「20代で2回目の転職はもう無理?」と不安を感じている人も多いかもしれません。この記事では、転職回数の多さが不安な人に向けて、20代の平均的な転職回数と転職が多い人が就職を成功させるポイントについて解説します。
20代は平均して何回転職していますか?
20代は平均して1回~2回転職しています。厚生労働省「令和2年度転職者実態調査」によると、20代の転職回数で最も多いのが1回です。転職回数を1回と答えた人は20〜24歳では69.7%、25〜29歳では49.3%でした。
1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 不明 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
20〜24歳 | 69.7% | 16.9% | 9.9% | 1.2% | – | 1.2% | 1.1% |
25〜29歳 | 49.3% | 23.9% | 17.8% | 5.9% | 2.0% | 1.0% | 0.0% |
20〜24歳では、1〜2回までと答えた人で8割を超えており、20代前半で3回以上転職している人は1割程度となっています。25〜29歳の調査でも1〜2回と回答した人が7割を超えていますが、20代後半になると3回以上転職している人の割合も増えています。
このことから20代での転職が3回以上になると、転職回数として多いと言えるでしょう。
男女別でみると、男性は1〜2回までと答えた人が5割を超えており、女性は4割弱となっています。転職回数が2回まででみると、男性の割合が多い傾向にありました。
一方で、3回以上になると男性より女性の割合が多くなっています。女性は、結婚や出産を機に一度キャリアを離れることが多いため、3回以上の割合が多くなっていると考えられるでしょう。
1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 不明 | |
男 | 32.7% | 19.5% | 18.5% | 11.0% | 6.7% | 11.4% | 0.2% |
女 | 20.8% | 18.2% | 20.9% | 16.0% | 7.5% | 16.1% | 0.4% |
転職回数が多いと選考に不利になる?
一般的に20代で3回以上の転職は多いと考えられます。これ以上の回数だと選考で不利になる可能性があるでしょう。
なぜなら、20代で転職回数が3回以上だと以下のような印象を持たれるからです。
- すぐ辞めてしまうのではないか
- スキルが身についてないのではないか
- 忍耐力・根気がないのではないか
企業は採用した人に長く働いてほしいと考えています。採用には多額のコストがかかり、すぐ辞められてしまうと費用が無駄になるからです。
転職回数が多いと、またすぐに辞めてしまうのではないかと懸念を持つ採用担当者もいるでしょう。
一方で、20代は転職市場で需要が高く、転職回数が多くても不利になるとは限りません。実際に企業にどんな印象をもたれるのか、転職回数ごとに紹介します。
20代で転職回数が3回以上
採用担当者からは、転職回数が多い印象を持たれますが、転職理由がしっかりしていれば問題ありません。転職回数よりも、経験や20代という若さを重視することがあるからです。
転職回数が3回以上あっても、キャリアアップを目的とした転職や、そこで得た経験が活かせるのであれば転職で不利になりにくいでしょう。
転職の目的に一貫性があるか、これまでの経験が活かせるかといった内容を採用担当者にしっかり伝えましょう。
また、短期離職で経験が浅い場合でも、20代のうちなら、経験よりもポテンシャル重視で採用し、入社後に育成する方針の企業もあるため、また転職できる可能性はあります。しかし、企業側のすぐ辞めてしまうのではないかという不安を先回りして取り除くことが重要です。
20代で転職回数が4回以上
採用担当者からは、転職回数が多く、本人に何か問題があるのではと懸念を持たれる可能性があります。20代で4回転職しているとすると、1社あたりの勤続年数は1〜2年未満と考えられるからです。
短期離職を繰り返していると、採用担当者が慎重になるのも仕方ありません。
しかし、まだあきらめる必要はありません。これまでの転職回数が多い事実を認め、今後は長く勤めたいという前向きな意思をしっかり伝えれば、採用される可能性はあるでしょう。
20代で転職回数が5回以上
転職回数が5回以上になると就職は不利になってきます。書類選考の段階で通過率が下がる可能性もあるでしょう。
採用担当者からは、以下のような懸念を持たれるかもしれません。
- 遅刻や欠勤など時間にルーズなのでは?
- 同僚とのコミュニケーションに問題があるのでは?
- 忍耐力・根気が足りないのでは?
しかし、転職回数が多くても少なく伝えたり、誤魔化したりしてはいけません。事実を認め、今後は同じことを繰り返さない意思を採用担当者に真摯に伝えましょう。
20代で転職回数が多い人が就職を成功させるには?
20代で転職回数が多い人が就職を成功させるには、「職歴が多いことをポジティブに伝える」、「納得できる転職理由を用意しておく」、「転職回数を重視しない企業を選ぶ」、「転職エージェントを利用する」がポイントです。
職歴が多いことはネガティブに捉えられがちですが、ポジティブに考えれば様々な経験をしているとも言えます。面接官が納得できる転職理由を用意しておけば、強みに変えられるでしょう。
また、転職回数を重視しない企業を選ぶのもひとつの戦略です。転職回数を気にせず、経験やスキルを評価してもらえるでしょう。
転職回数の多さに不安が大きい人は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。あなたの心強い味方になってくれるでしょう。
職歴が多いことをポジティブに伝える
職歴が多いことはポジティブに伝えましょう。職歴の多さを前向きに捉え、次に活かそうという姿勢があれば、採用担当者を納得させられるからです。
たとえば、販売職として複数の会社に転職していた場合、様々な業界の仕事を経験していることになります。多様な顧客層を相手に接客することで、豊富なコミュニケーションスキルが身についているとアピールできます。
職歴が多いことをポジティブに伝えて、採用担当者にアピールしましょう。
納得できる転職理由を用意しておく
転職回数が多い人が就職を成功させるには、採用担当者が納得できる転職理由を用意しておく必要があります。
すぐ辞めるのではないかという不安を解消しないといけないからです。たとえば以下のような転職理由が考えられます。
- ノルマがつらかった→もっと顧客に寄り添った仕事をしたい
- 残業が多かった→効率的に仕事をして自己研鑽に時間を充てたい
自分がこうしたいからというポジティブな理由に言い換えて伝えるのがポイントです。
転職回数を重視しない企業を選ぶ
転職回数を重視しない企業を選ぶのもひとつの戦略でしょう。転職回数の多さが不利にならず、スキルや20代の伸び代を評価してくれるからです。
転職回数を重視しない企業は、人材不足の業界や転職が当たり前の業界に多いです。具体的には以下のような業界が挙げられます。
- 不動産業界
- IT・Web業界
- 飲食業界
- 介護業界
上記のような業界の企業を選べば、転職回数の多さを気にせず、自信を持って転職活動に望めるでしょう。
転職エージェントを利用する
職歴が多いことをうまく伝えられる自信がない、納得してもらえる転職理由ではなかった…など自分で就職活動を進めるのが難しい場合には、転職エージェントを利用することがおすすめです。
転職のプロであるエージェントがあなたの転職活動をサポートしてくれるからです。職歴の多さの伝え方や、納得してもらえる転職理由を一緒に考えてくれます。
転職回数の多さに不安が大きい人は転職エージェントの力を借りましょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい