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塾講師になるには?仕事内容や年収、就職が有利になる資格を解説 

塾講師になるには?仕事内容や年収、就職が有利になる資格を解説 

塾講師は生徒の学力向上をサポートし、志望校合格や成績向上を目指すうえで重要な職業です。

アルバイトから正社員まで幅広い働き方があり、経験を積むことでキャリアアップも可能です。近年では、教育に関心のある社会人が新たな職種として選ぶケースも増えています。

年収は勤務形態や指導形態によって異なりますが、特定の資格が必須というわけではありません。ただし、指導力やコミュニケーション能力が必要で、スキルを証明するために有利な資格はいくつかあります。

この記事では、塾講師の仕事内容や就職に有利な資格、年収の目安などを解説します。
最後まで読んで、塾講師になる準備を行いましょう。

塾講師とは

塾講師は、生徒の学習を支え、成績向上や志望校合格を目指して指導する仕事です。

単に授業を行うだけでなく、下記のような幅広い業務を担当します。

  • 教材準備
  • 学習計画の作成
  • 授業のフィードバック作成
  • 進路相談
  • 保護者との連携

生徒一人ひとりの理解度や目標に合わせた指導が求められるため、教育スキルやコミュニケーション力が必要です。

また、塾には講師が複数の生徒を同時に指導する「集団指導」と、生徒1人または少数に個別対応する「個別指導」などの授業形式があります。
それぞれに指導方法や求められるスキルが異なるため、自身に合った働き方を選ぶことが大切です。

塾講師の主な仕事内容

塾講師の仕事は、生徒への学習指導だけに留まりません。

主に下記6つのような幅広い業務を担当します。

  1. 授業の準備
  2. 学習指導
  3. 進路指導
  4. 学習管理
  5. 保護者対応
  6. 事務作業

それぞれの仕事内容を具体的に見ていきましょう。

1. 授業の準備

塾講師にとって、授業の準備は欠かせない業務の一つです。
生徒の学力や目標に応じた授業を行うため、事前に教材を選定し、授業計画を立てる必要があります。

指導によっては、オリジナルのプリントや問題集を作成することも求められます。
とくに、受験対策や苦手克服を目的とした指導を行う場合、生徒ごとの理解度に応じた授業準備が重要です。

準備をしっかりと行うことで、授業の質を高め、生徒の学習効果を最大化できます。

2. 学習指導

塾講師のメイン業務は、生徒への学習指導です。生徒の理解度や学習目標に応じて指導方法を工夫し、知識の定着や受験対策を行います。

指導スタイルは、塾の形態によって異なります。集団指導は、複数の生徒を対象に授業を行い、効率的に学習内容を伝える学習スタイルです。
一方、個別指導では、一人ひとりのペースに合わせた指導が求められ、苦手克服や志望校対策に適しています。

生徒の学力向上だけでなく、学習意欲を引き出すことも塾講師の大切な役割です。

3. 進路指導

塾講師の重要な役割として、進路指導があります。生徒の学力や目標を踏まえ、適切な志望校選びや受験対策のアドバイスを行う仕事です。

受験を控える生徒にとって、情報収集や学習計画の立案は欠かせません。塾講師は、過去の合格実績や試験傾向を元に、適切な学習方法を提案します。

また、定期的な面談を実施し、学習の進捗を確認しながら最適な指導を行います。

学力向上だけでなく、生徒が自信を持って進路を選択できるようにサポートすることも、塾講師の役割です。

4. 学習管理

塾講師の役割には、学習管理も含まれます。生徒の学力向上を目指し、個々の理解度や課題を把握しながら、適切な指導を行わなくてはなりません。

成績分析は、定期テストや模試の結果を元に弱点を洗い出し、今後の学習計画に反映させる重要なプロセスです。宿題の確認やフィードバックを行い、適切な課題を設定することで生徒は学習をスムーズに進められます。

学習管理を徹底することで、生徒の学習意欲を維持し、目標達成へと導くことが塾講師の使命です。

5. 保護者対応

塾講師には、生徒だけでなく保護者への対応も求められます。学習の進捗状況や成績の変化を適切に伝え、家庭と連携を取ることが重要です。

塾講師は定期的に面談を実施し、生徒の学習態度や課題を保護者と共有します。また、電話やメールを通じて随時報告することで、保護者の不安を軽減し、信頼関係を築けます。

生徒の成績向上には、塾と家庭の連携が不可欠です。保護者対応を丁寧に行うことで、学習環境の改善にもつながります。

6. 事務作業

塾講師は、多岐にわたる事務作業も行います。具体的には、出欠管理や成績データの入力、授業報告書の作成などがあり、正確な業務遂行が必要です。

また、塾内イベントの企画・運営に関わることもあり、講師としての役割を超えて多方面にわたる業務を担当します。

とくに保護者向けの報告書作成や進捗報告では、伝えるべき情報を適切に整理し、わかりやすく伝える能力が必要です。

塾の運営を円滑に進めるため、事務作業の正確さと効率的な業務遂行が求められます。

塾講師の年収はどれくらい?

塾講師の平均年収は約414.8万円とされ、日本人全体の平均年収460万円と比較するとやや低めの水準です。ただし、雇用形態や経験によって年収には大きな差があります。

たとえば新卒や未経験での転職の場合、300万円前後からスタートすることが一般的ですが、経験を積むことで昇給が期待できます。とくに指導実績のある中途採用者や教室運営を担う立場になると、500万円以上を目指すことも可能です。

また、大手塾と個人経営の塾では給与体系が異なり、成果報酬型のケースもあります。さらに、独立して自ら塾を運営すれば、収入の上限はなくなります。講師経験を活かし、個別指導塾を開業することで、年収1,000万円以上稼ぐのも実現可能です。

そのほかに、フリーランスの塾講師として複数の塾と契約し、高時給の案件を掛け持ちすることで、高収入を得る方法もあります。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト jobtag
出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査

塾講師になるには?

塾講師になるには指導経験や専門知識が強みになりますが、未経験でも採用されることは可能です。

ここでは、塾講師になるための具体的な方法を4つ解説します。

  1. 大学を卒業する
  2. 求人サイトを使う
  3. アルバイト先の塾に就職する
  4. エージェントサービスを利用する

塾講師になるための必須項目もあるため、しっかり確認しましょう。

1. 大学を卒業する

塾講師として働くには、大学を卒業していることが一般的な応募条件とされています。
特定の大学や学部を卒業している必要はありませんが、難関大学向けの塾では、有名大学の出身者が優遇されることも多いです。

また、短大や専門学校卒でも応募できる場合があり、学歴要件は塾ごとに異なります。

とくに小・中学生向けの学習塾では、指導経験やコミュニケーション力が重視されるため、学歴よりも生徒対応の経験が評価されるでしょう。

学歴要件が明確に記載されていない場合は、応募前に確認することが重要です。

2. 求人サイトを使う

塾講師の求人を探す際は、求人サイトを活用すると効率的です。
多くの塾が求人情報を掲載しており、勤務地や給与、勤務形態などの条件を指定して検索できます。

とくに塾講師専門の求人サイトでは、アルバイトから正社員まで幅広い募集があり、未経験者向けの研修制度が整った塾も多く見つかるでしょう。さらに、指導科目や学年、個別指導・集団指導といった指導スタイルに特化した情報も得られます。

また、大手求人サイトでも塾講師の募集が掲載されているため、複数のサイトを比較することがおすすめです。

応募条件には「無資格OK」「未経験歓迎」などと記載されている場合があり、応募前に条件を確認できます。

3. アルバイト先の塾に就職する

塾講師としてアルバイトをしているなら、そのまま正社員として就職する道も考えられます。
長く勤務し、生徒の成績向上に貢献したり、保護者対応や教室運営に積極的に関わったりすれば、正社員登用の可能性が高まるでしょう。

すでに業務内容を理解し、指導経験があるため、未経験者よりも採用のハードルが低くなる傾向があります。とくに、個別指導塾や小規模な学習塾では、実績を評価され、社員として声がかかるケースも少なくありません。

また、未経験でもまずアルバイトから始め、経験を積んで正社員を目指す方法もあります。社員登用制度については、事前に塾の方針を確認しておくとよいでしょう。

4. エージェントサービスを利用する

就職・転職エージェントサービスを利用することも、塾講師の求人を探す方法の一つです。
エージェントは、希望する条件に合う求人を紹介するだけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策まで幅広くサポートします。

未経験から塾講師を目指す場合や、他業種からの転職を検討している場合、個別にアドバイスを受けることで、より適した職場を見つけやすいでしょう。

また、塾ごとに指導方針や社風、待遇が異なるため、エージェントを通じて内部情報を得られる点も大きな利点です。とくに正社員を目指す場合、条件交渉や非公開求人の紹介を受けられることもあり、希望に合った職場が見つかる可能性が高まります。

転職活動をスムーズに進めたい方や、自分に最適な環境を見極めたい方には、エージェントサービスの利用が有効な選択肢となるでしょう。

塾講師になるうえで有利な資格

塾講師になるには資格は問われないことがほとんどです。しかし、経験がない場合、資格があることで転職を有利に進められます。

ここでは、塾講師になるうえで有利な資格を6つ紹介します。

  1. 学習塾講師検定
  2. TOEIC
  3. 実用英語技能検定(英検)
  4. 実用数学技能検定(数検)
  5. 日本漢字能力検定(漢検)
  6. 教員免許

それぞれ合格のハードルや受験料などを、詳しく見ていきましょう。

1. 学習塾講師検定

学習塾講師検定は、全国学習塾協会が認定する民間資格で、塾講師の指導力向上を目的としています。

資格は「学習塾指導者認定」「学習塾講師集団指導2級」「学習塾講師集団指導1級」の3種類。受験資格は満18歳以上で、1級のみ2級取得が前提です。

学習塾指導者認定はテキスト学習のみで受験でき、比較的取得しやすい資格です。受験料は3,000円(税込)で、塾講師の基礎的な知識を証明できます。

実務経験1年以上が目安とされる学習塾講師集団指導2級は、筆記試験と実技試験があり、指導力を試されます。ただし、学習塾指導者認定を持っていれば筆記試験が免除され、実技のみの受験が可能です。

もっとも難易度が高い学習塾講師集団指導1級は、2級取得者のみが受験でき、より高度な指導技術が求められます。

資格取得は必須ではありませんが、実務経験を積んだ後に挑戦すると、指導力の証明となり、キャリアアップにもつながります。

出典:公益社団法人 全国学習塾協会「職員研修・講師育成

2. TOEIC

TOEICは、英語の運用能力を測る世界的な試験で、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会が運営しています。
とくにL&R(Listening & Reading)テストが広く受験され、英語のリスニング力と読解力を総合的に評価する試験です。

試験はリスニング約45分、リーディング約75分の構成で、それぞれ495点満点、合計990点満点です。

TOEICには合否の概念がなく、スコア制を採用しており、600点以上であれば平均を上回るレベルと判断されます。
とくに英語を教える塾講師として活躍するには、700点以上を目指すと強みになります。

一般的に、600点獲得には300〜400時間程度の学習が必要とされ、短期間でのスコアアップを目指す場合は集中学習が必要です。

受験料は7,810円(税込)で、試験は全国の会場で定期的に実施されています。英語を指導する塾講師を目指すなら、高得点を取得してアピールするのも有効です。

出典:一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「受験料・支払方法

3. 実用英語技能検定(英検)

実用英語技能検定(英検)は、日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援する民間資格です。5級から1級まで7段階のレベルが設定されており、英語力の証明として広く認知されています。

とくに学習塾の講師として働く場合、2級以上を取得していると英語指導のスキルをアピールしやすくなります。難関大学受験指導を行うなら、準1級や1級を取得しているとより強みになるでしょう。

英検2級は高校卒業レベルの英語力が求められ、筆記試験に加え、リスニングやスピーキングの試験も実施されます。準1級は大学中級程度の難易度であり、語彙や長文読解の難しさが増します。

2級合格を目指す場合、一般的に200〜300時間の学習が必要とされ、単語力の強化と過去問演習が効果的です。

英検は年3回実施され、どの級からでも受験できます。2級の本会場受験料は9,100円(税込)で、全国の指定会場や一部の学校で受験可能です。英語指導を担当する塾講師を目指すなら、積極的に取得しておくとよいでしょう。

出典:公益財団法人 日本英語検定協会「検定料

4. 実用数学技能検定(数検)

実用数学技能検定(数検)は、日本数学検定協会が主催し、文部科学省が後援する資格です。幼児向けの「かず・かたち検定」から1級まで幅広いレベルが用意されており、数学の理解度を測る基準として活用されています。

塾講師として数学指導をする場合、2級以上の取得が望ましいとされています。2級は高校2年生程度の内容で、数学Ⅰ・Ⅱ・A・Bが範囲です。

準1級は高校卒業レベルで数学Ⅲが含まれ、1級は大学基礎課程レベルの高度な問題が出題されます。2級以上を取得すると、数学の専門性を示す強いアピール材料となるでしょう。

5級以上は1次試験(計算技能)と2次試験(数理的思考力)に分かれ、合格には1次で70%以上、2次で60%以上の得点が必要です。2級の受験料は6,500円(税込)で、年3回の試験日程が設定されています。

出典:公益財団法人 日本数学検定協会「検定料について

5. 日本漢字能力検定(漢検)

日本漢字能力検定(漢検)は、日本漢字能力検定協会が主催する資格で、漢字の知識や活用能力を測定する試験です。10級から1級まで12の級があり、受験者のレベルに応じた内容が出題されます。

とくに2級以上の取得は、塾講師としての適性を示すアピール材料となります。2級は高校卒業レベルに相当し、すべての常用漢字の読み書きや適切な使い方が問われます。

なお、準1級は大学・一般レベルで、常用漢字以外の難読漢字や熟語の意味理解も必要です。1級は最難関とされ、新聞や専門書で使用される漢字を含む、約6,000語が出題範囲となります。

塾講師として国語を指導する場合、2級以上の取得が望ましく、とくに国語専門の講師を目指すなら準1級以上が有利となるでしょう。

2級の合格率は約20~30%とされ、十分な学習時間の確保が求められます。過去問演習や漢字辞典の活用が効果的な学習方法です。2級の受験料は4,500円(税込)で、年に3回実施されています。

出典:公益財団法人 日本漢字能力検定協会「自宅でタブレット端末で受検(漢検オンライン)

6. 教員免許

教員免許は、公立・私立の学校で教壇に立つために必要な資格ですが、塾講師としても有利に働くことがあります。とくに正社員として働く場合や、指導経験や専門性を重視する塾では、取得者が優遇されるケースも多いです。

取得には、教育職員免許法に基づいた教職課程を修了することが必要です。対象となる大学や短期大学で必要単位を修得し、卒業後に都道府県の教育委員会へ申請することで授与されます。

教員免許には「小学校」「中学校」「高等学校」などの種類があり、塾講師として活かすなら中学校・高等学校の免許が望ましいです。取得のためには、専門科目・教育関連科目・教育実習などを履修し、単位を修得する必要があります。

受験料はかかりませんが、学費として年間100万円前後が必要となることが一般的です。塾講師としてのキャリアアップを目指すなら、取得を検討する価値があるでしょう。

出典:文部科学省「教員免許状に関するQ&A

塾講師に必要なスキルや資質

塾講師は経験や資格が問われることは少ないですが、必要なスキルや資質があります。

ここでは、下記5つの最低限必要なスキルや資質を解説します。

  1. 一定の学力
  2. コミュニケーション力
  3. 指導力
  4. 責任感
  5. 親しみやすさ

自分に備わっているのか確認していきましょう。

1. 一定の学力

塾講師として働くには、一定の学力が求められます。指導する教科の内容を正しく理解し、生徒に適切な解説ができることが最低条件となります。

しかし、学力が高いだけでは十分と言えません。知識を噛み砕いて伝える力や、生徒がつまずきやすいポイントを見極める能力も重要です。

また、指導する学年によって必要な学力のレベルが異なります。

小学生向けであれば、基礎的な内容を的確に説明できる力が必要で、中高生を担当するなら受験問題に対応できる応用力が求められます。とくに大学受験指導を行う場合は、出題傾向の分析や、複雑な問題を論理的に解決する力が不可欠です。

2. コミュニケーション力

塾講師にとって、コミュニケーション力は欠かせないスキルです。生徒が理解しやすい授業を行うためには、一方的な説明ではなく、対話を通じて理解度を把握する力が求められます。

また、質問しやすい雰囲気を作ることも重要です。生徒が気軽に疑問を相談できる環境を整えることで、学習の定着を促せます。

さらに、保護者との連携も必要になるため、適切な言葉遣いや説明力も重要です。

日常的に相手の気持ちを考え、円滑なコミュニケーションを意識することで、指導の質が向上し、生徒の成績向上にもつながります。 

3. 指導力

塾講師には、生徒の学力向上を支える確かな指導力が求められます。単に知識を持っているだけではなく、知識をわかりやすく伝え、理解を深める工夫が必要です。生徒のレベルに応じた説明や、つまずきやすいポイントを見抜く力も大切。 

また、限られた授業時間内で効率的に指導を行うため、授業の組み立て方や進行スキルも求められます。

加えて、学習意欲を引き出す指導も欠かせません。生徒が興味を持てるような話題を取り入れたり、成功体験を積ませたりすることで、主体的に学習する姿勢を育てられます。

指導力を高めるためには、経験を積むだけでなく、指導法を研究し続ける姿勢が不可欠です。

4. 責任感

塾講師には、生徒一人ひとりの学習成果に責任を持つ姿勢が求められます。

指導を受ける生徒の成績が向上するかどうかは、講師の教え方やサポートの仕方に大きく左右されます。そのため、単に授業をこなすのではなく、生徒の理解度を確認しながら、適切な指導を行うことが重要です。

また、講師の態度は生徒の学習意欲にも影響を与えます。投げやりな対応や不誠実な姿勢は、生徒のやる気を削ぎ、学力向上の妨げになる恐れがあります。

反対に、真剣に向き合い、責任を持って指導することで、生徒も前向きに学習に取り組めるようになるでしょう。

5. 親しみやすさ

塾講師は、生徒が気軽に話しかけられる親しみやすさが必要です。質問しやすい雰囲気を作ることで、学習意欲が向上し、生徒の理解度も深まります。

反対に、生徒が疑問を抱えたまま授業が進んでしまうと、学力向上の妨げになるため、日頃からオープンな姿勢を心がけることが重要です。

また、塾講師は学習指導だけでなく、生徒の成長をサポートする役割も担っています。ときには、学習面だけでなく、進路や勉強法を相談されることもあるでしょう。この際、親身になって対応できるかどうかが講師の資質として問われます。

ただし、単なる友達のような関係ではなく、信頼される指導者としての立場を意識しながら、生徒との距離感を適切に保つことが大切です。

塾講師に向いている人

スキルや資格を持っていても、塾講師の適性があるかどうかは別の話です。
塾講師に向いている人の特徴として、ここでは下記3つを紹介します。

  1. 子供の成長を楽しめる人
  2. 思いやりがある人
  3. 関係構築が得意な人

自分に塾講師の適性があるかどうか確認してみましょう。

1. 子供の成長を楽しめる人

塾講師に向いている人の特徴は、子供の成長を心から楽しめる人です。学力向上や志望校合格といった成果を、自分のことのように喜べる姿勢が求められます。

生徒が努力した結果を実感し、自信を持てるようになることは、講師としてのやりがいにもつながります。

また、生徒の学習意欲を引き出すには、小さな成長を見逃さず、適切に評価することが重要です。テストの点数が上がったり、苦手科目を克服したりした際には、努力を認め、励ましの言葉をかけることが大切になります。

塾講師として長く活躍するためには、指導力だけでなく、生徒の成長に寄り添い、喜びを共有できる資質が不可欠です。

2. 思いやりがある人

塾講師には、生徒の気持ちに寄り添い、支え続ける思いやりが求められます。学習の遅れに不安を感じる生徒や、受験を控えてプレッシャーを抱える生徒に対し、親身になって接する姿勢が必要です。

また、生徒一人ひとりの理解度や性格に応じた指導を心がけることで、信頼関係が築かれます。厳しさだけでなく、温かく励ます言葉をかけることで、生徒の学習意欲を引き出すことも可能です。

とくに受験期には精神的なサポートが重要になり、自信を持たせる働きかけが合格への後押しとなるでしょう。

このように、生徒の成長を支え、最後まで寄り添える思いやりのある人こそ、塾講師に適しています。

3. 関係構築が得意な人

関係構築が得意な人も塾講師に向いています。

授業を円滑に進めるためには、生徒が安心して質問や相談ができる雰囲気を作ることが大切です。とくに学習に苦手意識を持つ生徒や内気な性格の生徒には、積極的にコミュニケーションを取り、話しかけやすい環境を整える必要があります。

また、関係構築力は授業の質にも影響します。信頼関係ができていると、生徒は講師の話に耳を傾けやすくなり、理解度が向上するでしょう。

一方で、親しみやすさだけでなく、授業中は適度な緊張感を持たせることも重要です。場面に応じて接し方を工夫し、生徒が学習に集中できる環境を整えられる人は、塾講師に向いています。

塾講師の大変なこと

塾講師になる前に、大変なことを確認しておきましょう。前もって大変さを確認しておくことで、準備ができます。

  1. 生徒によって最適な教え方が違う
  2. 勤務時間外にも作業が発生する可能性がある

具体的に解説していきます。

1. 生徒によって最適な教え方が違う

生徒によって理解のスピードや得意・不得意が異なるため、塾講師には個々に適した指導方法を見極める力が必要です。同じ内容を教えても、生徒ごとに反応は異なり、一つの説明だけでは十分に伝わらないこともあります。

また、生徒が理解できないときには、単に説明を繰り返すだけではなく、言い換えや具体例を交えて伝える工夫も重要です。指導方法を柔軟に調整することは、負担に感じる場面もあるでしょう。しかし、生徒が成長したときの達成感は大きなやりがいにつながります。

2. 勤務時間外にも作業が発生する可能性がある

塾講師の仕事は、授業時間だけでは終わらないときもあります。指導内容の準備や教材の作成、テスト問題の考案など、授業外の業務が発生するからです。

とくに個別指導塾では、一人ひとりの生徒に合ったカリキュラムを考える必要があり、勤務時間内にすべてを終えるのが難しい場合もあります。

また、授業中に気づいた課題を解決するために、新たな指導方法を考えることもあります。帰宅後や休日でも仕事のことを考えてしまうこともあり、こうした状況に対応するには、効率的な業務管理やオンオフの切り替えが重要です。

塾講師の働き方とキャリアパス

塾講師と言っても、働き方やキャリアパスはさまざまです。どのような働き方が自分に合っていて、将来どのようなキャリアを進むのか、前もって確認しておきましょう。

働き方

塾講師の働き方は多様化しています。従来の対面授業だけでなく、オンライン授業も増加しており、柔軟な働き方が求められています。とくに、インターネットを活用した授業では、地域や時間にとらわれず、生徒とつながることが可能です。

雇用形態についても正社員だけでなく、契約社員や業務委託、アルバイトなどさまざまな形態があります。そのため、自身のライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことが可能です。

塾講師として働くには、働き方や雇用形態など、自分の働き方に合った選択肢を検討しましょう。

キャリアパス

塾講師のキャリアパスには、さまざまな選択肢があります。

正社員として勤務する場合、まずは講師として経験を積み、その後、主任や教室長、塾長へと昇進する道が一般的です。経営に関心があれば、独立して個人塾を開業する選択肢も考えられます。

また、高収入を目指す場合、下記のような方法も挙げられます。

  • 大手塾で指名を増やし人気講師となる
  • 非正規雇用で複数の塾を掛け持つ
  • 家庭教師やオンライン指導を並行して行う

実力次第では、受験指導の専門家として独立し、YouTubeや書籍出版などを通じて収入を得ることも可能です。

塾講師を目指して内定を勝ち取ろう!

塾講師として活躍して働くには、指導力や責任感、親しみやすさなど、さまざまなスキルや能力が求められます。生徒一人ひとりに最適な教え方を工夫し、成長を支える姿勢が重要です。

勤務形態は正社員やアルバイト、業務委託など多様で、キャリアパスとしては塾長や独立開業も視野に入ります。

一方で、授業準備や生徒対応など、勤務時間外にも業務が発生する可能性があるため、計画的に働く力も必要です。

理想の職場を見つけるためには、求人情報の比較や面接対策が欠かせません就職活動をスムーズに進めるために、ジェイックの就職支援サービスを活用し、塾講師としての第一歩を踏み出しましょう。

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ABOUT US
池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」