大学中退率はどれくらい?辞める人の特徴やその後の進路も解説

大学中退率はどれくらい?辞める人の特徴やその後の進路も解説

令和6年度の大学中退率は2.00%で、中退理由は「転学・進路変更」や「修学意欲の低下」、「経済的困窮」など多岐にわたります。また、大学を中退する人は、文系では入学3年目と4年目、理系では2年目と3年目で多くなる傾向です。

この記事では、学歴・偏差値別の大学中退率や、辞める人の特徴、就職活動への影響などについて詳しく解説します。中退を検討している方やすでに中退してしまっている方は、ぜひ参考にしてください。

出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

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大学中退率は約2%

令和6年度時点の大学中退率は2.00%で、短大生の中退率は3.95%です。令和5年の大学中退率は2.04%、短大生の中退率は3.95%だったことを考えると、そこまで大きな変化は見られませんでした。

割合だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、実際には1年間で5万人以上が中退しているため、大学中退は決して珍しい出来事ではないことが分かるでしょう。

学校種別中退者数(令和6年度)学生数に占める中退者数の割合
大学50,516人2.00%
短期大学2,702人3.95%

出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

進路のミスマッチや経済的事情など中退を選ぶ理由はさまざまです。
「自分だけ大学を中退してしまった」と悲観的になる必要はありません。

1. 大学中退率の推移

令和5年度の大学中退率は2.04%でしたが、令和6年度は2.00%とわずかに減少していました。

令和5年から令和6年にかけては中退者数・割合ともに減少しているものの、中退者は5万人を超えています。このことから、大学・短期大学の中退を検討する学生は、変動はあるものの依然として一定数存在していることが分かるでしょう。

なお、令和6年度における大学院生の中退率は2.85%と、大学中退率よりも高い状態です。しかも、この中退率は令和4年度と比較すると0.88%下がっています。
大学院の中退率は大学よりも比較的高いと言えるでしょう。

年度大学・短期大学 中退者数学生数に占める中退者数の割合
令和5年度56,710人2.10%
令和6年度50,516人2.00%

出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について
出典:文部科学省「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

2. 大学別の中退率

続いて、大学の区分や大学院の修士課程・博士課程といった観点で中退率を見てみましょう。
先ほどと同じく文部科学省が調査した中退率のデータをまとめると以下の通りです。

区分国立公立私立
学部(大学)中退率1.2%1.23%2.88%
修士課程中退率3.09%4.38%6.02%
博士課程中退率7.33%8.75%9.46%
短大中退率※国立無し1.88%3.86%

この調査結果からは、以下の2つの事実が分かります。

  • 短大、大学、大学院における中退率は私立>公立>国立の順で下がっていく
  • 大学以上の中退率は学部>修士>博士の順で下がっていく

逆に言えば、私立大学の学生の方が国立大学の学生よりも大学中退率が高いということです。

これは、国立大学の方が入学難易度が高い傾向にあり、私立大学よりも苦労して入学している人が多い傾向から来ているとも考えられます。

また、修士課程、博士課程とより上級の学問を学ぶにつれて中退率が上がっていってしまうのは、年齢が高まるにつれて学問ではなく就職する人が増えていくことに起因していると考えられます。

3. 学歴別の中退率

令和6年度の学歴別中退率を比較すると、短期大学の中退率が他よりも高いとわかりました。具体的な割合は以下のとおりです。

学校種別中退率(令和6年度)
短期大学3.95%
大学院2.67%
高等専門学校2.08%
大学2.00%

出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

なお、JAICが中退者・中退予定者314人に実施したアンケートでは、「4年制大学に在籍していた(在籍している)」と答えた人が8割弱を占めています。

このことから、中退率で見ると短大が高いものの、中退者の人数でいうと4年制大学が大きな割合を占めていることが伺えます。

学校種別中退者・中退予定者の割合
4年制大学78.3%
専門大学12.4%
専門学校4.1%
短期大学2.2%
大学院1.6%
6年制大学1.3%

出典:JAIC「2023年度中退データ集|Q2.中退した(予定の)学校の種類

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4. 偏差値別の大学中退率

最後に、偏差値別の大学中退率についても解説します。独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」の結果をまとめると以下の通りです。

偏差値国公立私立平均
39以下※該当無し17.2%17.2%
40-44※該当無し16.9%16.9%
45-496.7%11.6%11.5%
50-543.8%8%6.8%
55-593.6%6%5%
60-641.6%3.4%2.9%
65-692.4%3.2%3%
70以上1.5%3%2.2%

この調査結果から分かることは単純に大学の偏差値が上がるにつれて大学中退率は下がっていく傾向にあるということです。これは国公立でも私立でも同じ傾向となっています。

偏差値は50が平均値となりますが、それよりも低い49以下の偏差値の大学に関しては、中退率が10%を超えてくるのが特徴的です。

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大学を中退する人は何年生が多い?

「2023年度中退データ集」によると、大学を中退する人は、2年生が多いことが分かります。また、文系では入学3年目と4年目、理系では2年目と3年目で多くなる傾向が見られます。

入学後何年目に中退したか(中退予定か)文系
1年目15.6%
2年目24.3%
3年目23.1%
4年目20.9%
5年目10.9%
6年目3.4%
7年目1.6%
8年目0.3%
入学後何年目に中退したか(中退予定か)文系理系
1年目14.1%13.2%
2年目22.8%23.2%
3年目24.8%23.2%
4年目24.8%19.2%
5年目9.4%13.9%
6年目2.0%5.3%
7年目2.0%1.3%
8年目0.7%

出典:JAIC「2023年度中退データ集|Q10.実際に中退をしたのは(する予定なのは)入学後何年目か(文系理系別)

文系・理系ともに入学1年目の中退は15%未満に留まっており、2年目以降に増える点は共通です。

一方で、文系は3年目と4年目が24.8%で最多、理系では2年目と3年目が23.2%で最多となっており、理系のほうが早い段階で中退を選ぶ人が多い傾向が見て取れます。

なお、この調査には様々な学歴が含まれていますが、回答者の約8割が「4年制大学」のため、ここで示した結果は大学中退率の傾向として一定の参考になるでしょう。

中退を考え始めた学年

中退を考え始めた学年としては、文系・理系ともに入学後2年目が特に多くなっています。
文系では28.8%、理系では32.5%が2年目に中退を考え始めており、約3割の学生が2年目で退学を意識し始めていることが分かります。

中退を考え始めたのは入学後何年目か文系理系
1年目25.5%19.2%
2年目28.8%32.5%
3年目22.9%23.8%
4年目17.6%17.9%
5年目3.9%4.0%
6年目1.3%2.0%
7年目0.7%


文系・理系どちらも、入学後3年目までに8割ほどの学生が中退を検討していることは共通です。

一方、文系は1年目に中退を考え始める割合が25.5%で、理系の19.2%より6.3ポイント高くなっています。このことから、文系学生のほうが入学直後に中退を迷い始める人が多い傾向にあることが伺えます。

大学中退率に影響!大学を中退をする理由6選

文部科学省の調査によると、大学の中退理由としては「転学・進路変更等」が最も多く、次に「学生生活不適応・修学意欲低下」が続きます。
「就職・起業等」や「経済的困窮」を理由とする中退も多く、「学力不振」「精神疾患」による中退者も少なくありません。

専門的に学びたい分野が見つかって別の学校へ転学したり、学内の雰囲気や人間関係に馴染めずに大学を離れたりするケースはよく見られます。

大学で学ぶよりも「働くこと」にやりがいを感じ、就職や起業を選ぶ人もいます。このように中退の背景には様々な事情があり、必ずしもネガティブな理由による中退とは限りません。

出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

1. 転学した

大学在学中に転学するケースとしては、次のようなものが考えられます。

  • 専門的に学びたいことができ、専門学校に転学した
  • 受験生時代に第一志望だった大学に仮面浪人して受験。合格できたため転学した
  • 大学のカリキュラムが自分に合わずに転学した
  • 何らかの理由で引っ越しをしなければならずに転学した

転学による大学中退は、ポジティブな理由とネガティブな理由に分けられます。
いずれにせよ転学は自分の環境を大きく変えるだけでなく、周囲の人間関係も大きく変わることになりますので、慎重に検討する必要があるでしょう。

また、転学に当たっては転学先に入学するための受験が必要になることがほとんどですので、大学に通いながら受験勉強をしなければならないという点も知っておいてください。

2. 大学に馴染めなかった

大学に入学し、自分の学びたい学部に通えるようになったのは良いものの、人間関係や大学そのものの雰囲気に馴染むことができずに中退する人は少なくありません。

特にサークルやゼミなど、少数で活動するような場面において、人間関係にトラブルを抱えてしまったような人は、フェードアウトするように大学を中退してしまう傾向にあります。

大学は高校までとは異なり、キャンパスの面積が広いだけでなく様々な学生が通っています。そのため、自分から働きかければいくらでも人間関係を築いていくことが可能です。

ただ、コミュニケーション能力に自信がなかったり、特定の学生や教授との相性が極端に悪かったりする場合、大学に馴染めず中退する選択を取る人がいるのも仕方ないことなのかもしれません。

3. 中退して就職した

大学に進学する多くの人は、大学を卒業してそのまま新卒として会社に就職し、社会人になっていきます。しかし、中には大学在学中に就職する道を選び、就職するために中退する選択をする人がいます。その理由は2つ考えられます。

1つは大学に通い続けるモチベーションが低下してしまったという理由です。
単位不足や留年を何度もしてしまうと、次第に大学に通う意義が分からなくなり、「このまま大学に通い続けているよりも、就職した方が良いのではないか」と考えるようになります。
このような考え方の変化によって、大学中退から就職への道を選ぶ人が一定います。

2つ目は、大学在学中に起業してビジネスに専念するパターンです。
在学中での起業はそこまで珍しいものではありませんが、ビジネスが軌道に乗ってきたり、本格的にビジネスに集中したいといった思考になった人は、大学に通う時間が勿体無いと感じて中退します。

いずれの理由であっても、中退後のステップが明確となっているため、そこまで悪い中退理由とは言えないでしょう。

4. 経済的に厳しくなった

JAICの調査によると、「経済的事情・家庭問題」によって中退する学生は、文系では22.4%、理系では14.5%を占めています(※1)。

大学に通うには授業料や施設費に加えて、理系では実験費用が数十万円かかることもあります。大学によっては留学が必須の場合もあり、経済的な負担は決して小さくありません。

たとえば私立大学の平均授業料は96万円(※2)で、施設費などを含めると年間100万円を超えるケースが一般的です。

家族に頼らず、アルバイトを増やしたり、奨学金を利用したりして学費を工面する学生もいますが、それでも支払いが難しい場合があります。結果として経済的に追い込まれ、中退を選ばざるを得ない状況になる学生は多いのです。

※1 出典:JAIC「2023年度中退データ集|Q8.中退理由(文系理系別)
※2 出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

5. 学業不振

試験やレポートで単位を落とし続けたことで、卒業に必要な単位の取得が難しくなり、自ら中退を選ぶ学生も少なくありません。
「授業内容に興味が持てなかったから」という理由も多く、JAICの調査では文系が29.1%で最多、理系は25.4%で2位となっています。

たとえば理系の学生であれば、実験や専門科目の難易度が上がるにつれて授業についていけなくなり、次第に意欲を失っていく人もいます。

サークルやアルバイト、長期インターンシップなどに熱中し過ぎた結果、学業への関心が薄れ、勉強に身が入らなくなるケースも見られます。

こうして学業不振が続くと大学に通う意義が見い出せなくなり、最終的に中退を選ぶ学生が多いのです。

6. 精神的な不調

学業・アルバイト・人間関係など、複数の心理的な負担が重なることで心身のバランスを崩し、中退を決断する学生もいます。
JAICの調査でも、「体調不良」を理由に中退した学生は文系で7.5%、理系で7.2%にのぼります。

たとえば上京して一人暮らしを始めた学生の場合、周りに頼れる人がいないことで孤立感を抱えがちです。そこに慣れないアルバイトやレポート提出が重なると、気持ちに余裕がなくなり、生活全体が不安定になりやすいのです。

気分の落ち込みが原因で授業に出られなくなり、単位を落として不安をまた抱く…といった悪循環に陥るケースも珍しくありません。
結果として「今の辛い状況からとにかく離れたい」という思いから、大学中退を選ぶ学生も多いのです。

大学中退率から見る大学を辞める人の特徴

大学を辞める人の特徴として代表的なのは「目的があいまいなまま進学してしまった人」です。実際に調査では約4割が「なんとなく」や「親や先生に言われて」と回答しており、目標を持てずに学ぶ意味を見失いやすい傾向があります。

ほかにも、在学中に新たな夢や挑戦したいことを見つけて大学以外の道を選ぶ人や、学部内容や環境とのミスマッチから通えなくなる人も少なくありません。また、人間関係を築けず孤独感を抱えたまま相談できずに辞めるケースもあり、中退には学業面だけでなく心理的な要因も関わっています。

それぞれの特徴について詳しく解説していきます。

1. 大学に通う目的が明確になっていない

大学を中退する人の中には、入学時点で「なぜ大学に進学するのか」という目的が十分に定まっていなかったケースがあります。周囲の流れや親の期待から進学したものの、具体的な目標がないまま講義を受けると、学ぶ意味を見失いやすくなります。その結果、モチベーションが続かず出席や単位取得が難しくなり、中退という選択に至ることがあります。

大学中退者・予定者322人に「大学や専門学校への進学理由」を調査したデータを見ると、約4割が「なんとなく・親や先生に言われて・進学が当たり前だと思った」と回答しています(※)。

目的が曖昧だと、自分に合った学びや進路を見つけにくい点が特徴です。

※出典:JAIC「2023年度中退データ集|Q4.大学や専門学校への進学理由

2. 大学以外でやりたいことが見つかった

在学中に新たな夢ややりたいことが明確になり、それを優先するために中退を選ぶ人もいます。例えば、起業に挑戦したい、専門学校で技術を学びたい、芸術やスポーツなどの分野で実績を積みたいと考える場合です。

大学に在籍し続けるよりも、自分の時間を投資して早く行動した方が良いと判断し、中退を前向きな選択肢とするケースです。このような人は、自己決断力や主体性が強いという特徴も見られます。

3. 入学後のミスマッチを感じた人

進学した学部や学科が、自分の興味や適性と合わなかったことが理由で中退する人も少なくありません。入学前に想像していた内容と実際の授業が大きく異なり、「思っていた勉強ではない」と感じることがあります。

また、大学の雰囲気や人間関係、生活スタイルが合わず、居心地の悪さから通学を続けられなくなる場合もあります。こうしたミスマッチを放置すると学業が続かず、最終的に中退という選択に至ることが特徴です。

4. コミュニケーションが苦手

大学生活では友人や教授とのつながりが「心の支え」になりますが、コミュニケーションに苦手意識がある人は人間関係をうまく築けず、悩みを抱え込みやすくなります。

たとえば、勉強やアルバイト、恋愛の悩みを気軽に相談できる友人がいなかったり、授業で疑問があっても教授に質問できなかったりすると、だんだんと孤独感が強まっていくでしょう。

ちなみに「中退を誰にも相談していない」と答えた学生は2割弱にのぼり、誰にも助けを求められないまま自ら中退を選択してしまうケースも少なくありません(※)。

人との関わりを避け続けると「大学に居場所がない」と感じやすくなるため、こうした孤立感も大学中退率が高まる要因となっているのです。

※参考:労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究

大学中退前にほしかったサポート

大学中退者の多くは、適切な支援があれば辞めずに続けられたと考えています。特に、教員や職員からの「学習支援」と「心理的な支援」がほしかったと考える人は少なくありません。

学習面では、レポートや研究の進め方を丁寧に指導してもらえれば中退を避けられたと感じる人もいるようです。実際、JAICの調査でも「学習支援があれば中退しなかった」と答えた人が37.8%と最も多い結果が出ています。

心理面では、不安や悩みを相談できる場があれば良かったと考える学生が多く、同調査でも29.9%が「心理相談の場があれば中退しなかった」と答えています。

出典:JAIC「Q12.中退(中退検討)前に得られていれば、中退しなかったと思うサポート

1. 教員や職員などからの学習支援

レポートの書き方や研究の進め方など、学習面で教授から丁寧な指導を受けられていれば中退を思い留まったかもしれない、と考える人は少なくありません。

実際にJAICが中退者・中退予定者に行ったアンケートでは、「中退(中退検討)前に得られていれば、中退しなかったと思うサポート」という質問に対し、37.8%が「教員や職員からの学習支援」と回答しています(※)。

先ほど「大学を中退する理由」でも触れたように、学業への意欲が低下して辞めてしまう学生は少なくありません。こうした点からも、大学側の学習支援は、中退を防ぐための大きな支えになるといえるでしょう。

2. 教員や職員などとの心理相談

教授や職員と気軽に話せる「心理相談」の場があれば、不安やストレスとうまく付き合うことができ、中退を考えずに済んだと答える学生もいます。

JAICの調査でも、「中退前に得られていれば、中退しなかったと思うサポート」として、29.9%が「教員や職員との心理相談」と回答しています(※)。

大学生活は、学業の悩みや将来の進路、恋愛や人間関係など、一度に多くの悩みが重なり、心の負担が増えがちです。その点、不安や悩みを相談できる場があれば「心理的な支え」ができ、中退を思い留まったかもしれないと考える人も多いのです。

大学を中退する前に確認すべき3つのチェックリスト

大学を経済的な理由で中退しようと考えている場合、まずは今の収入と支出の内訳を把握することが重要です。なぜなら、毎月どの程度お金がかかっているかがわかれば、適切な対策が取りやすくなり、経済的な問題を解決できる可能性があるからです。

また、精神的な理由で中退を検討する場合は、まずは疲れが溜まる原因を把握しましょう。

本当に大学を中退すべきか悩んでいるという方は、次のチェックリストを参考に、冷静な判断をしてみてください。

経済的な理由で大学中退を検討している時のリスト

経済的な理由で大学中退を検討している時は、以下のチェックリストをもとにすると判断がしやすくなります。

  • 今の経済状況を把握できているか
  • 中退しないよう努力したか
  • 中退するリスクや今後の進路について考えているか

上記を見てやり残していることがあれば、中退する前にまずはそこから取り組みましょう。

1. 今の経済状況を把握できているか

今の経済状況を正しく把握できていれば、お金がかかっている部分がわかり、不安を解消するために何をしたら良いのかが判断できます。

経済状況を把握するためには、まずは学費・家賃・食費・通信費といった毎月の固定費を洗い出し、どこにどれだけ費用がかかっているかを見える化しましょう。また、定期的に確認する習慣をつけることで、経済状況を常に正しく把握でき、経済的な不安を軽減できるようになります。

2. 中退しないよう努力したか

中退しないようにどのような努力をしたかは、経済的な理由で大学中退を検討する前に確認しておくべき項目です。
お金がない状況に対して何も努力をしていなければ、企業から「中退をしないためにどうしたのか」と聞かれたときに答えられなくなってしまいます。その結果、「ただ大学を辞めたかっただけではないか」と思われやすくなり、ネガティブな印象を与えてしまいかねません。

そのため、経済的な理由で中退を選ぶ前には、次のような対策を検討しましょう。

  • 空き時間にアルバイトをして収入を増やす
  • 実家から通って家賃や生活費を削減する
  • 一度休学した状態で働いて学費を貯める

このように、「できる対策を取ったうえで中退した」と説明できれば、企業に与える印象を大きく変えられます。

3. 中退するリスクや今後の進路について考えているか

経済的な理由で大学中退を検討する際は、中退するリスクや今後の進路を考えておくことが重要です。深く考えずに辞めてしまうと、後で「辞めなければよかった」と後悔しやすくなってしまいます。

また、大学を中退することによる具体的なリスクには、以下のようなものがあります。

  • 最終学歴が高卒になり、大卒以上を条件とする求人に応募できなくなる
  • 就職活動で大学中退後の期間に何をしていたかを説明する必要がある
  • 周囲と比較して劣等感を抱きやすくなる

大学中退を選択する前は、中退するリスクや今後の進路について検討したうえで判断することが重要です。

精神的な理由で大学中退を検討している時のリスト

精神的な理由で大学中退を検討している時は、以下のチェックリストをもとにすると判断がしやすくなります。

  • 精神的に疲れている原因を把握できているか
  • 回復した状態で大学中退を決断できているか
  • 中退以外の選択肢を考えたか

上記を見てやり残していることがあれば、中退する前にまずはそこから取り組みましょう。

1. 精神的に疲れている原因を把握できているか

精神的に疲れている原因を把握できれば、その内容に応じた具体的な対策が取れるようになります。

たとえば人間関係が原因であれば、いったん休学して距離を置いたり、ゼミの変更を大学に相談したりする方法があります。また、課題の量の多さが原因になっている場合は、教授や大学の窓口に相談することで、対策できる可能性もあるでしょう。

このように、精神的に疲れている原因を明確にすることで、一人で抱え込まずにすみ、負担を軽減できます。

2. 回復した状態で大学中退を決断できているか

精神的な理由で大学中退を検討している場合は、回復した状態で決断できているかが重要です。精神的に疲れている時ほど冷静な判断が難しく、勢いで中退を決めてしまい、後悔することもあるからです。

冷静に判断をするためにも、一度休学して心と体をゆっくり休める時間を確保しましょう。また、必要に応じて学生相談室やクリニックを受診し、専門家の意見をもとに判断することも効果的です。

3. 中退以外の選択肢を考えたか

精神的な理由で大学中退を検討している場合、大学中退以外の選択肢を考えたかどうかを振り返りましょう。とにかく辞めたいと感じたときこそ、一度立ち止まり、中退以外の選択肢も検討することが重要です。

大学を中退すると就職の難易度が上がったり、学費を支援してくれている家族にも迷惑がかかったりする可能性もあるでしょう。後悔しないためにも冷静な判断が求められます。

大学を中退する以外の選択肢として、たとえば以下のようなことが挙げられます。

  • 休学をする
  • 教員や大学の窓口に相談する
  • 学業のペースを見直す

上記のように、中退する以外の選択肢がないかを冷静に考えることを意識しましょう。

目的を失ってしまい大学中退を検討している時のリスト

目的を失ったことが理由で大学中退を検討している時は、以下のチェックリストをもとに判断するのをおすすめします。

  • 何が原因で目的を失ったのかを説明できるか
  • 大学中退が本当にベストな選択なのか
  • 大学中退後の行動をイメージできているか

上記を見てやり残していることがあれば、中退する前にまずはそこから取り組みましょう。

1. 何が原因で目的を失ったのかを説明できるか

大学を中退する前に、なぜ目的を失ってしまったのかを自分の言葉で整理しておくことが重要です。目的を見失ったまま大学を中退すると、就職活動で「なぜ辞めたのか」と聞かれても答えに困ることがあります。よく聞かれる質問だからこそ、なぜ目的を失ってしまったかを説明できるようにしておきましょう。

原因がわからないまま放置をしてしまうと、仕事でも「なんとなく」で辞めてしまう可能性が出てきます。中退したい理由が複雑であったとしても、きちんと考えて原因を明らかにしておかなければ、同じことを繰り返してしまうかもしれません。複雑な問題を先送りする癖がつく前に、「何がきっかけで目的を失ったのか」を自分の言葉で説明できるように整理しておくことが重要です。

2. 大学中退が本当にベストな選択なのか

大学を中退する前に、大学中退が本当に自分にとってベストな選択肢であるかを考えることが重要です。そもそも大学に行きたくないと感じたとき、中退か継続かの2択で考える必要はありません。

たとえば、大学に行きたくなくなった時には、以下のような選択肢もあります。

  • 学部や専攻を変更する
  • 休学して考える時間を持つ
  • 大学の窓口で相談して考えを整理する

大卒だからこそ評価してもらえる場面や、応募が可能な求人もあります。そのため、目的がなくても未来の選択肢を残せるように、在籍するといった選択肢も検討しましょう。

3. 大学中退後の行動をイメージできているか

大学を中退する前に、大学中退後の行動をイメージできているかを考えることが重要です。大学中退後にやることが決まっていない状態で辞めると、実際に学校に行かなくなった時に何をしたらいいのかわからなくなる場合があります。

労働政策研究・研修機構の調査によると、在学中と中退後の行動に、以下のような差が生まれていることが分かります。

行動大学中退前に思っていた割合大学中退後に実現を目指して行動した割合
他の学校へ入学したい12.8%3.9%
正社員として就職したい46.6%32.1%
アルバイトをしたい21.4%31.8%
在学中から行っていたアルバイトを継続11.1%27.3%

出典:労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究

「大学中退したら◯◯をしよう」と決まっていれば、実際の行動にもブレが生じにくくなります。一方で、やるべき行動が決まっていなければ、ブレが生じ、最終的に楽な方向に進んでしまいやすくなるでしょう。

就活では中退後の行動などを聞かれる場合もあるため、企業を納得させられる理由がないと「働きたくなかったのだろう」と判断されてしまいます。その結果、選考通過が難しくなる場合があります。

そのため、実際に大学を中退してやりたいことが決まるまでは、在籍しておくことがおすすめです。

大学中退率から考える中退後の進路

大学を中退した後の進路は、大きく5つに分けられます。
具体的には、民間企業への就職、フリーターとしてアルバイト生活をする、起業、別の大学や専門学校への編入、そして結婚や家事手伝いです。

10代・20代の中退者・高卒者を正社員として採用する企業は多いため、中退の前後に就職活動を行い、そのまま正社員として働き始める人は少なくありません。

一方で、アルバイト生活を続けながら、自分の将来についてじっくり考える人もいます。数は多くありませんが、自ら会社を立ち上げる人もいるなど、大学中退後の進路は人によって様々です。

1. 民間企業に就職する

自分自身の生活を支えるために、中退後に社会人として就職する道を選択する人は多くいます。

JAICが中退者317人に「就職しようと思った理由・きっかけ」を質問したところ、「自立したい」と「親孝行・親を安心させたい」という回答が7割弱を占めました。この結果からは、親に頼り続けるのではなく、「自分の力で生きていきたい」という意志も見えてきます。

実際、中退者の多くは大卒者よりも早く社会へ出て働き始めるため、実務経験を通じて専門的なスキルを身につけ、経済的に自立した生活を送れている人も少なくないのです。

▼中退者が就職しようと思った理由・きっかけ

自立したい42.3%
親孝行・親を安心させたい26.2%
年齢的な焦りや漠然とした将来への不安15.1%
安定的な収入が欲しくなった・必要になった10.7%
同期や友人など周囲の人が就職や卒業をしたから5.7%

出典:JAIC「Q13.就職しようと思った理由・きっかけ

大学中退後に民間企業へ就職するメリット・デメリット

大学中退後に民間企業へ就職するメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット・同世代よりも早く社会人経験を積める
・実務経験を通して将来の方向性を見極められる
デメリット・ゆっくり休める時間を確保しづらくなる
・企業によっては昇進・昇格で学歴が影響する場合がある

早く社会人としての経験を積める一方で、中退後にゆっくりする時間がなくなりやすいのがデメリットになり得ると言えます。

2. フリーターとして働く

大学中退後の進路に真剣に向き合うことができなかったり、就職活動に失敗し続けていたりすると、お金だけがどんどん減っていく状態になります。生活していくためにも、フリーターとして生活していくといった進路を選ぶ人も少なくありません。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によれば、大学中退直後にフリーターとして働きたいと思っていたような人は11.1%程度しかいませんでしたが、中退後に実際にフリーターになっていたという人は27.3%となっています。

つまり、フリーターになりたくてなったのではなく、「なってしまった」という人が大学中退者には多いということです。フリーターは将来的に見て非常に不安定な働き方ですので、特別な理由や思いがないのであれば、早々に民間企業へ就職できるようアクションするのがおすすめです。

大学中退後にフリーターになるメリット・デメリット

大学中退後にフリーターとして働くメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット・すぐに働き始められる
・シフト制が多いため、自分の時間を確保しやすい
デメリット・フリーター期間が長くなると就職が難しくなる
・社会保障や福利厚生が限定的であるため、将来の不安要素となる

すぐに働き始められるメリットがある一方で、フリーター期間が長引けば正社員としての就職が難しくなるデメリットが生じます。

3. 起業する

大学中退理由のところでも触れましたが、中退後に起業をする人も少なくありません。今ではパソコン一台さえあれば誰でもビジネスができる時代となっていますので、ビジネスとしてやりたいことが明確にある場合は、中退後に起業するのも良いでしょう。

ただ、起業をすることが目的となってしまい、肝心の「起業をして何をするか」が固まっていない場合、結局具体的な行動に落とし込むことができずにフリーターになるというケースも考えられます。

大きな目標を掲げることは重要ですが、起業をするのであれば「具体的に何をいつまでにするのか」というプランニングをしっかり行うようにしてください。

大学中退後に起業するメリット・デメリット

大学中退後に起業するメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット・起業に向けて時間を費やせる
・成功すれば学歴に関係なく高い評価や報酬が得られる
デメリット・収入が不安定な状態が続きやすい
・社会的信用を得にくいことがある

早いうちから企業に向けての時間を費やせるメリットがある一方で、収入が不安定な状態が続きやすいデメリットが生じます。

4. 別の大学や専門学校に編入する

大学中退後に別の大学や専門学校に編入するという進路も考えられます。特に専門学校であれば、随時入学受付をしているケースも多く、思い立ったらすぐに学び始められるのが特徴です。

ただ、この場合も大学や専門学校に目的意識を持って編入するのがポイントです。社会に出たくないからなどの理由で別の学校に逃げるように進学しても意味がありません。何を学び、どういう働き方をしていきたいのか、今一度言語化していきましょう。

大学中退後に別の学校に編入するメリット・デメリット

大学中退後に別の学校に編入するメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット・勉強に興味を持てるようになる
・新しい人間関係や経験を得られる
デメリット・取得単位が引き継げない可能性がある
・学校や学部のミスマッチが生じる可能性がある

新しい環境で経験を得られる一方で、慎重に学校・学部を選択しないとミスマッチが生じる可能性があります。

5. 公務員試験に向けて勉強する

公務員試験を受けることも、大学中退後の進路の1つです。大学を中退しても、国家公務員一般職試験(高卒者試験)や地方公務員(初級)公務員は目指せます。たとえば、以下のような仕事が該当します。

  • 国家一般職:中央官庁や出先機関における事務業務など
  • 地方公務員初級:市役所・県庁での窓口や事務業務など

公務員になるためには、筆記試験と面接を突破する必要があります。
筆記試験では数的処理や文章理解、人文科学など幅広い分野から出題される教養試験を突破しなければなりません。

このように、公務員試験は出題範囲が広いため、勉強時間を早期に確保して準備することが求められます。

大学中退後に公務員試験を目指すメリット・デメリット

大学中退後に公務員試験を目指すメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット・試験に合格すると安定した仕事に就ける
・学歴に関係なく受験できる試験がある
デメリット・合格できない場合は大学中退後の空白期間が長くなる
・試験範囲が広いため、独学での合格難易度が高くなる

公務員試験は合格すれば安定した職業につけるメリットがある一方で、広範囲から出題されるため、難易度が高い傾向にある点がデメリットとなります。

6. 結婚や家業を手伝う

割合としては少ないですが、大学中退を機に結婚をする人もいます。
ライフステージが大きく変わることになりますので、結婚をする場合はパートナーとしっかりと話し合い、仕事や家計をどうしていくかの目線合わせを行うのがおすすめです。

また、実家が自営業をしているのであれば、家業を手伝うという進路を選択するケースもあります。家業である程度経験を積み、そのままその世界で自分も自営業として働いていくこともあれば、民間企業への就職にシフトすることも考えられます。

いずれにせよ、自分の人生をどうしていきたいかから逆算し、後悔しない選択をするのがポイントとなります。

大学中退後に結婚や家業を手伝うメリット・デメリット

大学中退後に結婚や家業を手伝うメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット・一から信頼関係を築く機会が少なくなる
・家業や家庭の事情に応じて自分に合ったペースで働きやすい
デメリット・世間の常識や一般的なビジネスマナーが身につきづらくなる
・ブランクが生じてしまい、再就職の難易度が上がりやすくなる

状況に応じて自分のペースで働きやすい一方で、再就職が難しくなるといったデメリットが生じます。

中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス
中退者からよくある相談例
中退就職カレッジ 中退した方専門の就職支援サービス

大学中退者の就職率から考える就職への影響

大学中退を検討する際は、就職にどのような影響が出るかを考える必要があります。実際、労働政策研究・研修機構の調査によると「大学・大学院中退」と「大学・大学院卒業」の就職率には、以下のような違いがあります。

項目正社員就職率
大学中退者33.9%
大学・大学院卒69.2%

出典:労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究

ここで言う正社員就職率は、同調査の「離学前から正社員時期不明までの合計」を表したものです。調査結果からわかるように、中退者と卒業者を比較すると、中退者の正社員就職率は卒業者の半分以下と少ないことが分かるでしょう。

ここでは、なぜ大学中退者の正社員就職率が低くなるのかについて、3つの観点で解説をします。

1. 学歴が高卒になるため不利

大学を中退することにより、最終学歴は高卒になります。高卒だと、大卒を応募条件とする求人に応募できなくなってしまいますので、応募先が狭まるという観点で大きく不利になります。

また、募集条件に学歴の制限が無かったとしても、大卒と高卒から応募が同時にきた場合、多くの企業は大卒の人を採用したいと考える傾向にあります。これは、大学を卒業するだけの地頭と継続力があると思われやすいからです。

このように、大学中退は高卒になるというだけでも就職活動に大きく響いてくることが分かります。

2. 面接官の心象的に不利

大学中退率は先ほど解説した通り2%です。大学生が100人いれば、そのうち2人しか中退者がいないということですので、それだけで以下のようなネガティブなイメージを面接官は感じることになります。

  • 大学を卒業できない人が、会社で長く働けるだろうか?
  • 採用しても、すぐに嫌になって退職してしまうのではないか?
  • 人柄的に問題があるのではないか?

大学中退の事実は応募時点で基本的に面接官に伝わっていますので、面接がスタートする段階からネガティブなイメージを持たれるのは明確なデメリットと言えます。

面接対策が不十分だと、面接官が感じているネガティブイメージを払しょくできず、そのまま見送りになることが考えられます。事実として、大学中退者が大卒や高卒よりも就職率が非常に低いのは、この観点が大きいと考えられるでしょう。

3. 空白期間があるとさらに不利

求人募集企業は、就職していない空白期間が長い人を採用することは避けがちです。その理由は、ひとえに「採用しても会社で上手くやっていけなさそう」と思われやすいことにあります。

なお、フリーターとして働いていた期間も、就職活動においては空白期間とみなされます。そのため、フリーターの期間が長くなればなるほど就職も難しくなりやすいため、合わせて認識しておくようにしてください。

大学中退から就職する時のコツ

大学中退者の就職率は低いという事実はあるものの、一方で正社員として就職できている人がい社会人経験がなくても正社員として採用される可能性があるので、まずは「学歴不問」や「未経験歓迎」と記載された求人を探しましょう。特に建築系の技術職や営業職など、採用倍率が低い仕事は“狙い目”といえます。

面接では「中退理由」を前向きに伝えることが大切です。学習意欲の低下などネガティブに受け取られやすい理由は、「この経験をどう生かすか」という形に言い換えて伝えることがポイントです。

就活が初めてで不安な人や、中退者向けの正社員求人を効率的に探したい人は、内定獲得に向けて無料でサポートしてくれる就職エージェントの利用も検討しましょう。

1. 資格を取得する

ほとんどの仕事において、資格が必須となるケースはありません。ただ、資格を持っておくことで選考で有利になることは考えられるため、時間的余裕があるならば資格取得も検討してみると良いでしょう。

大学中退者でも勉強に取り組みやすく、幅広い業界・仕事でアピールできる資格としては、以下のようなものが挙げられます。

  • TOEIC
  • 日商簿記検定
  • ファイナンシャルプランナー
  • 秘書検定
  • ビジネスマナー検定
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト

就職活動における資格の有用性については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてください。

2. 応募する企業のことをしっかり調べる

応募する企業については、面接までに必ず徹底的に調べるようにしましょう。企業調査の上で確認すべきものとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 求人票
  • 求人広告
  • 企業ホームページ
  • 就職口コミサイトでの口コミ
  • 決算説明会資料(上場企業の場合)

企業のことを調べることは、そのまま面接での熱意をアピールすることに繋がりますし、入社後の悪いギャップを感じにくくなるという点でも有効です。

企業研究の詳しいやり方については、以下の記事を参考にしてみてください。

3. 学歴不問・未経験歓迎求人を探す

大学中退者が就職活動をするのであれば、学歴不問で募集している求人を中心に応募するのがコツです。

学歴不問の求人であれば、高卒となる大学中退者でも内定を獲得できる可能性があります。加えて、学歴不問の求人には中卒や大学に進学したことのない高卒も応募してきますが、一度でも大学に進学できた能力があるという点が評価され、選考で有利になることも期待できるでしょう。

また、学歴不問に合わせて未経験歓迎の求人に応募するのもポイントです。未経験歓迎の求人であれば、社会人経験がない人でも内定をもらいやすく、加えて入社後の研修制度が整っていることが多いため、社会人デビューを円滑に進められるでしょう。

特に求人サイトを使って就職活動を進めていきたいと思っている場合、これら2つの条件を必ずチェックした上で求人を検索するようにしてください。

4. 有効求人倍率の高い仕事を狙う

大学を中退した場合、有効求人倍率の高い仕事を狙うと就職しやすくなります。有効求人倍率とは、「求職者1人に対して何件の求人があるか」を示す指標であり、1.0を超えると求人が多く、就職しやすい傾向です。

有効求人倍率の高い求人は人手不足である可能性があるため、大学を中退していても就職できる可能性が高くなります。有効求人倍率の高い仕事の一例は、以下の表のとおりです。

職種有効求人倍率
販売従事者2.09倍
サービス職業従事者2.41倍
保安職業従事者6.99倍
建築・採掘従事者5.94倍
輸送・機械運転従事者2.36倍

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年11月分)について

大学中退からの就職を目指す場合は、有効求人倍率を参考にすると就職できる可能性を高められるでしょう。

5. 応募書類は嘘をつかず丁寧に書く

大学中退者が求人に応募する際は、応募書類に嘘は書かず、丁寧に書くことが重要です。応募をする際は、アルバイト経験の有無を問わず、履歴書や職務経歴書の提出が求められます。ある程度書き方が決まっているからこそ適当に書く人もいるため、丁寧に書くことで周りとの差をつけられ、採用担当者に好印象を与えられます。

応募書類を書くときは、以下のマナーを押さえて書きましょう。

  • 黒のボールペンで丁寧に記入する
  • 空欄をなるべく作らない
  • 志望動機や自己PRは求人内容に沿って調整する
  • 誤字脱字がないかを確認する

また、ごまかしがバレれば内定取り消しのリスクもあるため、大学を中退した事実を隠さないように注意しましょう。

応募書類の詳しい書き方は以下の記事で解説しているので、書類作成の際の参考にしてみてください。

6. 面接でのマナーを理解しておく

大学中隊から就職する時は、面接でのマナーを理解しておくことが重要です。面接のマナーなどを把握しないまま就職活動に取り組んでも、選考通過が難しくなってしまいます。

たとえば、以下のようなマナーを守ることで、面接中に採用担当者に好印象を与えられます。

  • 面接開始の5分前には会場に到着する
  • 清潔感のある服装・髪型にする
  • 入退室時の挨拶をしっかりとする
  • 相手の目を見てはっきりと話す
  • 質問内容に合った回答をする

マナーを守れていないだけで「社会人としての常識がない」と判断される可能性もあるため、注意が必要です。なお、面接のマナーは以下の記事でも詳しく解説しているので、就職活動をする際は参考にしてみてください。

7. 大学中退理由をポジティブに話す

大学を中退していると、高い確率で面接官に大学中退理由を聞かれます。この時、ネガティブに中退理由を伝えてしまうと、面接官に対してマイナスイメージを植え付けてしまうことになり、選考に通過しにくくなります。

上手く大学中退理由をポジティブに話すことができれば、面接官に魅力的な人材というアピールにも繋げられることができるため、大学中退理由については必ず言語化し、面接で語れるようにしてください。

大学中退理由の伝え方については、以下の記事で詳しく解説しています。

8. 就職エージェントを活用する

何から就職活動を始めればいいのか分からないという大学中退者には、就職エージェントの利用がおすすめです。

就職エージェントを利用することで、就職活動に必要な知識を直接アドバイザーが教わることができるだけでなく、履歴書の添削や模擬面接の実施をしてもらえるため、就職成功率を引き上げることができます。

また、キャリアカウンセリングを経て、自分の希望する仕事の求人の紹介を受けられるようになるため、就職活動全般にかかる期間を大幅に短縮する期待も持てます。

就職エージェントの利用は無料となっていますので、気になるサービスを見つけたらまずは登録してみることから始めると良いでしょう。

大学中退率に関する注意点

大学生活が精神的にキツイ場合、そのまま通い続けると状態がさらに悪化してしまうリスクがあるため、大学中退を検討しても良いでしょう。

ただし「なんとなく合わない」など、中退後に明確な目標やビジョンがないまま大学を辞めるのはおすすめできません。高卒になるので就職で不利になる場合があるなど、大卒と比べて何かとデメリットを感じるケースが多いからです。

また、奨学金を借りている人は、中退後に返済が待っていることにも注意が必要です。たとえば日本学生支援機構の「貸与型奨学金」の場合、貸与終了月の翌月から数えて7ヶ月目から返済が始まります。

本当にキツいなら中退してもいい

大学中退率は2%と極めて低く、中退により自分が少数派になることは避けられません。しかし、真剣に検討してもなお「どうしても自分は大学に通い続けられない」と感じるのであれば、大学を中退してもいいでしょう。

精神的にキツい中で大学に通い続けていれば、精神病を患ってしまうリスクもあります。人生において、心身ともに健康な生活を送るのが最も大切と言っても過言ではありませんし、そのためであれば大学を中退するという選択肢は持っておいてもいいと考えられます。

明確な意思がないなら大学を卒業した方が有利

大学中退後に明確なビジョンや進路を持っておらず、ただなんとなく合わないという理由だけで大学を中退するのはおすすめできません。明確な意思がないのであれば、大学を卒業して就職活動をした方が後々あらゆる面において有利になります。

大学へのモチベーションがどうしても湧かないのであれば、中退ではなく休学という選択肢も検討してみてください。

奨学金の返済が待っていることにも注意

日本学生支援機構の「貸与型奨学金」を利用していた場合、中退後(貸与終了月)の翌月から数えて7か月目に返済が始まる点に注意が必要です。

貸与終了後に「返還確認票」「返還のてびき」「口座振替(リレー口座)加入申込書」が届き、指定された期限までに金融機関で口座加入手続きを済ませる必要があります。

JAICの調査では、中退者の約37%が奨学金を受給していたと回答しています。返済が滞ると延滞金が加算されたりするため、安定的に返し続けるだけの収入や貯蓄が欠かせません。

そのため奨学金を利用している人は、返済開始の時期や毎月の支払い額をしっかりと確認し、中退後に本当に返し続けられるかを冷静に考えるようにしましょう。

出典:日本学生支援機構「よくあるご質問|貸与中~貸与終了までの手続き
出典:JAIC「2023年度中退データ集|Q5.奨学金の受給状況

大学中退率に関するよくある質問

理系の大学中退率は高い?

理系の大学中退率は文系と比較すると特別高いとは言えません。実際に大学を中退したときの具体的な専攻分野は、以下の表のとおりです。
「理・工・農」と「医療・保健・衛生」の学部は理系とみなし、中退した割合の合計は32.2%でした。一方、その他の学部は文系とみなされており、中退した割合の合計は62.7%です。つまり、理系で中退した割合は、文系よりも少ないと言えるでしょう。

学部・専攻男性女性男女計
理・工・農32.4%12.1%26.1%
医療・保健・衛生4.4%9.9%6.1%
人文科学14.3%26.9%18.2%
社会科学38.6%25.6%34.6%
教育・福祉3.0%5.4%3.8%
芸術・服飾・家政・文化・教養3.4%12.1%6.1%

出典:労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究

日本の大学中退率は世界中の国と比較して高い?

日本の大学中退率は、世界中の国と比較して低い水準です。具体的な世界の大学中退率は、以下の表のとおりです。

下記の表からも分かるように、日本の大学中退率は世界中の国と比較すると最も低い水準となっています。また、同データによると日本の大学は入学難易度は高いものの、卒業の難易度が低いとされています。
つまり、日本の大学は「入るまでが大変で、入ってからは続けやすい」という特徴を持っていると考えられるでしょう。世界的に見ても中退率が低い背景には、こうした大学制度の仕組みが大きく影響していると考えられます。

大学中退率
日本10%
オーストラリア18%
英国28%
スイス30%
米国47%
イタリア55%

出典:社会実情データ図鑑「大学退学率の国際比較(2011年)

大学を辞める人は何割くらいですか?

大学を辞める人は、文部科学省の調査によると2%であるため、50人に1人が大学を辞めています。
この割合から分かるように、大学を中退する人は決して多くなく、大学進学者全体から見れば少数派と言えるでしょう。多くの学生が卒業まで在籍していることを踏まえると、大学中退は一般的な進路とは言い難い状況です。
出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

中退率は平均してどのくらいですか?

中退率は、大学・大学院・短期大学・高等専門学校すべてを含めた平均で2.10%となっています。この数値は、約50人に1人が中退していることを示しています。
中でも、短期大学の中退率は3.95%と、最も高い水準です。一方で、大学の中退率は2.00%と、最も低くなっています。中退を検討するうえで、実際の中退率がどの程度であるかを理解しておくことは重要です。
出典:文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

まとめ

大学中退率は2%と極めて低いです。また、大学の区分や偏差値によっても大学中退率は大きく変わるというデータもありますので、この記事の内容を参考にしつつ、本当に大学を中退していいのかどうかの検討を進めてみてください。

なお、大学を中退するとどうしても就職成功率は下がりやすいため、もし正社員就職を目指して中退するのであれば、記事で解説した就職活動のコツを意識していきましょう。

中退就職カレッジのご紹介
中退就職カレッジのご紹介
  • 学歴に自信がないから就職できるか不安
  • 就職について、誰に相談したら良いか分からない
  • 中退しようかどうかを迷っている
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ABOUT US
小久保 友寛キャリアコンサルタント
元株式会社ジェイック シニアマネージャー/「就職カレッジ®中退者コース」事業責任者。国家資格キャリアコンサルタント。これまで約1400名以上*の大学中退者やフリーターのキャリアカウンセリングや就職支援講座を行う。(*2014年8月~2020年7月)現在は、学生団体の活動支援や、企業・経営者への組織づくり支援、終活支援など、世代や立場を問わず「やりがい」や「いきがい」を育む取り組みを幅広く展開中。 「誰もが人生を楽しめる社会をつくる」──その想いは、「日本の中退を変える!」と掲げていた頃から今も変わりません。