就活中に頻繁に耳にする「事業内容」という言葉ですが、正しい意味を知らないまま、なんとなく使用している人も多いのではないでしょうか。この記事では「事業内容」とは何か、また混同されやすい「業務内容」や「職務内容」についても解説します。言葉の定義を正しく理解し就活に役立てましょう!
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この記事の目次
「事業内容」「業務内容」「職務内容」の言葉の定義
事業内容の正確な理解のためには、業務内容・職務内容との違いをはっきりさせておくことが大切です。同じような言葉ということで混同されがちですが言葉の定義にいくつか違いがあります。次の段落からは事業内容・業務内容・職務内容の違いについて詳しく紹介していきます。
事業内容とは
事業内容とは、企業や組織がどのような仕事を行っているのか広域的に表す言葉です。細かな仕事内容を表すものではないため、内容が漠然としていることも少なくありません。例えばモノを売る仕事を行っている企業なら販売や製造、IT関係の企業ならゲーム開発やWebサイト制作などが事業内容となります。業務内容は必ずしも1つとは限らず、様々な事業を手広く行っている企業なら事業内容も幅広くなることが多いです。また同じモノを売る事業を行っている会社であっても、販売のみを行っているところ、開発や製造まで行っているところがあるため事業内容も異なります。
事業内容を理解するためには、事業者に関しても知っておく必要があるでしょう。事業者には、法人と個人事業者の2種類があります。法人は特定の手続きを行い法律的に認められた会社のことで、国や自治体、公共法人、株式会社などに分類されます。個人事業主は簡単に言えば個人で事業を行う人達のことです。個人で飲食店や小売店を経営している人、組織に属さず独立して仕事をしている医師や税理士などが個人事業主となります。
業務内容とは
業務内容というのは、事業内容よりも細かな仕事を表すものです。企業が行っている事業を達成するためには、様々な業務が発生します。例えば食品の販売を行っている食品メーカーなら、販売先の開拓や新しい商品の開発、宣伝、優秀な人材の確保など様々な業務が必要になります。こういった細かな仕事は営業部や広報部、人事部など様々な部署で行われています。簡単にいえば、こういった会社内に構成されている各部署で行われる仕事のことを業務内容と呼ぶわけです。同じ企業であっても、部署によって任される仕事が異なるため業務内容も変わってきます。
企業に入社するとそれぞれの部署に配属されることになりますが、ずっと同じ部署で働き続けることはあまりありません。部署を異動しながら様々な仕事を経験し、スキルアップしておく場合が多いからです。そのため、就職先の企業を選ぶ時は事業内容はもちろんですが、業務内容もしっかり把握しておかなければなりません。食品の販売事業を行っている企業であっても、部署によっては営業職や人事職、広報の仕事を任されることもあるため、自分が希望する業務を行う部署があるかチェックしておくことが大切です。
職務内容とは
企業や組織内で働く社員が個人で担当している仕事を指すのが職務内容で、事業内容や業務内容よりも細かく分類されています。例えば営業の業務を行う部署で働いている社員でも、全ての人が同じ仕事をしているわけではありません。法人相手に営業している人もいれば、個人相手に営業している人もいます。こういった個人個人が担当している仕事が職務内容となるわけです。
部署全体で1つの大きな仕事を行っていますが、それを達成するためには社員1人1人が異なる仕事をこなさなければなりません。割り振られる仕事は個々によって異なるため、職務内容を把握しておくことは大切です。職務内容は事業内容に比べれば範囲が狭くなりますが、その分個人が負う責任は大きくなります。そのため、部署で働く人間にとって職務内容は身近で重要な仕事の内容と言えるでしょう。
「事業内容」「業務内容」「職務内容」は問われる場面が違う
どういう場面で、どういう目的のもとに「事業内容」「業務内容」「職務内容」について質問されることが多いのか知っておきましょう。
就活で多く問われるのは?
就活活動で最も多く問われるのは事業内容です。事業内容は企業単位の仕事内容を表すものなので、応募者が自社の事業をどの程度理解しているのかを把握するために面接などで質問されます。企業の基本的な知識にもなるので、応募先の事業内容に関して何も調べず選考に挑むのは危険です。事業の内容を理解していない応募者を採用したいと考える企業は少ないでしょう。
自己アピールをするためにも事業内容を把握しておくことは大切です。応募先の企業がどのような事業をしているのか調べておけば、自分のスキルや経験がどのような事業に活かせるかアピールしやすくなります。また、事業内容を調べて何か企業の取り組みに魅力を感じることがあれば、それに対して共感を示すことで志望動機をより具体的なものにできます。志望の企業であればあるほど、事業内容などの基本的な情報を把握しておくようにしましょう。
職務経歴書に書く必要があるのは?
職務経歴書は、応募してきた人がこれまでにどんな職業に関わってきたかを知るために使われるものです。細かな仕事内容を知ることが目的となるため、業務内容や職務内容が問われます。もしこれまでに専門性が高い仕事をした経験があるなら、その業務内容や職務内容を事細かく書いておけば自己PRにつながるでしょう。また、ただ仕事の内容を書くだけではなく、どのような工夫をして業務を行っていたのか、その結果どのような成果を上げたのかなどを具体的に記載することで、より経験や実績をアピールしやすくなります。しかし、新卒の場合は職歴がないことが一般的なため、職務経歴書が必要になることはあまりありません。もし応募先の企業から職務経歴書を求められた場合は、学生時代のアルバイト経験や、長期インターンに参加した時のことを記載しておきましょう。アルバイト経験などもない人は、職歴なしとしておけば問題ありません。
事業内容・業務内容・職務内容を把握しておくべき理由
事業内容、業務内容、職務内容の言葉の違いや用途の違いを説明してきましたが、なぜそれらを理解しておく必要があるのでしょうか。ここからは、違いを把握しておかなければならない理由について紹介していきます。
理由1.ミスマッチを防ぐ
就活において重要になるのが自己分析と企業研究です。これまでに経験してきたことを具体的振り返る自己分析を行うことで、自分自身の特徴や強みを把握することができます。その上で企業研究を行えば自分にマッチする企業を見極めることができるのです。しかし、中には企業研究が上手く進まずに悩んでいる学生さんが多くいます。その原因の1つが事業内容・業務内容・職務内容の違いを理解できていないことです。同じ企業でも職種や部署によって行っている仕事は大きく異なるので、事業内容・業務内容・職務内容の違いを理解しておかないと自分が実際働いた時のイメージを掴むことができません。
例えば食品の販売を事業内容としているメーカーを見つけて、そこで営業の仕事をしたいと考え入社したとします。しかし、実際は商品の開発業務を行っている部署もあり、そこに配属されてしまい思っていた仕事ができないというケースもあります。これは事業内容と業務内容の違いを理解していないことで起こるミスマッチです。事業内容・業務内容・職務内容の違いを理解しておけば、こういった入社後のミスマッチを防ぐことができます。「やりたい仕事ができない」、「こんなはずじゃなかった」という失敗をしないためにも、仕事の内容に関してしっかり理解を深めておきましょう。
理由2.志望動機などの説得力が増す
面接では事業内容について問われることが多いですが、その時に職務内容について答えてしまうと面接官の印象が悪くなってしまう可能性があります。自社のことをしっかり調べていないということは滑り止め程度に考えているのではないか、事業内容と職務内容を混同しているため入社後のミスマッチが生まれるのではないかなど、不安を感じさせてしまうかもしれません。事業内容や業務内容に関する理解の深さを重要視する企業も多いので、それぞれの違いを理解して説得力のある受け答えができるようにしておくことが大切です。
事業内容だけでなく、業務内容、職務内容の意味もしっかり理解しておけば、応募先の企業への志望度もアピールできます。例えば志望動機を話す時に業務内容を理解しておけば、自分のスキルを活かすためにこの部署で働きたいと思っているなど具体的に話すことができます。また各部署の職務内容を調べておけば、どういう職務に自分のスキルや経験が活かせるかより具体的にアピールできるようになるでしょう。事業内容・業務内容・職務内容の意味の違いを理解しておくことで、志望動機を話す時に使い分けができるようになり、話の内容に説得力を持たせやすくなるというわけです。
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事業内容・業務内容・職務内容を知る方法
事業内容・業務内容・職務内容の違いを理解しておくことの重要性を紹介してきましたが、具体的にどのような方法で知ることができるのでしょうか。次の段落から、それぞれの違いを調べる方法を紹介していきます。
方法1.企業説明会・パンフレット
企業がどういう事業を行っているのか、ザックリと知りたい時に事業内容を調べることが多いでしょう。企業の事業内容は公式ホームページや企業のパンフレット、会社説明会などで知ることができます。漠然とした内容が書かれていることも多いですが、事業内容は企業理解の基盤になるのでしっかりと調べておく必要があります。企業全体でどのような事業を主に行っているのかを知ることで、ミスマッチを防ぐこともできます。
配属される部署によって事業内容とは異なる業務を行うこともありますが、それは全て事業内容を達成するためのものです。事業内容が社員全員で目指す目標となるので、事業内容が自分とマッチしているか見極めることはとても大切です。業務内容や職務内容が自分が希望するものであっても、目標となる事業内容に共感できなければ、入社後にミスマッチを感じてしまうかもしれません。長く働き続けるためにも、事業内容をよく理解して共感できる部分があるかしっかりチェックしておきましょう。
方法2.OB・OG訪問
企業のホームページや会社説明会では、事業内容など大まかな情報しか知ることができません。業務内容や職務内容など、細かい部分を知りたいという時はOB・OG訪問がおすすめです。OB・OG訪問をすればその企業で実際に働いている先輩から、どんな仕事をしているのか具体的な内容を聞き出すことができます。OB・OG訪問する時は、事前にどんな質問をするか考えておくとよいでしょう。
具体的な業務内容はもちろん、1日の仕事の流れや仕事の面白さ、大変さなど知りたいことを事前にまとめておけば、貴重なOB・OG訪問の時間を有効的に使えます。企業によっては新入社員の配属部署が決まっているところもあります。そういう場合は、その部署に所属している先輩に話を聞いてみましょう。自分が入社した後に配属される部署がどういう業務を行っているのか知ることで、説得力のある志望動機を考えることができます。
方法3.インターンシップに参加する
業務内容や職務内容を知るために、インターンシップに参加するのもよい方法です。インターンシップは学生に向けて就労体験ができる場を提供する制度です。気になる企業のインターンシップに参加すれば、業務内容や職務内容を実際に経験することができます。人から聞いた話やホームページの情報、パンフレットの情報だけでは具体的に仕事のイメージを掴むことは難しいです。インターンシップに参加し、自分自身で仕事を体験してみることでより業務内容の理解が深まります。
インターンシップに参加した時は、自分が所属している部署だけではなく、他の部署の業務内容にも注目してみましょう。実際その企業に入社した時、自分がどの部署に配属されるか分かりません。スキルアップのために色々な部署に異動することもあるので、各部署の業務内容を把握しておくことが重要です。また、より業務内容や職務内容の理解を深めるために、社員の人達と積極的にコミュニケーションをとるように心掛けるとよいでしょう。業務内容や職務内容を表面的に見るだけでなく、社員がどういう意識で働いているのか、どんな責任を負っているのかなど深いところまで理解することで、自分の考えを広げることができます。
「事業内容」などの用語を正しく理解し、就活を優位に進めよう!
事業内容・業務内容・職務内容の違いなどについて詳しく紹介しましたが、しっかり理解できたでしょうか。どれも同じような言葉で混同しやすいですが、それぞれ異なる意味が含まれています。違いをよく分かっていない就活生もいるので、正確に理解しておけば優位に就職活動を進めることができます。正しく理解するのはもちろん、正しく使い分けて他の就活生に差をつけましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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