
浪人して就職を選ばずに大学受験の準備をしている方は多いでしょう。
しかし、将来的に浪人していることや高卒であることが就職に不利にならないかなど、気になることもあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、高卒で浪人中に就職するメリットや注意点、就活のポイントなどを解説します。進学か就職か進路に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
浪人中に就職したいと感じたらどうするべきか
大学受験に失敗し、再度受験するため浪人生活を送っている中で、大学進学ではなく就職をしたいと感じ始める方もいるでしょう。しかし、大学に進学するか就職するか、どちらの進路に進むかは人生において非常に重要な選択であるため、一体どのような判断をすべきなのか悩むこともあるはずです。
悩んだときには、自分が進学を目指す意味を今一度考えてみてはいかがでしょうか。例えば、大学で専門的な分野を学ばなければなれない職業に就きたいのであれば、大学進学は必要でしょう。
しかし、もし特別な理由が思い浮かばなければ、大学進学をする意味はないのかもしれません。あるいは、進学以外の道を考え始めたということは、自分でも大学進学に大きな魅力を感じていない可能性もあります。
就職という選択肢が視野に入ってきたら、浪人中に就職するメリットや注意点を加味しつつ、将来設計なども見据えながら、総合的に判断の上、進路を決めるべきでしょう。
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浪人生が就職を選ぶメリット
浪人生が就職という進路を選ぶことで、早いうちから社会人経験を積めるといったメリットがあります。特にIT業界や営業職を始め、実務経験が重視される職場であれば、学歴に関係なく早い段階から出世できることもあるでしょう。
他にも、社会人として働くことでフリーターよりもお金に余裕ができやすかったり、大学進学にかかるコストがかからなくなるなど、金銭的な観点も就職による大きなメリットと言えます。
浪人生が就職を選ぶ具体的なメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
- 早いうちから社会人経験を積める
- 実務経験が重視される職場なら早期に出世できる可能性がある
- お金に余裕ができる
- 大学進学にかかる費用がカットできる
それぞれのメリットについて詳しく解説しますので、就職という進路を選ぶべきか悩んでいる人は参考にしてみてください。
早いうちから社会人経験を積める
高卒で浪人中に就職した場合、早ければ19歳から社会人として働き始めることになります。
大卒で就職する場合、スムーズに進んでも社会人として働き始めるのは22、3歳頃からです。つまり、大卒の人よりも3~4年早く社会に出ることができます。
早いうちから社会に出て経験を積むことで、同年代の大学生より一足先に、社会人ならではの目線や感性を身に付けることができるでしょう。
また、年齢が若いほど職場でも丁寧に指導してくれることが多く、失敗した場合もまだ若いからと厳しいお咎めを受けずに済む可能性もあります。
職場がじっくり育ててくれることも、社会人経験を積みやすい要因の1つです。
実務経験が重視される職場なら早期に出世できる可能性がある
学歴、資格、経験など、仕事によって何を重視するかはさまざまです。高卒の場合は、実務経験が重視される職場なら、勤続状況によって早い段階で出世できる可能性があります。
大卒よりも数年早めに社会に出ることになるため、真面目に実務経験を積んでいけば、将来的に同年代のほかの人よりも頭1つ抜きん出た立場になることも可能でしょう。
お金に余裕ができる
大学への進学を目指して浪人を続ける場合は、予備校代や受験費用がかかるのに対し、就職するとすぐに給与が得られるため、お金に余裕ができるといったメリットがあります。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、高卒新卒者の平均賃金は2024年時点で男性は200,500円、女性は191,700円となっています。
この分の給与が毎月稼げることを考えると、趣味や自己投資、老後の生活資金にお金を回せるようになり、自分だけでなく家族への負担軽減にも繋がります。
浪人生を続けると年間で数百万円単位のお金が必要になることを考えれば、就職で収入を得ることのメリットは非常に大きいと言えます。
大学進学にかかる費用がカットできる
大学進学には多額のお金がかかります。国公立か私立かや、学部の違いなどにもよりますが、4年間でおおよそ250~500万円ほどの学費が必要です。
学生の中には奨学金として一時的にお金を借り、学費を払う人もいます。その場合、就職した後も長期間にわたり、奨学金の返済を続けていかなければなりません。
しかし、大学進学前の浪人中に就職すれば、大学にかかる費用は全てカットできます。
教育費の中では大学の部分がとりわけ高額なので、これがカットできることは非常に大きいと言えます。奨学金のプレッシャーを背負う必要がないため、お金の心配が少なく、伸び伸び働くことができるでしょう。
浪人から就職を目指す際の注意点
現役の高校生や大学生であれば、学校のキャリアセンターによる就職支援が受けられますが、浪人から就職を目指す場合は学校のサポートが受けられない点に注意が必要です。
また、学歴上は高卒として就職活動を進めていくことになるため、大卒以上を募集する求人には応募できないなど、応募先の選択肢が限られる点はあらかじめ認識しておきましょう。
他にも、大卒と高卒では給与に差が出ることや、大学生活を経験できないといった点をあらかじめ認識しておくことが大切です。
ここからは、浪人から就職を目指す際の注意点を4つの観点から詳しく解説していきます。
学校のサポートは受けられない
高校3年生の段階で就職活動を行う場合は、在学中の高校がサポートしてくれることがほとんどです。例えば求人を紹介してくれます。
企業の中には、従業員にその学校の卒業生がいて、働きぶりが良いとその学校の生徒を優先的に採用してくれることもあります。
また、学校によっては就職支援専門のスタッフがいる場合もあります。求人に関して企業とのやり取りをしたり、求人の紹介をしたり、就活についてのアドバイスをしたり、さまざまな角度から生徒をサポートしてくれます。
そのほか、応募書類の添削や面接指導を行ってくれることもあります。このように、サポートが受けられるため、在学中でも安心して就活することができるのです。
しかし、卒業してしまえば、かつて在学していたとしても、高校からこのようなサポートを受けることはできません。
応募できる求人が限られる
求人の中には大卒を必須条件としているものも多数あります。高卒の場合、そのような求人に応募することはできないため注意が必要です。
また、専門的な職業の場合、大学でその分野に関して勉強、あるいは資格取得していることが求められる可能性があります。そのような求人も、高卒で採用されることは難しいでしょう。
大卒と給与に差が出る可能性もある
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、以下の通り大卒と高卒で平均賃金に大きな差があることが分かっています。
| 年代 | 高卒(千円) | 大卒(千円) |
|---|---|---|
| 合計 | 288.9 | 385.8 |
| 〜19歳 | 199.8 | – |
| 20〜24歳 | 217.3 | 250.8 |
| 25〜29歳 | 243.0 | 283.9 |
| 30〜34歳 | 265.4 | 325.2 |
| 35〜39歳 | 282.9 | 373.2 |
| 40〜44歳 | 301.1 | 406.2 |
| 45〜49歳 | 316.7 | 459.2 |
| 50〜54歳 | 327.6 | 491.7 |
| 55〜59歳 | 331.3 | 527.2 |
このように、全年齢平均でも単月あたり10万円の賃金の差が出てくることや、年齢を重ねていくにつれて平均賃金の開きが大きくなっていく事は注意しておく必要があります。
もちろん、学歴の差はスキルアップや資格取得で補うことができますので、浪人から就職を目指す際は、将来のキャリアビジョンも持っておけると安心です。
大学生活を経験できない
大きな目標はなくとも、大学生活を満喫するため進学したいと考えることもあるでしょう。
好きな分野を学びながら、サークル活動をしたり、友達と遊んだり、バイトをしたり…楽しいキャンパスライフに憧れる人は少なくありません。
高卒で就職すると、同年代の大学生が大学生活を謳歌している姿を見てうらやましく感じる可能性もあります。ただし、大学は入学する際に年齢制限があるわけではないため、試験に受かって学費が払えれば何歳でも大学生になれます。
社会人として世に出た後で大学に入学する人も少なくないので、将来的に大学進学も叶えることは可能です。
浪人生に対する企業の印象は?
株式会社学情の調査によれば、浪人生を含む中途採用において、面接で企業が見ているポイントは「これまでの経験」よりも「人柄や社風との相性」といった結果が出ています。つまり、高卒という学歴であったとしても、面接対策をしっかりしてコミュニケーションを意識すれば就職できると言えるでしょう。
また、浪人経験そのものはマイナス評価にならず、むしろ目的意識を持って努力した経験として評価されることも考えられます。ただし、浪人の理由や浪人期間をどのように過ごしたかをポジティブに伝えられないと単なる空白期間と見られてしまい、不利になることもあります。
したがって、浪人から就職を目指す際は、浪人理由や浪人期間の過ごし方を分かりやすく話せるように準備しておくとともに、就職エージェントなどを活用して面接対策に取り組む意識が重要です。
浪人中に就活をする流れ
それでは、浪人中に就活をする場合、どのような流れになるのでしょうか。具体的な過程を解説します。
STEP1:自己分析をする
浪人中に就活を進める場合、まずは自己分析に取り組みましょう。
これまでの経験を棚卸しし、自分の強みや弱み、仕事に対する価値観を言語化することで、就職活動における軸を見定めることができます。
特に浪人中は周囲との比較で焦りを感じやすいため、まずは「自分は何を大切にしたいのか」「どんな環境で働きたいのか」を整理し、冷静に就職活動に取り組めるような準備が重要です。また、自己分析を通じて志望動機に一貫性を持たせることにより、面接でも説得力のある回答が可能になります。
就職活動を進めたいからといっていきなり求人に応募してしまう人も少なくありませんが、焦らず丁寧に自己分析をすることが、本当の意味で就職を成功させる上で不可欠です。
STEP2:業界研究・職種理解を進める
自己分析ができたら、どんな求人を中心に比較検討していくか明らかにするためにも、業界研究と職種理解を進めていきます。
業界によって働き方やビジネスモデルや待遇が大きく変わってきますので、時間のある浪人中に幅広い業界を比較しましょう。
また、どんな職種経験を積むかによって将来のキャリアパスが大きく変わることから、職種理解を進めることも重要です。
職種理解を進める上では、ネットの情報だけを鵜呑みにすると選択肢が限られてしまうリスクがあるため、幅広い視野で調べていくことがポイントです。
自己分析を経て分かった自分の適性と、志望業界・職種を掛け合わせることで、面接時に具体的な志望理由を語れるようになります。
STEP3:就職サービスに登録する
高卒から正社員を目指す場合は、学校を介して企業に応募していくことが中心ですが、浪人生の就職活動においては就職サービスで応募していくことが一般的です。
特に浪人生の場合、就職エージェントを活用することで、専任のアドバイザーから幅広いサポートが受けられるようになるため、キャリアセンターが使えない浪人生の心強い味方となるでしょう。
また、就職エージェントであれば、ネットで公開されていないような非公開求人も紹介してくれるため、選択肢を広げて就職先を選べる点もポイントです。
加えて、求人紹介だけでなく、履歴書の添削や面接対策などのサポートも受けられますので、就職成功率を高めることも期待できます。
就職サービスは登録や利用にお金がかかる事はありませんので、浪人生の就職支援実績が豊富なサービスを見つけたら積極的に登録していきましょう。
STEP4:履歴書を作成する
履歴書は採用担当者が最初に目にする資料であり、作り込みが甘いとどれだけ応募しても面接にたどり着けないような重要な書類です。浪人経験がある場合は、履歴書で浪人期間をどのように過ごしたか前向きに書くことを意識しましょう。
また、自己PR欄では自己分析で明らかになった自身の強みや、これまでの具体的な経験を伝えることを意識することにより、書類選考の通過率を高められます。
誤字脱字や文法上の不備は評価を下げる要因となるため、提出する前にはセルフチェックしておくことがおすすめです。
履歴書の作成に不安が残る場合は、就職エージェントに添削してもらうことも検討してみてください。
STEP5:求人を探す
まずは応募する求人を探します。求人を探すには、求人サイトなどを使ってネット上で探す方法、地域情報誌やチラシ・広告など紙媒体で探す方法、職業安定所を利用する方法などがあります。なお、求人サイトはさまざまな条件を設定し、該当する求人をピックアップすることが可能なため、効率的に求人探しをすることが可能です。
また、紙媒体はネットに掲載されていない求人を探せる可能性があります。
気になる求人があったら、会社の公式HPを見たり評判を確認したり、求人を出している企業について詳しく調べてみましょう。
STEP6:応募する
求人が見つかったら実際に応募します。応募方法は求人によって異なるため、求人情報をしっかり確認することが大切です。
応募時に履歴書など必要書類も必要であれば揃えて提出します。もし面接時に提出するなら、応募後に整えて忘れず持参しましょう。
また、面接対策も必須です。面接で聞かれることを想定して、しっかり受け答えを考え準備しておきます。なお、面接本番をイメージし、実際に誰かと対面しながら話す練習をすることも必要です。
STEP7:面接準備を進める
中途採用の面接においては、人柄やコミュニケーション能力が特に重視されるため、面接準備は必須です。特に浪人経験を問われた際には、単なるブランクではなく、何を学んでどのように努力したのかを自分の言葉で話せるように準備しておきましょう。
また、頻出質問については、あらかじめ想定回答を準備しておくことや、身だしなみ・回答時の挙動など、客観的に見て適切な応対ができるか対策しておくためにも、就職エージェントの模擬面接に取り組んでおくことがおすすめです。
STEP8:選考を受ける
応募後、企業から採用選考を受けて欲しい旨の連絡をもらったら選考に進みます。選考の内容は筆記試験や面接、適性検査など企業によって異なります。選考の日程や持ち物などを確認し、万全の態勢で本番に臨みます。
なお、選考後に選考に対応してもらったことに関するお礼メールなどを企業に送ると、より丁寧です。
STEP9:結果が届く
後日選考結果が届きます。
内定がもらえたら就活成功です。
その後、細かな勤務条件や入社日などの調整を行い、社会人生活をスタートさせます。
高卒から浪人の方がおすすめな人の特徴
高卒から浪人をして大学進学をした方が良い人としては、どうしても進学したい学校があったり、大卒以上などの学歴がないと就職できない企業で働きたい人などが挙げられます。社会人になった後に大学生になる事は現実的に難しいため、将来のキャリアを考えて冷静に判断しましょう。
また、大卒になることで幅広い求人に応募できるようになりますので、将来の選択肢を幅広く持っておきたい人も、大学進学のために浪人を続けた方が良いと考えられます。
ここからは、高卒から浪人を続けて大学進学を目指すことがおすすめな人の特徴を3つのポイントから解説します。
1. どうしても進学したい学校がある人
浪人は自分の夢を実現するために有効な手段ですので、医療系大学や難関大学など、どうしても進学したい大学を目指す場合は、浪人を続けた方が良いと言えます。
将来的にその学校でしか学べない知識や資格がある場合、浪人を選ぶことが結果的にキャリアの幅を広げることに繋がります。
ただし、浪人は費用だけでなく精神的なプレッシャーも伴いますので、自分1人で決めるのではなく、家族と相談しながら納得と覚悟を持って挑戦する姿勢が重要です。
2. 特定の学歴がないと就職できない企業で働きたい人
一部の大手企業や研究職などの専門職においては、大卒以上や特定の単位を取得していることが応募条件とされていることがあります。つまり、高卒のままでは挑戦できない求人に将来就職したいと考えている場合は、浪人を経て大学進学することがおすすめです。
この場合、浪人期間は将来に向けた時間やお金の投資期間と考えることができ、将来的に夢が実現できれば理想の働き方を手にできるため、価値の大きな判断と言えるでしょう。
こうした背景もあり、浪人をする際は将来のキャリアビジョンを描いておくことが大切です。
3. 将来の選択肢を幅広く持ちたい人
将来やりたいことがまだ明確ではない場合、浪人して大学進学することで、結果的に自分の理想の働き方を見つけられることがあります。大学は専門的な学びだけでなく、サークルやアルバイトなど多様な価値観に触れる機会があるため、キャリア形成の幅が広がります。
また、大卒であれば将来就職活動を行う際にも有利に働きやすく、高卒よりも将来の選択肢を幅広く持てるでしょう。
高卒から就職する方がおすすめな人の特徴
すべての人が大学に進学すべきというわけではありません。特に営業職やエンジニアなど実力が評価される仕事で働きたいと考えていたり、すぐに自立した人生を歩みたい人は、浪人をすることなく高卒から就職した方が良いと考えられます。
また、仕事は生活費を稼ぐための手段に過ぎないなど、働くことへのこだわりが薄い人の場合は、浪人ではなく就職を選んだ方が生涯稼げる収入が結果的に多くなることもあります。
ここからは、高卒から就職する方がおすすめな人の特徴を3つの観点で解説します。
1. 実力が評価される仕事で働きたい人
営業やエンジニアなどの分野においては学歴よりも実力が評価されるため、行動力やスキルで勝負していきたい人は浪人ではなく就職がおすすめです。
実力主義の職場では、成果を上げることで昇進や昇給が目指せる環境となっていますので、挑戦意欲が高い人は早いうちから就職を目指すと良いでしょう。
2. どこで働くかのこだわりが薄い人
働く場所や職種に強いこだわりがなく、どんな仕事でも働いていく意欲がある人は、浪人ではなく就職を選ぶことでチャンスが広がります。
昨今の日本では人手不足の会社が多く、未経験者を採用する企業が増えているため、社会に早く出て実務経験を積めるといったメリットがあります。
キャリアに対するこだわりがない分、様々な社会経験を重ねていくことで、将来的に自分に合う仕事を見つけられる点もポイントです。
3. すぐに自立した人生を歩みたい人
浪人をするとお金がかかり、収入が得られない期間が発生しますが、就職すれば給与を得ながら生活を安定させられるため、すぐに自立した人生を歩みたい人も浪人より就職がおすすめです。
実力主義の職場に就職できれば、これまでの学歴に関係なく自己成長をしていくことができ、自立心を持ってキャリアを築ける点もポイントです。将来的なライフプランを早めに設計していきたい人は、大学進学を待たずして就職すると良いでしょう。
浪人中に就活を成功させるためのポイント
最後に、浪人中に就活を成功させるためのポイントをご紹介します。
ポイントその1:浪人した理由はしっかり話す
浪人しているからといって不利になるわけではないということは前述しました。加えて、面接の際などに、浪人した理由はしっかり話すことが大切です。
大学進学という目標のため、敢えて浪人という道を選んだなら多くの企業が好意的に解釈してくれるでしょう。
しかし、もし不自然に取り繕ったり口を濁したり、浪人したことを隠そうとしたりすると、実は浪人というのは建前で、何かほかに知られたくないことがあるのではないかとあらぬ勘繰りをされかねません。
変にごまかそうとせず、浪人した理由から就職を目指そうと思った経緯まで、具体的に話しましょう。
浪人理由を伝える例文
「第一志望校への進学を目指し、浪人期間は学力向上に集中してきました。結果として希望通りの進学は叶いませんでしたが、この期間で努力を継続する力を身につけました。今後はその経験を仕事でも活かしたいと考えています。」
浪人の経験を成長や学びとして表現することで、ポジティブな印象が与えられます。
たとえ浪人をして進学できなかったとしても、ネガティブに捉えるのではなく、「自身の成長に必要な経験だった」とプラスの表現をする意識を持つことで評価してもらえるでしょう。
ポイントその2:間口の広い求人案件を探す
高卒の浪人の場合、応募できる求人はある程度限られます。ただし、選び方によってさまざまな求人にチャレンジすることが可能です。
例えば「学歴不問」とうたっている求人は、大卒高卒関係なく応募を募っているため、チャレンジしやすい案件です。「未経験者歓迎」とされている求人も狙い目です。経験に関わらず採用しているので、高卒や浪人生でも採用される可能性が高いでしょう。
ポイントその3:熱意を伝える
高卒で浪人となると、就職に有利な資格などを所持していることは少ないでしょう。社会人経験もないため、即戦力となるスキルもありません。そのような浪人生がアピールできるもの、それは仕事に対する熱意です。働く意欲の高さには経験者も未経験者も大卒も高卒も関係ありません。
自分がなぜこの職場で働きたいと思ったのか、自分のどのような部分を仕事に活かせるのか、採用されたらどのような部署でどのような仕事を頑張りたいのかなど、その仕事に対する熱意を具体的に伝えましょう。
「浪人の期間に努力を継続する大切さを学びました。その経験を仕事に活かし、貴社で成果を出すために粘り強く挑戦したいと考えています。」
浪人はある意味で自分との戦いとも言えるため、粘り強さや継続力のアピールに繋げられます。
就職する熱意と結びつけて表現することで、過去の経験を未来に活かせる人材として採用担当者にポジティブな印象が与えられるでしょう。
ポイントその4:就職支援サービスを利用してみる
就活はしなければならないことが多くあるため、1人で全てこなすことに不安を感じる方や、何からすれば良いのかわからないという方もいるでしょう。そんなときには就職支援サービスを利用するのもおすすめです。
就職支援サービスには専任のアドバイザーがおり、求人を紹介してくれるだけでなく、履歴書の書き方や面接対策、ビジネスマナーのアドバイスなど、就活に関するさまざまなサポートをしてくれます。就活に関してわからないことや不安なことを相談できるため、安心して就活に励むことができるでしょう。
よくある質問
高卒は就職活動において必ずしも不利ではないと言えます。なぜなら、近年では人手不足の影響で、学歴よりもコミュニケーション能力や人柄を重視する企業が増えているからです。
ただし、大手企業や人気の求人は大卒以上が応募条件となる場合もありますので、目指すキャリアによっては不利になる可能性があります。
いずれにせよ、高卒という学歴に捉われることなく、自己分析をして自分の強みを活かせる仕事を見つける意識が重要です。
高卒大卒では平均すると大卒の方が稼げます。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、高卒の平均賃金は288,900円ですが、大卒は385,800円となっています。
単月あたりの賃金でおよそ100,000円の差があることから、生活水準も大きく変わってくることが考えられます。
ただし、成果主義が根付いている企業であれば、実績次第で大卒より高卒が稼げるケースも見られます。特に営業やエンジニアなどの分野においてはスキルや成果が重視されるため、学歴に関係なく稼ぎたい場合は成果主義の職種や会社を選ぶことがおすすめです。
厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によれば、高卒のうち正社員になれている割合は56.3%となっています。実際に半数以上の高卒者が正社員として就職できていますので、高卒で浪人していたとしても、しっかりと就活に取り組めば就職することは可能です。
ただし、業界によっては非正規雇用の比率が高い場合もありますので、正社員就職の可能性を少しでも高めたい場合は、就職エージェントの活用も検討してみてください。
浪人中に就職を目指すことも1つの選択肢
大学進学を目標に浪人している間、進路の方向転換をし、新たに就職を目指すのも1つの選択肢です。
浪人から就職することのメリットや注意点などを理解し、幅広い視野で考えてみましょう。
そしてもし就職という道を選んだ場合は、ぜひこの記事で紹介した就活のポイントなどを押さえつつ、就活を成功させ、社会人としてのスタートを切ってください。





































