
モチベーショングラフとは、これまでの自分の人生に起きたできごとを振り返り、モチベーションの上がり下がりを記録したものです。就活の自己分析でおこなわれる手法のひとつで、自分の性質や適性などを知るのに役立ちます。この記事では、モチベーショングラフの書き方や就活での活かし方などについてご紹介します。
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合
この記事の目次
モチベーショングラフが就活で使われる理由

モチベーショングラフが就活の自己分析の手法として用いられる理由や、モチベーショングラフの意味などについて知りましょう。
そもそもなぜ自己分析は必要なのか
就活をするうえで自己分析が欠かせないといわれている理由について理解しましょう。
就活で自己分析をする理由
学生が就職活動をするうえでは、まず自己分析をすることが一般的です。就職活動セミナーなどの場面でも、さまざまな自己分析法を紹介してくれます。就職活動のハウツー本にも「自己分析をあらかじめやっておくべき」と書かれていることが多くありますが、それはなぜなのでしょうか。
それは、自己分析が過去の経験から今の自分を知ることで、そこから未来の自分の活動や志向についての予想をつけることができるからです。
自己分析は企業選びや面接に役立つ
これまでの自分自身について振り返る自己分析は、どのような企業でどのような仕事をすれば自分は力を発揮できるのかを知ることができるため、仕事選びの基準になります。自己分析は、将来の自分が活躍できる職種や、自分に適した就職先を洗い出すために必要な作業なのです。
自分のことをよく知っておくことが、就職活動をより有利に進めるために便利な場合もあります。就職活動ではつきものと言われる面接試験では、試験官に「何をやりたいのか」「強み弱みはなにか」といった、応募者自身の希望や性格などについてをたずねる質問が定番となっています。
自分のことについて淀みなく答えられるようにしておくことは、就職活動での強みになります。自分について把握しておくことで、試験官からさらに質問について掘り下げられても対応できるようになり、面接試験にも強くなるでしょう。
モチベーショングラフとは
モチベーショングラフとは文字通り、自分の人生のモチベーションの上がり下がりを記録したものです。
これまでの人生を振り返ってみると、さまざまな出来事に心がおどったり、逆に気分が沈んだことがあるでしょう。その気分の変化をグラフに表し、どんな時にモチベーションの上がり下がりが起きるのかを知ることで、自分のモチベーションの源泉を探るという手法がモチベーショングラフです。
自己分析をどのようにすればいいかわからないという人でも、モチベーショングラフは取り組みやすい手法であり、就職活動をスタートしたての学生にこそおすすめです。
モチベーショングラフを書く目的
モチベーショングラフを書く目的は、これまでの人生でどのようなイベントがあり、どのように乗り越えてきたかを洗い出すことです。
モチベーショングラフを書くことで、大学時代以前にさかのぼって自分の人生を振り返ることになります。そうして自分のこだわりや価値観を把握するだけでなく、強みや弱み、得手や不得手をこれまでの人生全期間について振り返り、自分と言う人間を理解し、言語化することが最終目標となります。
自分の傾向や志向を明らかにすることによって、自分がどのようなジャンルに向いているか、または向いていないかをあとから客観的に評価できるよう、そのときどきのモチベーションの変化を正直に記録するようにしましょう。
モチベーショングラフを書くメリット
これまでの人生で「これがやりたい」という直感的な選択のなかで自分の志向を理解することはあっても、長い時間の経過をたどって分析したことはない人がほとんどではないのでしょうか。
冷静に分析したことのない自分について、気づいていないモチベーションのもとを発見することにより、深くて濃い自己分析ができることがモチベーショングラフの魅力だといえるでしょう。
自分の特性を正確に理解し、それに合わせた仕事を選ぶためにもモチベーショングラフは有用であり、面接官も納得できる実際の体験をもとにしたエピソードを話せるようになるため、面接試験にも強くなれるはずです。
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合
モチベーショングラフの書き方とポイント

モチベーショングラフの書き方や流れ、取り組む際のポイントについて知りましょう。
書き方1:起伏とできごと
モチベーショングラフの書き方は、いたってシンプルです。まず、大きな紙を用意し、縦軸と横軸を書いてください。
縦軸がモチベーションや気分を表し、横軸は時間経過を示しますが、年齢ごとにモチベーションがどのように変化したかを思い出して曲線を描いていきましょう。
起こった出来事を詳細に思い出しながら全て洗い出し、分岐点に記載することで気分が上下していく様子が記録されていくことになります。可能な限り思い出し、その都度、当時はどのような気分になっていたのかを記録していきましょう。
ここを意識しよう
ここで大切なことは、記載した出来事やモチベーションの変化が自己分析や面接のネタに使えるかどうかは関係なく、ありのままを正直に書くことです。
たとえば「小学生のときは足が速くクラスの人気者だった」「漠然と学校生活を送っていて、とくに面白くはなかった」という、面接には使えないようなエピソードでもかまいません。
脚色してしまうと、その時にどう感じていたかという本質的な部分がぼやけてしまいます。些細なことでも正直に記載することが、自己分析で使えるモチベーショングラフ作りには大切です。
書き方2:大きな変化を振り返る
基本的なモチベーショングラフができあがったら、今度はそこから、とくに大きな変化があったターニングポイントをピックアップしましょう。このときに選ぶのはプラスの出来事ばかりである必要はなく、むしろマイナスのできごとであっても、大小を問わずすべてピックアップするべきです。
ピックアップしたら、その出来事を詳細に思い出しましょう。どのぐらいの期間にわたってその事件が起き、誰と乗り越えたのか、時系列順に整理して思い出すことが大切です。このとき、可能な限り正確に出来事の詳細が思い出すことができると、このあとの作業が非常にやりやすくなります。
できごとを詳細に思い出したら、次は思考感情を思い出しましょう。「なぜそう感じたのか」「なぜそのように行動したのか」という自問自答を繰り返して、そのできごとの背景やモチベーションの変化を深掘りしていきます。
ここを意識しよう
この思考や感情に関する自問自答をすべてのターニングポイントで実施することで、モチベーショングラフをより詳しいものに作り込んでいきます。
モチベーショングラフを詳細に作っていく過程で、自分自身の強みや弱み、物事の好き嫌いなどがわかってきます。これが自己分析の第一歩であり、いままで何気なく過ごしてきた時間を客観的に評価することにつながります。
書き方3:モチベーションの根源を探る
最後に、モチベーショングラフをざっと見回して、自分のモチベーションの浮き沈みについて観察してみましょう。そこで、自分は、どんな状況でモチベーションが上がるのか、下がるのかという傾向を見つける段階になります。
自分の中の優先順位を分かりやすくするために、グラフの高いところに順位をつけましょう。順位をつけたいくつかのエピソードを見比べて、どのような時にモチベーションが上がるのか、モチベーションが上がる場面に傾向が無いかを探します。自分の好きなことは何なのか、客観的にあきらかにしていきましょう。
モチベーションが低くなっているところにも注目し、自分がどのような場面でモチベーションが下がるかという傾向を洗い出します。自分の嫌いなことが何なのかを傾向化し、客観的に評価できるようにしていくのです。
ここを意識しよう
グラフの高いところと低いところを比較してモチベーションの根源を見つけ、下がった気分を回復させる方法を具体的に把握しましょう。
自分の好き嫌いについて理解したり、困難に対する対処法がわかっている状態に辿り着いたりすることが、モチベーショングラフを作成するうえでの目標です。
モチベーショングラフのポイント
モチベーショングラフの本質的な部分は、感情や思考の変化から自分の特性を知ることです。
できごとばかりを振り返ることが良いではなく、その出来事に直面した際に自分がどう思ったのかを考えることが、自己分析を進めていくために必要です。
「なぜそう思ったのか」「なぜそのような行動をとったのか」ということについて自問自答するなかで、いまとなっては思い出せないことも多いかもしれません。それでも思い出せる限り正確に「なぜ」を解決していくことが、自己分析には必要なのです。
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合
モチベーショングラフの活用方法とおすすめの自己分析

モチベーショングラフを就活で活用するための方法と、モチベーショングラフ以外の自己分析についてご紹介します。
モチベーショングラフの就活への活かし方
モチベーショングラフを、就活のどの場面でどのように活かすべきかについて知っておきましょう。
業界・企業選び
モチベーショングラフを就職活動に活かすためには、グラフがマイナスからプラスへ、あるいはその逆に切り替わっているポイントに注目することが重要です。
そのモチベーションが切り替わっているきっかけになったできごとが、あなたの人生における価値観が分かるポイントであるといえます。たとえば、切り替わりのポイントが「人との新たな出会い」や「数字などで目に見える結果を残したこと」などの傾向があった場合「お客さんの顔が見える仕事に向いているかも」「成果が目に見える仕事に適性があるかも」などと考えることができます。
モチベーショングラフを利用すれば、どのような仕事を選ぶのが自分にとってモチベーション高く働くことにつながるのかをあきらかにすることができます。
また、これまで漠然と志望してきた業種や企業のどこに魅力を感じていたのかという点もあきらかになってきます。逆に、これまでいいなと思っていた職業や企業があっても、自分のこれまでを振り返ってみた結果、自分にはあまり向いていないということも浮き彫りになるかもしれません。
みずからの志向の傾向についてあきらかにすることが、自己分析の最終目標です。自分が好きなことも嫌いなこともあきらかにして、自分にぴったりの業界や企業を選ぶ基準にするために、自己分析が推奨されているのです。
面接
面接試験でも、モチベーショングラフで実施自己分析の結果を活用できます。ここでも、モチベーショングラフがマイナスからプラス、あるいはその逆でプラスからマイナスに転じているところに注目してみましょう。
そこで起こった出来事は、あなたの気分が大きくプラスに傾いた成功体験、あるいは大きくマイナスに傾いた挫折です。このときにとった具体的な行動やその行動に出ようと思った動機、その結果としてどのようなことが起こったのか、どのようなことを学習したのか、ということは、面接の場で語れるエピソードとして活用できます。
成功や挫折の経験は、ふだんは語ってといわれてもなかなかすぐに話せるものではありませんが、面接では比較的聞かれる質問です。その経験があなたの現在にどのような影響を与えているのか、失敗を乗り越えるためにどのような工夫をしたのかという点を企業は重視し、仕事で苦難に直面したときに、どのように対処するのかという参考にしているのです。
自分はどのような経験をしてきたのかをモチベーショングラフで振り返り、面接官に話しやすい状態にしておくことは、面接を有利に進めるためにも必要なことだといえるでしょう。
モチベーショングラフ以外のおすすめの自己分析
モチベーショングラフのほかに、就活に役立つ自己分析方法をご紹介します。
ほかの自己分析も活用すべき理由
自己分析の方法は、モチベーショングラフだけではありません。ほかの手段も活用して自己分析を深めていくことで、企業の面接などでもより自己アピールが上手にできるようになるでしょう。
モチベーショングラフ以外の自己分析の方法を採用する理由は、モチベーショングラフは自己分析の方法のなかでも、自分の主観で分析した結果になりがちであるためです。
モチベーショングラフには他人の目が入っていないため、それだけでは自己評価が正しくおこなわれないことがあるという問題があります。複数の方法で自己分析をすることで、把握できていなかった自分の特性に気がつくかもしれません。自分が知らなかった一面を深く掘り下げていくことも、自己分析では重要なのです。
自己分析のやり方について、以下の記事でもご紹介しています。
就活性は自分に合った自己分析を行い、企業へうまくアピールできるように準備しましょう。
他己分析を活用しよう
もっとも簡単な自己分析の方法として「他人に自分の評価を聞く」ということがあります。他人から客観的に見た自分のよい点と悪い点を把握しておくことは、自己分析を深めるために必要です。なかには厳しい意見もあるかもしれませんが、参考にしましょう。
モチベーショングラフ以外の自己分析の方法を採用する理由は、モチベーショングラフは自己分析の方法のなかでも、自分の主観で分析した結果になりがちであるためです。
書籍やWEB上のツールも効果的
そのほかに、就活生用の自己分析に関する書籍を読んだり、自己分析シートなどを使用したりするのもよい方法です。自己分析シートはインターネット上などにもテンプレートが存在しているため、使いやすそうなものをパソコンからダウンロードしたりコピーしたりすると便利です。
WEB上で診断ができる自己分析ツールも数多くあり、詳細な分析が可能な本格的なツールも少なくありません。そのほとんどは登録をすれば就活生は無料で利用できるため、複数の自己分析ツールを併用するなどして活用してみることをおすすめします。
モチベーショングラフでモチベーションの根源を見つけよう
モチベーショングラフを作成することによって、自分がどんなことにモチベーションが上がるのか、下がるのかがわかります。自分についてきちんと把握することで、自分にとってベストな企業を選ぶことができるようになります。このような深い自己分析は就職活動のみならず、将来を考えるうえでも非常に有用なことですから、じっくり取り組んでみましょう。
※2018/2/1~7/31の当社面接会参加者の内、当社が把握する就職決定者の割合
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