
校正や校閲の仕事に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、これから校正や校閲の仕事を目指したいと考えている人が知っておくべき仕事内容や向いている人の性格、就職するための方法について網羅的に解説します。
校正や校閲になるメリットやデメリットについても解説しますので、将来校正や校閲の仕事を目指すべきかどうか悩んでいる人は記事の内容を参考にしてみてください。
この記事の目次
校正・校閲とは?
校正や校閲の仕事はクリエイティブ系の職種に属し、執筆者が書いたテキストや原稿を読んで、誤字脱字のチェックや言葉として意味が間違っていないかを確認する仕事です。
原稿を目の前にして赤ペンを入れていくような働き方をイメージすると分かりやすいでしょう。
働く場所としては出版社やウェブメディアなどが中心となります。
特に出版社においては校正部署が設けられており、日々膨大な量の文章をチェックしていくような正社員として働くケースが一般的です。
最近ではウェブサイトの記事も増えてきていることから、出版社だけでなく、ウェブメディアに勤めてパソコン上で記事の校正や校閲を行うことがあります。
校正や校閲の担当が記事をチェックした後は、必要に応じて編集者が修正し、再びチェックするといったラリーを繰り返します。
このように、校正や校閲担当は文章に関するプロフェッショナルとして、高い語学力や論理的思考力、情報収集力などが求められるといった特徴があります。
平均年収 | 424万円 |
求められるスキル | ・語学力 ・情報収集力 ・観察力 |
向いている人の特徴 | ・文章を読むことが特に好きな人 ・間違ったことを間違っていると指摘できる人 ・デスクワーク中心の働き方がしたい人 |
就職するためには | ・出版会社やウェブメディアに就職する ・ライターとして経験を積んだ後キャリアチェンジする |
平均年収出典:株式会社カカクコム「校閲の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
校正・校閲の仕事内容
校正や校閲の仕事内容を分けると以下の3つとなります。
- 編集や出版社との打ち合わせ
- 初稿の校正
- 再校の校正
業務の内容としては比較的シンプルであり、執筆者や編集者と一緒になって記事や書籍を完成させるまでサポートするのが校正や校閲担当の役割と言えます。
それぞれ仕事内容について詳しく解説しますので、校正や校閲の仕事に興味を持っている人はしっかりと理解しておきましょう。
1. 編集や出版社との打ち合わせ
校正や校閲担当は、自分が起点となって仕事を進める事はほとんどなく、基本的には誰かから依頼をされて業務が発生するケースが多いです。
例えば出版社に勤めている場合、営業や編集担当から校正校閲の依頼を受けることで業務がスタートしていきます。
依頼を受けたらまずは打ち合わせを行います。
どういった記事の内容なのかであったり、チェックする確認の範囲を始めとして業務の内容を詳しく教えてもらいます。場合によっては文章すべてを校正校閲するのではなく、1部分のみを担当するケースもあります。
打ち合わせの際にはスケジュールの確認も行います。
校正や校閲の仕事は納期が設定されることになりますので、打ち合わせでスケジュールについて綿密にすり合わせておくことが大切です。
2. 初稿の校正
依頼を受けたら、初稿と呼ばれる執筆者が書いたばかりの文章が送られてきます。
紙の出版物であれば、元の原稿と「ゲラ」と呼ばれる校正刷りを見比べて、誤字脱字や文章表現のチェックを行っていきます。
校正を行う上では、文字の誤変換などもチェックしていく必要があります。
例えば、漢数字の「二」とカタカナの「ニ」の違いを瞬時に見分けて指摘するといったことも求められるため、高い集中力や観察力を発揮していく必要があります。
誤字脱字だけでなく、文字サイズやフォント文章全体を通じた表記揺れの確認など、様々な観点で初稿の校正を進めていきます。
ミスを見つけたら、赤字で校正記号を用いながらミスの指摘をしていきます。
校正記号は校正校閲担当が使う特別な記号となりますので、知識としてインプットしておく必要もあります。
3. 再校の校正
初稿の校正を終えた後は、編集者に原稿を戻します。その後、編集者のもとで校正の指摘内容を修正し、再校が提出されます。
校正・校閲担当は初稿で自分がチェックした赤字と、再校によって修正された再校刷りを見比べ再度チェックを行っていきます。
もし再校でも修正点があった場合は、再び編集者に戻し、2回目の再校を進めていきます。校正・校閲を何回行うのかは、各媒体によって異なりますので認識しておきましょう。
なお、校正と校閲は似たような言葉ではありますが、若干意味が変わってきます。校正とは文章や言葉のルールを修正する仕事であり、校閲は文章の内容もチェックするといった違いがあります。
校閲担当の場合は、文章内に使われているデータや固有名詞にミスがないかであったり、執筆内容の事実関係をチェックすることもあるため、校正担当よりもより幅広い知識や情報収集力が求められることになります。
これから校正・校閲の仕事を目指したい場合は、自分がどちらの業務に携わりたいかを整理した上で、就職活動を進めていくようにしてください。
校正・校閲に向いてる人の性格
校正や校閲の仕事に向いている人の性格としては、以下のようなものが挙げられます。
- 間違っていることを指摘できる人
- 注意深く仕事を進められる人
- 責任感を持って働ける人
これらの特徴を持ち合わせている人であれば、未経験からであっても就職後に活躍していきやすいと考えられます。
それぞれの性格について詳しく解説します。
間違っていることを指摘できる人
校正や校閲の仕事は、執筆者を通じて編集者が提出してきた文章をチェックすることとなりますので、間違っていることを間違っていると指摘できる人に向いている仕事と言えます。
ミスを見つけても、何らかの理由でうまく指摘ができないような人だと、仕事で活躍する事は難しいでしょう。
間違っていることを見聞きしたときに、「自分が指摘したら、ネガティブな印象を持たれてしまうのではないか」といった考えを持ちやすい人だと、校正や校閲担当としてストレスを抱えながら働くことになるかもしれませんので注意してください。
注意深く仕事を進められる人
校正や校閲の業務は、一つ一つ丁寧に注意深く仕事を進める必要があります。
先ほど例に挙げた単語の誤変換を始め、普通の人が見逃してしまうようなことを見つけ出すことが重要な役割となっていることから、注意深く丁寧に働けるかがポイントとなる仕事です。
やるべきことを適当にこなしてしまったり、普段からダブルチェックを形式的に行ってしまっているような人だと、自分が原因で間違った表現の書籍が出版されてしまうこともあります。
校正や校閲の仕事を目指すか判断する上では、自分が日々注意深く業務に向き合っていけそうかどうかで判断するのもおすすめです。
責任感を持って働ける人
特に本の出版においては、一度出版してしまうとミスの修正をすることが難しいため、校正や校閲の役割が非常に重要になってきます。
もし校正や校閲担当がミスを見逃してしまうようなことがあれば、出版社や執筆者に大きな迷惑をかけてしまうことに繋がりかねません。
したがって、校正や校閲担当として働くためには、責任感を持って働けるかが重要になってくると言えるでしょう。
自分に与えられた業務を、誠実にミスなくこなすようなスタンスが非常に重要になってきますので、面接の際のアピールポイントにしてみるのもおすすめです。
校正・校閲になる方法
校正や校閲担当になるためには、以下のような方法が考えられます。
- 未経験者を募集している求人に応募する
- ライターなどの経験を積んで異動する
- 独学でスキルを学んで副業で取り組む
校正や校閲の仕事に興味がある人は、これらの方法の中のいずれかから就職を目指してみてください。
それぞれ詳しく解説します。
1. 未経験者を募集している求人に応募する
校正や校閲担当は、未経験者であっても採用しているような求人が少なくありません。
専門的なスキルや出版業界の知識が求められる仕事ではあるものの、日本語が適切に使えれば活躍できるとも言えます。
したがって、未経験者であっても、校正や校閲担当として求められる素質があると判断されれば、ポテンシャルで就職することが可能です。
ただし、特に大手出版会社は応募が集まりやすく人気な傾向にありますので、未経験から就職を目指す場合は、面接対策を人一倍丁寧に行う必要があります。
校正・校閲として求められるような責任感や観察力、注意深さなどをしっかりとアピールできるよう、就職エージェントの模擬面接を活用しながら就活に取り組んでみてください。
2. ライターなどの経験を積んで異動する
校正や校閲担当は、他の仕事からキャリアチェンジをしてくることもできます。特に親和性の高いライターや編集者などの経験があると、校正・校閲担当に異動しやすいと言えます。
社内異動で校正・校閲担当を目指す場合は、出版社など校正部署が設けられている会社に就職することを意識してみてください。
校正・校閲担当は会社や業界によってはそもそも存在しなかったり、外部の会社に業務を委託しているケースもあります。
他の職種経験を積んだ後に、社内異動を目指す場合は、キャリアパスを考えた上で就職先を検討することも重要になってくるでしょう。
3. 独学でスキルを学んで副業で取り組む
校正・校閲担当は、正社員として就職せずともフリーランスや副業といった形で取り組むこともできます。そのため、いきなり正社員として校正・校閲担当を目指すのではなく、独学でスキルや実践経験を積んでいくケースも考えられます。
ただし、副業で校正・校閲の業務に取り組む場合は、基本的にウェブメディア業界で働くことになります。
やがて出版社など、書籍の校正・校閲に携わりたいと考えている場合は、まずはフリーランスや副業という形でウェブメディアの校正、校閲業務の経験を積んだ上で、正社員として出版会社を目指してみるという流れもおすすめです。
校正・校閲に関連する資格
校正や校閲の仕事に就職するために必須となる資格はありません。
基本的に業務経験があれば就職や転職は可能であるものの、未経験から就職を目指す場合は、以下のような資格を持っておけると、就活に有利になると考えられます。
- 校正技能検定
- 校正士
- 秘書検定
それぞれの資格について詳しく解説します。
校正技能検定
校正技能検定とは、校正担当として習得しておくべき文章作成や言葉の使い方など、専門的な知識があることを証明できる資格です。
日本エディタースクールという民間組織が1966年から運営している資格であり、校正の技能を認定する唯一の検定資格と言われています。
難易度に応じて上級から初級の3つのレベルに分けられており、初級に関しては日本エディタースクールが指定する科目を履修することだけで習得できるといった特徴が見られます。
中級以上になると、学科試験と実技試験に合格する必要があります。合格率は中級でおよそ50%程度、上級でおよそ35%程度とやや難易度の高い資格と言えます。
未経験から校正・校閲の仕事に挑戦したい人は、まずは中級の合格を目指して勉強を進めていくのも良いでしょう。
校正士
校正士は、一般財団法人実務教育研究所が主催する「校正実務講座」という名称の通信教育を受講し、終了後の認定試験に合格すれば取得できます。
文部科学省が認定している通信講座ということもあり、気軽に取得できる資格を探している人に人気の傾向にあります。
通信講座の受講期間は6ヶ月であり、1ヵ月ごとにレポートや報告課題を提出する必要があります。いずれも通信講座であるため、仕事や就職活動の合間に取り組みやすい点が特徴です。
校正士を取得することで、基礎的な校正能力があることを証明できるため、未経験者の就活にも役立つでしょう。
秘書検定
秘書検定は、秘書が有しているべき高いビジネスマナーや日本語表現が備わっていることを証明できる資格です。
校正・校閲担当は、正しい日本語表現をチェックすることもあるため、秘書に求められるような敬語表現などの知識がある証明ができれば、就活に役立つと考えられます。
秘書検定は3級、2級、準1級、1級の4つの難易度に分かれており、就活で有利になるのは2級以上からだと言われています。
秘書検定の2級については合格率が約58%となっているため、しっかりと勉強すれば合格できる範囲と言えます。
校正・校閲に求められるスキル
校正や校閲担当として求められるスキルには、以下のようなものが挙げられます。
- 基本的なパソコンスキル
- 正しい言葉づかい
- 粘り強さ
それぞれのスキルについて詳しく解説します。
基本的なパソコンスキル
出版社で働く場合は、基本的に紙の原稿を机に置いて紙に向かって働くことになります。
ただし、業務上の連絡や情報収集においてはパソコンを使うことも多くありますので、基本的なパソコンスキルが求められるケースも少なくありません。
また、出版社ではなくウェブメディアの校正・校閲担当として働く場合は、より高いレベルのパソコンスキルが求められることもあります。
文章作成ソフトの校閲機能を活用する事はもちろん、1日中パソコンに向かって働くことになるため、パソコンに苦手意識がある人だと業務効率が落ちてしまうことも考えられます。
正しい言葉づかい
特に校正担当となる場合は、文章や日本語のミスを指摘し、正しい表現に直していくような役割となりますので、正しい言葉遣いの知識があるかどうかも非常に重要になってきます。
もちろん、分からない表現があれば一つ一つ調べていくこともできますが、納期が設定されている以上、効率的に働くためにも知識としてインプットしておくことが大切です。
校正・校閲担当の職場には、言葉の辞書や辞典、校正書など様々な書籍が用意されているため、それらをインプットしながら正しい言葉遣いで校正業務を進めていくことが求められます。
日ごろから正しい言葉遣いに苦手意識を持っているような場合は、校正の業務で苦戦してしまうことがありますので注意してください。
粘り強さ
校正・校閲担当は、1日に何万文字、何十万文字とたくさんのテキストを読み込んでいく必要があります。
納期に間に合うようにてきぱきと働くことと、注意深く文章を観察する力を両立させなければなりませんので、高い粘り強さが求められる仕事と言えるでしょう。
業務に追われてすぐに逃げ出してしまうような人だと、校正としての役割を果たすことができません。就職を目指す場合は、粘り強さや継続力を発揮できるかどうかを自己分析で把握しておくようにしてください。
校正・校閲のキャリアパス
校正や校閲として経験を積んだ後は、以下のようなキャリアパスを歩むことができます。
- 校正・校閲のスペシャリスト
- 編集者やライターにキャリアチェンジする
- マネジメントを目指す
長期的なキャリアパスを考えた上で面接に臨むようにすれば、面接に通過する確率を高めることが期待できます。
それぞれのキャリアパスについて詳しく解説していきます。
校正・校閲のスペシャリスト
校正や校閲の業務やスキルをこなし続ければ、スペシャリストとしてのキャリアパスを歩むことができます。
ハイレベルなビジネス本や実用書の校正・校閲など、担当領域を幅広くすることもできるため、業務を通じてやりがいを感じやすくなるでしょう。
また、スペシャリストとしてのキャリアを歩むと、未経験から就職してくるような校正・校閲担当の指導役を担うこともあります。
業務を教える経験を通じて自己の成長を促せるという点も、スペシャリストのキャリアを歩むメリットと言えます。
編集者やライターにキャリアチェンジする
校正や校閲として経験を積めば、出版系の仕事へのキャリアチェンジも可能になります。
例えば、編集者やライターの仕事にキャリアチェンジをすれば、これまでの業務経験を活かして働くことができるため、未経験であっても活躍しやすいと考えられます。
校正や校閲としてのスキルは、文章を作り上げる上で基礎的な知識とも言えます。
編集者やライターにキャリアチェンジすることで、円滑に業務が進められることもありますので、編集者やライターを目指したい人であれば、まずは校正・校閲の仕事から始めてみるというのもおすすめです。
マネジメントを目指す
校正や校閲の業務を通じて一定の成果を認められれば、マネジメントを目指すことができます。
複数人の校正・校閲担当者を束ねて業務を進めていくようなこともありますし、編集部署と直接やりとりをして、誰をどの案件に担当させるかといったアサインの業務を担うこともできます。
マネジメントになると、自分が直接校正や校閲の業務に携わる事は少なくなりますが、その代わりに複数人を束ねて業務をこなしていくといったマネジメント経験を積むことができるため、他の会社のマネジメントとしても転職しやすくなるといった特徴があります。
校正・校閲になるメリット
校正や校閲担当として就職すると、以下のようなメリットがあります。
- さまざまな文章に触れられる
- 自分の仕事が形に残る
- 日常生活でもスキルを活かせる
それぞれのメリットについて詳しく解説しますので、校正・校閲に興味がある人は参考にしてみてください。
さまざまな文章に触れられる
校正・校閲担当になることで、業務を通じて様々な文章に触れられるといったメリットがあります。普段から本を読むことが好きな人であれば、好きなことを仕事にできると言っても過言ではないでしょう。
様々な文章に触れることで、自然と業務のスキルを身に付けていける点も大きなメリットです。新しく知識をインプットしていく必要がありますが、本やテキストを読む人であれば楽しんでスキルアップを目指せる点も大きなメリットと言えます。
自分の仕事が形に残る
校正・校閲担当は、書籍を出版する上で非常に重要な役割を担います。
特に校正・校閲担当がチェックしたものが印刷され、世の中に出版されることになりますので、自分の仕事が本という形に残るというのは大きなメリットと言えます。
自分が指摘した箇所を後から本で確認して、当時の仕事を思い出すといったこともできますし、自分が携わった本を周囲の人に自慢できることもあるでしょう。
仕事を通じてものづくりに携わっていきたいと考えている人や、形に残る仕事に挑戦したいと考えている人には校正・校閲担当の仕事がおすすめできます。
日常生活でもスキルを活かせる
校正・校閲担当として働くことで、正しい日本語が使えるようになります。
日本語は仕事だけでなく、日常生活でも当然に用いるものになりますので、業務を通じて習得できたスキルが日常生活でも活かせるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
スマホの普及により、日ごろからテキストでコミュニケーションを取ることも多くなってきていますので、コミュニケーションミスが起きにくくなるだけでなく、スキルを活かしてテキスト系の副業に取り組むことも可能です。
日常生活でも業務経験が活かせる仕事を探しているような人には、校正・校閲の仕事がぴったりと言えます。
校正・校閲になるデメリット
どんな仕事にも、就職する上ではメリットだけでなくデメリットも存在します。
校正・校閲担当になるデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 仕事が地味に感じやすい
- 納期に追われながら働くことがある
- 自分が主役になることはできない
校正・校閲を目指す上では、これらのデメリットがあることをしっかりと認識しておいてください。
それぞれ詳しく解説します。
仕事が地味に感じやすい
校正・校閲の仕事は、デスクに向き合ってひたすらテキストを読んでいくような業務となります。場合によっては1日中机に座って仕事を進めるようなこともあるため、働いていて自分の仕事が地味に感じやすいといったデメリットが挙げられます。
仕事で様々な場所に足を運ぶようなこともなく、他人とコミュニケーションを取る機会も少ないため、キラキラとした派手な仕事をしたい人からすれば、校正・校閲の仕事はストレスが溜まりやすいかもしれません。
校正・校閲の仕事を目指す場合は、どのような就業環境で仕事に向き合っていくのかをあらかじめ詳しく調べておくことが大切です。
納期に追われながら働くことがある
校正・校閲の仕事は常に納期が設定されています。
複数の案件を同時に進めなければならないケースも少なくなく、常に納期に追われながら働くことがあるというデメリットが挙げられます。
校正・校閲が納期通りに仕事を終えられないと、執筆者や編集者、印刷会社など様々な関係者に迷惑をかけてしまうことに繋がります。
責任感を持って納期通りに業務を終えられる自己管理能力が求められる点は、就職を目指す上で認識しておく必要があります。
自分が主役になることはできない
校正・校閲の仕事はあくまでも裏方の仕事です。
確かに自分が校正・校閲したテキストが本という形に残るというメリットはあるものの、自分の名前が書籍に載るとは限りませんし、自分が主役になる事は基本的にできません。
ものづくりを通じて自分の名前を売り込みたい人や、主役のように業務を推進していくような仕事で活躍していきたいと考えている人は、校正・校閲の仕事に息苦しさを感じてしまうことがあるでしょう。
校正・校閲を目指す人によくある質問
最後に、校正・校閲の仕事を目指す人によくある質問を3つ取り上げて解説します。
校正と校閲の違いは?
校正と校閲はそれぞれ似たような言葉ですが、意味が異なるためしっかりと違いを認識しておくことが大切です。
校正とは、文章を確認し誤字脱字がないかといったチェックを行います。
文法的に問題があれば修正を行うなど、日本語が日本語として正しく使われているかをチェックする行為のことを指します。
一方、校閲は文章全体の内容に問題がないかをチェックすることを指します。
例えば著名人の言葉を引用する場合、引用している文章そのものにミスがないかをチェックすることもありますし、引用することに許可が取られているかを確認することもあります。
また、差別表現や文章の表記揺れ、書かれていることに事実誤認がないかなど、文章全体を確認することになるため、校正よりも情報収集力や論理的思考力が重要になると言えます。
会社によって校正部署と校閲部署が分かれていることもありますので、就職活動を進める際は、自分がどちらの業務に適性がありそうかを見定めておくことも大切です。
校正・校閲に向いていない人の特徴は?
校正・校閲の仕事に向いていない人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 細かい作業が苦手な人
- 集中力が続かない人
- 責任感がない人
- 自己管理能力が低い人
- 文章を読むことが嫌いな人
- 国語の授業が苦手だった人
- 他人に指摘されたくない人
- めんどくさがりな人
- 頑固な人
これらの特徴に当てはまる人の場合、校正・校閲の仕事に就職できたとしても、業務でなかなか活躍できなかったり、ストレスが溜まってしまうことが考えられます。
就活を進める際は自己分析をして、自分の弱みや強みをしっかりと洗い出しておきましょう。
校正・校閲になるのに資格はいりますか?
校正・校閲の仕事に就職するために必須となってくる資格はありません。
ただし、未経験から就職を目指す場合は、以下のような資格を持っておくと有利になると考えられます。
- 校正技能検定
- 校正士
- 秘書検定
ただし、就活では空白期間が長引いてしまうと、正社員になれる可能性が低くなってしまうことがあります。
未経験から就職を目指す場合は、資格取得に時間をかけすぎないように注意してください。
まとめ
校正・校閲の就職を検討する上で知っておきたい知識を網羅的に解説しました。
校正。校閲の仕事は責任感や文章表現などのスキルが求められ、業務経験を積むことでスペシャリストやマネジメント、編集者やライターへのキャリアチェンジができるなど、様々なキャリアパスが歩める点が特徴です。
一方、自己管理能力がなかったり、情報収集力に弱みがあると、就職できてもストレスのかかる環境で働かなければならない点は注意が必要です。
自分が校正・校閲の仕事に向いているか分からない場合は、就職エージェントに相談してみることも検討してみてください。

こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい