大学に進学するときに二浪した場合、就職で不利になるのではないかと心配していませんか?しかし、二浪しているからといって即不採用になる可能性は低いのが実際です。そうはいっても不安だという人のために、ここでは大学進学の際に二浪した人が就職活動で意識しておきたいコツや二浪で就職するメリットなどを紹介していきます。
※2022/12/12~2024/5/31の当社相談参加者へのアンケートで相談に満足された方の割合
二浪していると就職って大変?-就活生と企業の立場から-
二浪している人には、就職活動の際に二浪した事実によって企業に敬遠されてしまうのではないかと心配する傾向があります。しかし、実際には二浪だからという理由だけで、即不採用になるとは限りません。ここでは二浪での就職活動について、就活生と企業それぞれの立場から解説します。
就活生の立場から 二浪の就活でありがちなこと
平成30年の文部科学省「学校基本調査」によると大学合格者の中で現役で合格するのは全体のおよそ80%である一方二浪生は3%弱です。少数派であることは間違いありません。ここでは就活生の立場から”少数派”二浪の就活について考えていましょう。
自信がない
そもそも二浪であることに、大学ストレート合格の学生と比べて劣等感を抱いてはいませんか。二浪の就活生は「就活もうまくいかなかったらどうしよう」「自分には能力がないのでは」という不安を強く感じてしまうことがあるようです。そして本当に入社したい企業があっても受ける前からあきらめて競争率の低い企業ばかりを受けてしまう人もいます。就活では内定がゴールではなく、入社後、納得感の元安定して働き続けられることが一番です。二浪だからといって自分を低く見積もることはありません。自信をもって前向きに就活に取り組みましょう。
「二浪の」就活仲間がいない
前述の通り、大学合格者のなかで二浪が占める割合は3%弱です。ごく少数派ということで、就職活動のなかで二浪ならではの悩みを相談でき共感しあえる「二浪の」就活仲間がほとんど見つからず、就職活動が長引けば、孤独や不安を感じることもあるかもしれません。二浪での就活に困ることがあったら、就活エージェントや大学の就職課など経験豊富なプロへの相談も検討してみましょう。
企業の立場から 二浪をどのように見ているのか?
一般的に日本の企業では二浪までは新卒扱いとして採用を行っています。2浪までは現役で大学に合格した人と等しく評価されるため、過度な心配はいりません。ただしやはり二浪は”少数派”となるため、経歴に注目する企業は多くなります。
浪人年数より仕事ができるかどうかを見ている
ストレート合格かつ高学歴であれば基礎的な能力が高いとみなされ一定の評価はされますが、企業が就活生をみるときに一番重視しているのは、勉強の出来不出来ではなく仕事ができそうかどうかです。二年程度の遅れであれば、浪人だけが理由で就職に不利になることはほぼないと考えてよいでしょう。
それでも気になる浪人理由
とはいえ二浪は少数派なので、面接官はその他多数派の現役合格生、一浪生と比べて気にしていることが多いでしょう。なぜ浪人したのか、目標に向かって二年間も勉強を続けられる努力家なのか、それとも難アリの人物なのか・・・。興味をもたれるとっかかり=二浪経験を強みととらえるくらいの勢いで、堂々と自分を表現したいものです。
※2022/12/12~2024/5/31の当社相談参加者へのアンケートで相談に満足された方の割合
二浪で就職をするメリット・デメリット
次に二浪で就職することのメリット・デメリットを紹介します。二浪している就活生は以下のようなメリット・デメリットがあることを理解して履歴書や面接対策を進めていきましょう。
二浪で就職するメリット
実は、二浪が就職でメリットになることもあります。意外に思えるかもしれませんが、実際に二浪が功を奏して一流企業に就職した人もいるのです。どのようなことがメリットになり得るのか、見ていきましょう。
落ち着いた態度や考え方が評価される
二浪したということは、現役合格した人と比べると2歳年上になります。就活でも他の多くの学生より年上になるため、落ち着いて見られることがあるでしょう。内面的に成熟していると判断されれば、仕事にも良い影響を発揮してくれそうだと評価される可能性があります。
二浪してでも高学歴を得たほうが有利になる
就職の際、学歴は大きく左右します。高学歴であるほど就職に有利になる傾向があり、現役合格を狙って偏差値の低い大学に入ったことが不利にもなり得ます。逆に、二浪してでも学歴の高さを持っているほうが就職では有利になりやすいのです。
あきらめずに努力するタイプだとアピールできる
浪人は、1年でも大変なことです。焦りや不安を感じながら次こそ必ず合格しようとする努力は、2年も続けばなおさら大変なこと。それでもあきらめずに努力して合格できた功績は、高く評価される可能性が高いです。
苦労して乗り越えた体験を糧にできる
浪人中の努力はもとより、二浪を経て大学に入学してからも何かと苦労することがあったでしょう。その苦労を乗り越えた体験は、全て自分の糧になっているはずです。苦労や努力の体験をアピールするだけでなく、仕事でも問題にぶつかって乗り越える努力ができると見てもらえれば高い評価を得られるでしょう。
十分に自分と向き合ってきた
大学全入時代といわれるこの時勢に、わざわざ二回の浪人生活を選んだ二浪生ですが、一足先に大学生になった同世代と比べて、一人で考え込んだり孤独を味わう時間が断然多かったはずです。その時間こそ今後の人生の糧であると考えてください。大学入学前に「自己分析」ができてしまっているかもしれませんね。また現実的な話、浪人し受験勉強をする中で、社会人に必要とされる計画→実行→評価→改善のサイクルを身に着けているというのも就活における二浪生の武器と考えられます。何ら二浪を恥じることはありません!
選考中に目立つ
何十人、いや何千人の応募者の中から内定をもらわなければならない新卒の括採用には「目立ってなんぼ」の側面があります。前述しましたが二浪は少数派であり、履歴書でも面接でも目立つのは事実です。二浪だから就職に有利ということは断じてありませんが、最初に注目してもらう「取っ掛かり」として二浪をとらえるくらいの前向きな気持ちで選考に挑みましょう。
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二浪で就職するデメリット
メリットがある一方で、二浪で就職するデメリットもあります。想像していた通りと思うかもしれませんが、現実を見据えて対策を講じることが大切です。どのようなデメリットがあるか、見ていきましょう。
年下の同期から気遣われる気まずさがある
大学進学で二浪した人が就職すると、新入社員なのにまわりはほとんど年下です。最初は、自分だけでなく周囲も年上の自分に気を遣うことが多くなるかもしれません。周囲の気遣いが重荷になり、ストレスを感じてしまう人もいるでしょう。しかし、社会に出れば2歳の年齢差など大したことはありません。先輩や上司からすれば、ほぼ変わりないと見えるでしょう。積極的にコミュニケーションを図ることで、年齢差など気にしなくてよいことだとわかってきます。
現役合格した人より出世が遅くなりやすい
大学に現役合格して就職した人は、2年先輩です。そのぶん社会経験が多くなるため、自分より早く出世する可能性があります。気になるようであれば、年齢を飛び越えた異例の出世ができるように努力する手があります。
生涯収入が少なくなる
二浪した分、生涯に渡る給料は少なくなりがちです。現役合格者より2年分働いていないのですから、当然でしょう。2年分の給料を大した差ではないと感じるか否かは、人それぞれです。他人より出世して給料が高くなるかもしれませんし、独立して大きく稼ぐかもしれないため、単純には決まらないことでもあります。
二浪の理由は聞かれる
二浪は少数派ですから、二浪の理由はだいたい聞かれるものと思って面接対策をする必要があります。ただの能力不足・努力不足であると思われてしまうと明らかに不利になってしまうので注意が必要です。努力したと認められれば、二浪によるマイナスな印象は払拭できると考えましょう。
2歳年上なりの受け答えを求められる
二浪生は一般的な就活生(現役生、一浪生)の2歳ないし1歳歳上となります。大学1年生と大学3年生が全然ちがうように若年層における2歳の差は大きいものです。面接の場において二浪生は、周りと比べて大人っぽく落ち着いてみえ、面接官に好印象を与えることもあるでしょう。反対に幼い言動をしていまうと印象は悪くなります。また、選考の最初のほうの面接は、若手社員が担当する企業も多いため、二浪生の場合は面接官と同年齢、あるいは面接官より年上であるケースも起こりえるということも、二浪生の就活の注意点です。
二浪で就職するコツ
ここからは、二浪で就職するコツについて紹介していきます。
コツその1:浪人を気にしない
簡単にいえば、浪人したことを気にしないのが一番です。
二浪は思ったほどネガティブな要素ではない
浪人した人が就職活動するのは、珍しいことではありません。企業にとっても、浪人した人が求人応募してくるのはよくあることです。そのため、企業では一浪や二浪にネガティブな印象をほとんど持っていません。面接で聞かれることはあるかもしれませんが、単純に二浪した理由を知りたいだけです。
企業が重視しているのは人柄や資質
浪人したかどうかより企業が重視しているのは、就活生の人柄や資質です。ストレートで大学合格した就活生でも、人柄や資質に難があれば不利になります。
二浪を気に病む態度のほうが問題
二浪を気に病んでいると、就活で企業側に不安が伝わってしまいます。自信のなさの表れですから、仕事に就いても同じような状況になるのではないかと判断されかねません。それより、二浪したことなど笑い飛ばして自分の魅力をアピールできる人のほうが好印象に映ります。堂々と振る舞い、ハキハキ意見や自己アピールをする人は、入社後に活躍してくれる有望な人材ではないかと期待されやすいのです。
※2022/12/12~2024/5/31の当社相談参加者へのアンケートで相談に満足された方の割合
コツその2:二浪の理由を答えられるようにする
就活では、面接で様々な質問がされます。浪人しているかどうかが採用の可否に大きく影響しないとはいえ、面接で聞かれることは多いでしょう。浪人について質問されたとき、しどろもどろになってしまうとマイナス印象を与えがちです。浪人を気にしない心構えをしっかり持って、なぜ浪人したのか理由をハッキリと説明できることが大切です。面接担当者が知りたいのは、浪人した理由や浪人したことでどのような影響があったかなど。浪人自体が悪いことだと思っているわけではないと、認識しておきましょう。
ただし注意しておきたいのは、浪人の理由としてネガティブな回答をしてしまうことです。するべき勉強をせずに気付いたら浪人していたなどという回答は、事実であっても話さないのが賢明です。浪人した理由をポジティブに話せるように、準備しておきましょう。どうしても志望大学で学びたいことがあったため努力したというような理由であれば、二浪の経験をむしろプラスに捉えてもらえます。
コツその3:徹底的に自己分析する
就職活動で重要なことに、自己分析があります。浪人したかどうかに関わらず、就活の基本といえる準備です。二浪した場合は、余計に自己分析が重要になってきます。理由は、自分自身が二浪した経験を不安視しやすいためです。二浪したことを負い目に感じている時点で、就活に負け気味になっています。自信のない言動が採用担当者の目にマイナスに映ってしまうだけでなく、焦って就職先を決めてしまう可能性もあります。希望する企業に就職するには、自己分析で自分を徹底的に把握することが大切なのです。自分に何ができるのか、何をしたいのかを明確にしておけば、道を外れて後悔するようなことはないでしょう。
自己分析によって、自分の新たな一面が見えてくることもあります。今まで気付かなかった強みが増えれば、採用担当者に堂々とアピールすることができるはずです。自己分析を繰り返すことによって、なぜ二浪したかの理由もポジティブに捉えることが可能になります。
コツその4:アピールの仕方を工夫する
就職活動は、企業の採用担当者に自分自身を売り込むチャンスです。いってみればプレゼンテーションのような場ですから、アピールの仕方ひとつで結果が違ってきます。ネガティブな事実があっても、ポジティブに伝えるようにすることで印象が変わります。自己アピールの仕方は、最大限に工夫するようにしましょう。
二浪した理由にしても、何が何でも入りたい大学があったのであきらめずに努力したと伝えれば粘り強さのアピールになります。二浪したにも関わらず志望の大学に入学できなかった場合は、努力した過程をアピールすればよいのです。人生において、全てが順風満帆でパーフェクトという人はいません。成功者の苦労話が世間で受けるのも、成功した結果以上に苦労をどのように乗り越えたかが評価されているからです。伝え方、表現の仕方を変えるだけで、アピールを受け取る側は好印象を持ってくれます。
コツその5:就職後の姿をイメージする
面接で必ず質問されることの1つに、就職後の姿があります。「我が社に就職したら何がしたいですか?」「就職後に何ができると思いますか?」といった質問は、本気度を試される瞬間です。明確に回答できない人は、早い段階で不採用が決まってしまう可能性があります。だからこそ、就職後の姿をイメージしておくことは重要なのです。
就職後の姿のイメージは、志望動機でもあります。具体的なイメージを持っている人なのか、ただ何となく就職活動しているだけなのか、採用担当者の目が光るタイミングです。どうしても漠然としたイメージから脱せない場合は、社会人として働いている人に意見を聞いてみるのも1つの方法です。
例えば、大学に現役合格して先に働き始めている高校時代の同級生など、リアルな意見を教えてくれるでしょう。希望に満ちた夢のような話ではないかもしれませんが、現実的な意見に自分なりの夢や目標を肉付けしてみると具体的かつ聞く人にポジティブに感じられるストーリーになるでしょう。あとは、自分の思い描くストーリーを魅力的に伝えればOKです。
コツその6:就職先を慎重に選ぶ
二浪だからといって自分に自信をなくして、本当の志望ではない就職先を選んでしまうと後悔につながりやすいです。せっかく就職したのに、早期離職になる可能性も出てきます。そもそも二浪が就職に不利になることはないと理解して、就職先は慎重に選ぶようにしましょう。就活を始めたばかりの頃は、可能性を広げて様々な業界や企業を検討してみることをおすすめします。
多くの就活生が目を向けやすいのは、有名な大企業です。しかし、中小企業やベンチャー企業にも優良企業は少なくありません。重要なのは、就職する企業が優良であるかどうかです。
例えば大企業並みに高給だったり、東証一部上場企業だったり、優良と判断できるポイントもいろいろあります。給料がそれほど高くなくても、その他の待遇が良ければ長く働きやすい企業といえるでしょう。多くの人があまり目を向けない優良企業は、就活のライバルが少ないのもメリットです。内定を獲得しやすく、狙ってみる価値があります。
※2022/12/12~2024/5/31の当社相談参加者へのアンケートで相談に満足された方の割合
二浪で就職を目指す場合の注意点
大学進学で二浪した人が就職を目指すときは、特に注意しておきたいことがあります。
公務員試験は年齢制限に注意
大学受験二浪でも、公務員を目指すことは可能です。もしも不合格になっても、翌年に再受験すればよいのです。ただし受験資格には年齢制限があるため、二浪したことが受験のチャンスを少なくしてしまうこともあります。
大学在学中の留年理由に注意
大学受験で二浪したことに加え、大学在学中に留年することもあり得ます。留年した場合は、その理由も明確に伝えられるようにしておくことが大切です。また、ネガティブな理由にしない工夫も必要です。単位が足りなかったという理由でも、他に優先したいことがあったなどとすれば講義をさぼったと答えるよりは印象が悪くなりにくいでしょう。
就活浪人の道もあり
どうしてもやりたい仕事、入りたい企業があるなら、就活浪人を覚悟するのも1つの道です。その際意識する必要があるのが、卒業後の就職活動が既卒扱いになることです。大学在学中に就活をする新卒扱いとは違いがあるため、就活の妥協点を決めるヒントにもなるでしょう。スムーズに就職できれば何よりですが、焦りは禁物ということです。
二浪を気にせず希望通りの就職を目指そう!
大学進学の際にたとえ二浪していても、就職で不利になる可能性は低いと考えておいて大丈夫です。就職活動をスムーズに進めるためには、コツを押さえて入念に準備することが結果に影響します。採用担当者が応募者の二浪を不安視することはまずないとわかれば、希望の就職先を堂々と目指せるのではないでしょうか。二浪など気にせず、自信を持って希望通りの就職を目指しましょう。
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