「転職が決まらない……」と焦っていませんか?
この記事では、転職を早く決めたいと願う人向けに、転職が決まらない原因や、内定がもらえない人に共通する特徴、またNGな行動についてもお伝えします。
最後まで読んで、転職を成功させましょう。
転職の平均応募社数と平均期間
まずは、転職に関わるデータをもとに、平均応募社数と転職活動の平均期間を見ていきましょう。
マイナビ転職が2017年に調査したデータによると、転職者が過去6か月以内に応募した企業数は、平均して8.4社ということが分かりました。
年齢別に見ると、「20〜25歳」で6.3社、「26〜30歳」で7.1社、「31〜35歳」では8.2社となっており、年齢が上がるにつれて応募社数が増えることも分かります。
また、厚生労働省発表の「平成27年転職者実態調査の概況」では、求職者が転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間を知ることができます。
具体的には、「転職活動期間なし」が25.8%、「1か月未満」が19.3%、「1か月以上3か月未満」が 27.2%、さらに「3か月以上6か月未満」が14.8%を占めます。
このデータから分かるのは、求職者のうち約8割が半年以内に次の転職先を決めているということ。
これをみる限り、もし転職活動を始めて半年以内であれば、転職先が決まっていなくてもあまり焦る必要はないといえるでしょう。
応募社数に関しても、多くの転職者は8社ほど受けているため、もしも応募数が8社未満の場合には、応募数を増やすことで内定を獲得する可能性を高められるかもしれません。
転職が決まらない原因とは
転職が決まらない原因は、人によってさまざまです。
しかし、なかには多くの人に共通する原因も存在します。
具体的には、以下の3つです。
- マナーが欠けている
- 自己分析が甘い
- 理想が高すぎる
では、それぞれについて説明します。
マナーが欠けている
マナーが欠けていることが、転職が決まらない原因であることは少なくありません。
たとえば、面接時の服装や言葉遣いに自信はありますか?
転職の面接では、話す内容はもちろん、社会人としての立ち居振る舞いもしっかりチェックされています。
そして「マナーがしっかりしている人物かどうか」は、どの企業も共通して重視するポイントです。
そのため、面接がなかなか通らず内定をもらえない場合は、自分のマナーにマイナスポイントがないか、いま一度確認してみましょう。
自己分析が甘い
自己分析が甘いことも、転職がうまくいかない原因のひとつです。
そもそも、応募企業に活かせる強みを自分自身が把握していないと、それを面接官に十分に伝えることはできません。
そのため、自己分析を繰り返し、自分で自分のことを深く理解する作業が欠かせないのです。
しかし、なかなか転職が決まらない人は、自己分析を面倒くさがってしまいます。
結果、自分の強みが曖昧なため自信を持ってアピールできず、面接で落ちることを繰り返してしまうのです。
理想が高すぎる
転職が決まらない原因のひとつとして、理想が高すぎることも挙げられます。
たとえば、誰もが知る有名企業は倍率が高くなります。
こうした企業はスキルが高い人を採用する傾向も強いので、多くの人と同じようなスキルレベルだと、書類の段階で落ちてしまうことも少なくありません。
しかし理想が高すぎる人は、「大手=安定」「有名企業=ホワイト企業」といった意識が強すぎるあまり、採用難易度の高い企業を受け続けてしまう傾向があります。
結果として、自分より高いスキルを持っているライバルの前に敗れることを繰り返してしまうのです。
転職が決まらない人の特徴
転職が決まらない人には、共通する特徴があります。
以下の4つです。
- 企業が求めるスキルを把握していない
- 他責思考が強い
- 主体性が見られない
- 他人の声を気にしすぎる
では、それぞれの特徴についてお伝えします。
企業が求めるスキルを把握していない
転職が決まらない人にみられる特徴のひとつとして、企業が求めるスキルを把握していないことが挙げられます。
書類や面接で自分をアピールすることは大切ですが、自己中心的な自己PRは企業に刺さりません。
どんなに素晴らしいスキルを持っていたとしても、それを相手が求めていなければ「自分勝手」なアピールに過ぎないからです。
そのため、自分についてアピールする前に、「そもそも企業はどんなスキルを求めているんだろう」といったことを調べることが欠かせません。
しかし転職がうまくいかない人は、このような作業をせず、自分の強みやスキルを一方的にアピールしてしまうことが多いのです。
他責思考が強い
転職が決まらない人のなかには、他責志向が強い人も少なくありません。他責志向とは、自分に起きたことを他人のせいにしてしまう考えのこと。
他責志向が強い人は、たとえば面接で転職理由を聞かれたときに、「上司が厳しかった」「頑張ったのに評価されなかった」と伝えてしまう傾向にあります。
たしかに、これらは本当の転職理由かもしれません。
しかし「状況を十分に改善できなかった」「もっと早くに手を打っておけば良かった」など、自分にも少なからず非はあるもの。仕事をしていれば、苦労が待ち受けていたり、壁が立ちふさがったりすることは日常茶飯事です。
そして企業は、こうした困難な状況でも他人のせいにせず、まずは自分自身の行動を反省し、次に生かしていける人材を求めています。
その点、人のせいばかりにする人は「成長が期待できない人」と思われてしまうのも事実。
そのため、面接で落ち続けてしまうのです。
主体性が見られない
主体性が見られない人も、転職がなかなか決まらない傾向にあります。
たとえば「上司から言われたことを愚直にこなしてきました」といったアピールを面接でしてしまう人は少なくありません。
これは「素直さ」はアピールできますが、多くの企業が求める「主体性」はアピールできません。
今は、変化の激しい時代です。昨日当たり前だったことが、今日になってみると“非常識”となっていることも珍しくありません。
こうした時代にあって企業が求めているのが、今までのやり方を変えていける人。
つまり、主体性のある人です。
そのため、言われた仕事を淡々とこなしてきた人は、多くの企業にとってあまり魅力的に映らないのです。
むしろ「受け身の人」として面接官から捉えられてしまうことも少なくないでしょう。
他人の声を気にしすぎる
転職が決まらない人には、「他人の声を気にしすぎる」といった特徴もあります。
「あの業界は辞めておいたほうがいいよ」と友達に言われて迷ってしまう、「大手から中小企業に行くと言ったら、親から反対されそうだな」と不安になってしまう――。
このように人の声を気にし過ぎるあまり、応募企業すらなかなか決められない人は少なくありません。
逆に「あの会社は必ず成長する!」と言われ、応募したものの、自分が本心から行きたい企業ではないために面接に気持ちが入らないこともあるでしょう。
面接では、スキルや経験をアピールすることはもちろん大切です。
しかし「この会社で働きたい!」という強い思いが、面接官の心を動かすことも少なくないのです。
面接官といっても、その会社の社員のひとり。
「熱い気持ちを強く持ってくれる人と一緒に働きたい」と考えるのは当然のことです。
しかし他人からの評判を気にしすぎる人は、自分の気持ちとは違う会社を受け続けてしまう傾向があるため、言葉に思いが乗りません。
結果として、面接で落とされる日々を過ごしてしまうのです。
転職が決まらない人がすべき行動
転職がなかなか決まらない人は、ポイントを押さえた転職活動を送れていない可能性があります。
そこで以下の行動を取れているか、いま一度確認してみてください。
- キャリアのたな卸しをする
- 市場価値に合った企業を選ぶ
- 面接練習を繰り返す
- 落ちた理由を冷静に考える
では、それぞれの行動について解説します。
キャリアのたな卸しをする
転職がなかなか決まらない場合、まずはキャリアのたな卸しを行いましょう。
企業が求める経験やスキルが自分にあるかを知るためには、これまでの仕事を振り返る作業が欠かせないからです。
おすすめは、新入社員からこれまでの仕事を洗い出し、「自分が中心となって取り組んだこと」「周りから褒められたこと」を挙げてみること。
もしも前者のエピソードがあれば、「主体性」をアピールできます。
後者を考えてみることで、自分が気づいていない「強み」を見つけることもできるでしょう。
主体性と強みは、面接で評価される重要なポイントです。
過去の経験を十分に振り返れていない人は、キャリアのたな卸しを行うなかで、まずはこのふたつを見つけてみてくださいね。
市場価値に合った企業を選ぶ
応募企業を選ぶときは、「市場価値」を意識しましょう。
市場価値とは、人材市場で評価されるスキルや強みのこと。
転職では、人気企業にどうしても応募したくなるものですが、こうした企業は転職者に求めるレベルを高く設定していることが少なくありません。
そのため、そのレベルに合わない場合、いくら挑戦しても書類で落ちることを繰り返してしまいます。
なぜなら、自分の市場価値と、相手が求めているものが合っていないからですね。
一方で、一般的には知られていなくても、その領域でシェアNo.1などを実現している優良企業はたくさんあります。
こうした会社は、なかなか人が集まらず、採用に苦戦していることも少なくありません。
そのため、採用のハードルを下げていることも珍しくないのです。
そこで、もしも書類に落ち続けている場合には、こうした企業に応募してみるのもひとつの手。
自分の市場価値に適した企業に応募することで、選考に進んでいくことが期待できるでしょう。
面接練習を繰り返す
面接で落ちてしまう場合には、そもそも練習が足りていないかもしれません。
苦手なことを克服するためには、当たり前ですが何度も反復して取り組み、少しずつ「得意」にしていくステップが欠かせません。
しかし転職となると、練習をしないまま面接に臨んでしまう人が後を絶たないのです。
なかには、練習をしなくても緊張せずに話せたり、効果的にアピールできたりする人もいるでしょう。
ただ、面接で落ち続けているのであれば、そもそも面接が得意ではないはず。
この場合、練習が欠かせません。
そこで、まずは想定質問を考え、自分の回答を録音することから始めてみましょう。
自分の回答を客観的に聞いてみることで、「内容が薄い」「早口でうまく聞き取れない」といった改善点が把握できるはずです。
落ちた理由を冷静に考える
転職が決まらない場合は、落ちた理由を冷静に考えるステップも必ず踏みましょう。
書類を出しても落ち、ようやく面接に進んでも落ちることを繰り返すと、「数を打てば当たるはず」と考え、手あたり次第企業に応募してしまう人がいます。
しかし、これではいつまで経っても選考に通過しません。
なぜなら、落ちた理由を反省していないからです。
たしかに、「反省」は面倒くさい作業です。
ただ、落ちた原因を把握し、解決策を考え、次の面接に活かしていくサイクルを踏まないと、結局は何も変わらないまま。
そのため選考に落ちたときは、「なぜ落ちたのか」「通過した企業とは何が違ったのか」といった点を冷静に考えるようにしましょう。
転職が決まらないと焦るのは逆効果
転職が思うように決まらないと、焦ってしまうかもしれません。
しかし、転職において「焦り」は禁物。なぜなら、冷静な判断ができなくなるからです。
たとえば求人を手当たり次第見て、とにかく応募し続けたとします。この場合、1社くらいは内定をもらえるかもしれません。
しかし、いざ入社したあとに、「自分が期待していた会社ではなかった……」と後悔する可能性は高いでしょう。
繰り返しになりますが、焦っているときは冷静な判断ができません。そのため、深い考えもなしに選んだ会社が「ブラック企業」だった、ということも珍しくないのです。
また、「内定を取りたい!」という思いが空回り、面接で緊張してしまうことも考えられます。
焦りが不安を呼び、転職活動をする元気がなくなってしまう可能性もあるでしょう。
このように、焦りは転職において逆効果でしかありません。
転職が決まらないのは苦しいものですが、こうした時こそ落ち着くべき。一度、転職について考えず、自分の趣味に思いっきりふける時間を過ごしても良いでしょう。
転職が決まらないときに大切なのは、思いつめることではなく、冷静になることです。
クールな頭で再び転職活動に臨むことができれば、選考通過の確率を上げられるだけでなく、理想に近い転職先をしっかりと選べるようにもなるでしょう。