
「職業訓練を受けたのに仕事が決まらず不安」と感じるのは珍しいことではありません。
厚生労働省のデータによると、公共職業訓練でも約20%、求職者支援訓練にいたっては約40%もの人が訓練終了後も就職できていないのが現状です。(参考:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)」)
スキルと求人のミスマッチや実務経験の不足、履歴書や面接でのアピール不足など、就職がうまくいかない理由はさまざまです。同じような悩みを抱えている人も少なくありません。
本記事では、職業訓練終了後に仕事が決まらない割合と理由、就活を成功させる方法について解説しています。
職業訓練で頑張った経験を就職成功という成果につなげたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
職業訓練終了後に仕事が決まらない割合は20~40%
職業訓練終了後に仕事が決まっていない割合は、約20%から40%です。
厚生労働省のデータによると、令和5年度(2023年度)の公共職業訓練は比較的高い就職率を示しているものの、それでも約20%の受講者は就職に至っていません。
一方、求職者支援訓練を受講した人のうち、基礎コースでは59.5%、実践コースでは60.3%の受講者が就職しています。裏を返せば、約4割の受講者は訓練を終えても仕事が決まっていないのが現状です。(参考:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)」)
また、訓練終了から3か月が経過しても就職率は大きく変化していないため、訓練だけでは十分な就職支援につながっていない現状がうかがえます。
以下の内容について、それぞれ見ていきましょう。
- 公共職業訓練を受けて仕事が決まらない割合は約20%
- 求職者支援訓練後に仕事が決まらない割合は約40%
公共職業訓練を受けて仕事が決まらない割合は約20%
公共職業訓練を受けても、約20%は仕事が決まっていません。
厚生労働省が発表した令和5年度のデータによると、公共職業訓練(離職者訓練)の就職率は以下のように報告されています。
【令和5年度公共職業訓練(離職者訓練)】
| 就職率 | 未就職率 | |
|---|---|---|
| 施設内訓練 | 86.4% | 13.6% |
| 委託訓練 | 73.6% | 26.4% |
参考:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)」
公共職業訓練後の就職率は高水準に見えますが、それでも全員が必ず就職できるわけではありません。
職業訓練終了後の就職活動を成功させるためには、訓練に加えてキャリアカウンセリングの活用や自主的な企業研究なども必要です。
公共職業訓練終了の3か月後は就職率に変化なし
公共職業訓練終了後、3か月経っても就職率に変化はありませんでした。
【令和5年度公共職業訓練(離職者訓練)】※訓練終了3か月後の就職状況
| 就職率 | 就職率(訓練終了3か月後) | 比較 | |
|---|---|---|---|
| 施設内訓練 | 86.4% | 86.4% | 0% |
| 委託訓練 | 73.6% | 73.6% | 0% |
参考:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)」
つまり、職業訓練終了後に就職できなかった人の多くが、その後も決まらず無職のままであるという実態があるのです。
職業訓練を就職活動に活かしたい方こそ「スキルを身につけるだけでは就職できない」という前提を忘れないよう、行動しなければなりません。
訓練の終了時期にあわせた求人情報の収集や面接の準備など、スケジュール管理も内定の獲得に近づくための第一歩と言えるでしょう。
求職者支援訓練後に仕事が決まらない割合は約40%
求職者支援訓練を終了しても、約40%の人が就職に結びついていないという結果が出ています。
厚生労働省の報告によると、令和5年度における基礎コースの就職率は59.5%、実践コースでは60.3%となっており、いずれも約40%は仕事が決まらずにいます。
【令和5年度求職者支援訓練】
| 就職率 | 未就職率 | |
|---|---|---|
| 基礎コース | 59.5% | 40.5% |
| 実践コース | 60.3% | 39.7% |
参考:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)」
求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない求職者を対象とした制度です。スキルの習得や再就職を目的としていますが、公共職業訓練と比較して就職率が低い傾向があります。
受講者の中には、長期間のブランクや就職に対する不安を抱えている人も多くいると推測されるため、職業訓練だけで内定を獲得するのが難しいケースもあります。
訓練を活用しながらも、早期の職探しや面接対策、応募書類のブラッシュアップなど、個々の積極的な努力がより一層重要です。
求職者支援訓練の3か月後は就職率が約0.45%増
求職者支援訓練終了後、3か月後の就職率はほとんど変化しておらず、増加幅は平均でわずか約0.45%にとどまっています。
【令和5年度求職者支援訓練】※訓練終了3か月後の就職状況と比較
| 就職率 | 就職率(訓練終了3か月後) | 比較 | |
|---|---|---|---|
| 基礎コース | 59.5% | 60.1% | 0.6% |
| 実践コース | 60.3% | 60.6% | 0.3% |
参考:厚生労働省「ハロートレーニング(求職者支援訓練)の受講者数・就職率」
訓練を終了して3か月後の就職率は、基礎コースも実践コースも少しだけ増えています。つまり、就職活動に力を入れた割合が少しだけ多くなったと考えられるでしょう。
受講期間中に業界研究や求人探し、自己分析を進めておくと、職業訓練終了後すぐに就職活動を始められるはずです。
職業訓練に参加することはスキルを身につける貴重な機会ではありますが、就職活動に直結させるためには、訓練中からの計画的な行動が必要と言えます。
職業訓練終了後に仕事が決まらない理由
職業訓練終了後に仕事が決まらない理由は、求人とのミスマッチや実務経験不足、自己PRの弱さなど、複数の原因があります。
職業訓練はスキルを身につけるためには有効な手段ですが、それだけでは就職に直結しない場合があります。
特に、企業のニーズと受講者のスキルの不一致や、訓練で得た知識と実際の業務内容のギャップが障壁となるケースが多く見られるのです。
また、応募書類の内容や面接での自己アピール力、職歴の空白期間やモチベーションの低下も仕事が決まらず悩む原因です。
本章では、職業訓練終了後に仕事が決まらない主な理由について、それぞれ解説します。
- 求人と希望条件が合わないから
- 学んだ内容と企業が求める能力が異なるから
- 実務経験が不足しているから
- 応募書類や面接でのアピールが不十分だから
- 職歴の空白期間が影響しているから
- モチベーションが低下したから
求人と希望条件が合わないから
職業訓練を終えても就職できない理由の1つは、希望する条件と求人の内容が一致しない点です。
勤務地や給与、勤務時間などの条件にこだわりがある場合は求人が限られるため、応募が難しくなります。
また、訓練で取得したスキルを活かしたいと思っても、そのスキルを求める企業が少ない地域では応募できないケースもあるのです。
結果として「条件が合わないから応募できない」という問題に直面します。
そのため、希望する条件に優先順位をつけて柔軟に対応しましょう。まずは実務経験を積むために条件を広げて就職し、キャリアアップを図るのも1つの方法です。
学んだ内容と企業が求める能力が異なるから
職業訓練で学んだ内容と、実際の企業が求める能力にズレがあることも、就職できない理由の1つです。
職業訓練では基礎的なスキルを中心に学ぶケースが多くありますが、企業は即戦力となる人材を求める傾向が強く、業務に直結する高度な技術や経験を重視する傾向にあります。
神奈川県内のハロートレーニングが応募率・就職率に関する課題を述べた資料によると、IT・建設分野では求人とのミスマッチが課題だったと報告されています。(参考:神奈川労働局「公的職業訓練効果検証のための訓練分野の選定について」)
訓練でスキルを身につけても、企業側が「ミスマッチ」だと判断すれば、就職率が上がりづらいのも無理はありません。
ただ、営業・販売・事務分野と製造分野では、訓練成果などをアピールすれば可能性があると報告されています。仕事に関連する資格の取得やポートフォリオ(自分のスキルや実績をまとめた資料)の作成など、スキルを具体的に証明できる準備をしておくと有効です。
実務経験が不足しているから
実務経験が不足していると、職業訓練後も仕事が決まらず長期化する場合があります。
職業訓練では原則無料で基礎から学べる点が魅力ですが、企業は「すぐに現場で活躍できる人材」を求めている場合もあるため、未経験者は採用されないケースがあるのです。
特に中途採用では即戦力を求める企業が多く、実務経験のない求職者は選考で不利になりがちです。
この課題を克服するためには、職業訓練終了後にアルバイトや派遣社員として経験を積むなど、段階的にキャリアを築きましょう。
現場の経験を少しずつ重ねれば自信と実績が備わるため、希望する仕事への道につながります。
応募書類や面接でのアピールが不十分だから
履歴書や職務経歴書の作成に不慣れで自己アピールが不十分な場合、職業訓練終了後でも就職が難しくなるケースがあります。
自分の強みや訓練で得たスキルを適切に伝えられていないと、採用担当者に評価されづらいからです。
応募書類や面接で効果的にアピールするためには、就職サポートを活用しながら、書類添削や模擬面接などでアドバイスを受けるようにしましょう。
自分の魅力を正しく伝えられるように準備を重ねれば、面接官の印象が大きく変わり、採用のチャンスを着実に広げられます。
職歴の空白期間が影響しているから
職歴に空白期間があると「仕事への意欲が低いのでは」と採用担当者が判断する可能性があります。
特に長期の離職期間がある場合は、再就職に向けて入念な対策が必要と言えるでしょう。
働いていない期間が長い場合は、職業訓練に通った理由やその間に得たスキルを明確に伝えると、採用担当者からの印象が変わりやすくなります。
例えば「再就職を目指して専門知識を学んだ」「資格を取得するために集中して学習していた」などの具体的な説明ができれば、空白期間も前向きに評価されます。
さらに、職業訓練での学びを就職後にどう活かしたいかをアピールすると、目的を持って行動していると、判断してもらいやすくなるでしょう。
モチベーションが低下したから
職業訓練終了後にモチベーションが下がると、仕事が決まりづらい傾向にあります。やる気がなくなる原因は、訓練期間中に全力を出し切った結果として生じる「燃え尽き症候群」の可能性が高いです。
長期間の訓練や、短期間で詰め込むような勉強方法だった場合、終了と同時に達成感と疲労が一気に押し寄せ、就職活動に向けた気力が湧かなくなるケースがあります。
モチベーションの低下を防ぐためには、終了後の行動計画を訓練中に立てておきましょう。
「職業訓練終了の翌日にハローワークを訪れる」「訓練中に応募したい求人を3件ピックアップしておく」といった目標を立てておけば、モチベーションの低下を回避できます。
職業訓練終了後の就活を成功させる戦略
職業訓練終了後に就職活動を成功させるためには、訓練で得た知識や資格を活かすだけでなく、実務経験の補強や自己分析、就職支援機関の活用などの行動も必要です。
ただスキルを身につけただけでは内定に至らないのが現実であり「どのように企業へアピールするか」を明確にすると、他の求職者と差別化ができます。
また、モチベーションを維持しながら継続して就職活動を続ける工夫も必要です。本章では、職業訓練終了後の就活を成功に導く具体的な7つの方法を解説します。
- 職業訓練で身につけたスキルや資格をリスト化する
- 訓練内容に関わる講座をさらに学んでスキルを補強する
- アルバイトなどで実戦経験を積む
- 絶対に譲れない条件と妥協できる条件を書き出す
- 応募書類や面接の質を改善する
- メンタルケアとモチベーションを維持する
- ハローワーク以外の支援機関を活用する
職業訓練で身につけたスキルや資格をリスト化する
就職活動の第一歩として、職業訓練で得たスキルや取得した資格をリスト化して整理しましょう。
学んだ内容を可視化すると、自分がどの作業に興味を持ち、どのような業務に貢献できるのかを客観的に把握できます。
スキルや資格を一覧にまとめると、履歴書や職務経歴書でのアピールポイントが明確になり、採用担当者に伝わりやすくなります。
さらに、リスト化した内容をもとに企業の求人要件を照らし合わせれば、職業訓練で得た学びがどの部分で活かせるかがわかるでしょう。
その結果、応募先とのマッチング精度が高まりやすくなります。
訓練内容に関わる講座をさらに学んでスキルを補強する
職業訓練で学んだ内容をベースに、関連する分野の講座を受講するとスキルの幅が広がりやすくなります。
例えば、職業訓練でパソコン操作を学んだ人が、次に簿記やデータ分析、Web制作などの講座を追加で学ぶと、より実践的な業務に対応できるようになるでしょう。
また、職業訓練でスキルを身につけた方は資格取得も一つの選択肢です。取得した資格は履歴書に書けるため、就職時のアピールにもつながります。
職業訓練校では以下の資格取得を目指せるコースもあるので、気になる資格があるかチェックしてみてください。
- ワープロ検定
- 医療事務認定実務者試験
- ITパスポート
- ウェブデザイン技能検定
参考:厚生労働省「こんな人にオススメ 訓練コース・関連資格の例」
訓練後の時間を次の学びにつなげることが、将来のキャリアを安定させる大きな一歩です。焦らず、自分のペースでスキルを磨き続けましょう。
アルバイトなどで実戦経験を積む
職業訓練で得た知識や資格を活かすためには、実際の現場でスキルを使うことが大切です。机上の学びを実務に結びつけると理解が深まり、即戦力としての自信も生まれます。
未経験から正社員を目指す場合、実務経験がないと内定が難しい場合がありますが、アルバイトや派遣社員として関連する業務に携わった経験があれば「現場でスキルを発揮した経験がある」と具体的に伝えることが可能です。
一歩を踏み出して現場に立つことは、次の就職につながる確かな力になります。小さな経験を積み重ねると、キャリアを大きく動かすきっかけになるでしょう。
絶対に譲れない条件と妥協できる条件を書き出す
就職活動では、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしましょう。求人の選定や応募の判断がスムーズになり、無駄な迷いやストレスを減らせるからです。
例えば「フルタイムで働きたい」「自宅から通える範囲」などの条件が譲れないポイントの場合、それらの点を基準に求人を絞り込みます。
一方で「自宅から通えるなら、給与は少し安くてもOK」「職種にこだわらない」などの柔軟な条件も明確にすると、応募できる範囲が広がります。
優先順位を可視化すると求人検索の効率が上がるだけでなく、企業とのミスマッチも防げるため、紙やメモアプリに書き出して客観的に整理しましょう。
応募書類や面接の質を改善する
就職活動において、応募書類と面接の質が合否を大きく左右します。職業訓練でスキルを習得しても、アピールが不足していれば企業側に魅力が伝わらないからです。
職業訓練で得た知識や資格を、具体的なエピソードと共に、履歴書や職務経歴書へ記載しましょう。
志望動機には、なぜその企業を選んだのかを明確にし、自分が貢献できる点を盛り込みます。
また、面接では訓練中の努力や学び、現在の目標を自信を持って語れるように準備しましょう。
模擬面接や書類の添削を受けられる就職支援サービスを活用し、改善ポイントを把握するのがおすすめです。
メンタルケアとモチベーションを維持する
就職活動は長期戦になる場合も多く、精神的な負担がかかりやすいため、メンタルケアとモチベーションの維持が必要です。
職業訓練で学んでも仕事が決まらず、心が折れそうになるかもしれません。そのため、就職活動を毎日詰め込むのではなく、週に1日は完全にオフの日を設けるなど、無理のないペースを保ちましょう。
また、就職活動中も日々の小さな目標を設定し、達成感を積み重ねるとモチベーションの維持につながります。
さらに、家族・友人との会話や、キャリアカウンセラーとの面談も有効です。孤独にならずに頑張れる環境を整えることが、就職活動を長く続けるための秘訣です。
ハローワーク以外の支援機関を活用する
職業訓練終了後の就職活動では、ハローワークだけに頼らず、複数の支援機関を活用しましょう。
ジョブカフェ、民間の就職エージェントなどでは、求人紹介だけでなくキャリアカウンセリングや応募書類の添削、面接の練習など、幅広いサポートを無料で受けられます。
担当者によって視点やアドバイスが異なるため、複数の機関を併用すると自分では気づけなかった強みや新しい可能性に出会えるケースがあるのです。
情報源を広げながら自分に合ったサポートを受けて、就職活動を効率的に進めましょう。
地域若者サポートステーション(サポステ)
地域若者サポートステーション(通称:サポステ)は、15歳から49歳までの若年層を対象にした就労支援機関です。厚生労働省の委託により全国に設置されています。
就職に不安を抱える若者を対象に、コミュニケーション・ビジネスマナー講座や就業体験などを無料で提供しています。
サポステは就職活動の前段階である「働く自信の回復」や「社会復帰の準備」に力を入れているため、ハローワークのような求人紹介や職業紹介は行っていません。
そのため、サポステで就職準備を整えた後は、ハローワークや就職エージェントを併用するのが効果的です。
就職活動に不安がある方やブランクが長い方には、最初の一歩として非常に心強い支援機関です。
ジョブカフェ
ジョブカフェは、各都道府県が設置している若者向けの就職支援施設です。以下の実践的なプログラムが用意されており、就職に向けて総合的な支援を受けられます。
- カウンセリング
- 就職セミナー
- 職業相談・職業紹介
- 職場体験
- 保護者向けセミナー
ハローワークの窓口が併設されている施設もあり、求人紹介や応募支援も併せて行えます。
職業訓練終了後に「何から始めていいか分からない」「応募に自信がない」と感じている方にとっては、相談しやすいサービスと言えるでしょう。
相談は無料で予約制を取っていることが多いため、公式サイトや電話で確認のうえ利用するのがおすすめです。
就職エージェント
就職エージェントは、求職者と企業の間に立って、希望条件に合った求人を紹介してくれる仲介サービスです。
職業訓練終了後「どのような求人が自分に合うのか分からない」「効率よく就職先を見つけたい」と考える方にとって頼りにできる存在です。
就職エージェントでは、担当のキャリアアドバイザーが個別面談を行い、履歴書や職務経歴書の添削、企業ごとの面接対策など、きめ細かいサポートを提供してくれます。
また、面接のスケジュール調整などを代行してくれる場合があるため、就職活動にかかる手間を大幅に削減できます。
未経験OKの求人や、ブランクがある人材を歓迎する企業の情報も豊富で、自分に合った働き方を提案してもらえる点が大きなメリットです。スピード感を持って再就職したい方にはおすすめのサービスと言えるでしょう。
職業訓練終了後に仕事が決まらないと起こりやすいこと
職業訓練終了後に仕事が決まらないと、経済的な不安や精神的な負担を感じやすくなります。
訓練期間中は給付金や手当で一定の生活支援が受けられる場合がありますが、終了後はそれらが打ち切りになる可能性があり、収入が途絶えるケースもあります。
また、就職が決まっていない場合でも職業訓練校から追跡調査への対応が求められる場合もあるでしょう。ハローワークへ定期的に来所する必要もあるため、精神的なプレッシャーも続きやすくなるのです。
本章では、職業訓練終了後に起こりやすい代表的な事例を紹介します。
- 経済的に不安定になる
- 職業訓練校から追跡調査を受ける
経済的に不安定になる
職業訓練終了後に就職先が決まらず、経済的に不安定になる場合があります。
訓練期間中は職業訓練受講給付金などの手当が支給されますが、条件を満たさないと訓練終了と同時に支給が止まってしまいます。
給付金がもらえないと、就職が決まっていない状態では生活費のやりくりが難しくなり、アルバイトや家族の支援に頼らざるを得ない状況になるかもしれません。
経済的に不安定な状況を避けるためにも、早めに就職活動を開始し、職業訓練終了後にブランクができないよう計画的に動きましょう。
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「公共職業訓練を受講中の皆さまへ 」
職業訓練のあとに終了後手当は貰えない?
基本的には、職業訓練終了後に手当の支給が終了します。
ただし「延長給付(終了後手当)」と呼ばれる制度があり、一定の条件を満たしていれば訓練終了後も引き続き手当を受け取れる場合があります。
終了後手当の支給条件は、以下のとおりです。
- 職業訓練終了日時点で基本手当の残日数が30日未満の場合
- 職業訓練終了後も就職が困難だと安定所長が認めた場合
- 受講した職業訓練にかかる職種の被保険者を希望している場合
- 受講終了日前までの4週間において、応募実績が複数回あっても採用・内定に至っていない場合
- 希望職種の需要が少ない場合
詳細は都道府県労働局やハローワークで確認しましょう。
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「公共職業訓練を受講中の皆さまへ」
職業訓練を受けた後、再就職手当はもらえる?
職業訓練終了後に就職が決まった場合、一定の条件を満たせば「再就職手当」を受け取れる場合があります。
再就職手当とは、雇用保険を受給している人が、失業給付(基本手当)をすべて受け取る前に就職した際に支給される制度です。
支給を受けるためには「基本手当の支給残日数が一定以上あること」や「1年以上の雇用が見込まれること」など、いくつかの要件を満たす必要があります。
条件によって支給の対象外になるケースもあるため、再就職手当がもらえるかどうかはハローワークの窓口で確認しましょう。
参考:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付(再就職手当について)」
職業訓練校から追跡調査を受ける
職業訓練を修了した後、就職が決まっていない場合でも「就職状況報告書」の提出を求められることがあります。受講した訓練機関やハローワークでは、修了後の就職状況を把握し、制度の改善や評価に活用するための「追跡調査」が行われているためです。
就職が決まっていないからといって報告せずにいると、訓練機関やハローワークからの催促が届く可能性があります。
仕事が決まっていないのに報告するのは後ろめたく感じるかもしれませんが、現在の状況を正直に報告する姿勢が重要です。
必要な支援が提供される可能性もあるため、追跡調査は受けるようにしましょう。
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「求職者支援制度・訓練受講のしおり」
「職業訓練終了後に仕事が決まらない」に関する質問
職業訓練終了後、仕事が決まらず不安や焦りを感じている方は多くいます。せっかく時間をかけてスキルを身につけたのに、結果につながらないと自信を失う方もいるでしょう。
本章では、職業訓練終了後に仕事が決まらないときによく寄せられる質問や悩みを取り上げます。ぜひ参考にしてください。
職業訓練終了後に仕事が決まらないのは失敗?
職業訓練終了後にすぐ仕事が決まらないのは、決して失敗ではありません。
厚生労働省のデータによれば、職業訓練後の就職率は約20~40%の割合です。半数の人はすぐに就職していないため、珍しいことではないのです。
職業訓練はスキルアップや就職支援を目的とした制度であり、内定を保証するものではありません。そのため、訓練終了後も自分に合った仕事を探し続ける姿勢が必要です。
焦らず、長期的な視点で就職活動を続けることが就職への第一歩です。
参考:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(全体版)」
アルバイトしながら職業訓練を受けるのは可能?
アルバイトをしながら職業訓練を受けることは、制度上可能です。求職者支援制度の対象者に該当する場合、職業訓練中でも生活費を補うためにアルバイトを行っても問題ありません。
厚生労働省の情報によると、一定の条件はあるものの、訓練の出席状況や学習意欲に支障がなければアルバイトを容認されるケースが多くあります。
ただし、訓練は基本的に平日日中に行われるケースが多いため、夜間や週末に短時間のアルバイトを選ぶなど、無理のない働き方を検討しましょう。
また、訓練受講給付金を受ける場合は「本人収入が月8万円以下」「世帯全体の収入が月30万円以下」などの収入条件があります。
職業訓練終了後に仕事が決まらないと罰則はある?
職業訓練を終了した後に就職が決まらなくても、罰則やペナルティは一切ありません。
「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律」の第六章「罰則」には、訓練実施機関または特定求職者が報告義務を怠る・虚偽報告を行うなどした場合に罰則があると記されています。(参考:厚生労働省「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律」)
しかし「訓練終了後に就職できなかった」という理由だけで、個人に対して罰則が課される旨の記載はありません。そのため、焦らず自分に合った働き方を探していきましょう。
職業訓練で学んだ内容と異なる分野に進んでもいい?
職業訓練で学んだ内容とは異なる分野に進んでもまったく問題ありません。職業訓練はスキルアップの一環であり、あくまで就職先の選択肢を広げるための手段です。
職業訓練を通じて自分の適性や価値観を見つめ直す人も多く、当初と異なる進路を選ぶケースも多くあります。
また、異なる業界であっても、訓練で培ったスキルは多くの仕事で活用可能です。
重要なのは、自分に合った仕事に就くことです。訓練内容に縛られず、柔軟にキャリアを構築すると将来の満足度につながります。
仕事が決まらずモチベーションが下がったときは?
仕事がなかなか決まらずモチベーションが下がったときは、1人で抱え込まず、就職支援サービスを積極的に活用しましょう。
ハローワークの相談員やキャリアコンサルタントは、就職活動のプロフェッショナルとして求人紹介や履歴書の添削、面接の練習などを多角的にサポートしてくれます。
また、自分では気づかない適職や可能性を見つけてもらえる場合もあるのです。
気持ちが沈んでいるときは、就職活動の進め方を少し変えてみるだけでも気分がリフレッシュでき、前向きな行動につながる場合があります。1人で悩まず、誰かに相談してモチベーションを維持しましょう。
まとめ
職業訓練を終了しても、約20%〜40%の人が仕事に就けていないという現実があります。
厚生労働省のデータでは、公共職業訓練の未就職率は約20%、求職者支援訓練では約40%と発表されており、終了後3か月経っても就職率に大きな変化は見られません。
就職できない理由としては、求人とのミスマッチや実務経験の不足、アピール力の低さ、職歴の空白、モチベーションの低下などが挙げられます。
一方で、職業訓練終了後の就職活動を成功させるためには、スキルの棚卸しや実務経験の補強、応募書類のブラッシュアップなど、戦略的な行動が求められます。
「職業訓練終了後に仕事が決まらず、不安に感じている」のは多くの人が感じる悩みです。一時的な壁と捉え、継続的な行動を重ねていきましょう。





































