ハローワークに初めて行く人は、何ができるところなのか、服装や準備するものがあるのかなど不安に思うことが多いのではないでしょうか。
この記事では、ハローワークについてや営業時間などの基礎知識だけでなく、どのように相談するかなど、ハローワークへ行ってからの一連の流れについても解説します。
- ハローワークに初めて行く人は、「基礎知識」「利用の流れ」を参照しよう
- 初めてならハローワークに登録だけすることも可能。情報収集や職業訓練などの活用方法も
- ハローワークに初めて行く際は普段着でOK!面接練習などではスーツ着用が無難
この記事の目次
ハローワークとは-利用できるサービスを紹介-
ハローワークとは、厚生労働省が運営する公共職業安定所です。ハローワークで受けられるサービスは、大きく以下の3つに分けられます。
- 求人情報の検索・職業相談
- 失業保険の手続き
- 職業訓練
これら3つのサービスの具体的な内容について、解説します。初めてハローワークを利用する場合、何ができるのかや、何から手を付けたらよいのかわからない方もいるかもしれません。まずは、この3点を理解しておきましょう。
こちらの動画では、ハローワークを使った就職方法について解説しています。ハローワークのメリットやデメリットまでご紹介していますので、動画で見たいという方はこちらをご覧ください。
求人情報の検索・職業相談
ハローワークでは数多くの求人を扱っています。掲載されている求人情報は無料で検索・閲覧でき、自分に合った仕事を見つけたらその場で応募することが可能です。
さまざまな雇用形態、職業の求人情報を扱っているので、正社員求人を探している人だけではなく、バイトやパートなどの仕事を希望する人の求人のニーズにも対応しています。
求人情報はハローワーク内のパソコンを使い、条件に合った求人を検索することで閲覧できます。気になった求人があればそれをプリントし、ハローワーク職員に選考を受けたい旨を伝えれば、企業に電話をしてもらえます。
なお、ハローワークの求人情報閲覧サービスは、自宅からもネットでも見ることができるようになっています。ただし、実際に応募したり、不明点などを質問したりする場合は、やはりハローワークで求職者登録を済ませたうえで、直接ハローワークの施設に出向いたほうがスムーズです。
仕事探しや就職全般・ハローワークで見つけた企業に関する質問などのための、職業相談も利用できます。窓口で職業相談をしたい旨を伝えるか、一部電話でも相談することが可能です。
いまはまだ新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、多少施設の利用が制限されている部分もあるでしょう。しかし初めてハローワークを利用する場合は、直接行ってみることをおすすめします。
失業保険の手続き
雇用保険に一定期間加入し、月々の給与から雇用保険料が支払われていた人に関しては、退職後に失業給付を受けることが可能です。これは転職活動中に生活に困らないために支給されるお金ですが、ハローワークでの手続きが必要不可欠です。
失業した人全員が受けられるというわけではありませんが、自分がその条件を満たしているのかどうかという確認も行ってくれますし、初めての人には、手続きに関してもくわしく説明してくれます。また、再就職ができた場合、条件を満たしていれば再就職手当を受け取ることも可能です。
職業訓練
就職や転職のためにスキルを身につけようと思えば、通常はセミナーに足を運んだり、通信講座を受ける必要があります。
これらはお金がかかることが多いため、求職中の状況で払っていくのは大変です。しかし、現在仕事をしておらず条件に該当する人であれば、誰でも平等に職業訓練を受けることができます。
たとえばパソコン講座やネイルアート、電気工事関係など、さまざまな職業訓練講座が用意されています。ハローワークの職業訓練は、就職/転職のために、過去の学歴や職歴とは関係なく新しいことに挑戦したい、スキルを身につけ腰を据えて働きたいという前向きな気持ちを応援してくれるサービスです。条件を満たしていれば、職業訓練を受けながら給付金を受け取ることも可能です。
ハローワークの利用の流れ【仕事探し編】
初めてハローワークで仕事探しをする人へ向けて、利用の流れをご紹介します。「ハローワークで求人を探してみたい」という方は、これからご紹介することを参考にしてみましょう。
「仕事探しではなく失業保険をもらうことが目的」という場合には、ハローワークに出向いて受付へ行くというステップまでは同じですが、その後の流れは異なります。くわしくは後述する「【失業保険の場合】ハローワークの利用の流れ」でご紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。
それぞれの目的に応じた方法で、正しくハローワークを活用しましょう。
持ち物/必要なもの
ハローワークへ初めて仕事探しへ行く場合、前述した「求職登録」をすることになります。求職登録に関して、持ち物は特に必要ありません。ただし、以下のようなものがあるとスムーズです。
- 筆記用具/メモ帳
- 履歴書・職務経歴書(または、自分の学歴や職歴がわかる書類)
いずれも必須ではありませんが、できればあったほうがよいでしょう。履歴書・職務経歴書は直接ハローワークに提出するということではなく、求職登録のときに学歴や職歴を書く欄があるため、それらがすぐにわかる資料があったほうが入力しやすくなります。ただし自宅で仮登録をしてからハローワークへ行く場合は、持参する必要はありません。
なお、求職登録だけでなく雇用保険などの手続きなどもする場合には別途必要な書類が出てくるため、注意が必要です。
登録後はハローワークカードが発行され、利用時にはカードを提示することでサービスを受けられるようになります。
初めて仕事探しをするうえで準備しておくこととしては、以下があります。もちろん全部やっておかなくても大丈夫ですが、余裕があればやっておいたほうが、より仕事探しがしやすくなります。
- これまでの職歴をまとめておく
- 自分の性格や特徴、得意・苦手などを把握しておく
- 希望する業界や職種などを考えておく
- 優先順位を決めておく(給料、土日休み、勤務地など)
- 就職したい時期を決めておく
ハローワークでは求人の検索や閲覧だけでなく、職業相談を利用して担当者に相談することも可能です。必ず受けなければいけないものではありませんが、自分の疑問や不安点などを相談できるため、活用するのもひとつの手です。
職業相談をする場合、自分の過去の経験や今後の希望などが明確になっていたほうが、話が進めやすくなります。事前に、できる範囲で準備しておくとよいでしょう。
職業相談は何度でも受けられるほか、ハローワークへ初めて行ったときに必ず受けなければいけないわけではありません。ハローワーク初回は求職登録やサービスの説明を聞く、求人検索をする程度にしておいて、2回目に利用する際に職業相談をするという形でも問題ありません。
仕事を探す場合の利用の流れ
まずは受付で、以下の3点を伝えましょう。
- 自分の現状(既卒、ニート、転職活動中など)
- ハローワークに来た目的
- 今回初めてハローワークに来たこと
ハローワークには多くの人が訪れているため、どのような目的で来たのかをわかりやすく伝えるのが先決です。受付以外に案内役として何人かのスタッフが立っているハローワークもあるので、その人に尋ねれば丁寧に教えてくれます。
ハローワークの職員は、就職/転職活動中のあなたと企業とを結びつける仲介役だけではなく、就職/転職の相談も行っています。たとえば、以下のようなことを聞いてみるのもよいでしょう。
- ハローワークで取り扱っている求人について
- 書類の書き方や面接対策について
- 今後の仕事やキャリアについて
- 第三者から見た自分の適性について
気になった求人がある場合、その求人に関する疑問点などを質問してみましょう。詳細を答えてもらえる可能性は低いものの、基本的なことは教えてもらえます。直接履歴書や職務経歴書などを持参して書き方などをチェックしてもらうのもよいでしょう。
仕事探しや就職についてなどの質問をしたり、過去の職歴などからアピールできそうなところはどこかなどを聞いてみる方法もあります。
コツとしては「就職活動の方法のひとつとしてハローワークを利用する」というスタンスでいることです。ハローワークはあくまで国が運営する機関であり、使ったからといって必ずしも納得いく就職や転職ができるとは限らないためです。
ハローワークに過剰に期待するのではなく、ほかの方法と併用しながらハローワークも活用するという姿勢のほうが、結果としてよい流れになることがあります。
ハローワークで仕事を探す上でのよくある質問
ハローワークで仕事を探すとどれくらいで就職が決まるのか、応募しなくても求人を見るだけでも問題ないのかについて、それぞれ知っておきましょう。
ハローワークで応募~内定までの期間は?
ハローワークを利用して就職が決まるまでの期間は人それぞれですが、通常の就職活動と同様、就職が決まるまでには数か月程度見ておいたほうがよいでしょう。
ハローワークで応募したとしても、基本的には一般的な採用選考と同じになるため、書類や面接の選考を経て、合否がわかるという流れです。早ければ、応募から内定まで約1か月程度ということもあり得ます。
ハローワークで応募したい企業が見つかった場合には、紹介状を発行してもらいます。書類選考がある場合は応募書類と紹介状を送り、書類選考がない場合には、面接の際に紹介状と必要書類(履歴書・職務経歴書など)を持参します。
ただし「どこでもいいからとにかく就職したい」という人であれば別ですが、ほとんどの場合、自分に合った仕事や企業への就職を希望しているはずです。そうなると、担当者に相談したり、自己分析をするなどして就職の方向性を決めたり、応募前にセミナーに参加したり、事前の対策や準備をしたりすることになるため、一定の時間は必要になるでしょう。
ハローワークに行くときは、求人を見るだけも可能?
ハローワークは、求人を見に行くだけという使い方でも大丈夫です。ハローワークを利用したら、求人に必ず応募しなければいけないという決まりはないので、見るだけでも何の問題もありません。
また、無理に求人を探したりしなくても大丈夫です。ハローワークには非公開求人などはなく、公平・平等に求人情報を公開しているため、求職者であれば誰でも同じ情報を見ることができます。「どんな求人があるかちょっと見てみようかな」という気持ちでも、利用して問題ありません。
ハローワークでは自分のペースで求人情報を検索できますし、困ったときや聞きたいことがある場合には、サポートしてくれる職員がたくさんいます。できるだけ早く仕事を見つけることができるようにと協力してくれるので、心強い味方となるでしょう。気になった求人票があれば、プリントして持ち帰ることも可能です。
ただし、応募する気のない求人についてくわしく聞こうとしたり、応募したものの突然面接を辞退するなどの行為は迷惑になるだけでなく悪印象を与えることにもなるため、やめましょう。
ハローワークの利用の流れ【失業保険の受給編】
次に、ハローワークでは失業保険の申請・受給も可能です。失業保険とは公的な保険制度の一種で、なんらかの事情で失業した人の求職中の生活を安定させ、再就職が決まるまでの期間を支援するための給付金のことです。
ここでは、初めてハローワークで失業保険を受給する方向けに、持ち物や利用の流れなどを説明します。
持ち物/必要なもの
失業保険の手続きをする場合は、持ち物が複数あります。具体的には、以下が必要です。
- 雇用保険被保険者離職票(1と2)
- 個人番号(マイナンバー)確認書類
- 身元確認書類(免許証やパスポートなど)
- 写真2枚※正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm
- 印鑑
- 本人名義の普通預金通帳
- 求職申込書(ハローワークにもある)
人によっては準備に時間がかかる可能性があるのが、雇用保険被保険者離職票、個人番号確認書類、写真です。
雇用保険被保険者離職票は、会社を辞めるときに発行されます。手元にないまたは紛失したなどの場合、会社の管轄のハローワークに再発行申請(郵送による申請、インターネット電子申請も可能)をしなければいけません。また、前の会社に再発行を依頼する方法もあります。
個人番号確認書類は、マイナンバーを手書きしたものやコピーなどは不可となるため注意しましょう。マイナンバーカードがない場合は、マイナンバーが記載されている住民票の写しまたは住民票記載事項証明書を役所でもらい、持参します。通知カードも利用できますが、引っ越しや結婚などで記載と変更点がある場合には書類として利用できないため、こちらも気をつける必要があります。
写真はサイズと撮影範囲以外に厳密な決まりはありませんが、証明写真の機械などを使って撮影することも多くなるため、写真を撮るために機械を探したり、身だしなみなどを整えて出かけたりする必要が出てきます。
失業保険は条件を満たした人であれば、必要書類を持参して所定の手続きをすれば受け取ることができます。「失業保険が必要な理由」などを自分の言葉で伝える必要などはないため、特別な準備はしなくて大丈夫です。あくまで、持ち物を忘れないようにしましょう。
失業保険受給の利用の流れ
ハローワークで失業保険を受け取るまでの流れは、以下の通りです。
- 「持ち物、準備」で紹介した持ち物をハローワークに持参し、求職申込みをする
- そこから7日間待機する
- 雇用保険受給説明会と失業認定日にハローワークへ出席する
- 以降、4週間に1回程度の頻度で失業認定日に出席する(毎回、出席から約1週間後に給付される)
失業保険は申請したその日にもらえるわけではなく、待期期間があります。自己都合退職の場合は、待期期間満了の翌日から2か月間は給付制限があるため失業保険を受け取れないという点には注意が必要です。倒産・解雇などの会社都合退職であればこの給付制限はないため、失業保険を受け取れるタイミングは早くなります。
失業保険の受給条件について
失業保険を受給する要件としては、一定期間雇用保険に加入していたことと「就職の意思がありすぐにでも働くことができる状態だが、就職できていない」という失業状態であることが挙げられます。
雇用保険の加入期間は、それぞれ以下が受給条件に適用します。
- 一般の離職者:離職前2年以内に、雇用保険の被保険者期間が12カ月以上ある
- 特定理由離職者:離職前1年以内に、雇用保険の被保険者期間が6カ月以上ある
- 特定受給離職者:離職前1年以内に、雇用保険の被保険者期間が6カ月以上ある
たとえば解雇や倒産、家族の介護などがあり、自分の意思に反して急遽仕事を辞めなければいけなかった場合は、雇用保険の加入期間が6か月以上あれば受給条件に該当します。ただし「仕事が忙しすぎてつらくなった」「人間関係がうまくいかなかった」などの事情で会社を辞めた場合は、一般の離職者扱いになります。
まれにブラック企業などの場合、事業主が雇用保険に加入させていなかったケースがあります。しかしその場合、2年前までであればさかのぼって加入できるため、失業保険の受給対象になります。
ただし、たとえば「週に1回しか働いていなかった」などもともと雇用保険の加入対象外だった場合は、たとえ失業しても失業保険の対象者にはなりません。
なお、失業保険をもらうために職業相談を利用する方法や、職業相談では失業保険の目的以外に何ができるのかなどについて知りたい方は、以下の記事でくわしくご紹介しています。
ハローワークの職業相談サービスを活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハローワークの3つの基礎知識
ハローワークへ初めて行く人は、いつ利用できるのか、登録だけするのはOKなのか疑問に思うことが多々あるでしょう。ここでは、ハローワークを初めて利用する人が知っておきたい、3つの基礎知識について解説します。
1.ハローワークの営業時間
ハローワークの営業時間は施設によって異なりますが、おおむね平日10:00~17:00の間であれば、開いていることが多い傾向が見られます。
東京都であれば都内ハローワーク・関連施設の開庁時間一覧のように、インターネット上に公式の営業時間が記載されていますので、事前に調べてから行くとスムーズです。
一部、夕方~夜の電話相談受付や、土曜日にも営業していたり、電話相談のみOKという施設もあります。現在在職中の場合には、このようなタイミングで利用してみてもよいでしょう。
2.ハローワークの所要時間
ハローワークに求職登録だけをしに行く場合、窓口の込み具合なども考慮して、目安として約30~1時間程度見ておくとよいでしょう。ハローワークインターネットサービス「求職申込み手続きのご案内」の「求職申込み(仮登録)」から事前に入力しておくと、当日の手続き時間を短縮できます。
求職登録に加えて失業保険の受給申請を行う場合、所要時間はさらに長くなる傾向にあります。この手続きには、失業給付金の振込先金融機関届の記入や失業状態の確認書類の提出が含まれます。これらの書類作成に加え、給付金受給に関する重要な説明を受ける必要があり、約20分程度が必要です。
したがって、求職登録手続きと失業保険の受給手続きを合わせた所要時間は、全体で1時間〜1時間半程度を見積もると良いでしょう。
3.初めてハローワークへ行くときの服装
ハローワークへの初訪問時は、普段着で問題ありません。ハローワークは仕事の紹介や求人情報の検索、就職活動のアドバイスを提供する場所であり、採用選考を行う場ではないため、服装について特に心配する必要はありません。
ただし、模擬面接などの場合は、実際の面接を想定してスーツに慣れるためにもスーツ着用をおすすめします。
また、ハローワーク訪問時は清潔感のある服装を心がけることが重要です。公共の場にふさわしい身なりは、良い印象を与え、担当者からの親切な対応を受けやすくなるためです。
汚れたり破れたりした服、露出の多い服装や過度なアクセサリーを避け、清潔感のある服装を心がけ、自信を持って訪問しましょう。
まとめ
ハローワークを初めて利用する場合でも、その目的は人によって異なるでしょう。本来の仕事探しで利用したい人もいれば、失業保険をもらうための手続きのためという人、職業訓練を受けたい人、ちょっと求人を見てみたいという人もいるはずです。行ったことがない場合は少し緊張するかもしれませんが、気負わず気軽に足を運んでみましょう。
仕事探しにはハローワークを使う以外に、エージェントを活用するのもおすすめの方法です。自分に合った仕事や会社を探してもらえたり、キャリアコンサルタント資格を持ったプロのスタッフにアドバイスをもらったりして就職活動ができます。自分に合った方法で、就職を成功させましょう。
「ハローワークに初めて行く」人によくある質問
ハローワーク以外にも就職/転職エージェントを利用することができます。正社員経験がない人向けの就職/転職エージェントも存在し、ジェイックは20代、30代の正社員経験がない、もしくは浅い人向けのエージェントなので一人で就職活動をするのが不安な人は相談してみてください。
流れはハローワークに訪れた目的によって異なりますが、ハローワークの職員に相談をすれば案内をしてもらえます。仕事探しの場合はこの記事を参考にして、目的に合わせて案内をしてもらいましょう。
こんな方におすすめ!
- 自分に合った仕事が見つかるか不安
- ハローワークのサービスに物足りなさを感じている
- ハローワークしか利用したことがない
- 自分に合った仕事が見つかるか不安
- ハローワークのサービスに物足りなさを感じている
- ハローワークしか利用したことがない