教えて!就職の際に求められる保証人について

教えて!就職の際に求められる保証人について

内定が決まると様々な書類を提出したり手続きを進めたりしますが、その中で企業から「身元保証人を用意して」と言われることがあります。

いきなり保証人と言われても内容がよくわからず、困ってしまう人も多いでしょう。

そこで今回は、いざというときに慌てないよう、保証人を誰に頼むか、誰にも頼めない場合はどうすれば良いのかなど基本的な情報を説明していきます。

知りたい!就職時の保証人について

企業から内定をもらうと、就職するに当たって「身元保証人」というものを立てるよう指示されることがあります。

保証人と聞くと借金の連帯保証人をイメージして驚いてしまう人もいるでしょうが、もちろん全く別のものです。

就職における身元保証人というのは、その名の通り社員の身元を保証してくれる人のことを指し、「その社員は御社に対して損害を与えたり問題行動を起こしたりするような人ではない」ということを正式に証明するためのものです。

なぜこのようなことを行う必要があるのか、詳しい理由や背景をみていきましょう。

身元が確かだと証明する

身元保証人が必要になるのは、面識のない人間を社内に招き入れるのに際し、その人から受ける損害のリスクをできる限り小さくするためです。

じっくり時間をかけて採用試験を行って内定を出したとは言え、関係の浅い人間を企業の運営に携わらせるのは少なからず不安もあります。

真面目に働いてくれるのか、問題を起こさないのかなど、ある程度長く一緒に働くまでは信用することはできません。

そこで、「身元がしっかりした人物である」と第三者に保証してもらうことで、安心材料としているのです。

内定者としては信用してもらえないのかと少し悲しい気持ちになるでしょうが、これは企業のリスク管理を考えると仕方のない部分でもあります。

ただし、全ての企業が身元保証人を求めるのかというと、そうとも限りません。身元保証人を求める企業もあれば全く気にしない企業もあり、保証人が必要になるか否かは内定をもらわないと分からないことが多いです。

そもそも身元保証を求めることに法的な正当性があるのか気になる人もいるでしょうが、身元保証は企業と社員が結ぶ雇用契約の一種だと考えられています。

雇用契約の具体的な内容などは企業に一任されているため、身元保証をするもしないも企業の自由なのです。

身元保証人を求めることで、その社員が会社の就業規則を守って忠実に勤務することを約束させることもできるため、様々な面でメリットがあります。

損害賠償責任が発生した場合に連帯責任を負ってもらう

身元保証には単に身元を証明するという目的だけでなく、万が一のときには保証人に連帯責任を負ってもらうという目的もあります。

仮に社員が問題を起こして企業に損害を与えた場合、その内容によっては損害賠償責任が発生する可能性があります。

本来なら当事者である社員が損害賠償金などを支払うのですが、経済的に損害賠償責任を果たせない場合、または損害賠償を無視して行方不明になってしまった場合はどうなるでしょうか。

企業としても泣き寝入りするわけにはいきません。このような場合、身元保証人がいれば損害賠償責任を第三者に担保させることができるのです。

万が一の事態が起きた際でも損害賠償請求がしっかり行えるとなれば、企業は安心して内定を出すことができるというわけです。

身元保証人は必ず責任を負わされるのか?

身元保証人側から見ると、将来その社員がどんな損害を引き起こすか事前には分かりません。

借金の連帯保証人はあらかじめ負担する可能性のある債務の金額が分かっていますが、身元保証人の場合はそうはいかないのです。

これでは身元保証人のリスクが高すぎるということで、身元保証法という法律で保証人が負うべき責任の範囲が定められています。

たとえば身元保証を行う期間は最長でも5年、特に期間を定めていなかった場合は自動的に3年間のみ責任を負うことになります。

さらに身元保証人に責任を問う可能性が発生した場合、または転勤などで身元保証人がその社員を監督できなくなった場合などは、速やかにその旨を身元保証人に通知する義務が企業に課せられています。

このような通知を受けた場合、身元保証人は一定の条件下で責任を解除することも可能です。

企業と裁判になったとしても、身元保証人には情状酌量が行われるのが一般的なので過剰な責任を負わされる心配もありません。

このように、大きすぎる責任から身元保証人を保護する法律も存在するので、誰かに身元保証人をお願いするときはこのことを説明して安心させてあげましょう。

親でもいいの?保証人は誰に頼めばいいのか

身元保証人は、社員が何らかの問題を起こした場合に責任を問われる可能性があります。このため友人や親戚には頼みにくく、実際には社員の両親が保証人になるケースがほとんどです。

企業側からも「身元保証人にはご両親を」と指示されることが多いです。

ただし、身元保証人に関する項目は企業が自由に決められるため、身元保証をお願いする人や条件などは企業ごとに異なります。

よく見られる身元保証人の条件としては、社員本人と別の世帯を持っていること、安定した収入があること、二親等以内の親族を除くことなどが挙げられます。

たとえ両親であっても、企業が指定するこのような条件をクリアできなければ、身元保証人になれないこともあるのです。

逆に条件さえ満たしていれば、両親はもちろん配偶者や兄弟姉妹、親戚に友人など誰でも身元保証人になれるということです。

また、企業によっては身元保証人の範囲だけでなく人数まで条件として指定されていることもあります。

基本的には1人用意すれば十分なのですが、より慎重さを求める企業は2人以上の保証人を指定することもあるのです。

損害賠償責任が高額になる可能性がある場合も、身元保証人が1人では賠償責任を負いきれないと考え、2人以上必要とすることが多いです。

ただでさえ損害賠償責任を負う可能性のある身元保証人を見つけるのは大変なので、その人数が増えれば増えるほど、当然ながら身元保証人探しは難航します。

親戚が少なかったり疎遠だったりすれば、条件を満たす身元保証人はますます見つかりにくくなるでしょう。

このような場合は、親戚を諦めて友人や知人などにお願いするのも一つの方法です。

身元保証人は両親や親戚が基本ですが、条件を満たせば友人や知人でもなれないわけではありません。

友人や知人でも相手がOKしてくれさえすれば、その人になってもらっても構わないのです。基本的には両親や親戚、それがダメなら友人や知人と覚えておきましょう。

重視されるのは続柄ではなく、あくまでも万が一のときにきちんと損害賠償責任を負えるかということなのです。

したがって、身元保証人の人数が多くて困っている場合は友人や知人にも相談してみると良いでしょう。

ただ、友人や知人は保証人という名前の響きから借金の保証人を連想し、断られてしまうことも多いです。

両親や親戚にお願いするとき以上に苦労することが考えられるので、友人や知人にお願いする場合は身元保証人について正しい情報を説明することが大切です。

確かに損害賠償責任はあるものの、責任の範囲は法律で保護されていますし、そもそも企業が社員に対して実際に損害賠償請求することは稀です。

最初から債務が発生している借金の連帯保証人とは明らかにリスクの大きさが違うので、その点を正しく説明すると良いでしょう。

どうしたらいい?頼める人がいない場合

入社する際に身元保証人が必要になったものの、なかなか保証人になってくれる人が見つからなかった場合はどうすれば良いのでしょうか。

中には事情を話せば特例で入社を認めてくれる企業もあるでしょうが、基本的には指示された保証人はきちんと見つけなければなりません。

保証人が見つけられなければ内定を取り消されてしまうケースもあるので、できるだけ早く対処する必要があります。

このような場合に役立ってくれるのが、「身元保証人代行サービス」です。

身元保証人代行サービスとは、その名の通り保証代行会社が両親などの代わりに社員の身元保証人になるというもので、保証代行会社に所定の費用を支払うことで利用することができます。

もちろん、申し込めば誰でもすぐに利用できるというわけではなく、保証代行会社が行う書類審査などをクリアしなければなりません。

書類審査の内容によっては保証代行会社からサービスを断られてしまう可能性もあるので、最後まで気を抜かないようにしましょう。

サービスの費用は保証代行会社によって様々ですが、一般的には1件当たり数万円で身元保証を請け負ってもらうことができます。

「わざわざリスクの高い身元保証人になりたがるなんて怪しい」と感じる人もいるでしょうが、保証代行サービス自体は決して珍しいものではありません。

たとえば賃貸物件を借りる際、保証会社の利用が契約の条件になっているケースも多いです。

物件のオーナーにとっては、個人の保証人よりも企業である保証代行会社が家賃を保証してくれた方が、社会的信用が高いため安心できるのです。

就職時の身元保証人もこれと同じで、保証代行会社が身元保証を行ってくれれば万が一のときでも損害賠償がスムーズに行えます。

個人を相手に損害賠償請求を行うより、企業である保証代行会社を相手に請求した方がより高い確率で迅速に賠償してもらえるのです。

また、代行サービスを利用する際に書類審査もきちんと行われているため、その社員が問題のある人物ではないと客観的に判断することもできます。

このため、内定を出した企業も保証代行会社の利用を禁じることはほとんどありません。

どうしても身近な人に身元保証人をお願いできない場合は、思い切って専門家である身元保証人代行サービスの利用を検討してみましょう。

就職時の保証人について理解しておこう!

身元保証人という制度は、法律で画一的に認められたものではありません。

あくまでも雇用契約の一部分として慣例的に行われてきたものなので、企業によって身元保証人をどの程度重視するか、どこまで責任を問うかなどの判断がバラバラです。

企業の採用担当者ですら身元保証人について正確に説明できないこともありますが、指示された以上はしっかり保証人になってくれる人を見つけなければなりません。

この制度に納得できないからといって身元保証人を立てるのを拒否したり企業側に物申したりすれば、余計なトラブルになってしまうでしょう。

せっかく厳しい採用活動を乗り切って掴んだ内定なのに、そんなことで就職時から企業にマイナスイメージを与えてしまうのは避けた方が賢明です。

どうしても身元保証人が見つからなかったり、書類をやり取りするのが面倒だった場合、「親の名前だから良いだろう」「どうせ誰が書いたかなんて分からないだろう」と甘く考え、自分で身元保証人に関する書類に署名と捺印をしてしまう社員もいます。

もちろん身元保証人は本人以外の第三者がなるものなので、他の人のふりをして社員本人が署名捺印することは認められません。

自分では注意して署名したつもりでも、ほとんどのケースで筆跡から社員本人が書いたとバレてしまいます。他人の名を語って重要な書類を偽造するというのは、社員としてはもちろん社会人としても絶対にやってはいけないことです。

自分の評価を自分で下げることにもなりかねませんし、仕事でも同じようにとんでもないことをやるのではないかと警戒され、場合によっては内定を取り消されてしまう可能性もあります。

このような事態を避けるためにも、身元保証人を求められた場合は誠実に対応することが重要なのです。

企業が定めた条件を満たす保証人を探し、なかなか見つからない場合は保証人代行サービスを利用しましょう。

どの保証人代行サービスを利用すれば良いか分からない場合は、まず企業に相談してみてください。身元保証人を指示している以上、企業も保証人が見つからなかった場合の対処法を準備している可能性があります。

企業と付き合いのある所定の保証人代行サービスに申し込むよう指示されることもあるので、一人で悩まずまずは相談してみましょう。

間違っても、自分で他人の名前を書いたり企業に文句を言ったりしないようにしてください。

就職時に必要となる手続きは、社会人として行う仕事の第一歩でもあります。身元保証人さえきちんと用意することができれば、晴れてその企業で仕事に打ち込むことができるのです。

充実した社会人生活を送るためにも、スムーズに身元保証人を用意できるよう、内容について正しく理解しておくことが大切です。

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