
ネイリストとは爪の美容を専門とする職業であり、ネイルケアやネイルアート、ネイルリペアを通じて、顧客の美しさを引き出す手伝いができる仕事です。
手先が器用な人であれば、センスを活かして目の前の人の笑顔を感じられるようなやりがいのある仕事と言えます。
この記事では、ネイリストの仕事内容や就職方法、向いている人の特徴などを網羅的に解説します。
これからネイリストを目指したいと考えている人は、仕事選びの参考にしてみてください。
この記事の目次
ネイリストとは?
ネイリストとは、爪の美容を専門に扱うプロフェッショナルな仕事であり、ネイルケアやネイルカラー、ネイルアートを通じて来店客を手元から美しくする役割を担います。
主にネイルサロンで働くケースが多いものの、ネイリストとして実績や知名度を身に付けることができたら、フリーランスとして活動することもできるため、自身のライフスタイルに合わせて柔軟に働き方を選べるといった特徴があります。
ネイリストとして働く上では、ネイルを顧客の要望やイメージ通りに作り上げられるだけの施術技術はもちろん、接客業になるためコミュニケーション能力が求められます。加えて、店舗経営や衛生管理等の知識も必要になるため、幅広いスキルを身に付けられます。
近年では女性だけでなく男性も美意識が高まっていることもあり、需要が拡大傾向にあると言われています。
| 平均年収 | 320万円 |
| 求められるスキル | ・手先の器用さ ・コミュニケーションスキル ・向上心 |
| 向いている人の特徴 | ・人の美しさを引き出す仕事に興味がある人 ・自分でも爪のケアやネイルアートに取り組んでいる人 |
| 就職するためには | ・ネイルサロンに未経験就職する ・ネイルサロンの専門学校を卒業し、就職先を斡旋してもらう |
平均年収出典:厚生労働省「ネイリスト – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
ネイリストの仕事内容
ネイリストの仕事は、大きく以下の5つに分けることができます。
- ネイルカラー
- ネイルケア
- ネイルアート
- ネイルリペア
- 事務業務
1度もネイルサロンを利用したことがある人であれば、イメージの付きやすい仕事内容となっていますが、ネイリストとして働く側に回りたいと考えている場合は、今一度仕事内容の幅や具体的な業務について理解を深めておきましょう。
1. ネイルカラー
ネイルカラーは、顧客の希望やファッション、イメージに合わせて爪に色を塗る施術です。
シンプルな単色塗りだけでなく、グラデーションやフレンチネイルなど様々な施術を求められることがありますので、技術の向上心や手先の器用さが非常に重要になる業務です。
また、頻繁にネイルサロンに足を運ぶ顧客は、自分でもどんなネイルにしようか具体的な要望を持ち合わせておらず、「服装に合うネイルにしてください」などとイメージで伝えてくることもありますので、流行や季節に応じたカラーの提案をすることも重要になります。
自分が施術したネイルで顧客の印象を変えることもありますので、ネイリストはリピーター顧客を増やすためにも、技術だけでなくセンスや知識などの習得が重要な仕事と言えます。
2. ネイルケア
ネイルケアは爪の健康状態を整えるための基本的な技術であり、甘皮の処理や爪の形を整えるファイリング、爪の表面の磨きなどの施術を行います。
ネイルカラーやネイルアートなどとセットで行われる施術でもあり、美容師でいうシャンプーに近い基礎技術とも言えます。
ネイルケアは爪の見た目を美しく整えるだけでなく、爪の成長や割れ防止にも効果があるため、長くネイルサロンに通ってもらうためにも、基礎技術でありながら重要な業務と言えるでしょう。
3. ネイルアート
ネイルアートは、ネイルカラーの上に模様や装飾などを行う施術であり、ネイリストのセンスと技術を最も発揮できる瞬間です。
アートという名前がついている通り、ラメやストーンを使ってデザインを行うことや、手書きでイラストを書いたり3Dで飛び出すネイルアートを作り上げるなど、自分にしかできない作品を作り上げられるような業務です。
ネイルアートの技術次第では、自分個人に固定客がつくようなこともあるため、ネイルサロンで勤めることなく、フリーランスで稼いでいくといった働き方も実現できます。実際にネイリストの中にも、SNSでネイルアートの施術写真を投稿して集客する人も増えてきています。
とにかく細かく丁寧な作業を集中して行う必要があり、人並み以上の集中力や創造力、器用さなどが求められる仕事です。
4. ネイルリペア
ネイルリペアは、爪が欠けたり割れてしまった時に補修を行う施術です。損傷具合にもよりますが、基本的にはジェルやアクリルなどを使って破損部位を補いながら、自然な爪の形に揃えるといった業務になります。
爪が破損した状態で放置すると悪化の原因になりますので、ネイリストが行う施術の中でも重要なものとなっています。
また、ネイルリペアとして対象療法的に補修するだけではなく、再びネイルが損傷してしまわないためのアドバイスやセルフケアの方法の提案を行うこともあります。
様々な人の爪を見るネイリストという仕事であるからこそ、一人ひとりの顧客の爪の状態を見極めて、最適な提案と施術ができるかが重要になってきます。
5. 事務業務
ネイルサロンで働く場合、ネイリストは施術だけでなく、事務的な業務をこなすこともあります。予約受付やカルテの管理、ネイルカラーやアートに使う在庫の確認から発注作業まで、様々な事務業務を素早くこなしていく必要があります。
特にネイリストの数が少ないような小規模のネイルサロンでは、顧客対応をしながら々な事務作業を1人で担うようなことも多く、マルチタスクに働けるスキルが重要になってきます。
また、ネイリストとして一定の信頼を獲得することができたら、ネイルサロンそのものの経営に携わることもできます。ネイリストからマネジメントの仕事につくといったキャリアパスの幅広さも特徴的な仕事です。
ネイリストに向いてる人の特徴
ネイリストに向いてる人の特徴としては、以下の3点が挙げられます。
- 手先が器用な人
- コミュニケーション能力が高い人
- 探究心や向上心が強い人
基本的な施術技術だけでなく、対人能力や働く上でのスタンスなど求められるスキルは様々ありますので、就職を目指す場合はあらかじめ認識しておいてください。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
手先が器用な人
ネイリストの仕事は、カラーでもアートでもすべての業務で細かい作業を求められることになりますので、手先が器用な人に向いてる仕事と言えます。
小さな爪の上に様々な塗料や装飾物を加えていったり、ときにはピンセットを使って器用な作業を進めることもありますので、むしろ手先が器用でないと働けないような仕事とも言えるでしょう。
手先が器用な人であれば、顧客の要望に柔軟に対応できるようになるため、やりがいを感じやすくなるだけでなく、顧客満足度が上がりリピーターが増えてネイリストとして自信を持てるようになります。
コミュニケーション能力が高い人
ネイリストは技術職であるだけでなく、サービス業でもありますので、施術中に目の前の顧客とコミュニケーションを取ることも少なくありません。
顧客にリラックスしてもらいながら施術を進めるためにも、コミュニケーション能力が高い人に向いている仕事と言えます。
また、施術の際にどんなネイルをしたいのか聞き出すことが求められますので、コミュニケーションを通じて顧客のイメージを具体的なオーダーに落とし込むことができれば、結果的に満足度の高い施術が実現できるでしょう。
もちろんネイリストは技術が最も重要な仕事ですので、話し上手である必要まではありませんが、少なくとも相手に不快感を与えるようなコミュニケーションをしないことが大切です。
探究心や向上心が強い人
ネイルの技術や流行は日々変化しているため、顧客の様々なニーズに答えられるようにするためにも、探究心や向上心が強い人の方が活躍しやすい仕事となっています。
新しいデザインだけでなく、素材や技法に興味を持って積極的に日々の業務に取り入れていく姿勢も大切です。
ネイルの技術は先輩から奪うだけでなく、自主的にスクールやセミナーに行って学んだり、展示会で情報を収集するなど自ら動く意識を持ちましょう。
向上心を持って技術を磨き上げることで、将来独立したりネイリストの講師としてのステップアップにも繋がります。
ネイリストに就職する方法
美意識の高い人や、自身のセンスを活かせる働き方ができるということもあり、ネイリストへの就職を目指す人も少なくありません。
ネイリストに就職する方法としては、大きく以下の3つが挙げられます。
- ネイルサロンに未経験就職する
- ネイルサロンの専門学校を卒業する
- 独立開業する
それぞれの方法について詳しく解説しますので、ネイリストとして就職したい人は参考にしてみてください。
ネイルサロンに未経験就職する
ネイルサロンによっては、ネイリストとしての実務経験がない未経験者をアシスタントとして採用し、現場で技術を身に付けながら働けるような育成体制を持っていることがあるため、未経験歓迎求人に応募して就職するといった方法があります。
未経験からでもポテンシャルをアピールすることができれば、アシスタントではあるもののネイリストとしていきなり就職することができるため、最も効率的に実務経験を積むことができます。
ただし’未経験歓迎求人は採用数は限られている傾向にありますので、ネイリストとして求められる基本的な知識や強い熱意をアピールすることが求められます。
もしネイルサロンに未経験で就職したい場合は、正社員ではなくアルバイトや契約社員といった雇用形態の求人も見てみることで、選択肢の幅を広げられるでしょう。
ネイルサロンの専門学校を卒業する
ネイリストとして就職する上では、一定の基礎知識だけでなく実務に活かせるような施術技術を身に付けておくことが大切です。そのためにも、ネイルサロンの専門学校を卒業して就職先を紹介してもらうといった方法がメジャーと言われています。
専門学校であれば、ネイリストに求められる基礎から応用までの技術を学べるだけでなく、ビジネスマナーや店舗経営などの知識も習得できることから、ネイルサロンに即戦力として就職できる可能性も高まります。
ただし、ネイルサロンの専門学校に通うためには、時間だけでなく学費や入学費などのお金もかかってきますので、ネイリストになるためにどれぐらいのコストをかけられるかといった検討をした上で判断してください。
独立開業する
ネイリストとして経験を積んだ後であれば、自分のネイルサロンを開くといった独立開業を目指すことが可能です。
ネイルサロンはテーブルと椅子2つがあればどこででも作業できるような仕事ということもあり、自宅の一室やレンタルサロンを借りるなど、低コストで挑戦できる点が魅力です。
独立すると自分のペースで働けるだけでなく、自身の好きなジャンルの技術を追求して働くといったことも可能になりますが、集客や経理、衛生管理などを自分1人で責任を持って働くことが求められるため、経営者としての素養も必要になってきます。
大変ではありますが、同時にやりがいのある働き方と言えるでしょう。
ネイリスト専門学校の選び方
ネイリストを目指す上で専門学校に通う人も少なくありません。
ネイリストの専門学校はたくさんありますので、どの専門学校に通うかについては以下の観点で選ぶと良いでしょう。
- JNA認定校かどうかをチェック
- 受講しやすいカリキュラム設定か
- 就職や開業実績がどれくらいあるか
それぞれの選び方について詳しく解説します。
JNA認定校かどうかをチェック
JNA認定校であれば、カリキュラムや学校に設置されている設備が一定の基準を満たしているため、ネイリストとして着実に技術を身に付けられる環境が整っています。
加えて、カリキュラムとしても、ネイリストとして働く上で有利になる資格に直結する内容が多く、初学者でも安心して勉強ができます。
講師陣には現役のネイリストや指導経験者が多い傾向にあり、正しい知識を学べる点もポイントです。ネイリストとしての就職だけでなく、将来的にはネイリストの講師を考えている人にとっても良い選択と言えますので、まずはJNA認定校かどうかチェックすることをおすすめします。
受講しやすいカリキュラム設定か
専門学校を選ぶ際は、自身のライフスタイルに合ったカリキュラム設定になっているかどうかも重要なポイントです。特に日中働いている人の場合は、夜間や土日対応のクラスを設けている専門学校であれば、学習を継続させやすいためおすすめです。
また、ネイリストの専門学校によってはオンライン講座を提供しているスクールもありますので、どうしても学校に通うことが難しい人は選択肢として考えておくと良いでしょう。
ただし、ネイリストの技術を身に付ける上では、実際に手を動かしてネイルアートやカラーに挑戦することが不可欠とも言えますので、自宅から通いやすい範囲に学校があるかは合わせてチェックしておくことをおすすめします。
就職や開業実績がどれくらいあるか
ネイリストの専門学校に通う上では、卒業後の進路実績をチェックしておくことも大切です。卒業生のうち、実際にネイリストとして就職したり開業したりしている人がどれくらいいるか、専門学校のホームページから確認しておきましょう。
就職や開業実績については、学校ごとに行われている説明会や、ホームページ経由での資料請求で知ることもできますし、ネットの口コミを確認するのもおすすめです。
特に就職実績の高い学校は、ネイル業界やネイリストとしての繋がりが強いため、就職に有利な傾向も見られます。
ネイリスト向けの資格
ネイリストとして働く上で、資格を持っておく事は非常に重要になってきます。
特に以下の資格を持っているかで、就職の難易度や開業したときの集客に影響してくると言われています。
- ネイリスト技能検定(JNEC)
- ジェルネイル技能検定(JNA)
- ネイルサロン衛生管理士
それぞれの資格について詳しく解説します。
ネイリスト技能検定(JNEC)
JNECネイリスト技能検定とは、ネイリストとしての正しい技術と知識の向上を目的とした実践に役立つ検定試験です。
試験の実施から30年弱が経過していて、これまでに1,000,000人の受験者実績があるといった、ネイリスト業界の中でも知名度の高い資格となっています。
3級から1級までの段階に分かれていて、3級では基礎的なネイルケアやカラーの知識が学べます。試験は実技試験と筆記試験の両方に合格することで、受験した段階の資格を取得することが可能です。
年に4回の受験タイミングがありますので、就職活動や専門学校での学習を進めながら受験をしやすい点もポイントです。
出典:公益財団法人|日本ネイリスト検定試験センター「ネイリスト技能検定試験とは」
ジェルネイル技能検定(JNA)
JNAジェルネイル技能検定は、ジェルネイルに特化した技術があることを証明できる資格です。
段階は初級から上級までの3つに分かれており、上級ではジェルネイルのスペシャリストとして求められる総合的な知識と技術の習得ができるため、資格取得を通じてネイリストとしての技能を高めることが可能です。
試験は年に2回程度しか実施されていませんので、受験タイミングが少ない点には注意が必要です。全国で100,000人以上が取得している資格ということもあり、初級の資格を持っているだけでも就職活動で有利になると考えられます。
出典:NPO法人|日本ネイリスト協会「ネイルサロン衛生管理士講習会」
ネイルサロン衛生管理士
ネイルサロン衛生管理士は、ネイルサロンで行われる施術に伴う衛生管理について正しい知識があることを証明できる資格です。資格を取得するためには、試験ではなくJNA認定校で実施される講習会を受講し筆記テストに合格することが必要です。
資格を取得した後の有効期限は、取得年を含む3年目の12月末となっていますが、一度資格継続手続きを完了することで無期限に保障される資格になるため、ネイリストとして長く働きたいと考えている人におすすめできます。
ネイリストとして重要な知識を身に付けられますが、実際の施術技術の証明になるような資格とは異なりますので、まずはネイリスト技能検定などの資格取得から検討してみるのも良いでしょう。
出典:NPO法人|日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」
ネイリストになるメリット
ネイリストになるメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 自分のセンスを仕事で発揮できる
- やりがいを感じやすい
- 経験を積んで独立しやすい
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
自分のセンスを仕事で発揮できる
ネイリストは顧客の注文通りの施術を行うだけでなく、色味やデザインを自分で考えて施術をして顧客に満足してもらうといった働き方も多く、自分のセンスを仕事で発揮できるのは大きなメリットと言えます。
顧客の要望に応じて提案をしながらセンスを発揮して笑顔になってもらえたり、リピーターを獲得することができれば、仕事を通じた成長実感ややりがいを感じやすいといった特徴があります。
特にネイルアートはセンスを活かしやすいため、ものづくりをしているような楽しさも味わえるでしょう。
加えて、ネイリストの世界は実力主義ということもあり、センスを磨いてSNSなどを通じた自己発信を行えば、集客に役立つといったメリットもあります。ネイルが好きな人であれば、常にモチベーションを高く保って働き続けられる点も魅力です。
やりがいを感じやすい
ネイリストは顧客と物理的に距離が近いということもあり、施術を終えたときに感謝の言葉を投げかけてもらいやすく、やりがいを感じやすいといったメリットがあります。
また、自身の技術がネイルという目に見えて分かる結果で現れるため、働く意義を感じやすい点もポイントです。
初心者からネイリストとしてデビューしたばかりの頃の時は緊張してしまうかもしれませんが、技術を身に付けながら実践を積むことで、仕事に対するやりがいだけでなく責任感やプライドを持つこともできるでしょう。
加えて、リピーターを増やすことで自身の収入が増えることにも直結するため、やりがいだけでなく努力が報われやすい点もメリットと言えます。
経験を積んで独立しやすい
ネイリストは技術がとにかく重要な仕事ということもあり、経験やスキルアップを通じて固定客を作ることができれば、個人での独立や副業といった様々な働き方ができる点も大きなメリットと言えます。
特にネイルアートの世界ではセンスと技術が非常に重要になってきますので、他のネイリストと差別化することができれば、固定客を獲得できるだけでなく、著名人のネイルを担当するといった仕事にも挑戦できるかもしれません。
このように、働き方に柔軟性があるため、ワークライフバランスを重視したいと考えている人にもネイリストの仕事はおすすめできます。
ネイリストになるデメリット
ネイリストになることには、メリットだけでなく以下のようなデメリットもあります。
- 業務上のプレッシャーが重い
- 身体への負担が大きい
- 常に学び続ける必要がある
他人の美や喜びに直結するようなやりがいのあるネイリストの仕事だからこそ、見逃せないデメリットもありますので、就職を検討する際は必ず上記のデメリットも理解しておいてください。
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
業務上のプレッシャーが重い
ネイリストは、人の印象を左右することもある爪に対して施術をするということもあり、常に顧客の要望にマッチする仕上がりになるかといったプレッシャーが重い仕事というデメリットがあります。
特にイベント前や結婚式前など、失敗が許されない場面においては精神的につらい思いをすることもあるでしょう。
また、ネイルサロンに来る人は忙しい人も多いため、施術時間内にミスなく丁寧に作業を終える必要があり、時間管理という意味でもプレッシャーの重い仕事でもあります。
美容師のように、自分がミスをしたことによる顧客への影響が大きい仕事ですので、時にはクレームを受けることもあります。
精神的な強さも求められる仕事ということもありますので、自分のセンスが活かせる楽しそうな仕事という印象だけで就職すると、ミスマッチを感じるかもしれません。
身体への負担が大きい
ネイルの施術をする上では、長時間同じ姿勢で細かい作業に取り組まなければなりませんので、肩や腰にかかる負担が大きく、肉体労働のようなつらさがあるというデメリットも挙げられます。
加えて、小さなものに集中する時間が長いことから、目が疲れたり手の腱鞘炎になってしまうこともあります。
また、勤めるネイルサロンによっては、空調や照明の設定によって体調を崩してしまうこともあるでしょう。自由に働ける仕事ではあるものの、長時間働き続けることで身体への負担が大きいこともあり、自己管理能力も重要になってくることは認識しておいてください。
常に学び続ける必要がある
ネイル業界は、ファッションのように流行の移り変わりが激しいため、常にデザインや新しい技能を学び続ける必要があるという点も、人によってはデメリットになります。
新しい学びを止めてしまうと顧客が他のネイルサロンに行ってしまいますので、成長意欲を発揮し続けなければなりません。
流行を把握することだけでなく、セミナーに参加したり資格の取得や更新に向き合うなど、時間やお金の自己投資も求められますので、目の前の業務だけに集中できる仕事で働きたいと考えている人だと、ネイリストの仕事はつらいものだと感じてしまう場合もあります。
したがって、ネイリストを目指す上ではネイルに関する知識や技術を際限なく学び続けたいといった、高い意欲がある人に特におすすめできる仕事と言えます。
ネイリストを目指す人によくある質問
最後に、ネイリストを目指す人によくある質問を3つ取り上げて解説します。
ネイリストのつらいこととしては、以下のようなものが挙げられます。
・長時間の施術で腰痛や肩こりなど体に負担がかかりやすい
・顧客の要望を満たさなければならないというプレッシャーが大きい
・流行や技術の進化が速く常に勉強が求められる
・収入が不安定になることもある
・繁忙期には休憩が取れないほど忙しいことがある
・顧客とコミュニケーションを取る必要がある
・自分のセンスや技術を正面から評価される
・小さなサロンで働く場合、施術だけでなく事務作業も発生する
働き方の自由度が高いネイリストの仕事ではありますが、上記のようなつらいこともあります。
就職する上では、楽しそうなことばかりに目を向けるのではなく、大変なところやつらいところなど、ネガティブな面も合わせて職種の理解をした上で判断することがポイントです。
ネイル業界はこれまでも一定の需要があるだけでなく、AIやロボットに代替されにくい仕事ということもあり、将来性があると考えられます。特に昨今ではジェルネイルが普及していたり、メンズネイルの市場が拡大していることもあるため、活躍の幅は広いと言えます。
加えて、SNSを活用して集客をするネイリストも増えてきていることから、技術が評価されやすく、個人としても稼ぎやすい仕事になってきています。
ただし、その分競争が激しい業界ということもあり、技術力やセンスを磨く努力を怠ってしまうと収入が減ってしまう恐れもありますので、長く働き続けるためにも自己成長の意識を常に持ち続けることを意識してみてください。
ネイリストになるためには、まず基本的な知識と技術を身に付ける必要があります。専門学校に通うことや、ネイリスト技能検定などの資格を取得することで、ネイリストとして働くための土台を作っていきましょう。
資格取得と並行して、実技の練習や自身のポートフォリオの準備を行っておくと、ネイルサロンへの就職活動のときのアピールポイントに繋がります。
特にネイリストの就職活動においては実技テストや面接が行われることもありますので、事前の準備を心がけることが大切です。
まとめ
ネイリストは美容に関する技術だけでなく、自身のセンスを活かして働ける魅力的な仕事です。
やりがいや働きやすさの自由度が高いといったメリットがある反面、体力やプレッシャーがかかる仕事ということもあり、自分がネイリストに向いているのかどうかを見定めることがポイントになってきます。
この記事を読んでも自分がネイリストに向いているかどうか分からない場合は、ネイリストとして活躍している先輩に話を聞いてみるか、就職エージェントに相談してみることもおすすめです。






































