
ケアマネージャーは、心身の介護が必要な人にとって欠かせない存在です。
要介護者や要支援者の相談に乗り、ケアプランを作成することで、適切なサービスにつなげます。
やりがいが大きい仕事である一方で、さまざまなスキルが求められます。ケアマネージャーに就職・転職したい人は、どのような要素が必要か理解することが重要です。
この記事では、ケアマネージャーの役割から仕事内容について解説します。さらに、向いている人の特徴や年収も紹介するので、最後までご覧になってください。
この記事の目次
- 1 ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?
- 2 ケアマネージャー(介護支援専門員)の役割と主な仕事内容
- 3 ケアマネージャー(介護支援専門員)の種類
- 4 ケアマネージャー(介護支援専門員)になるには?
- 5 「介護支援専門員実務研修受講試験」の試験内容
- 6 資格を取るためのポイント
- 7 資格取得後のキャリアアップについて
- 8 ケアマネージャー(介護支援専門員)に必要なスキル
- 9 ケアマネージャー(介護支援専門員)のやりがいや魅力
- 10 ケアマネージャー(介護支援専門員)に向いている人の特徴
- 11 ケアマネージャー(介護支援専門員)の年収・給与事情
- 12 ケアマネージャー(介護支援専門員)の現状と将来性
- 13 ケアマネージャー(介護支援専門員)になるには資格が必要になる
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護が必要な人のためにケアプラン(介護サービス計画)を作成する専門職です。
介護に関する知識がない利用者が、適切な介護サービスが受けられるように、介護サービス事業者との橋渡し役を担います。利用者の経済状況や家庭環境、身体機能などによって作成するプランが異なるため、深い知識と経験が必要です。
ケアマネージャーは、居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャー、地域包括支援センターの3つに分類できます。
| 名称 | 内容 |
|---|---|
| 居宅ケアマネジャー | ・居宅介護支援事業所や地域包括支援センターに勤務し、自宅で生活している人を対象に支援する ・自立支援や介護予防を重視し、利用者と介護サービス事業者をつなげる役割 |
| 施設ケアマネジャー | ・介護老人福祉施設や介護老人保健施設に勤務し、施設で生活している人を対象に支援する ・施設内でのサービス向上を重視し、場合によっては帰宅を目指す |
| 地域包括支援センター | ・市町村が設置する ・介護に不安を抱える人を対象に総合的な相談窓口として勤務する ・介護サービスに加えて社会とのつながりも支援する |
詳しくは「ケアマネージャー(介護支援専門員)の種類」で解説しているので参考にしてください。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の役割と主な仕事内容
ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事内容は、ケアプランの作成と利用者と介護サービス事業者との橋渡しです。
利用者のなかには、どのようなサービスが自分に必要なのかわからない人がいます。そこで、ケアマネージャーが間に立ち適切な介護サービスを計画し、介護サービス事業者に引き継ぎます。
ケアマネージャー=〇〇と仕事が決まっているわけではありません。利用者ごとに必要なサービスを提供し、生活を支援します。
以降の章では、代表的な仕事内容について詳しく解説します。
1.ケアプランの作成
ケアマネージャーの主な仕事は、利用者のケアプラン(介護サービス計画)の作成です。
ケアプランとは、利用者がどのような介護サービスを、いつ、どれくらい利用するかを決めた計画のことです。ケアマネージャーは利用者や家族と面談し、計画に必要な情報を集めます。
面談後は、最適なサービスの種類や頻度、目標を盛り込んだケアプランを作成し、利用者と介護サービス事業者に共有されます。
利用者の健康状態が変化すれば、ケアプランも変更になるのが特徴です。常に最適なサービスが受けられるよう支援します。
2.モニタリング
ケアプランの交付後は、計画通りにサービスが提供されているか、モニタリングします。
ケアマネージャーは月に一度利用者宅を訪問し、直接話を聞いたり、サービス利用状況を確認したりします。
また、介護サービス事業者からも情報収集し、ケアプランが利用者のニーズに合致しているか、目標が達成できているかなどを確認するのも欠かせません。
3.介護に関する相談対応
ケアマネージャーは、介護に関するあらゆる相談に対応します。
たとえば、介護サービスの利用を考えている利用者やその家族からの相談を受けます。もちろん、利用中の方も対象です。
相談内容は「介護保険の申請方法がわからない」「サービスの種類が知りたい」などが挙げられます。
ケアマネージャーは利用者の不安や疑問を解消し、安心した状態で生活が送れるよう支援します。
4.介護給付費の管理(給付管理)
介護給付費の管理は、ケアマネージャーの重要な仕事です。
介護給付費の管理とは、利用者が受けた介護サービスにかかる費用をケアマネージャーが管理することです。
まず、利用者が実際に利用した介護サービスの実績を各介護サービス事業者から集約し、給付管理票を作成します。
最後に、給付管理票を国民健康保険団体連合会に提出します。お金に関わるため責任感のある仕事です。
5.介護サービス事業者と利用者との調整役を担う
ケアマネージャーは、介護サービス事業者と利用者との調整役を担います。
ケアプランを参考にして訪問介護やデイサービス、福祉用具貸与など、利用者に必要なサービスを紹介・提案します。
利用者と介護サービス事業者間で、認識のずれがないかチェックすることも仕事です。もし、サービスの変更が必要になった際は、双方の意見を聞きながら再調整します。
ケアマネージャーが橋渡し役を担うことで、利用者が質の高い介護サービスを継続的に受けられるようサポートします。
ただし、介護サービスは多種多様です。また、利用者本人の意思を尊重する必要があるため、難航する可能性があります。
その分、適切な介護サービス事業者が見つかったときは、ケアマネージャーにとっても大きなやりがいとなるでしょう。
6.介護予防のケアマネジメントをする
介護予防のケアマネジメントもケアマネージャーの仕事です。
介護予防のケアマネジメントとは、要支援認定を受けた利用者が要介護にならないように支援することです。現状維持・向上を目的とし、悪化を防止する支援を考えます。
利用者の状態や生活習慣を把握し、運動教室への参加や栄養改善、社会活動への参加などを促します。施設は、地域包括支援センターが統括し、市区町村や委託団体が運営する形です。
利用者ができる限り自立した生活を送れるよう支援し、要介護状態への進行を防ぐこともケアマネージャーの役割です。
7.申請代行や訪問調査
ケアマネージャーは、申請代行や訪問調査を実施します。
介護サービスを利用するには申請が必要です。しかし、手続きに慣れていない利用者や家族の場合、ケアマネージャーが代わりに対応します。
ただし、第三者で申請できるのは、ケアマネージャーのみです。利用者の生活を支援するためにも、欠かせない作業です。
また、市町村からの依頼を受けて、利用者の健康や介護の状況などを詳しく聞き取る、訪問調査も実施します。調査結果は、介護度の判定に用いられる重要な情報です。
ケアマネージャーは、利用者がスムーズに介護サービスにアクセスできるよう支援することを覚えておきましょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の種類
ケアマネージャーは、居宅・施設・地域包括支援センターの3種類に分けられます。
勤務場所や仕事内容、求められるスキルが異なるため、違いを理解しておくことが重要です。
本章では、それぞれの役割について詳しく解説します。ケアマネージャーに対するイメージが漠然のままでは、入社後に価値観が合わず、後悔する可能性があります。
ケアマネージャーの違いについて、きちんと把握したうえで就職・転職しましょう。
1.居宅ケアマネジャー
居宅ケアマネジャーの仕事内容は、利用者の自宅を訪問し、面談を通じて心身の状態や生活環境、希望などを把握し、ケアプランを作成することです。
主に居宅介護支援事業所に所属し、自宅で生活する要介護(要支援)認定者やその家族に対してのケアマネジメントを担当します。
ケアプランの作成後は、介護サービスが適切に提供されているかを確認するモニタリングを定期的に行い、必要に応じてプランを見直します。
また、訪問介護事業所やデイサービス、医療機関など、多岐にわたる介護サービス事業者や関係機関との連絡・調整役を担います。利用者が安心して在宅生活を継続するには欠かせない仕事です。
2.施設ケアマネジャー
施設ケアマネジャーの仕事は、入所されている利用者のケアプランを作成し、施設内での生活全般を支援することです。
介護老人福祉施設や、介護老人保健施設などの施設に勤務します。
居宅ケアマネジャーと比較して、担当する利用者が多い傾向にあります。そこで、施設内の医師や看護師、介護士などの多職種と密接に連携しなければなりません。
利用者の生活の質向上だけでなく、可能な場合は在宅復帰に向けた支援も行います。
また、施設によっては、ケアマネジメント業務に加えて、介護業務やその他の雑務を兼務します。さらに、夜勤を担当する可能性があるのも施設ケアマネージャーの特徴です。
3.地域包括支援センターのケアマネジャー
地域包括支援センターのケアマネジャーの仕事は、高齢者に加えて、障がいのある方や児童に関する相談に対応することです。
介護保険サービスに限定されず、居宅や施設よりも幅広い範囲を支援する点が特徴です。
たとえば、介護予防を目的とし、地域のボランティア活動やサロン、健康教室など、介護保険外のサービスを提案します。
他にも、詐欺被害や虐待など、利用者の権利や尊厳を擁護するのも役割です。
多様な社会資源を活用することで、利用者を社会全体で支援します。また、地域のネットワークを利用することで、1人ひとりに合った支援が可能です。
さらに、複雑な課題を抱える人に対しても、包括的かつ継続的な支援ができます。
ケアマネージャー(介護支援専門員)になるには?
ケアマネージャーになるには、年に1度全国で開催される「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、その後研修を受ける必要があります。
ただし、誰でも受験できるわけではありません。介護福祉士や社会福祉士などの国家資格を有し、通算5年以上の実務経験かつ、900日以上の従事が必要です。
他にも、介護施設などで相談員としての業務経験がある人も受験できます。
試験に合格した人は、実務研修に移ります。研修を修了し、各都道府県の資格登録簿に登録して初めてケアマネージャーを名乗ることが可能です。
「介護支援専門員実務研修受講試験」の試験内容
介護支援専門員実務研修受講試験の内容は以下のとおりです。令和7年度の東京都を参考にしています。
受験する都道府県によって詳細は異なるため、詳しい内容は各都道府県の専用サイトを確認してください。
| 試験の概要 | ・出題・解答:5つの選択肢から出題され、解答はマークシート形式 ・出題範囲と問題数:60問(介護支援分野25問、保健医療福祉サービス分野35問) ・試験時間:120分 |
| 合格率 | ・令和6年度実績は32.1% ・平均は23.8% |
| 合格点 | ・介護支援分野は18点 ・保健医療福祉サービス分野は25点 (配点は1問1点) |
| 受験料 | 12,400円 ※コンビニエンスストアへの振込手数料として別途148円が必要 |
| 受験申込期間 | 例年6月中に申し込む 令和7は年6月2日〜6月30日 |
| 受験時期 | 例年10月に開催(年1回) 令和7年は10月12日(日)午前10時実施予定 |
| 受験場所 | 勤務もしくは居住している都道府県 |
| 提出する書類 | ・受験申込書(原本) ・実務経験(見込)証明書(原本) ・実務経験証明書の内容確認等に必要な添付書類 ・国家資格等別の添付書類 ・身体障害者等受験特別措置申請書類 |
参考:令和7年度東京都介護支援専門員実務研修受講試験|東京都福祉健康財団
試験は、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野から出題されます。東京都の場合、福祉局が過去問を掲載しているので、当日までに合格点に達するよう勉強しておきましょう。
ただし、受験料や申込期間、受験場所などは都道府県によって異なります。自分が受験する場所を事前に確認し、余裕を持って準備しておきましょう。
また、試験は年に1回しかありません。もし、申し込み忘れや書類に不備があると翌年まで待つ必要があるため注意してください。
資格を取るためのポイント
ケアマネージャーの資格を取るためには、まず基礎資格を取得してください。
ケアマネージャーはいきなり受験できる資格ではありません。介護福祉士や保健師、看護師などの国家資格を取得する必要があります。
また、国家資格を取得後、通算5年以上の実務経験と900日以上の従事が必要です。受験資格を得るまでに時間がかかるため、早めに行動することをおすすめします。
さらに、合格率の平均は23.8%と低めです。受験資格を満たす年になったら、早い段階から試験勉強を開始しましょう。
資格取得後のキャリアアップについて
ケアマネージャーを取得したのち、主任ケアマネジャーにキャリアアップできます。
主任ケアマネジャーとは、ケアマネージャーの上位資格です。ケアマネージャーに対してアドバイスや指導、育成ができるようになります。
主任ケアマネジャーになるには、各都道府県が実施する「主任介護支援専門員研修」の修了が必要です。研修を受けるには、ケアマネージャーの実務経験が5年以上など、条件を満たす必要があるため注意してください。
主任ケアマネジャーになることで、人材価値を高めることが可能です。施設によっては、主任ケアマネジャーの配置が義務付けられる場合があります。
つまり、主任ケアマネジャーの資格を取得しておくことで、就職・転職が有利になるでしょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)に必要なスキル
ケアマネージャーは、利用者が適切なサービスが受けられるように、さまざまなスキルが必要です。
1つの分野に特化することも重要ですが、幅広い知識と経験を身に付けておくことで、柔軟な対応ができます。
本章では、ケアマネージャーとして実際に働く際、求められるスキルについて解説します。これからケアマネージャーを目指す人は、意識しながら勉強・勤務することで、早期に活躍できるでしょう。
1.信頼関係構築力
ケアマネージャーには、信頼関係構築力が必要です。
適切な介護サービスを計画するには、利用者の個人情報が欠かせません。利用者と信頼関係を構築することで、家族関係や生活状況、心身の悩みといったデリケートな情報を打ち明けてくれるでしょう。
見た目の様子や自分の経験からプランを立案することは可能です。しかし、利用者の真のニーズや潜在的な問題が見えないため、質の低いケアプランになるでしょう。
そこで、利用者の立場に寄り添い傾聴する姿勢や誠実に対応することで、少しずつ信頼関係が構築されます。その結果、質の高いケアプランが提案できるでしょう。
2.基本的なITスキル
ケアマネージャーには、基本的なITスキルも欠かせません。
ケアマネージャーの業務では、ケアプランの作成や各種申請書類の作成、日々の記録など、多くの事務作業が存在します。事務作業を効率的に進めるためには、WordやExcelといった基本的なPC操作スキルが不可欠です。
複雑なプログラミングや高度なデータ分析能力は必要ありません。しかし、文書作成や表計算、メールの送受信などはできるようになりましょう。
基本的なITスキルを身に付けることで、書類作成の質が向上します。事務作業にかかる時間が節約でき、利用者や関係機関とのコミュニケーションに時間を使うことが可能です。
3.情報収集力
情報収集力を磨くこともケアマネージャーには大切です。
適切なケアプランを作成するためには、利用者の生活状況や心身の状態、抱えている悩みや希望など、多角的な情報が必要です。正確な情報を得るためにも情報収集力は欠かせません。
情報収集力は、単に質問するだけではありません。言葉の奥にある本音や表情、仕草などの非言語情報を捉える力も含みます。
また、家族や関係者からも必要な情報を引き出す洞察力も求められます。うまく質問を組み立て、傾聴することで、利用者一人ひとりに最適な支援が可能です。
4.他職種との連携・調整力
ケアマネージャーになるなら、他職種と連携・調整力を磨きましょう。
利用者の生活を支えるためには、医療機関や訪問介護事業所、地域のボランティア団体など、多岐にわたるサービスとの連携が不可欠です。
ケアマネージャーは、関係者と密に連絡を取り合い、情報を共有し、最適な支援体制を構築するための調整役を担います。
スムーズな連携は、利用者に一貫したサービスを提供することが可能です。お互いにゴール地点を把握しているため、最適なアプローチができるでしょう。
さらに、円滑な連携・調整は、利用者にとって切れ目のない、包括的なケアの提供につながります。
5.タスク管理力
ケアマネージャーは、タスクを管理する力も求められます。
ケアマネージャーの業務が多岐にわたるからです。たとえば、ケアプランの作成や利用者の状況把握、各種申請の代行などです。
これらの業務を効率的かつ確実にこなすためには、タスク管理力が必要になります。スケジュール帳やアプリを用いて、目の前の業務に優先順位をつけ、期限を意識することで計画的に進めることが可能です。
ケアマネージャーは、一度に複数の利用者を担当します。異なるニーズに漏れなく対応するには、自分を適切に管理するスキルが必要です。
ケアマネージャー(介護支援専門員)のやりがいや魅力
ケアマネージャーのやりがいや魅力は、利用者の生活に深く関われることです。
利用者の多くは、生活や心身に悩みがあります。ケアマネージャーとして、サポートすることでケアマネージャーになって良かったと思えるでしょう。
本章では、さらにケアマネージャーのやりがいや魅力を詳しく解説します。ケアマネージャーになった後を想像するためにも参考にしてください。
1.利用者の生活を支えられる
ケアマネージャーのやりがいは、利用者の生活を支えられることです。
ケアマネージャーは、自分の経験や知識を活用し、利用者に必要なサービスを提供します。また、医療機関や介護サービス事業者と連携することで、よりニーズに合った支援ができるでしょう。
自分で作成したケアプランが、利用者やその家族に役立つことで仕事のやりがいを感じられます。
とくに面談した際に「あなたのおかげで暮らしやすくなった」「安心して生活できるようになった」といった感謝の言葉を聞くことで、大きな達成感とやりがいを感じられるでしょう。
2.利用者と家族の伴走者として信頼関係を築ける
ケアマネージャーは、利用者と家族の伴走者として信頼関係を築けることも大きな魅力です。
ケアマネージャーは、利用者や家族が抱える複雑な課題や困難な状況に対して、医療や福祉などの多職種と連携し、解決します。自分のサポートによって課題が解決した際は、仕事のやりがいを感じるでしょう。
場合によっては、利用者と意見の食い違いや予期せぬ問題に直面することもあります。しかし、それらの課題を乗り越える過程で、利用者や家族との絆はより一層深まるでしょう。
長期間にわたって、利用者を支えることで「あなたに相談して良かった」「頼りになる」と言われる可能性があります。
利用者に心から信頼された証として、ケアマネージャーとしての仕事に誇りを感じるでしょう。
3.自ら考えて成長できる
ケアマネージャーの仕事は、自ら考えて成長する機会があります。
ケアマネージャーの仕事は、マニュアルにはない対応を求められるからです。利用者一人ひとりの状況は異なります。同じ課題であっても、画一的なプランが最適とは限りません。
常に「どうすれば利用者がより良い生活を送れるか」と深く考え、自分の知識や経験をもとに判断し、柔軟に対応する必要があります。
「自ら考え、行動する」というプロセスは、ケアマネージャーとしてのスキルアップや人間的に成長するチャンスです。向上心を持って働くことで、ケアマネージャーとしての価値が高まるでしょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)に向いている人の特徴
ケアマネージャーに向いている人は、人間関係が良好に築ける人です。
ケアマネージャーは仕事の性質上、利用者とその家族、介護サービス事業者など、さまざまな人と関わりがあります。自分から積極的に関係性が構築できる人は、強みを発揮できるでしょう。
本章では、ケアマネージャーに向いている人の特徴を詳しく解説します。ケアマネージャーになりたい気持ちはあるものの、自分に自信がない人は参考にしてください。
1.コミュニケーション力のある人
ケアマネージャーにコミュニケーション力は必要です。
ケアマネージャーは、利用者やその家族だけでなく、医師や看護師、ヘルパーなど、多くの専門職と連携を取りながら業務を進めます。
たとえば、利用者の情報を医療機関と共有することで、多角的な視点でサポートできます。
相手の立場や感情を理解し、尊重しながら円滑な人間関係を築ける人は、チーム全体の連携がスムーズになるでしょう。さらに、利用者への質の高い支援につなげられます。
適切な言葉遣いや傾聴の姿勢はもちろんのこと、困難な状況でも冷静に話し合いを進める力も必要です。
2.事務作業が得意な人
事務作業が得意な人は、ケアマネージャーに向いています。
ケアマネージャーの仕事は、利用者との面談や他職種との連携といった対人業務が中心です。また、書類作成や事務作業も非常に多く発生します。
たとえば、ケアプランの作成や各種申請書の代行、記録業務など、正確かつ迅速な事務処理能力が求められます。とくに人手不足の現場では、これらの事務負担が大きくなるでしょう。
そこで、PCスキルやマルチタスクを効率的にこなせる能力がある人は、業務を円滑に進められます。時間に余裕が生まれることで、利用者への対応に集中できるでしょう。
3.忍耐力がある人
ケアマネージャーの仕事には、忍耐力が欠かせません。
ケアマネージャーの仕事は、利用者やその家族から多様な要望や過度な要求、クレームに対応する場面も少なくありません。介護保険制度や利用できるサービスに限りがあるなかで、双方の板挟みになることもあります。
難しい状況でも、丁寧な説明、冷静な話し合いを重ね、辛抱強く問題に向き合うことが重要です。すぐに解決できない問題に対してもあきらめずに取り組む忍耐力は、利用者や家族からの信頼を得るのに必要です。
忍耐力に自信がある人は、困難な局面を乗り越えられるでしょう。
4.柔軟性がある人
ケアマネージャーは、予期せぬトラブルがあるため、柔軟性が求められます。
介護現場では、想定外の事故や緊急の対応が必要となるケースが発生します。ケアマネージャーには、日々多くの課題が発生するなかで、何が最も優先すべきことなのかを見極め、臨機応変に対応しなければなりません。
また、ケアプランは一度作ったら終わりではなく、利用者の状態や状況の変化に合わせて見直していく必要があります。固定観念にとらわれず、常に最善の選択肢を探し、柔軟に対応することが重要です。
状況によって、適切な行動ができる人は、利用者やその家族に安心感を与え、信頼されるケアマネージャーとなるでしょう。
5.行動力のある人
ケアマネージャーに向いているのは、行動力がある人です。
ケアマネージャーの仕事は、デスクワークに加えて、実際に利用者の自宅へ訪問したり、関係機関へ足を運んだりします。
オフィスにいるだけでは、必要な情報が得られないからです。
机上の情報だけでなく、直接利用者の生活環境や状況を確認することで、より現実的で適切なケアプランを作成できます。また、介護サービス事業者や医療機関などの情報を自分で集めておくことで、利用者の要望を叶えやすくなるでしょう。
積極的に現場に赴き、自分の目で確かめることで、質の高いケアプランが作成できます。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の年収・給与事情
ケアマネージャーの年収は、厚生労働省が運営する職業情報提供サイトの「jobtag」によると429.6万円です。
一方で国税庁が公表した「令和5年分民間給与実態統計調査」では、平均給与が460万円でした。ケアマネージャーの給与は、平均給与と比較して30.4万円も低くなる可能性があります。
ただし、勤務する施設によっては賞与があり、必ずしも低くなるわけではありません。しかし、賞与は変動するものであるため期待し過ぎると、就職を後悔する原因になります。
また、ケアマネージャーになるには、長期間にわたる実務経験と試験に合格する必要があります。自分のキャリアプランと比較して、ケアマネージャーとして働くことに問題がないかチェックしてください。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の現状と将来性
本章では、ケアマネージャーの現状と将来性について解説します。
現状把握は、就職活動の対策に欠かせません。少ない情報から決断すると、誤った方向に進むかもしれません。
また、将来性も重要です。ケアマネージャーはもちろんのこと、介護業界全体を把握し、予測しておかないと、環境に取り残される可能性があります。
以降の章では、課題と将来性を詳しく解説するので、就職活動時の判断材料にしてください。
現状の課題
ケアマネージャーが抱える課題として、人手不足が挙げられます。
厚生労働省の「ケアマネジメントに係る現状・課題」によると、ケアマネージャーの数は減少傾向です。平成29年度は約188,000人いましたが、令和4年度には約183,000人にまで減少しました。
介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数も同様です。平成29年度は約131,000人でした。しかし、令和5年度は約56,000人にまで落ち込みました。
背景には平成30年からケアマネージャーの受験資格が、厳格化したことが挙げられます。平成30年度から介護業務等の経験が撤廃されたことで、受験できる人数が減少しました。
具体的な数としては、平成29年は約13万人いた受験者数が、平成30年には約5万人になりました。さらに、合格率の低さやコロナ禍も重なり、新規参入する人が減少傾向です。
ケアマネージャーの人数は、減少傾向にあることを覚えておきましょう。
将来性と需要
ケアマネージャーの将来性は高いと予想されます。さらに、需要もますます増加するでしょう。
内閣府が発表した「令和6年版高齢社会白書」によると、高齢者の割合は年々増加しています。2000年では、65歳以上の高齢者の割合が17.4%でした。
しかし、2025年現在では29.6%になると予想されています。さらに、2040年には34.8%と増加の一途です。
利用者のケアプランが作成できるケアマネージャーは、高齢者の増加に比例して需要が高まるでしょう。
また、近年はAIの導入より、業務の効率化が期待されています。一方で、ケアマネージャーは、専門性やコミュニケーションなどが必要になるため、AIの代替が困難です。
AIへの置き換えが難しい仕事のため、今後の将来性、需要とともに期待できるでしょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)になるには資格が必要になる
ケアマネージャーになるには試験に合格し、資格を取得する必要があります。
試験を突破するには覚える要素が多く、ハードルが高く感じるでしょう。しかし、ケアマネージャーは高い専門性を活用した職種になるため、AIに置き換わる心配がありません。
さらに、日本は高齢社会であるため、ますます需要が高くなります。
この記事の解説を参考にし、自分に合った働き方、職場を見つけてください。






































