不動産営業に転職を未経験からご検討中の方々へ。アベノミクスによる景気回復や、2020年東京オリンピックの開催決定を受けて、都心部の地価は上昇傾向を続けています。マンション販売などの個人向けの分譲住宅や投資家向け物件も好調に推移し、また賃貸のオフィスビルの空室率が低下するなど、不動産業界は活況を呈しています。 このような状況から不動産業界では人材採用の動きが活発化しており、新規求人数を見ても、正社員求人の割合が50%を超える状況にあります(厚生労働省「職業安定業務統計」)。 その中でも特に営業職は、他の業界と比べて高収入を得られやすいとされています。ここでは、そんな不動産営業職への転職を成功へと導く職務経歴書の書き方について解説します。
不動産営業『取扱商品』により異なる必須能力
職務経歴書では、志望する不動産会社が求める人材の要件を、どれほど満たしているかをアピールすることが必要になります。一口に不動産営業と言っても、取扱商品は様々。その企業がどの商品を扱っているかによって仕事の内容も違えば、求められる能力も異なります。そこで、取扱商品の種類と、それぞれで求められる人材像を知っておきましょう。
新築マンションの営業
通常、新築マンションの販売は、完成前からモデルルームで集客営業を開始します、そして完成後は、営業活動の中心は電話によるものへと移ります。物件に興味があるお客様と直接対話するため、接客におけるコミュニケーション能力が高ければ、販売につなげることができるでしょう。また、一棟のマンションを社内のチームで担当することになるため、仲間とのコミュニケーション能力も求められます。
一戸建て住宅の営業
一戸建てといっても、建売住宅と注文住宅の2種類に分けられます。いずれの場合も、住宅展示場のモデルハウスで集客し、その後、電話での営業となります。こちらも接客によるコミュニケーション能力が不可欠です。 また建売住宅は既製品であり、その良さをアピールして販売するノウハウを習得できれば、安定的に実績を上げることができるでしょう。一方、注文住宅はオーダーメイドであるため、お客様と何度も打ち合わせし、相談を重ねながら提案するスキルが求められます。建築を担当する職人とのやり取りもあるので、間に立つ折衝力が必要になると考えてください。
賃貸仲介・管理の営業
営業とはいっても、店舗に物件を探しに来たお客様へ、賃貸物件を紹介して成約させるのが仕事の中心です。もちろん接客能力が必要になりますが、お客様と対話するなかで最適な物件を探して紹介する、コンサルティングのスキルも重要です。
住宅リフォームの営業
電話や個別訪問による営業が中心です。第一印象が大切なことは言うまでもありません。また、リフォームの必要性をお客様に痛感してもらう説得力も求められます。収益のなかでリピーターが大きなウェイトが占めるため、お客様との長期的な信頼関係を築く能力が高く評価されるでしょう。
投資用マンションの営業
家賃収入を得るための賃貸用マンションを購入してもらうのが、投資用マンションの営業です。電話営業が基本となります。電話での対話から投資に関心を持ってもらい、アポイントにつなげることでようやくスタート地点に立てます。巧みなコミュニケーション能力が求められるでしょう。しかし、1日に500件から1000件の電話をかけても、成約は数カ月で1本程度という世界。それでも平均以上の収入が得られるようですが、ポジティブかつ打たれ強い精神力がなければ続かないでしょう。