公務員浪人は人生終了なのか、という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
公務員浪人をしても、もちろん人生終了ではありません。実際に、公務員浪人しても、そこから自分の人生設計を立て直せる人も多くいるからです。
こちらの記事では、公務員浪人は本当に人生終了なのか?といった内容や、公務員浪人をする際に考えるべきことについて解説しています。最後までご覧いただくことで、公務員浪人の注意点や、やるべきことを知ることができます。気になった方は是非、参考にしてみてください。
- 公務員試験の倍率は、低くても約5~6倍。10倍以上の倍率も珍しくない
- 「公務員浪人の末路」を知って、それでも目指す覚悟と意義があるのか、よく考えよう
- 公務員試験に落ちた時は、浪人ではなく民間企業への就職も検討しよう
この記事の目次
公務員浪人でも人生終了ではない!
公務員浪人とは、公務員試験に落ちた状態で学校(大学や専門学校など)を卒業し、再び公務員試験を目指して勉強している人のことです。
本来であれば在学中に試験に合格し、卒業後は民間企業への就職と同じく、新卒で公務員として働いていたはずが、その予定が狂ってしまったということになります。
もちろん、公務員浪人をしたから人生終了だということは当然ありません。しかし、公務員浪人をすることになって「将来どうなるんだろう」と、不安になる人はいるかもしれません。
公務員浪人をする場合、以下のことを考える必要があります。
- 次も落ちてしまった場合はどうするか
- そもそも受かる見込みはあるのか
- 本当に公務員として働きたいのか
ただやみくもに目指し、試験に落ち続けて年齢を重ねてしまっては、その後の人生設計がどんどん立てにくくなります。
結局のところ、公務員浪人の落としどころは自分で決めるしかありません。どうしても公務員になりたいならば、もちろん試験勉強を頑張るべきですし「実は、そこまで公務員になりたいわけでもない」「就職からの逃げなのかもしれない」と考えたならば、早めに公務員以外の道を検討したほうが良いでしょう。
公務員試験合格までの目標は、具体的に立てましょう。勉強の進め方や一日のスケジュールなど、最初の時点で明確に決めておくことで、進めやすくなります。
もしかしたら「公務員浪人をした結果公務員になれなくても、就職はしたくない」という人もいるかもしれません。その場合、就職せずに仕事をする方法もあります。たとえば、以下のような働き方です。
- フリーランス
- 起業
- その他(ギグワーカーなど)
雇用されずに働くという点で、就職と比べると安定に欠ける、保障がないという注意点はあります。しかし人によっては、組織に属して働くよりも向いていたり、ストレスが少なく働けたりする可能性があります。
公務員試験に落ちる確率と割合
公務員試験の倍率は、国家公務員か地方公務員か、どの地域か、また職種などによっても異なります。しかし、低くても約5~6倍、また、10倍以上の倍率も珍しくありません。
公務員試験の場合、通常の受験と同じように、単願ではなく「併願」をして複数の試験を受ける人も多くいます。そして、すべての試験に落ちてしまう、いわゆる「全落ち」してしまうことも、決して珍しくはありません。
たとえば地方公務員を例に見てみると、東京都職員採用「東京都Ⅰ類B採用(一般方式)」の場合、令和3年度の行政(一般方式)の倍率は13.7倍です(参考:東京都「令和3年度東京都職員1類A採用試験及び1類B採用試験(一般方式)の実施状況について」)。つまり、約13~14人のうち受かるのは1人で、残りの12~13人は落ちている、という計算になります。
合格に向けて努力したとしても、この倍率の高さを考えると、落ちてしまっても仕方がないことです。仮に公務員試験に落ちてしまっても、あまり長期間引きずらずに、気持ちを切り替えて次のアクションをしたほうが良いでしょう。
公務員浪人で人生終了しない人の特徴
公務員浪人をしても人生終了にはもちろんなりません。しかし、公務員浪人をしても公務員試験に落ちてしまう、という人はいます。公務員浪人をして合格を勝ち取れる人には、以下のような特徴があります。
特徴1:過去問などから自分の苦手を知り改善できる人
公務員試験に落ちたら、その年に出題された問題や過去問などを見直し、どこを間違えてしまったのか、どこが苦手だったのかについて自分なりに分析し、改善していくことが必要です。
試験勉強をしていると、必ず「よく間違える問題(間違えやすい)」「時間がかかる問題」が出てきます。得意分野の学習は進めやすい反面、苦手分野は後回しにしたり、確認を怠ったりもしがちです。
得意なところ「以外」を重点的につぶしていくことで、次回の公務員試験に向けた有意義な対策ができるでしょう。
特徴2:毎日勉強に集中できる人
公務員浪人は、誰かに強制されてやるものではないため、自分を律しないとなかなか勉強が続きません。しかし、難関の公務員試験に合格するためには、日々の勉強は不可欠です。そして、積み重ねが合格への近道となります。
自分なりにコツコツと勉強を続ける強い意志や継続力がある人は、合格に近づきやすいでしょう。もちろん息抜きも必要ですし、あまり勉強する時間が取れない日もときにはあるはずです。その場合も、アプリや持ち運べる問題集、動画などを活用することで、勉強時間を確保するなどの工夫がおすすめです。
特徴3:合格に必要な情報を自ら得られる人
公務員試験にはほとんどの場合、面接があります。筆記試験を突破しても、面接で落とされてしまうことも、残念ながらあり得ます。特に公務員浪人の場合、「なぜ、浪人してまで公務員になりたいのか?」ということは、面接で聞かれる可能性が高いでしょう。
たとえば公務員試験の予備校では、面接のシミュレーションなどを実施しています。また、面接試験の攻略法などが書かれた書籍も販売されています。こういったものを活用するなど、筆記試験のみならず、公務員試験合格には何が必要なのか、どんな準備をすれば良いのかということを自分で情報収集できる人は強いでしょう。
公務員浪人で人生終了してしまう人の特徴
公務員浪人をしたにもかかわらず、再び公務員試験に落ちてしまう人には、以下のような特徴があります。
特徴1:公務員になる意欲がない人
「公務員になりたい理由」が明確でない人は、公務員浪人をしてまで試験を受けても、不合格になってしまう可能性が高くなります。そもそも、現役のときに受からず浪人している時点で、より、明確な動機がないと勉強を頑張れなくなる人も多いでしょう。
「どうしても就きたい職種が公務員だ」というケースを除けば、そこまでして公務員を目指さなければいけない理由は何なのか、浪人中にわからなくなる人もいます。
「公務員になれば安定が手に入る」と考えて目指し始めたとしても、若いうちから安定ばかり気にして過ごすのは物足りない、もっとチャレンジしたい、と考えるようになる人もいます。公務員を目指す理由が漠然としている人、どうしても公務員になりたいわけではない人は、浪人をしても良い結果は出ないかもしれません。
特徴2:不安で勉強に集中できない人
公務員浪人をしている場合、プレッシャーや焦りもあり、不安を感じることがあるかもしれません。しかし「来年も落ちたらどうしよう」「果たして受かるのだろうか」というネガティブな想いばかりが先行し、勉強が手につかないのは本末転倒です。
予備校などに通っていれば先生やクラスメイトに相談することもできますが、独学で勉強している場合は、親や友人など周囲に話せる人がいないと、孤独や不安を抱え込みやすいかもしれません。自分の気持ちと上手に向き合うことができないと、勉強に集中できず合格を逃してしまうリスクがあります。
特徴3:面接対策が独りよがりになっている人
前述の通り、公務員試験には面接もあります。面接を重視するところも多く、面接の種類も、個人・集団面接、または集団討論など、それぞれ異なります。つまり、公務員試験の面接は、それまでの人生で経験してきた高校受験の面接やアルバイトの面接とは、大きく違います。
適切な準備をせず「きっと、こういうことが聞かれるはずだ」と独断で決めて面接対策をしていると、いざ本番になったときにうまく答えられなかったり、相手に自分の考えが伝わりにくかったりすることもあり得ます。
公務員浪人の末路
公務員浪人をすること自体は悪いことではありません。しかし、公務員浪人をしても公務員になれない場合、以下のような末路を辿るリスクもあります。
末路1:試験に落ちて公務員受験の先が見えない
公務員浪人をして再び公務員試験に落ちてしまうと、いよいよ「先が見えない」という気持ちになりやすくなります。仮に公務員浪人で二浪、三浪するとなると、モチベーションも保ちにくく、プレッシャーも強くなってきます。
同級生の多くは新卒で就職し、社会人として忙しく働いています。公務員浪人をして一回で合格できれば問題ありませんが、二回、三回と公務員試験に落ち続けてしまった場合、徐々に同級生との差が開いていきます。
「もう一生受からないのではないか」とネガティブになり、未来に希望が持てなくなって人生の迷子になってしまう、という人もいるかもしれません。
末路2:公務員にこだわりすぎて中小企業に就職できない
公務員浪人をしたが試験に合格できなかった場合、就職するという選択肢を選ぶ人もいます。その場合就職先はほぼ中小企業になるでしょう。公務員浪人は、実質「既卒扱い」になることもあり、新卒でさえ入社難易度が高い大手企業に入るのはさらに厳しいからです。
しかし、公務員浪人をしたのちに、公務員になることをあきらめて中小企業に就職することに抵抗感を持つ人もいます。特に、公務員の待遇面に惹かれて勉強をしてきた場合「こんなに頑張ってきたのに、いまさら中小企業に就職するのは嫌だ」「就職するなら大手企業がいい」と考える人もなかにはいます。
実際には、中小企業のなかにも優良企業はたくさんあります。しかしそのことに気づかず、どんどん就職のチャンスを逃してしまうケースもあるのです。
末路3:職歴なしの空白期間が多くなる
公務員浪人をした結果、試験に受からず民間企業への就職を目指す場合、多くの場合は学校を卒業してから一、二年が経っています。企業によっては、公務員浪人をしていたという過去に対し、残念ながらあまり良い印象を持たれないこともあります。
理由としては、企業の担当者のなかには、公務員浪人の期間を「無職」「ブランク」というような、いわゆる「空白期間」と捉える人もいます。厳しい担当者だと「浪人までしたなら、どうして合格するまで頑張らないのか」「本当に就職したいのか」という疑問を持たれることもあり得ます。
本気で公務員を目指していたが叶わなかった場合は別として、なんとなくの気持ちで公務員浪人をして、いまひとつ勉強にも身が入らなかったという人は自分に自信が持てず、書類や面接で自分をアピールできないかもしれません。
公務員試験に落ちた時は浪人ではなく民間就職しよう
公務員試験を目指している人の場合、民間企業への就職をあまり考えておらず「公務員一本」という人も少なくありません。しかし、民間企業のなかにも、自分に合う企業や適性にマッチする仕事が見つかる可能性は大いにあります。
たとえば「人の役に立ちたい」「地域に貢献したい」という動機で公務員を目指している場合、地元に根差した事業をしている企業や、人から喜ばれるサービスを提供している企業に就職しても、やりがいを感じられる可能性はあるでしょう。
民間企業といっても幅広く、知らなかった職業や新たな職業、知名度は低いがユニークな職業があったりするなど、自分の興味・関心に合う職業が見つかることもあります。また、公務員以外にも目を向けることで視野が広がり、価値観が良い方向に変化することも考えられます。
試験の種類にもよりますが、公務員試験は4~12月の間に実施されることも多くなっています。民間企業のなかには通年採用をしているところもありますので、公務員試験が終わってから、民間企業に応募することもできます。
公務員浪人するか迷っている人、公務員浪人をして再チャレンジしたが落ちてしまった・または試験結果に自信がないという人は、思い切って民間企業への就職に向けて動くこともひとつの選択肢です。
まとめ
公務員浪人をしたからといって、人生終了ではありません。しかし、公務員になりたい動機が漠然としていたり、勉強に身が入らなかったりする場合、浪人しても落ちてしまう可能性もあります。また、学生のときに公務員試験に落ちて、公務員浪人をしようか就職しようか迷う、ということもあるでしょう。
公務員・会社員に関わらず、自分に合った仕事をするのが一番です。公務員を目指していると、落ちたときのことを考えるのはなかなか難しいかもしれません。しかし、早い段階で民間企業への就職も視野に入れておいたほうが選択肢も広がり、納得いく社会人生活を送れる可能性が高まります。
「公務員浪人をしているが、就職すべきか迷っている」「公務員浪人をするか就職するか悩んでいる」という方は、ぜひ、弊社ジェイックへご相談ください。プロのキャリアアドバイザーがアドバイスいたします。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい