中卒引きこもりは就職に影響があるの?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、中卒引きこもりは就職に影響があります。
なぜなら、中卒はあまり良いイメージを持たれないからです。
こちらの記事では、中卒引きこもりが就職に与える影響や引きこもりからの抜け出し方を紹介しております。
こちらの記事を読むことで、中卒の引きこもりから抜け出すことが出来ます。
中卒の引きこもりは就職に影響がある
学歴が中卒、さらには家に引きこもっている状態だと、就職に影響が出ることは必至です。いざ就職活動を始めても採用されず、落ち込んでしまい、また引きこもっていく――といった負のループに陥ってしまう可能性もあります。
では、一体どのような行動を起こせば良いのでしょうか?まずは、そもそもどうして就職が難しいのか、その理由などについて見ていきましょう。その上で、記事の中盤では引きこもりから抜け出す方法をお伝えしますので、こちらも合わせて参考にしてみてください。
採用現場で採用と不採用になる人の違い
中卒かつ引きこもりであっても、内定をもらって就職できる人はもちろんいます。こうした人は、次の4つを意識していることが少なくありません。
- 企業や仕事を研究している
- やる気や熱意を明確に伝えている
- 笑顔でハキハキ受け答えをしている
- 社会人としてのマナーを押さえている
一般に、採用現場で求められるのは「高い学歴」「スキルの高さ専門性」といったことですが、だからといって諦める必要はありません。ここで「自分は採用されない」と落ち込んでしまうのか、「まだチャンスはある」と思えるかが、就職活動の成功を分けるポイントです。
たとえば応募する企業がどんな製品を作っているのか、働く仕事にはどんな力が求められるのか、といったことを事前に調べておくだけでも、面接官に与える印象を良くできます。そして中卒かつ引きこもり経験がある人を採用する場合、企業としては「また辞めてしまうのでは?」といった不安を抱くものです。この場合、まずは「長く働く意思」をしっかりと伝えることが大前提です。その上で「将来はこんな仕事に挑戦したい」といった形で、働いていった先のビジョンを伝えることでやる気や熱意を示せます。
また、面接は「話した内容」だけで判断されるものではありません。「この人と一緒に働きたい」と面接官が思えれば評価は上がるので、笑顔でいることを心掛ける、質問には元気にハキハキ答える、といったことも意識してみてください。言葉遣いの丁寧さや、服装など、社会人としてのマナーを押さえていることも大切なので、一通りのマナーもあらかじめ覚えておくと良いでしょう。
「やることが多くて大変だな」と思った人もいるかもしれませんが、仕事経験の少なさ、そしていわゆる「学歴の壁」を乗り越えるためには、ある程度の対策は必要です。
ただし、お伝えした4つのポイントはそこまで難しいものではありません。実際に、中卒で正社員就職に成功した人のほとんどは、採用の段階では特別なスキルや経歴などは持っていなかったはずです。何の対策もしないまま選考に臨む人が多い中で、これら4つだけでも意識しておくと内定の確率を高められます。ぜひ、心掛けてみてください。
中卒で正社員として就職できる確率は低い
中卒で引きこもりをしていて、これから社会復帰を考えている人のなかには「できれば正社員として働きたい」と考えている人も多いのではないでしょうか?
実際、アルバイトなどの非正規と比べると正社員は失業のリスクが低く、安定した給料や福利厚生の充実というメリットがあるからです。働く時間や曜日に制約がないのであれば、まずは正社員を目指したほうがよいでしょう。
一方で、どんな学歴の人も全員、正社員として働けるかと言うとそうではありません。厚生労働省発表の「平成30年若年者雇用実態調査の概況」を見ると、最終学歴によって正社員の割合に差があることが分かります。
- 中卒:35.4%
- 高卒:56.3%
- 大卒:80.9%
たとえば中卒の場合には、およそ3人に1人が正社員、残りの2人が非正規社員などの雇用形態で働いています。逆に大卒の場合には、中卒と比べると多くの人が正社員として働いているなど、学歴の差が表れる結果となっています。
このように見ると、中卒からの正社員就職は簡単なものではないことは確かです。しかし先ほどの話と同じく、ここで諦めてしまうのか、まだチャンスはあると捉えるのか、によって未来は変わってきます。たしかに中卒の正社員割合は「35.4%」と低いですが、これは裏を返すと、中卒の学歴でも3人に1人は正社員として働けている、ということです。
特に、プログラマーやデザイナーなどの技術職、または看護や介護などの人手不足の業界においては、学歴関係なく正社員として採用しているケースも目立ちます。こうした仕事も視野に入れつつ、諦めずに就職活動を進めていけば、正社員として採用されるチャンスを高められるでしょう。
参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況(P,15)」15~34歳までの若年労働者における正社員の割合
引きこもり期間で就職難易度が上がる
引きこもり期間が長引いてしまうと、就職の難易度はどうしても上がってしまいます。理由としては、企業はできるだけブランクがない人を採用したいと考えているからです。
ブランクとは「仕事をしていない期間」のことで、一般に1年~2年未満の場合には許容される傾向にあります。一方で2年以上仕事に就いていないと、企業としては現役で働いている人を優遇する可能性が出てきます。つまり働くことを目指すのであれば、ブランクは短いことに越したことはないのです。
こうした点において、引きこもりの場合には少しハンデが大きくなります。たとえば会社員として数年勤め、そこから1年間引きこもっている人に関しては、就職活動にそこまで影響は出ないかもしれません。一方で、現実としては引きこもり期間が2年以上の人が多く、内閣府が発表したデータによると、次のように引きこもり期間を3~5年続けている人が特に多い、という結果も出ています。
引きこもり期間 | 割合 |
---|---|
半年から1年 | 6.4% |
1年から2年 | 14.9% |
2年から3年 | 6.4% |
3年から5年 | 21.3% |
5年から7年 | 4.3% |
7年から10年 | 10.6% |
10年から15年 | 6.4% |
15年から20年 | 10.6% |
20年から25年 | 10.6% |
25年から30年 | 2.1% |
お伝えした通り、引きこもり期間が長引くほど就職においては不利に働きます。そのため短ければ短いほど影響は出にくいと言えますが、たとえ長く引きこもっていたとしても、このまま何もせずにいるより、今の状態から早く抜け出すことを考えたほうが就職活動においてプラスに働くことは間違いありません。
参考:内閣府ホームページ「平成30年度生活状況に関する調査(P.50)」
中卒が引きこもりから抜け出す3つの方法
中卒が引きこもりの状態を抜け出す方法を3つお伝えします。
いきなり全ての方法を試そうと思う必要はありません。まずは1つの方法でも構いませんので、少しずつ歩みを進めていきましょう。では、それぞれの方法を解説します。
方法1:現在ではなく未来を見据えた考えを持つ
まず1つ目は、未来志向でものごとを考えてみることです。未来志向とは、たとえば「10年後は営業でトップの成績を残していたい」「開発に携わったスマホアプリで多くの人を笑顔にしたい」といった目標やビジョンを考えることを指します。
未来を見据えて考えるメリットは、今やるべきことが明確になることです。たとえば前述の「10年後は営業職でトップの成績を残していたい」を目標に置いた場合には、次のように逆算で考えていくことができます。
10年後は営業職でトップの成績を残していたい
↓
5年後は担当エリアを一人で任されるほどスキルアップしていたい
↓
そのためには営業として成長できる環境で働く必要がありそう
↓
「有形商材よりも無形商材のほうが営業としては成長しやすい」と聞いた
↓
忙しそうだけど、残業時間はまずは考えずに無形の営業職を探して行こう
上記はあくまで一例ではありますが、このように逆算して考えていくと次のステップが明確になっていきます。
一方で「条件が良くてラクそうな仕事はないかな」となんとなく仕事を探していくと、そもそも「どの仕事を探せばいいか」が明確になっていないので、結局は仕事探しに行き詰まります。さらには、仕事選びの基準が「ラクな仕事」である場合、面接官に見抜かれて「甘い」と思われてしまうリスクもあります。
逆算で考えるのは少し難しいと感じるかもしれませんが、まずはどんな仕事があるかを調べつつ、興味を持った仕事があればその仕事をするとどんな未来が描けそうかについて、採用ページの「社員インタビュー」などを参考にしつつ考えてみても良いでしょう。
その上で、その未来を実現するためにはどんなステップを踏む必要があるか、を考えていくことで、地に足のついた会社選びができるようになります。
方法2:就職に必要なポイントを抑える
就職先を考える上で、欠かせないポイントがあります。それは、以下の3つです。
- 仕事内容
- 給料
- 会社の雰囲気
たとえばどんなに給料が良くても、いわゆる「ブラック企業」に入ってしまい、精神的に病んでしまってすぐに退職……といったことでは本末転倒です。そのため仕事を探すにあたっては、まずは上記の3つをバランス良く考えていくことが大切です。
仕事内容については、中卒でも働きやすい仕事として以下の仕事が挙げられます。(一例)
- 介護職
- 調理スタッフ
- 販売職
- 営業
- ライン工
- コールセンター
- ドライバー
- エンジニア
国税庁発表の「令和2年分民間給与実態統計調査」を見る限り、日本人の平均年収は433万円となっています。この金額を目指すことはひとつの目安になるかもしれません。とはいえ、学歴も職歴もない状態では、いきなり平均年収レベルをもらえなくても当然です。入社時の給料は安くても昇給のある会社を選び、経験を積んでいく方法がおすすめです。
会社の雰囲気も大切な要素の一つです。たとえば営業としての仕事は同じであっても、ノルマがどの程度あるのか、ガツガツタイプの社員かマイペースな社員が多いのかによっても、社内の雰囲気はガラッと変わります。自分が居心地よく働ける環境を選ぶことは、長く働き続ける上でも大きな意味を持ちます。
実際に働いている社員の口コミが無料で分かる「転職会議」のようなサイトもあります。そういった口コミ情報も参考のひとつにして、企業の雰囲気もチェックしていきましょう。
参考:国税庁「令和2 年分 民間給与実態統計調査(P.15)」
方法3:実績を残せる会社を選ぶ
3つ目の方法は、実績を残しやすい会社を選ぶことです。実績を残せる会社とは、仕事の裁量が大きかったり、成果を評価してもらえる制度があったりする会社とも言い換えられます。
まず、ある程度仕事を任せてもらえる会社や、自分で成果物や数字をつくっていくような仕事ならば、実績は作りやすいでしょう。また「社長賞」や「MVP」などの表彰制度を用意している企業であれば、表彰された経験は今後にもプラスになります。
会社である程度実績を積んでいくことで、ステップアップもしていきやすくなります。また、将来的にはより評価してもらえる企業に転職して収入アップを目指せる可能性もあります。
ただし、社会人経験のない若者を劣悪な労働条件で働かせる、いわゆる「やりがい搾取」をするようなブラック企業もあります。特に体育会系の企業や、社員の平均年齢が若い企業などには多いため、中卒引きこもりのはじめての就職の企業選びには注意が必要です。
まとめ
中卒の引きこもりに待ち受けている現実、そして引きこもりから抜け出す方法を紹介してきました。学歴の面、そして家に閉じこもってしまっていることに対し、引け目を感じている人も多いかもしれません。しかし、中卒引きこもりから逆転していくことは可能です。
大切なのは、行動に移すことです。仕事探しをして正社員就職を目指しつつ、ブランクがあるならば短期の仕事などを経験して自信をつけてもよいでしょう。中卒での就職は厳しいと感じたら、高卒資格を目指すことから始めるのもひとつの選択肢です。そして、可能な限り将来のイメージを膨らませてみてください。未来を見据えることで、今やるべきことが見えてきます。今回お伝えした情報も参考にしつつ、一歩ずつ進んでいきましょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい