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公務員の職種や種類|仕事内容や難易度ランキングTOP10も紹介

公務員の職種や種類|仕事内容や年収、難易度ランキングTOP10も紹介

公務員として働くことに興味がある人は多くいます。

安定している、残業が少ない、失業する心配がない、などプラスイメージを持っている人が多いのではないかと思います。一方、ルーティンワークが多くつまらなそう、何をするにも融通が利かなそう、などマイナスイメージを持つ人もいるかもしれません。一口に公務員と言っても様々な職種があり、職種によって実態は大きく異なるため、どちらが正しいと決めることはできません。

この記事では、公務員の種類や職種、それぞれの仕事内容や年収、さらには就職の難易度までご紹介します。

公務員の種類と平均年収

公務員の種類と平均年収

公務員は大きく分けて、国家公務員と地方公務員の2種類があります。

それぞれの職種や平均年収について紹介していきます。

国家公務員

国家公務員とは、国家機関や行政執行法人で働く公務員のことです。

国家公務員は「総合職」「一般職」「専門職」の3つに分けられます。

総合職は、基本的に1府12省庁で働く公務員です。いわゆる官僚やキャリアと呼ばれる人たちです。1府12省庁とは、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省、警察庁です。これに、現在はデジタル庁や復興庁が含まれます。

一般職は、各省庁の出先機関などで、主に事務処理の業務を担当します。

専門職は、国税専門官や財務専門官、労働基準監督官など、特定の分野で働く公務員になります。

総合職と一般職は官庁訪問で内定を取るまでは、基本的にどの官庁で働くことになるのか分かりませんが、専門職は合格すると希望の官庁で働くことができます。

国家公務員の平均給与は、人事院の『令和3年国家公務員給与等実態調査』によれば、諸手当を含む月給が41万4,729円(基本給33万6,333円)。夏と冬のボーナス4.5ヶ月分をプラスすると、平均年収は649万247円となります。

地方公務員

地方公務員とは、都道府県や市町村といった地方自治体で働く公務員のことです。現在、公務員として働く8割以上が地方公務員です。「特別職」「一般職」の2つに分かれており、特別職は自治体の首長や議会議員のことで、それ以外は一般職になります。

一般職のなかでも複数の職種に分かれています。「行政職」技術職、専門職、公安職、福祉職、心理職に分かれています。

  • 行政職:都道府県庁や市役所、区役所などの出先機関で働く職種
  • 技術職:建築土木電気農業化学などの専門知識を活かして、インフラの整備をする職種
  • 専門職:看護師や薬剤師、司書など、特定の免許や国家資格を必要とする職種
  • 公安職:警察官や消防士など治安を守る職種
  • 福祉職:介護福祉士や点字通訳者など福祉に関わる職種
  • 心理職:児童心理士心理判定員など心理に関わる職種

地方公務員の平均年収は、総務省の『令和2年4月1日地方公務員給与実態調査』によると、諸手当を含む平均月給が40万860円(基本給34万4338円)。これにボーナス4.5ヶ月分を加えると、635万9,841円になります。

公務員の職種と平均年収

続いて、公務員の具体的な職種と、それぞれの平均年収について紹介します。

職種1.行政系

地方公務員の行政職は、もっとも身近な存在でいえば、市役所などの住民課戸籍課年金課などの部署で働きます。それ以外にも、学校事務、警察事務などがあります。

行政事務

地方自体が住民のために行う事業について、行政施策の企画立案、予算編成、それらに関わる事務処理を担当します。

また、住民登録や戸籍関連、地方税の事務作業、小中学校の運営や、医療介護福祉年金の手続き、保健、水道事業、ごみ収集と処理。それらの窓口対応など、その仕事は多岐にわたります。

さらに、都道府県の場合は、道路や河川、海岸等の整備や建設、農地や都市開発なども行います。部署異動が多く、さまざまな分野の業務に携わることになり、たくさんの知見を得ることができます。

就業するための条件は各自治体によって異なりますが、おおむね以下のとおりです。

  • 高校以上を卒業する
  • 地方公務員の採用試験選考に合格する(1次・2次試験)

行政事務の平均年収は625万4,208円です(総務省HP)。

行政事務は、一般市民と接する機会が多いので、コミュニケーション能力が高い人が向いています。また、住民生活の改善などの企画も行うので、日頃から改善意欲が旺盛な人も向いています。

学校事務警察事務

学校事務は、主に小中学校に配属され、学校の会計や備品管理、行事の準備などの業務を行います。教員とは違って教員免許は必要ありません。学校で発生する事務作業のほとんどをこなすことになります。

警察事務は、警察署内の予算編成や予算管理、福利厚生、給与計算、広報などを担当します。また、遺失物届や拾得物の管理、犯罪情報の収集と分析なども行います。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 一次試験に合格する(一般教養と数的処理や文章理解などの一般知識)
  • 2次試験の面接選考に合格する

学校事務警察事務の平均年収は統計されていませんが、dodaの調査によると、331万円~368万円となっています。ただし、警察事務の場合、地域によって「地域手当」が支給されるので、年収も大きく変わってきます。

学校事務にせよ警察事務にせよ、現場内の調整役を務める必要があるため、コミュニケーション能力や協調性が高い人が向いています。また、給与計算や備品管理など細かい作業をミスなくこなす責任感がある人も向いています。

職種2.技術系

地方公務員の技術職は、土木や建築などの専門知識を活かして、インフラ整備など住民が暮らしやすい社会を作っていきます。都市計画や、エネルギー開発などに携わることもあります。

土木職

各自治体によって業務内容は異なりますが、主にダムや河川、上下水道、公園、港湾、砂防など、インフラと環境の整備を行います。事業計画、予算管理から、測量や設計、発注、監督、維持管理など、さまざまな業務に対応します。

実際の工事は民間に委託しますが、工事中の苦情対応などの地元調整や、定期的な現場確認も重要な仕事となります。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 公務員試験に合格する
  • 各自治体の採用試験に合格する

土木職の公務員試験は専門知識を問われることが多いので、相応の難易度となっています。

平均年収は、各自治体で差があり、公表されているケースも少ないのですが、おおむね350万~450万円といわれています。

専門知識を勉強することは大前提として、民間業者との打ち合わせなども多いので、人付き合いが得意、人見知りしない人が向いています。

建築職

庁舎や出先機関、学校や図書館などの施設について、安全性や利便性の対策、整備を行います。また、前記のような一般施設以外にも、浄水場や下水処理場、橋梁、トンネルなどの新設工事や増築工事に関して、企画立案や監督、メンテナンスなどを行います。ほかにも、景観の維持、文化財の管理などが加わります。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 公務員試験に合格する
  • 各自治体の採用試験に合格する

試験内容は一般教養以外に、建築計画施工、構造力学など専門知識も問われます。

建築職の平均年収は、自治体ごとに違います。たとえば、東京都特別区は初任給が約24万円。愛知県名古屋市は約17万円になっています。

各施設との折衝や打ち合わせを行うので、プレゼンテーションスキルに長けている人は向いています。また、予算作成や、案件ごとの概算工事費の積み上げなどの業務もあるので、数字を扱うことに抵抗がある人はあまり向いていないと考えられます。

職種3.福祉系

福祉系公務員は、ケースワーカーとして児童相談所や福祉事務所で働くことが多くなります。指導員や相談員として、訪問者の指導、相談、調査を行います。

東京都や特別区では、「社会福祉士」「児童指導員(教員免許で代用可)」といった資格が必要なケースもあり、多くの自治体で「社会福祉主事任用資格」が必要になります。また、無資格でも大丈夫な自治体もあるので、募集要項を確認するようにしてください。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 募集要項にしたがって、必要となる資格を取得する
  • 地方上級福祉職の1次試験に合格する
  • 地方上級福祉職の2次試験に合格する

福祉系の職種の平均年収は531万7,737円です(総務省HP)。

相談内容は十人十色で、まったく一緒というケースの方が稀です。したがって、紋切り型の対応ではなく、臨機応変に対応できる柔軟さがある人が向いていると言えます。

職種4.心理系

心理学の専門知識を活かして働く公務員です。住民の心のケアや、カウンセリングを行うのが主な業務となります。

心理判定員

心理判定員は、身体障害者更生相談所や知的障害者更生相談所などで、障害者の心の状態を把握するための面談や、検査を担当します。また、障害者が就職し、安定した生活を送れるように、職能判定員の業務を兼務することもあります。

心理学の知識に基づいて、さまざまなアドバイスをしたり、検査内容を改善したりします。個々人の人生に関わる仕事なので、責任の大きな仕事といえます。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 地方上級心理職の1次試験を合格する
  • 地方上級心理職の2次試験を合格する(個別面接、集団面接、集団討論、適性検査)

心理判定員の平均年収は各自治体で異なります。東京都の場合、35歳課長代理のモデル年収が620万4000円です。

大学で心理学を専攻していた人は、特に向いています。また、他人の人生に関わる大きな仕事ですので、責任感がある人が向いているといえるでしょう。

児童心理司

かつては心理判定員が兼務していましたが、最近は児童心理司として独立しているケースが多くなりました。未成年者の家出や非行、不登校などの相談について、心理テストなどを用いて心理状態を判定します。そして、その判定を基に、問題解決の方策を考えます。

就業するための条件は、心理判定員と同じです。

  • 地方上級心理職の1次試験を合格する
  • 地方上級心理職の2次試験を合格する(個別面接、集団面接、集団討論、適性検査)

児童心理士の平均年収は各自治体で異なります。東京都の場合、35歳課長代理のモデル年収が620万4000円です。

こちらも、大学で心理学を専攻しているとアドバンテージになります。子どもや保護者と接する機会が多いので、人当たりが柔らかい人の方が向いているといえます。

職種5.専門系

看護師や薬剤師、保健師などの特定の免許や国家資格を保有している人が、各々の専門施設で働く公務員のことをいいます。公立学校の教員や、保育士なども専門系といえます。

資格免許職とも呼ばれ、各専門分野のスペシャリストとして働きます。受験資格に年齢だけでなく、指定された資格。免許を取得していることが条件になるので、専門系の公務員を目指す場合、まず資格の取得をしておきましょう。

薬剤師

公務員としての薬剤師は、一般の調剤薬局などで働く薬剤師とは、業務内容が違います。とくに違うのは、公務員薬剤師は販売業務を行いません。

主な業務は、医薬品の監査や企画といった薬事行政研究開発の振興業務、医薬品や食品の検査などを行います。主な勤務先は、地方厚生局、公立病院、保健所、衛生研究所などが多く、公立病院では患者への服薬指導も行います。

就業するための条件は、自治体ごとに異なります。

  • 薬剤師国家試験に合格する
  • 地方自治体が実施する採用試験に合格する

薬剤師の平均年収は595万3147円です(総務省HP)。

医学の進歩は日進月歩なので、薬剤師も常に新しい知識を学び、アンテナを張っていなければなりません。新しい知識を学んでいく柔軟さのある人が向いています。

教員

公立学校の教師です。幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校があり、それぞれ教員免許が必要になります。取得したい教員免許に対応する教育課程のある大学、短大で規定単位を取得し、卒業後に各都道府県教育委員会に教員免許状を申請します。

大学によって教育課程が異なるので、自分が取得したい教員免許が取れるかどうか確認しておきましょう。また、文部科学省から認可を受けた大学でなければだめなので、そちらもしっかり確認してください。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 教員免許を取得する
  • 各自治体が実施する採用試験に合格する

教員の平均年収は667万5559円です(総務省HP)。

教員は、生徒を優先しなければならないシーンがたくさんあります。根本的に子どもが好きな人でなければ務まりません。また、自分の価値観を押しつける人では難しいので、価値観に柔軟な人の方が向いています。

警察官

警察官は、強盗殺人放火詐欺などの犯罪を取り締まり、社会の秩序を守ることを使命とします。

警察官は都道府県単位で、消防士は市町村単位で採用されます(東京都だけはと全体で1単位)。また、警察官は「警視正」以上は国家公務員となります。地方公務員として採用されても、警視正になれば国家公務員です。

警察署は、地域警察部門、刑事警察部門、交通部門、生活安全部門、警備部門、警務部門に分かれており、採用後にどこに配属されるかは選べません。

また、採用条件として、身体検査と体力検査があるのも特徴です。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 1次試験に合格する(教養択一、作文、国語試験、適性検査、身体検査)
  • 2次試験に合格する(個別面接、体力検査)

警察官の平均年収は693万4,830円です(総務省HP)。

警察官は、公務員の中でも危険の多い仕事です。事件や事故はいつ起こるかわからないので勤務時間は不規則になります。また、階級社会で上下関係にも厳しく、ときには凶悪犯を相手に立ちまわることもあり、相当の緊張感とストレスになります。精神力と忍耐力がある人が向いています。

消防官

消防は、住宅街やビル群、山間部で発生する災害の消防活動、救助要請などに携わります。

消防官は「消火隊」「救急隊」「救助隊」の3つのセクションに分かれます。消火隊は、火災現場で消火活動を行います。消火だけでなく、周囲の状況を瞬時に確認、把握して二次災害を防ぐのも重要な仕事です。

救急隊は、急病人やけが人が出たときに、現場で応急処置を行い、病院へ搬送します。3つの隊の中で、もっとも出動頻度が高くなります。

救助隊は、自然災害や交通事故などで人命救助を行います。大規模災害の場合は、自分の自治体を離れて活動することもあります。

就業するための条件は、以下のとおりです。

  • 1次試験に合格する(一般知識、一般知能、作文、適性試験)
  • 2次試験に合格する(面接、集団討論、身体検査、体力検査)

消防官の平均年収は608万433円です(総務省HP)。

消防活動はチームプレーです。勝手な行動は慎無必要があります。人から信頼される誠実な人柄と、規律を守れる人が向いています。

公務員の職種別難易度ランキングTOP10

ここからは、公務員の職種別の難易度をランキング形式で紹介します。ただし、今回のランキングでは医師などの特定専門職は除外してありますので、予めご了承ください。

1位:国家公務員総合職

1位は国家公務員総合職です。

年間受験者数が院卒者と大卒程度者を合わせて1万4,310人で、合格者数が1,834人です。倍率7.8倍という難関職です(人事院『2021年度国家公務員採用試験実施状況』)。

受験資格は、21歳から30歳までで、大学を卒業しているか、翌年度の卒業見込みとなっています。

試験については、人事院での高難度の筆記試験と面接試験、各中央省庁の採用面接をクリアしなければならず、まさに日本トップレベルの難易度の高さです。

2位:国家公務員一般職

国家公務員総合職に次ぐ2位は、国家公務員一般職です。

年間受験者数が大卒程度で2万7,317人で、合格者数は7,553人でした。倍率は3.6倍で、前年度の4.7倍から1.1ポイントの減少となりました(人事院『2021年度国家公務員採用試験実施状況』)。

国家公務員一般職の受験資格は、21歳から30歳まで。21歳未満の場合、大学、短期大学、高等専門学校を卒業しているか、来年度に卒業を見込んでいる者となります。

一般職の試験も、人事院が統括しています。試験は、教養択一試験、専門択一試験、教養記述試験とあり、その後の人事院面接をクリアして合格となります。合格者は希望官庁の面接に進み、面接に合格すると晴れて採用となります。

3位:外務省専門職

国際的な舞台で活躍する外務省専門職が3位です。ハイレベルな語学力と、専門知識が必要となる難関職種です。

外務省専門職は、年間受験者数や合格者数を発表していませんでした。

受験資格は学歴問わず、21歳以上30歳未満となっています。21歳未満の場合、大学、短期大学、高等専門学校を卒業しているか、来年度に卒業を見込んでいる者となります。

1次試験は専門試験、国際法、憲法または経済学、時事論文、基礎能力試験、外国語試験と、2日間に分けて行われます。2次試験が外国語面接、個別面接、身体検査となります。例年、募集人員が50名前後と採用枠が少ないため、非常に競争率が高くなる傾向にあります。

4位:地方上級公務員(大都市地方都市)

第4位は地方上級公務員(大都市地方都市)です。

地方上級公務員は、自治体で「地方上級」という名の試験を行っているわけではなく、一般的なレベル分けのための総称です。自治体によっては「1類」「1種」と呼ぶこともあります。

受験者数や合格者数、倍率は各地方自治体でまちまちなので、いくつかピックアップします。東京都の場合、年間受験者数が490人で、合格者数が70人。倍率は7.0倍でした(『令和3年度東京都職員1類A採用試験及びB採用試験の実施状況について』)。京都府では、受験者数535人で、合格者数239人、倍率は2.2倍でした(京都府『試験実施状況結果』)。

受験資格は自治体によって異なりますが、ほぼ年齢制限だけです。北海道なら30歳まで、東京とは31歳まで、愛知県は29歳までです。

試験内容も自治体によって変わりますが、おおむね1次試験が一般知能と一般知識、専門科目になり、2次試験は面接、討論、論作文、適性試験などが行われます。

5位:教員

第5位は教員です。

2020年度は受験者総数が13万8042人で、合格者数が3万5,058人。倍率は3.9倍でした(『令和2年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について』)。

受験資格は、教員免許を持っていることを前提に、年齢制限が設けられていますが、自治体によってまちまちです。また、年齢制限の緩和が増加しており、41県市で「制限なし」となっています。

試験内容も異なりますが、おおむね筆記試験、面接、論文試験、実技試験、適性検査、場面指導、指導案作成から構成され、これを1次~3次に分けて行います。

教員採用試験は、試験日程が重複しがちなので、併願が難しい状況です。そのため、基本的に一発勝負になうことが多く、その分難易度も高くなります。

6位:地方中級公務員

第6位は地方中級公務員です。上級公務員と同じく、中級公務員という職業があるわけではなく、レベル分けのための総称です。「2類」「2種」と呼ぶ自治体もあります。

受験者数や合格者数、倍率は各地方自治体でまちまちなので、いくつかピックアップします。東京都の場合、年間受験者数が213人で、合格者数が16人。倍率は13.3倍でした(『令和3年度東京都職員2類、3類採用試験及び障害者を対象とする3類採用選考の実施状況について』)。

千葉県では、受験者数484人、合格者数96人で、倍率は5.0倍でした(千葉県『採用試験実施状況』)。

受験資格は自治体によってまちまちですが、上級公務員より年齢制限が厳しいケースがあります。たとえば、千葉県や東京都は19歳~25歳、群馬県なら19歳~27歳と、30歳以下に設定されていることが多いようです。

試験内容は自治体によって異なるので、その難易度も変わってきます。ただ、おおむね教養試験、専門試験、論文試験、面接、適性検査で構成され、だいたい1次~2次試験で行われます。

7位:国家公務員一般職(高卒程度)

第7位は国家公務員一般職(高卒程度)です。国家公務員一般職(高卒程度)は、各省庁など国の行政機関に配属され、事務処理等の業務を担当します。

2021年度の受験者数は1万2,970人で、合格者数が3,118人でした。倍率は4.2倍です(人事院『2021年度国家公務員採用試験実施状況』)。

受験資格は、高校を卒業した日から起算して2年を経過していないこと、または3月までに卒業する見込みの者となります。

試験内容は、1次試験が基礎能力試験、適性試験、作文試験、専門試験となり、2次試験で個別面接が行われます。最低限必要な下限の得点に達しない試験種目がひとつでもあると、ほかの試験の成績にかかわらず不合格となる点で、若干難易度も上がります。

8位:海上保安大学校

第8位は海上保安大学校です。海上保安大学校とは、海上保安庁の幹部職員を育成する教育機関です。海上保安官になるためには、海上保安大学校か海上保安学校に入学しなければなりません。

2021年度の2次試験が12月に行われ、合格発表は2022年1月になるので、ここでは2020年度の数を紹介します。受験者数は440人で、合格者は79人でした。倍率は5.6倍です(『海上保安大学校学生採用試験』)。

受験資格は、高校を卒業した日から起算して2年を経過していないこと、または3月までに卒業する見込みの者となります。

1次試験で基礎能力試験、学科試験(選択式と記述式)、作文試験が行われ、2次試験で個別面接、身体検査、身体測定、体力検査が行われます。体力検査で、どれかひとつでも基準に達しない場合、ほかの試験内容にかかわらず不合格になるので、その点で難易度を高めています。

9位:地方初級公務員

第9位は地方初級公務員です。上級、中級と同じく、初級公務員という職業があるわけではなく、レベル分けのための総称です。「3類」「3種」と呼ぶ自治体もあります。

受験者数や合格者数を、全国的にまとめた統計はありませんので、いくつかの自治体をピックアップします。東京都の場合、受験者数は706人で、合格者数が100人でした。倍率は7.1倍です(『令和3年度東京都職員2類、3類採用試験及び障害者を対象とする3類採用選考の実施状況について』)。

神奈川県では、受験者数が146人で、合格者数が31人、倍率は4.7倍でした(神奈川県『試験実施状況』)。

受験資格は自治体ごとに異なりますが、おおむね年齢制限です。上級と比べると、年齢制限が厳しくなります。東京都や神奈川県は、17歳~21歳となっています。

試験内容も、各自治体で異なります。東京都の場合、1次試験で教養試験、作文、専門試験が行われ、2次試験で個別面接が行われます。神奈川県では、2020年度から教養試験が廃止になりました。

10位:警察官消防士自衛隊

公安職と自衛隊が10位です。冒頭でも述べましたが、10位だからといって簡単なわけではありません。上位と比較すると易しいというだけです。

受験者数や合格者数は各自治体によってまちまちです。2020年度の警視庁の受験者数は5,939人、合格者数1,103人、倍率5.4倍でした(警視庁『採用案内(警察官)』)。

東京都の消防官は、受験者数9,492人、合格者数1,343人、倍率7.1倍でした(東京消防庁『令和2年度職員採用選考試験結果』)。

自衛隊は、受験者数8万7,872人、合格者1万4,986人、倍率5.9倍でした(防衛省『自衛官等の募集状況』)。

警察官の受験資格は高卒以上で、指定する身体要件を満たす者。消防士は年齢制限と、身体要件が条件になります。

警察官、消防士、自衛隊はどれも人気の公務員職ですが、ほかの公務員試験より比較的易しくなっています。ただ、受験者数が多いので、その分難易度は上がります。

女性に人気な公務員の職種3選

ここでは女性に特に人気のある職種3選を紹介します。

職種1.地方公務員(一般行政職)

地方公務員(一般行政)は女性に人気がある職種です。

女性に人気の理由

女性の場合、家庭をもったときに転勤になったり、育児の時間が取れなかったりすると大変です。そのため、自治体の採用で、転勤範囲が限られる地方公務員の一般行政が人気です。

また、地方公務員の一般行政職の女性採用比率が政令都市なら40%を超えており、育児休暇の取得率も99%以上となっているのも、人気の要因といえるでしょう(総務省HP)。

この仕事向いている人

地域活性化に貢献できる仕事なので、地元愛の強い人に向いています。基本的には、PCを使った業務になるので、PC作業に慣れている人だと比較的スムーズに業務に入っていくことができるでしょう。

職種2.国立大学法人等職員

学生支援や研究支援、国際交流などを行う、国立大学法人等職員も人気の職種です。

女性に人気の理由

国立大学法人等職員は、女性比率が高い職種です。2021年度の採用実績では、関東甲信越地方の平均で約47%でした。(国立大学法人等職員採用試験HP)司書になると、じつに72%にもなります。女性が働きやすい職場環境にあるのが、人気の秘訣なのでしょう。

この仕事向いている人

国立大学法人等職員は、紙の書類を扱うことが非常に多いです。アナログな管理体制が残っている環境でも苦にならない人が向いています。学生をサポートする事務サポートも多いので、人をサポートするのが好きな人も向いているでしょう。

職種3地方公務員(学校事務)

公立の小中学校に配属される事務職員です。

女性に人気の理由

人事、経理などの定型業務が多く、予定が立てやすいのが魅力です。自治体によっては、教育委員会への異動などもありますが、基本的には学校で勤め上げることが多く、転勤も少なくなります。

また、業務量がそれほど多いわけではないので、有志で部活動の補助にあたったり、学校行事を担当したりもできるので、子どもが好きな人にも人気です。

この仕事向いている人

子どもが好きな人、人にものを教えるのが好きな人はもちろん向いています。中学校の職員になると、部活動の顧問で土日も引率などでプライベートの時間がなくなってしまうことがあるので、プライベートの時間を確保したい方はご注意ください。

公務員になるまでの流れ

公務員になるには、国家公務員にせよ地方公務員にせよ、公務員試験に合格しなければなりません。また、ほとんどの公務員には年齢制限があるので、自分が就職したい公務員職について、年齢制限も確認しておきましょう。

新卒

新卒で公務員を目指す場合、公務員試験を受けて合格することで公務員になることができます。

国家公務員総合職の場合、4年生の4月に1次試験があり、5月に2次試験があります。国家公務員一般職なら、6月半ばに1次試験、7月半ばに2次試験があるのが一般的です。

地方公務員では、上級中級の1次試験が4月からスタートし、6月から2次試験が始まります。初級の場合は、6月から1次試験が始まります。

公務員一本に絞るなら、あとは試験勉強と、面接対策などを行えばいいのですが、民間企業との併願を考えている場合は、スケジュール管理をしっかり行っていないと、気がついたら試験日が過ぎていたということにもなりかねません。

新卒の場合、誰もが就職活動は初めてのことです。何よりスケジュール管理を癖にしてください。

既卒

既卒の場合も新卒と同じ形式で公務員試験を受けて、合格すると公務員として働く資格が得られます。

公務員試験を受ける人の中には、大学4年から試験勉強を始めて、大学卒業後に試験を受ける人もたくさんいます。公務員試験の受験資格は、ほとんどが年齢制限だけなので、既卒だからといって不利になることはありません。何より、勉強時間を確保しやすいというメリットがあります。

また、既卒にデメリットがないということは、新卒で公務員試験に落ちても、再びチャンスが巡ってくるということでもあります。

ただし、新卒より年齢を重ねているのは事実なので、面接対策は新卒と同じではいけません。年齢のギャップを埋める受け答えが必要になります。

募集内容は新卒と変わらないので、自分が受けたい公務員の募集要項を確認し、しっかりスケジュール管理をしていきましょう

中途

中途の場合、新卒や既卒とは別に中途採用枠が設けられていることがあります。ただし、公務員へ中途で転職する場合も、基本的には公務員試験に合格する必要があります。独自のフローが設けられているケースもあるので、就職する機関の出している募集要項を確認してください。

また、最近では年齢制限の上限を引き上げるケースもありますが、おおむね30歳前後が年齢制限になります。

転職を希望する公務員の募集要項を確認し、年齢制限にあてはまらないかどうか把握しておきましょう。注意点として、上限年齢は採用日の時点での年齢です。たとえば、30歳が上限の場合、受験したときが30歳でも、来年の4月1日に31歳になってしまうなら受験できません。

国家公務員では、就職氷河期世代を限定に、35歳~55歳まで中途採用を行っています。中途採用の場合、筆記試験を人事院が行い、採用面接等を各府庁が行います(人事院HP)。ちなみに、2021年の中途採用予定数は167人でした(国家公務員中途採用情報HP)。

まとめ

公務員の職種について紹介しました。公務員にも様々な仕事があり、仕事内容はもちろん年収や難易度も大きく異なります。向いている人はそれぞれ異なります。自分に向いている職種に絞ってチャレンジしてみてください。

また、公務員になるには年齢制限があります。試験があるので一筋縄にはいきませんが、自分に合った職種環境で働けるよう、なるべく若いうちからチャレンジしていただければと思います。希望の職種に就職できることを願っています。

「公務員 職種」によくある質問

公務員の種類とは?

公務員の種類は、2つあります。国家公務員と地方公務員です。詳しくは、「公務員の種類と平均年収」で解説を行っております。詳しく知りたい方は、是非読んでみてください。

公務員になるまでの流れとは

公務員になるまでの流れは、新卒、既卒、中途で変わります。詳しくは、「公務員になるまでの流れ」で解説を行っております。気になった方は是非読んでみてください。

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株式会社ジェイック:キャリアコンサルタント|就活情報、お役立ち面白情報を発信|就活YouTube「ゼロフリ」配信中|資格:キャリアコンサルタント・ポジティブ心理カウンセラー・7つの習慣®︎ファシリテーター