契約社員だからって諦めない!ボーナスをもらうための方法

最近新たに契約社員・契約職員として働き始めたという人や、今後転職する場合の候補として、契約社員というかたちを視野に入れている人もこのサイトを訪れた人の中にいるかもしれません。

その人たちにとって、契約社員で働いてもボーナスの支給はあるのか、それとも契約社員にボーナスは支払われないのだろうかという疑問は、おそらくとても重大なものでしょう。

そこで、契約社員として働く場合のボーナスについて、その現状や可能性・また法律的な側面などをこれから解説していきます。

目次

ボーナスの定義を改めておさらい

ボーナスは「賞与」または一時金という名称でも呼ばれているものです。

その他にも「夏期手当」「年末手当」「期末手当」 等、色々な呼び名がありますが、これらの名目で支払われる臨時の支給金は全てボーナスにあたるものと位置づけられます。

正社員で働いている場合は通例として給与以外に年2回または3回などの間隔で支給されることが多いでしょう。

しかし、実は労働基準法などの労働法には、賞与に関して金額・具体的な支払いの基準などの定めは全くありません。

かえって、賞与とは金額などが定められていないものを指すのだということが、1947年(昭和22年)に労働基準法が制定された時の通達に「賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め定められていないものをいう。」として明記されています。

言葉を換えて表現するなら、会社にとって、ボーナスという名目で支払う従業員への報酬は法律で支給することを定められた「義務」ではないということになります。

つまり支給しなくても会社側が法律で責任を問われるというものではないわけです。

労働の対価としての賃金については、現在、時給換算での最低賃金が地域別・産業別で明確に決められているのですが、年に数回臨時に支給されるかたちを取る賞与=ボーナスは、その中に含まれていません。

したがって支給の有無・金額・査定方法などは、企業側が自由に決めることができます。

要するに、ボーナスが支払われるかどうかやその額の基準などに関しては、会社=雇用者側と労働者=社員・職員等従業員との間で交わされる雇用契約(労働)に依存しているということになります。

これは、正規非正規を問わず全ての社員・職員について言えることです。

もしもボーナスについて雇用契約や会社の就業規則に支給条件などが明記されていない場合、会社側は従業員にボーナスを支払わなくても構わないのです。

このことは転職の際には必ず心に留めておきたいポイントといえます。

特に、契約社員として就職・転職をする場合は契約書の内容をよく確認し、金銭的な待遇がどのように定められているのかをしっかり把握しておくようにしましょう。

ボーナスが支給されるものと思い込んでいたのに実は契約に入っていなかったと後になって気づくようなことにでもなれば、それこそどんな人でも大きな精神的ダメージを受けてしまいます。

契約社員でもボーナスがもらえるって本当?

さて、では契約社員として働く場合、やはりボーナスをもらうことは期待できないものと相場が決まっているのでしょうか?

これは結論から言うと、実はもらえているというケースも、実際にはそれなりにあります。

なぜなら、上記で書いたとおり、ボーナスのあるなしは雇用契約によるからです。

雇用契約に賞与の規定が明記してある場合、会社はそれを支払わなくてはなりません。

また、賃金の取り決めは就業規則によるなどと記載してあり、就業規則に賞与支給の規定が明記されている場合も同様になります。

そのため、契約社員としての就職先・転職先を探す場合は、募集要件を読む時・また契約書を確認する時・そして就業規則を貰った時と、各段階で、該当書類に賞与についての記載があるかどうかをチェックするのが大事なポイントであると言えるでしょう。

とはいえ、有期契約で雇用した契約社員・職員にはボーナスを出さないという会社も、まだかなり多いのが実情です。

また、仮にボーナスが支給されても、残念ながら契約社員への支給額は正社員よりも少なめだというケースが珍しくないです。

例えば、大半の企業では正社員の賞与は会社がその半期で出した業績や個人業績によって変動し、会社の業績が良かった時期や本人が頑張った時には多くもらえるような仕組みになっていますが、契約社員のボーナスは一律で決められているということが多いのです。

なぜこのような形になっているかというと、会社側からすれば、契約社員を採用するのは人件費を抑えたいためだというケースがほとんどだからです。

正社員とは別枠で、できるだけ低コストの即戦力をまかないたいというニーズが契約社員採用という形に表れていると言えます。

もちろん例外もありますが、一般的には契約社員にまで潤沢なボーナスを支給しようという姿勢の会社はあまり多くはありません。

どうしても正社員とは金銭的な待遇の差が出てしまいやすいのが契約社員という労働スタイルです。

契約社員と正社員のボーナス平均はどのくらい?

では、契約社員と正社員でボーナスの金額差というのは実際にどの程度のものなのでしょうか。

厚生労働省が行っている賃金構造基本統計調査を見ると、2016年(平成28年度)分として発表された大学卒・大学院卒の数字は以下のようになっています。

契約社員の年齢別ボーナス平均値(単位:千円、年額)

      • ・20~24歳:68.6
      • ・25~29歳:132.2
      • ・30~34歳:157.3
      • ・35~39歳:180.3
      • ・40~44歳:164.9
      • ・45~49歳:216.0
      • ・50~54歳:285.0
      • ・55~59歳:395.7
      • ・60~64歳:690.3
      • ・65~69歳:466.9
      • ・70歳~:285.3
      • ・全年齢層平均:309.7

注:契約社員として紹介した数値は当該調査の表で「正社員・正職員以外」と記載された部分を採用しています。

正社員の年齢別ボーナス平均値(単位:千円、年額)

        • ・20~24歳:337.9
        • ・25~29歳:828.6
        • ・30~34歳:1116.2
        • ・35~39歳:1327.5
        • ・40~44歳:1585.3
        • ・45~49歳:1991.2
        • ・50~54歳:2159.8
        • ・55~59歳:1994.7
        • ・60~64歳:1223.0
        • ・65~69歳:893.0
        • ・70歳~:669.5
        • ・全年齢層平均:1382.6

上記の通り、ざっと見ただけで金額の相違は明らかです。

全体平均で見ても正社員・正職員の金額138万2600円に対して、契約社員(正社員・正職員以外)の金額は30万9700円。

年額にして100万円以上の差が出てしまいます。20歳から69歳まで50年間のトータルで考えるとどれだけ差がつくことでしょう。

正社員の場合は30歳代から64歳代まで平均が常に100万を超えていますが、それ以外では25歳から44歳までが10万円台となっています。

また契約社員の場合には生涯を通じてほぼボーナスの金額が変わらない状態が続き、上昇している年代であってもその上昇値は非常に緩やかです。

反対に正社員では20代前半と30代前半の値を比べると3倍近くの伸びがあり、30代前半から50代前半までの20年間でも100万円台から200万円台へとおおよそ2倍にまで金額が上昇しているのです。

生涯賃金で考えれば相当の格差がつくことが歴然としています。

契約社員にもボーナスを出すように交渉は可能

契約社員・契約職員として入社した場合、最初の契約当初はボーナスが支給される条件での契約を結ぶことができなくても、その後の状況によっては待遇が見直してもらえる可能性もあります。

というのも、企業にしても優秀な人材はできるだけ長期的に確保しておきたいというニーズは常にあるものだからです。

ですから、優秀な人材だと認められた場合、待遇改善としてボーナス支給を考えてくれることもなくはありません。

ですが、そのためにはしっかりとそれなりの実績を作り、確実に自分の評価を上げる必要があります。

有期契約の契約社員であっても、数年にわたり契約更新を重ねて同じ職場で働いているのであれば、契約更改時に交渉してボーナス支給という条件を契約に加えてもらうことを打診してみるのも良いでしょう。

自分から何もアクションを起こさなければ、変化が起こる可能性は低いかもしれません。

働いていて会社側の信頼を勝ち得たと思えるようであれば、交渉をしてみるのも大切です。

契約社員というのは会社と個別に契約を結ぶ関係であるため、会社と交渉することは契約社員の権利とも言えます。

一度の交渉でボーナスを勝ち取れなかった場合でも、次の契約更改時に再度交渉を試みても問題になることはありません。

遠慮せずに交渉してみましょう。また、そうした行動が取れるタイプが契約社員という雇用形態に向いている人材だという面もあります。

なお、契約社員としての募集であっても、最初は試用期間的に契約社員採用とするが、採用側・労働者の双方とも良い感触を持てれば正社員へ登用するという募集もあります。

どうしてもボーナスにこだわりがある場合は、最初からそのような形の契約社員に絞って応募するというのも一つの選択と言えます。

しかし、今までみてきたように日本の国内事情としては契約社員へのボーナス支給はないもしくは正社員より低いという状況があるにしろ、世界的には「同一労働同一賃金」というルールが浸透してきています。

日本でも実はこの点を鑑みて労働基準法の20条が2012年に改正され、

(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

と定められています。

また2016年12月には正規雇用と非正規雇用の待遇差の合理/不合理の判断基準を示す「同一労働同一賃金ガイドライン案」も公表されました。それによると、

(2)賞与

賞与について、会社の業績への貢献に応じて支給しようとする場合、正規雇用労働者と同一の貢献である非正規雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。

<問題となる事例>

賞与について、C社においては、正規雇用労働者には職務内容や貢献等にかかわらず全員に支給しているが、非正規雇用労働者には支給していない。

というように示されています。

つまり、契約社員が正社員と全く同等の労働をこなしているにも関わらず、正社員にはボーナスが支払われ契約社員の方にはボーナスが支払われていない場合は、この不合理な労働条件に当たる可能性が高いといえます。

ですので、もし自分が契約社員としてそういう状況に置かれた場合には、一度会社の人事担当にボーナスを支給してもらえないかと相談をしても良いでしょう。

ただ、このガイドラインのポイントは契約社員の労働が正社員と「同一の貢献」であることと、賞与を「業績に応じて支給しようとする場合」というところです。

つまり会社側が「賞与は業績への貢献に応じて出す」と定めているかどうか、その上で、契約社員の労働条件が正社員と全く同じであるかどうか、同じであれば同一のボーナス支給の義務があるということになります。

例えば、正社員にボーナスが支払われる条件の規程が業績への貢献に全く関わりない場合や、契約社員は残業が免除されるなど正社員とは労働条件が違う場合は、この事例には該当しないと判断される可能性もあります。

確実にボーナスをもらうなら正社員に

契約社員であっても、ボーナスを支給してもらうことは不可能なことではありません。

特に、同一労働同一賃金ガイドライン案が2016年末に公表された社会的影響は大きいものだと言えるでしょう。

とはいえ、やはり契約社員が正社員と同等なボーナスを支給されるには条件の面でクリアーしなければならない点がたくさんあります。

契約社員は基本的に有期雇用契約であり、そのことにより結果的に正社員とは違う労働条件で働くことになるケースが多いからです。

具体的に挙げると、正社員には転勤があるが契約社員にはないとか、期間の限られた雇用契約であるために、正社員より限定的な業務しか行えないなどという状況で働くことが多いなどという違いが発生してきます。

そのため、確実に賞与をもらって仕事をしたいという希望があれば、やはり正社員での就職を目指すということも、視野に入れたほうが良いでしょう。

もちろん、契約社員で働くという形もまた別の点でメリットはあります。

様々な側面から検討して、自分のライフスタイルに合わせた就職スタイルを選んでいきたいものです。

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