてよい書記やタイムキーパーに立候補するなど、自分を活かせそうな役割を見つけるのもひとつの方法です。
終了後は内容を振り返り次回に活かす
グループワークが終わったら、帰宅後などにその内容を振り返ることで、別の企業でグループワークに参加することになった際、その経験を活かすことができます。
もしグループワークが原因で選考に落ちてしまった場合、グループワークでの発言や行動などに何らかの敗因があったことも考えられます。グループワーク後に落ちてしまった場合はあらためてそのグループワークを振り返り、改善点などを見つけたほうがよいでしょう。
評価を気にしすぎない
グループワークは企業の担当者に見られている状態でおこなわれますが「どう見られているか」を気にしすぎると、自分の発言や行動が制限されてしまいます。
もちろん悪い印象を与えないようにすることは大切ですが、自分が「こうしたほうがいい」と考えたり感じたりしたことは、それが正しいかどうかわからなくても、積極的に発言していったほうがよいでしょう。
合わないメンバーがいても割り切る
グループワークのメンバーには、自分とは合わないメンバーがいることもあるでしょう。「苦手だな」と思うことに問題はありませんが、あまりそこに気をとられてしまうのはもったいないといえます。
企業に入社しても、自分とは合わないタイプの人と仕事をする可能性はあります。そのためグループワークでも「目標を達成するための一員」であると割り切り、グループワークそのものに集中したほうがよいでしょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
グループワークの評価やテーマは?
就活のグループワークでの企業の評価基準やポイント、グループワークで出されるテーマについて解説します。
グループワークの評価ポイントとは
就活のグループワークで、企業が評価するポイントにはおもに以下が考えられます。
評価ポイント1.思考力
ビジネスにおいて、思考力は非常に重要です。自分の感覚や感情だけで物事をすすめようとするのは、ビジネスシーンにおいては適していません。ビジネスでは、常に論理的な思考が求められます。論理的思考力が備わっていれば、自分の言動に信頼性や説得力を持たせることが可能です。
グループワークでは、課題に対して参加している学生がどのような主体的思考をして解決するのか、発言に芯が通っているかという論理性が評価されます。
評価ポイント2.協調性
どのようなビジネスでも、基本的には人とのかかわりの上に成り立っています。また、仕事では同僚や上司、部下などのほか、他部署と連携したり、取引先や外部業者とやりとりをしたりして仕事をすすめることになります。周囲の人とうまくやっていけるのかどうかは、グループワークでチェックされているポイントのひとつです。
議論のときは、たとえ「自分の意見やアイデアが正しい」と思っていても、強引に意見を通そうとしたり、ほかの学生の意見を尊重せず否定したりすることはやめましょう。あくまでもグループ内での「議論」をすることが目的ですから、ほかのメンバーとともに協力する姿勢を忘れず、調和を心がけてください。
評価ポイント3.積極性
ただグループワークの場に参加しているだけでは、企業からのプラスの評価は望めません。グループワークはテーマごとにゴールが設定されているため、そのゴールに到達するためにグループメンバーで協力することが必要です。本番では「自分は何をすればこのグループ内で役立つことができるか」をまず考え、積極的に役割を獲得して発言していきましょう。
ただし、行き過ぎたスタンドプレーはやめたほうが無難です。グループワークにおける積極性とは、あくまで「グループのために自ら行動を起こすこと」です。グループメンバーのひとりであるという自覚を持ったうえで、ほかのメンバーを尊重しつつ自分の意見を話してグループに貢献する、ということを意識してみましょう。
評価ポイント4.アピール力
就活のグループワークではほかのメンバーと協力して議論をすすめるのが前提ですが「私はこう思う」と自分の意見をしっかりと表明したり、自分の言葉で話したりすることを意識しましょう。「上手に話せないから」と黙ったままでいるより、完璧な発言ではなくともある程度は自分の意見を伝えるような努力をしたほうが、評価される可能性が高まります。
仕事をするうえでも、自分の考えをほかの人に伝えたり、自分をアピールしたりする能力は大切です。周囲を気にしてばかりしていると企業側の印象に残りにくくなったり、自分のよさが伝わらなくなったりすることもあるため、発言を遠慮しすぎないようにしましょう。
評価ポイント5.対応力
就活のグループワークでは、事前に出そうなテーマを予想して対策したり、グループワークのすすめかたを学んだりしたうえでのぞんでいる就活生が大半ではないでしょうか。しかし、想定していたテーマと違うものが出題されたり、初対面同士のメンバーとの議論かつ企業側に見られているという環境に緊張してしまったりする可能性もあるでしょう。
実際の仕事では予期せぬアクシデントに遭遇したり、はじめて会う取引先など初対面の相手と話したりする機会が多くあります。企業側としては、慣れない環境でも物怖じせず発言できたり、議論がうまくすすまない場合でも機転を効かせたアイデアを出せたりするような学生を評価することが考えられます。
評価ポイント6.マナーや身だしなみ
企業に入社して働くことになった場合、マナーや身だしなみなどにおいて、その企業の一員として恥ずかしくない立ち振る舞いが求められます。
そのためグループワークでも、基本のあいさつができている、笑顔を見せるなど表情が豊か、正しい言葉遣いができている、だらしない髪型や服装になっていないなどのポイントも、面接などの際と同じくらい見られていると考えたほうがよいでしょう。
特別気合いを入れる必要はないものの、第三者から見て清潔感のある見た目にすること、違和感のない言葉づかいをすることなどを心がけることをおすすめします。
評価ポイント7.責任感
仕事では、自分のやること・やったことに責任を持ったり、自分が勤務している企業や所属する部署の状況や課題を「自分ごと」としてとらえたりする姿勢が求められます。
そのため、グループワークで議論が進まないときなどにみずから発言して調整していこうとすることで「自分がなんとかしなくてはと考えている」という責任感のある人材として評価される可能性が高いでしょう。
グループワークのテーマの種類
グループワークの種類は、大きく分けて作業型・プレゼン型・ビジネスケース型の3パターンがあります。それぞれの特徴や企業側の意図について解説します。
テーマ1.作業型
作業型とはその名のとおり、メンバーが手を動かして作業をするグループワークです。
特徴
話し合いとは異なり、制作物をつくりあげるための課題が出題されるのが一般的です。時間内に成果物を完成させる必要があるため、すみやかに役割分担をしたり効率的に作業をしたりすることが求められます。
具体例の紹介
作業型のグループワークでは、例として以下のような課題が出されることがあります。
- 新しい我が社のイメージキャラクターを作ってください
- ここにある材料を使って「未来」というテーマでオブジェを作ってください
作業型の多くがその企業の事業内容によって出題されることが多いです。それぞれの企業の特徴を把握して企業のグループワークを受けていきましょう。
企業側の意図
限られた時間でどのように段取りをし、優れた成果物を完成できるかを見ています。成果物のクオリティのみならず、そのためのプロセスが重視されています。
テーマ2.プレゼン型
メンバー同士でテーマに関する議論をおこない、最後にプレゼンという形で発表するグループワークです。
特徴
議論だけで終わるのではなく、その内容を紙にアウトプットしたり、プレゼンで発表できるかたちに結論をまとめたりすることが求められます。
具体例の紹介
プレゼン型のグループワークでは、例として以下のようなテーマが出題されることがあります。
- 日本の少子化を改善して人口を増やすための方法を提案してください
- 現在の新卒者の就職活動の問題点とその解決方法を提案してください
プレゼン型の傾向として、その企業の問題として認識していることを就活生がどのように解決するのかを見るケースが多いです。大切なのは、答えではなく、答えに行きつくまでのプロセスであることを意識しましょう。
企業側の意図
議論した内容を時間内にまとめ、発表できるかたちに持っていくための行動力や計画性、協調性が見られています。また、プレゼンをする前に「本当にこの内容でいいか、正しいのか」を確認・検証する姿勢も評価されます。
テーマ3.ビジネスケース型
議論を通じて、ビジネスにおける課題解決をすることを目的としたグループワークです。
特徴
実際のビジネスで起きている問題をどう解決するかが求められるため、グループワークのなかでも難易度が高いのが特徴です。
具体例の紹介
以下が、ビジネス型の出題形式になります。
- ○○社の主力商品●●の国内シェアを1位にするためのアイデアを考えてください
- 当社の新商品●●のプロモーションプランを考えてください
ビジネス型の場合は、まさにその会社の特色が出る傾向があります。就活生は前もって企業分析をしてどのような問題が出るのか把握しておきましょう。
企業側の意図
実際のビジネスでも実現可能なレベルの発想力や論理的思考力、現実的な目線を持っているかなどが見られています。
グループワークの注意点とポイント
就活のグループワークに参加する際は、就活生は以下のことに注意してのぞみましょう。
注意点1.人の話は最後まで聞く
ほかのメンバーが自分の意見を話している途中で「それは違うんじゃないか」「自分はこう思う」など、人の話をさえぎる行為はNGです。真剣に議論することは大切ですが、相手の話を聞かないことは失礼な印象にもなりかねません。企業側からも「他人の考えを聞き入れなそう」という印象を持たれてしまう可能性があります。
注意点2.論破しようとしない
自分の意見に自信がある就活生にありがちですが、グループワークで議論をしている途中で意見が対立したとき、対立意見を論破しようとするのは避けましょう。就活のグループワークは相手をやり込めることが目的ではなく、メンバー同士で協力し合い、結論を導き出していくことが求められています。
そのため、頭ごなしに意見を否定してしてしまってはチームの雰囲気も悪くなってしまいます。まずは他人の意見を肯定した上で、自分の意見を述べることを心がけましょう。
注意点3.失礼な態度を取らない
グループワークでは、自分が発言していないときの様子も見られています。そのため、態度には十分に注意しましょう。発言している人のほうを見ない、興味がなさそうに下を向いている、眠そう・めんどくさそうにしている、などの態度は企業側にマイナスの印象を与えてしまいますし、参加しているほかのメンバーにも失礼です。
つねに「見られている」ということを忘れずに、グループワークに直接関係ない場面でも気を抜かないようにしましょう。
グループワークの発表者になったときのポイント
グループワークの最後にプレゼンなどをする際、発表者になったときに意識したい点は、以下の通りです。
結論から話す
グループワークの発表の時間は限られているため、結論から話すことを意識し、なるべく簡潔にまとめましょう。
まわりくどい話し方だとなかなか発表が終わらなかったり、聞いている人に「何を言いたいのかわからない」と思われてしまったりすることがあります。
メンバーの一員であることを忘れない
グループの代表として発表することになった場合でも、自分はメンバーの一員であり、発表するという役割を担っているということを忘れないようにしましょう。
「私は」ではなく「私たちは〜」などのように、メンバーで協力したことを織り交ぜるようにするとよいでしょう。
自信を持って話す
グループワークでは時間内に成果物を完成させることは必要ではあるものの、成果物そのもののクオリティだけで評価されるわけではなく、その過程のほうが重視されるのが一般的です。
そのため、未熟な箇所があったとしても自分たちが取り組んだことに自信を持ち、堂々と発表するようにしましょう。
グループワークは対策が大事!
就活におけるグループワークの目的や評価の基準は理解できたでしょうか。グループワークは、その場で出された課題に対して適切に対応することや、初めて会った選考者とチームになり協力することが必要なため苦手としている学生は多いです。グループワークはコツをつかんで対策を行うことで慣れることができます。しっかり対策をしてグループワークを突破しましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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