
既卒の就活のやり方としては、自己分析から始まり、業界研究や履歴書の作成、面接対策を行って内定を獲得するといったものが基本となってきます。
既卒の就活のやり方を理解しておけば、これまでブランクがあったとしても希望する就職を実現できるでしょう。
この記事では、既卒の就活のやり方を分かりやすく解説するとともに、内定獲得のコツや注意点について解説します。
既卒の就活のやり方と流れ
既卒の就活のやり方は、以下のような流れで進めていきます。
- 自己分析を行う
- 業界研究と職種理解を行う
- 就職サービスに登録する
- 履歴書を作り込む
- 気になる求人に応募する
- 面接までに企業研究を行う
- 面接〜内定
既卒の就活では新卒のように大学のサポートがないため、主体的に行動することが重要です。
上記のやり方と流れを意識しつつ、自分に合った企業を自分の手で見つけるといった意識を持っておきましょう。
1. 自己分析を行う
既卒が就活を始める際は、いきなり求人に応募するのではなく、自己分析から取り組むことが大切です。
自己分析に取り組むことで、自分の強みや弱みを言語化できるだけでなく、価値観や性格を明らかにできますので、どんな仕事や職場環境がマッチしているかを判断できるようになります。
また、既卒の場合は学校を卒業してから空白期間が存在しているため、自己分析に取り組むことで、なぜ既卒になったのかという背景や、空白期間で学んだことを整理できるのもポイントです。
自己分析をしっかりしておくことで、志望動機や自己PRが作り込みやすくなるだけでなく、面接でも説得力が高まるため、好印象を与えやすくなります。求人を見定める以外にも様々なメリットがありますので、自己分析は必ず行っておいてください。
2. 業界研究と職種理解を行う
自己分析ができたら、続いてはどんな業界や職種に向けて就活を進めていくのか具体化するためにも、業界研究と職種研究を行います。業界研究では、各業界における特徴や将来性、ビジネスモデルについて調べることで、応募する会社の幅を絞ることができます。
職種理解については、各職種における基本的な働き方や求められるスキル、将来のキャリアパスなどを把握することで、自己分析で理解できた自身の強みを発揮できる職種を特定できます。
基本的にはネットの情報を中心に収集していくことで問題ありませんが、特に職種における働き方については、既にその職種で働いている人の生の声を収集することがおすすめです。
気になる職種で働いている人が身近にいない場合は、就職エージェントのアドバイザーに相談してみることも検討してみてください。
3. 就職サービスに登録する
就活における方向性がある程度定まったら、就職サービスに登録します。
就職サービスは大きく分けると就職エージェント、求人サイト、ハローワークの3つが挙げられ、いずれも登録や利用にお金がかからない点が共通しています。
いずれの方法でも、既卒から就活を始めて正社員を目指すことはできますが、それぞれ支援内容や応募できる求人の特徴が異なります。
詳しい特徴の違いやメリットデメリットについては後ほど解説しますが、初めて就活を進める既卒の場合は、プロによる支援で安心して就活を進められる就職エージェントがおすすめできます。
なお、就職サービスは複数のサービスを併用しても問題ありませんので、自分なりの就活のやり方を確立するまでは、すべてのサービスを併用してみるのも良いでしょう。
4. 履歴書を作り込む
就職サービスに登録する際にWeb履歴書の登録をするケースがほとんどですが、登録したWeb履歴書で書類選考が行われますので、応募前に履歴書を作り込むことが重要になってきます。
特に既卒者の場合は学歴や資格だけでなく、空白期間にどのような過ごし方をしていて、社会人になるためにどんな取り組みをしているかを自己PRや志望動機欄でしっかりと伝えないと、どれだけ求人に応募しても書類選考で落ちてしまうため注意してください。
履歴書の項目は就職サービスによって異なりますが、基本的に自己PRと志望動機を記載するようになっています。自己PRでは、自己分析から分かった強みを具体的に書くことで、どんな力を発揮できるか具体的なエピソードとともにまとめましょう。
志望動機については、なぜその仕事をその会社でやりたいのかが伝わるようにまとめあげます。全ての企業で同じ志望動機にすると、企業に良い印象を与えることが難しくなってしまうので、履歴書の作成に不安を感じた場合は就職エージェントのアドバイザーに添削してもらうこともおすすめです。
5. 気になる求人に応募する
履歴書まで作り込むことができたら、就職サービスを使って求人に応募していきます。
既卒の就活では新卒よりも書類選考で見送りになるケースが多いため、気になる求人を見つけたら数多くの求人に積極的に応募していく意識を持っておくと良いでしょう。
求人に応募する際は、特に志望動機は企業ごとにカスタマイズする意識を持っておくことが大切です。
すべての企業に同じ履歴書を送っても応募が無駄になってしまいかねませんので、応募する企業の採用ホームページなどを確認しながら、企業の価値観とマッチしている人材ということを伝えられるような志望動機に調整しましょう。
6. 面接までに企業研究を行う
求人への応募前後で企業研究に取り組んでおくことで、採用担当者により良い印象を与えられるだけでなく、就職後のミスマッチを防ぐことができます。
企業研究とは、企業の求人票や採用ホームページだけでなく、就職口コミサイトを網羅的に調査して、就職後に働くイメージを具体化することを言います。
また、企業研究では生の声を収集しておくことも重要になりますので、採用担当者と直接やりとりをしている就職エージェントのアドバイザーに話を聞いてみることもおすすめです。
働き方を具体的にイメージできるだけで、志望動機を作り込みやすくなるだけでなく、面接で想定外の質問が来たとしても冷静に対処できるようになるでしょう。
7. 面接〜内定
無事に書類選考に通過できたら面接を行います。
面接では既卒という経歴について質問されることが多いため、既卒期間で学んだことや得られた価値観を前向きに伝えることで、採用担当者にポジティブな印象を与えることができます。
また、既卒者の場合はスキルや経験よりもポテンシャルや就職熱意に比重を置いて評価されることになりますので、あらかじめ面接対策を入念に行い、自信を持って受け答えできるような準備をしておくことが内定獲得の重要なポイントになります。
面接に無事通過して内定を獲得できた後は、雇用条件の確認や入社準備を行い、無事に正社員就活が完了となります。
既卒の主な就活方法
既卒が就活を進めていく場合は、以下のような方法を取ることが一般的です。
- 就職エージェント
- 求人サイト
- ハローワーク
- バイトからの正社員登用
それぞれの方法によって特徴やメリットとデメリットが異なりますので、自分にマッチしているやり方を見つけて就活を進めていくことがポイントです。
1. 就職エージェント
就職エージェントは登録することで、自分専任のアドバイザーからキャリア面談や応募書類の添削、求人の紹介など様々なサポートを受けながら就活を進めていくことができます。
既卒者向けのサービスに特化しているような就職エージェントも多く、就活が初めてでやり方が分からないような人でも、安心して理想の就職を実現しやすいといった特徴があります。
メリット
以下のようなサポートをアドバイザーから個別にサポートを受けられるのは、就職エージェントならではのメリットと言えます。
- キャリア面談の実施
- 応募書類の添削
- 自分にマッチした求人の紹介
- 模擬面接の実施
- 面接日時の調整代行
- 面接後のフィードバックの実施
このように、履歴書の書き方や面接の受け答えまで自分専任のアドバイザーから継続的にサポートをもらえるため、初めて正社員を目指して就活する既卒者でも、安心して効率的に内定を目指せるでしょう。
デメリット
就職エージェントを使うことで、自分と企業の間に常にアドバイザーが介在することになるため、面接連絡や応募連絡に若干時間がかかるようになる点はデメリットと言えます。
また、担当するアドバイザーによってサポートの質に差があることもあり、希望と異なる求人を紹介されることもあります。
ただし、就職エージェントの場合は担当アドバイザーを途中で交代するといった申し出も可能なため、もしアドバイザーと相性が悪いと感じた際は、他のアドバイザーに変えてもらうよう申し出るか、複数のエージェントを併用することをおすすめします。
2. 求人サイト
求人サイトでは、登録後に自分自身で求人を検索しながら応募先を見つける方法です。
一度に複数の求人を比較検討できるだけでなく、様々な条件で求人を絞り込めるため、自分に合った求人を効率的に探しやすいといった特徴があります。
また、多くの求人サイトでは、Webサイトだけでなくスマホアプリの提供を行っているため、自分の好きなタイミングで就活を進めやすい方法となっています。
メリット
スマホでいつでもどこでも求人を探して応募できるため、時間や場所を選ばずに就活を進められるのは大きなメリットと言えます。
また、企業からスカウトメールが届くこともあるため、自分で求人を探すことなく思わぬ出会いを見つけられる点もメリットと言えます。
求人サイトは既卒者を募集しているような求人も多く、実務経験の有無や学歴に関係なく応募できる求人が多いという点も、就活初心者にとっては安心できる要素と言えるでしょう。
デメリット
就職エージェントと異なり、求人サイトを使って就活を進める場合は履歴書の作成や面接の対策を始め、すべて自分1人で準備を進めなければなりません。そのため、就活のやり方が分からない既卒にとってはハードルの高い方法と言えるでしょう。
また、求人の良し悪しを自分で見定める必要があるため、うまく求人を見定めることができないと競争率の高い求人にばかり応募してしまったり、ブラック企業に就職してしまうといったデメリットも挙げられます。
3. ハローワーク
ハローワークは国が運営する公的な職業紹介サービスであり、最寄りのハローワークに行くことで求人検索や就職相談を行うことが可能です。
既卒者向けの就活セミナーや職業訓練を無料で受けることができるため、就活初心者の既卒にとって安心感のある就活方法と言えます。
メリット
地元密着型の求人が多く掲載されているため、現在住んでいる場所でこれからも長く働いていきたい人にとっては、求人の選択肢が最も多い方向といったメリットがあります。
また、実際にそれぞれの職業について詳しく理解を深められる職業訓練を受けられるのはハローワークのみとなっているため、基本的な知識を固めた上で就活をしていきたい人におすすめできる方法と言えます。
デメリット
ハローワークでは企業が無料で求人を掲載できるため、非常に多くの求人の中から応募先を見つけなければならないといったデメリットがあります。
また、ハローワークの相談員の対応には個人差があるだけでなく、就職エージェントと異なり相談のたびに違う担当者が対応してくるため、一貫性を持って就活に取り組みづらいというのも、初めて就活を進める既卒にとってはデメリットに感じやすいポイントです。
4. バイトからの正社員登用
アルバイトとして働きながら実績を積み、雇用主からの高い評価を得ることができれば、正社員に雇用切り替えをしてもらうこともできます。
職歴や学歴に自信がない既卒者でも、実務における適性で正社員に就職ができるため、ミスマッチが少ないといった特徴があります。
メリット
これまでのバイト経験をそのまま活かす形で正社員になれるため、正社員になった際のミスマッチが起きづらいというのが最大のメリットと言えます。
また、職場環境も理解した上で正社員として働けますので、不安な気持ちを持つことなく正社員デビューできる点も、正社員登用ならではのメリットと言えるでしょう。
デメリット
バイト先によっては正社員登用の制度がないこともありますので、そもそも正社員切り替えを目指せない可能性があるというのはデメリットと言えます。
正社員登用制度がないままアルバイト期間が長引いてしまうと、空白期間が長引くことに繋がり、就活で不利になる可能性もあります。
また、これからバイト先を見つける場合は、正社員登用制度があるかといった観点を持たなければならず、バイト先に制限が出てしまう点もデメリットとして挙げられます。
既卒が知っておくべき就活のポイント
既卒がこれから就活を進めていく際は、基本的なやり方だけでなく、以下のポイントも意識しておくことが大切です。
- 面接官が見極めているポイントを知っておく
- 未経験者歓迎や既卒歓迎の求人に応募する
- 既卒でも新卒枠で応募できる求人がある
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1. 面接官が見極めているポイントを知っておく
既卒の面接においては、空白期間の過ごし方をポジティブに伝えることだけでなく、ポテンシャルが企業の求めるハードルとマッチしているかが重視されます。
特に面接官は以下のポイントを中心に見極めているため、あらかじめ認識しておきましょう。
- なぜ既卒になったのか
- 既卒期間でどんな過ごし方や経験をしたのか
- 社会人としての基本的なビジネスマナーはあるか
- 企業への入社意欲があるか
- 長く働くつもりはあるか
- キャリアプランをしっかりと持っているか
このようなポイントを意識して面接対策をしておくことで、初めての就活であっても希望の企業から内定をもらえる可能性を高められます。
2. 未経験者歓迎や既卒歓迎の求人に応募する
既卒で職歴がない人は、未経験者歓迎の求人や既卒歓迎の求人を中心に応募することで、選考を有利に進められる可能性が高まります。これらの求人は、教育制度や研修制度が整っている場合が多く、就職後に実務を習得していきやすいといった特徴があります。
未経験者歓迎や既卒歓迎といった文言が求人に書かれていない場合は、基本的に実務経験者からの募集をしているような求人となりますので、実務経験のない既卒が応募しても書類選考で落とされてしまう可能性が高く、応募は避けておいた方が良いでしょう。
3. 既卒でも新卒枠で応募できる求人がある
厚生労働省では、卒業後3年以内は新卒扱いとするようガイドラインを企業に向けて発信していますので、企業によっては既卒でも新卒枠で応募できる場合があります。
既卒枠よりも新卒枠の方が募集定員が多いことが大半のため競争倍率も低くなりやすく、就職できる可能性が高まります。
また、新卒枠であれば、応募者に求めるポテンシャルのハードルも既卒枠より低くなりやすい傾向もあるため、面接対策をスムーズに進めやすくなり、就活を進める上でも安心感が持てるでしょう。
ただし、企業によって厚生労働省のガイドラインに対する取り扱いが異なりますので、求人票の募集要項をしっかりと確認し、既卒でも新卒枠で応募できるかどうか見極めることが重要です。
既卒就活における注意点
既卒の就活においては、やり方を知っておく事はもちろん、どのように行動していくかによって選考結果が大きく変わってきますので、以下のような注意点を意識しておくことが大切です。
- 手当たり次第に応募しない
- 面接で嘘をつかない
- ダラダラと就活をしない
それぞれの注意点について詳しく解説します。
1. 手当たり次第に応募しない
既卒の就活においては応募する数が重要になってくるものの、手当たり次第に応募してしまうと志望動機が浅くなり、かえって選考の通過率を落としてしまうことに繋がるため、就活において逆効果になることがあります。
また、手当たり次第に応募して1番最初に内定が出た会社に就職するといった方法をとってしまうと、就職後にミスマッチを感じて短期離職に繋がりかねません。
したがって、応募する際は必ず企業研究を行って、自分の価値観や求めている条件にマッチしているのかを見極めることが大切です。求人に積極的に応募する意識を持ちつつも、一件一件丁寧に応募するといった意識も持ち合わせるようにしてください。
2. 面接で嘘をつかない
「既卒で空白期間があることが不利になってしまうのではないか」と感じて、これまでの経歴に嘘をついてしまう事は避けるように注意してください。
面接で嘘をつくと話の整合性が合わなくなり、面接官から嘘を見抜かれることがほとんどです。もし面接で嘘がバレずに入社できたとしても、就職後に嘘がバレると周囲からの信頼度を大きく下げることに繋がりかねないことから避けるべきでしょう。
近年では人手不足の影響もあり、既卒であっても空白期間の合理性や将来のポテンシャルの高さをアピールできれば、就職しやすい状況になっています。
面接で嘘をつく方法を考えるのではなく、これからどのようなビジネスパーソンになっていきたいのかを前向きに答えられる準備をしておくことがポイントです。
3. ダラダラと就活をしない
既卒の場合は、自分で就活のやり方とスケジュールを決めることができるため、人によってはダラダラと就活に取り組んでしまうケースがあります。
しかし、就活が長期化するとモチベーションの維持が難しくなるだけでなく、空白期間が長引き正社員になれる可能性が下がるといったデメリットに繋がります。
したがって、既卒が就活を進める際は、具体的にいつまでに正社員になるのかゴール設定をすることが重要です。
ゴールに向かって細かく目標を切り分けてアクションをしていくといった進め方をするためにも、内定まで伴走してくれる就職エージェントを活用することがポイントです。
就活のやり方に悩む既卒によくある質問
最後に、就活のやり方に悩む既卒によくある質問を2つ取り上げて解説します。
既卒の就活の流れは?
既卒の就活の流れは基本的に以下の通りです。
- 自己分析をする
- 業界研究と職種理解を行う
- 求人を探す
- 応募書類を作り込む
- 面接をする
- 内定
新卒では大学のキャリアセンターによるサポートがありますが、既卒の場合は1人で就活を進めていく必要があるため、就活のやり方や流れに不安がある場合は、就活支援のプロである就職エージェントのアドバイザーにサポートをしてもらうことがおすすめです。
既卒で就活を始めて何ヶ月くらいが目安ですか?
就活の期間には個人差がありますが、既卒であれば就活を始めてから2ヶ月〜3ヶ月後には内定を獲得できる状態を目指すと良いでしょう。
空白期間が半年や1年などに伸びてしまうと、正社員になれる可能性が下がってしまうというデータもありますので、短期間で就活を成功させる意識を持っておいてください。
なお、初回の面接から最終面接の合否が出るまでは、最短でも1ヵ月程度はかかることがほとんどのため、自己分析や履歴書の作り込み、面接対策などは、就活を始めてから1ヵ月以内に終えるイメージを持っておくと良いでしょう。
まとめ
既卒の就活のやり方としては、自己分析や企業研究といった基本的な行動を抑えつつ、丁寧さとスピーディーさを両立しながら選考に向き合っていくことがポイントとなってきます。
正しいやり方と注意すべきポイントを理解しながら就活を進めれば、既卒であっても希望する会社から内定を獲得することは十分に可能です。
もし既卒の就活のやり方に不安感を感じているのであれば、既卒の就活支援に特化した就職エージェントの利用を検討してみてください。
