
高卒の初任給・年収がどのくらいなのか気になる人も多いのではないでしょうか。
大卒に比べて低いと一般的に言われる高卒の初任給や年収ですが、実際にはどの程度の差があるのかについて解説していきます。
高卒でも努力次第で、大卒と同じ給料をもらうことも可能です。
高卒からどのようにして給料や年収を上げていくのがよいのかについても、ご紹介します。
この記事の目次
【最新版】高卒の初任給/給料について解説
そもそも、高卒の初任給はどの程度もらえるものなのでしょうか。
まずは年度別、都道府県別、職種別に、高卒の給料についてご紹介します。
高卒初任給を年度別に紹介
産労総合研究所「決定初任給調査」では、2022年度は173,032円、2023年度は179,680円、2024年度は188,168円と、高卒の初任給は年々着実に伸びています。
| 年度 | 高卒初任給 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 173,032円 | – |
| 2023年度 | 179,680円 | +6,648円 |
| 2024年度 | 188,168円 | +8,488円 |
年度ごとの内容は次のとおりです。
2023年度は初任給を引き上げた企業が68.1%で、1998年度以降もっとも高くなり、25年ぶりに60%を超えました。一方で、据え置いた企業が28.9%です。
初任給を引き上げた理由は、1位が「人材を確保するため」で70.2%、2位は「在籍者のベースアップがあったため」で49.0%でした。
2024年度は初任給を引き上げた企業が75.6%で、1997年度に調査を開始してから過去最高となりました。一方で、据え置いた企業は16.5%です。
初任給を引き上げた主な理由は、1位が「人材を確保するため」で73.5%、2位が「在籍者のベースアップがあったため」で43.4%でした。
高卒の初任給は企業の人材確保への意識の高まりとともに上昇傾向にあり、今後もさらなる改善が期待されます。
都道府県別の賃金を紹介
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況(都道府県別)」によると、全国平均の賃金は330,400円です。
全国平均を上回った都道府県は東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の4都府県のみで、特に東京都が403,700円と群を抜いて高水準です。
| 都道府県 | 平均賃金 | 全国平均との差 |
|---|---|---|
| 東京都 | 403,700円 | +73,300円 |
| 神奈川県 | 355,800円 | +25,400円 |
| 愛知県 | 332,600円 | +2,200円 |
| 大阪府 | 348,000円 | +17,600円 |
| 全国平均 | 330,400円 | – |
首都圏や中部、関西圏の都市部に企業の本社や大手企業が集中し、高い賃金水準を導く経済構造が背景にあります。
今後のキャリアや働く場所を考えるうえで、地域ごとの賃金格差を正しく理解しておくことが大切です。
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
参考:厚生労働省「都道府県別にみた賃金」
10代賃金を産業別に紹介
10代(~19歳)の平均月額賃金を産業別に見ると「鉱業・採石業・砂利採取業」「サービス業(他に分類されないもの)」「運輸業・郵便業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「不動産業・物品賃貸業」が高めに推移しています。
一方で、金融業・保険料は183,900円と低く、1位の「鉱業・採石業・砂利採取業」と比較すると、約30,000円の差が見られます。
| 産業 | 賃金 | |
|---|---|---|
| 1 | 鉱業・採石業・砂利採取業 | 212,500円 |
| 2 | サービス業(他に分類されないもの) | 206,700円 |
| 3 | 運輸業・郵便業 | 204,500円 |
| 4 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 204,200円 |
| 4 | 不動産業・物品賃貸業 | 204,200円 |
若年層であっても産業によって賃金に大きな差が生じるため、業界選びは将来の収入にも影響を与える重要なポイントといえるでしょう。
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
参考:厚生労働省「産業別にみた賃金」
高卒と大卒では初任給から違う?-/給料/年収どこで差がつくか解説-
高卒の初任給についてイメージできたでしょうか。
次に、高卒と大卒の初任給は実際にはどの程度違うのかや、学歴によって、給料や年代ごとの年収などが異なる理由についてご紹介します。
高卒と大卒の初年度の賃金と年収を比較
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況(新規学卒者)」によると、高卒と大卒の初年度の賃金は以下のとおりです。
| 高卒(賃金) | 大卒(賃金) | 高卒-大卒 |
|---|---|---|
| 197,500円 | 248,300円 | △50,800円 |
年収で比較した場合(賞与を除く概算)は次のとおりです。
| 高卒年収(概算・賞与除く) | 大卒年収(概算・賞与除く) | 高卒-大卒 |
|---|---|---|
| 2,370,000円 | 2,979,600円 | △609,600円 |
高卒と大卒では月給にして50,800円、賞与を除く概算の年収では609,600円の差があることが分かります。
賞与や手当を含めると、年収の差はさらに広がるかもしれません。
初任給の時点で学歴による収入の差は大きく、進路の選択において重要な判断材料となります。
大学に進学するか高卒で就職するかを決める際には、初任給や年収だけでなく、生涯賃金やキャリアの成長性も含めて総合的に判断することが重要です。
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
参考:厚生労働省「新規学卒者の学歴別にみた賃金」
高卒と大卒の賃金推移
学歴による収入の違いは、初任給だけでなく年齢を重ねても継続します。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況(学歴別)」によると、高卒の平均賃金は288,900円、大卒は385,800円と、96,900円もの差があります。
年齢の階級別に見た場合は次のとおりです。
| 年齢 | 高卒 | 大卒 | 高卒-大卒 |
|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 243,000円 | 283,900円 | △40,900円 |
| 30〜34歳 | 265,400円 | 325,200円 | △59,800円 |
| 45〜49歳 | 316,700円 | 459,200円 | △142,500円 |
| 平均賃金 | 288,900円 | 385,800円 | △96,900円 |
25〜29歳では高卒243,000円に対して大卒が283,900円、30〜34歳では高卒265,400円に対して大卒が325,200円と、差は徐々に広がります。
40代後半(45〜49歳)では高卒が316,700円、大卒が459,700円と、月額ベースで14万円以上の差が出ています。
この差は年齢とともに拡大し、キャリア全体に影響を与える可能性があるのです。
このように、年齢を重ねても学歴による賃金格差は埋まりにくく、キャリア形成において重要な判断材料となります。
大学に進学するか高卒で就職するかで悩む際には初任給だけでなく、長期的な年収の推移にも目を向けることが大切です。
学歴と収入の関係を理解すると、将来のライフプランをより現実的に描けるでしょう。
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
参考:厚生労働省「学歴別にみた賃金」
高卒と大卒は生涯賃金で差がつく
学歴による収入格差は、初任給だけでなく生涯年収にもはっきりと表れます。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024」によると、60歳までフルタイム正社員として就業を続けた場合の生涯賃金(退職金を除く)は、高卒の男性で2億880万円、高卒の女性で1億5,440万円です。
一方、大卒では男性が2億5,150万円、女性は2億190万円となっており、男女とも学歴によって4,000万円から5,000万円近い差があります。
| 高卒男性 | 大卒男性 | 高卒-大卒 |
|---|---|---|
| 2億880万円 | 2億5,150万円 | △4,270万円 |
| 高卒女性 | 大卒女性 | 高卒-大卒 |
|---|---|---|
| 1億5,440万円 | 2億190万円 | △4,750万円 |
高卒と大卒の間にこれほど大きな金額差が生じる背景には、昇進・昇格のスピードや役職の有無、就業先の企業規模など、さまざまな要因が関係しています。
学歴だけで人生すべてが決まるわけではありませんが、将来の収入を考えたとき、進学の意義について改めて考えてみる価値があるといえるでしょう。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2024
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構 21 生涯賃金など生涯に関する指標
高卒と大卒の初任給に違いが生じる理由
前述の通り、高卒と大卒では給料や年収に差があります。
ですが「高卒だからずっと低収入のまま」などと思い込んで悲観する必要はありません。
高卒と大卒の初任給や年収が違う理由と、高卒からの給料アップは可能なのかについて解説します。
日本はまだ学歴社会が残っている
多くの日本企業では、学歴をある程度重視しています。高卒と大卒で給料が異なる企業は一定数あるほか、そもそもの応募資格を「大卒以上」としている企業もあります。
企業によっては大卒のほうが昇進スピードが早い、役職に就きやすい傾向も見られます。また、一部の大手企業などでは「〇〇大学△△学部出身者」「〇〇大学××部出身者」などによる「学閥」があるところも一部あります。
学歴は企業から見たらわかりやすい努力の証
企業が学歴を見る理由として「学歴は本人の努力の証だから」という点があります。一定レベルの大学を出ているということは、ある程度時間をかけて受験勉強をやり遂げ、入学後も必要な単位を取得して学んできたということです。
もちろん「高卒は努力していない」と判断されるわけではありません。しかし、客観的な指標として「大卒=一定の能力がある人、がんばって成果を出せる人」と見なされやすいのは確かです。
初任給は違えど、努力すれば給料アップは可能
前述の通り、一般的には大卒よりも高卒の初任給は低めです。しかし、入社後の努力によって、給料を上げていくことはできます。
まずは仕事で成果を出して昇進・昇格を目指すことはもちろん、働きながら資格を取得して資格手当をもらう、自分に合った職種を選んでスキルを身につけていくなど、高卒で就職してからも収入を増やしていく方法は複数あります。
高卒必見!-業界別年収ランキング-
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」をもとに、業界別の年収ランキングをご紹介します。
たとえ同じ仕事をしていたとしても、業界が違えば年収は異なります。少しでも年収を上げたいという高卒の方は、ぜひこのランキングも参考にして、業界選びに取り組んでみてください。
1位:電気・ガス・ 熱供給・水道業
電気・ガス・ 熱供給・水道業の平均賃金は410,200円、年収で4,922,400円(賞与を除く概算)です。
電気・ガス・水道などのインフラ業界は、安定性と専門性の高さから年収が高い傾向にあります。
インフラは生活に欠かせない公共性の高い分野であり、企業は一定の収益を長期的に見込めるからです。そのため、給与水準が全体的に高く設定されています。
また、技術者や保守担当者は高度な資格や専門知識が求められるため、人材の価値が高く評価されやすい点も特徴です。さらに、都市部でのライフライン整備には複雑な工事や法規制の理解も必要なため、高いスキルを持つ人材が重宝されます。
加えて、企業の多くが大手企業や公的機関に近い存在であり、福利厚生や退職金制度が整っている点も魅力です。
安定性と専門性、そして社会的意義の高さが、電気・ガス・ 熱供給・水道業の年収を押し上げている大きな理由といえます。
参考:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
産業別:厚生労働省「産業別にみた賃金」
2位:学術研究、専門・技術・サービス業
学術研究、専門・技術・サービス業の平均賃金は396,600円、年収で4,759,200円(賞与を除く概算)です。
学術研究や技術サービス業は、高度な知識と専門スキルが求められる分野のため、年収も高くなる傾向があります。
大学や研究機関に所属する研究者やコンサルタント、技術士などが主に活躍しており、職務の専門性が非常に高い点が特徴です。
特許に関わる技術調査や医療・製薬の研究開発、AI開発などは企業の競争力に直結するため、高い報酬が支払われる傾向があります。
また、プロジェクトベースでの契約や外部委託も多く、成果によって収入が変動する仕組みも見られます。
このように、希少性の高い人材が集まる分野では、高度なスキルに見合った報酬が支払われるため、平均年収が高くなるのです。
参考:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
参考:厚生労働省「産業別にみた賃金」
3位:金融業、保険業
金融業、保険業の平均賃金は393,400円、年収で4,720,800円(賞与を除く概算)です。
金融・保険業界が高年収である背景には、取り扱う資金の大きさと利益率の高さが関係しています。
銀行や証券、保険会社などは多額の資金を運用し、その利ざやや手数料の収入によって高い利益を上げています。そのため、経済や市場の動きを読むスキルや金融商品を提案する営業力、リスク管理や法務知識など、幅広い専門能力が求められるのが特徴です。
特に営業職はインセンティブ報酬が大きく、成果に応じて年収が大きく跳ね上がる場合があります。また、企業の規模が大きく、福利厚生や昇進制度が充実しているケースも多いため、安定した高収入を得られる環境が整っているのも要因です。
専門性と実績に基づいた報酬体系が、金融・保険業界の年収を底上げしています。
4位:情報通信業
情報通信業の平均賃金は381,200円、年収で4,574,400円(賞与を除く概算)です。
情報通信業は、ITエンジニアやデータサイエンティスト、AI開発者など、デジタル技術の専門職が多く活躍している業界です。
これらの職種は需要が急増している一方で供給が追いついておらず、高年収での人材確保が進められています。
特にプログラミングやセキュリティ、クラウド構築、システム設計などは、高度なスキルと実務経験が必要です。
これらの業務に携わる人材は、企業の中核となるシステム開発やDX推進に関わるため、報酬も自然と高くなります。
さらに、外資系企業やベンチャー企業では年俸制や成果報酬制を導入しているケースもあり、努力がダイレクトに年収へ反映される点も魅力です。
成長分野である情報通信業は、今後も高年収を維持し続けると予想されています。
参考:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
参考:厚生労働省「産業別にみた賃金」
5位:教育、学習支援業
教育、学習支援業の平均賃金は377,200円、年収で4,526,400円(賞与を除く概算)です。
高度な専門知識や指導スキルを持つ人材に対して、高年収が支払われるケースがあります。
大学教授や専門学校の講師、大手予備校の講師などは、指導力だけでなく研究実績や業界での評価も年収に反映される場合があります。
また、教育関連のスタートアップやオンライン学習サービスの拡大により、新しい働き方が生まれており、収益モデルの多様化が進んでいるのが特徴です。
個人でコンテンツ販売や講座開講を行うケースもあり、スキルや人気次第で収入が大きく増える可能性があります。
特に難関校の受験対策や資格取得講座など、成果が求められる分野では高額の報酬が支払われるケースが多く、平均年収を押し上げています。
専門性と成果報酬型の働き方が、教育・学習支援業の収入を高めている理由といえるでしょう。
参考:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
厚生労働省「産業別にみた賃金」
高卒の給料アップの秘訣を紹介!-方法次第では年収1,000円以上も可能!-
高卒と大卒の初任給や年収の違いとその理由を把握できたでしょうか。
最後に、高卒者が給料をアップするための秘訣についてご紹介します。
秘訣1. 単純労働以外の職に就く
マニュアルなどに沿って取り組めば誰でもできる、特別なスキルや知識が必要ないなどのいわゆる「単純作業」の仕事は、長期的なキャリアの面で考えるとおすすめできません。
もちろん単純作業といっても立派な仕事であり、それによって世の中が成り立っていることは確かです。ただし、ひたすら同じ作業を繰り返したり、あまり頭を使わなくてもできたりする仕事の場合「数十年後も同じ仕事をして生活できるか」という点では、少々厳しい面があります。
どの企業でも活躍できる専門スキルを身につける職に就くことで、将来の選択肢も広がります。たとえば営業職は比較的転職もしやすく、他業種へ方向転換した際にも役立つ傾向があります。
秘訣2. 実力主義の会社へ就職/転職する
学歴不問など実力主義の企業で働くのは、高卒者には特におすすめです。理由は、学歴によるコンプレックスを感じたり、不利になったりする機会が格段に少ないからです。
たとえば小売業などの場合「大学卒」「大学中退」「専門学校卒」「高卒」など、働いている人の学歴がバラバラだったり、高卒の上司が大卒の部下を指導しているケースも見られます。これは、企業が学歴よりも人間性や適性、前職や保有スキルなどを見て採用し、入社後は学歴に関係なく、実績や社内試験など本人の実力に応じて昇進・昇格をしているということです。
インセンティブ制度が導入されている企業で働くのも、収入やモチベーションアップのためによいでしょう。仕事の業績や成果などに応じて給料やボーナスなどの金額に反映されたり、お金だけとは限らず、表彰や品物などが贈られたりすることもあります。
秘訣3. 平均年収の高い企業・業界へ就職する
平均年収の高い企業/業界に就職することで、年収アップを狙うことができます。
たとえばインフラ業界は年収が比較的高く、高卒でも多くの人が就職している業界のため検討の余地があるでしょう。一方でサービス業なども高卒が就職しやすい業界ですが、年収が全業界のなかでも低く、年収アップを視野に入れた転職の場合にはあまりおすすめできません。
ただし、平均年収が高い企業/業界は、事前のリサーチが必須です。学歴がなくとも高収入が可能であるということは「それなりの理由」があることも多いため、ミスマッチになるリスクもあるからです。たとえば拘束時間が長い、ノルマが厳しい、試験に合格しないと給料が上がっていかないなどが考えられます。
秘訣4. 目先の給料ではなく、自分のスキルの向上を図る
高卒であっても就職してある程度キャリアを積めば、同じ職種で給料が高い企業に転職することはできるでしょう。最初に就職した企業で給料に不満が出たとしても、給料を上げたいことだけが目的なのであれば、いまよりも待遇のよい企業への転職に成功すれば解決します。
ただし、いまの給料だけを重視するよりも、スキルアップを意識して働くほうが将来的に収入を増やすことにつながるため、おすすめです。仕事のスキルを磨いていくことは自己投資の一環であり、身についたスキルが誰かに奪われることはありませんし、結果として自分のためになることなのです。
秘訣5. 独立・起業
将来的に年収1000万円以上を稼いでいきたい人は、独立や起業も視野に入れてみるのもひとつの方法です。会社員の場合、どれだけその会社で成果を上げても、年収には上限があります。役員や社長などを目指す方法もありますが、一定規模の組織のなかでトップクラスまで出世できる人はごくわずかです。
自分でビジネスを興して軌道に乗れば、自分の手元に入ってくる収入を増やしていくことができます。うまく時代の流れに乗りビジネスを大きくすることができれば、20代で年収1000万円も夢ではないかもしれません。
もちろん簡単なことではなく、稼げないリスクも当然あることは理解しておくべきです。しかし学歴が一切影響せずに高収入を目指せる方法としては、独立・起業は現実的ともいえます。
秘訣6. 資格を取得して専門性を高める
高卒で給料アップを目指すためには、資格を取得して専門性を身につけると効果的です。
資格を保有している人材は企業からの信頼性が高まり、採用時や昇給・昇格の判断で有利になるケースがあるためです。
例えば、事務職なら日商簿記、営業職なら宅建やファイナンシャルプランナーなどが挙げられます。これらは高卒でも挑戦しやすく、実務に直結する知識を得られる資格です。
また、資格があると他の応募者との差別化ができ、転職市場でも評価されやすくなります。
資格手当が支給される企業もあるため、給与面でもプラスとなる場合があります。
働きながら学べる通信講座や夜間のスクールも多くあるため、自分のペースで学習を進めることも可能です。
収入を上げるために、自分に合った資格取得を検討してみてください。
秘訣7. 公務員を目指す
安定した収入を得たい高卒の方にとって、公務員を目指すことは非常に有効です。
地方公務員や国家公務員(一般職)は、高卒でも受験可能な区分が設けられており、筆記試験と面接を突破すれば採用されます。
初任給は民間よりやや控えめな場合もありますが、ボーナスや福利厚生が充実している場合があり、長く働くほど安定感があるのがメリットです。
職種は事務や技術、警察、消防などさまざまな選択肢があります。
試験対策は独学も可能ですが、専門学校などを利用すると合格率が高まるでしょう。
将来的な安定と継続的な収入アップを目指すなら、公務員へのチャレンジは十分に価値ある選択肢といえます。
秘訣8. 副業で収入源を増やす(条件あり)
副業で収入源を増やすのもおすすめです。
本業の給料に限界を感じている場合でも、副業での収入が加われば全体の年収を大きく引き上げられるからです。ただし、副業には条件があります。勤務先が副業を許可しているかどうかを必ず確認しましょう。
正社員の場合、就業規則で副業を禁止している企業も少なくありません。
また、時間管理や労働時間の調整も重要です。
主な副業として、Webライターや動画編集、プログラミングなどが人気です。
また、未経験でも始められるデータ入力やアンケートモニターなどもあります。
最近では「副業可」の求人も増えており、Wワークを前提とした働き方が広がっています。
生活に余裕を持たせたい方や、将来の独立を視野に入れている方は、自分に合った副業を見つけると収入面での可能性を広げられるでしょう。
手取り額の計算方法とは?
求人票に記載されている月収や年収の金額と、銀行口座に振り込まれる金額に差があると感じる場面は多くあります。
これは、給与から所得税や住民税、社会保険料が差し引かれているために生じるもので、差し引き後の金額を「手取り額」と呼びます。
就職や転職活動の際は、額面だけでなく「手取り額」を把握することが非常に重要です。
本章では、手取り額の計算方法について以下のとおり解説します。
- 求人票の給与=実際に受け取れる給与ではない
- 手取り額は額面から20%~25%程度が控除される
- 手取りは額面 −(税金 + 社会保険料)
求人票の給与=実際に受け取れる給与ではない
転職サイトやハローワークで目にする求人票には「月給25万円」「年収300万円」などの金額が記載されています。しかし、これはあくまで「総支給額(額面)」と呼ばれるもので、実際に受け取れる金額ではありません。
毎月の給与明細を見ると、さまざまな項目でお金が引かれており、手元に残る金額は総支給額(額面)より少なくなります。
初めて社会人になる方や転職活動中の方は、この違いに戸惑うケースが多く、生活費の見積もりを誤る原因にもなります。
「この求人は月給が高いから生活が楽になりそう」と安易に判断してしまうと、いざ入社した後に思ったより手元に残らず、計画が狂ってしまう場合もあるでしょう。
求人票の額面は、会社が支払う前の総支給額であり、ここから税金や保険料などが引かれた「手取り額」が、実際にもらえるお金です。
求人票を見るときは総支給額(額面)だけでなく、手取り額の目安まで意識して確認するようにしましょう。
手取り額は額面から20%~25%程度が控除される
会社員として働いていると、毎月の給与から自動的にさまざまな金額が天引きされています。
主な内訳は所得税や住民税、健康保険料、厚生年金保険料などです。
これらの合計は、額面給与の約20%〜25%に相当します。
例えば、月給25万円の場合は約5〜6万円が差し引かれ、実際に受け取る手取りは19〜20万円ほどになるのが一般的です。
控除率は扶養の有無や居住地域、健康保険の種類などによっても変動します。また、住民税は前年の所得に基づいて決まるため、新卒1年目は住民税が引かれない場合もありますが、2年目以降は急に控除額が増えるケースもあるため注意が必要です。
このように、額面の金額だけを見て判断してしまうと、生活費や貯金計画に支障が出る場合があります。
就職や転職を考える際は、額面から20%〜25%程度が引かれると想定して、現実的な手取り額を事前に把握しておきましょう。
手取りは額面 −(税金 + 社会保険料)
手取り額の基本的な計算式は「額面給与 – (税金+社会保険料)」です。
所得税と住民税が課税され、さらに社会保険料として健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料などが控除されます。(介護保険は40歳以上から)
例えば、額面が月30万円の人で、合計6万円が引かれた場合、手取りは24万円です。
この金額が毎月続くため、年間では額面給与と手取り額の間に72万円もの差が生じます。
社会保険料には病気や老後の保障、失業時のサポートなどの役割があるため重要な制度ですが、生活費に影響するのは事実です。
会社員はこれらの保険料を会社と折半して支払っていますが、負担は決して小さくありません。
手取り額を把握しておくことは、家計の管理や転職時の条件交渉において非常に役立つポイントといえるでしょう。
総支給額を確認する
手取り額を計算する前に、まずは「総支給額」を把握しましょう。
総支給額とは、基本給と各種手当(通勤手当、残業代、住宅手当、家族手当、資格手当など)をすべて含めた金額を指しています。「額面給与」とも呼ばれ、給与明細の中ではもっとも上に記載されているケースが多いといわれています。
求人票にある「月給〇〇円」も、総支給額を記載するのが一般的です。
しかし、求人票の金額を手取り額だと考えると、あとでギャップを感じる可能性があります。
特に新卒や転職後の最初の給与で驚く方も少なくありません。支給額と控除額の関係をあらかじめ理解しておくと安心です。
社会保険料を確認する
次に確認すべきなのが、社会保険料の内訳です。
給与から控除される社会保険には健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険(介護保険は40歳以上のみ)があります。
これらは法律に基づき給与から自動的に天引きされ、会社がまとめて納付します。
保険料率は年度や地域によって異なりますが、目安として総支給額の15〜18%程度が差し引かれると考えてよいでしょう。
例えば月給25万円の場合、社会保険料だけで約3万7,500円前後が引かれる計算になります。
20代後半〜30代ではその影響を強く感じる場合があるでしょう。
給与明細には保険ごとの控除額が明記されているため、毎月確認する習慣をつけておくと、異変や誤差に早めに気づけます。
税金を確認する
社会保険料に加えて、所得税と住民税も給与から毎月控除されます。
所得税は、給与や扶養家族の有無などに基づいて計算され、給与から源泉徴収という形で自動的に引かれます。
住民税は前年の所得をもとに計算され、6月から翌年5月までの12か月間で均等に支払います。
具体的な税額は個人の年収や控除内容によって異なりますが、合計で給与の約2〜7%程度とされるのが一般的です。
住民税については、年収の急増があると翌年に大きく跳ね上がるケースがあるため、急な支出増にならないよう注意が必要です。
また、扶養控除等申告書の提出有無によっても所得税の額は変わる場合があります。
年末調整や確定申告に関連する書類を提出しているか、忘れずにチェックしましょう。
手取り給与に関する注意点
手取り額は、総支給額から社会保険料や税金、会社規定によるその他の控除(社宅費、昼食代、財形貯蓄、組合費など)をすべて差し引いた金額です。
この手取り額が、実際に毎月の給与として口座に振り込まれます。
手取り額は生活に直結するリアルな収入です。生活費などに影響するため、正確な額を把握しておく必要があります。
昇給や転職後に収入が増えても、社会保険料や税額も比例して増えるため、必ずしも手取りが大幅に増えるとは限りません。
年収が上がると住民税や保育料などの「隠れた支出」も増えるケースがあります。
給与明細を毎月確認し、変化があればその理由を理解するように心がけると、将来的なマネープランにもつながるでしょう。
まとめ
高卒の初任給は、大卒より低い面はどうしてもあります。
年代が上がるごとに、給料や年収でも差が開いていく傾向があります。
そこがどうしても気になるのであれば大学に行くか、今回ご紹介したように、実力主義の企業への就職/転職などがおすすめです。
ただし、高卒で低い初任給からスタートしても、その後の給料を上げていくことは可能です。
ジェイックでは、高卒の方の長期的なキャリアを考えた就職支援も実施していますので、ぜひご相談ください。

「高卒の給料」に関するよくある質問
2020年度の高卒の初任給は16万9687円です。16万円程度が基本で、都道府県や職種によってもやや変わってきますが、ほとんどが15~17万円代です。高卒の初任給の平均は、そこまで大きくは変わらないと考えてよいでしょう。
高卒で就職したものの、初任給の額に不満があるという方もいるでしょう。その場合、まずは現状の分析が先決です。初任給が低いからと安易に退職してしまうと、転職が難しくなる可能性があります。まずは、就職や転職のプロへ相談するのがおすすめです。ぜひジェイックの「就職相談」をご利用ください。
高卒の方が給料アップのためにできる秘訣として、いわゆる単純労働の仕事に就くことは避ける、学歴を問わない実力主義の会社を選ぶ、自分のスキルを磨いていく、の3つが考えられます。




































2022年度は初任給を引き上げた企業が41.0%、据え置いた企業が55.4%でした。
2021年度と比較すると、引き上げた企業が10ポイント以上増加しています。
初任給を引き上げた主な理由は、1位が「人材を確保するため」で63.2%、2位が「在籍者のベースアップがあったため」で45.6%でした。