
高卒ニートの2〜3割は1年以内に社会復帰を果たしているため、人生終わりではありません。35歳以上で正社員就職を実現している人もいますし、介護や製造業など人手不足の業界では学歴・経歴問わず採用も活発です。
この記事では、高卒ニートでも人生が終わりではない理由や、高卒ニートが歩むことができる主な選択肢を7つ紹介します。
社会復帰を目指すステップもお伝えしますので、就職に向けて何から始めれば良いかわからない方も参考にしてみてください。
この記事の目次
高卒ニートは人生終わりではない理由
無職状態にあった15〜34歳の高卒者のうち、男女ともに3割弱が1年以内に仕事に就いています(※)。正社員として就職している人もいるため、高卒ニートであっても「人生終わり」と悲観する必要はありません。
高校を卒業して3年以内であれば「新卒枠」に応募できる可能性もあり、この場合は仕事経験がなくても正社員として採用されることがあります。
卒業して3年以上が経っていても、事務職や介護職、製造業など、学歴や経歴を問わず未経験者を積極的に受け入れている仕事は多いため、高卒ニートであっても人生を諦めるのはまだまだ早いでしょう。
※出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③-平成29年版「就業構造基本調査」より-|図表3-18 1年前「無業・非家事非通学・無配偶で卒業者」(非求職無業+求職者)であった者の現状」p.105
1. 高卒ニートでも社会復帰できている
高卒で無職状態にあった人のうち、15~34歳は3割弱、35~44歳でも2割弱が社会復帰を果たしているため、高卒ニートでも人生終わりではありません。
1年前に無職状態にあった人の1年後の状況を追った調査によると、正社員を含め、何かしらの仕事に就いている人は高卒の15〜34歳男性で27.6%、女性で29.0%います。
高卒の35〜44歳は割合こそ落ちますが、就職先を見つけている人も一定数いるため、高卒ニートであっても就職を諦める必要はないでしょう。
▼無職状態にあった高卒者の1年後の状況
15~34歳 | 35~44歳 | |||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
正社員 | 12.0% | 5.7% | 7.3% | 3.8% |
パート・アルバイト | 8.3% | 12.7% | 4.0% | 7.9% |
派遣 | 2.8% | 4.4% | 2.7% | 2.0% |
契約・嘱託・その他雇用 | 3.3% | 3.8% | 3.2% | 1.9% |
役員・自営業主・自営手伝い | 0.8% | 0.9% | 1.8% | 1.2% |
家事等が主で有業 | 0.4% | 1.5% | 0.3% | 0.8% |
(計) | 27.6% | 29.0% | 19.3% | 17.6% |
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③-平成29年版「就業構造基本調査」より-|図表3-18 1年前「無業・非家事非通学・無配偶で卒業者」(非求職無業+求職者)であった者の現状」p.105,106
2. 新卒枠に応募できる可能性がある
卒業から3年以内であれば「新卒枠」に応募できることがあるため、高卒ニートでも就職のチャンスがあります。
新卒枠は“卒業予定”の学生を対象とした採用枠ですが、厚生労働省は「卒業後3年以内の既卒者」も新卒として扱うように働きかけており(※1)、実際に53.2%の企業が既卒者を新卒枠で受け入れています(※2)。
つまり高校を卒業してニート生活を送っていても、卒業後3年以内であれば新卒枠に応募できる場合があるのです。
新卒枠は、専門知識やスキル、仕事経験がなくても正社員として内定をもらえる可能性が高いことが特徴です。このように正社員就職のチャンスも残されているため、たとえ就職せずに高校を卒業したとしても人生を諦める必要はありません。
※1 出典:厚生労働省「3年以内既卒者は 新卒枠で応募受付を!!」
※2 出典:マイナビ「2026年卒企業新卒採用予定調査|既卒者採用について」p.126
3. 職歴なしの高卒ニートでも採用される仕事がある
熱意や人柄などを重視して採用を行っている企業は多いため、職歴がない高卒ニートでも「人生終わりだ…」と悲観しなくても大丈夫です。
たとえば事務職や介護職、製造業などは未経験者を受け入れている企業が少なくありません。仕事内容にもよりますが、これらの採用ではポテンシャルが評価される一方、仕事経験の有無や学歴などはそこまで問われない傾向にあります。
このように、職歴なしの高卒ニートでも採用されやすい仕事はたくさんあります。「高卒で働いた経験もないし…」と過度に落ち込まず、上記に挙げた職種を含め、未経験者を採用している仕事を探してみましょう。
高卒ニートの7つの選択肢
高卒ニートが選べる道はいくつもあり、代表的なのがアルバイト、派遣・契約社員、正社員、公務員です。職業訓練でスキルを身につける、フリーランスとして個人で働く、または大学や専門学校に進学するといった選択肢も挙げられます。
仕事に少しずつ慣れたい方は、アルバイトから始めてみましょう。正社員ほど就職のハードルが高くないので、派遣や契約社員を目指すのも一つの手です。
安定した働き方や収入を手にしたい方は、正社員や公務員を目指しましょう。正社員は「学歴不問」の求人も多く、公務員試験の中には高卒でも受験できる試験区分があります。
1. アルバイト
短時間勤務や数日から始められるため、正社員としていきなり働くことが不安な人はアルバイトから始めてみましょう。アルバイトは「職歴」にもなるため、職務経歴書に記載する内容も用意できます。
職場での経験を通して、基本的な社会人マナーやコミュニケーション力を無理なく身につけていけるのもメリットです。
また、勤務先によっては「正社員登用制度」を設けています。正社員登用制度とは、アルバイトや契約社員といった非正規雇用の従業員を正社員に切り替える仕組みのことで、勤務態度などが評価されれば正社員への道も開けます。
このようにアルバイトにはいくつもメリットがあるため、高卒ニートの“社会復帰の一歩目”の仕事としておすすめです。
2. 派遣・契約社員
正社員ほど就職のハードルが高くないため、高卒ニートの中には派遣や契約社員として働き始める人もいます。
派遣とは、派遣会社に登録し、別の企業で働く雇用形態のことです。営業事務やWebサイトの運用サポートなど、未経験から挑戦できる案件が多いことが特徴です。
派遣として一定期間働いたあと、派遣スタッフと企業の双方の合意があれば直接雇用(正社員など)に変わる「紹介予定派遣」という制度もあります。
契約社員とは期間が定められている働き方ですが、「正社員登用制度」を設けている企業も少なくありません。
派遣と契約社員は応募条件が厳しくない場合が多いため、「まずは働く経験を積みたい」と考えている方にとっては現実的な選択肢といえるでしょう。
3. 正社員
安定した雇用と収入が手に入るため、高卒ニートにとっては正社員就職も選択肢の一つです。
正社員は従業員から退職を申し出ない限り、基本的には会社の都合だけで解雇されることはありません。つまり「長く働き続けられる可能性が高い」という点が大きなメリットです。
どんな会社か分からないのにいきなり働くのは不安…という方は、「トライアル雇用」で働くのも手です。45歳未満のニートやフリーターなどを対象に、原則3ヶ月の“お試し勤務”を経て双方の合意があれば正社員として働ける制度で、ハローワークで求人を取り扱っています。
資格やスキルがなくても正社員として採用する企業も多いので、「人生終わりだ…」と悲観せず、正社員就職をぜひ目指してみましょう。
4. 公務員
公務員として採用されれば、民間企業のような倒産のリスクからはほぼ無縁の生活を送れます。そのため安定した働き方を実現したい高卒ニートの方の中には、公務員就職を目指す方も少なくありません。
公務員になるには試験を受けなければいけませんが、この試験はいくつかの学力レベルに分かれており、「高卒程度の学力」を対象とした試験区分もあります。つまり、大学に進学していなくても公務員として働くことは可能なのです。
高卒程度の学力試験を実施している主な仕事は、以下の通りです。
- 地方公務員(県庁職員、市役所職員、警察官など)
- 国家公務員(国家公務員一般職、税務職員など)
受験勉強は必要ですが、安定した生活を送りたい方は公務員就職も検討してみましょう。
5. 職業訓練
職業訓練(求職者支援訓練)は、ほぼ無料でスキルが身につくだけでなく、就職支援も受けられるため高卒ニートにおすすめです。
職業訓練とは、仕事で役立つ知識や技能を学べる国の制度です。ITスキルや介護技能などが身につく多くの講座が用意されており、ニートの場合は「求職者支援訓練」を受講できます。
- 2~6か月の訓練を無料で受講できる(テキスト代などは自己負担)
- ハローワークが求職活動をサポートしてくれる
- 月10万円の給付金を受けられる(支給条件を満たした人のみ)
このように手厚いサポートを受けられるので、「スキルを身につけたいけどお金も時間もかかるし…」と悩んでいる方は求職者支援訓練に挑戦してみましょう。
参考:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
6. 業務委託
業務委託とは「フリーランス」に近い働き方で、会社には所属せず、個人で仕事を請け負う形を一般に指します。そのため、自分のペースで働きたい高卒ニートの方におすすめです。
仕事内容はデリバリーやWebデザインなど様々で、自分の好きな時間に働きやすいのがメリットです。正社員のような安定性はありませんが、自由な働き方をしたい方には適しているでしょう。
フリーランスのように、会社に所属しなくても生活している人はたくさんいます。人生終わりだ、自分を雇ってくれる会社なんてない…と落ち込むときこそ冷静になり、まずは自分に合った働き方を考えてみましょう。
7. 大学・専門学校への進学
就職活動を有利に進めたい方や、専門的なスキルを身につけたい高卒ニートの方の中には、大学や専門学校への進学を目指す人もいます。
たとえば上場企業ほど「4年制大学を卒業見込み、または卒業した方」を応募条件とする傾向が見られるため、特に大手で働きたい方は大学進学を目指す価値は大きいでしょう。
ゲーム制作を学ぶために専門学校に通うなど、興味のある分野の仕事に就くために進学を選ぶのも一つの有効な手段です。
応募できる求人の選択肢を広げたい方や、やりたいことが明確にある方は、大学や専門学校への進学も前向きに検討してみましょう。
人生終わりじゃない!高卒ニートが社会復帰する5ステップ
高卒ニートが社会復帰をするには、5つのステップを焦らずに踏むことが大切です。まずは現状を受け入れ、生活リズムを整えましょう。次に大きな目標を立て、そこへ向けて小さな行動を積み重ねながら、自己分析にも取り組んでみてください
「人生終わりだ…」と気持ちが沈んでいる状態から、いきなり就職を目指すのは心身ともに負担が大きいものです。「週5日の正社員として働く」と考えただけで、不安に押しつぶされそうになる人も多いかもしれません。
焦ると心配事が増え、気持ちの余裕もなくなるので、まずは5つのステップを丁寧に、一歩ずつ踏みしめていきましょう。
1. 現状を受け入れる
社会復帰に向けた一歩目は、今の自分を認めることです。現状を受け入れることで、次の行動につながりやすくなるからです。
「どうして自分はダメなんだ…」「もう人生終わりだ…」と自分を責め続けると、自己肯定感が大きく下がり、次の行動へと進むモチベーションも湧いてきません。
一方で「これが今の自分なんだ」と受け入れると、自己否定のループから抜け出すことができ、次のアクションを落ち着いて考えられるようになります。
2. 生活リズムを整える
次に、生活リズムを整えましょう。就職活動を続けるには体力がいりますし、安定した生活リズムができていれば無理なく働き出せるからです。
ニート期間が長引くと昼夜逆転の生活になりがちなため、まずは毎朝決まった時間に起きることから始めてみましょう。
「一日5分だけ早く起きる」と決めるだけでも構いません。いきなり習慣化しようとすると挫折するリスクが高まるので、まずは小さなことから始め、少しずつ生活リズムを整えていきましょう。
3. 目標設定をする
生活リズムが整うとメンタルにも良い影響があるので、「人生終わりだ…」という暗い気持ちも少しずつ和らいでいきます。そこで今度は、具体的な目標を立ててみましょう。
たとえば「アルバイトに応募する」「3月までに正社員として働く」といった目標でも構いません。目標があると“今やるべきこと”が明確になり、漠然とした不安も減っていきます。
就職に向けて進んでいる実感が得られると気持ちもさらに上向くので、目標をぜひ考えてみてください。
4. 小さな行動から始める
自分にとって「大きな目標」を立てた後は、その目標に向けた「小さなステップ」を踏むことを意識してみましょう。いきなり大きな目標を目指すと、途中で挫折しやすいからです。
- 1日目:求人サイトを5つ探す
- 2日目:気になった求人サイトに登録する
- 3日目:登録した求人サイトの求人を眺める
いきなり最終目標を達成するのは難しいので、まずは小さな目標をクリアしていくことを目指しましょう。
5. 自己分析をする
生活リズムがある程度整い、目標も立てられたら、次は自己分析をしてみましょう。自分の強みや弱み、興味・価値観などが理解でき、これから目指すべき方向が明らかになるからです。
- 褒められた経験を思い出す
- 苦手なことを思い出す
たとえば「ノートがきれいなことを先生に褒められた」という経験があれば、自分はコツコツと何かを続けることが得意かも、といった気づきが手に入るかもしれません。
自分のことを深く知ることで、仕事選びの軸が定まります。そのため就職活動を具体的に進める前に、まずは自己分析に取り組んでおきましょう。
高卒ニートの就職活動のコツ
高卒ニートの就職活動では、資格取得や「未経験OK」の求人を探すといった行動が効果的です。ニート期間を前向きに伝える、マナーを身につける、就職支援サービスを利用するといった取り組みもおすすめです。
資格に関しては「介護職員初任者研修」や「MOS」など、1~3ヶ月ほどの学習期間で済み、就職活動と並行して取得を目指しやすい資格を選びましょう。
「ニートだから人生終わりだ…」と不安を感じている方は、未経験者向けの就職サービスに登録し、ニートの就職支援実績が豊富なキャリアアドバイザーに悩みを相談してみてください。
1. 資格を取得する
就職活動の「アピール材料」になるので、高卒ニートの方は資格取得を検討してみましょう。
たとえば介護職に応募する場合、最短1か月ほどで取得できる「介護職員初任者研修資格」を持っていると高く評価されます。
事務職に応募したい方は、WordやExcelなどの操作スキルを証明できる「MOS」の取得がおすすめです。
ただし資格取得だけに時間をかけると、ニート期間がさらに長くなってしまいます。そのため資格取得は就活と並行して進めたり、先ほど挙げた資格以外を目指す場合は就活を優先したりするなど、空白期間が開き過ぎないように注意しましょう。
2.「未経験OK」の求人を探す
高卒・社会人未経験でも応募できる求人に出会えるため、高卒ニートの就職活動では「未経験OK」の求人を探すことも意識してください。
就職サイトでは検索項目を設定できるので、「未経験OK」といった条件があれば選択し、ヒットした求人を中心にチェックしましょう。
特に人手不足が深刻な業界、たとえば介護や製造業、建築業、IT業界は未経験歓迎の求人が多く、学歴や仕事経験に関係なく応募を受け付けているケースが多いものです。
高卒ニートは応募できる求人が限られるからこそ、「未経験OK」の求人を探すことで選択肢を広げましょう。
3. ニート期間をポジティブに伝える
採用担当者に好印象を与えられるので、「ニート期間の過ごし方」を面接で質問されたときはポジティブな返答を心がけましょう。
高卒ニートの採用では、これまでの経歴や学歴といった“過去”ではなく、これからの成長性や入社意欲といった“未来の可能性”を評価してくれます。
そこで大切なのが、ニート期間を「将来に向けた準備期間」として伝えることです。未来に向けた行動に結びつけて説明することで、成長性や入社意欲をアピールできるからです。
機械系の工業高校に通っていましたが、どうしても授業についていけず、周りが就職するなか卒業を決意しました。卒業後は本当に自分が興味を持てる分野を探すために自己分析や業界研究を繰り返し、ITの技術職という仕事に強い関心を持ちました。現在は「エンジニアとして働く」という目標に向け、プログラミングスクールに通っています。
「人生終わり」と思ってしまうニート期間も、見方を変えれば「この先の準備期間」として捉えられます。まずは空白期間を“成長の機会”と考え、面接では前向きな回答を意識しましょう。
4. 社会人マナーや面接マナーを学ぶ
面接の評価が高まるので、高卒ニートの方は社会人マナーや面接マナーも押さえておきましょう。
多少緊張が見えても、身なりがしっかりしていて、丁寧な言葉づかいができる人は「社会に出ても安心して仕事を任せられる人」として良い評価を得られます。
一方、どんなに良いアピールをしていても、服装や髪型が乱れていたり、失礼な言葉づかいをしていたりすれば面接の評価は下がってしまいます。
マナーに自信がない方は「サポステ」を利用し、無料のビジネスマナー講座を受けるのもおすすめです。
第一印象は数秒で決まるともいわれるので、マナーを意識した行動を心がけましょう。
5. 未経験者向けの就職支援サービスを使う
就職成功に近づくことができ、精神的な支えも手に入るので、一人で進める就職活動に不安を感じる方は就職支援サービスの利用もおすすめです。
たとえば「就職エージェント」を使うと、求人紹介や履歴書の添削、模擬面接などを無料でサポートしてくれます。
特に社会人未経験者をメインにサポートしている就職エージェントでは、「未経験OK」の正社員求人を豊富に扱っています。ニートの方を多く支援してきた経験をもとに、「人生終わりだ…」という不安や悩みにも適切なアドバイスを送ってくれるでしょう。
高卒ニートからの就職活動は孤独を感じやすく、不安も大きいものです。そんなときこそ一人で悩みを抱え込まず、プロの力を借りることを考えてみてください。
【年齢別】高卒ニートの社会復帰のポイント
一口に「高卒ニート」と言っても、年齢によって社会復帰のポイントは異なります。18〜20歳は既卒でも応募できる新卒求人を探す、20代前半は早めに就活を始める、25歳以上は人手不足の業界への就職を検討することが大切です。
18〜20歳は新卒枠に応募できる可能性があるため、職歴がなくても正社員として採用されるチャンスがあります。
21〜24歳もポテンシャルが評価されやすいですが、20代後半を過ぎると就職難易度が高まるため早めの行動が欠かせません。
26歳以上はIT系職種や警備など、正社員不足が深刻な業種への就職を目指すのが現実的な方法といえます。
18〜20歳:「既卒」の求人を中心に探す
18〜20歳であれば「既卒」として新卒枠に応募できる可能性があります。そのためまずは新卒者向けの就職サイトなどに登録し、既卒でも応募できる求人を探しましょう。
既卒とは、学校を卒業または中退後、概ね3年以内で正社員経験がない人を指す言葉です。たとえば18歳で高校を卒業し、2年間のニート生活を送っている20歳は既卒に当てはまります。つまり、高校在学中の人と同じ「新卒枠」に応募できる場合があるのです。
新卒枠は「社会人経験がない学生」が主な対象のため、職歴がなくても応募できることがメリットです。正社員として内定をもらえるケースも多いため、18〜20歳の高卒ニートの方は「人生終わりだ…」と諦めることなく、まずは既卒の求人に応募してみましょう。
21〜24歳:早めに就職活動を始める
21〜24歳は若さや成長性が評価されて採用されやすい年齢ですが、年齢が上がるほど選択肢が狭まるので、できるだけ早く就職活動を始めることが大切です。
20代前半は思考も柔軟で、新しいことも素直に吸収しやすいという点で企業から高く評価されます。現時点で専門的なスキルがなくても、今後の成長を期待し、たとえ高卒ニートであっても正社員として迎え入れる企業も少なくありません。
ただし20代後半に差し掛かると、企業としては仕事経験が乏しい人より、3〜5年以上の実務経験を積んだ20代後半を「即戦力」として高く評価します。
このように20代後半を過ぎると就職のハードルが上がるため、21〜24歳の高卒ニートの方はすぐに就職活動を始めましょう。
26歳以上:人手不足の業界を狙う
26歳以上になると就職難易度が上がるため、まずは人手不足の業界を狙うのが現実的な方法といえます。
帝国データバンクの2025年4月の調査によると、正社員不足を感じている企業は51.4%と、半数以上の会社が人手不足に悩んでいることが示されています(※)。
特に「情報サービス」系は7割ほどの企業がエンジニアなどが足りないと回答しており、「メンテナンス・警備・検査」系の企業も人手不足が深刻です。
こうした業種の企業は正社員を確保するため、教育制度を整備するなど、未経験からでも安心して働ける体制を整えているところが多いものです。学歴や年齢に関係なく採用している会社も多いので、26歳以上の高卒ニートの方は人手不足の業界の求人をチェックしてみましょう。
※出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年4月)」
まとめ
この記事では、高卒ニートでも「人生終わり」ではない理由を解説しました。
自分が評価されるはずがない…と落ち込むかもしれませんが、少し冷静になると、高卒ニートを歓迎している企業が多いことに気づくはずです。
まずは自分の現状を認め、生活リズムを整えるなど、無理なくできることに取り組みつつ、社会復帰への準備を少しずつ進めていきましょう。




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